説明

表示器要素を有する小型電気器具

ユーザーが作動できるスイッチ要素(4)と、表示器要素(5)と、スイッチ要素(4)を監視し、表示器要素(5)を制御する制御装置(6)と、を有する、例えば電動歯ブラシ又は電気かみそりのような小型電気器具が記載され、この小型電気器具は、第1及び第2の動作状態にあることができ、表示器要素(5)は、第1の機能及び第2の機能を表示でき、小型電気器具が第1の動作状態にあってスイッチがオフであるときに、制御装置(6)が表示器要素(5)を作動させて第1の機能を表示させ、制御装置(6)は、小型電気器具が第1の動作状態にあってスイッチがオンであるときに、表示器要素(5)を作動させて第2の機能を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示器要素を有する、例えば電動歯ブラシ又は電気かみそりなどの小型電気器具に関する。
【背景技術】
【0002】
歯磨き中の歯ブラシの接触圧が高すぎる場合に警告する表示器要素を有する電動はブラシは、米国特許第6,954,961 B2号より既知である。接触圧が所定の閾値を超えると、警告灯が作動する。このような歯ブラシは、歯及び歯肉縁部を強く磨きすぎるのではないかというユーザーの懸念を軽減し、ユーザーが適正な接触圧で磨くのを補助することを目的としている。
【0003】
しかし、電動歯ブラシがパッケージ内又は店舗のウィンドー内にあるとき、その歯ブラシがこの機能を有しているかを消費者が見分けることは困難である。したがって、消費者がモーター機能又はその他の機能をテストできるように、電動歯ブラシの様々なモデル(各々がハンドル、交換用ブラシ及び充電器を備えている)を隣同士に取り付けた、所謂デモ台が開発された。これは、消費者が適切なモデルを選択するのを容易にするためのものである。
【0004】
更に、「通常」の小型電気器具の機能を例示するための実演用の特殊な小型電気器具を作ることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,954,961 B2号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ユーザーがその機能を容易に見分けることのできる小型電気器具を開示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、ユーザーが作動させることのできるスイッチ要素と、表示器要素と、スイッチ要素を監視し表示器要素を制御する制御装置と、を有し、第1及び第2の動作状態にあることができ、その表示器要素は、第1の機能及び第2の機能を表示でき、小型電気器具が第1の動作状態にあってスイッチがオフであるときに、制御装置が表示器要素を作動させて第1の機能を表示させ、制御装置は、小型電気器具が第1の動作状態にあってスイッチがオンであるときに、表示器要素を作動させて第2の機能を表示させる、小型電気器具によって達成される。
【0008】
当該小型電気器具は、表示器要素が、例えばスイッチがオフである限りは宣伝機能であり、及びユーザーがスイッチをオンにすると動作機能となる2つの異なる機能を実行できる第1の動作状態に移行できる。小型電気器具の第2の動作状態において、好ましくは動作機能のみが使用可能である。
【0009】
好ましくは、制御装置は、また小型電気器具の動作電圧を監視するようにも設計されており、制御装置が、動作電圧が最低電圧を超えたときにのみ表示器要素を作動させて第1の機能を表示させる。小型電気器具が充電式電池を有するとき、制御装置が、好ましくは充電プロセスを監視するようにも設計されており、制御装置が、充電プロセス中及び/又は充電プロセス後の所定期間内のみ表示器要素を作動させて第1の機能を表示させる。このようにすれば、第1の表示器機能を通じた充電式電池の過剰な放電が防止される。
【0010】
宣伝機能は表示器要素の点滅を含み、この点滅は例えば、0.2〜0.8秒間点灯し、次に1.6〜8秒間消灯する。小型電気器具がある時点で充電器に接続されていない場合、電池を節約して長い動作時間を得るために、「オン」と「オフ」との間の率は2〜10であるべきであり、好ましくは5であるべきである。
【0011】
小型電気器具は、例えばスイッチ要素が所定の順序及び/又は持続時間で作動し、小型電気器具は、充電式電池用の充電器に接続され、又は充電器から再度取り外される、第1の動作状態に移行することができる。小型電気器具には、このような作動用の追加の制御要素は必要ない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、電動歯ブラシを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に示した電動歯ブラシを例として用い、本発明を下記に説明する。歯ブラシは、ハンドル1、及び毛材3を既知の方法で備えハンドルに結合したブラシ2を備えている。ハンドルは、例えばスイッチ要素4としてのボタン及び表示器要素5を有している。ハンドルは、ブラシ2を駆動するモーター、及びスイッチ要素4を監視し表示器要素5を制御するための、例えば発光ダイオードで構成された、単に概略的に示した制御装置6を収容している。ハンドル内にはまた、好ましくは充電式である電池も配置されている。
【0014】
歯ブラシは、第1及び第2の動作状態にあることができる。第1の動作状態において、表示器要素は、例えば歯ブラシのスイッチがオフである限り宣伝機能である第1の機能を有し、即ち、客の注意を歯ブラシに惹きつけるために、制御装置が発光ダイオードの点滅を可能とする。客がスイッチ要素4によって歯ブラシをオンにすると、例えば電動歯ブラシのモーターが作動し、表示器要素が第2の機能、即ち動作機能を有し、つまり、例えば歯を磨くときの接触圧が高すぎることを表示する役割を果たす。実際にユーザーが、試験として毛材3を歯に押し付けることによってブラシ2に圧力を加えるか、又はブラシ2の毛材3を指で押した場合、客がブラシ2上に高すぎる圧力をかけたときに制御装置6は、発光ダイオード5が常に点灯することを確実にする。この目的のために、歯ブラシはまたブラシ2上にかかる圧力のためのセンサーを備え、このセンサーは同様に制御装置6に接続されている。
【0015】
ユーザーが、例えばスイッチ要素4を再度作動させることによって歯ブラシを再度オフにした場合、客の注意を歯ブラシ自体に引きつけるために、表示器要素5は再びその第1の機能、即ち宣伝機能のために使用される。
【0016】
小型電気器具が第2の動作状態にある場合、表示器要素は単に動作機能を表示するだけでよい。即ち、歯ブラシのスイッチがオンであるときには、発光ダイオードは必要に応じて接触圧が高すぎることを表示するために点灯する一方、歯ブラシのスイッチがオフであるときには、消灯したままである。このように、第2の動作状態において、宣伝機能はスイッチ要素4の作動と無関係には作動しない。
【0017】
小型電気器具が第1の動作状態にありスイッチがオフであるとき、点滅する発光ダイオードの電力消費は非常に高く、電池を急速に消耗する可能性がある。したがって、長時間にわたる宣伝機能の作動は好ましくない。したがって、制御装置は、好ましくは電池電圧が最低電圧を超えているときにのみ宣伝機能が作動することを確実にする。充電式電池を伴う小型電気器具について、小型電気器具が充電器に接続されているかを判定するように制御切換えを設計することもできる。この場合の制御装置が、小型電気器具が充電器から離されて以降の時間を判定する時限装置を備えているならば、小型電気器具が充電器から過度に長時間離れていない場合にはやはり宣伝機能を作動させることができる。したがって、小型電気器具のスイッチがオフとなっており充電器に接続されている限り、又は電池電圧が十分に高い限り、表示器要素はその第1の機能で動作する。
【0018】
好ましくは、制御装置はまた、小型電気装置が充電器に接続されている限り電池が常に完全に充電されているように、電池の充電を制御する。これにより、宣伝機能が作動している第1の動作状態にある小型電気器具は、宣伝機能を伴わない第2の動作状態にあるときよりも強力に再充電される。
【0019】
小型電気器具をその第1の動作状態からその第2の動作状態への切り換え、又はその逆の切り換えは、好ましくは偶発的な切り換えが概して回避されるような方法で行われる。このようにする目的は、小型電気器具の宣伝機能は通常、マーケティング目的にのみ重要であって、客は動作機能にのみ興味があることである。したがって、記載の小型電気器具は、客のための「通常の装置」並びにマーケティング目的の「実演装置」の両方として使用できる利点を有する。
【0020】
小型電気器具の第1の動作状態から第2の動作状態への切り換え、及びその逆の切り換えについて、例を用いて下記に説明する。それに関して、小型電気器具は、充電式電池、及び例えば追加の発光ダイオードのように電池の充電状態ための表示器7を有し、制御装置6は、小型電気器具が充電器に接続された後の所定の時間継続的に充電表示器7が点灯し、この所定時間後に点滅し始めることを確実にすることを前提とする。小型電気器具の動作状態を切り換えるためには、先ずボタン4を押し、以下の工程の間押し続ける。次に器具を充電器上に数回定置し、再度取り外すが、充電表示器7が継続的に点灯し続けるときには場合によっては充電器から既に取り外されており、場合によっては充電表示器7が既に点滅を始めているときにのみ取り外される。最後に、小型電気器具を充電器から取り外し、ボタン4を解放する。
【0021】
このような手順によって、客が一動作状態から他の動作状態に偶発的に切り換えることのないことが十分な確実性を持って保証される。欧州特許第0 894 039 B1号には、小型電気器具を一動作状態から別の動作状態に切り換える更に好適な手順が記載されている。
【0022】
本発明は、図示した例示の実施形態に限定されない。本発明はまた、記載の技術的教示の点で本質的に同様の効果を実行する実施形態をも含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが作動できるスイッチ要素(4)と、表示器要素(5)と、前記スイッチ要素(4)を監視し前記表示器要素(5)を制御する制御装置(6)と、を有する、例えば電動歯ブラシ又は電気かみそりのような小型電気器具であって、
前記小型電気器具は、第1及び第2の動作状態にあることができ、
前記表示器要素(5)は、第1の機能及び第2の機能を表示でき、
前記制御装置(6)は、前記小型電気器具が前記第1の動作状態にあってスイッチがオフであるときに、前記表示器要素(5)を作動させて前記第1の機能を表示させ、
前記制御装置(6)は、前記小型電気器具が前記第1の動作状態にあってスイッチがオンであるときに、前記表示器要素(5)を作動させて前記第2の機能を表示させる、前記小型電気器具。
【請求項2】
前記第2の動作状態において、前記制御装置(6)が、前記第2の機能を表示するためにのみ前記表示器要素(5)を作動させることを特徴とする、請求項1に記載の小型電気器具。
【請求項3】
前記制御装置(6)が、前記小型電気器具の動作電圧を監視するように設計されており、
前記制御装置(6)が、前記動作電圧が最低電圧を超えたときにのみ前記表示器要素(5)を作動させて前記第1の機能を表示させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の小型電気器具。
【請求項4】
前記小型電気器具が充電式電池を有し、
前記制御装置(6)が、充電プロセスを監視するように設計されており、
前記制御装置(6)が、充電プロセス中及び/又は充電プロセス後の所定期間内のみ前記表示器要素(5)を作動させて前記第1の機能を表示させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の小型電気器具。
【請求項5】
前記小型電気器具は、前記スイッチ要素(4)が所定の順序で作動する前記第1の動作状態に移行することができ、
前記小型電気器具は、前記充電式電池用の充電器に接続され、又は前記充電器から再度取り外されることを特徴とする、請求項4に記載の小型電気器具。
【請求項6】
前記スイッチ要素(4)の作動、及び/又は前記小型電気器具の前記充電器との接続/前記充電器からの取り外しが、所定の時間系列で行われる場合、前記小型電気器具が前記第1の動作状態に移行できることを特徴とする、請求項5に記載の小型電気器具。
【請求項7】
前記第2の動作状態から前記第1の動作状態への移行と同様にして、前記第1の動作状態から前記第2の動作状態に移行できることを特徴とする、請求項5又は6に記載の小型電気器具。
【請求項8】
前記電池の充電状態のための追加の表示器(7)を有することを特徴とする、請求項4に記載の小型電気器具。
【請求項9】
前記小型電気器具が、電動歯ブラシ又は電気かみそりであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の小型電気器具。

【図1】
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【公表番号】特表2012−523298(P2012−523298A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505294(P2012−505294)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051777
【国際公開番号】WO2010/122518
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(508117514)ブラウン ゲーエムベーハー (32)
【Fターム(参考)】