説明

衛生洗浄装置

【課題】高さをより低く抑えることができる衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
【解決手段】洋式腰掛便器の上に設けられる本体と、人体洗浄吐水口を有し、前記本体から進出可能に設けられて前記人体洗浄吐水口から水を噴射して前記洋式腰掛便器に着座した使用者の人体を洗浄する人体洗浄ノズルと、前記人体洗浄ノズルを洗浄するノズル洗浄手段と、を備え、前記ノズル洗浄手段は、前記人体洗浄ノズルが前記本体に収納されているときには前記人体洗浄ノズルの先端面の頂上よりも下側に配置され、前記人体洗浄ノズルを洗浄するときには前記本体の外部に移動し前記本体の外部に進出した前記人体洗浄ノズルを洗浄することを特徴とする衛生洗浄装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、衛生洗浄装置に関し、具体的には洋式腰掛便器に腰掛けた使用者の「おしり」などの身体を水で洗浄する衛生洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄ノズルを衛生的に保つために、例えば、使用時の洗浄ノズルの進退に伴って洗浄ノズルの外観面を洗浄する洗浄手段を備えた衛生洗浄装置がある。これにより、例えば洗浄ノズルの外観面にこびり付いた汚れなどをきれいに洗い流すことができる。一般的に、洗浄手段は、洗浄ノズルの上に配置されている。
【0003】
一方、近年のトイレ空間のデザイン向上に伴い、衛生洗浄装置の高さ方向を抑えたコンパクト化が望まれている。これに対しては、衛生洗浄装置の高さに影響を与える要因の1つである例えば収納時の洗浄ノズルの高さなどを抑える必要がある。例えば、洗浄ノズルとともにノズル洗浄室が進出し、ノズル洗浄室が衛生洗浄便座装置本体の外側に突出した状態とされる衛生洗浄便座装置がある(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、収納時の洗浄ノズルの高さを抑えることができても、洗浄手段が収納時の洗浄ノズルの上に配置される場合には、衛生洗浄装置の高さ方向を抑えることは困難である。この点においては、改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−299550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、高さをより低く抑えることができる衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、洋式腰掛便器の上に設けられる本体と、人体洗浄吐水口を有し、前記本体から進出可能に設けられて前記人体洗浄吐水口から水を噴射して前記洋式腰掛便器に着座した使用者の人体を洗浄する人体洗浄ノズルと、前記人体洗浄ノズルを洗浄するノズル洗浄手段と、を備え、前記ノズル洗浄手段は、前記人体洗浄ノズルが前記本体に収納されているときには前記人体洗浄ノズルの先端面の頂上よりも下側に配置され、前記人体洗浄ノズルを洗浄するときには前記本体の外部に移動し前記本体の外部に進出した前記人体洗浄ノズルを洗浄することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0008】
この衛生洗浄装置によれば、ノズル洗浄手段は、本体の外部において人体洗浄ノズルを洗浄する。一方、ノズル洗浄手段は、人体洗浄ノズルを洗浄しないときには、つまり人体洗浄ノズルが本体に収納されているときには、人体洗浄ノズルの先端面の頂上よりも下側に配置される。そのため、人体洗浄ノズルが本体に収納されているときのノズル洗浄手段の高さをより低く抑えることができる。そのため、衛生洗浄装置の高さをより低く抑えることができる。
【0009】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記ノズル洗浄手段は、前記人体洗浄ノズルが前記本体に収納されているときに前記本体の内部を洗浄することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0010】
この衛生洗浄装置によれば、ノズル洗浄手段は、本体の内部も洗浄することができる。そのため、より綺麗な衛生洗浄装置を提供することができる。
【0011】
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記ノズル洗浄手段は、前記人体洗浄ノズルの進退動作と連動して移動することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0012】
この衛生洗浄装置によれば、ノズル洗浄手段は、人体洗浄ノズルの進退動作と連動して移動するため、人体洗浄ノズルを洗浄する状態へより滑らかな動作で移行することができる。
【0013】
また、第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記ノズル洗浄手段は、前記人体洗浄ノズルの前記本体の外部への進出よりも先に前記本体の外部へ移動し、前記人体洗浄ノズルの先端部を洗浄することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0014】
この衛生洗浄装置によれば、ノズル洗浄手段は、人体洗浄ノズルの本体の外部への進出よりも先に本体の外部へ移動する。つまり、ノズル洗浄手段は、人体洗浄ノズルの進出先において人体洗浄ノズルを迎えることができる。そして、ノズル洗浄手段は、人体洗浄ノズルの先端部を洗浄する。これにより、より綺麗な人体洗浄ノズルを実現することができる。
【0015】
また、第5の発明は、第1〜第4のいずれか1つの発明において、前記ノズル洗浄手段は、前記人体洗浄ノズルから押し出されることで前記本体の外部に移動することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0016】
この衛生洗浄装置によれば、例えば人体洗浄ノズルを進退させる駆動機構を設け人体洗浄ノズルを移動させることにより、ノズル洗浄手段を移動させることができる。そのため、より簡単な構成で、衛生洗浄装置100の高さをより低く抑えることができる。
【0017】
また、第6の発明は、第5の発明において、前記ノズル洗浄手段は、前記人体洗浄ノズルから押し出された後に前記ノズル洗浄手段自身の位置を決める位置決め部材を有することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0018】
この衛生洗浄装置によれば、ノズル洗浄手段が有する位置決め部材は、ノズル洗浄手段が人体洗浄ノズルを洗浄する際のノズル洗浄手段自身の位置を決めることができる。そのため、ノズル洗浄手段の洗浄機能をより確保することができる。
【0019】
また、第7の発明は、第1〜第6のいずれか1つの発明において、前記本体に形成された開口部を開閉可能なシャッター部をさらに備え、前記ノズル洗浄手段は、前記シャッター部と一体化されたことを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0020】
この衛生洗浄装置によれば、より簡単な構成で、衛生洗浄装置の高さをより低く抑えることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の態様によれば、高さをより低く抑えることができる衛生洗浄装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態にかかる衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を表す斜視模式図である。
【図2】本実施形態にかかる衛生洗浄装置を側方からみた断面模式図である。
【図3】本実施形態にかかる衛生洗浄装置を側方からみた断面模式図である。
【図4】ノズル洗浄手段が本体の外部において洗浄ノズルを洗浄する動作を説明するための断面模式図である。
【図5】ノズル洗浄手段および洗浄ノズルが本体の外部に進出した状態を表す斜視模式図である。
【図6】本実施形態のノズルユニットを例示する平面模式図である。
【図7】本実施形態のノズルユニットを例示する斜視模式図である。
【図8】本実施形態のノズルユニットを上方から眺めたときの平面模式図である。
【図9】ノズル洗浄手段の近傍を下方から眺めたときの平面模式図である。
【図10】本実施形態のノズルユニットを例示する平面模式図である。
【図11】本実施形態のノズルユニットを例示する斜視模式図である。
【図12】洗浄ノズルにおける洗浄水の着水位置を表す模式図である。
【図13】本実施形態のノズルユニットを例示する斜視模式図である。
【図14】本実施形態のノズルユニットを例示する斜視模式図である。
【図15】本実施形態のノズルユニットを例示する斜視模式図である。
【図16】本発明の他の実施の形態にかかる衛生洗浄装置を側方からみた断面模式図である。
【図17】本発明の他の実施の形態にかかる衛生洗浄装置を側方からみた断面模式図である。
【図18】ノズル洗浄手段が本体の外部において洗浄ノズルを洗浄する動作を説明するための断面模式図である。
【図19】ノズル洗浄手段および洗浄ノズルが本体の外部に進出した状態を表す斜視模式図である。
【図20】ノズル洗浄手段および洗浄ノズルが本体の外部に進出した状態を表す平面模式図である。
【図21】ノズル洗浄手段および洗浄ノズルが本体の外部に進出した状態を表す平面模式図である。
【図22】本発明のさらに他の実施の形態にかかる衛生洗浄装置のシャッター部付近を拡大した拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を表す斜視模式図である。
【0024】
図1に表したトイレ装置は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)800と、その上に設けられた衛生洗浄装置100と、を備える。衛生洗浄装置100は、本体400と、便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300とは、本体400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。
【0025】
本体400の内部には、便座200に座った使用者の「おしり」などの洗浄を実現する身体洗浄機能部などが内蔵されている。また、例えば本体400には、使用者が便座200に座ったことを検知する着座検知センサ404が設けられている。着座検知センサ404が便座200に座った使用者を検知している場合において、使用者が例えばリモコンなどの図示しない操作部を操作すると、人体洗浄ノズル(以下、説明の便宜上「洗浄ノズル」と称する)473を便器800のボウル801内に進出させることができる。なお、図1に表した衛生洗浄装置100では、洗浄ノズル473がボウル801内に進出した状態を表している。
【0026】
洗浄ノズル473の先端部には、ひとつあるいは複数の人体洗浄吐水口474が設けられている。そして、洗浄ノズル473は、その先端部に設けられた人体洗浄吐水口474から水を噴射して、便座200に座った使用者の「おしり」などを洗浄することができる。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加温されたお湯も含むものとする。
【0027】
なお、本願明細書においては、洗浄ノズル473の中心軸線または進出方向に対して平行な方向であって、便座200に座った使用者からみて前方を「前方」とし、便座200に座った使用者からみて後方を「後方」とする。また、洗浄ノズル473の中心軸線または進出方向に対して垂直な水平方向であって、便器100の前に立った使用者からみて右側を「右側方」とし、左側を「左側方」とする。
【0028】
図2および図3は、本実施形態にかかる衛生洗浄装置を側方からみた断面模式図である。
なお、図2および図3は、図1に表した切断面A−Aにおける断面模式図である。図2は、本実施形態の洗浄ノズルが本体の内部に収納された状態を表す。図3は、本実施形態の洗浄ノズルが本体の外部に進出した状態を表す。図2および図3では、便座200および便蓋300を省略している。
【0029】
本実施形態の本体400は、ケースプレート401と、ケースカバー402と、を有する。身体洗浄機能部などは、ケースプレート401に適宜載置され、その上方をケースカバー402により覆われている。
【0030】
本実施形態の洗浄ノズル473は、ノズルヘッド471と、シリンダ472と、を有する。すなわち、図2および図3に表した洗浄ノズル473は、2段式である。なお、本実施形態では、2段式すなわち2本の可動部を有する洗浄ノズルを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されず、可動部が3本以上の多段式の洗浄ノズル、および可動部がノズルヘッドのみの単段式の洗浄ノズルも包含する。
【0031】
ノズルヘッド471は、シリンダ472に対して摺動自在に設けられ、少なくともその一部がシリンダ472の中に格納可能とされている。ノズルヘッド471は、ノズルモータ476から伝達される駆動力により、基台475(例えば図6参照)に対して摺動自在に設けられている。
【0032】
本実施形態にかかる衛生洗浄装置100は、洗浄ノズル473を洗浄するノズル洗浄手段420を備える。ノズル洗浄手段420は、洗浄水を吐水する吐水孔425(例えば図4(b)参照)を有する。ノズル洗浄手段420は、洗浄ノズル473が進退しているときに、洗浄ノズル473の外観面に対して吐水孔425から洗浄水を吐水し、洗浄ノズル473の外観面を洗浄することができる。
【0033】
言い換えれば、洗浄ノズル473が本体400の内部に収納されているときには、ノズル洗浄手段420は、洗浄ノズル473を洗浄することはできない。図2に表したように、洗浄ノズル473が本体400の内部に収納されているときには、ノズル洗浄手段420は、洗浄ノズル473の先端面の頂上473aよりも下側に配置されている。
【0034】
ここで、本願明細書において「洗浄ノズルの先端面の頂上」とは、衛生洗浄装置100を右側方あるいは左側方からみた場合(図2および図3に表した場合)において、洗浄ノズル473の中心軸C1に対して垂直方向にみたときの最も高いところをいうものとする。図3に表したように、洗浄ノズル473がノズルヘッド471とシリンダ472とを有する場合には、洗浄ノズル473の先端面の頂上473aは、シリンダ472の先端面の頂上に相当する。
【0035】
これによれば、洗浄ノズル473が本体400の内部に収納されているときのノズル洗浄手段420の高さをより低く抑えることができる。そのため、衛生洗浄装置100の高さをより低く抑えることができる。
【0036】
また、図2に表した矢印A1〜A3のように、洗浄ノズル473が本体400の内部に収納されているときには、ノズル洗浄手段420は、吐水孔425から洗浄水を吐水し、本体400の内部を洗浄することができる。これにより、より綺麗な衛生洗浄装置100を提供することができる。
【0037】
続いて、洗浄ノズル473は、ノズルモータ476から伝達される駆動力を受けると、本体400の外部へ向かって進出する。このとき、図2に表した矢印A4のように、ノズル洗浄手段420は、洗浄ノズル473の進出動作と連動して移動する。具体的には、洗浄ノズル473は、本体400の外部へ向かって進出するときに、先端面473bによりノズル洗浄手段420を本体400の外部へ向かって押す。そうすると、ノズル洗浄手段420は、例えば基台475などに回動自在に軸支されており、洗浄ノズル473の先端面473bから押されることにより本体400の外部へ押し出される。
【0038】
これによれば、ノズル洗浄手段420は、洗浄ノズル473を洗浄する状態へより滑らかな動作で移行することができる。また、ノズルモータ476を設け、洗浄ノズル473を移動させることにより、ノズル洗浄手段420を本体400の外部に押し出すことができる。そのため、より簡単な構成で、衛生洗浄装置100の高さをより低く抑えることができる。
なお、図3に表したように、洗浄ノズル473がノズルヘッド471とシリンダ472とを有する場合には、洗浄ノズル473の先端面473bは、ノズルヘッド471の先端面に相当する。
【0039】
そして、図3に表したように、ノズル洗浄手段420は、本体400の外部に進出した状態で吐水孔425から洗浄水を吐水し、本体400の外部へ進出する洗浄ノズル473あるいは本体400の外部に進出した洗浄ノズル473を洗浄することができる。洗浄ノズル473が本体400の外部に進出したときには、ノズル洗浄手段420は、洗浄ノズル473の先端面の頂上473aよりも上側に配置される。そのため、ノズル洗浄手段420は、洗浄ノズル473の先端面の頂上473aよりも上側から洗浄ノズル473へ向けて洗浄水426を吐水することができる。
【0040】
このとき、ノズル洗浄手段420が本体400の外部に進出した状態で洗浄ノズル473を洗浄すると、洗浄ノズル473の外観面などに当たった洗浄水が使用者の方向へ飛び散ったり、便器800の外側まで飛び散る場合がある。
これに対して、本実施形態にかかる衛生洗浄装置100は、飛び散り抑制手段を備える。飛び散り抑制手段は、ノズル洗浄手段420が本体400の外部において洗浄ノズル473を洗浄するときの洗浄水の飛び散りや洗浄ノズル473の汚れの飛び散りなどを抑えることができる。以下、これについて、図面を参照しつつさらに説明する。
【0041】
図4は、ノズル洗浄手段が本体の外部において洗浄ノズルを洗浄する動作を説明するための断面模式図である。
また、図5は、ノズル洗浄手段および洗浄ノズルが本体の外部に進出した状態を表す斜視模式図である。
図4(b)は、図4(a)に表した範囲B1を拡大した拡大模式図である。
【0042】
図4(b)に表したように、ノズル洗浄手段420は、リブ(位置決め部材)421を有する。洗浄ノズル473が本体400の外部に進出した状態において、すなわちノズル洗浄手段420が本体400の外部に押し出された状態において、リブ421は、ノズル洗浄手段420の下側の面(吐水孔425が設けられた側の面)から洗浄ノズル473へ向かって突出している。図4(b)に表したように、リブ421は、ノズル洗浄手段420が本体400の外部に押し出された後に、洗浄ノズル473の外観面と接触する。そして、図4(a)および図5に表したように、リブ421が洗浄ノズル473の外観面と接触した状態において、ノズル洗浄手段420は、吐水孔425から洗浄水426を吐水し、本体400の外部へ進出する洗浄ノズル473あるいは本体400の外部に進出した洗浄ノズル473を洗浄することができる。
【0043】
そのため、リブ421は、ノズル洗浄手段420が洗浄ノズル473を洗浄する際のノズル洗浄手段420自身の洗浄ノズル473に対する位置を決めることができる。これにより、ノズル洗浄手段420の洗浄機能をより確保することができる。
【0044】
また、図2および図3に関して前述したように、ノズル洗浄手段420は、洗浄ノズル473の先端面473bから押されることにより本体400の外部へ押し出される。図2に表したように、洗浄ノズル473が本体400の内部に収納されているときには、ノズル洗浄手段420は、洗浄ノズル473の先端面の頂上473aよりも下側であって、洗浄ノズル473の先端面473bの前方に配置されている。そのため、ノズル洗浄手段420は、洗浄ノズル473の先端面473bから押されることで、洗浄ノズル473よりも先に本体400の外部へ移動することができる。これにより、ノズル洗浄手段420は、洗浄ノズル473を迎える形となるので、洗浄ノズル473の先端部(例えば、人体洗浄吐水口474が設けられた部分)も洗浄することができる。そのため、より綺麗な洗浄ノズル473を実現することができる。
【0045】
図4(b)に表したように、ノズル洗浄手段420は、吐水孔425から鉛直下方へ洗浄水426を吐水する。一方、図4(a)に表したように、洗浄ノズル473は、水平面に対して斜め方向へ進退する。そのため、図4(b)に表したように、ノズル洗浄手段420の吐水孔425から吐水された洗浄水426と、洗浄ノズル473の外観面と、のなす角度θ1は、鋭角すなわち90度よりも小さい角度となる。つまり、ノズル洗浄手段420の吐水孔425から吐水された洗浄水426は、洗浄ノズル473の中心軸C1に対して鋭角に当たる。
【0046】
これによれば、ノズル洗浄手段420の吐水孔425から吐水された洗浄水426が洗浄ノズル473に当たった際の飛び散りは、洗浄水426が洗浄ノズル473の中心軸C1に対して垂直に当たった際の飛び散りよりも低減される。そのため、ノズル洗浄手段420が本体400の外部において洗浄ノズル473を洗浄するときの洗浄水426の飛び散りや洗浄ノズル473の汚れの飛び散りなどを抑えることができる。また、洗浄ノズル473の外観面に当たった洗浄水426が使用者の方向へ飛び散ったり、便器800の外側まで飛び散ったりすることを抑えることができる。また、ノズル洗浄手段420は、本体400の外部において洗浄ノズル473を洗浄するため、洗浄水426が本体400の内部へ入り込んだり、洗浄ノズル473の汚れが本体400の内部へ入り込んだりすることを抑えることができる。
【0047】
つまり、本実施形態の飛び散り抑制手段の一つは、ノズル洗浄手段420の吐水孔425から吐水された洗浄水426と、洗浄ノズル473の外観面と、のなす角度θ1が鋭角とされてなる。あるいは、本実施形態の飛び散り抑制手段は、ノズル洗浄手段420の吐水孔425から吐水された洗浄水426が洗浄ノズル473の中心軸C1に対して鋭角に当たることで構成されてなる。これについて、図面を参照しつつさらに説明する。
【0048】
図6は、本実施形態のノズルユニットを例示する平面模式図である。
また、図7は、本実施形態のノズルユニットを例示する斜視模式図である。
【0049】
本実施形態のノズルユニット470は、基台475と、基台475に支持された洗浄ノズル473と、洗浄ノズル473を移動させるノズルモータ476と、筒体461と、を有する。筒体461は、基台475あるいはケースプレート401あるいはケースカバー402に対して回動軸463により回動自在に軸支されている。筒体461は、筒状に形成され、シリンダ472の角度に応じて回動軸463を中心として回動できる。そして、筒体461および回動軸463は、洗浄ノズル473の移動を案内し規制することができる。
【0050】
ノズル洗浄手段420は、筒体461に対して回動自在に軸支されている。そのため、図2に関して前述したように、ノズル洗浄手段420は、矢印A4(図2参照)のように洗浄ノズル473の進出動作と連動して移動(回動)する。つまり、ノズル洗浄手段420は、洗浄ノズル473の先端面473bから押されることにより回動し、本体400の外部へ押し出される。
【0051】
そして、図6に表した矢印A5〜矢印A7のように、ノズル洗浄手段420は、本体400の外部に進出した状態で吐水孔425から鉛直下方へ洗浄水426を吐水する。これにより、図4および図5に関して前述したように、ノズル洗浄手段420の吐水孔425から吐水された洗浄水426は、洗浄ノズル473の中心軸C1に対して鋭角に当たる。
【0052】
このとき、洗浄ノズル473の外観面に沿う方向の洗浄水426のエネルギーは、図6に表した矢印A11のように洗浄水426が洗浄ノズル473の中心軸C1に対して垂直に吐水された場合と比較して大きい。そのため、洗浄水426が洗浄ノズル473に当たるときの力(あるいは撃力)は、洗浄ノズル473の中心軸C1に対して垂直に吐水された洗浄水が洗浄ノズル473に当たるときの力(あるいは撃力)よりも小さい。そのため、図7に表した矢印A15〜矢印A17のように、洗浄水426は、表面張力に対抗しつつ洗浄ノズル473の外観面を沿うように流れる。これにより、洗浄水426が洗浄ノズル473に当たった際の飛び散りは、洗浄ノズル473の中心軸C1に対して垂直に吐水された洗浄水が洗浄ノズル473に当たった際の飛び散りよりも低減される。
【0053】
洗浄ノズル473の中心軸C1に対して垂直に当たった洗浄水は、洗浄ノズル473の中心軸C1に対して鋭角に当たった洗浄水426と比較して、洗浄ノズル473の外観面を沿うようには流れにくい。そのため、図6に表した矢印A12のように、洗浄ノズル473の中心軸C1に対して垂直に当たった洗浄水は、洗浄ノズル473の中心軸C1に対して鋭角に当たった洗浄水426と比較して、洗浄ノズル473の下側の外観面までは流れにくく下方へ落下する。
【0054】
これに対して、洗浄ノズル473の中心軸C1に対して鋭角に当たった洗浄水426は、洗浄ノズル473の中心軸C1に対して垂直に当たった洗浄水と比較して、洗浄ノズル473の外観面を沿うように流れやすい。そのため、図6に表した矢印A5〜矢印A7に表したように、洗浄ノズル473の中心軸C1に対して鋭角に当たった洗浄水426は、洗浄ノズル473の中心軸C1に対して垂直に当たった洗浄水と比較して、洗浄ノズル473の外観面を伝いやすく洗浄ノズル473の下側の外観面まで流れやすい。これにより、洗浄ノズル473の下側の外観面の汚れをより落とすことができる。
【0055】
図8は、本実施形態のノズルユニットを上方から眺めたときの平面模式図である。
また、図9は、ノズル洗浄手段の近傍を下方から眺めたときの平面模式図である。
【0056】
図8および図9に表したように、ノズル洗浄手段420は、複数の吐水孔425を有する。本実施形態の以下の説明では、ノズル洗浄手段420が6つの吐水孔425を有する場合を例に挙げる。但し、ノズル洗浄手段420が有する吐水孔の個数は、これだけに限定されるわけではない。
【0057】
図8および図9に表したように、複数の吐水孔425は、左右方向に互いに離隔して配置されている。洗浄ノズル473の中心軸C1からみて左右両側に、それぞれ3つずつの吐水孔425が設けられている。また、洗浄ノズル473の中心軸C1からみて右側方に設けられた3つの吐水孔425は、ノズル洗浄手段420が本体400の外部に押し出された状態において前後方向あるいは洗浄ノズル473の進退方向に互いに離隔して配置されている。これと同様に、洗浄ノズル473の中心軸C1からみて左側方に設けられた3つの吐水孔425は、ノズル洗浄手段420が本体400の外部に押し出された状態において前後方向あるいは洗浄ノズル473の進退方向に互いに離隔して配置されている。
【0058】
言い換えれば、複数の吐水孔425は、洗浄ノズル473の中心軸C1に最も近い位置に設けられた吐水孔425の位置を基準として、洗浄ノズル473の中心軸C1からみて左右両側の斜め後方に離隔して配列されている。但し、複数の吐水孔425の配置形態は、これだけに限定されない。例えば、複数の吐水孔425は、洗浄ノズル473の中心軸C1に最も遠い位置に設けられた吐水孔425の位置を基準として、洗浄ノズル473の中心軸C1へ向かって左右両側から斜め後方に離隔して配列されていてもよい。
【0059】
図8に表したように、ノズル洗浄手段420には給水チューブ428が接続されている。給水チューブ428の内部を導かれた洗浄水は、図8に表した矢印A19のように、ノズル洗浄手段420の内部を導かれ吐水孔425から吐水される。
【0060】
図8および図9に表したように、ノズルユニット470を上方あるいは下方からみたときに、吐水孔425は、洗浄ノズル473の中心軸C1上には設けられていない。これにより、吐水孔425から吐水された洗浄水426が、洗浄ノズル473の人体洗浄吐水口474に直接的に着水することを抑えることができる。これにより、吐水孔425から吐水された洗浄水426が人体洗浄吐水口474の例えば縁などに当たり飛び散ることを抑えることができる。
【0061】
図10は、本実施形態のノズルユニットを例示する平面模式図である。
また、図11は、本実施形態のノズルユニットを例示する斜視模式図である。
また、図12は、洗浄ノズルにおける洗浄水の着水位置を表す模式図である。
なお、図11(b)は、図11(a)に表した範囲B2を拡大した拡大模式図である。図12(a)は、ノズルヘッドを右側方からみたときの平面模式図である。図12(b)は、図12(a)に表した矢印A21の方向にみたときの平面模式図である。図12(c)は、シリンダを右側方からみたときの平面模式図である。図12(d)は、図12(c)に表した矢印A22の方向にみたときの模式図である。
【0062】
図8および図9に関して前述したように、洗浄ノズル473の中心軸C1からみて右側方あるいは左側方に設けられた3つの吐水孔425は、ノズル洗浄手段420が本体400の外部に押し出された状態において前後方向に互いに離隔して配置されている。そのため、図10に表したように、複数の洗浄水426は、複数の吐水孔425からそれぞれ前後方向に互いに離隔して吐水され、所定の距離をもって洗浄ノズル473に着水する。
【0063】
また、図8および図9に関して前述したように、複数の吐水孔425は、左右方向に互いに離隔して配置されている。そのため、図11(a)および図11(b)に表したように、複数の洗浄水426は、複数の吐水孔425からそれぞれ左右方向に互いに離隔して吐水され、所定の距離をもって洗浄ノズル473に着水する。なお、図11(b)に表したように、ノズル洗浄手段420が本体400の外部に押し出された状態では、リブ421が洗浄ノズル473(図11(b)ではシリンダ472)の外観面と接触している。
【0064】
洗浄水426がノズルヘッド471およびシリンダ472に着水したときの状態は、図12(a)〜図12(d)に表した如くである。すなわち、図12(b)に表した矢印のように、洗浄水426は、ノズルヘッド471の外観面に着水すると周囲に拡散しようとする。また、図12(d)に表したように、洗浄水426は、シリンダ472の外観面に着水すると周囲に拡散しようとする。そうすると、複数の洗浄水426は、洗浄ノズル473の外観面に着水した後に互いに衝突する。このときに、洗浄水426の飛び散りが生ずる場合がある。
【0065】
そのため、複数の吐水孔425同士の距離をより長く設定することがより好ましい。一方で、複数の吐水孔425同士の距離を左右方向のみにおいてより長く確保しようとすると、ノズル洗浄手段420の左右方向の幅がより大きくなる。そうすると、ノズルユニット470や衛生洗浄装置100が大型化する場合がある。
【0066】
これに対して、本実施形態では、複数の吐水孔425は、左右方向および前後方向に互いに離隔して配置されている。つまり、複数の吐水孔425は、洗浄ノズル473の中心軸C1に最も近い位置に設けられた吐水孔425の位置を基準として、洗浄ノズル473の中心軸C1からみて左右両側の斜め後方に離隔して配列されている。そのため、ノズル洗浄手段420の左右方向の幅をより小さく抑えつつ、複数の吐水孔425同士の距離をより長く確保することができる。
【0067】
これによれば、複数の洗浄水426が洗浄ノズル473の外観面に着水した後に互いに衝突する力を抑えることができる。そのため、洗浄水426の飛び散りを抑えることができる。また、複数の吐水孔425は、洗浄ノズル473の中心軸C1からみて左右両側へ斜め方向に配列されている。そのため、複数の吐水孔425が左右方向のみに互いに離隔して配置された場合と比較すると、複数の洗浄水426が洗浄ノズル473の外観面に着水した後に互いに衝突することを抑えることができる。これにより、洗浄水426の飛び散りを抑えることができる。
【0068】
つまり、複数の吐水孔425が洗浄ノズル473の中心軸C1からみて左右両側へ斜め後方に隔離して配列されている構成も、飛び散り抑制手段の一つとして機能している。
【0069】
図13〜図15は、本実施形態のノズルユニットを例示する斜視模式図である。
図13〜図15に表したように、ノズル洗浄手段420には給水チューブ428が接続されている。給水チューブ428は、給水チューブ428自身の軸を略中心として所定方向に予め捩られた状態でノズル洗浄手段420に接続されている。そのため、図13〜図15に表した矢印A25〜矢印A27のように、給水チューブ428は、ノズル洗浄手段420を閉じる方向すなわちノズル洗浄手段420を本体400の内部へ収納する方向へ付勢している。
【0070】
洗浄ノズル473がノズルモータ476から伝達される駆動力により後退し本体400の内部に収納されると、ノズル洗浄手段420が有するリブ421と、洗浄ノズル473の外観面と、の接触が解除される。また、ノズル洗浄手段420が洗浄ノズル473の先端面473bから押される力が解除される。
【0071】
このとき、ノズル洗浄手段420は、本体400の内部へ収納される方向へ付勢されていない場合には、例えば軸支部の不具合などにより回動できず本体400の内部へ収納されない場合がある。
これに対して、本実施形態では、ノズル洗浄手段420は、図13〜図15に表した矢印A25〜矢印A27の方向へ、すなわち本体400の内部へ収納される方向へ給水チューブ428により付勢されている。そのため、洗浄ノズル473が後退し本体400の内部に収納されると、ノズル洗浄手段420は、本体400の内部へより確実に収納される。
【0072】
また、図4および図11(b)に表したように、ノズル洗浄手段420が本体400の外部に押し出された状態では、リブ421は、吐水孔425よりも後方に存在する。そのため、洗浄ノズル473が本体400の内部へ向かって後退する際、リブ421は、ノズル洗浄手段420により洗浄された後の洗浄ノズル473の外観面の上を相対的に摺動する。そのため、使用者により使用されて汚れが付着した洗浄ノズル473の外観面とリブ421が接触することを抑えることができる。これにより、汚れがリブ421に付着したり、汚れが本体400の内部へ入り込んだりすることを抑えることができる。
【0073】
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。
図16および図17は、本発明の他の実施の形態にかかる衛生洗浄装置を側方からみた断面模式図である。
なお、図16および図17は、図1に表した切断面A−Aにおける断面模式図である。図16は、本実施形態の洗浄ノズルが本体の内部に収納された状態を表す。図17は、本実施形態の洗浄ノズルが本体の外部に進出した状態を表す。図16および図17では、便座200および便蓋300を省略している。
【0074】
本実施形態にかかる衛生洗浄装置100は、図2および図3に関して前述した衛生洗浄装置と比較して、シャッター部(飛び散り抑制手段)430をさらに備える。その他の構造は、図2〜図15に関して前述した実施形態にかかる衛生洗浄装置の構造と同様である。
【0075】
シャッター部430は、ケースカバー402の前側に設けられ、ケースカバー402の開口部を開閉する。シャッター部430およびノズル洗浄手段420は、洗浄ノズル473の進出動作と連動して移動する。具体的には、シャッター部430は、ケースカバー402に対して回動自在に軸支されている。また、ノズル洗浄手段420は、例えば基台475などに回動自在に軸支されている。そして、洗浄ノズル473は、本体400の外部へ向かって進出するときに、先端面473bによりノズル洗浄手段420を本体400の外部へ向かって押す。そうすると、ノズル洗浄手段420は、洗浄ノズル473の先端面473bから押されることにより本体400の外部へ押し出される。そうすると、シャッター部430は、ノズル洗浄手段420から押されることにより上部を中心として回動しケースカバー402の開口部を開ける。
【0076】
一方、洗浄ノズル473がノズルモータ476から伝達される駆動力により後退し本体400の内部に収納されると、シャッター部430がノズル洗浄手段420から押される力は、解除される。そのため、シャッター部430は、洗浄ノズル473が本体400の内部へ後退する際あるいは後退した後に、上部を中心として回動しケースカバー402の開口部を閉じることができる。これによれば、洗浄ノズル473を使用していないときの本体400の外観をすっきりさせることができる。そのため、衛生洗浄装置100の意匠性が損なわれることを抑えることができる。
なお、シャッター部430の設置形態は、これだけに限定されず、例えばケースプレート401に回動自在に軸支されていてもよい。
【0077】
そして、図17に表したように、ノズル洗浄手段420は、本体400の外部に進出した状態で吐水孔425から洗浄水を吐水し、本体400の外部へ進出する洗浄ノズル473あるいは本体400の外部に進出した洗浄ノズル473を洗浄することができる。このとき、シャッター部430は、ノズル洗浄手段420が有する吐水孔425よりも洗浄ノズル473の進出方向の前方に位置している。これについて、図面を参照しつつさらに説明する。
【0078】
図18は、ノズル洗浄手段が本体の外部において洗浄ノズルを洗浄する動作を説明するための断面模式図である。
また、図19は、ノズル洗浄手段および洗浄ノズルが本体の外部に進出した状態を表す斜視模式図である。
また、図20および図21は、ノズル洗浄手段および洗浄ノズルが本体の外部に進出した状態を表す平面模式図である。
なお、図18(b)は、図18(a)に表した範囲B3を拡大した拡大模式図である。図21(b)は、図21(a)に表した範囲B4を拡大した拡大模式図である。
【0079】
図16および図17に関して前述したように、シャッター部430およびノズル洗浄手段420は、洗浄ノズル473の進出動作と連動して移動する。そして、図19〜図21に表したように、ノズル洗浄手段420は、本体400の外部に進出した状態で吐水孔425から洗浄水を吐水し洗浄ノズル473を洗浄する。このとき、図18(b)に表したように、シャッター部430は、本体400の外部に進出した状態のノズル洗浄手段420の吐水孔425よりも進出方向の前方に存在する。また、シャッター部430は、本体400の外部に進出した状態のノズル洗浄手段420の上方および前方に存在する。
【0080】
これにより、シャッター部430は、ノズル洗浄手段420が本体400の外部において洗浄ノズル473を洗浄するときの洗浄水426の飛び散りや洗浄ノズル473の汚れの飛び散りなどを抑えることができる。また、シャッター部430は、洗浄ノズル473の外観面に当たった洗浄水426が使用者の方向へ飛び散ったり、便器800の外側まで飛び散ったりすることを抑えることができる。
【0081】
図19に表したように、シャッター部430は、本体400の外部に進出した状態のノズル洗浄手段420の上方および前方に存在するが、シャッター部430の形状および設置形態はこれだけに限定されるわけではない。例えば、シャッター部430は、本体400の外部に進出した状態のノズル洗浄手段420の右側方および左側方の少なくともいずれかの側方にも存在していてもよい。これによれば、使用者の方向だけでなく、使用者の側方への洗浄水426の飛び散りを抑えることができる。
【0082】
また、図4〜図7に関して前述したように、ノズル洗浄手段420の吐水孔425から吐水された洗浄水426は、洗浄ノズル473の中心軸C1に対して鋭角に当たる。そのため、ノズル洗浄手段420が本体400の外部において洗浄ノズル473を洗浄するときの洗浄水426の飛び散りや洗浄ノズル473の汚れの飛び散りなどをより抑えることができる。
【0083】
また、図8〜図12に関して前述したように、複数の吐水孔425は、洗浄ノズル473の中心軸C1に最も近い位置に設けられた吐水孔425の位置を基準として、洗浄ノズル473の中心軸C1からみて左右両側の斜め後方に離隔して配列されている。そのため、洗浄水426の飛び散りをさらに抑えることができる。
【0084】
図22は、本発明のさらに他の実施の形態にかかる衛生洗浄装置のシャッター部付近を拡大した拡大模式図である。
図22は、図18(a)に表した範囲B3を拡大した拡大模式図に相当する。
【0085】
本実施形態では、ノズル洗浄手段420は、シャッター部430に設けられている。つまり、ノズル洗浄手段420は、シャッター部430と一体化されている。
これによれば、新たな部品や構成を用いることなくより簡単な構成で、ノズル洗浄手段420が本体400の外部において洗浄ノズル473を洗浄するときの洗浄水426の飛び散りや洗浄ノズル473の汚れの飛び散りなどを抑えることができる。また、より簡単な構成で、衛生洗浄装置100の高さをより低く抑えることができる。
【0086】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、衛生洗浄装置100は、飛び散り抑制手段を備える。飛び散り抑制手段は、ノズル洗浄手段420の吐水孔425から吐水された洗浄水426と、洗浄ノズル473の外観面と、のなす角度θ1が鋭角とされてなる。あるいは、本実施形態の飛び散り抑制手段は、ノズル洗浄手段420の吐水孔425から吐水された洗浄水426が洗浄ノズル473の中心軸C1に対して鋭角に当たることで構成されてなる。あるいは、飛び散り抑制手段は、例えばケースカバー402の開口部を開閉可能なシャッター部430である。あるいは、飛び散り抑制手段は、複数の吐水孔425が洗浄ノズル473の中心軸C1からみて左右両側へ斜め後方に隔離して配列されてなる。
【0087】
これによれば、ノズル洗浄手段420が本体400の外部において洗浄ノズル473を洗浄するときの洗浄水426の飛び散りや洗浄ノズル473の汚れの飛び散りなどを抑えることができる。また、洗浄ノズル473の外観面に当たった洗浄水426が使用者の方向へ飛び散ったり、便器800の外側まで飛び散ったりすることを抑えることができる。
【0088】
また、洗浄ノズル473が本体400の内部に収納されているときには、ノズル洗浄手段420は、洗浄ノズル473の先端面の頂上473aよりも下側に配置されている。そのため、洗浄ノズル473が本体400の内部に収納されているときのノズル洗浄手段420の高さをより低く抑えることができる。そのため、衛生洗浄装置100の高さをより低く抑えることができる。
【0089】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、ノズルユニット470やノズル洗浄手段420や飛び散り抑制手段などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などやシャッター部430の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0090】
100 衛生洗浄装置、 200 便座、 300 便蓋、 400 本体、 401 ケースプレート、 402 ケースカバー、 404 着座検知センサ、 420 ノズル洗浄手段、 421 リブ、 425 吐水孔、 426 洗浄水、 428 給水チューブ、 430 シャッター部、 461 筒体、 463 回動軸、 470 ノズルユニット、 471 ノズルヘッド、 472 シリンダ、 473 洗浄ノズル、 473a 頂上、 473b 先端面、 474 人体洗浄吐水口、 475 基台、 476 ノズルモータ、 800 便器、 801 ボウル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋式腰掛便器の上に設けられる本体と、
人体洗浄吐水口を有し、前記本体から進出可能に設けられて前記人体洗浄吐水口から水を噴射して前記洋式腰掛便器に着座した使用者の人体を洗浄する人体洗浄ノズルと、
前記人体洗浄ノズルを洗浄するノズル洗浄手段と、
を備え、
前記ノズル洗浄手段は、前記人体洗浄ノズルが前記本体に収納されているときには前記人体洗浄ノズルの先端面の頂上よりも下側に配置され、前記人体洗浄ノズルを洗浄するときには前記本体の外部に移動し前記本体の外部に進出した前記人体洗浄ノズルを洗浄することを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項2】
前記ノズル洗浄手段は、前記人体洗浄ノズルが前記本体に収納されているときに前記本体の内部を洗浄することを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄装置。
【請求項3】
前記ノズル洗浄手段は、前記人体洗浄ノズルの進退動作と連動して移動することを特徴とする請求項1または2に記載の衛生洗浄装置。
【請求項4】
前記ノズル洗浄手段は、前記人体洗浄ノズルの前記本体の外部への進出よりも先に前記本体の外部へ移動し、前記人体洗浄ノズルの先端部を洗浄することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
【請求項5】
前記ノズル洗浄手段は、前記人体洗浄ノズルから押し出されることで前記本体の外部に移動することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
【請求項6】
前記ノズル洗浄手段は、前記人体洗浄ノズルから押し出された後に前記ノズル洗浄手段自身の位置を決める位置決め部材を有することを特徴とする請求項5記載の衛生洗浄装置。
【請求項7】
前記本体に形成された開口部を開閉可能なシャッター部をさらに備え、
前記ノズル洗浄手段は、前記シャッター部と一体化されたことを特徴とする1〜6のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−72241(P2013−72241A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212880(P2011−212880)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】