説明

表皮物質採取用シート

【課題】ヒト皮膚から分泌される表皮物質を採取し、皮膚の同一部位における表皮物質について異なる分析を行うことを可能とする表皮物質採取用シート及びこれを使用した表皮物質の採取方法を提供する。
【解決手段】面積の小さいシート2と面積の大きいシート3を備え、面積の小さいシートを皮膚に密着させ、該シートを覆いながら面積の大きいシートを皮膚に密着させることによりヒト皮膚の表皮物質を採取し、皮膚の同一部位における表皮物質について各シートごとに異なる分析を行うことを可能とする表皮物質採取用シート1及び表皮物質採取用シートを利用した表皮物質の採取方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト皮膚から分泌される表皮物質を採取し、皮膚の同一部位における表皮物質について異なる分析を行うことを可能とする表皮物質採取用シート及びこれを使用した表皮物質の採取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの皮膚表面において皮脂腺から分泌される皮脂は、皮膚の表皮表面に薄い皮脂膜を形成する。該皮脂膜は、外界からの異物の進入を防ぎ、様々な物質の刺激から皮膚を保護し、皮膚表面を潤滑化し、水分の蒸散を抑制する作用を有するものの、過剰な皮脂は、ニキビなどの脂漏性疾患の原因となることが知られている。
【0003】
さらに近年の研究によれば、紫外線が過度に皮膚に照射されると、フリーラジカルや活性酸素を生じ、これらの物質が皮脂を酸化することで過酸化脂質が生成されることが報告されている。過酸化脂質は、アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎、乾癬などの皮膚疾患に関与すると考えられており、いったん過酸化脂質が生成されると、酸化は連鎖的に進行し、皮膚表面に刺激を与えるだけにとどまらず、さらには分解して反応性の高いアルデヒドとなり、それが角層のタンパク質と結合することでカルボニル基を有する酸化タンパク質が生成し角質層の奥まで入り込んで細胞にダメージを与える。これらの角層酸化タンパク質は、皮膚の加齢に伴う老化や光老化を引き起こす要因であると考えられている。
【0004】
また、遊離脂肪酸、トリグリセライド等から構成される皮脂の脂質の中でも、遊離脂肪酸の割合が多いほど、皮膚からの水分の蒸散量が多くなり、角層のバリア機能を阻害し皮膚の炎症を引き起こすなどの要因となり得ること、そして、遊離脂肪酸の中でも特に不飽和脂肪酸の量が多いと角層のターンオーバーを阻害するなどの悪影響を及ぼすことが報告されており、皮脂の組成によっても皮膚に及ぼす影響が異なることが知られている。
【0005】
このようにヒトの皮膚表面に存在する皮脂および過酸化脂質は、ヒトの皮膚の状態や老化現象に大きく関与するものであり、皮脂の量に対する過酸化脂質の相対的な量や皮脂の組成を分析し検討することは今後の皮膚研究において重要な検討課題であり、皮膚の同一部位における表皮物質を採取し、これについて複数の異なる分析を行うことができる測定用具の開発が望まれる。
【0006】
また、これまで表皮物質を採取するためには、まず、皮膚表面の汚れを落とし、その後皮脂等の分泌を待って採取することが通常であり、十分な量の表皮物質を採取するためには長時間を要することが一般的ではあるが、短時間で採取することができるとすれば作業の効率化が図ることができるだけでなく、条件変化を要因とする測定誤差を減らすことができ、分析における測定精度の向上をも期待できる。したがって、表皮物質を採取するための採取方法の新たな確立もあわせて期待されるところである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−321272号公報
【特許文献2】特開平7−255496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ヒト皮膚から分泌される表皮物質を採取し、皮膚の同一部位における表皮物質について複数の異なる分析を行うことを可能とする表皮物質採取用シート及びこれを使用した表皮物質の採取方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために本発明者が検討を行った結果、面積の異なる2枚のシートを皮膚の同一部位に密着させ、表皮物質を採取した後に、2枚のシートについてそれぞれ異なる分析を行うことにより、例えば、皮膚上の同一箇所における皮脂の量に対する過酸化脂質の相対的な量を迅速かつ正確に測定できるという効果を見い出し、本発明を完成するに至った。また、2枚のシートで皮膚を閉塞して密着させることにより、短時間で分析可能な量の表皮物質を採取できることをあわせて見い出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち本発明は、面積の小さいシートと面積の大きいシートを備え、面積の小さいシートを皮膚に密着させ、該シートを覆いながら面積の大きいシートを皮膚に密着させることによりヒト皮膚の表皮物質を採取し、皮膚の同一部位における表皮物質について各シートごとに異なる分析を行うことを可能とする表皮物質採取用シートである。
【0011】
さらに本発明は、面積の小さいシートと面積の大きいシートを剥離可能に積層して接合することを特徴とする表皮物質採取用シートである。
【0012】
さらに本発明は、小さいシートの面積を10〜225mmとし、大きいシートの面積を100〜1000mmとすることを特徴とする表皮物質採取用シートである。
【0013】
さらに本発明は、面積の小さいシートと面積の大きいシートの厚さを、それぞれ0.1〜2mmとすることを特徴とする表皮物質採取用シートである。
【0014】
さらに本発明は、シートがセルロース繊維からなることを特徴とする表皮物質採取用シートである。
【0015】
また本発明は、前記の表皮物質採取用シートを使用して、ヒト皮膚の表皮物質を採取することを特徴とする表皮物質の採取方法である。
【0016】
また本発明は、前記の表皮物質採取用シートを使用して、所定時間皮膚を閉塞することにより、ヒト皮膚の表皮物質を採取することを特徴とする表皮物質の採取方法である。
【発明の効果】
【0017】
表皮物質採取用シートをヒト皮膚の所望する箇所に密着させることにより、分析の対象となる採取物質を同一部位から同時に採取することができる。
【0018】
表皮物質を採取した表皮物質採取用シートを、2つのシートに分けて分析することにより、例えば、皮膚上の同一部位における過酸化脂質量や皮脂量あるいは皮脂の組成を分析することができるとともに、所定箇所における皮脂に対する過酸化脂質の相対的な量を迅速かつ正確に測定することができる。
【0019】
表皮物質採取用シートを皮膚に密着させ皮膚表面を閉塞することにより、表皮物質の分泌速度を促進し、短時間に分析に必要な量の表皮物質を採取することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】表皮物質採取用シート((a)正面図、(b)側面図)
【図2】表皮物質採取用シートによる表皮物質の採取状態図
【図3】洗顔後2時間経過後の皮脂の採取量の比較
【図4】経時による過酸化脂質の採取量の変化(表皮物質採取用シートで皮膚を閉塞して採取する方法)
【図5】経時による過酸化脂質の採取量の変化(皮膚を開放した状態で安静にしたのち表皮物質採取用シートを皮膚に密着して採取する方法)
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0022】
図1は、表皮物質採取用シート(1)の(a)正面図と(b)側面図を示す。表皮物質採取用シートは面積の大きいシート(以下、「シートL」という。)と面積の小さいシート(以下、「シートS」という。)からなる。表皮物質採取用シート(1)を用いて皮膚の表皮物質を採取する際には、シートS(2)を皮膚に密着させ、シートS(2)を覆うようにシートL(3)を皮膚に密着させる(図2)。このようにシートS(2)とシートL(3)を皮膚に密着させることで表皮物質を採取し、採取した表皮物質についてシートSとシートLごとに異なる分析を行うことができる。例えば、シートLについて皮脂量や皮脂の組成を分析し、シートSについて過酸化脂質量を分析すれば、皮膚の所定箇所における皮脂量に対する過酸化脂質の相対的な量や皮脂の組成を正確に分析することが可能である。
【0023】
表皮物質採取用シートを皮膚に密着させる場合には、まずシートSを皮膚に密着させ、次にシートSを覆うようにシートLを皮膚に密着させてもよいが、予め、シートSとシートLを積層して接合しておき、シートSとシートLを同時に皮膚に密着させてもよい。但し、シートSとシートLを予め接合しておく場合には、表皮物質を採取した後、各シートが別々に分析できるようシートSとシートLとは剥離可能なものにする必要がある。
【0024】
シートSとシートLとを接合しながら容易に剥離するためには、例えば、両面に低粘着力を有する粘着シートをシートSとシートLの間に挿入してシートSとシートLを接合し、表皮物質を採取した後は、粘着シートを取り除き、シートSとシートLを分離する方法を採ることができる。但し、接合する方法はこれに限られず、分析に影響を及ぼさない手法であれば適宜採用することができる。
【0025】
シートの大きさは特に限定するものではないが、ヒトの顔に貼り付け易く、また正確な分析を行うために必要となる採取量を確保するために、シートSの面積は10〜225mmが好ましく、特に100mmが好ましい。また、シートLの面積は、100〜1000mmが好ましく、特に400mmが好ましい。シートSとシートLをこのような面積に設定することにより、シートSが皮膚に密着するとともに、シートLもシートSからはみ出した部分が皮膚に密着し表皮物質を採取することができる。また、シートSとシートLを重ね合わせることで、同一部位の皮膚からの表皮物質の採取を可能とし、皮脂に対する過酸化脂質の相対的な量の解析を正確に行うことが可能となる。
【0026】
シートの厚さは、特に限定されるものではないが、各シートの厚さは、約0.1〜2mmであることが好ましい。0.1mm未満であると、剛性や強度が低く測定作業における取り扱いに困難が生じる可能性があり、一方、2mmより厚いと、剛性が高くなり皮膚の曲面に追従しづらく表皮物質の採取が不十分となる可能性がある。
【0027】
シートSとシートLの形状は、特に限定されるものではないが、各シートは量産された大判のシート材を所定の面積に裁断して作成するため、四角形であれば作業性がよく、シート材に無駄が生じることがなく好ましい。
【0028】
表皮物質を採取したシートSとシートLを用いて、皮脂量に対する過酸化脂質量を分析することができる。この場合、シートSを過酸化脂質量の測定に使用し、シートLを皮脂量の測定に使用することが好ましい。これは皮脂量を分析するためには、一般的に表皮物質を比較的多く採取する必要があることによるものであるが、分析方法によっては、これに該当しない場合もあることから、シートSとシートLは目的や分析方法に応じて適宜使い分ければよい。
【0029】
シートの材質は、特に限定されるものではないが、皮脂等の表皮物質を吸着し易く、皮膚への影響が少ない天然素材が好ましい。また、分析する際には採取した皮脂等の成分を溶媒を用いてシートから抽出するため、シートと溶媒とが相互作用を生じない素材が好ましい。このようなシートの材質としてはセルロース繊維からなる濾紙を用いることができる。
【0030】
一般に、表皮物質を採取する場合には、採取する箇所の皮膚に付着した汚れを落とすために、まず洗浄(洗顔)を行い、所定の条件下において、表皮物質が十分分泌されるまでの時間を安静に維持し、その後皮膚に表皮物質採取用シートを密着させて表皮物質を採取するが、表皮物質が十分分泌されるまで安静に維持する時間としては定量目標の物質により、約2〜6時間が目安となっていた。本発明の表皮物質採取用シートは、このような従来の採取方法においても勿論利用することができ、洗浄(洗顔)後、約2〜6時間を経過した後に皮膚に表皮物質採取用シートを密着して採取してもよい。
【0031】
しかしながら本発明の表皮物質採取用シートを用いれば、洗浄(洗顔)を行った後、表皮物質の分泌を待つことなく、皮膚に密着させ皮膚を閉塞することにより、短時間で表皮物質を採取することが可能である。このような方法においては、表皮物質採取用シートを皮膚に密着させてから約1〜2時間で採取を完了することができ、従来の方法に比べて所要時間を大幅に短縮することができる。すなわち、表皮物質が皮膚から自然に分泌されるのを待つとすると、過酸化脂質を定量分析するために必要な量を採取するためには約6時間が必要であるが、表皮物質採取用シートを皮膚に密着させ皮膚を閉塞することにより、約2時間で分析に必要な量を採取することができる。尚、実施例において試験条件、実験データ等を詳細に記載する。
【0032】
表皮物質を採取した表皮物質採取用シートは、シートSとシートLに分けて、それぞれのシートに含有される過酸化脂質と皮脂について分析することができる。
【0033】
過酸化脂質の分析は、例えば、以下の方法で行うことができる。
1)TBA法(チオバルビツール酸法)
試料を酸性条件下でチオバルビツール酸と反応させることにより、過酸化脂質が分解して生じるマロンジアルデヒドとチオバルビツール酸とが反応して出来る赤色の呈色物質を比色または蛍光測定して定量する。
2)ヨードメリー比色法
脂質ヒドロペルオキシドが酸性条件下ヨウ化カリウムによって還元される反応を塩化アルミニウムを用いて定量する。
3)ペルオキシダーゼ反応による発色法
脂質ヒドロペルオキシドは電子供与体存在下、ヘモグロビンにより容易に還元されてヒドロキシ体に変換することが知られており、色素を用いて、還元型から酸化型への変化に伴う吸光度変化を求めて定量する。
【0034】
皮脂の分析は、例えば、以下の方法で行うことができる。
1)ガスクロマトグラフィー
皮脂を吸着させたシートを皮脂採取直後に内部標準物質の入ったアセトンで超音波を用いて皮脂を抽出した後、溶媒を除きガスクロマトグラフィーにより分析する。
【0035】
本発明の表皮物質採取用シートは過酸化脂質や皮脂の分析だけでなく、汗に含まれる成分を分析するなど、あらゆる目的に応じた表皮物質の採取に使用することができる。
【実施例】
【0036】
表皮物質を採取するために必要となる所要時間を各採取方法について測定した結果を示す。
【0037】
「試験条件」
被験者に対して洗顔後、すぐに顔の片側に表皮物質採取用シートを密着し、絆創膏で固定し所定時間閉塞する(閉塞系)。一方、顔の反対側は開放した状態のまま、安静にして所定時間経過したのち、表皮物質採取用シートを密着(100gの重りで1分間荷重)して皮脂を採取する(開放系)。表皮物質採取用シートは、濾紙(ADVANTEC社製「定量分析用5種C」)を10mm×10mmに裁断してシートS、20mm×20mmに裁断してシートLとし、ともにアセトンで脱脂した後、試験に使用した。
【0038】
「試験結果」
図3は、表皮物質採取用シートで皮膚を閉塞して2時間経過後の皮脂の採取量(閉塞系)と、開放した状態で2時間経過後に採取した皮脂の採取量(開放系)とを比較した結果を示す。尚、皮脂の採取量は、試験後の表皮物質採取用シート(シートL)からアセトンで皮脂を抽出し、ガスクロマトグラフィーで分析して求めた。
【0039】
図3の結果から、すべての被験者(15名)について開放系より閉塞系で皮脂の採取量が増加(平均値で約1.7倍)することを確認することができた。また閉塞系では、解析可能な最小限界値の目安である50μgを超える量の皮脂をすべての被験者について採取することができ、開放系では採取量が不足していた被験者からも閉塞系にすることにより分析に必要な採取量を得ることができた。
【0040】
つぎに表皮物質採取用シートにより採取した過酸化脂質の量を図4(閉塞系)と図5(開放系)に示す。過酸化脂質の量は、表皮物質採取用シート(シートS)から過酸化脂質を環境用測定用のメタノールで抽出し、これにDiphenyl−1−pyrenylphosphine(DPPP)メタノール溶液を加えてヒドロキシペルオキシドと反応させ、得られた発蛍光化合物の蛍光強度を測定することにより定量した。
【0041】
図5に示す開放系において、解析可能な最小限界値の目安である0.05nmol/cmを超える被験者は、2時間経過時点において7名中3名(43%)であり、6時間経過時点においても7名中6名(86%)である。このように開放系では解析可能なサンプルを得るためには6時間が必要であった。一方、図4に示すように、閉塞系では2時間経過時点で12名中11名(91%)が0.05nmol/cmを超える結果であった。これらの結果から表皮物質採取用シート(シートS)で過酸化脂質を採取する場合において、閉塞系は開放系に比べて採取時間を短縮できるだけでなく回収効率も向上させることができ、効率的な採取を可能とするものであることを確認することができた。
【符号の説明】
【0042】
1 表皮物質採取用シート
2 面積の小さいシート(シートS)
3 面積の大きいシート(シートL)
4 皮膚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面積の小さいシートと面積の大きいシートを備え、面積の小さいシートを皮膚に密着させ、該シートを覆いながら面積の大きいシートを皮膚に密着させることによりヒト皮膚の表皮物質を採取し、皮膚の同一部位における表皮物質について各シートごとに異なる分析を行うことを可能とする表皮物質採取用シート。
【請求項2】
面積の小さいシートと面積の大きいシートを剥離可能に積層して接合することを特徴とする請求項1記載の表皮物質採取用シート。
【請求項3】
小さいシートの面積を10〜225mmとし、大きいシートの面積を100〜1000mmとすることを特徴とする請求項1又は2記載の表皮物質採取用シート。
【請求項4】
面積の小さいシートと面積の大きいシートの厚さを、それぞれ0.1〜2mmとすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表皮物質採取用シート。
【請求項5】
シートがセルロース繊維からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の表皮物質採取用シート。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の表皮物質採取用シートを使用して、ヒト皮膚の表皮物質を採取することを特徴とする表皮物質の採取方法。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかに記載の表皮物質採取用シートを使用して、所定時間皮膚を閉塞することにより、ヒト皮膚の表皮物質を採取することを特徴とする表皮物質の採取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−198179(P2012−198179A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64058(P2011−64058)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】