説明

衛生物品

衛生物品、具体的には生理用ナプキン又は成人用失禁パッドが開示される。本衛生物品は、背面シートと前面シートとの間に挟持される細長い形状を有する吸収性コアを備える。背面シート及び前面シートは、吸収性コアを越えて延在し、一緒にシールされてシール縁部分を形成している。第1の締結手段を形成するように適合された材料の領域が、背面シート上に配置されている。第1の締結手段と実質的に同一の広がりを持ち、第1の締結手段のための保護カバーを形成するように適合された第2の締結手段を形成するように適合された材料の領域もまた、提供されている。好ましくは、少なくとも第2の締結手段は、シール縁上に提供されている。本締結手段は、同一の材料、例えば雌雄同体の締結具から、又は異なる材料、例えば機械的締結手段及び接着締結手段から、形成されてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生物品に関し、具体的には、背面シートと前面シートとの間に挟持される細長い吸収性コアを有し、生理用ナプキン又は成人用失禁パッドとしての使用に好適な、衛生物品に関する。
【背景技術】
【0002】
衛生物品、特に使い捨ての衛生物品は、幼児用おむつ(diaper)(時には、おむつ(nappy)としても知られる)、婦人衛生物品(生理用タオル又はナプキン、及びパンティライナー等)、並びに成人用失禁衣料(例えば、失禁パッド及び使い捨て下着)を含む、様々な用途を有する。これらの物品のそれぞれは、液体及び他の排泄物を吸収及び/又は保持するように設計され、その物品が着用者の体に対して適切な位置に固定される必要性を、共通して有する。これは、その物品が着用者を囲むようにその物品をそれ自体に直接(幼児用おむつ及び使い捨て下着の場合)、又は衣料品に(婦人衛生物品及び成人用失禁パッドの場合)、あるいは使用者の皮膚に直接(婦人衛生物品及び失禁パッドの場合)接着させることによって、なされてもよい。最も一般的な固定機構は、衛生物品を衣料品、例えば下着に接着することである。通常これを達成し得るものとして2つの主要な方法、すなわち(a)接着締結手段を使用するもの又は(b)機械的締結手段を使用するものがある。これらの方法のそれぞれを単独で使用することは、利点及び不利点の両方を有するが、時には、両方の方法が、単一の物品上で使用されることもある。これは、単一の締結手段を使用する場合の接着性を強化するためであってもよく、例えば、衛生物品の本体に接着締結手段を、またウィングに機械的締結手段を提供することによって、追加の接着を提供するため、又は、例えば、機械的締結手段を使用しておむつを適切な位置に保つために機械的締結手段を、また廃棄のためにおむつを折り畳まれた状態に保つために接着締結手段を使用して、追加の機能性を提供する。
【0003】
前者の二重使用の一例は、米国特許第US2003195488号に開示され、それは、そのナプキンの後部の中央でその長さに沿って設置される接着性ストリップと、フック・ループ式の機械的締結システムを提供された追加のウィングとを有する生理用ナプキンを説明する。その生理用ナプキンは、流体及び他の排泄物の漏れを防止する、伸縮性のある隆起した側端を提供されている。使用中、接着性ストリップは着用者の下着と接触して設置され、生理用ナプキンを適切な位置に保つ。ウィングは、下着のクロッチ部分の下でフラップを相互に締結することによって締結され、伸縮性のある隆起した側面を下方へ引っ張り、それらが上方へ、そして生理用ナプキンの上部吸収面上へと引っ張られることを防止する。接着締結手段を、使用する際の損傷又は汚染から防止するために、使用の直前に使用者によって除去される剥離ライナーが提供されている。ウィング上に提供されているフック・ループ式の締結機構は、生理用ナプキンが使用されるまで、一緒に締結されており、フック又はループパッチへのいずれの損傷又は汚染をも防止する。
【0004】
後者の二重使用の例は、米国特許第US 5,611,789号において開示され、これは、廃棄のために丸めた際に、使用済みのおむつを適切な位置に保つために、テープのタブ上に提供されている接着締結手段の使用に関する。使用の際、おむつは、おむつの本体上にランディング面として提供されているループパッチと係合する、タブ上に位置付けられるフックパッチを備える、機械的締結手段によって適切な位置に保たれる。接着テープのタブは、部分的にフックパッチを被覆するように位置付けられ、フックパッチが、接着テープのタブの移動又は除去なしに使用され得るようにし、そうすることで接着締結手段は、使用が必要となるまで完全に保護される。
【0005】
これらの例のそれぞれにおいて、接着締結手段は、それが別個のアイテムとして提供されようと、あるいは機械的締結手段の一部分によって形成されようと、剥離ライナーによって完全に被覆される。しかしながら、その物品が使用中ではない時に、フック及びループパッチを締結された位置で相互に接触させ続けること、並びにその物品が使用される時点で、フックパッチをループパッチから剥離すること以上の機械的締結手段の保護は想定されていない。これは、理想的ではない。第一に、2種類の締結機構が衛生物品のための固定を提供するためにともに使用される場合、使用者は、米国特許第US2003195488号に記載のように、使用の前に両方を係脱し、剥離しなければならず、そうしなければ、米国特許第US2003195488号及び同第US5,611,789号の両方に記載のように、ループパッチが、使用前にフックパッチの除去によって損傷される危険性がある。更に、どちらの文献も、ループパッチ又はフックパッチのための特定のランディング範囲が全く提供されない状況、例えば、機械的締結手段が、衛生物品の着用者の下着と直接係合するために使用される状況を考慮しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、追加の材料、又は締結手段が締結され得る特定の範囲を提供する必要性なしに、各締結手段のための保護を提供する、使用者が採用するために単純かつ容易な方法を見出すことができれば、望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、背面シートと前面シートとの間に挟持される細長い形状を有する吸収性コアであって、背面シート及び前面シートが吸収性コアを越えて延在し、一緒にシールされてシール縁部分を形成している、吸収性コアと、背面シート上に配置された第1の締結手段を形成するように適合された材料の領域と、第1の締結手段と実質的に同一の広がりを持ち、第1の締結手段の保護カバーを形成するように適合された第2の締結手段を形成するように適合された材料の領域とを備える衛生物品を提供することによって、上記の課題に取り組むことを目的とする。
【0008】
締結手段を形成するように適合された材料の第1の領域のための保護カバーを形成するために、締結手段を形成するように適合された材料の第2の領域を使用することによって、別個の剥離ライナーを使用する必要がない。第2の締結手段を形成するように適合された材料の領域が、第1の締結手段を形成するように適合された材料の領域と同一の広がりを持つこと、つまり、第2の締結手段を形成するように適合された材料の各領域が、対応する第1の締結手段を形成するように適合された材料の領域の全体を実質的に被覆することを確実にすることによって、保管の間、どちらの締結手段も損傷することがない。例えば、第1の締結手段を形成するように適合された材料の領域が、接着締結手段であり、第2の締結手段を形成するように適合された材料の第2の領域が機械的締結手段であれば、機械的締結手段を保護するための別個のループ部分、又は接着締結手段を保護するための別個の剥離ライナーを供給する必要もなく、したがって、下着等の任意の好適な表面上に使用され得、衛生物品が使用の際に完全に固定されることを確実にする。機械的締結具、接着剤、雌雄同体の締結具(同一の材料の2つの領域が相互にかみ合って、締結手段を形成する)、又は剥離可能接着剤(いったん接触して設置された接着剤の2つの領域が容易に剥がされ得、したがって、それら自身の剥離ライナーを形成する)等の材料を、締結手段及び剥離面を形成するように適合させることによって、衛生物品の設計及び構成材料の選択肢の両方において、より大きな柔軟性が達成される。
【0009】
第1の締結手段を形成するように適合された材料の領域は、シール縁の領域内の背面シート上に配置されている。この締結手段をシール縁の近傍に設置することによって、衛生物品が着用される際、その縁領域が巻き上がり、かつ/又は丸まることが少なくなり、着用者にとってより快適になる。しかし好ましくは、第1の締結手段を形成するように適合された材料の領域は、シール縁上の背面シート上に配置されている。
【0010】
好ましくは、第2の締結手段を形成するように適合された材料の領域は、シール縁上の背面シート上に配置されている。これは、吸収性コアからの嵩高な領域がないことにより、シール縁が、それ自体の上に容易に折り畳まれ得るため、有利である。
【0011】
好ましくは、衛生物品は、第1のウィングであって、その上に位置する第2の締結手段を形成するように適合された材料の少なくとも1つの領域を有する第1のウィングと、第2のウィングであって、その上に位置する第2の締結手段を形成するように適合された材料の少なくとも1つの領域を有する第2のウィングとを、更に備える。ウィングは、衛生物品が使用時に着用される際、下着の縁を囲んで折り畳まれ、衛生物品を固定し、かつ流体及び排泄物の漏れを防止するように意図される。ウィングは、台形及び半円形を含む、多数の他の形状も好適ではあるが、通常は、長い辺がシール縁に沿って存在する矩形のものである。
【0012】
衛生物品は、好ましくは、第1及び第2の対向する長手方向の辺(つまり、実質的に矩形の細長い形状の長い辺)、並びに第1及び第2の対向する横方向の辺(つまり、実質的に矩形の細長い形状の短い辺)を備える細長い形状を有しており、第1の長手方向の辺上に提供されている、第1の締結手段を形成するように適合された材料の領域、及び第2の長手方向の辺上に提供されている、第1の締結手段を形成するように適合された材料の第2の領域を有してもよい。
【0013】
前面シート及び/又は背面シートは、シール縁を越えて延在することでウィングを形成することができる。あるいは、ウィングは分離しており、シール縁で衛生物品に接着されてもよい。
【0014】
好ましくは、衛生物品は、第1及び第2の対向する長手方向の辺(つまり、実質的に矩形の細長い形状の長い辺)、並びに第1及び第2の対向する横方向の辺(つまり、実質的に矩形の細長い形状の短い辺)を備える細長い形状を有しており、第1の横方向の辺上に提供されている、第1の締結手段を形成するように適合された材料の第1の領域、及び第2の横方向の辺上に提供されている、第1の締結手段を形成するように適合された材料の第2の領域を有してもよい。これらの締結手段は、衛生物品の中央に沿って横方向に配置される軸線に対して対称的に、ないしは別の方法で、提供され得る。
【0015】
この状況において、好ましくは、第2の締結手段を形成する材料の領域は、第1の締結手段を形成するように適合された材料の各領域に隣接して提供されている。これは、締結手段のために必要とされる表面積を最小化し、機械的及び接着締結手段が使用されるところにおいて、接着剤の1つの領域が、接着締結手段(1つの領域において)及び機械的締結手段のための接着領域の両方の役割を果たすことを可能にする。
【0016】
第1の締結手段を形成するように適合された材料の領域は、第1の横方向の辺上に提供されていてもよく、第1の締結手段と実質的に同一の広がりを持ち、第1の締結手段のための剥離面を形成するように適合された第2の締結手段を形成するように適合された材料の領域は、第2の横方向の辺上に位置付けられていてもよい。これは、衛生物品が、その横方向の中央線に沿って半分に折り畳まれることを可能にする。
【0017】
第2の締結手段を形成するように適合された材料の少なくとも1つの領域は、第1の締結手段を形成するように適合された材料の少なくとも1つの領域上に折り畳まれてもよい。
【0018】
第2の締結手段を形成するように適合された材料の領域には、好ましくは、第1の締結手段を形成するように適合された材料の領域を越えて延在するフィンガーリフト部分が提供されている。これは、指と親指との間に容易に保持され得る、第2の締結手段を形成するように適合された材料の領域の一部分が存在するため、各締結手段が使用者によって、容易にもう一方から係脱されることを可能にし、そうして2つの締結手段が剥がれることを可能にする。
【0019】
好ましくは、第1の締結手段は機械的締結手段であり、第2の締結手段が接着締結手段である。あるいは、第1の締結手段は接着締結手段であり、第2の締結手段が機械的締結手段である。
【0020】
第1の締結手段を形成するように適合された材料、及び第2の締結手段を形成するように適合された材料は、同一の種類の材料であってもよい。材料は、好ましくは、雌雄同体の機械的締結手段又は剥離可能接着剤である。
【0021】
好ましくは、少なくとも1つの機械的締結手段は、フック、柄、又は杯状の突起のうちの1つから形成された係合突起を備える。
【0022】
本発明を実施例により、かつ添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態に従って、ウィングを有する衛生物品を示す概略平面図。
【図2】本発明の第1の実施形態に従って、衛生物品が保管される状態の接着締結手段及び機械的締結手段を図示する、衛生物品の概略拡大断面図。
【図3】本発明の第1の実施形態に従って、衛生物品が使用者によって使用される準備が整った状態の接着締結手段及び機械的締結手段を図示する、衛生物品の概略拡大断面図。
【図4】本発明の第1の実施形態に従って、使用者の下着に接触している接着締結手段及び機械的締結手段を図示する、使用中の衛生物品の概略拡大断面図。
【図5】本発明の第1の実施形態に従って、機械的締結手段を衛生物品に取り付ける方法を図示する、概略拡大断面図。
【図6】本発明の第2の実施形態に従った衛生物品の概略底面図。
【図7】本発明の第3の実施形態に従った衛生物品の概略底面図。
【図8】本発明の第3の実施形態に従って、折り畳まれた状態にある、衛生物品の概略側面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、2つの異なる締結手段が、衛生物品を着用者の下着又は他の衣料に貼り付けるために使用され得、しかも各締結手段が、衛生用品が使用される前にもう一方の締結手段を保護するための保護カバーとして使用され得る、というアプローチを採用する。例えば、機械的締結手段及び接着締結手段が使用される場合、機械的締結手段は、接着締結手段のための剥離面として機能し、接着締結手段は、機械的締結手段の全体を被覆する。これを可能にするために、各締結手段はもう一方の締結手段と実質的に同一の広がりを持つ、つまり、各機械的締結手段が、対応する接着締結手段の全体を実質的に被覆する。第1の実施形態において、本発明は、生理用ナプキン若しくはタオル、又は成人用失禁製品等の衛生物品での使用に特に好適である(それぞれ衛生物品を固定するため、及び流体又は他の排泄物の漏れを防止するためのウィングを採用することができる)。第2の実施形態において、本発明は、例えば、パンティライナー等、ウィングを採用しない成人用失禁パッド又は生理用ナプキン等の衛生物品での使用に特に好適である。
【0025】
図1は、本発明の第1の実施形態に従って、ウィングを伴う衛生物品を示す概略平面図である。衛生物品1は、概して細長い形状にあり、対向する第1及び第2の長手方向の辺2及び3(つまり、実質的に矩形の細長い形状の長い辺)と、対向する第1及び第2の横方向の辺4及び5(つまり、実質的に矩形の細長い形状の短い辺)とを有する。この衛生物品は、背面シート6と前面シート7との間に挟持される吸収性コアから形成され、どちらのシートも、吸収性コアを十分に越えて延在してシール縁8を形成する。衛生物品1には、時には側面フラップとして知られる、第1及び第2の長手方向の辺2及び3のそれぞれの上でその長さのおおよそ中間に提供されている、第1及び第2のウィング9及び10が提供されている。ウィング9、10は、台形又は半円形等の多数の他の形状もまた好適ではあるが、好ましくは、矩形の長い辺がシール縁8に沿って存在する矩形部分を形成するよう成形される。吸収性コアは、好ましくは、液体及び他の排泄物を吸収及び/又は保持することが可能な、圧縮性で、適合性のある材料から形成されている。好適な材料には、粉砕木材パルプ(エアフェルト)、捲縮セルロース塊、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル材料、又はこれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。吸収性コアは、実質的に矩形の形をしていてもよく、あるいは、衛生物品1の輪郭に従って成形されてもよい、つまり、着用者の脚の位置に対応する切り欠き領域を備えてもよい。背面シート6は、薄いプラスチックフィルム等の可撓性の液体不浸透性材料、例えば、0.01mm〜0.05mmの範囲の厚さを有するポリエチレンフィルムから作られてもよい。トップシート7は、多孔質発泡体、多孔質フィルム、あるいは天然繊維(例えば木質若しくは綿)及び/又は合成繊維(例えばポリエステル若しくはポリエチレン)の織布又は不織布等の、液体透過性の材料から形成されていてもよい。必要に応じて、トップシート7はまた、着用者の皮膚が液体又は他の排泄物と接触することを防止するために疎水性を有してもよい。シール縁8は、背面シート6及び前面シート7を、接着剤又は熱接着若しくは超音波溶接等の他の接着プロセスを使用して相互に接着することによって形成され得る。シール縁8は、吸収性コアが適切な位置にしっかりと保たれ、背面シート6及び前面シート7によって完全に被覆されることを確実にするように、吸収性コアを十分に越えて延在する。必要に応じて、吸収性コアは、接着剤を使用して背面シート6に接着され得るか、又は純粋にシール縁8の存在によって、背面シート6と前面シート7との間で適切な位置に保たれ得る。
【0026】
第1及び第2のウィング9及び10は、好ましくは、分離しており、背面シート6及び前面シート7とは別個に形成され、感圧性接着剤材料の層(図示されない)を備えた適合性のある不織テープ材料を備え、その一部分が、衛生物品1のための接着締結手段として機能する。不織テープ材料は、接着剤を使用して、シール縁8でトップシート7上に接着される。超音波溶接又は熱溶接等の代替の接着方法が、必要に応じて使用されてもよい。好適な不織テープ材料には、3M Company,3M Center,St.Paul,MN 55144−1000,USAから入手可能なMicropore(商標)及びTranspore(商標)の材料が挙げられる。これらの材料は、以下に記載されるように、フック型の機械的締結手段からの容易な剥離を可能にする中位の粘着を有する、薄くて適合性のある材料を提示するため、好適である。
【0027】
図2は、本発明の第1の実施形態に従って、衛生物品が保管される状態における接着締結手段及び機械的締結手段を図示する、衛生物品の概略拡大断面図である。この図は、図1に示される線A−A’に沿っているが、明確さのために拡大されている。第1及び第2のウィング9及び10には、不織テープ材料層の下面上にそれぞれ感圧性接着剤の層11、12が提供されている。感圧性接着剤11、12の各層は、第1及び第2の接着締結手段11a及び12a、並びに第1及び第2のウィング固定手段11b及び12bを形成するために、2つの領域に分割される。感圧性接着剤のこれらの層11、12は、したがって、第1の締結手段11a、12aを形成するように適合された材料の領域である。第1及び第2のウィング固定手段11b及び12bは、ウィング9、10を衛生物品1のシール縁8に接着するために使用される。しかしながら、第1及び第2のウィング固定手段11b及び12bは、ウィング9、10をシール縁8に接着する他の方法、例えば、超音波溶接、熱接着、又は接着性の接着手段を伴うか若しくは伴わない既知の接着手段の任意の組み合わせ等が使用される場合は、存在しなくてもよい。第1及び第2の接着締結手段11a及び12aは、衛生物品1を着用者の衣料に接着するために使用される。第2の材料の領域は、第1及び第2の機械的締結手段13及び14の形の第2の締結手段を形成するように適合されている。これら第1及び第2の機械的締結手段13及び14は、ウィング9、10の領域内の第1及び第2の長手方向の辺2及び3上に提供されている。それぞれの機械的締結手段は、シール縁8の下面上に配置され、接着剤層15、16によって、衛生物品1の背面シート6に接着される。機械的締結手段13、14は、シール縁8と実質的に同一の幅であり、衛生物品1の長手方向の辺2、3に沿って、ウィング9、10の長さと実質的に同一の距離に延在する。好ましくは、機械的締結手段13、14は、フック型の機構を備え、同機構は、フック形突起(「J」形又は「T」形であってよい)、柄状突起(単に下着の糸との摩擦に依存する)、又は参照がなされるべき国際公開第WO01/10373号に記載されるもののような杯状突起を有する締結具を含む。
【0028】
機械的締結手段13、14のそれぞれは、ウィング9、10上に提供されている接着締結手段11a、12aのための剥離面として機能する。接着締結手段11a、12aは、機械的締結手段13、14と実質的に同一の広がりを持つ、つまり、各接着締結手段11a、12aは、対応する機械的締結手段13、14の全体を実質的に被覆する。このようにして、接着締結手段11a、12aは、特に、衛生物品1が保管される時、及び/又は衛生物品1が使用される前に、機械的締結手段13、14のための保護カバーを形成するように、適合されている。機械的締結手段13、14が接着締結手段11a、12aのための純剥離面として機能することを可能にするために、感圧性接着剤材料と機械的締結手段13、14のフック機構との間の接着は、接着剤11a、12a又は機械的締結手段13、14のいずれをも損傷することなしに断たれなければならない。これは第一に、感圧性接着剤材料によって非恒久的接着剤の接着が作られ得る狭い範囲を提供する、フック機構を形成するフックの縮小された表面積によって達成され、また第二に、フィンガーリフト部分17、18をそれぞれの接着締結手段11a、12aの末端部に提供することによって達成される。追加の剥離コーティングもまた、フック機構のフック上に提供され得る。このフィンガーリフト部分17、18は、ウィング9、10を形成する不織テープ材料の接着剤を含まない領域から形成され、機械的締結手段13、14を越えて延在することで、使用者によって容易に掴まれるようにサイズ決めされる。ウィング9、10を形成する不織テープ材料に取り付けられる別個のフィンガーリフト部分17、18が、必要であれば代替物として使用されてもよい。フィンガーリフト部分は、例えば米国特許第US 3,895,460号及び同第US 4,553,560号に開示される。
【0029】
図3は、本発明の第1の実施形態に従って、衛生物品が使用者によって使用される準備が整った状態の接着締結手段及び機械的締結手段を図示する、衛生物品の概略拡大断面図である。この図はやはり、図1に示される線A−A’に沿っているが、明確さのために拡大されている。衛生物品1を使用するために、使用者は、接着締結手段11a、12aを機械的締結手段13、14から除去しなければならず、そうすることで機械的締結手段13、14が露出される。これは、フィンガーリフト部分17、18を持ち上げ、接着締結手段11a、12aを機械的締結手段13、14により形成された剥離面から静かに引き離すことによって、なされる。これは、図3に示されるように、ウィング9、10が外側に開くことを可能にし、それによって衛生物品1は、着用者の下着の内側に対して容易に設置され得るようになる。ウィング9、10を開くことによって、機械的締結手段13、14が露出され、衛生物品1が着用者の下着に接触して設置されると、機械的締結手段13、14のフック機構が下着の繊維と係合し、繊維の織りを突き抜け、摩擦適合を形成する。衛生物品1が着用され使用中、ウィング9、10は流体又は他の排泄物の衛生物品1の本体からの漏れを防止するように機能し、下着の縁を汚れから保護する。ウィングはまた、着用者が動き回る時に、衛生物品1の位置を維持するために役立つ。
【0030】
この状況は、図4に示される。図4は、本発明の第1の実施形態に従って、使用者の下着に接触している接着締結手段及び機械的締結手段を図示する、使用中の衛生物品の概略拡大断面図である。この図はやはり、図1に示される線A−A’に沿っているが、明確さのために拡大されている。衛生物品1が着用者の下着19の内側に対して設置され、上述のように機械的締結手段13、14が下着19の繊維と係合すると、ウィング9、10は下着19の縁を囲んで折り畳まれ、接着締結手段11a、12aは、下着19の外側の繊維に接着される。この位置において、ウィング9、10は流体又は他の排泄物の衛生物品1の本体からの漏れを防止するように機能し、下着の縁を汚れから保護する。ウィングはまた、着用者が動き回る時に、衛生物品1の位置を維持するために役立つ。
【0031】
ウィング9、10の領域内に提供されている機械的締結手段13、14、及びウィング9、10上に提供されている接着締結手段11a、12aに加えて、他の締結手段が衛生物品1の背面シート6上に提供されていてもよい。例えば、感圧性接着剤のストリップが、衛生物品1上の中央でその長さに沿って提供されていてもよく、又は、感圧性接着剤の領域/ストリップが、衛生物品の前部分及び後部分上に、衛生物品1がその意図された位置に留まることを確実にするための最適な位置を表す位置で提供されていてもよい。代替方法として、機械的締結手段のストリップ又は領域が、同一の方法で使用されてもよい。これら追加の締結手段のそれぞれは、必要に応じて、剥離ライナー又は保管のための他の好適な保護カバーによって被覆されてもよい。
【0032】
上述の説明においては、ウィング9、10が、衛生物品1の背面シート6及び前面シート7から別れて提供されているが、代替の構造として、それらは、シール縁8を越えて延在する背面シート6及び/又は前面シート7の延在部から形成されていてもよく、台形及び半円形を含む多数の他の形状が好適ではあるが、好ましくは、矩形の長い辺がシール縁8に沿って存在する矩形部分を形成するよう成形される。この状況において、接着締結手段11a、12aは、接着剤コーティング又は接着剤ストリップによって提供され、着用者の下着の外側に接触する、各ウィング9、10の表面上に位置付けられてもよい。更に、各ウィング上に単一の接着締結手段11a、12aを、またウィングの領域内の各シール縁上に機械的締結手段13、14を提供する代りに、各種類のいくつか、例えば、2、3、若しくは4つの分離した領域又はストリップが提供されていてもよい。締結手段は、衛生物品の中央に沿って長手方向に配置される軸線に対して対称的に、ないしは別の方法で、提供され得る。
【0033】
更なる代替方法は、接着締結手段11a、12a及び機械的締結手段13、14の位置を、相互に対して変更することである。例えば、機械的締結手段13、14がウィング9、10上に位置付けられてもよく、接着締結手段11a、12aがシール縁8上の背面シート6上に位置付けられてもよい。この状況において、機械的締結手段13、14は、接着締結手段11a、12aと同一の広がりを持つようにサイズ決めされ、接着締結手段11a、12aを保護するように適合されている。機械的締結手段13、14はまた、上述のものと同一の方法で、接着締結手段11a、12aのための剥離面として機能する。更なる選択肢は、衛生物品上の単一の位置に、第1及び第2の締結手段の代替領域を提供することである。これは、例えば、ウィング9、10上で、それぞれ単一の領域として形成された接着締結手段11a、12aを、2つの部位に分割される領域で置き換えることによって達成され得、そのうちの1つは、例えば、接着締結手段11a、12aである第1の締結手段であり、そのうちの1つは、例えば、機械的締結手段13、14である第2の締結手段である。ウィング9、10上に提供されている接着締結手段11a、12aが、シール縁8上に提供されている機械的締結手段13、14のためのカバーを形成するために、接着締結手段11a、12a及びシール縁8上の機械的締結手段13、14の位置は、ウィング9、10上のそれらに対して逆になっている。これは、各接着締結手段11a、12aが機械的締結手段13、14に対応しており、逆もまた同様であることを意味する。単一の接着締結手段1a、12aは、1つ以上の機械的締結手段13、14を保護することができるか、又は単一の機械的締結手段13、14は、1つ以上の接着締結手段11a、12aのための剥離面として機能することができる。
【0034】
図5は、本発明の第1の実施形態に従って、機械的締結手段を衛生物品に取り付ける方法を図示する、概略拡大断面図である。機械的締結手段13、14をシール縁8に貼り付けるために、初めにウィング9、10に、不織テープ材料の下面上に提供されている感圧性接着剤材料11、12の層上に、表を下にして位置付けられる機械的締結手段13、14が、提供されている、つまり、接着剤材料の層と接触するフック型の機構が、最終的に第1及び第2の接着結合手段11a及び12aを形成する位置にくる。機械的締結手段13、14の底部には、機械的締結手段13、14をシール縁8上の背面シート6に接着させるために、接着剤15、16が提供されている。この接着を形成するために、ウィング9、10は、機械的締結手段13、14の底部上の接着剤15、16が背面シート6と接触し、背面シート6と接着剤結合を形成するように、折り畳まれる。機械的締結手段13、14を背面シート6に接着する接着剤15、16の層は、背面シート6及び機械的締結手段13、14の底部の両方に対して、接着締結手段11a、12aを形成する感圧性接着剤の、機械的締結手段13、14のフック型の機構に対する接着強度よりも強い接着強度を有する。これは、接着締結手段11a、12aが機械的締結手段13、14から除去される際、機械的締結手段13、14が剥離面として機能し、背面シート6にしっかりと接着されたまま留まることを確実にする。
【0035】
図6は、本発明の第2の実施形態に従った衛生物品の概略底面図である。この実施形態において、衛生物品20は、概して細長く、第1及び第2の長手方向の辺21及び22、並びに第1及び第2の横方向の辺23及び24を有する。更に、衛生物品20は、背面シート25と前面シート26との間に挟持される吸収性コアから形成され、どちらのシートも吸収性コアを十分に越えて延在してシール縁27を形成する。背面シート25及び前面シート26は、第1及び第2の横方向の辺23及び24において、第1及び第2の長手方向の辺21及び22に沿う部分におけるよりも更に、吸収性コアから遠くまで延在し、第1及び第2のシール縁延在部28及び29を形成する。成人用失禁パッド等の衛生物品20は典型的には幅25cm、長さ40cmであり、その場合、これらのシール縁延在部28、29は、吸収性コアを1cm〜3cm越える延在部を有してよい。
【0036】
図6において、背面シート25は、最上にあるものとして示されている。固定範囲30a、30bは、シール縁延在部27、28上に提供され、そのそれぞれが、相互に隣接して設置される、接着締結手段31a、31bの形をとる第1の締結手段を形成するように適合された材料の領域と、機械的締結手段32a、32bの形をとる第2の締結手段を形成するように適合された材料の領域とを備える。これは、第1及び第2の締結手段のそれぞれが、第1及び第2の横方向の辺23及び24上に提供されていることを意味する。上述の本発明の第1の実施形態にあるように、機械的締結手段32a、32bはフック型の機構を備え、接着締結手段31a、31bは、感圧性接着剤材料を備える。接着締結手段31a、31bは、不織テープ材料の裏面上に接着剤の層として提供される代りに、衛生物品20の背面シート25上に接着剤コーティングの形で直接位置付けられている。テープ等の他の種類の感圧性接着剤もまた好適である。おおよそ5〜20cmの範囲内の表面積を有する接着剤の領域は、接着締結手段31a、31b及び機械的締結手段32a、32bのための接着領域の両方を形成するために、固定範囲30a、30b上に提供されている。機械的締結手段32a、32bは、接着剤のこの領域によって背面シート25に接着され、接着領域のおおよそ50%の表面積を被覆する。接着剤の領域は、シール縁27の一部分がフィンガーリフト部分として使用され、機械的締結手段32a、32bの接着締結手段31a、31bからの容易な除去を提供することができるように、位置付けられる。機械的締結手段32a、32b及び機械的締結手段31a、31bのどちらも矩形領域の形で提供され、第1の長手方向の辺21と第2の長手方向の辺22との間で中央に位置付けられる軸線(長手方向の中央線)に対して、対称的に位置する。
【0037】
機械的締結手段32a、32bは接着締結手段31a、31bを保護するように適合され、シール縁延在部28、29が、図6における折り目B−B’及びC−C’(どちらも接着締結手段31a、31bと機械的締結手段32a、32bとの間の境界線に沿って伸びている)に沿って折り畳まれる時、機械的締結手段32a、32bは、接着締結手段31a、31bを被覆する。機械的締結手段32a、32bは、接着剤の領域のおおよそ50%を被覆し、おおよそ50%を、接着締結手段31a、31bを形成するために空けておき、物品が保管状態にある場合に、機械的締結手段32a、32bが接着締結手段31a、31bと同一の広がりを持つようにする。衛生物品20を保管するために、シール縁延在部28、29は、折り目B−B’及びC−C’に沿って折り畳まれ、そうすることによって、機械的締結手段32a、32bは、本発明の第1の実施形態に関して上述したと同一の方法で、接着締結手段31a、31bを被覆し、接着締結手段31a、31bのための剥離面として機能するようになる。接着締結手段31a、31b及び機械的締結手段32a、32bの両方をシール縁延在部28、29上に提供することにおける利点は、どちらも衛生物品20の元の設置面積内にあり、追加の側面又は末端部のフラップが必要とされないことである。
【0038】
シール縁上に提供されている接着締結手段31a、31b及び機械的締結手段32a、32bに加えて、他の締結手段、例えば、衛生物品20の中央部分上に位置付けられる剥離ライナーで被覆される、感圧性接着剤材料のストリップが、衛生物品20の背面シート25上のどこかに提供されていてもよい。更に、各シール縁延在部28、29上に単一の接着締結手段31a、31b及び単一の機械的締結手段32a、32bを提供する代りに、各締結手段のいくつか、例えば、2つ、3つ、又は4つを相互に隣接して提供することが望ましい場合がある。更なる代替方法は、1種類の締結手段が吸収性コアの領域内に位置し、2種類の締結手段間の折り目が吸収性コアの周辺に沿って位置するように、機械的締結手段32a、32b及び接着締結手段31a、31bの両方を背面シート25上に位置付けることである。この状況においては、シール縁上に提供されている必要があるのは1種類の締結手段のみである。これにより、シール縁延在部28、29の形をとる追加の材料の供給も、またそれに伴う衛生物品及び/又はその構成材料のいずれのサイズ変更をも、行う必要がなくなる。
【0039】
図7は、本発明の第3の実施形態に従った衛生物品の概略底面図である。これは、上述の図6におけるように、最上の位置にある、衛生物品の背面シートを示す。本発明のこの実施形態は、生理用ナプキン及び成人用失禁パッドの両方での使用に好適である。この実施形態において、衛生物品33は、概して細長く、第1及び第2の長手方向の辺34及び35、並びに第1及び第2の横方向の辺36及び37を有する。衛生物品33はやはり、背面シート38と前面シート39との間に挟持される吸収性コアから形成され、どちらのシートも吸収性コアを十分に越えて延在してシール縁40を形成する。背面シート38及び前面シート39は、第1及び第2の横方向の辺36及び37において、第1及び第2の長手方向の辺34及び35に沿う部分におけるよりも、吸収性コアから更に遠くへ延在し、第1及び第2のシール縁延在部41及び42を形成する。接着締結手段43が、背面シート上で第1の横方向の辺36においてシール縁40に隣接して、第1のシール縁延在部41上に位置し、機械的締結手段44が、背面シート上で第2の横方向の辺37においてシール縁に隣接して、第2のシール縁延在部上に位置する。接着締結手段43及び機械的締結手段44の両方は、矩形領域の形で提供され、第1と第2の長手方向の辺34と35の間で中央に位置付けられる軸線D−D’(長手方向の中央線)に対して対称的に位置する。これらの矩形領域のそれぞれは、第1及び第2の横方向の辺36及び37に対して平行に延在し、衛生物品33の幅のおおよそ60%を被覆する。やはり好ましくは、機械的締結手段44はフック型の機構を備え、接着締結手段43は感圧性接着剤材料を備える。
【0040】
接着締結手段43及び機械的締結手段44を、衛生物品33の対向する横方向の辺36、37に提供することによって、衛生物品33は、第1及び第2の横方向の辺36及び37の中間にこれら横方向の辺に平行して位置付けられる軸線E−E’(横方向の中央線)に沿って折り畳まれ得る。折り畳まれると、接着締結手段43及び機械的締結手段44は、相互に接触し、それによって機械的締結手段44が、接着締結手段43のための保護カバーを形成するように適合されている。これは、機械的締結手段44が接着締結手段43と実質的に同一の広がりを持つことを確実にすることによって達成される。
【0041】
図8は、本発明の第3の実施形態に従って、折り畳まれた状態にある、衛生物品の概略側面図である。これは、どのようにして衛生物品33がE−E’に沿って折り畳まれ、接着締結手段43及び機械的締結手段44が相互に接触するようになるかを図示する。衛生物品33は、接着締結手段43と機械的締結手段44との間の接着によって、折り畳まれた状態に維持され、その接着は、衛生物品33の第1及び第2の横方向の辺36及び37を剥がすことによって破られる。上述のように、機械的締結手段44は、接着締結手段43のための剥離面を形成するが、この場合、接着締結手段の選択及び機械的締結手段の選択はまた、一方がどれだけ容易にもう一方から剥離されるかだけでなく、衛生物品が折り畳まれた状態に留まることを確実にするために、2種類の締結手段間に十分な接着があるべきだという要求をも考慮することによって、決定される。例えば、機械的締結手段44及び接着締結手段43を分離するために必要とされる剥離力は、折り畳まれた状態にある衛生物品33の構成材料内の、いかなる圧縮又は伸張の結果として加えられる、いかなる力にも抵抗するために十分であるべきである。しかしながら、締結手段の位置によっては、代替方法として、衛生物品33を長手方向の軸線D−D’に沿って折り畳むことが望ましい場合もあり得る。これは、接着締結手段43及び機械的締結手段44を、横方向の軸線E−E’に代えて、長手方向の軸線D−D’に沿って分割することを伴う場合がある。
【0042】
代替方法として、接着締結手段43及び機械的締結手段44の両方は、必要に応じて、背面シート38上のどの場所に位置付けられてもよい。例えば、それぞれが、シール縁40の領域内に、シール縁40に近接又は隣接して位置付けられてもよく、あるいは衛生物品33の本体上にシール縁40から離れて位置付けられてもよい。
【0043】
上述の実施形態のそれぞれにおいて、締結手段を形成するように適合された材料の領域は、機械的締結手段及び接着締結手段の2つの異なる種類の締結手段を備える。しかしながら、このことは必須ではない。締結手段を形成するように適合された材料の領域のそれぞれは、実際には同一種類の材料であってもよい。例えば、フック・ループ式の締結システム(フックが対向するループ又は繊維状の材料と係合する、ないしは別の方法でかみ合う)を使用する代りに、締結システムの各半分が同一である、雌雄同体の締結手段として知られる締結手段である。これは、底部から延在する柄、及び柄から突出する先端部分を有する突起を備える機械的締結手段を使用することによって、達成され得る。そのような突起の領域が、同一の突起の第2の領域に接触して設置され、相互に押し合う場合、突起の一方の領域の先端が、突起のもう一方の領域の柄の間の範囲を突き抜けるにつれて、突起は相互に結合し、領域を相互にかみ合わせる。可撓性及び/又は弾力的な材料から突起を形成することによって、突起は相互に何度もかみ合わされ、かみ合いを解除され、再びかみ合わされ得る。これは、そのような材料を本発明において使用するために理想的なものにし、突起の1つの領域が第1の締結手段を形成することができ、突起の第2の領域が、第1の締結手段のための保護カバーを形成するように適合され、第1の締結手段と実質的に同一の広がりを持つようにサイズ決めされる第2の締結手段を形成することができる。
【0044】
そのような雌雄同体の性質を有する材料の第2の例は、特定の種類の接着剤であり、例えば、米国特許第US 4,513,039号において開示されるもの等である。これらの接着剤は、それらが相互に接触して設置されるが、損傷なく剥がされ得るという点において、剥離可能接着剤である。これは、接着剤の第1の領域が、第1の締結手段を形成することができ、同一の接着剤の第2の領域が、第1の締結手段のための保護カバーを形成するように適合され、第1の締結手段と実質的に同一の広がりを持つように大きさを決められる第2の締結手段を形成することができることを意味する。したがって、接着剤の一方の領域は、接着剤のもう一方の領域ための剥離面として機能することができ、逆もまた同様である。更に、機械的締結手段及び接着剤の組み合わせが既知であり、例えば、接着剤が機械的締結手段の柄の底部に提供されている、米国特許第US 4,959,265号において開示される締結システムである。これらの事例のそれぞれにおいて、締結手段は、全く同一の材料であってもよく、あるいは同一又は類似の性質を有する2つの異なる材料であってもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面シートと前面シートとの間に挟持された細長い形状を有する吸収性コアであって、前記背面シート及び前記前面シートが前記吸収性コアを越えて延在し、一緒にシールされてシール縁部分を形成している、吸収性コアと、
前記背面シート上に配置された第1の締結手段を形成するように適合された材料の領域と、
前記第1の締結手段と実質的に同一の広がりを持ち前記第1の締結手段のための保護カバーを形成するように適合された第2の締結手段を形成するように適合された材料の領域と、を備える、衛生物品。
【請求項2】
前記第1の締結手段を形成するように適合された材料の前記領域が、前記シール縁の領域内の前記背面シート上に配置されている、請求項1に記載の衛生物品。
【請求項3】
前記第1の締結手段を形成するように適合された材料の前記領域が、前記シール縁上の前記背面シート上に配置されている、請求項1に記載の衛生物品。
【請求項4】
前記第2の締結手段を形成するように適合された材料の前記領域が、前記シール縁上の前記背面シート上に配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の衛生物品。
【請求項5】
第1のウィングであって、その上に位置する前記第2の締結手段を形成するように適合された材料の少なくとも1つの領域を有する、第1のウィングと、第2のウィングであって、その上に位置する前記第2の締結手段を形成するように適合された材料の少なくとも1つの領域を有する、第2のウィングとを更に備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の衛生物品。
【請求項6】
前記物品が、第1及び第2の対向する長手方向の辺と、第1及び第2の対向する横方向の辺とを備え、前記第1の締結手段を形成するように適合された材料の少なくとも1つの領域が、前記第1の長手方向の辺上に提供され、前記第1の締結手段を形成するように適合された材料の少なくとも1つの領域が、前記第2の長手方向の辺上に提供されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の衛生物品。
【請求項7】
前記ウィングが、前記前面シート及び/又は前記背面シートから形成されている、請求項5に記載の衛生物品。
【請求項8】
前記ウィングが、分離しており、前記シール縁で前記衛生物品に接着されている、請求項5に記載の衛生物品。
【請求項9】
前記物品が、第1及び第2の対向する長手方向の辺と、第1及び第2の対向する横方向の辺とを備え、前記第1の締結手段を形成するように適合された材料の少なくとも1つの領域が、前記第1の横方向の辺上に提供され、前記第1の締結手段を形成するように適合された材料の少なくとも1つの領域が、前記第2の横方向の辺上に提供されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の衛生物品。
【請求項10】
前記第2の締結手段を形成するように適合された材料の領域が、前記第1の締結手段を形成するように適合された材料の各領域に隣接して提供されている、請求項9に記載の衛生物品。
【請求項11】
前記第1の締結手段を形成するように適合された材料の領域が、前記第1の横方向の辺上に提供され、前記第1の締結手段と実質的に同一の広がりを持ち前記第1の締結手段のための剥離面を形成するように適合された前記第2の締結手段を形成するように適合された材料の前記領域が、前記第2の横方向の辺上に位置する、請求項9に記載の衛生物品。
【請求項12】
前記第2の締結手段を形成するように適合された材料の前記少なくとも1つの領域が、前記第1の締結手段を形成するように適合された材料の前記少なくとも1つの領域上に折り畳まれる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の衛生物品。
【請求項13】
前記第2の締結手段に、前記少なくとも1つの第1の締結手段を越えて延在するフィンガーリフト部分が提供されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の衛生物品。
【請求項14】
前記第1の締結手段が機械的締結手段であり、前記第2の締結手段が接着締結手段である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の衛生物品。
【請求項15】
前記第1の締結手段が接着締結手段であり、前記第2の締結手段が機械的締結手段である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の衛生物品。
【請求項16】
前記第1の締結手段を形成するように適合された前記材料、及び前記第2の締結手段を形成するように適合された前記材料が、同一の種類の材料である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の衛生物品。
【請求項17】
前記材料が、雌雄同体の機械的締結手段、又は剥離可能接着剤である、請求項16に記載の衛生物品。
【請求項18】
前記少なくとも1つの機械的締結手段が、フック、柄、又は杯状の突起のうちの1つから形成された係合突起を備える、請求項14〜17のいずれか一項に記載の衛生物品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2013−515568(P2013−515568A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546084(P2012−546084)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/061044
【国際公開番号】WO2011/079043
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】