説明

衛生薄葉紙

【課題】嵩だか性、吸収性、柔軟性といった機能性を十分に有しながら、意匠性も十分に有すると共に、実使用上の拭き取り性も十分に有する衛生薄葉紙とする。
【解決手段】頂点部の面積が0.01〜0.80mm2未満のマイクロエンボス11と、頂点部の面積が0.80〜4.00mm2未満のドットエンボス12と、幅0.20〜4.00mmの線及び面積4.00〜400mm2の面の少なくともいずれか一方で形成されたデザインエンボス21と、が備わる。そして、マイクロエンボス11の頂点部合計面積と、ドットエンボス12の頂点部合計面積と、デザインエンボス21の合計面積と、を足した総面積が、衛生薄葉紙100cm2あたり3.0〜30cm2とされ、かつ、総面積に対する、マイクロエンボス11の頂点部合計面積率が0.5〜30%、ドットエンボス12の頂点部合計面積率が0.5〜30%、デザインエンボス21の合計面積率が0.5〜30%と、それぞれされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンボスが付いた衛生薄葉紙に関するものである。特に、トイレットペーパーやティシュペーパーなどとして使用するに好適な衛生薄葉紙に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、例えば、トイレットペーパーやティシュペーパー等の衛生薄葉紙は、エンボス(凹凸模様)の付いたものが、一般的になりつつある。そして、この種のエンボスが付いた衛生薄葉紙としては、例えば、嵩だか性や柔軟性、吸収性等の機能性の向上を図ることを主な目的とするマイクロエンボス又はドットエンボスが付いた衛生薄葉紙や、見栄え、つまり意匠性の向上を図ることを主な目的とするデザインエンボスが付いた衛生薄葉紙などがある。また、近年では、これら複数の目的を並存させるためとして、例えば、マイクロエンボスやドットエンボスとデザインエンボスとの組み合わせなどからなる2種類以上のエンボスが付いた衛生薄葉紙が、提供されるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、単に2種類以上のエンボスを組み合わせても、それぞれのエンボスによる効果が全て得られるようにはならず、かえってそれぞれの効果さえも十分に得られなくなるという問題を抱えている。
【特許文献1】特表2002−501992号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする主たる課題は、嵩だか性、吸収性、柔軟性といった機能性を十分に有しながら、意匠性も十分に有すると共に、実使用上の拭き取り性も十分に有する衛生薄葉紙を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
2種類以上のエンボスが付いた衛生薄葉紙であって、
前記エンボスとして、頂点部の面積が0.01〜0.80mm2未満のマイクロエンボスと、頂点部の面積が0.80〜4.00mm2未満のドットエンボスと、幅0.20〜4.00mmの線及び面積4.00〜400mm2の面の少なくともいずれか一方で形成されたデザインエンボスと、が備わり、
かつ、前記マイクロエンボスの頂点部合計面積と、前記ドットエンボスの頂点部合計面積と、前記デザインエンボスの線及び面の合計面積と、を足した総面積が、前記衛生薄葉紙100cm2あたり3.0〜30cm2とされ、
かつ、前記総面積に対する、前記マイクロエンボスの頂点部合計面積率が0.5〜30%、前記ドットエンボスの頂点部合計面積率が0.5〜30%、前記デザインエンボスの合計面積率が0.5〜30%と、それぞれされている、
ことを特徴とする衛生薄葉紙。
【0005】
〔請求項2記載の発明〕
前記総面積部分の1〜30%が接着されて、2プライ以上とされている、請求項1記載の衛生薄葉紙。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、嵩だか性、吸収性、柔軟性といった機能性を十分に有しながら、意匠性も十分に有すると共に、実使用上の拭き取り性も十分に有する衛生薄葉紙となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
〔定義等〕
(1)本明細書の衛生薄葉紙には、1枚のシート(1プライ)に2種類以上のエンボスが付いたもののほか、2枚、3枚、4枚又はそれ以上の複数枚のシートが重なってなる積層シート(複数プライ)に2種類以上のエンボスが付いたものも含む。
(2)本明細書のマイクロエンボスとは、頂点部の面積が0.01〜0.80mm2未満のエンボスである。このマイクロエンボスは、通常、凹凸が、縦、横、斜め等に規則的に並び、例えば、面状の幾何学的模様を描いている。
(3)本明細書のドットエンボスとは、頂点部の面積が0.80〜4.00mm2未満のエンボスである。このドットエンボスは、通常、凹凸が、縦、横、斜め等に規則的に並び、例えば、線状の幾何学的模様を描いている。
(4)本明細書のデザインエンボスとは、線及び面の少なくともいずれか一方の凹凸によって描き出された、例えば、花、木、草等の植物や、人、動物、魚、貝、昆虫等の生き物、山、川、海、雲、森、林等の自然、月、太陽、星等の惑星・衛星、車、飛行機、電車等の人工物、などのデザイン性のある模様を意味する。
(5)本明細書において、頂点部とは、エンボスを付与するために彫刻されたパターンの凸部の平面部を意味する。
【0008】
〔用途〕
本発明の衛生薄葉紙は、用途が特に限定されない。例えば、トイレットペーパーやティシュペーパー、キッチンペーパー、タオルペーパーなどとして、用いることができる。
ただし、本実施の形態では、衛生薄葉紙が、トイレットペーパーである場合を、主に説明する。
【0009】
〔衛生薄葉紙の原料・抄紙等〕
本発明において、衛生薄葉紙の原料は、特に限定されない。トイレットペーパー、ティシュペーパー、キッチンペーパー、タオルペーパー等の各用途に応じて、パルプ繊維や、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等のフィルム、などの適宜の原料を使用することができる。
具体的には、例えば、原料が、パルプ繊維である場合、このパルプ繊維(原料パルプ)としては、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプなどから、より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)等の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
【0010】
パルプ繊維等からなる原料は、例えば、公知の抄紙工程、具体的には、ワイヤパート、プレスパート、ドライヤパート、サイズプレス、カレンダパート等を経るなどして、エンボス付与の対象となる原紙シートとする。この抄紙に際しては、例えば、分散剤、苛性ソーダ、アンモニア水等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、蛍光染料、離型剤、耐水化剤、流動変性剤、歩留まり向上剤などの適宜の薬品を添加することができる。
【0011】
原紙シートの物性としては、シート製品がトイレットペーパー、ティシュペーパーである場合には縦強度(MDT)が75〜200gf/15mm、横強度(CDT)が20〜70gf/15mmであり、縦伸び(MDS)が10〜30%(測定はJIS P 8113に準拠)であることが好ましい。また、その他、強度が要求されるシート製品(ペーパータオル、ナプキン)の場合には1プライのペーパーシート(原紙)の縦強度(MDT)が200〜700gf/15mm、横強度(CDT)が50〜200gf/15mmであり、縦伸び(MDS)が5〜30%(測定はJIS P 8113に準拠)であることが好ましい。原紙強度が、これらの下限値以下ではシートの破断等が起き、上限値以上では風合いが悪化する。また、シートの伸びがこれらの下限値以下ではシートの破断等が起き、上限値以上ではシートにしわ等が発生して操業性が悪化する。
【0012】
トイレットペーパーまたはティシュペーパーとしては、2プライ又は3プライの製品が好ましく、その1プライのJIS P 8124による坪量としては、10〜25g/m2となるのが好ましい。下限を10g/m2と規定したのは、10g/m2を下回ると、柔らかさの向上の観点からは好ましいが強度を適正に確保することができないためである。また、上限を25g/m2と規定したのは、25g/m2を上回ると、硬くなりすぎて、肌触りが悪化するためである。
【0013】
〔エンボスの付与〕
以下、3枚の原紙シートを重ねたシート製品の形態について、図1〜3を参照しながら詳述するが、この形態に限定されるわけではない。
この実施形態は、1プライ当たりの坪量が10〜25g/m2である3枚の原紙シートS3、S4、S5が重ねられたシート製品である。
【0014】
2枚の原紙シートS3、S4は、適宜の段階で、積層状態とされ、この積層シートSWに線状の花弁模様のマクロ(デザイン)エンボス21、点状のドットエンボス12が、例えば、ゴム製抑えロール51Rに対する金属製凸エンボスロール51Sによる押圧によって形成される。金属製凸エンボスロール51Sの押圧は15〜30kg/cmとするのが望ましい。押圧が小さいと嵩が出にくく、吸液性を阻害する原因に繋がる。逆に大きいと、シートのエンボス部分での破れに繋がり易くなる。
【0015】
他方の1枚の単独原紙シートS5には、ドットエンボス12より小さい点状のマイクロエンボス11が、ゴム製抑えロール61Rに対する金属製凸エンボスロール61Sによる押圧によって形成される。
【0016】
また、金属製凸エンボスロール51Sに対向して、グルーユニットG3及び転写ロール32が配設され、着色顔料により着色された糊が、あるいは着色されていない無色の接着糊G3が、ドクターチャンバー方式によって、マイクロエンボス11の凸部頭頂部に転写ロール32により塗布される。
【0017】
マクロエンボス21及びドットエンボス12が形成された積層シートSWは、単独原紙シートS5と共に、金属製凸エンボスロール51Sに対向する重ね合わせロール70間に案内され、積層シートSWと単独原紙シートS5とがニップされ、両者が接着糊G3によって接着される。その後は、長紙管に巻き付けられた後、細幅のトイレットペーパーロールとされたり、インターホルダに導かれてティシュペーパーなどのシート製品とされたりする。
【0018】
ここで、金属製凸エンボスロール51Sに対向する重ね合わせロール70間のニップのクリアランスは5〜200μm、ニップ圧は5〜20kg/cmとするのが望ましい。クリアランス及びニップ圧が小さいと接着性が悪く、逆に大きいと、エンボスの形崩れが生じ、また、接着糊の他のシートへの過度の浸透が多くなり、ザラツキの原因となる。
【0019】
この実施形態における、マクロエンボス21、ドットエンボス12及びマイクロエンボス11の形成は適宜選択できるが、その例示が図1に示すものである。図1の例では、間欠点の曲線にドットエンボス12と、線状の花弁部分にマクロエンボス21を形成し、間欠点の曲線で囲まれる領域内にマイクロエンボス11を形成した例である。本発明において基本的にデザインが限定されるものではない。
【0020】
この実施形態はトイレットペーパーロールとして好適なものであり、ロールの外面側を積層シートSWとし、内面側を単独原紙シートS5とするのが、消費者に対し嵩高性を印象付けるのに適している。
【0021】
〔エンボス〕
以上のような方法によって、本形態の衛生薄葉紙は、2種類以上のエンボスが付いている。この2種類以上のエンボスは、図1に示すように、各頂点部の面積がそれぞれ0.01〜0.80mm2未満のマイクロエンボス11,11…と、各頂点部の面積がそれぞれ0.80〜4.00mm2未満のドットエンボス12,12…と、幅0.20〜4.00mmの線(ライン)及び面積4.00〜400mm2の面の少なくともいずれか一方で形成された、図示例ではラインで形成されたデザインエンボス21,21…と、から主になる。本衛生薄葉紙は、マイクロエンボス11,11…の存在によって、柔軟性を有するものとなる。また、本衛生薄葉紙は、ドットエンボス12,12…の存在によって、嵩だか性、吸収性を有するものとなる。さらに、本衛生薄葉紙は、デザインエンボス21,21…の存在によって、意匠性を有するものとなる。加えて、本衛生薄葉紙によると、トイレットペーパーの場合では、デザインエンボス21,21…によって大の汚れ(排泄物全般の汚れ)が、ドットエンボス12,12…によって中の汚れ(デザインエンボス21,21…で拭き取れなかった汚れ)が、マイクロエンボス11,11…によって小の汚れ(デザインエンボス21,21…及びドットエンボス12,12…で拭き取れなかった汚れ)が拭き取られる。したがって、本衛生薄葉紙によると、一度の拭き取りで、拭き残しがなくなる。
【0022】
そして、本形態では、マイクロエンボス11,11…の頂点部合計面積と、ドットエンボス12,12…の頂点部合計面積と、デザイン(マクロ)エンボス21,21…の線及び面の合計面積と、を足した総面積が、衛生薄葉紙100cm2あたり3.0〜30cm2、好ましくは4〜24cm2、より好ましくは5〜10cm2とされ、かつ、前記総面積に対する、マイクロエンボス11,11…の頂点部合計面積率が0.5〜30%、好ましくは1.0〜8.0%、より好ましくは1.5〜3.5%、ドットエンボス12,12…の頂点部合計面積率が0.5〜30%、好ましくは1.5〜8.0%、より好ましくは2.0〜4.0%、デザインエンボス21,21…の合計面積率が0.5〜30%、好ましくは1.5〜8.0%、より好ましくは1.5〜3.5%と、それぞれされている。
【0023】
総面積が、衛生薄葉紙100cm2あたり3.0cm2未満であると、十分な嵩が安定して得られず、また吸収性の低下に繋がる。他方、総面積が、衛生薄葉紙100cm2あたり30cm2を超えると、エンボスの深さに対して紙の入りが浅くなり、結果的に嵩が得られなくなる。
総面積に対するマイクロエンボス11,11…の頂点部合計面積率が0.5%未満であると、十分な柔軟性が得られないおそれがある。他方、総面積に対するマイクロエンボス11,11…の頂点部合計面積率が30%を超えると、柔軟性は向上するものの、2プライ以上の複数プライの場合、プライ離れが起こり易くなる。このプライ離れを防止するため、マイクロエンボス11,11…の頂点部でプライ間を接着すると、接着範囲が大きくなり過ぎて紙の柔軟性を損なうおそれがある。
【0024】
総面積に対するドットエンボス12,12…の頂点部合計面積率が0.5%未満であると、十分な嵩だか性、吸収性が得られないおそれがある。他方、総面積に対するドットエンボス12,12…の頂点部合計面積率が30%を超えると、エンボスの押し込みにより、紙の破断が生じやすくなり、十分な強度を保てなくなるおそれがある。
【0025】
総面積に対するデザインエンボス21,21…の合計面積率が0.5%未満であると、十分な意匠性が得られないおそれがある。他方、総面積に対するデザインエンボス21,21…の合計面積率が30%を超えると、製品化する際にシワの発生要因となる。特に、ロール状の製品、例えばトイレットペーパーをロール状に巻き取る場合、デザインエンボス21,21…が障壁となり、その部分でシワが発生し易くなり、安定生産ができなくなるおそれがある。
【0026】
また、本形態においては、衛生薄葉紙が、2プライ以上の複数プライである場合、前記総面積部分の1〜30%が接着されて、複数プライとされているのが好ましい。1%未満であると、柔軟性はあるものの、プライ離れが生じ易くなる。他方、30%を超えると、プライ離れは防止できるものの、柔軟性を損なうおそれがある。
【0027】
〔その他〕
(1)本発明において、マイクロエンボス11,11…やドットエンボス12,12…の頂点部の形状は、特に限定されない。例えば、正方形や、長方形、菱形、円形、楕円形、多角形、星形などとすることができる。ただし、頂点部に細長い形状の部分があると、その部分が破損しやすいため、星形は、実用的でない。
【実施例】
【0028】
次いで、本発明の実施例を示す。
(実施例)
白色の原紙シートの3枚を用意し、1枚にマイクロエンボス(ドット状)を施し、ほか2枚にマクロエンボス(花弁模様)及びドットエンボス(点状の曲線)を同時に施した。なお、原紙シートの物性は、米坪16.5g/m2、3枚重ねでの乾燥引張強度が725(縦)/295(横)CN/25mm、3枚重ねでの湿潤引張強度が90(縦)/42(横)CN/25mmであった。
【0029】
次いで、マクロエンボス及びドットエンボスの凸部部分に、ラミネート糊に青色顔料(サカタインクス株式会社製「ブライトーンXFT−8」)を分散して得た粘度8mpaの着色接着成分を塗布し、先述の1枚にマイクロエンボスを施したものと重ね合わせて、3プライの幅114mm、長さ112mmのトイレットペーパーを作成した。
【0030】
この操作を、下記表1で示すように、マイクロエンボス、ドットエンボス、マクロエンボスの面積率を変化させて6種類実施した。できた6種類のサンプルの拭き取り性を評価するため、
(1)各サンプルの質量を測定し、サンプルの幅方向に2つ折りした。
(2)排便後の排泄口周辺に残る汚れを想定した3gのヨーグルト(明治乳業株式会社製「ブルガリアヨーグルト<プレーン>」)(A)を一方の手の甲に設置した。
(3)他方の手で、二つ折りした1種類のサンプルを持ち、手の甲に設置したヨーグルトを、排泄口を拭く程度の圧力で、拭き取った。
(4)拭き取り後のサンプルの質量を測定し、測定前後のサンプル質量の差から、拭き取ったヨーグルトの重量(B)を求め、(B/A)×100の計算式から、拭き取り率を算出した。評価基準として、拭き取り率85%以上を実使用上における好適とした。
【0031】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、エンボスが付いたトイレットペーパーやティシュペーパーなどの衛生薄葉紙として、適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】衛生薄葉紙のエンボスの例である。
【図2】衛生薄葉紙の製造工程を示す概略図である。
【図3】衛生薄葉紙の製造工程を示す概略図である。
【符号の説明】
【0034】
11…マイクロエンボス、12…ドットエンボス、21…デザイン(マクロ)エンボス、32…転写ロール、51R,61R…ゴム製抑えロール、51S,61S…金属製凸エンボスロール、70…重ね合わせロール、S3〜S5…原紙シート、SW…積層シート、G3…接着糊、X…衛生薄葉紙。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2種類以上のエンボスが付いた衛生薄葉紙であって、
前記エンボスとして、頂点部の面積が0.01〜0.80mm2未満のマイクロエンボスと、頂点部の面積が0.80〜4.00mm2未満のドットエンボスと、幅0.20〜4.00mmの線及び面積4.00〜400mm2の面の少なくともいずれか一方で形成されたデザインエンボスと、が備わり、
かつ、前記マイクロエンボスの頂点部合計面積と、前記ドットエンボスの頂点部合計面積と、前記デザインエンボスの線及び面の合計面積と、を足した総面積が、前記衛生薄葉紙100cm2あたり3.0〜30cm2とされ、
かつ、前記総面積に対する、前記マイクロエンボスの頂点部合計面積率が0.5〜30%、前記ドットエンボスの頂点部合計面積率が0.5〜30%、前記デザインエンボスの合計面積率が0.5〜30%と、それぞれされている、
ことを特徴とする衛生薄葉紙。
【請求項2】
前記総面積部分の1〜30%が接着されて、2プライ以上とされている、請求項1記載の衛生薄葉紙。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−68577(P2007−68577A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−255605(P2005−255605)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】