説明

表示制御ユニット及び物品販売装置

【課題】購買者に対してのみ、販売している物品を選択する画面を表示して、処理負荷を抑制する物品販売装置を提供する。
【解決手段】自動販売機1の装置本体正面の幅方向に一定間隔で3つの赤外センサ31〜33を床面から高さ1mの位置に取り付けて、装置本体正面前方2mまでの範囲の人を検出する。装置本体正面における幅方向のほぼ中央で、床面から高さ1.9mの位置に、カメラ41を設け、装置本体正面中央から0.5m離れた位置でタッチパネル61を操作する、一定の身長以上(一例として身長1.3m以上)の人の顔は撮像視野内に入るようにする。検出部3が赤外センサのいずれかで人を検出し、画像処理部4がカメラで人を検出しない場合には、身長が予め設定した高さに達していない購買者と判定して、液晶ディスプレイ51にユニバーサルボタンを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、飲料水等の商品や乗車券等のチケット等の物品を販売する物品販売装置、及びこの物品販売装置の表示器の画面表示を制御する表示制御ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の物品販売装置には、装置本体の前面に、平面型ディスプレイと、装置本体への人の接近を検出するセンサと、を組み込んだものがあった。この物品販売装置は、センサで人の接近を感知したときには販売している商品を選択するための見本画面を平面型ディスプレイに表示し、センサで人の接近を感知していないときには広告画面を平面型ディスプレイに表示する(特許文献1参照。)。
【0003】
また、従来の物品販売装置には、身長の低い人や車椅子を使用する人など、高い位置に設けられた商品選択ボタンに手が届かない人が容易に物品を購入できるように、物品販売装置の異なる高さに複数組の商品選択ボタンを設けたものがあった(特許文献2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−232537号公報
【特許文献2】特開平05−067268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の物品販売装置において、高い位置に設けられた商品選択ボタンに手が届かない人が容易に物品を購入できるようにするために、特許文献2に記載されているように商品選択ボタンを平面ディスプレイよりも低い位置に設けることも考えられるが、この場合には、装置の製造コストがアップするという問題が生じる。
【0006】
そこで、この発明は、コストアップを抑制し、高い位置に手が届かない購買者であっても容易に物品を購入できる物品販売装置及びこの物品販売装置の表示器の画面表示を制御する表示制御ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の表示制御ユニット、及び表示制御ユニットにより表示器の画面表示が制御される物品販売装置は、上記課題を解決し、その目的を達するために、以下のように構成している。
【0008】
表示制御ユニットは、販売している複数種類の物品を一覧表示する物品販売画面が表示されている表示器の画面上で物品の選択操作を受け付ける物品販売装置に設けられた表示器の画面表示を制御する。利用者による物品の選択を検出する構成は、例えば、この表示器の画面にタッチパネルを貼付し、利用者の押下位置に応じて、選択された物品を判断する構成とすればよい。
【0009】
判定部は、表示器の正面に位置する人の身長が予め設定した高さに達しているか否かを判定する。人の身長が予め設定した高さに達しているか否かを判定することで、表示器の正面に位置する人が、表示の上部に表示する物品に手が届き、高い位置に表示した物品を選択・購入できるか否かがわかる。人の身長が予め設定した高さに達しているか否かは、例えば、人の身長を測定器で測定して、この測定結果と閾値を比較することで判定可能である。また、検出器の検出領域の方向や高さを調整して、予め設定した高さに達している人を検出することでも判定可能である。
【0010】
表示制御部は、判定部が表示器の正面に位置する人の身長が予め設定した高さに達していないと判定したときには、物品販売画面とともに、この物品販売画面で一覧表示されている物品の選択操作を行う選択操作画面を表示器の下側に表示し、反対に、判定部が表示器の正面に位置する人の身長が予め設定した高さに達していると判定したときには、物品販売画面を表示器に表示し、選択操作画面を表示器に表示しない。
【0011】
物品販売装置で物品を購入しようとする購買者の身長が低かったり車椅子を使用していたりすると、物品販売画面の高い位置に手が届かず物品を選択できない。このような場合に、物品販売装置の装置本体正面に位置する人の身長が予め設定した高さに達しているかを判定して、物品販売画面とともに、この物品販売画面で一覧表示されている物品の選択操作を行う選択操作画面を表示器の下側に表示するので、購買者の身長が予め設定した高さに達しているか否かに応じて表示器に画面表示を変更できる。したがって、表示器の高い位置に手が届かない購買者は、表示器の下側に表示される選択操作画面により、高い位置に表示された物品であっても選択して購入できる。また、表示器の高い位置に手が届く購買者は、表示器に表示された物品販売画面により、物品を選択して購入できる。
【0012】
また、表示制御ユニットは、検出部と、画像処理部とを備えた構成としてもよい。このとき、検出部は、表示器の正面に位置する人の有無を近接センサにより検出する。画像処理部は、近接センサよりも高い位置に設けられたカメラが撮像した画像を処理して、表示器の正面に位置する人を検出する。判定部は、検出部が人を検出している間に、画像処理部が人を検出していないときには、表示器の正面に位置する人の身長が予め設定した高さに達していないと判定する。
【0013】
カメラと近接センサにより人の有無を検出する場合に、近接センサよりも高い位置にカメラを設けて、カメラの撮像視野の方向を調整することで、物品販売装置の直前の領域において、予め設定した高さに達していない人は、カメラの撮像視野から外れるので、画像処理部はカメラにより人を検出しなくなる。したがって、画像処理部が人を検出せず、検出部が人を検出するときは、高い位置に手が届かない人が物品販売装置の直前に位置していると判定できる。
【0014】
また、選択操作画面は、選択領域と決定領域を含む構成としてもよい。選択領域は、物品販売画面に一覧表示された販売している複数種類の物品のいずれかを選択する領域である。決定領域は、選択領域の選択操作により選択された物品を決定する領域である。このような構成にすることで、選択操作画面に、複数種類の物品の各選択領域を設けなくてもよいので、選択操作画面における表示領域を極力小さくすることができ、物品販売画面の表示に影響を及ぼすことなく、表示器の下側に選択操作画面を表示することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、装置のコストアップを抑制できる。また、購買者は、高い位置に手が届かない購買者であっても容易に物品を購入できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】自動販売機の主要部の構成を示すブロック図である。
【図2】自動販売機の外観図である。
【図3】(A)が自動販売機に設けた近接センサ及びカメラが人を検出する領域を示す上面図、(B)が自動販売機に設けた近接センサ及びカメラが人を検出する領域を示す側面図である。
【図4】自動販売機の販売処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】自動販売機に購買者と通過者が接近するときの経路を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の物品販売装置の一実施形態である自動販売機について説明する。
【0018】
図1は、自動販売機の主要部の構成を示すブロック図である。図2は、自動販売機の外観図である。図3は、(A)が自動販売機に設けた近接センサ及びカメラが人を検出する領域を示す上面図、(B)が自動販売機に設けた近接センサ及びカメラが人を検出する領域を示す側面図である。
【0019】
図1に示すように、自動販売機1は、主制御部2と、検出部3と、画像処理部4と、表示制御部5と、操作検出部6と、媒体処理部7と、貨幣処理部8と、商品放出部9と、を備えている。
【0020】
主制御部2は、自動販売機1の各部を制御する。
【0021】
検出部3は、近接センサの一種である赤外センサ31〜赤外センサ33を有し、装置本体正面に位置する人や物体を検出する。図2(A)に示すように、赤外センサ31〜赤外センサ33は、検出位置が床面から高さ1m程度の位置に、装置本体の幅方向に一定間隔で並べて設けている。図3(A)に示すように、赤外センサ31〜赤外センサ33は、自動販売機1の装置本体正面から、その前方2m程度までの範囲に所定の幅の赤外光を照射する。検出部3は、赤外センサ31〜赤外センサ33により、自動販売機1の装置本体正面から、その前方2m程度までの矩形の領域20における人や物体の有無を検出する。
【0022】
画像処理部4は、カメラ41が撮像しているフレーム画像を取り込み、このフレーム画像に撮像されている人を検出する。カメラ41は、装置本体正面における幅方向のほぼ中央で、床面から高さ1.9m程度の位置に設けられている。図3(B)に示すように、カメラ41は、撮像視野24が斜め下の方向に設定されており、装置本体正面に位置する、身長が予め設定した高さに達している人の顔が撮像視野24内に入るように取り付けられている。
【0023】
主制御部2は、本発明の判定部に相当し、詳細は後述するが、検出部3と画像処理部4の検出結果に基づいて、液晶ディスプレイ51の正面に位置する人の身長が予め設定した高さに達しているか否かを判定し、判定結果を表示制御部5に出力する。
【0024】
表示制御部5は、主制御部2が出力した判定結果に従って、液晶ディスプレイ51の画面表示を制御する。液晶ディスプレイ51は、本発明の表示器に相当し、装置本体正面における、床面からの高さが上端1.8m程度、下端1.2m程度の位置に取り付けられている。図2には、自動販売機1で販売している複数種類の商品として飲料水(本発明の物品に相当)を一覧表示する物品販売画面を表示した例を示している。
【0025】
なお、主制御部2、検出部3、画像処理部4、及び表示制御部5は、本発明の表示制御ユニットに相当し、自動販売機1における液晶ディスプレイ51の画面表示を制御する。
【0026】
操作検出部6は、液晶ディスプレイ51の上面全体に貼り付けられたタッチパネル61を備えている。操作検出部6は、タッチパネル61の押下位置を検出して、装置本体に対する入力操作を判定する。
【0027】
媒体処理部7は、装置本体正面に設けられた無線通信アンテナ71を有している。媒体処理部7は、無線通信アンテナ71にかざされた無線通信媒体(不図示:非接触ICカードや非接触ICを内蔵した携帯電話等)との間で無線通信を行って、販売する商品の取引金額について精算処理を行う。
【0028】
貨幣処理部8は、硬貨や紙幣の投入を現金投入口81で受け付けて、販売する商品について取引金額の精算処理を行う。また、貨幣処理部8は、必要に応じて、硬貨返却口82から釣り銭の返却を行う。
【0029】
商品放出部9は、タッチパネル61により選択された物品の精算処理が完了すると、商品放出口91に選択された商品を放出する。
【0030】
次に、自動販売機1における商品の販売動作について説明する。図4は、自動販売機の処理を示すフローチャートである。図5は、(A)が通常の物品販売画面の一例、(B)が(A)に示した物品販売画面に、さらにユニバーサルボタンを表示した一例である。以下の説明では、自動販売機1の本体正面に人が位置しておらず、検出部3が赤外センサ31〜赤外センサ33のいずれによっても物体を検出していない状態を初期状態として説明する。ユニバーサルボタンは、身長の低い購買者や車椅子を使用している購買者でも商品を容易に購入できるように、液晶ディスプレイ51に表示するボタンである。
【0031】
自動販売機1では、主制御部2は、検出部3が赤外センサ31〜赤外センサ33のいずれかにより人を検出するのを待っている(S1:N)。なお、主制御部2は、検出部3が人を検出していないときには、予め設定された表示設定に応じて表示制御部5に指示して、液晶ディスプレイ51に広告画面を表示させるか、または表示を停止した状態(アイドル状態)に切り替えるように設定しておくとよい。
【0032】
主制御部2は、検出部3が、赤外センサ31〜赤外センサ33のいずれかで人を検出すると(S1:Y)、画像処理部4がカメラ41で人を検出しているか否かを確認する(S2)。
【0033】
具体的には、画像処理部4は、カメラ41が撮像しているフレーム画像を画像処理して人が撮像されているかどうかを検出する。例えば、顔の輪郭パターンを用いたパターンマッチングにより、顔が撮像されているかどうかを検出することにより、人が撮像されているかどうかを検出する。
【0034】
本発明では、前記のように、自動販売機1の正面において、赤外センサ31〜赤外センサ33よりもカメラ41を高い位置に設けて、カメラ41の撮像視野24を斜め下の方向に設定し、所定の身長(例えば、身長が概ね1.3m)以上の人の顔がカメラ41の撮像視野24に入るように、カメラ41を取り付けている。これにより、自動販売機1の正面の直前にいる人の身長が予め設定した高さに達しているか否かを判定することができる。
【0035】
なお、人の身長が予め設定した高さに達しているか否かを判定することで、表示器の正面に位置する人が、表示の上部に表示する物品に手が届き、高い位置に表示した物品を選択・購入できるか否かがわかる。
【0036】
図3(A),図3(B)に示すように、自動販売機1の装置本体正面前方の位置A(例えば自動販売機1の前方1.5m程度の位置)に人がいる場合には、検出部3は赤外センサ31〜赤外センサ33のいずれかで、この人の存在を検出し続ける。また、この人の身長にかかわらず、この人の顔がカメラ41の撮像視野24に入るので、画像処理部4はこの人を検出する。一方、自動販売機1の装置本体正面前方の位置B(自動販売機1の正面前方の0.5m程度の位置:購買者が商品購入時にタッチパネル61を操作する位置)に人がいる場合、検出部3は赤外センサ31〜赤外センサ33のいずれかで、この人の存在を検出し続ける。しかし、この人の身長が予め設定した身長(例えば、1.3m)に達していないときには、この人の顔がカメラ41の撮像視野24から外れるので、画像処理部4は人を検出しない。例えば、身長の高い(一例として身長1.7m)大人P1は、領域20と撮像視野24に入るので、検出部3と画像処理部4により検出される。一方、身長の低い(一例として身長1.2m)子供P2は、領域20に入るが撮像視野24から外れるので、画像処理部4には検出されないが、検出部3に検出される。
【0037】
検出部3が赤外センサ31〜赤外センサ33のいずれかで人を検出し(S1:Y)、かつ、画像処理部4がカメラ41で人を検出しているときには(S2:Y)、人が自動販売機1の正面から離れた位置にいるか、または自動販売機1の正面の直前に身長が予め設定した高さ以上の人がいる状態である。この場合には、主制御部2は、図5(A)に示すように、物品販売画面511を液晶ディスプレイ51に表示させ、ユニバーサルボタン515は表示させない(S3)。
【0038】
物品販売画面511には、販売している複数種類の商品(商品512−1〜商品512−22)が一覧表示される。また、物品販売画面511の右下側には、広告514−1と広告514−2が表示される。購買者は、液晶ディスプレイ51に表示された、販売している複数種類の商品512−1〜商品512−22のいずれかの画像をタッチすることで、購入する商品を選択できる。
【0039】
主制御部2は、操作検出部6がタッチパネル61の操作を検出していなければ(S9:N)、ステップS1以降の処理を再度行う。
【0040】
ステップS1において、検出部3が赤外センサ31〜赤外センサ33のいずれかで人を検出し(S1:Y)、かつ、画像処理部4がカメラ41で人を検出していないときには(S2:N)、自動販売機1の正面の直前に身長が予め設定した高さに達していない人がいる状態であると考えられる。この場合には、主制御部2は、内蔵するタイマをリセットして、計時を開始する(S4)。なお、図3(A)に示す人P3のように、自動販売機1の横の方向から領域20に侵入することも考えられるので、物品販売画面を未表示の場合には、ステップS4においてステップS3の処理を行うとよい。
【0041】
続いて、主制御部2は、検出部3がセンサ31〜赤外センサ33のいずれかで人を検出しているのを確認する(S5)。検出部3が人を検出していなければ(S5:N)、自動販売機1の正面にいた人が自動販売機1の正面から離れたと考えられる。この場合には、主制御部2は、ステップS1以降の処理を行う。
【0042】
一方、主制御部2は、検出部3が人を検出していれば(S5:Y)、続いて、画像処理部4がカメラ41で人を検出しているかを確認する(S6)。画像処理部4が人を検出していれば(S6:Y)、自動販売機1の正面にいる、身長が予め設定した高さに達している人が一時的に自動販売機1の正面端部に移動したり一時的に屈んだりしたと考えられる。この場合には、主制御部2は、ステップS1以降の処理を行う。
【0043】
主制御部2は、画像処理部4がカメラ41で人を検出していなければ(S6:N)、自動販売機1の正面直前にいる人は、身長が予め設定した高さに達していない人と判定できる。但し、身長が予め設定した高さに達している人が一時的に自動販売機1の正面端部に移動したり一時的に屈んだりすると、画像処理部4がカメラ41で人を検出できなくなる。そこで、主制御部2は、ステップS4において計時を開始してから一定時間(例えば、3秒)以上継続して人を未検出であるか否かを確認する(S7)。これにより、身長が予め設定した高さに達している人を、身長が予め設定した高さに達していない人と誤判定するのを防止できる。
【0044】
主制御部2は、検出部3が赤外センサ31〜赤外センサ33のいずれかで人を検出中に、画像処理部4がカメラ41で人を検出していない状態(未検出の状態)が、一定時間未満の場合には(S7:N)、続いてステップS5の処理を行う。一方、主制御部2は、検出部3が赤外センサ31〜赤外センサ33のいずれかで人を検出中に、画像処理部4がカメラ41で人を検出していない状態(未検出の状態)が、一定時間以上になった場合には(S7:Y)、身長が予め設定した高さに達していない人が、商品を購入するために自動販売機1の正面の直前にいる状態であると考えられる。この場合には、主制御部2は、ユニバーサルボタン(本発明の選択操作画面に相当)515を表示させるボタン表示制御情報を表示制御部5に出力して、図5(B)に示すように、物品販売画面511と、物品販売画面511と異なる表示位置にユニバーサルボタン515を液晶ディスプレイ51に表示させる(S8)。
【0045】
図5(B)に示すように、ユニバーサルボタン515を液晶ディスプレイ51に表示する場合には、液晶ディスプレイ51の右側の下端部に表示するのが好ましい。図2に示したように、液晶ディスプレイ51の右側の下端部の周囲には、無線通信アンテナ71や現金投入口81が設けられているので、上記の位置に表示することで、購買者が自動販売機1の正面を移動することなく、商品の選択や取引金額の精算処理等を行うことができる。
【0046】
ユニバーサルボタン515は、例えば、広告514−2と差し替えて表示するとよい。ユニバーサルボタン515は、図5(B)に示したように、4つの移動ボタン(本発明の選択領域に相当)515−1〜515−4と決定ボタン(本発明の決定領域に相当)515−5を備えた構成にするとよい。移動ボタンは、物品販売画面511に一覧表示された商品512−1〜商品512−22のいずれかを選択するボタンである。移動ボタンは、カーソル516を上に移動する上移動ボタン515−1、カーソル516を下に移動する下移動ボタン515−2、カーソル516を右に移動する右移動ボタン515−3、及びカーソル516を左に移動する左移動ボタン515−4から成る。決定ボタン515−5は、4つの移動ボタンのいずれかによりカーソル516を移動して選択した商品512−1〜商品512−22のいずれかを押下して購入する商品を決定するボタンである。
【0047】
なお、図5(B)には、商品512−1〜商品512−22のいずれかを選択するカーソル516として、商品を指示する右手の画像を表示した例を示している。
【0048】
主制御部2は、操作検出部6がタッチパネル61の操作を検出していなければ(S9:N)、ステップS1以降の処理を再度行う。
【0049】
主制御部2は、操作検出部6がタッチパネル61の操作を検出すると(S9:Y)、続いて、販売処理を行う(S10)。主制御部2は、この販売処理として、精算方法の受け付け、商品の選択の受け付け、販売する商品の取引金額の精算、及び販売する商品の放出を行う。主制御部2は、販売処理が完了すると、ステップS1以降の処理を再度行う。
【0050】
このように、自動販売機1では、購買者の身長が予め設定した高さに達しているか否かを判定し、その判定結果に応じて、選択操作画面を表示または非表示にするので、購買者は身長にかかわらず容易に商品を購入できる。
【0051】
なお、以上の説明では、近接センサとして赤外センサ31〜赤外センサ33を用いた場合を説明したが、これに限るものではなく、他のセンサを用いても当然よい。例えば、超音波センサや、可視光を照射して反射光を検出するセンサでもよい。
【0052】
また、カメラ41の撮像視野を利用して購買者の身長の高低を判定したが、この構成に限るものではなく、他の方式のものでもよい。例えば、人の身長を測定器で測定して、この測定結果と閾値を比較することでも判定可能である。また、検出器の検出領域の方向や高さを調整して、予め設定した高さに達している人を検出することでも判定可能である。例えば、カメラ41に替えて、自動販売機1の前方の例えば高さ1.3mにおける人の有無を検出する近接センサを設けて、この近接センサが人を検出したか否かで、自動販売機1の正面前方にいる人が予め設定した身長に達しているか否かを判定することも可能である。
【0053】
また、以上の説明では、選択操作画面としてユニバーサルボタン515を例に挙げて説明したが、これに限らず、物品販売画面511と異なる位置に表示した選択操作画面により販売している複数種類の商品を選択できるのであれば他の方式でもよい。例えば、購入可能な商品にそれぞれ番号を割り当てて商品とともにその番号を表示し、ユニバーサルボタンとしてテンキーと決定キーを表示して、購入する商品の番号の入力を受け付ける構成にすることも可能である。また、カーソルを表示せずに、選択した商品が別の色に変化するように表示する方式を採用することも可能である。
【0054】
また、図5には、複数の商品を3列に並べて表示した例を示しているが、このように液晶ディスプレイ51に表示している商品の列の順番を上下の方向に入れ替える入替ボタンを、ユニバーサルボタンとして表示するようにしてもよい。この場合には、購買者が、手の届かない上の列に表示された商品を、手の届く下の列に表示された商品と入れ替えてから、下の列に表示された商品の商品選択ボタンを押下することで、好みの商品を容易に選択できる。
【0055】
なお、以上の説明では、物品販売装置として自動販売機1の場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、乗車券等のチケットを販売する券売機等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0056】
1…自動販売機 2…主制御部 3…検出部 4…画像処理部 5…表示制御部 6…操作検出部 7…媒体処理部 8…貨幣処理部 9…商品放出部 31〜33…赤外センサ 41…カメラ 51…液晶ディスプレイ 61…タッチパネル 71…無線通信アンテナ 81…現金投入口 82…硬貨返却口 91…商品放出口 511−1,511−2…物品販売画面 512−1〜512−22…商品 514−1,514−2…広告 515…ユニバーサルボタン 515−1〜515−4…移動ボタン 515−5…決定ボタン 516…カーソル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売している複数種類の物品を一覧表示する物品販売画面が表示されている表示器の画面上で物品の選択を受け付ける物品販売装置における、前記表示器の画面表示を制御する表示制御ユニットであって、
前記表示器の正面に位置する人の身長が予め設定した高さに達しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記表示器の正面に位置する人の身長が予め設定した高さに達していないと判定したときには、前記物品販売画面とともに、この物品販売画面で一覧表示されている物品の選択操作を行う選択操作画面を前記表示器の下側に表示し、反対に、前記判定部が前記表示器の正面に位置する人の身長が予め設定した高さに達していると判定したときには、前記物品販売画面を前記表示器に表示し、前記選択操作画面を前記表示器に表示しない表示制御部と、
を備えた表示制御ユニット。
【請求項2】
前記表示器の正面に位置する人の有無を近接センサにより検出する検出部と、
前記近接センサよりも高い位置に設けられたカメラが撮像した画像を処理して、前記表示器の正面に位置する人を検出する画像処理部と、
を備え、
前記判定部は、前記検出部が人を検出している間に、前記画像処理部が人を検出していないときには、前記表示器の正面に位置する人の身長が予め設定した高さに達していないと判定する、請求項1に記載の表示制御ユニット。
【請求項3】
前記選択操作画面は、
前記物品販売画面に一覧表示された販売している複数種類の物品のいずれかを選択する選択領域と、
前記選択領域の選択操作により選択された物品を決定する決定領域と、
を含む請求項1または2に記載の表示制御ユニット。
【請求項4】
販売している複数種類の物品を一覧表示する物品販売画面が表示されている表示器の画面上で物品の選択を受け付ける物品販売装置であって、
装置本体正面に位置する人の身長が予め設定した高さに達しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記装置本体正面に位置する人の身長が予め設定した高さに達していないと判定したときには、販売している複数種類の物品を一覧表示する物品販売画面とともに、この物品販売画面で一覧表示されている物品の選択操作を行う選択操作画面を前記表示器の下側に表示し、反対に、前記判定部が装置本体正面に位置する人の身長が予め設定した高さに達していると判定したときには、前記物品販売画面を前記表示器に表示し、前記選択操作画面を表示器に表示しない表示制御部と、
を備えた物品販売装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−123585(P2012−123585A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273115(P2010−273115)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】