説明

表示パネル

【課題】 本発明は、長期的に美観を損ねることなく低コストで安定して使用することのできる表示パネルを提供することにある。
【解決手段】 パネル2と支柱とパネル2と支柱とを連結するアルミT型金具1を備える表示パネルあって、アルミT型金具1は、皮膜膜厚が9μm以上で塗膜膜厚が7μm以上である陽極酸化塗装複合皮膜処理が施されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば道路標識や店舗看板、各種案内パネルに適用する表示パネルに関し、特にアルミニウム合金の押出形材により構成する表示パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な道路標識用の表示パネルは、アルミ平板に横補強材をスポット溶接にて固着する構造のものや、あるいは、複数のアルミ形材を骨組みして各々の接合箇所をボルト締めする構造のものがある。そして、この種の表示パネルは、背面側に断面ほぼT字型のアルミ金具(以下、アルミT型金具と記す。)が取り付けられるものがあり、このT型金具は、張出片と、この張出片から垂直に突出する突出片とを有しており、その張出片をパネル背面にあてがいツメで両端を挟み込むと共にボルトを挿通・締結し、さらには、突出片を支柱に取り付けてある板取付金具にあてがいボルトで締結するものである。
ところが上記のアルミT型金具は、屋外の苛酷な腐食環境に置かれることから高い耐候性と耐久性が要求されるが、従来使用されているアルミ生地材のものでは比較的耐候性が低く、短期のうちに表面が腐食する問題があった。また一般に、アルミT型金具とパネル側に取り付けるボルト、および、板取付金具に取り付けるボルトがアルミ以外の異種金属であり、いかに防錆処理を施してあってもボルト締結時の剥がれや傷が生じて電蝕を起こし、これにより、アルミT型金具の取付部位の腐食が進む問題もあった。このことから、表示パネル設置後の維持コストの抑制や設置箇所周辺の景観を損なわずに使用できる表示パネルの提供が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−68471号公報
【0004】
【特許文献2】特開2006−52627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上に述べたような実情に鑑み、長期的に美観を損ねることなく低コストで安定して使用することのできる表示パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、パネルと支柱とパネルと支柱とを連結するアルミT型金具を備える表示パネルあって、アルミT型金具は、皮膜膜厚が9μm以上で塗膜膜厚が7μm以上である陽極酸化塗装複合皮膜処理が施されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、アルミT型金具がJISH8602B種、P種、もしくはそれ以上に規定される陽極酸化塗装複合皮膜処理が施されていることにより、表示パネルの過酷な設置環境における耐候性の向上が図られる。しかも、従来のものと比較して長期的に安定して美観を維持できる表示パネルを提供できることから、景観の保持と施工コストおよび施工後の維持コストの抑制が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1(a)(b)】(a)は、本実施によるアルミT型金具の斜視図であり、(b)は、アルミT型金具とパネルとの取付状態を示す平面視した横断面図である。
【図2(a)(b)】(a)は、本実施よる表示パネルの全体を示す背面視した斜視図であり、(b)は、側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の表示パネルの実施形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)は、本実施によるアルミT型金具の斜視図であり、(b)は、アルミT型金具をパネルとの取り付け状態を示す平面視した横断面図である。図2(a)は、本実施よる表示パネルの全体を示す背面視した斜視図であり、(b)は、側面図である。
本実施による表示パネルは、例として道路標識として適用するものであり、具体的には、図示は省略するが地面から垂直に起立する本柱の上部に取り付けられるものであり、図2(a)(b)のように、水平に延びる支柱が上下に間隔をあけて2本配置してあり、その支柱から直行方向に向けてほぼ水平に突出する板取付金具6と、一面側に情報面を有するパネル2とをアルミT型金具1を介して取り付けている。
【0010】
アルミT型金具1は、図1(b)のように、パネル2の背面側に、上下方向の二列に取り付けるものである。また、図1(a)のように、アルミT型金具1は、パネル2の背面側の左右位置にハサミ側を対峙して設けてある各ツメ4で係止される張出片1a,1aと、その張出片1a,1aの一面側から直交方向に突出する取付片1bとから断面ほぼT字型をなすものである。そして、アルミT型金具1の両張出片1a,1aをパネル2の背面に沿わせて各ツメ3,3で挟み込んで保持すると共に、アルミT型金具1の突出片1bを板取付金具にあてがい、さらに、ボルト7で締結して表示パネルを形成するものある。
符号4は、ツメ3をパネル2の背面に固定するためのボルトである。
【0011】
そして、上記したアルミT型金具の表面処理については、JISH8602B種に規定する陽極酸化塗装複合皮膜処理に準拠した処理が施されている。
具体的な処理工程の一例として、まず、脱脂、エッチング、スマット除去等の前処理を経たアルミT型金具のアルミ生地材を陽極とし、pH0.3〜3.5の強酸水溶液を満たした電解槽の中で高電圧の交流電解または直流電解し、アルミT型金具の表面に膜厚10.3μmの酸化皮膜を形成する。次に、酸化皮膜を形成したアルミT型金具を70〜80℃で湯洗し、封孔処理を行わずにそのままクリア色のアクリル樹脂塗料を塗装して8.9μmの塗膜を形成し、これにより、耐候性があって長期的に美観を維持するアルミT型金具を得る。
尚、皮膜膜厚および塗膜膜厚については、皮膜膜厚9μm以上で塗膜膜厚7μm以上であれば特に限定することなく、JISH8602B種、P種、もしくはそれ以上の規定に準拠する処理であればよい。
【符号の説明】
【0012】
1 アルミT型金具
2 パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルと支柱とパネルと支柱とを連結するアルミT型金具を備える表示パネルあって、
アルミT型金具は、皮膜膜厚が9μm以上で塗膜膜厚が7μm以上である陽極酸化塗装複合皮膜処理が施されていることを特徴とする表示パネル。

【図1(a)(b)】
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【図2(a)(b)】
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