説明

表示制御装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は石油燃焼機等に使用されている表示制御装置に関し、特に液晶表示とLED表示を有する表示装置の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、石油燃焼機等では、操作盤上に時刻、室温等の数値データ表示や、運転中、燃焼中、タイマーモード等の状態表示をおこなって機器の運転状態を明示しているが、これらの表示用素子として一般的に数値データの表示には液晶表示器(LCD)が、状態の表示にはLEDが使用されている。
【0003】そしてこれらの表示用素子の駆動制御については、図3に示す表示制御装置のブロック図のように、LCD5は点灯回路及びデータ受信回路とを一体化した専用の駆動用LSI(ドライバ4)に接続され、メイン基板2に搭載したマイコン3から転送される表示用のシリアルデータを順次受信して所望の表示を行なっているが、LED1〜LEDnの場合には、直接マイコン3から各々LED毎の点灯/非点灯の駆動信号を受信し、トランジスタQ1〜Qn等を使用して点灯/非点灯の表示を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方法ではLCDとLEDの表示用に2種類のデータ線を必要とするばかりか、LEDを表示させるには搭載されたLEDの数だけのデータ線が必要で、特にLEDをダイナミック・スキャン等で数多く使用する場合にはデータ線は複雑化し、その中継用コネクタ等、部品も多くなる。又、メイン基板と操作盤が離れていると、その間の配線処理がしずらく作業性も悪くなる。
【0005】又、メイン基板にしても、使用するマイコンの出力ポートも多く、ハードは複雑になり、それに伴ってパターン配線も多数枝別れして煩雑になるばかりかマイコン処理も複雑化してバグ発生の要因となる。
【0006】本発明の目的は、このような欠点を解消し、配線、部品点数を少なくして作業性を向上させると共に、マイコン処理も簡潔で信頼性の高い表示制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】液晶表示器と、表示用LEDと、この液晶表示器の点灯回路及びデータ受信回路とを一体化したドライバより構成される表示制御装置において、上記液晶表示器のドライバに上記LEDの点灯回路を内蔵し、液晶表示データとLED表示データを同一信号上にのせた。
【0008】又、上記表示データは、一連の液晶表示データ列の末尾にLED表示データを付加して構成した。
【0009】
【作用】液晶表示器のドライバにLEDの点灯回路を内蔵し、液晶表示データとLED表示データを同一信号上にのせると、上記ドライバは受信した1データ線上の表示データで液晶表示器及びLEDを順次駆動し、表示データに基ずいて所望の表示制御を行う。
【0010】一連の表示データでは、先ず液晶表示データが受信され、その処理データが液晶表示器に表示される。続いてLED表示データが受信され、LEDはデータに従って点灯/非点灯する。
【0011】
【実施例】図1は本発明による表示制御装置の一実施例を示すブロック図で、操作盤(図示せず)に取り付けられた表示操作基板1と、この表示操作基板1に表示データSを転送するメイン基板2により構成され、両者は一本のデータ線と数本の制御線でコネクタCNを介して接続されている。
【0012】上記メイン基板2にはマイコン3が搭載され、機器の運転を制御すると共に操作盤の表示制御をおこなう。又、上記表示操作基板1は時刻、室温等の数値データを表示するLCD5と運転中、燃焼中、タイマーモード等の状態を表示するLED1〜LEDnと、マイコン3より送信された表示データSを受信して上記LCD5及びLED1〜LEDn等の表示用素子を駆動するドライバ4により構成されている。そしてこのドライバ4には、表示データSを受信するデータ受信回路4aとLCD5を駆動する点灯回路4bとLEDを駆動する点灯回路4cが内蔵されている。
【0013】以上が本発明による表示制御装置の構成で、その特徴とするところは上記ドライバ4にLED1〜LEDnの点灯回路等を内蔵し、1種類のデータ線によって両表示用素子5及びLED1〜LEDnを同時に駆動可能とした点である。
【0014】即ち、図3に示す従来装置のように、ドライバ4とは別に搭載されていたLEDの駆動回路(例えばトランジスタQ1,Q2〜Qn により構成される)を同一のLSI(ドライバ4)に内蔵することでLED表示用の配線を無くし、更にLEDの表示データをLCD5のデータ線上にのせたのである。
【0015】かかる表示データSはマイコン3からドライバ4に転送されるもので、転送の際のデータフォーマットは図2に示す通うりである。図中、(a) は従来方式によるデータフォーマットを示すものでLCD用の表示データは1ブロック当たりnセグメントで構成され、Seg1からSegnまで順次シリアル転送される。
【0016】図2の(b) は本発明による表示制御装置のデータフォーマットで、従来方式(a) と同じ1ブロックの表示データ末尾にLED1〜LEDn表示用のスタティックなデータDATA1〜DATAnを付加して構成され、Seg1〜LEDnの順で転送される。
【0017】このような構成により、メイン基板2から表示操作基板1に上記フォーマットで転送された表示データはドライバ4のデータ受信回路4aで受信され、点灯回路4bによりセグメントデータSeg1〜SegnをLCD上に表示すると共に、点灯回路4cによりLEDデータDATA1〜DATAnに応じてLEDを点灯/非点灯させることが可能となるのである。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、LCDのドライバにLEDの点灯回路を内蔵し、液晶表示データとLED表示データを同一信号上にのせるようにしたので、1種類のデータ線によりLCDとLEDを同時に表示できるようになった。この結果、従来のようなLED表示用のデータ線が不要となり、表示操作基板とメイン基板間の配線が大幅に減って組立工数が削減される。
【0019】又、LCD用データとLED用データはドライバで一括処理されるため、従来のようなマイコンによるLEDの制御が無くなって処理プログラムは簡素化され、ソフトウエアの負担が軽減されると共に、マイコン上のLED駆動用ポートが不要となるため余ったポートを有効に活用できるといった利点も生ずる。
【0020】更にドライバに予め余分にLED点灯回路を内蔵させておけば、表示の追加等機器の仕様変更に対してもソフトの変更で柔軟に対応できるため、本表示制御装置は拡張性にも優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表示制御装置のブロック図である。
【図2】表示用のデータフォーマットを示す図で、(a) は従来形式のもの、(b) は本発明によるもの。
【図3】従来の表示制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
4 ドライバ
4a データ受信回路
4b、4c 点灯回路
5 液晶表示器
LED1〜LEDn LED
S 表示データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 液晶表示器と、表示用LEDと、この液晶表示器の点灯回路及びデータ受信回路とを一体化したドライバより構成される表示制御装置において、上記液晶表示器のドライバに、上記LED点灯回路を内蔵し、液晶表示器及びLEDの表示データを同一信号上にのせて成る表示制御装置。
【請求項2】 液晶表示器と、表示用LEDと、この液晶表示器の点灯回路及びデータ受信回路とを一体化したドライバより構成される表示制御装置において、上記液晶表示器のドライバに、上記LED点灯回路を内蔵し、液晶表示器及びLEDの表示データを同一信号上にのせて成り、且つ上記表示データは、一連の液晶表示データ列の末尾にLED表示データを付加して構成されていることを特徴とする表示制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【特許番号】第2865556号
【登録日】平成10年(1998)12月18日
【発行日】平成11年(1999)3月8日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−92296
【出願日】平成6年(1994)4月28日
【公開番号】特開平7−293893
【公開日】平成7年(1995)11月10日
【審査請求日】平成10年(1998)2月13日
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【参考文献】
【文献】特開 平4−61820(JP,A)
【文献】特開 平3−282493(JP,A)
【文献】特開 平5−61428(JP,A)