説明

衣類または身体装着具

【課題】鯉の効能を手軽に利用可能な技術を提供する。
【解決手段】本発明に係る衣類または身体装着具は、鯉の鱗が取り付けられていることを特徴とする。また、鯉の鱗は、生後2年以上経過した鯉から採取されたものであってもよい。また、鯉の鱗が、経穴に相当する箇所に取り付けられていてもよい。また、鯉の鱗が、鯉から採取後、洗浄、乾燥、切断され、布地で挟む方法または布地に接着する方法で取り付けられていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類または身体装着具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、鯉の皮膚や切り身には、身体の機能を回復させ、頭痛、発熱、凝り、痛み、疲れなどを軽減させ、血行を増進させる等の効能があるとされており、例えば、頭痛や発熱がある場合には、鯉の皮膚や切り身をこめかみに貼り付けるなどして使用されている。また、特定地方においては、鯉の皮膚や切り身が、リューマチ、痛風、肋間神経痛などの治療に効果があると言われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、鯉の皮膚や切り身を長時間に渡って患部に押し当てておくことは、他の行動が制限され、衛生面でも優れないため、非常に不便である。そのため、上記のような鯉の効能を利用する人は、ごく少数の年配者に限られ、ほとんど忘れ去られつつある。
【0004】
そこで、本発明は、鯉の効能を手軽に利用可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決すべく本発明の発明者らは、鯉から採取した鱗を利用することを思いついた。そして、衣類又は身体装飾具に、鯉の鱗を取り付けることにより、身体に容易に装着可能とした。
【0006】
具体的には、本発明は、鯉の鱗を取り付けたことを特徴とする衣類または身体装着具である。前記鱗が、生後2年以上経過した鯉から採取されたものであってもよい。前記鱗が、経穴に相当する箇所に取り付けられていてもよい。また、前記鱗が、鯉から採取後、洗浄、乾燥、切断され、布地で挟む方法または布地に接着する方法で取り付けられていてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る衣類または身体装着具によれば、鯉の効能を手軽に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る被服地の製造過程を示した図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る被服地の側面図および正面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る被服地により形成された衣服等の正面を示した図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る被服地により形成された衣服等の背面を示した図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る被服地により形成された帽子およびヘッドバンドの拡大図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る被服地により形成されたリストバンドを示した図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る第一変形例の被服地を示した図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る第一変形例のテーピング用のテープを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る鯉の鱗が取り付けられた被服地の製造過程を示した図である。同図に示すように、かかる被服地の製造は、洗浄工程10と、乾燥工程20と、カット工程30と、縫い付け工程40と、を有している。
【0011】
洗浄工程10は、水または洗浄剤を溶解させた洗浄液を用いて、採取した鯉の鱗の表面に付着した汚れを洗浄するための工程である。なお、洗浄剤には、例えば、家庭用の石鹸や合成洗剤など、界面活性作用により、鱗の表面に付着した汚れや「ぬめり」を落とすことができるものが用いられればよい。
【0012】
乾燥工程20は、洗浄後に、鯉の鱗の表面に付着している水分を乾燥させるための工程である。なお、鯉の鱗を乾燥させるには、例えば、鯉の鱗を屋外の風通しの良い場所や、天日の下に所定時間(例えば、2、3時間)の間置いておくような方法がある。また、市販の乾燥機で鱗を乾燥させてもよい。
【0013】
カット工程30は、予め設定されている大きさ、形状に鯉の鱗をカットするための工程である。この工程により、鯉の鱗は、例えば、直径が0.5cm〜2cmの円形または楕円形に形成される。なお、カットにより形成される鯉の鱗の形状は円形や楕円形でなくてもよい。例えば、鯉の鱗は、採取された各々の鱗の大きさや形状に応じて、四辺形などの多角形にカットされてもよい。
【0014】
なお、鯉の鱗は、生まれてから2年以上成長した鯉から採取される。生後2年以上が経過している鯉は、通常、30cmを超える大きさに成長している。このような鯉からは、効能が発揮され易く、かつ、形成に便利な充分な大きさの鱗を採取することができる。
【0015】
縫い付け工程40は、所定の大きさにカットされた鯉の鱗を被服地に縫い付けるための工程である。図2(a)は、鯉の鱗が縫い付けられた被服地の側面図である。同図に示すように、本実施形態に係る鯉の鱗を取り付けた被服地は、生地100と、生地100の表面に配置される鯉の鱗110と、生地100との間に鯉の鱗110を挟み込むパッチ120と、を備えている。パッチ120は、生地100との間に鯉の鱗110を挟み込んだ状態で生地100に縫い付けられる。このようにして、鯉の鱗110は、生地100とパッチ120との間に縫い付けられる。図2(b)は、図2(a)のAの位置から見た場合の被服地の図である。
【0016】
次に、本実施形態に係る鯉の鱗を取り付けた被服地の使用について説明する。
【0017】
鯉の鱗が取り付けられた被服地は、例えば、人が着用する被服、帽子、サポーター、手袋、靴下などの衣類に用いられる。図3、4は、鯉の鱗が取り付けられた被服地により形成された被服、帽子、サポーター、手袋、靴下の正面(図3)および背面(図4)を示した図である。これらの図に示すように、被服200、帽子210、サポーター220、手袋230、靴下240には、丸印によって示されている所定の箇所に鯉の鱗が縫い付けられている。ここで、人の体表には、指圧、鍼、灸で刺激を与えることにより、体調の調整、諸症状の緩和を図る「経穴(ツボ)」と言われる部位がある。鯉の鱗が縫い付けられている所定の箇所とは、このような経穴(ツボ)の表面に該当する部分や、腰や首、肩などの筋肉が凝り易い部分に接触する衣類の位置のことである。
【0018】
図5(a)は、帽子210に取り付けられている鯉の鱗110を拡大して示した図である。例えば、鯉の鱗110は、人が帽子を着用した際に、こめかみ付近に対応する箇所に位置するように帽子210に取り付けられる。なお、パッチ120は、帽子210の内側面に縫い合わせられていてもよく、帽子210の外側面に縫い合わせられていてもよい。
【0019】
また、図5(b)に示すように、鯉の鱗110は、ヘッドバンド250に取り付けられてもよい。例えば、鯉の鱗110は、人がヘッドバンド250を装着した際に、こめかみ付近に対応する箇所に位置するようにヘッドバンド250に取り付けられる。なお、パッチ120は、ヘッドバンド250の内側面に縫い合わせられていてもよく、ヘッドバンド250の外側面に縫い合わせられていてもよい。また、図6に示すように、鯉の鱗110は、リストバンド260に取り付けられてもよい。例えば、鯉の鱗110は、人が手首の所定位置にリストバンド260を装着した際に、経穴(ツボ)の表面に該当する箇所に位置するようにリストバンド260に取り付けられる。
【0020】
このように、かかる被服、帽子、サポーター、手袋、靴下などの衣類を人が着用した場合や、ヘッドバンド、リストバンドを人が装着することにより、鯉の鱗を容易に患部や身体の経穴(ツボ)に対応する箇所などに接触させておくことができる。その結果、本実施形態に係る衣類によれば、身体の機能を回復させ、頭痛、発熱、凝り、痛み、疲れなどを軽減させ、血行を増進させる等の効能を得ることが期待できる。
【0021】
なお、前述の実施形態では、パッチ120により鯉の鱗110を生地100に固定したが、本発明はかかる実施形態に限られるものではない。図7は、本実施形態の第一変形例に係る被服地を示した図である。同図に示すように、本実施形態の第一変形例では、固着材を310用いて、生地300に鯉の鱗320を取り付ける。具体的には、生地300上に固着材310を塗布し、固着材310の上に鯉の鱗320を取り付ける。図7(b)は、図7(a)のBの位置から見た場合の被服地の図である。
【0022】
このような第一変形例に係る被服地から形成された衣類によっても、鯉の鱗を容易に患部や身体の経穴(ツボ)に対応する箇所などに接触させておくことができる。その結果、本実施形態に係る衣類によれば、身体の機能を回復させ、頭痛、発熱、凝り、痛み、疲れなどを軽減させ、血行を増進させる等の効能を得ることが期待できる。
【0023】
また、前述の実施形態では、鯉の鱗が取り付けられた被服地を被服、帽子、サポーター、手袋、靴下といった衣類に用いたが、本発明はかかる実施形態に限られるものではない。本実施形態の第二変形例では、鯉の鱗は、ベルト、ネックレスといったアクセサリー類やテーピング用のテープが含まれる身体装着具の一部に取り付けられて用いられる。例えば、人がベルトを締めた際に、腰の位置に対応するベルトの所定箇所に鯉の鱗が取り付けられる。また、ネックレスの場合、首が凝る位置に対応するネックレスの所定箇所に鯉の鱗が取り付けられる。なお、取り付け方法は、前述の通り、ベルトにパッチを用いて鯉の鱗を縫い付けてもよく、または、固着材によりベルトやネックレスに鯉の鱗が取り付けられてもよい。
【0024】
図8は、テーピング用のテープ350に取り付けられている鯉の鱗110を示す図である。なお、テーピング用のテープ350とは、手首や足首に装着する飾り具の類であってもよく、手首や足首の動作を固定するための帯状の拘束用具であってもよい。また、ロール状に巻かれて保管され、適宜切断して使用できるものであってもよい。
【0025】
このような第二変形例に係る身体装着具よっても、鯉の鱗を容易に患部や身体の経穴(ツボ)に対応する箇所などに接触させておくことができる。その結果、第二変形例に係る身体装着具によっても、身体の機能を回復させ、頭痛、発熱、凝り、痛み、疲れなどを軽減させ、血行を増進させる等の効能を得ることが期待できる。
【0026】
前述のように、従来から、鯉の皮膚や切り身には、身体の機能を回復させ、頭痛、発熱、凝り、痛み、疲れなどを軽減させ、血行を増進させる等の効能があるとされており、特定地方においては、鯉の皮膚や切り身が、リューマチ、痛風、肋間神経痛などの治療に効果があると言われている。本発明では、鯉の鱗を用いた衣類や身体装着具により、これらの効能を得ることが期待できる。
【符号の説明】
【0027】
100・・・生地、110・・・鯉の鱗、120・・・パッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鯉の鱗を取り付けたことを特徴とする衣類または身体装着具。
【請求項2】
前記鱗は、生後2年以上経過した鯉から採取されたものである請求項1の衣類または身体装着具。
【請求項3】
前記鱗が、経穴に相当する箇所に取り付けられている請求項1の衣類または身体装着具。
【請求項4】
前記鱗が、鯉から採取後、洗浄、乾燥、切断され、
布地で挟む方法または布地に接着する方法で取り付けられている請求項1〜3の衣類または身体装着具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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