説明

表示板およびそれを備えた機器類

【課題】ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにするとともに、装飾性に優れ、金属表示板と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有し、表示板のデサインバリエーションの向上と薄型化を実現する。
【解決手段】視認側に設けられる表示板基体を備えた表示板であって、表示板基体の少なくとも一方の表面が、表面に被覆層を施した後、凹凸状の模様を形成した模様表面を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計用文字板、時計用見切板、計器用文字板等を含む表示板に関し、特に下面側にソーラーセルを備える表示板に関する。
【背景技術】
【0002】
ソーラーセル(太陽電池)を備えた表示板は、受光した光を透過させて、その下面側に配設したソーラーセルに発電機能を起こさせるために光透過性が要求される。このためプラスチック、セラミック、ガラス等の透光性材料が使われる。特に、プラスチックは安価であること、成形や加工などが容易であること等から非常に多く使われている。
【0003】
図21は、一般的なソーラーセルを示す平面図である。
図21に示したように、一般的なソーラーセルは4等分に分割された4面(A1、A2、A3、A4)に設けられていて、表示板の下面に配設される。そして、表示板を透過した透過光が4面(A1、A2、A3、A4)のそれぞれに均一量入射するのが最も発電効率を高める。このため、このソーラーセルの上面側に配設される表示板は、ソーラーセルの4面(A1、A2、A3、A4)に対応する部分、すなわち、12−6時ラインと9−3時ラインで4等分割した4面がそれぞれ均一量の光を透過するよう設計することが必要とされている。
【0004】
しかしながら、表示板の下面側に配設されるソーラーセルは、独特の濃紫色を示し、さらに、4等分割したところの十字線が材質の違いなどから非常に目立って見える。このために美観的にも良い感じを与えないので、この濃紫色を和らげたり、または、見えないようにするために、従来から表示板に様々の工夫が行われてきた。
【0005】
以下、ソーラーセルを備えた表示板の従来例について図を参照して説明する。
図22は、従来技術における表示板としてのソーラーセルを備えた時計用文字板の構造を示す部分拡大断面図、図23は従来技術における表示板の構成部品で、複数の層が積層されてなる反射型偏光体を示す概略構成図である。
【0006】
図22に示したように、従来技術におけるソーラー時計用文字板100は、基材101と、基材101の太陽電池109と対向する面側に設けられた反射型偏光体103と、基材101と反射型偏光体103との間に配された拡散層102とから構成されていて、基材101上に時字、装飾文字、マーク等を設けた構造になっている。
【0007】
基材101は、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等のプラスチック、ガラス等の光透過性材料からなっており、平板状の形状で厚さが300〜600μm程度のものが用いられている。また、太陽電池109の自色が透けて見えるのを防止するために、基材101上には塗装法、印刷法、湿式めっき法、乾式めっき法等による着色層が設けられる場合もある。この着色層は白色のものが好ましいことが開示されている。
【0008】
拡散層102は、入射した光を拡散する機能を有する拡散剤を含む材料で構成されている。拡散層102を構成する拡散剤としては、例えば、粒状・(粉末状)、鱗片状、針状等の形状のもので、シリカ、ガラス、樹脂等が用いられ、粘着性、接着性を有する材料で構成されているものが開示されている。
【0009】
反射型偏光体103は、入射した光を偏光させる機能を有し、所定方向に振動する第1の光を透過し、かつ、振動方向が第1の光の振動方向に対して垂直な第2の光を反射する
機能を有するものである。
【0010】
図23に示したように、反射型偏光体103は複数の層が積層された積層体で、異なる2種の層、すなわち、偏光性フイルム層(A層)131と、偏光性フイルム層(B層)132とが交互に複数層積層された構造をなしている。
【0011】
反射型偏光体103のA層131は、例えば、ポリエチレンナフタレートで横成されたフイルムを延伸したものが用いられ、B層132は、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸とのコポリエステルで構成されたものが開示されている。
【0012】
このように従来技術における表示板としてのソーラー時計用文字板100は、光透過性の基材101、拡散層102と反射型偏光体103とを有することにより、光透過性を十分に高いものとしつつ、太陽電池109の自色が透けて見えるのを防止することができるとともに、装飾性を有することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
【特許文献1】国際公開第WO2006/006390号公報(第5―11頁、図13)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、従来技術における表示板は、金属表示板と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩は得られず、高級感のある外観品質を有する表示板を得ることが困難であった。特に、従来技術における表示板は、金属独特の金属感が得られず、デザインバリエーションに乏しいという問題があった。
さらに、従来技術における表示板は、紫外線や、可視光線によって、変色し、さらに、湿度などが加わり、耐候性に劣るという問題もあった。
【0015】
本発明は、このような現状に鑑み、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにするとともに、装飾性に優れた表示板を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、金属表示板と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有する表示板を提供するとともに、表示板のデサインバリエーションの向上と薄型化を実現することを目的とする。
【0017】
さらに、本発明は、上記表示板を、例えば、時計用の表示板、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の表示板として用いた機器類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の表示板は、
視認側に設けられる表示板基体を備えた表示板であって、
前記表示板基体の少なくとも一方の表面が、前記表面に被覆層を施した後、凹凸状の模様を形成した模様表面を有することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の表示板の製造方法は、
視認側に設けられる表示板基体を備えた表示板の製造方法であって、
前記表示板基体の少なくとも一方の表面に被覆層を形成する被覆層形成工程と、
前記被覆層が形成された表面に、被覆層から表示板基体の表面にわたって、凹凸状の模
様を施して、模様表面を形成する模様形成工程と、
を含むことを特徴とする。
【0020】
このように表示板基体の少なくとも一方の表面が、前記表面に被覆層を施した後、凹凸状の模様を形成した模様表面を有することによって、例えば、ソーラー駆動の腕時計などに用いた場合に、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにすることができ、しかも、デサインバリエーションの向上と薄型化を実現することができる。
【0021】
また、金属表示板と同様の金属感や、白さが得られるとともに装飾性に優れ、高級感のある表示板を実現することができる。
さらに、表示板基体の少なくとも一方の表面が、被覆層で被覆されているので、紫外線や、可視光線によっても、変色することがなく、さらに湿度などが加わっても耐候性に優れている。特に、被覆層を表面側(視認側)に設けると、紫外線の影響を防止することができる。
【0022】
しかも、予め模様を形成した表示板基体の表面に被覆層を施す場合には、この被覆層によって表面が平坦になったり、模様形状がぼやけるなどして、鮮明な模様が得られないが、本発明のように、模様表面が、表示板基体の少なくとも一方の表面に被覆層を施した後、凹凸状の模様を形成したものであれば、模様形状がぼやけることがなく、鮮明な模様が得られる。
【0023】
また、本発明の表示板は、前記模様表面が、表示板基体の全面に、または、表示板基体の一部に形成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、表示板基体の全面にわたって、金属表示板と同様の金属感や、白さが得られるとともに装飾性に優れ、高級感のある表示板を実現することができる。
【0024】
また、このように構成することによって、表示板基体の一部に、金属表示板と同様の金属感や、白さが得られるとともに装飾性に優れ、高級感のある表示板を実現することができる。
【0025】
また、本発明の表示板は、前記模様表面が、表示板基体の少なくとも一方の表面に被覆層を施した後、被覆層から表示板基体の表面にわたって、凹凸状の模様を形成した模様表面であることを特徴とする。
【0026】
このように構成することによって、被覆層から表示板基体の表面にわたって、凹凸状の模様を施しているので、模様形状がぼやけることがなく、鮮明な模様が得られるとともに、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となり、デサインバリエーションの向上を実現することができる。
【0027】
また、本発明の表示板は、前記模様表面が、少なくとも一方の表面に予め模様を形成した表示板基体の表面に被覆層を施した後、凹凸状の模様を形成した模様表面であることを特徴とする。
【0028】
このように構成することによって、表示板基体の表面に予め形成された模様と、表示板基体の表面に被覆層を施した後に形成された模様とによって、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となるとともに、模様の種類が多くなり、デサインバリエーションの向上を実現することができる。
【0029】
また、本発明の表示板は、前記模様表面が、表示板基体の表面に予め形成した模様と同じ模様、または、表示板基体の表面に予め形成した模様と異なる模様から形成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、同じ模様である、表示板基体の表面に予め形成した模様と、表示板基体の表面に被覆層を施した後に形成された模様とが重なり合って、模様形状がぼやけることがなく、さらに鮮明な模様が得られるとともに、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となり、デサインバリエーションの向上を実現することができる。
【0030】
また、このように構成することによって、表示板基体の表面に予め形成した模様と、表示板基体の表面に被覆層を施した後に形成された模様とが重なり合って、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となり、しかも、異なる模様が重なりあった部分では、斬新な模様を形成することになって、デサインバリエーションの向上を実現することができる。
【0031】
また、本発明の表示板は、前記模様表面が、表示板基体の表面に予め形成した模様と同じ模様の部分と異なる模様の部分とから形成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、同じ模様である、表示板基体の表面に予め形成した模様と、表示板基体の表面に被覆層を施した後に形成された模様とが重なり合って、模様形状がぼやけることがなく、さらに鮮明な模様が得られるとともに、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となる。
【0032】
また、異なる模様が重なりあった部分では、表示板基体の表面に予め形成した模様と、表示板基体の表面に被覆層を施した後に形成された模様とが重なり合って、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となり、しかも、異なる模様が重なりあった部分では、斬新な模様を形成することになって、デサインバリエーションの向上を実現することができる。
【0033】
また、本発明の表示板は、前記被覆層が、金属被覆層、金属酸化物被覆層、金属窒化物被覆層、樹脂被覆層から選択した1種以上の被覆層から形成されていることを特徴とする。
また、本発明の表示板は、前記金属被覆層が、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタンから選択した1種以上の金属、または、これらの金属から選択した2種以上の金属の合金から形成されていることを特徴とする。
また、本発明の表示板は、前記金属酸化物被覆層が、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、ニオブ酸化物酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、酸化シリコン、酸化アルミニウムから選択した少なくとも1種の金属酸化物から形成されていることを特徴とする。
また、本発明の表示板は、前記金属窒化物被覆層が、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ジルコニウムから選択した少なくとも1種の金属窒化物から形成されていることを特徴とする。
【0034】
また、本発明の表示板は、前記樹脂被覆層が、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂からから選択した少なくとも1種の樹脂から形成されていることを特徴とする。
また、本発明の表示板は、前記樹脂被覆層が、印刷、スピンコート、塗装、または、ラミネート樹脂フィルムにより形成されていることを特徴とする。
【0035】
また、本発明の表示板は、前記表示板基体の少なくとも一方の表面側に透過性基板を備
えることを特徴とする。
また、本発明の表示板は、前記透過性基板少なくとも一方の表面側に、凹凸部を有することを特徴とする。
また、本発明の表示板は、前記凹凸部が、プリズム形状であることを特徴とする。
【0036】
また、本発明の表示板は、
前記表示板基体が、少なくとも1個の反射型偏光板を有し、
前記反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、凹凸状の模様を有することを特徴とする。
このように反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、凹凸状の模様を形成することによって、例えば、ソーラー駆動の腕時計などに用いた場合に、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにすることができる。しかも、デサインバリエーションの向上と薄型化を実現することができる。
【0037】
また、金属表示板と同様の金属感や、白さが得られるとともに装飾性に優れ、高級感のある表示板を実現することができる。
また、本発明の表示板は、
前記表示板基体が、複数の反射型偏光板を有し、
前記複数の反射型偏光板のうち、最も視認側に配置されている反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、凹凸状の模様を有することを特徴とする。
【0038】
このように複数の反射型偏光板を備えることによって、ソーラーセルに供給する光量を容易に調整することができる。この結果、文字板に形成する金属色および白調色がより強く現れるように調整することが可能となる。
また、本発明の表示板は、前記複数の反射型偏光板が、それぞれの光透過容易軸の方向が互いに異なる方向となるように配置されていることを特徴とする。
【0039】
このように複数の反射型偏光板を備え、それぞれの光透過容易軸の方向が互いに異なる方向となるように配置することによって、ソーラーセルに供給する光量を容易に調整することができる。この結果、文字板に形成する金属色および白調色がより強く現れるまでの調整が可能となる。
【0040】
また、本発明の表示板は、前記反射型偏光板が、少なくとも一方の表面に、被覆層として、光透過性着色層、拡散層、UV反射層、または、UV吸収層を有することを特徴とする。
このように、反射型偏光板が、少なくとも一方の表面に、被覆層として、光透過性着色層、拡散層、UV反射層、または、UV吸収層を有するように構成することによって、反射型偏光板に光透過性着色層、拡散層、UV反射層、または、UV吸収層を設けることにより変色を防止し、白さを増し、より高級感のある表示板を得ることができる。
【0041】
また、本発明の表示板は、前記透過性基板が、視認側と反対側に配置されていることを特徴とする。
このように構成することによって、透過性基板の透明層と、反射型偏光板の凹凸状の模様によって奥行きのある立体的な表現ができる。
【0042】
この結果、金属表示板と同様の金属感を感じさせ、高級感のある表示板を得ることができる。また、ソーラーセルからの反射光が少なくなることにより、ソーラーセルの濃紫色や十字線は完全に消し去られて、視認されることがない。
【0043】
また、本発明の表示板は、前記透過性基板が、視認側に配置されていることを特徴とす
る。
このように構成することによって、透過性基板の透明層を通して視認されることにより、反射型偏光板の凹凸状の模様が、奥行きのある立体的な表現として現れる。
この結果、金属表示板と同様の金属感を感じさせ、高級感のある表示板を得ることができる。また、ソーラーセルからの反射光が少なくなることにより、ソーラーセルの濃紫色や十字線は完全に消し去られて、視認されることがない。
【0044】
また、本発明の表示板は、前記透過性基板が、少なくとも一方の表面に光透過性着色層、拡散層、UV反射層、または、UV吸収層を有することを特徴とする。
このように、透過性基板が、少なくとも一方の表面に光透過性着色層、拡散層、UV反射層、または、UV吸収層を有するように構成することによって、透過性基板に光透過性着色層、拡散層、UV反射層、または、UV吸収層を設けることにより変色を防止し、白さを増し、より高級感のある表示板を得ることができる。また、透過性基板に光透過性着色層を設けることにより、明るさのある鮮明な色彩を有する表示板を得ることができる。
【0045】
また、本発明の表示板は、前記透過性基板が、着色剤、拡散剤、UV反射剤、または、UV吸収剤の内少なくとも一つを含有することを特徴とする。
このように透過性基板が、着色剤、拡散剤、UV反射剤、または、UV吸収剤の内少なくとも一つを含有することによって、透過性基板に含有された着色剤、拡散剤、UV反射剤、または、UV吸収剤の作用によって、透過性基板のカラー化、白さの向上、変色の防止、輝度の向上などのデザインのバリエーションを図れ、上記の模様との組み合わせによって、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにすることができるとともに、デサインバリエーションの向上を実現することができる。
【0046】
また、本発明の表示板は、前記透過性基板が、透明樹脂材料板、半透明カラー材料板、位相差板、複数の透過孔を有する金属板から選択した少なくとも1つの透過性基板から構成されていることを特徴とする。
【0047】
このような部材から、透過性基板が構成されていることによって、上記の模様との組み合わせによって、凹凸模様を有する反射型偏光板との組み合わせより金属色や明るさのある鮮明な色彩を有する表示板を得ることができ、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにすることができるとともに、デサインバリエーションの向上を実現することができる。
【0048】
また、本発明の表示板は、上記のいずれかに記載の表示板の下面側にソーラー発電装置を備えることを特徴とする。
また、本発明の機器類は、前記表示板の下面側にアンテナを備えることを特徴とする。
また、本発明の機器類は、前記機器類が、時計であることを特徴とする。
【0049】
このように構成することによって、例えば、時計用の表示板、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の表示板として用いた場合に、特に、ソーラー駆動の腕時計などに用いた場合に、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにすることができる。しかも、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となるなど、デサインバリエーションの向上と薄型化を実現することができる。
また、金属表示板と同様の金属感や、白さが得られるとともに装飾性に優れ、高級感のある表示板を備えた機器類を提供することができる。
【発明の効果】
【0050】
本発明によれば、表示板基体の少なくとも一方の表面が、前記表面に被覆層を施した後
、凹凸状の模様を形成した模様表面を有することによって、例えば、ソーラー駆動の腕時計などに用いた場合に、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにすることができ、しかも、デサインバリエーションの向上と薄型化を実現することができる。
【0051】
また、金属表示板と同様の金属感や、白さが得られるとともに装飾性に優れ、高級感のある表示板を実現することができる。
さらに、表示板基体の少なくとも一方の表面が、被覆層で被覆されているので、紫外線や、可視光線によっても、変色することがなく、耐光性に優れている。
【0052】
しかも、予め模様を形成した表示板基体の表面に被覆層を施す場合には、この被覆層によって表面が平坦になったり、模様形状がぼやけるなどして、鮮明な模様が得られないが、本発明のように、模様表面が、表示板基体の少なくとも一方の表面に被覆層を施した後、凹凸状の模様を形成したものであれば、模様形状がぼやけることがなく、鮮明な模様が得られる。
【0053】
また、本発明によれば、被覆層から表示板基体の表面にわたって、凹凸状の模様を施しているので、模様形状がぼやけることがなく、鮮明な模様が得られるとともに、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となり、デサインバリエーションの向上を実現することができる。
【0054】
さらに、本発明によれば、表示板基体の表面に予め形成された模様と、表示板基体の表面に被覆層を施した後に形成された模様とによって、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となるとともに、模様の種類が多くなり、デサインバリエーションの向上を実現することができる。
【0055】
また、本発明によれば、反射型偏光板の表面に凹凸状の模様を形成することによって、例えば、ソーラー駆動の腕時計などに用いた場合に、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにするとともにデサインバリエーションの向上と薄型化を実現することができる。
【0056】
また、金属表示板と同様の金属感や、白さが得られるとともに装飾性に優れ高級感のある表示板を実現することができる。
さらに、反射型偏光板に拡散層を設けることにより白さを増し、より高級感のある表示板を得ることができる。
【0057】
また、反射型偏光板に光透過性着色層を設けることにより明るさのある鮮明な色彩を有する表示板を得ることができる。
また、複数の反射型偏光板を備え、それぞれの光透過容易軸の方向が互いに異なる方向となるように配置することによってソーラーセルに供給する光量を容易に調整することができる。この結果、文字板に形成する金属色および白色色調がより強く現れるように調整することが可能となる。
【0058】
また、本発明によれば、本発明の表示板を、例えば、時計用の表示板、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の表示板として用いた場合に、特に、ソーラー駆動の腕時計などに用いた場合に、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにすることができる。
【0059】
しかも、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となるなど、デサインバリエーシ
ョンの向上と薄型化を実現することができる。
また、金属表示板と同様の金属感や、白さが得られるとともに装飾性に優れ、高級感のある表示板を備えた機器類を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
下記の実施例1〜実施例12の表示板は、ソーラーセルと、このソーラーセルの視認側に設ける反射型偏光板とを備えており、この反射型偏光板の表面に凹凸状の模様を形成することによって、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにするとともに、装飾性に優れた薄型の表示板を実現したものである。さらに、金属表示板と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩を有し高級感のある表示板を実現したものである。
なお、以下の各実施例において、同様な構成部材については、同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
【0061】
(実施例1)
図1は実施例1の表示板を示しており、図1(a)は、平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。図2は、反射型偏光板を示す斜視図、図3は表示板の光路図、図4は、表示板の製造工程を示す概略断面図である。
【0062】
図1に示したように、実施例1の表示板は、反射型偏光板の視認側の表面に凹凸状の模様を形成し、その表面に光透過性着色層を設けたものである。
すなわち、符号10は、全体で本発明の表示板10を示している。この実施例1の表示板10は、ソーラーセル12と、このソーラーセル12の視認側に設けられた表示板基体を構成する反射型偏光板14とを備えている。
【0063】
そして、反射型偏光板14の視認側の表面には、サークル状の凹凸状の模様16が形成されており、この凹凸状の模様16の表面に、この模様16と同じサークル状の凹凸状の模様18を有する被覆層を形成する光透過性着色層20が設けられている。これによって、光透過性着色層20から反射型偏光板14の表面にわたって、サークル状の凹凸状の模様22が形成された模様表面が構成される。
【0064】
さらに、この光透過性着色層20の視認側に表面に、さらに時字24やマーク等が取り付けられている。
また、反射型偏光板14とソーラーセル12とは、互いの表面の外周部が粘着材または光拡散性を有する粘着剤(例えば、光拡散剤を含む基材入りの両面テープなど)や、接着剤等の固定部材26で固定されている。
なお、反射型偏光板14とソーラーセル12とは、固定部材26を使用せずに、単に積層配置し時計用の中枠等で保持することもできる(以下の実施例においても同様である)。
【0065】
また、反射型偏光板14とソーラーセル12との間、さらにこれらの部材と、後述する透過性基板の各部材間の全面を上記固定部材で固定してもよいことはもちろんである(これについても、以下の実施例においても同様である)。
【0066】
なお、図1に示した実施例では、図示しないが、分針と時針を駆動する針軸を挿通する軸孔が、反射型偏光板14にのみ形成されている図を示しているが、ソーラーセル12にもその下方に配置されるムーブメントの針軸を挿通する軸孔が形成されているものであるが図においては便宜上、ソーラーセル12の軸孔を省略して示している(以下の実施例においても、反射型偏光板、透過性基板、ソーラーセルの軸孔については同様である)。
【0067】
反射型偏光板14の材料としての反射型偏光板基材は、偏光性が異なる2種類のフィルムを交互に複数層積層した積層体が好ましく、この実施例においては、住友3M社製の商品名「DBEF」を用いた。
図2に示したように、「DBEF」からなる反射型偏光板基材11は、光反射軸Nと光透過容易軸Mを有していて、光反射軸Nと平行な振動面を持つ直線偏光成分の光は、反射し、光透過容易軸Mと平行な振動面を持つ直線偏光成分の光は、透過する特性を持っている。また、約50%の光を透過し、約50%の光を反射する特性を持っている。
【0068】
この反射型偏光板基材11の厚さtの値は、130〜400μm程度のものが各種市販されており、必要に応じて選択可能である。
なお、反射型偏光板基材11の表面に、例えば、エンボスのような凹凸形状を有するものを用いれば、ソーラーセル12と反射型偏光板基材11を配置した際に、干渉縞を防ぐことも可能である。
【0069】
この実施例においては、厚さtの値が、160μmの反射型偏光板基材11を用いた。
この実施例の表示板10の製造方法は、図4に示したように製造すれば良い。
すなわち、先ず、図4(a)に示したように、表示板形状に打ち抜いた反射型偏光板14を用意し、図4(b)に示したように、この反射型偏光板14の視認側の表面14aに、光透過性着色層20を、例えば、印刷などによって形成する。
【0070】
次に、図4(c)に示したように、表面にサークル状の凹凸状の転写模様28を有する熱転写用押し型(金型)30を準備して、図4(c)の矢印で示したように、反射型偏光板14の視認側の表面14aに形成された光透過性着色層20に加熱下で押圧する(図4(d)参照)。
【0071】
そして、図4(e)の矢印で示したように、熱転写用押し型(金型)30を反射型偏光板14の視認側の表面14aに形成された光透過性着色層20から離間する方向に移動させる。
これにより、図1、図4(e)に示したように、反射型偏光板14の視認側の表面のサークル状の凹凸状の模様16と、この凹凸状の模様16の表面の光透過性着色層20において、この模様16と同じサークル状の凹凸状の模様18とが一体的に形成される。
【0072】
これによって、光透過性着色層20から反射型偏光板14の表面にわたって、サークル状の凹凸状の模様22が形成された模様表面が構成される。
なお、上記実施例では、予め表示板形状に打ち抜いた反射型偏光板14を用いたが、例えば、多数個の表示板10を一度で製造する場合には、多数個分の大きさの反射型偏光板14を用いて、上記の製造工程を実施した後に、最後に、多数個の表示板形状に打ち抜いて製造するようにしても良い(以下の実施例においても同様である)。
【0073】
この場合、表示板10の表面に形成されているサークル状の凹凸状の模様22は、凹部の深さや幅、凸部の幅などは目に視認できる程度の大きさに形成してあり、上面側からははっきりと模様が視認できる。
この熱転写による凹凸状の模様22の幅bの値は、特に限定されるものではないが、40〜60μmの範囲に設定することが好ましい。また、模様の深さdの値についても適宜設定できるが、10〜20μmの範囲に設定することが好ましい。
【0074】
さらに、このサークル状の凹凸状の模様22は、下からの反射光を屈折させて散乱させる作用もある。この結果、反射型偏光板14の反射光によりサークル状の模様22と金属感が明るく鮮明に視認されてくる。また、ソーラーセルの十字線や濃紫色は全く消し去ら
れて視認されなくなる。
【0075】
また、光透過性着色層20は、銅金属粉を透明なウレタン樹脂に混ぜ合わせてインク化し、印刷方法で形成している。そして、反射型偏光板14の反射光と光透過性着色層20との色とで全体的に金属表示板と同様の金属感が現れるように仕上げている。
なお、この場合、この光透過性着色層20は、上記のように、金属粉を透明なウレタン樹脂に混ぜ合わせてインク化し、印刷方法で形成する代わりに、様々な光透過性着色層20を用いることができ、何ら限定されるものではない。
【0076】
例えば、白色顔料を樹脂に混ぜ合わせ印刷方法で形成することもできる。白色顔料を用いている理由は、表示板に白色感を出すためで、膜厚を厚くすると白さは出るが透過率が悪くなる。
従って、約7〜10μm程度の薄い膜厚にしてこれによる透過率が約10%程度低下する位にしてある。他の色を出したい場合は他の顔料を用いる。
【0077】
また、例えば、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVDなどの化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、またはイオンプレーティングなどのドライメッキ処理、溶射など、さらには、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法で、非常に薄い金属膜を形成しても良く、求める色に応じて適宜選択するのが好ましい。
【0078】
この場合、被覆層を形成する光透過性着色層20は、金属被覆層、金属酸化物被覆層、金属窒化物被覆層、樹脂被覆層から選択した1種以上の被覆層から形成することができる。
金属被覆層としては、特に限定されるものではないが、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタンから選択した1種以上の金属、または、これらの金属から選択した2種以上の金属の合金から形成することができる。
さらに、金属酸化物被覆層としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、ニオブ酸化物酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、酸化シリコン、酸化アルミニウムから選択した少なくとも1種の金属酸化物から形成することができる。
また、金属窒化物被覆層としては、特に限定されるものではないが、例えば、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ジルコニウムから選択した少なくとも1種の金属窒化物から形成することができる。
【0079】
また、樹脂被覆層としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂からから選択した少なくとも1種の樹脂から形成することができる。
この場合、樹脂被覆層を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、印刷、スピンコート、または、塗装により形成することができる。
また、樹脂被覆層としては、上記の樹脂被覆層に用いた樹脂からなるラミネート樹脂フィルムにより形成することもできる。
【0080】
なお、光透過性着色層20の代わりに、拡散層を設けても同様の白色感を得ることができる。拡散層は粘着剤や接着剤等に入射した光を拡散する機能を有する拡散剤を混入したもので、拡散剤の材料としては粒状、粉末状、鱗片状、針状等のシリカ、ガラス、樹脂等を用いることができる。
また、光透過性着色層20の代わりに、UV反射層、UV吸収層を設けても同様の白色感と変色を防止する効果を得ることができる。
【0081】
この場合、UV反射層としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、窒化ケイ素のそれぞれ単層、または、これらの組み合わせによる多層のUV反射層を用いることができる。
また、UV吸収層としては、特に限定されるものではないが、UV吸収層として、ラミネート材を用いる場合には、例えば、リンテック株式会社製の「ラグ プロテクト(製品名)」を用いることができる。さらに、UV吸収層として、インキを用いる場合には、株式会社セイコーアドバンス製の「SG429B オーバーコートクリヤー(製品名)」を用いることができる。
【0082】
なお、本発明において、光透過性着色層20などの被覆層は、単層でもよいが複数の層を積層したものでもよく、複数の層を積層する場合には、同じ種類の被覆層を積層しても、異なる種類の被覆層を選択して積層することも可能である(以下の実施例においても同様である)。
【0083】
さらに、この実施例の凹凸状の模様22は、サークル状に形成しているが、凹凸のある他のパターン模様を形成しても良い。例えば、ストライプ、渦巻、梨地模様、格子状模様、略ピラミッド形状の模様、幾何学模様、編目模様、石調模様、砂目模様、波紋模様、旭光目付等、色々な模様が選択でき、こられの模様を適宜組み合わせることも可能であり、それぞれ求めるデザインに応じて選択することができる(以下の実施例においても同様である)。
【0084】
また、サークル状の模様22は、熱転写加工で形成したが、この他、選択する模様によって熱転写加工、プレス加工、サンドブラスト加工等、様々な加工方法を用いることができる。また、凹凸状の模様の断面形状はV字状、U字状、角形形状など適宜選択することができる。
さらに、この凹凸状の模様22は、表示板10の表面全体だけでなく、部分的に設けるようにすることも可能である。
【0085】
また、この実施例では、凹凸状の模様22を、表示板10の視認側の表面にだけ形成したが、ソーラーセル12側の表面に形成することも可能であり、また、表示板10の視認側の表面とソーラーセル12側の表面の両方に形成することも可能である。
【0086】
次に、この実施例1の表示板10の作用について、図3に基づいて説明する。
表示板10に入射した光P1は、サークル状の凹凸状の模様22、すなわち、光透過性着色層20のサークル状の凹凸状の模様18、反射型偏光板14の表面のサークル状の凹凸状の模様16を介して、反射型偏光板14に入射する。
【0087】
反射型偏光板14に入射した光の内、反射型偏光板14の光反射軸と平行な振動面を持つ直線偏光成分の光n1は、反射型偏光板14から反射されて、反射光P2となって外に放射される。
反射型偏光板14の光透過容易軸と平行な振動面を持つ直線偏光成分の光m1は、反射型偏光板14を透過して、ソーラーセル12に入射する。
【0088】
ソーラーセル12に入射した光は、そこで吸収される光と、そこから反射される光とに分けられる。ソーラーセル12から反射される光は、その内の反射型偏光板14の光透過容易軸と平行な振動面を持つ直線偏光成分の光m2は、反射型偏光板14、光透過性着色層20を透過して反射光P3となって外に放射される。
一方、反射型偏光板14の光反射軸と平行な振動面を持つ直線偏光成分の光n2は、反射型偏光板14から反射されて、反射光P4となってソーラーセル12側に戻ってくる。
このことによって、反射型偏光板14に入射した光で、ソーラーセル12から反射されて反射型偏光板14に戻ってくる光の量は非常に少なくなる。
【0089】
さらに、反射型偏光板14、光透過性着色層20の表面には、それぞれ模様16、18からなる凹凸状の模様22が形成されているので、反射型偏光板14の表面での反射光P2や、ソーラーセル12で反射し反射型偏光板14、光透過性着色層20を透過した反射光P3は、一様な方向への反射にならず、四方に分散・散乱した状態の反射光になって外に放射される。
【0090】
このように、ソーラーセル12からの反射光が少なくなること、さらに凹凸状の模様16の作用で散乱が生じることによって、ソーラーセル12の十字線や濃紫色は完全に消し去られて全く視認されなくなる。
以上のように、この実施例の表示板によれば、ソーラーセル12の十字線や濃紫色を完全に消し去るとともに、金属表示板と同様の金属感が得られ鮮明な模様が視認されるので、装飾性に優れた表示板を得ることができる。さらに、この実施例においては反射型偏光板14の厚さの値を160μmとすることにより、薄型で高級感のある表示板を得ることができた。
【0091】
すなわち、この実施例1の表示板は、サークル状の凹凸状の模様22が視認側からはっきりと視認できる。また、このサークル状の凹凸状の模様22は、下からの反射光を屈折させて散乱させる作用もあり、反射型偏光板14の強い反射光によりサークル状の凹凸状の模様22と金属表示板と同様の金属感が明るく鮮明に視認される。この結果、金属表示板と同様の金属感を感じさせ、高級感のある表示板を得ることができる。また、ソーラーセル12の色は全く消し去られて視認されることがない。
【0092】
このように表示板基体である反射型偏光板14の表面に被覆層である光透過性着色層20を施した後、凹凸状の模様22を形成した模様表面を有することによって、例えば、ソーラー駆動の腕時計などに用いた場合に、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにすることができ、しかも、デサインバリエーションの向上と薄型化を実現することができる。
【0093】
また、金属表示板と同様の金属感や、白さが得られるとともに装飾性に優れ、高級感のある表示板を実現することができる。
さらに、表示板基体の少なくとも一方の表面が、被覆層である光透過性着色層20で被覆されているので、紫外線や、可視光線によって、変色することがなく、さらに、湿度などが加わっても、耐候性に優れている。
【0094】
しかも、予め模様を形成した表示板基体である反射型偏光板14の表面に、被覆層である光透過性着色層20を施す場合には、この被覆層である光透過性着色層20によって表面が平坦になったり、模様形状がぼやけるなどして、鮮明な模様が得られないが、本発明のように、模様表面が、表示板基体である反射型偏光板14の表面に被覆層である光透過性着色層20を施した後、凹凸状の模様22を形成したものであれば、模様形状がぼやけることがなく、鮮明な模様が得られる。
【0095】
(実施例2)
図5は、本発明の実施例2の表示板の断面図である。
この実施例の表示板10は、基本的には、実施例1の表示板10とその構成は同様であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0096】
この実施例の表示板10は、ソーラーセル12と、このソーラーセル12の視認側に設
ける反射型偏光板14とを備える点では実施例1の表示板10と同様であるが、反射型偏光板14の視認側に、さらに透過性基板46を備えている。
また、この透過性基板46のソーラーセル12と対向する側の表面には、プリズム反射面である凹凸状の模様48が形成されている。透過性基板46は射出成形で成形するが、その時、プリズム反射面である凹凸状の模様48も、金型から転写して同時に成形する。
このプリズム反射面である凹凸状の模様48は、三角形のプリズム形状をなしており、サークル模様状または渦巻き模様状に形成する。
【0097】
三角形の角度は、凹部、凸部ともに、75〜100度の範囲内に形成している。また、高さhの値は、15〜100μm、ピッチpの値は、略150μm位に形成している。
この高さやピッチは、金型の加工が容易で、且つ目に見える程度の寸法に形成するのが好ましい。
この透過性基板46のプリズム反射面である、凹凸状の模様48で反射される光や、ソーラーセル12からの反射光で、プリズム反射面である凹凸状の模様48を透過する光は、プリズム反射面が、サークル状や渦巻き状に形成されているので、一様な方向への反射にならず、四方に分散・散乱した状態の反射光になって、反射型偏光板14を透過して外に放射される。
【0098】
透過性基板46のプリズム反射面である凹凸状の模様48と、反射型偏光板14との反射光により、格子状の凹凸状の模様16と金属表示板と同様の金属感が、明るく鮮明に視認される。
【0099】
この結果、金属表示板と同様の金属感を感じさせ、高級感のある表示板を得ることができる。また、ソーラーセル12からの反射光が少なくなること、プリズム反射面である凹凸状の模様48の作用で散乱が生じることなどによって、ソーラーセル12の濃紫色や十字線は、完全に消し去られて視認されることはない。
なお、この実施例では、透過性基板46のソーラーセル12と対向する側の表面には、プリズム反射面である凹凸状の模様48を形成したが、透過性基板46の視認側の表面、ソーラーセル12と対向する側の表面の少なくとも一方側に設ければ良く、特に限定されるものではない(以下の実施例においても同様である)。
また、透過性基板46としては、特に限定されるものではないが、例えば、光、電波などの所望の波長を透過する透過性を有する基板であればいずれも使用することができる(以下の実施例においても同様である)。
【0100】
(実施例3)
図6は、本発明の表示板の別の実施例の製造工程を示す工程概略図である。
上記の実施例1では、表示板基体である反射型偏光板14の表面に、被覆層である光透過性着色層20を施した後、凹凸状の模様22を一体的に形成したが、図6に示したような工程により表示板10を形成することも可能である。
【0101】
すなわち、先ず、図6(a)に示したように、予め、反射型偏光板14の表面に(この実施例では、表示板10の外周部分に)、部分的に模様32を形成し、表示板形状に打ち抜いた反射型偏光板14を用意する。
【0102】
そして、図6(b)に示したように、この反射型偏光板14の視認側の表面14aに、光透過性着色層20を、例えば、印刷などによって形成する。
【0103】
次に、図6(c)に示したように、表面に上記の模様32と異なる箇所に(この実施例では、表示板10の中央部分に)、上記の模様32と異なる凹凸状の転写模様28を有する熱転写用押し型(金型)30を準備して、図6(c)の矢印で示したように、反射型偏
光板14の視認側の表面14aに形成された光透過性着色層20に加熱下で押圧する(図6(d)参照)。
【0104】
そして、図6(e)の矢印で示したように、熱転写用押し型(金型)30を反射型偏光板14の視認側の表面14aに形成された光透過性着色層20から離間する方向に移動させる。
【0105】
これにより、図6(e)に示したように、反射型偏光板14の視認側の凹凸状の模様16と、この凹凸状の模様16の表面の光透過性着色層20において、この模様16と同じ形状の凹凸状の模様18とが、この実施例では、表示板10の中央部分に、一体的に形成される。
【0106】
これによって、光透過性着色層20から反射型偏光板14の表面にわたって、表示板10の中央部分に、凹凸状の模様22が形成された模様表面が構成される。
しかも、この実施例では表示板10の外周部分には、光透過性着色層20の表面には模様が形成されておらず、凹凸状の模様22とは相違する模様32が、表示板10の外周部分に形成される。
【0107】
このように構成することによって、表示板基体である反射型偏光板14の表面に予め形成された模様32と、反射型偏光板14の表面に、被覆層である光透過性着色層20を施した後に形成された模様22とによって、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となるとともに、模様の種類が多くなり、デサインバリエーションの向上を実現することができる。
【0108】
なお、この場合、この実施例では、予め、反射型偏光板14の表面の外周部分に、部分的に模様32を形成し、表示板10の中央部分に、この模様32と異なる模様22を形成したが、これらの模様22、32の形状、配置位置、模様の種類などは、デザインに応じて適宜選択することが可能である。
【0109】
(実施例4)
【0110】
図7は、本発明の表示板の別の実施例の製造工程を示す工程概略図である。
上記の実施例3では、予め、反射型偏光板14の表面の外周部分に、部分的に模様32を形成し、表示板10の中央部分に、この模様32と異なる模様22を形成したが、この実施例では、予め、反射型偏光板14の表面全面に模様32を形成し、表示板10の全面にこの模様32と同じ模様22を形成した。
【0111】
すなわち、先ず、図7(a)に示したように、予め、反射型偏光板14の表面全面に模様32を形成し、表示板形状に打ち抜いた反射型偏光板14を用意する。
そして、図7(b)に示したように、この反射型偏光板14の視認側の表面14aに、光透過性着色層20を、例えば、印刷などによって形成する。
【0112】
次に、図7(c)に示したように、表面全面に上記の模様32と同じ凹凸状の転写模様28を有する熱転写用押し型(金型)30を準備して、図7(c)の矢印で示したように、反射型偏光板14の視認側の表面14aに形成された光透過性着色層20に加熱下で押圧する(図7(d)参照)。
【0113】
そして、図7(e)の矢印で示したように、熱転写用押し型(金型)30を反射型偏光板14の視認側の表面14aに形成された光透過性着色層20から離間する方向に移動させる。
これにより、図7(e)に示したように、反射型偏光板14の表面全面に模様32と、この凹凸状の模様32の表面の光透過性着色層20において、この模様32と同じ形状の凹凸状の模様18とが、一体的に形成される。
【0114】
これによって、光透過性着色層20から反射型偏光板14の表面にわたって、表示板10の全面に、凹凸状の模様22が形成された模様表面が構成される。
このように構成することによって、表示板基体である反射型偏光板14の表面に予め形成された模様32と、反射型偏光板14の表面に、被覆層である光透過性着色層20を施した後に形成された模様18とによって、重なった模様22が形成される。
【0115】
このように構成することによって、同じ模様である、表示板基体である反射型偏光板14の表面に予め形成した模様32と、反射型偏光板14の表面に被覆層である光透過性着色層20を施した後に形成された模様22(18)とが重なり合って、模様形状がぼやけることがなく、さらに鮮明な模様が得られるとともに、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となり、デサインバリエーションの向上を実現することができる。
【0116】
(実施例5)
図8は、本発明の表示板の別の実施例の製造工程を示す工程概略図である。
上記の実施例3では、予め、反射型偏光板14の表面の外周部分に、部分的に模様32を形成し、表示板10の中央部分に、この模様32と異なる模様22を形成したが、この実施例では、予め、反射型偏光板14の表面全面に模様32を形成し、表示板10の全面に、この模様32と異なる模様22を形成した。
【0117】
すなわち、先ず、図8(a)に示したように、予め、反射型偏光板14の表面全面に模様32を形成し、表示板形状に打ち抜いた反射型偏光板14を用意する。
そして、図8(b)に示したように、この反射型偏光板14の視認側の表面14aに、光透過性着色層20を、例えば、印刷などによって形成する。
【0118】
次に、図8(c)に示したように、表面全面に上記の模様32と異なる凹凸状の転写模様28を有する熱転写用押し型(金型)30を準備して、図8(c)の矢印で示したように、反射型偏光板14の視認側の表面14aに形成された光透過性着色層20に加熱下で押圧する(図8(d)参照)。
【0119】
そして、図8(e)の矢印で示したように、熱転写用押し型(金型)30を反射型偏光板14の視認側の表面14aに形成された光透過性着色層20から離間する方向に移動させる。
これにより、図8(e)に示したように、反射型偏光板14の表面全面に模様32と、この凹凸状の模様32の表面の光透過性着色層20において、この模様32と異なる形状の凹凸状の模様22とが、一体的に形成される。
【0120】
これによって、光透過性着色層20においては、模様32と異なる形状の凹凸状の模様22が形成される。一方、その下方の反射型偏光板14の表面では、予め形成された模様32とこれとは異なる熱転写用押し型(金型)30の転写模様28による模様34とが重なり合って、新規な模様36が形成される。
【0121】
このように構成することによって、表示板基体である反射型偏光板14の表面に予め形成した模様32と、反射型偏光板14の表面に被覆層である光透過性着色層20を施した後に形成された模様22とが重なり合った模様が形成され、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となり、しかも、異なる模様32、34が重なりあった部分では、斬新な模様36を形成することになって、デサインバリエーションの向上を実現することができ
る。
【0122】
(実施例6)
図9は、本発明の表示板の別の実施例の製造工程を示す工程概略図である。
上記の実施例3では、予め、反射型偏光板14の表面の外周部分に、部分的に模様32を形成し、表示板10の中央部分に、この模様32と異なる模様22を形成したが、この実施例では、予め、反射型偏光板14の表面の外周部分に、部分的に模様32を形成し、表示板10の全面に、この模様32と異なる模様22を形成した。
【0123】
すなわち、先ず、図9(a)に示したように、予め、反射型偏光板14の表面の外周部分に、部分的に模様32を形成し、表示板形状に打ち抜いた反射型偏光板14を用意する。
そして、図9(b)に示したように、この反射型偏光板14の視認側の表面14aに、光透過性着色層20を、例えば、印刷などによって形成する。
【0124】
次に、図9(c)に示したように、表面全面に上記の模様32と異なる凹凸状の転写模様28を有する熱転写用押し型(金型)30を準備して、図9(c)の矢印で示したように、反射型偏光板14の視認側の表面14aに形成された光透過性着色層20に加熱下で押圧する(図9(d)参照)。
そして、図9(e)の矢印で示したように、熱転写用押し型(金型)30を反射型偏光板14の視認側の表面14aに形成された光透過性着色層20から離間する方向に移動させる。
【0125】
これにより、図9(e)に示したように、反射型偏光板14の表面の外周部分に部分的に形成された模様32と、光透過性着色層20において、この模様32と異なる形状の凹凸状の模様22とが、一体的に形成される。
これによって、光透過性着色層20においては、模様32と異なる形状の凹凸状の模様22が形成される。
【0126】
一方、その下方の反射型偏光板14の外周部分の表面では、反射型偏光板14の表面の外周部分に部分的に形成された模様32と、これとは異なる熱転写用押し型(金型)30の転写模様28による模様34とが重なり合って、新規な模様36が形成される。
このように構成することによって、表示板基体である反射型偏光板14の表面に予め形成された模様32と、反射型偏光板14の表面に、被覆層である光透過性着色層20を施した後に形成された模様22、36とによって、重なった模様が形成される。
【0127】
このように構成することによって、表示板基体である反射型偏光板14の表面に予め形成した模様32と、反射型偏光板14の表面に被覆層である光透過性着色層20を施した後に形成された模様22とが重なり合って、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となり、しかも、異なる模様32、34が重なりあった外周部分では、斬新な模様36を形成することになって、デサインバリエーションの向上を実現することができる。
【0128】
(実施例7)
図10は、本発明の表示板の別の実施例の製造工程を示す工程概略図である。
上記の実施例3では、予め、反射型偏光板14の表面の外周部分に、部分的に模様32を形成し、表示板10の中央部分に、この模様32と異なる模様22を形成したが、この実施例では、予め、反射型偏光板14の外周部分に模様32を形成し、表示板10の外周部分に、この模様32と同じ模様22aを形成するとともに、表示板10の中央部分に、この模様32と異なる模様22bを形成した。
【0129】
すなわち、先ず、図10(a)に示したように、予め、反射型偏光板14の表面の外周部分に、部分的に模様32を形成し、表示板形状に打ち抜いた反射型偏光板14を用意する。
そして、図10(b)に示したように、この反射型偏光板14の視認側の表面14aに、光透過性着色層20を、例えば、印刷などによって形成する。
【0130】
次に、図10(c)に示したように、表面の外周部分に、この模様32と同じ凹凸状の転写模様28aを形成するとともに、中央部分に、この模様32と異なる凹凸状の転写模様28bを有する熱転写用押し型(金型)30を準備して、図10(c)の矢印で示したように、反射型偏光板14の視認側の表面14aに形成された光透過性着色層20に加熱下で押圧する(図10(d)参照)。
【0131】
そして、図10(e)の矢印で示したように、熱転写用押し型(金型)30を反射型偏光板14の視認側の表面14aに形成された光透過性着色層20から離間する方向に移動させる。
これにより、図10(e)に示したように、反射型偏光板14の表面の外周部分に部分的に形成された模様32と、光透過性着色層20において、その外周部分に、この模様32と同じ凹凸状の模様22aを形成するとともに、中央部分に、この模様32と異なる凹凸状の模様22bとが、一体的に形成される。
【0132】
これによって、光透過性着色層20においては、その外周部分に、この模様32と同じ凹凸状の模様22aを形成するとともに、中央部分に、この模様32と異なる凹凸状の模様22bとが形成される。
【0133】
一方、その下方の反射型偏光板14の外周部分の表面では、反射型偏光板14に形成された模様32と、これと同じ模様である熱転写用押し型(金型)30の転写模様28aによって形成された光透過性着色層20の模様34aとが重なり合って、鮮明な模様36が形成される。
また、反射型偏光板14の中央部分の表面では、熱転写用押し型(金型)30の転写模様28bによって、反射型偏光板14の外周部に形成された模様32とは異なる、反射型偏光板14の模様34bと、光透過性着色層20の模様22bが重なり合って、鮮明な模様38が形成される。
【0134】
このように構成することによって、同じ模様である、表示板基体である反射型偏光板14の外周部分の表面に予め形成した模様32と、反射型偏光板14の外周部分の表面に被覆層である光透過性着色層20を施した後に形成された模様22aとが重なり合って、模様形状がぼやけることがなく、さらに鮮明な模様が得られるとともに、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となる。
【0135】
また、同じ模様が重なりあった外周部分では、反射型偏光板14の外周部分の表面に被覆層である光透過性着色層20を施した後に形成された反射型偏光板14の模様34bと、光透過性着色層20の模様22bが重なり合って、鮮明な模様38が形成され、模様形状がぼやけることがなく、さらに鮮明な模様が得られるとともに、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となる。
【0136】
なお、この実施例では、予め、反射型偏光板14の外周部分に模様32を形成し、表示板10の外周部分に、この模様32と同じ模様22aを形成するとともに、表示板10の中央部分に、この模様32と異なる模様22bを形成したが、この組み合わせ、配置位置などは適宜変更可能であって、同じ模様と異なる模様を有するようにすればよい。
【0137】
例えば、図示しないが、表示板10の中央部分に、反射型偏光板14の模様32と同じ模様22aを形成するとともに、表示板10の外周部分に、この模様32と異なる模様22bを形成しても良い。また、例えば、反射型偏光板14側に形成する模様を外周部分と中央部分とで異なるようにし、表示板10の全面に一様な模様を形成するようにしても良い。
【0138】
(実施例8)
図11は、本発明の実施例8の表示板の断面図、図12は、本発明の実施例8の第1、第2の反射型偏光板を示す斜視図である。
この実施例の表示板10は、基本的には、実施例1の表示板10とその構成は同様であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0139】
この実施例の表示板10は、ソーラーセル12と、このソーラーセル12の視認側に設ける第1の反射型偏光板40と、ソーラーセル12に対向する側に設ける第2の反射型偏光板42とを備えている。
【0140】
そして、第1の反射型偏光板40の視認側の表面には、サークル状の凹凸状の模様16が形成されており、この模様16の視認側の表面に、光透過性着色層20を設け、第2の反射型偏光板42のソーラーセル12と対向する表面に、拡散層44を設けている。
また、第1、第2の反射型偏光板40、42とソーラーセル12とを、固定部材を使用せずに、単に積層配置し、時計用の中枠等で保持したものである。また、この実施例においては、交差角sの値を約15度に設定した。
【0141】
第1の反射型偏光板40および凹凸状の模様16については、実施例1の反射型偏光板14、凹凸状の模様16と同様であるため説明を省略する。
また、第2の反射型偏光板42は、表面に凹凸状の模様が形成されていない点が異なるだけで、光の透過と反射の作用等、その他の点については、実施例1で説明した反射型偏光板14と同様であるため説明を省略する。
【0142】
また、実施例1で記載したように、第1、第2の反射型偏光板40、42は、それぞれ光反射軸と光透過容易軸とを備えているが、この実施例においては、図12に示したように、第1、第2の反射型偏光板40、42のそれぞれの光透過容易軸40a、42aの方向が互いに異なる方向となるように積層配置されている。
【0143】
この光透過容易軸40a、42aの交差角sの値を変化させることにより、第1、第2の反射型偏光板40、42の2枚の反射型偏光板を透過する光量を調整することができる。
この交差角sの値は、2枚の反射型偏光板を透過する光量を確保する必要から、5度から45度の範囲に設定することが好ましい。
【0144】
なお、第1、第2の反射型偏光板40、42の形状は、円形形状であるが、図12においては、説明を分かり易くするため模擬的に四辺形形状で描いたものである。
この光透過性着色層20は、白色顔料を樹脂に混ぜ合わせ印刷方法で形成している。白色顔料を用いている理由は、表示板に白色感を出すためで、膜厚を厚くすると白さは出るが透過率が悪くなる。
【0145】
従って、約7〜10μm程度の薄い膜厚にしてこれによる透過率が約10%程度低下する位にしてある。他の色を出したい場合は他の顔料を用いる。また、蒸着方法で非常に薄い金属膜を形成しても良く、求める色に応じて適宜選択するのが好ましい。
なお、光透過性着色層20の代わりに、拡散層を設けても同様の白色感を得ることがで
きる。
【0146】
また、拡散層44は、粘着剤や接着剤等に入射した光を拡散する機能を有する拡散剤を混入したもので、拡散層44の拡散剤の材料としては粒状、粉末状、鱗片状、針状等のシリカ、ガラス、樹脂等を用いることができる。この実施例の場合、拡散剤の材料としては、粒状のガラスを粘着剤に混入したものを用いた。
【0147】
これによって、第1、第2の反射型偏光板40、42の反射光と、光透過性着色層20の白色と、拡散層44との拡散作用によって、白さが一層増し白色感が強調されたサークル模様を鮮明に視認することができる。
この結果、高級感のある表示板を得ることができ、ソーラーセル12の色を完全に消し去ることができる。また、実施例6と同様の効果を得ることができる。
なお、この実施例8において、同じ種類の反射型偏光板を2枚用いた実施例で説明したが、これに限定されるものではなく、3枚以上の複数の反射型偏光板を用いることもできる。また、複数の異なる種類の反射型偏光板を組み合わせて用いることも可能である。
【0148】
(実施例9)
図13は、本発明の実施例9の表示板の断面図であり、反射型偏光板に、凹凸状の模様を形成するともに光透過性着色層を設けた実施例である。
この実施例の表示板10は、基本的には、実施例1の表示板10とその構成は同様であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
図13に示したように、この実施例の表示板は、ソーラーセル12と、このソーラーセル12の視認側に設ける反射型偏光板14と、ソーラーセル12と反射型偏光板14との間に配置される透過性基板46とを備えている。
【0149】
そして、反射型偏光板14の視認側の表面に、格子状の凹凸状の模様16を形成し、この凹凸状の模様16の表面に、光透過性着色層20を設けたものである。
反射型偏光板14と格子状の凹凸状の模様16については、実施例1と同様であるので、詳細な説明は省略する。また、反射型偏光板14と透過性基板46とは、互いの外周部が、粘着材または接着剤等の固定部材26aで固定されている。
【0150】
さらに、透過性基板46とソーラーセル12とは、互いの外周部が、粘着材または接着剤等の固定部材26bで固定されている。
また、光透過性着色層20は、銅金属粉を透明なウレタン樹脂に混ぜ合わせてインク化し、印刷方法で反射型偏光板14の格子状の凹凸状の模様16の表面に形成している。
【0151】
透過性基板46のソーラーセル12と対向する側の表面には、プリズム反射面である凹凸状の模様48が形成されている。透過性基板46は射出成形で成形するが、その時、プリズム反射面である凹凸状の模様48も、金型から転写して同時に成形する。
このプリズム反射面である凹凸状の模様48は、三角形のプリズム形状をなしており、サークル模様状または渦巻き模様状に形成する。
【0152】
三角形の角度は、凹部、凸部ともに、75〜100度の範囲内に形成している。また、高さhの値は、15〜100μm、ピッチpの値は、略150μm位に形成している。
この高さやピッチは、金型の加工が容易で、且つ目に見える程度の寸法に形成するのが好ましい。
この透過性基板46のプリズム反射面である、凹凸状の模様48で反射される光や、ソーラーセル12からの反射光で、プリズム反射面である凹凸状の模様48を透過する光は、プリズム反射面が、サークル状や渦巻き状に形成されているので、一様な方向への反射にならず、四方に分散・散乱した状態の反射光になって、反射型偏光板14を透過して外
に放射される。
【0153】
このようにこの実施例の表示板は、反射型偏光板14の反射光および透過性基板46のプリズム反射面である凹凸状の模様48の反射光と、光透過性着色層20との色とで、全体的に金属表示板と同様の金属感が現れるように仕上げられている。
また、視認側から反射型偏光板14の格子状の凹凸状の模様16が、はっきりと視認できる。さらに、この格子状の凹凸状の模様16は、下からの反射光を屈折させて散乱させる作用もある。
【0154】
透過性基板46のプリズム反射面である凹凸状の模様48と、反射型偏光板14との反射光により、格子状の凹凸状の模様16と金属表示板と同様の金属感が、明るく鮮明に視認される。
【0155】
この結果、金属表示板と同様の金属感を感じさせ、高級感のある表示板を得ることができる。また、ソーラーセル12からの反射光が少なくなること、プリズム反射面である凹凸状の模様48の作用で散乱が生じることなどによって、ソーラーセル12の濃紫色や十字線は、完全に消し去られて視認されることはない。
【0156】
なお、図示しないが、反射型偏光板14は、透過性基板46の下層または上層に配置することが可能であり、反射型偏光板14を、透過性基板46の下層に配置する場合は、透過性基板46を通した反射型偏光板の凹凸模様が視認でき、奥行きのある立体的な表現ができる。
【0157】
この場合、透過性基板46は、ポリカーボネイト、アクリル等の透明な樹脂材料、ガラス、サファイヤ、セラミックス等の無機材料、半透明カラー材料等、例えば、樹脂などから構成されるフィルムなどを用いることができ、鮮明な色彩を有する表示板を実現することができる。特に、ポリカーボネイト、アクリルを使用すると、耐光性をより向上させることが可能となる。さらに、拡散層、UV反射層、または、UV吸収層を形成したり、拡散剤、UV反射剤、または、UV吸収剤を含有させるとなお良い。
【0158】
また、反射型偏光板14を透過性基板46の上層に配置する場合は、前述の材料の他に、位相差板、光を透過する複数の小孔を有する金属板等を用い、凹凸模様を有する反射型偏光板との組み合わせより、金属色や明るさのある鮮明な色彩を有する表示板を実現することができる。
さらに、透過性基板46、反射型偏光板14の表面に光透過性着色層、拡散層を設けることにより、鮮明な色彩や高級感のある白さを有する表示板を得ることができる。また、透過性基板や反射型偏光板に着色剤や拡散剤を含有させることでも同様の効果が得られる。
【0159】
(実施例10)
図14は、本発明の実施例10の表示板を示す概略断面図、図15は、図14の表示板の光路図、図16は、第1、第2の反射型偏光板を示す斜視図である。
この実施例の表示板10は、基本的には、実施例1の表示板10とその構成は同様であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0160】
図14に示したように、この実施例の表示板は、ソーラーセル12と、このソーラーセル12の視認側に設ける第1、第2の反射型偏光板50、52と、第1の反射型偏光板50と第2の反射型偏光板52との間に配置される透過性基板46とを備えている。
また、第1の反射型偏光板50のストライプ状の凹凸状の模様16が形成されている、視認側の表面に、光透過性着色層20が設けられ、第2の反射型偏光板52のソーラーセ
ル12の対向する側の表面には、拡散層54が設けられている。
【0161】
また、透過性基板46は、表裏両面が平滑な平面となっており、第1、第2の反射型偏光板50、52、透過性基板46は、全面で互いに熱圧着されている。
この実施例の表示板の製造方法は、2枚の反射型偏光板基材の間に、透過性基板ブランク材を積層配置し、透過性基板ブランク材と2枚の反射型偏光板基材とを、熱圧着法によって圧着固定し一体化する。
【0162】
透過性基板ブランク材および反射型偏光板基材は、いずれも両面は、平滑な平面に仕上げられているものを用いた。
次に、一体化されている第1の反射型偏光板基材の表面に、ストライプ状の凹凸状の模様16を形成し、その後、表示板形状に打ち抜き、一体化された第1、第2の反射型偏光板50、52と、透過性基板46とを形成した。
【0163】
図14においては、第1の反射型偏光板50と、透過性基板46および第2の反射型偏光板52と、透過性基板46の熱圧着された熱圧着領域13を、分かり易くするために、交差する斜線を施して示してある。
【0164】
このように平滑な平面同士の場合は、接着剤や粘着剤を用いずに、熱圧着法によって圧着固定することができる。さらに、一体化された第2の反射型偏光板52を、ソーラーセル12と、互いの外周部で、粘着材または接着剤等の固定部材26で固定し、図14に示したように、この実施例の表示板を形成した。
【0165】
第1の反射型偏光板50の凹凸状の模様16の表面に設ける、光透過性着色層20は、白色顔料を樹脂に混ぜ合わせ印刷方法で形成している。白色顔料を用いている理由は、表示板に白色感を出すためで、膜厚を厚くすると白さは出るが、透過率が悪くなる。
【0166】
従って、約7〜10μm程度の薄い膜厚にして、これによる透過率が、約10%程度低下する位にしてある。
他の色を出したい場合は他の顔料を用いる。また、蒸着方法で非常に薄い金属膜を形成しても良く、求める色に応じて適宜選択するのが好ましい。
また、第2の反射型偏光板52の表面に設けた拡散層54は、粘着剤、接着剤、樹脂(透明インキ、透明塗料)等に、入射した光を拡散する機能を有する拡散剤を混入したもので、拡散剤の材料としては、粒状、粉末状、鱗片状、針状等のシリカ、ガラス、樹脂等を用いることができる。
【0167】
第1、第2の反射型偏光板50、52の材料としての反射型偏光板基材は、偏光性が異なる2種類のフィルムを交互に複数層積層した積層体が好ましく、この実施例においては、住友3M社製の商品名「DBEF」を用いており、実施例1と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0168】
この実施例においては、この反射型偏光板基材11の表面にストライプ状の凹凸状の模様16を形成し、その後表示板形状に打ち抜き、図14に示した第1の反射型偏光板50としたものである。なお、第2の反射型偏光板52については、模様が形成されていない点が異なるだけで他は同様である。
【0169】
また、第1、第2の反射型偏光板50、52は、それぞれ光反射軸と光透過容易軸とを備えているが、この実施例においては、図16に示したように、第1、第2の反射型偏光板50、52のそれぞれの光透過容易軸50a、52aおよび光反射軸50b、52bの方向が、互いに異なる方向となるように配置されている。
【0170】
この光透過容易軸50a、52aの交差角sの値を変化させることにより、第1、第2の反射型偏光板50、52の2枚の反射型偏光板を透過する光量を調整することができる。
また、この実施例においては、第1、第2の反射型偏光板50、52の光透過容易軸の交差角sの値を、約15度に設定した。
次に、第1、第2の反射型偏光板50、52の作用について、図15に基づいて説明する。
【0171】
第1の反射型偏光板50に入射した光P1のうち、第1の反射型偏光板50の光反射軸50bと平行な振動面を持つ直線偏光成分の光は、第1の反射型偏光板50から反射されて、反射光P2となって外に放射される。
第1の反射型偏光板50の光透過容易軸50aと平行な振動面を持つ直線偏光成分の光k1は、第1の反射型偏光板50を透過して、透過性基板46に入射する。
【0172】
透過性基板46に入射した光k1は、透過性基板46内で屈折して、透過性基板46を透過し、第2の反射型偏光板52に入射する。
第2の反射型偏光板52に入射した光k1のうち、第2の反射型偏光板52の光反射軸52bと平行な振動面を持つ直線偏光成分の光n1は、第2の反射型偏光板52から反射されて、透過性基板46、第1の反射型偏光板50を透過して、反射光P3となって外に放射される。
【0173】
第2の反射型偏光板52の光透過容易軸52aと平行な振動面を持つ、直線偏光成分の光m1は、第2の反射型偏光板52を透過して、ソーラーセル12に入射する。
この第2の反射型偏光板52の光透過容易軸52aは、前述のように、第1の反射型偏光板50の光透過容易軸と互いに異なるように配置され、ソーラーセル12に入射する光量が、所望の大きさとなるように調節されている。
【0174】
ソーラーセル12に入射した光は、そこで吸収される光と、そこから反射される光とに分けられる。ソーラーセル12から反射される光は、その中の第2の反射型偏光板52の光透過容易軸52aと平行な振動面を持つ、直線偏光成分の光m2が、第2の反射型偏光板52、透過性基板46、第1の反射型偏光板50を透過、屈折して、反射光P4となって外に放射される。
【0175】
一方、第2の反射型偏光板52の光反射軸52bと平行な振動面を持つ、直線偏光成分の光n2は、第2の反射型偏光板52から反射されて、反射光P5となって、ソーラーセル12側に戻ってくる。
これによって、第1の反射型偏光板50に入射した光で、ソーラーセル12から反射されて第1の反射型偏光板50に戻ってくる光の量は、非常に少なくなる。
【0176】
さらに、第1の反射型偏光板50の表面には、凹凸状の模様16が形成されているので、第1の反射型偏光板50の表面での反射光は、一様な方向への反射にならず、四方に分散・散乱した状態の反射光になって、外に放射される。
また、ソーラーセル12で反射し、第2の反射型偏光板52、透過性基板46を透過した反射光は、第2の反射型偏光板52のソーラーセル側の表面に拡散層54が形成されているので、一様な方向への反射にならず、四方に分散・散乱した状態の反射光になって、第1の反射型偏光板50に入射し、屈折されて外に放射される。
【0177】
このように、ソーラーセル12からの反射光が少なくなること、さらに、第1の反射型偏光板50の凹凸状の模様16、第2の反射型偏光板52の拡散層54の作用で散乱が生
じることによって、ソーラーセル12の十字線や濃紫色は、完全に消し去られて全く視認されなくなる。
このように、この実施例の表示板は、光透過性着色層20、拡散層54を設けることにより、ソーラーセル12の色を完全に消し去るとともに、白さが一層増し、白色感が強調され、ストライプ状の凹凸状の模様16を、鮮明に視認することができる。
【0178】
この結果、高級感のある表示板を得ることができる。また、ソーラーセルの十字線や濃紫色は、全く消し去られて視認されなくなる。
なお、この実施例においても、ソーラーセル12に供給する光量を簡単、かつ容易に調整することができ、製造コストを低減することができるとともに、表示板に形成する金属色および白色が、より強く現れるまでの調整が可能となる。
【0179】
(実施例11)
図17は、本発明の実施例11の表示板を示す概略断面図である。
この実施例の表示板10は、基本的には、実施例1の表示板10とその構成は同様であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例は、第1の反射型偏光板に、凹凸状の模様を形成するとともに、光透過性着色層を設けた実施例である。
【0180】
図17に示したように、この実施例の表示板は、ソーラーセル12と、このソーラーセル12の視認側に設ける透過性基板46と、ソーラーセル12と透過性基板46との間に配置される第1、第2の反射型偏光板50、52とを備えている。
第1の反射型偏光板50の透過性基板46と対向する側の表面に、ストライプ状の凹凸状の模様16を形成し、この凹凸状の模様16の表面に、光透過性着色層20を設けたものである。
【0181】
光透過性着色層20は、銅金属粉を透明なウレタン樹脂に混ぜ合わせてインク化し、印刷方法で、第1の反射型偏光板50のストライプ状の凹凸状の模様16の表面に形成している。
また、透過性基板46、第1、第2の反射型偏光板50、52、ソーラーセル12は、固定部材を使用せずに積層配置し、時計用の中枠等で保持されている。また、第1、第2の反射型偏光板50、52の光透過容易軸の交差角sの値は、約15度に設定した。
【0182】
このように、この実施例の表示板は、第1の反射型偏光板50の反射光および第2の反射型偏光板52の反射光と、光透過性着色層20との色とで、全体的に金属表示板と同様の金属感が現れるように仕上げられている。
また、反射光により、ストライプ状の凹凸状の模様16と、金属表示板と同様の金属感が明るく鮮明に視認される。さらに、第1の反射型偏光板50のストライプ状の凹凸状の模様16が、透過性基板46の透明層を通して視認されることにより、塗装風で、奥行きのある立体的な表現ができる。
【0183】
この結果、金属表示板と同様の金属感を感じさせ、高級感のある表示板を得ることができる。また、ソーラーセル12からの反射光が少なくなることにより、ソーラーセル12の濃紫色や十字線は完全に消し去られて、視認されることはない。
【0184】
(実施例12)
図18は、本発明の実施例12の表示板を示す概略断面図である。
この実施例の表示板10は、基本的には、図17に示した実施例11の表示板10とその構成は同様であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例は、図17に示した実施例11の表示板10の透過性基板46の上面、すなわち、視認側の表面に、凹凸状の模様58を形成した実施例である。
【0185】
このように、この実施例の表示板は、第1の反射型偏光板50の反射光および第2の反射型偏光板52の反射光と、光透過性着色層20との色とで、全体的に金属表示板と同様の金属感が現れるように仕上げられている。
また、反射光により、第1の反射型偏光板50のストライプ状の凹凸状の模様16と、透過性基板46の上面の凹凸状の模様58とが重なり、斬新な模様となるとともに、金属表示板と同様の金属感が明るく鮮明に視認される。
さらに、第1の反射型偏光板50のストライプ状の凹凸状の模様16、透過性基板46の上面の凹凸状の模様58が、透過性基板46の透明層を通して視認されることにより、塗装風で、奥行きのある立体的な表現ができる。
【0186】
この結果、金属表示板と同様の金属感を感じさせ、高級感のある表示板を得ることができる。また、ソーラーセル12からの反射光が少なくなることにより、ソーラーセル12の濃紫色や十字線は完全に消し去られて、視認されることはない。
なお、この場合、第1の反射型偏光板50のストライプ状の凹凸状の模様16と、透過性基板46の上面の凹凸状の模様58とは、同じ模様とすることも異なる模様とすることも、部分的に異なる模様と同じ模様とするなど適宜模様の形状、配置位置を変更することもできる。
なお、この実施例では、透過性基板46の視認側の表面に、凹凸状の模様58を形成したが、透過性基板46の視認側の表面、透過性基板46のソーラセル12側の表面のうち少なくとも一方の表面に凹凸状の模様58を形成すればよい。
【0187】
なお、上記の各実施例において、透過性基板の一方の表面に凹凸状の模様を設けた実施例で説明したが、表裏いずれの表面に凹凸状の模様を設けても良く、また両表面に設けても良い。
【0188】
また、各実施例において、光透過性着色層または拡散層を、反射型偏光板または透過性基板の一方の表面に設けた実施例で説明したが、表裏いずれの表面に凹凸状の模様を設けても良く、また両表面に設けても良い。
【0189】
また、透過性基板に、着色剤、拡散剤の内少なくとも一つを含有させても良く、光透過性着色層や拡散層を設けたものと同様の効果があることは言うまでもない。
また、各実施例においては、透過性基板を一つ用いた実施例で説明したが、これに限定されるものではなく、複数の透過性基板を用いることもできる。
【0190】
また、各実施例において同じ種類の反射型偏光板を、2枚用いた実施例で説明したが、これに限定されるものではなく、3枚以上の複数の反射型偏光板を用いることもできる。また、複数の異なる種類の反射型偏光板を組み合わせて用いることも可能である。
さらに、上記実施例では、被覆層から表示板基体の表面にわたって、凹凸状の模様を形成した模様表面としたが、被覆層の厚さおよび加工条件(温度、圧力)によっては、被覆層のみに模様表面を形成するようにしてもよい。
【0191】
以上の実施例で説明した表示板は、例えば、図19、図20で示したような無線機能付き時計に適用することが可能である。
図20に示したように、時計ケース153は、複数の部品に分割されており、この実施例では、時計ケース胴体151と、導電性の見返しリング165とに分割されている。
なお、図20において、符号174は、裏蓋154と時計ケース胴体151との間を、密封状態で封止するための防水パッキンである。
【0192】
本発明の表示板は、このようなソーラーセル駆動の無線機能付き時計において、表示板(文字板)として用いた場合に、特に、デザインバリエーションの拡大を図ることができる。
すなわち、本発明の表示板は、上記のようにソーラーセル駆動の無線機能付き時計などに用いた場合に、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにすることができる。
【0193】
しかも、本発明の表示板を構成する反射型偏光板、透過性基板などが、例えば、透明なポリカーボネイト樹脂やアクリル樹脂などの非導電性材料から構成されるので、電波受信を阻害することがなく、アンテナ159の受信性能を高く維持することができ、無線機能付き時計としての機能を確保することができる。
なお、上記の無線機能付き時計では、見返しリング165を有するタイプの無線機能付き時計について説明したが、見返しリング165を有しないタイプの無線機能付き時計にも適用できる。
【0194】
また、ソーラーセル157を有しない通常の腕時計にも、また、無線機能を有しない、ソーラーセルを有するソーラー駆動タイプの腕時計にも適用することができる。
上述した実施例では、時刻情報を含む長波標準電波(搬送波)を受信し、その時刻情報に基づいて時刻を修正する無線機能を備えた電波時計について説明したが、本発明の表示板を適用する無線機能付き時計の構造は、パソコン通信機能、携帯電話機能や非接触式ICカード機能などの無線機能を備える時計にも適用され得る。
【0195】
さらに、本発明は、上記表示板を、例えば、時計用の表示板、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の表示板として用いた機器類に適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0196】
本発明は、本発明の表示板を、例えば、時計用の表示板、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の表示板として用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】図1は実施例1の表示板を示しており、図1(a)は、平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。
【図2】図2は、反射型偏光板を示す斜視図である。
【図3】図3は表示板の光路図である。
【図4】図4は、表示板の製造工程を示す概略断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施例2の表示板の断面図である。
【図6】図6は、本発明の表示板の別の実施例の製造工程を示す工程概略図である。
【図7】図7は、本発明の表示板の別の実施例の製造工程を示す工程概略図である。
【図8】図8は、本発明の表示板の別の実施例の製造工程を示す工程概略図である。
【図9】図9は、本発明の表示板の別の実施例の製造工程を示す工程概略図である。
【図10】図10は、本発明の表示板の別の実施例の製造工程を示す工程概略図である。
【図11】図11は、本発明の実施例8の表示板の断面図である。
【図12】図12は、本発明の実施例8の第1、第2の反射型偏光板を示す斜視図である。
【図13】図13は、本発明の実施例9の表示板の断面図である。
【図14】図14は、本発明の実施例10の表示板を示す概略断面図である。
【図15】図15は、図14の表示板の光路図である。
【図16】図16は、第1、第2の反射型偏光板を示す斜視図である。
【図17】図17は、本発明の実施例11の表示板を示す概略断面図である。
【図18】図18は、本発明の実施例12の表示板を示す概略断面図である。
【図19】図19は、本発明の表示板を無線機能付き時計に適用した分解斜視図である。
【図20】図20は、図19の無線機能付き時計を組み立てた状態のA−A線の部分断面図である。
【図21】図21は、一般的なソーラーセルを示す図である。
【図22】図22は、従来技術の表示板を示す概略断面図である。
【図23】図23は、従来技術の反射型偏光体を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0198】
10 表示板
11 反射型偏光板基材
12 ソーラーセル
13 熱圧着領域
14 反射型偏光板
14a 表面
16 模様
18 模様
20 光透過性着色層
22 模様
22a 模様
22b 模様
24 時字
26 固定部材
26a 固定部材
26b 固定部材
28 転写模様
28a 転写模様
28b 転写模様
32 模様
34 模様
34a 模様
34b 模様
36 模様
38 模様
40 反射型偏光板
40a 光透過容易軸
42 反射型偏光板
44 拡散層
46 透過性基板
48 模様
50 反射型偏光板
50a 光透過容易軸
50b 光反射軸
52 反射型偏光板
52a 光透過容易軸
52b 光反射軸
54 拡散層
56 光透過性着色層
58 模様
100 ソーラー時計用文字板
101 基材
102 拡散層
103 偏光体
103 反射型偏光体
109 太陽電池
131 偏光性フイルム層(A層)
132 偏光性フイルム層(B層)
151 時計ケース胴体
153 時計ケース
154 裏蓋
157 ソーラーセル
159 アンテナ
165 リング
174 防水パッキン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視認側に設けられる表示板基体を備えた表示板であって、
前記表示板基体の少なくとも一方の表面が、前記表面に被覆層を施した後、凹凸状の模様を形成した模様表面を有することを特徴とする表示板。
【請求項2】
前記模様表面が、表示板基体の全面に、または、表示板基体の一部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示板。
【請求項3】
前記模様表面が、表示板基体の少なくとも一方の表面に被覆層を施した後、被覆層から表示板基体の表面にわたって、凹凸状の模様を形成した模様表面であることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の表示板。
【請求項4】
前記模様表面が、少なくとも一方の表面に予め模様を形成した表示板基体の表面に被覆層を施した後、凹凸状の模様を形成した模様表面であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の表示板。
【請求項5】
前記模様表面が、表示板基体の表面に予め形成した模様と同じ模様、または、表示板基体の表面に予め形成した模様と異なる模様から形成されていることを特徴とする請求項4に記載の表示板。
【請求項6】
前記模様表面が、表示板基体の表面に予め形成した模様と同じ模様の部分と異なる模様の部分とから形成されていることを特徴とする請求項4に記載の表示板。
【請求項7】
前記被覆層が、金属被覆層、金属酸化物被覆層、金属窒化物被覆層、樹脂被覆層から選択した1種以上の被覆層から形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の表示板。
【請求項8】
前記金属被覆層が、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタンから選択した1種以上の金属、または、これらの金属から選択した2種以上の金属の合金から形成されていることを特徴とする請求項7に記載の表示板。
【請求項9】
前記金属酸化物被覆層が、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、ニオブ酸化物酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、酸化シリコン、酸化アルミニウムから選択した少なくとも1種の金属酸化物から形成されていることを特徴とする請求項7に記載の表示板。
【請求項10】
前記金属窒化物被覆層が、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ジルコニウムから選択した少なくとも1種の金属窒化物から形成されていることを特徴とする請求項7に記載の表示板。
【請求項11】
前記樹脂被覆層が、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂からから選択した少なくとも1種の樹脂から形成されていることを特徴とする請求項7に記載の表示板。
【請求項12】
前記樹脂被覆層が、印刷、スピンコート、塗装、または、ラミネート樹脂フィルムにより形成されていることを特徴とする請求項7に記載の表示板。
【請求項13】
前記表示板基体の少なくとも一方の表面側に透過性基板を備えることを特徴とする請求
項1から12のいずれかに記載の表示板。
【請求項14】
前記透過性基板の少なくとも一方の表面側に、凹凸部を有することを特徴とする請求項13に記載の表示板。
【請求項15】
前記凹凸部が、プリズム形状であることを特徴とする請求項14に記載の表示板。
【請求項16】
前記表示板基体が、少なくとも1個の反射型偏光板を有し、
前記反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、凹凸状の模様を有することを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の表示板。
【請求項17】
前記表示板基体が、複数の反射型偏光板を有し、
前記複数の反射型偏光板のうち、最も視認側に配置されている反射型偏光板の少なくとも一方の表面に、凹凸状の模様を有することを特徴とする請求項16に記載の表示板。
【請求項18】
前記複数の反射型偏光板が、それぞれの光透過容易軸の方向が互いに異なる方向となるように配置されていることを特徴とする請求項17に記載の表示板。
【請求項19】
前記反射型偏光板が、少なくとも一方の表面に、被覆層として、光透過性着色層、拡散層、UV反射層、または、UV吸収層を有することを特徴とする請求項16から18のいずれかに記載の表示板。
【請求項20】
前記透過性基板が、視認側と反対側に配置されていることを特徴とする請求項18から19のいずれかに記載の表示板。
【請求項21】
前記透過性基板が、視認側に配置されていることを特徴とする請求項18から19のいずれかに記載の表示板。
【請求項22】
前記透過性基板が、少なくとも一方の表面に光透過性着色層、拡散層、UV反射層、または、UV吸収層を有することを特徴とする請求項18から21のいずれかに記載の表示板。
【請求項23】
前記透過性基板が、着色剤、拡散剤、UV反射剤、または、UV吸収剤の内少なくとも一つを含有することを特徴とする請求項18から22のいずれかに記載の表示板。
【請求項24】
前記透過性基板が、透明樹脂材料板、半透明カラー材料板、位相差板、複数の透過孔を有する金属板から選択した少なくとも1つの透過性基板から構成されていることを特徴とする請求項18から23のいずれかに記載の表示板。
【請求項25】
請求項1から24のいずれかに記載の表示板の下面側にソーラー発電装置を備えることを特徴とする機器類。
【請求項26】
前記表示板の下面側にアンテナを備えることを特徴とする請求項25に記載の機器類。
【請求項27】
前記機器類が、時計であることを特徴とする請求項25から26のいずれかに記載の機器類。
【請求項28】
視認側に設けられる表示板基体を備えた表示板の製造方法であって、
前記表示板基体の少なくとも一方の表面に被覆層を形成する被覆層形成工程と、
前記被覆層が形成された表面に、被覆層から表示板基体の表面にわたって、凹凸状の模
様を施して、模様表面を形成する模様形成工程と、
を含むことを特徴とする表示板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−186813(P2009−186813A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−27651(P2008−27651)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(000124362)シチズンセイミツ株式会社 (120)
【出願人】(307023373)シチズン時計株式会社 (227)