説明

表示板

【課題】平滑に研磨された表示板の表面を直視することで、従来にない深みのある高級な質感や、金属表示板と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有する表示板を提供する。
【解決手段】光透過性を有する光透過性基板と、光透過性基板の視認側に形成された有色樹脂層と、有色樹脂層の視認側に形成された透明樹脂層とを備え、透明樹脂層が、平滑処理によって、平滑化された平滑面を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計用文字板、時計用見切板、計器用文字板等を含む表示板に関し、特に下面側にソーラーセルを備える表示板に関する。
また、本発明は、このような表示板を、例えば、時計用の表示板、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の表示板として用いた機器類に関する。
【背景技術】
【0002】
ソーラーセル(太陽電池)を備えた表示板は、受光した光を透過させて、その下面側に配設したソーラーセルに発電機能を起こさせるために光透過性が要求される。このため、プラスチック、セラミック、ガラス等の透光性材料が使われる。特に、プラスチックは安価であること、成形や加工などが容易であること等から非常に多く使われている。
【0003】
図11は、一般的なソーラーセルを示す平面図である。
なお、本明細書において、「上面側」、「上層側」とは、視認側に配置される側であり、「下面側」、「下層側」とは、視認側と反対側、例えば、ソーラーセル、アンテナ、ムーブメントなどが配置される側を言う。
【0004】
図11に示したように、一般的なソーラーセルは4等分に分割された4面(A1、A2、A3、A4)に設けられていて、表示板の下面に配設される。そして、表示板を透過した透過光が4面(A1、A2、A3、A4)のそれぞれに均一量入射するのが最も発電効率を高める。このため、このソーラーセルの上面側に配設される表示板は、ソーラーセルの4面(A1、A2、A3、A4)に対応する部分、すなわち、12−6時ラインと9−3時ラインで4等分割した4面がそれぞれ均一量の光を透過するよう設計することが必要とされている。
【0005】
しかしながら、表示板の下面側に配設されるソーラーセルは、独特の濃紫色を示し、さらに、4等分割したところの十字線が材質の違いなどから非常に目立って見える。このために美観的にも良い感じを与えないので、この濃紫色を和らげたり、または、見えないようにするために、従来から表示板に様々の工夫が行われてきた。
【0006】
また、このような表示板では、高級感のある装飾性が求められており、従来、表示板の装飾は、光透過性基板の上面側または下面側に、印刷、塗装、乾式メッキを施し、高級感を出す様々な工夫が行なわれている。この場合、使用される顔料も、高級感を出すために、例えば、パール顔料、蛍光顔料、メタリック顔料などさまざまな材料が使用されている。
【0007】
しかしながら、光透過性基板の、上面側に、印刷または塗装で樹脂層を設けただけでは、平滑感がなく、いわゆる「ゆず肌」のように微小な凹凸が形成され、美観が低下して、高級感に欠け、また、光沢感も乏しく、高級感に欠けることになる。
【0008】
このため、例えば、図12に示したように、表示板100として、光透過性を有する光透過性基板102の下面側に、有色樹脂層104を形成したものが提案されている。
また、特許文献1(特開2008−164366号公報)では、黒色よりも高級感が感じられる白色または淡い色の色調で、艶や深みのある色調を実現することができるソーラー時計用文字板が提案されている。
【0009】
この特許文献1に記載の表示板200は、図13に示したように、ポリカーボネートなどの光透過性を有する光透過性基板202を備えており、この光透過性基板202の表面に、光を拡散可能な溝部204を形成している。
【0010】
そして、この溝部204の上面側に、低温熱硬化性の塗料を用いて、膜厚が20μm以上の光透過性を有し、透明もしくは淡く着色した塗膜206を形成し、さらに、この塗膜206の上面側に、鏡面研磨加工によって平滑面208を形成している。
【0011】
さらに、また、光透過性基板202の下面側には、光透過性基板202の色相と光透過率を調整するための塗装膜210が形成されている。
この特許文献1の表示板200によれば、光透過性基板202のぎらつき感を和らげる
ことができるとともに、しっとりとした艶や深みのある色を得ることができるものである。
【0012】
また、特許文献1の表示板200では、光透過性基板202の表面に形成された表面模様が視認されるものであり、塗膜206の膜厚が大きい方が良いと記載されている。
さらに、特許文献2(特開2003−66162号公報)では、図15に示したように、深みを持った凹凸模様を出現させて高級感を感じさせる立体的模様層を有する表示板300が提案されている。
【0013】
この表示板300は、ポリカーボネートなどの光透過性を有する光透過性基板302を備えており、この光透過性基板302の表面に、例えば、ピアジェカット模様などの模様状の凹凸部304が形成されている。
【0014】
そして、この光透過性基板302の模様状の凹凸部304の上面側に、この凹凸部304を覆うように、例えば、フッ化マグネシウムを蒸着して形成した透明被膜からなる中間層306が形成されている。
【0015】
さらに、この中間層306の表面を覆うように、アクリル樹脂からなるクリヤー塗装などからなる透明保護層308が形成されている。そして、この透明保護層308の上面側には、例えば、ポリッシング処理などの平滑処理によって、平滑面310が形成されている。
【0016】
このような構成を有する特許文献2の表示板300では、光透過性基板302の模様状の凹凸部304の模様が鮮明に視認されるようになっている。
【特許文献1】特開2008−164366号公報
【特許文献2】特開2003−66162号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、図12に示したような、従来の表示板100では、図16に示したように、光透過性基板102の上面側に、例えば、時字などの装飾部材106を形成する。このとき、光透過性基板102を通して、下面側に存在する有色樹脂層104に投影されて装飾部材の影108ができてしまい、この影108を視認することになる。つまり、光透過性基板102を通して影を見ているにもかかわらず、光透過性基板102があたかも厚みのある樹脂層のように見えてしまい、高級感に欠けることになる。
【0018】
これに対して、本発明の表示板10では、図21に示したように、光透過性基板12の上面側に、例えば、時字などの装飾部材11を形成した場合にも、装飾部材11の影13が、下面側に存在する有色樹脂層14に投影されても、この影13が視認されにくく、高
級感に欠けることもない。
【0019】
また、従来の表示板100では、光透過性基板102の下面側に有色樹脂層104が位置することになるが、光透過性基板102を介すことで、表示板100の視認側において光の反射率が低下して、表示板100の白さ、明るさが低下することになり、やはり高級感に欠けることになる。
【0020】
このため本研究者等が鋭意研究した結果、本発明の表示板10と従来の表示板100では図18の波長-反射率のグラフに示したように、本発明の表示板10(実線)は従来の
表示板100(点線)に比較して反射率が約10%も大きくなっている。
【0021】
なお、この場合の「反射率」とは一般的に示される反射率を言う。
すなわち、図17の波長−透過率(光透過率)のグラフに示したように、光透過率において、本発明の表示板10と従来の表示板100とほとんど差がなく、ソーラーセル用の表示板としてもその機能が低下することがない。なお、この場合の、「光透過率」とは、表示板を配置しない場合のソーラーセルの起電流を100%とした場合、ソーラーセルの上面側に表示板を配置した場合のソーラーセルの起電流が何%かを示すものである。
光透過率=(ソーラーセルの上面側に表示板を配置した場合の起電力)/(ソーラーセル
の上面側に表示板を配置しない場合起電力)×100
【0022】
このように本発明の表示板10と従来の表示板100とでは、光透過率にほとんど差がないにもかかわらず、図18の波長−反射率のグラフに示したように、本発明の表示板10(実線)は、従来の表示板100(点線)に比較して、反射率が、約10%も大きくなっている。
【0023】
そのため、光透過率の関係だけでも、本発明の表示板10は、従来の表示板100と比較して、同じ光透過率であればより白い表示板とすることができる。
また、本発明の表示板10は、従来の表示板100と比較して、図18の矢印Aで示したように、短波長領域における反射率が高くなっているため、視覚的に青白く見えることになる。
【0024】
これは、図19の波長−透過率のグラフに示したように、光透過性基板を構成する、例えば、ポリカーボネートの可視光領域での吸収が、短波長ほど大きいことに起因すると考えられる。
また、図14から明らかなように、本発明の表示板10において、透明樹脂層16の膜厚を薄くしていくと、反射率を大きくすることができることがわかる。
【0025】
さらに、図20の波長−反射率(鏡面反射率)のグラフに示したように、従来の表示板100(点線)では、本発明の表示板10(実線)と比較して、鏡面反射の割合が約1%大きくなっており、この鏡面反射の割合が増えることによって、図16に示したように、視認側に時字などの装飾部材106が存在するように見えてしまい、しかも、鏡面反射の増加で相対的に拡散反射が低下して、白さも低減する。
【0026】
従って、本発明は、このような比較実験結果から、鋭意研究して、反射率が大きく、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有する表示板10を提供したものである。
【0027】
一方、特許文献1の表示板200では、光透過性基板202の表面に、光を拡散可能な溝部204を形成する必要があるので、加工が複雑でコストが高くなるとともに、溝加工の際に、光透過性基板202に、特に、光透過性基板202の下面に、意図しない傷がつ
くことがあり、外観不良となるおそれがある。
【0028】
また、この特許文献1の表示板200では、塗膜206の膜厚を管理するのが難しく、
塗膜206の膜厚が薄すぎた場合には、この塗膜206の上面側に、鏡面研磨加工によって平滑面208を形成する際に、誤って光透過性基板202の上面が傷がつくことがあり、外観不良となるおそれがある。
【0029】
さらに、特許文献1の表示板200では、着色した塗膜206を、膜厚が20μm以上
とすることにより、塗膜206の厚さの制御で、塗膜206の色むらを防止し、塗膜206を鏡面研磨加工することによって、光透過率を制御するものであるが、この塗膜206の厚さの管理による色むら、光透過率の制御は極めて困難である。
【0030】
さらに、この特許文献1の表示板200では、光透過性基板202の下面側に、光透過
性基板202の色相と光透過率を調整するための塗装膜210を設けなければならず、加工が複雑でコストが高くつくことになる。
【0031】
さらに、特許文献1の表示板200では、着色した塗膜206に、特許文献2の表示板
300では、中間層306に、いずれもいわゆるゆず肌のような塗装のシワが生じてこれが、視認されることになり、美観上も外観品質も低下することになる。
【0032】
また、特許文献1の表示板200では、光透過性基板202において、特許文献2の表
示板300では、光透過性基板302において、いずれも、加工の際の基板の傷が、また、耐薬品性が弱いので、例えば、基板としてポリカーボネート樹脂を使用した場合、薬品による基板の損傷が、視認されることになり、美観上も外観品質も低下することになる。
【0033】
本発明は、このような現状に鑑み、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにするとともに、装飾性に優れた表示板を提供することを目的とする。
【0034】
また、本発明は、平滑に研磨された表示板の表面を直視することで、従来にない深みのある高級な質感や、金属表示板と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有する表示板を提供するとともに、表示板のデザインバリエーションの向上と薄型化を実現することを目的とする。
【0035】
また、本発明は、光透過性基板が、プラスチックのような軟らかい材料で、光透過性基板の製造工程で傷が入っても、また、薬品による基板の損傷が発生したとしても、これらの傷が見えなくなり、美観上も外観品質も向上し、しかも、歩留まりが向上し、安価な製品を提供できる表示板を提供することを目的とする。
【0036】
さらに、本発明は、有色樹脂層を設けても、いわゆるゆず肌のような塗装のシワが生じても、これが、視認されることがなく、美観上も外観品質も低下することがない表示板を提供することを目的とする。
【0037】
また、本発明は、光透過性基板の上面側に、例えば、時字などの装飾部材を形成した場合にも、装飾部材の影が視認されにくく、プラスチック表示板の質感が消えて、高級感に欠けることもない表示板を提供することを目的とする。
【0038】
さらに、本発明は、このような表示板を、例えば、時計用の表示板、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の表示板として用いた機器類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0039】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の表示板は、
光透過性を有する光透過性基板と、
前記光透過性基板の視認側に形成された有色樹脂層と、
前記有色樹脂層の視認側に形成された透明樹脂層とを備え、
前記透明樹脂層が、平滑処理によって、平滑化された平滑面を有することを特徴とする。
【0040】
このように構成することによって、平滑に研磨された表示板の表面を直視することによって、透明樹脂層を介して、光透過性基板の視認側に形成された有色樹脂層による反射光を視認することになるので、従来にない深みのある高級な質感や、金属表示板と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有する表示板を提供することができる。
【0041】
しかも、有色樹脂層によって、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給でき、構造的にも、ソーラーセルの上面から、有色樹脂層の下面までの距離が離間しているので、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにすることができる。
【0042】
また、光透過性基板が、プラスチックのような軟らかい材料であっても、光透過性基板の製造工程で傷が入っても、また、薬品による基板の損傷が発生したとしても、これらの傷が見えなくなり、美観上も外観品質も向上し、しかも、歩留まりが向上し、安価な製品を提供できる。
【0043】
さらに、有色樹脂層を設けても、いわゆるゆず肌のような塗装のシワが生じても、これが、視認されることがなく、美観上も外観品質も低下することがない。
また、光透過性基板の上面側に、例えば、時字などの装飾部材を形成した場合にも、装飾部材の影が視認されにくく、プラスチック表示板の質感が消えて、高級感に欠けることもない。
【0044】
さらに、平滑処理によって、透明樹脂層を平滑化して平滑面を形成する際にも、有色樹脂層が存在することになるので、平滑処理によって、光透過性基板が傷つくことなく、一定の外観品質を保持することができる。
【0045】
また、本発明の表示板は、
光透過性を有する光透過性基板と、
前記光透過性基板の視認側に形成された有色樹脂層と、
前記有色樹脂層の視認側に形成された透明樹脂層とを備え、
前記透明樹脂層が、平滑処理によって、平滑化された平滑面を有し、
前記光透過性基板の光反射率が、1〜50%の光反射率であり、
前記有色樹脂層の光透過率が、1〜50%の光透過率であることを特徴とする。
【0046】
このように光透過性基板の光反射率が、1〜50%の光反射率で、比較的小さい光反射率で、しかも、有色樹脂層の光透過率が、1〜50%の光透過率で、比較的小さい光透過率であれば、有色樹脂層の光の吸収と反射によって、光透過性基板の上記のような傷が見えなくなり、美観上も外観品質も向上することになる。
【0047】
なお、本明細書において、「光反射率」とは、ソーラーセルの発電に寄与する波長域の光反射率を言い、「光透過率」とは、ソーラーセルの発電に寄与する波長域の光透過率を
言う。
【0048】
また、本発明の表示板は、
前記光透過性基板の光反射率が、1〜50%の光反射率であり、
前記有色樹脂層の光透過率が、1〜80%の光透過率であり、
前記有色樹脂層が、光拡散性を有する顔料を含むことを特徴とする。
【0049】
このように構成することによって、有色樹脂層が、光拡散性を有する顔料を含むことによって、有色樹脂層の光透過率が、1〜80%の光透過率と、より高い有色樹脂層の光透過率を有する材料で形成したとしても、透過性基板の上記のような傷が見えなくなり、美観上も外観品質も向上することになる。
【0050】
また、本発明の表示板は、前記平滑処理が、スピンコート処理、ロールコート処理、研磨処理から選択した少なくとも1つの平滑処理であることを特徴とする。
このような平滑処理によって、美観上も外観品質も向上することになる。
【0051】
なお、本明細書において、「研磨処理」とは、例えば、ラッピング処理、ポリッシング処理などの鏡面処理を行うための手段を含む意味である。
また、本発明の表示板は、
前記光透過性基板の屈折率をNa、前記有色樹脂層の屈折率をNb、前記透明樹脂層の屈折率をNcである場合に、
【0052】
【数5】

の条件を満たしていることを特徴とする。
このように構成することによって、光透過性基板と、有色樹脂層と、透明樹脂層との間の界面での屈折率が、上記のように小さい範囲であれば、透過性基板の上記のような傷、有色樹脂層のいわゆるゆず肌のような塗装のシワが視認されにくくなり、美観上も外観品質も向上することになる。
【0053】
また、本発明の表示板は、前記光透過性基板において、鏡面反射率より拡散反射率の方が大きいことを特徴とする。
このように構成することによって、鏡面反射率が大きいと、透過性基板の上記のような傷が見えやすくなるが、このように、拡散反射率が大きくなると、拡散反射の光によって、このような傷が視認されにくくなり、美観上も外観品質も向上することになる。
【0054】
また、本発明の表示板は、前記有色樹脂層の厚さと、透明樹脂層の厚さとの比が、1:200〜50:1であることを特徴とする。
このような範囲に有色樹脂層の厚さと、透明樹脂層の厚さとの比があれば、透明樹脂層を平滑化して平滑面を形成する際にも、透明樹脂層が残存するとともに、有色樹脂層が存在することになるので、平滑処理によって、光透過性基板が傷つくことなく、一定の外観品質を保持することができる。
【0055】
また、本発明の表示板は、前記有色樹脂層の厚さが、1〜50μmの範囲で、前記透明樹脂層の厚さが、1〜200μmの範囲であることを特徴とする。
このような範囲に、有色樹脂層の厚さと透明樹脂層の厚さがあれば、透明樹脂層を平滑化して平滑面を形成する際にも、透明樹脂層が残存するとともに、有色樹脂層が傷つくことがなく、一定の外観品質を保持することができる。
【0056】
また、本発明の表示板は、
前記有色樹脂層の色が、JIS Z 8729で規定されるL*a*b*表色系において、下記の条件式、すなわち、
【0057】
【数6】

【0058】
【数7】

【0059】
【数8】

のいずれかの条件式を満たすことを特徴とする。
このような範囲に、有色樹脂層の色があれば、従来にない深みのある高級な質感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有する表示板を提供することができる。
【0060】
また、本発明の表示板は、前記有色樹脂層の平均反射率が、40%以上で、且つ、400nm〜800nmの各波長に対する反射率の最大値と最小値の差が30%以下(Rmax
一Rmin≦30%)であることを特徴とする。
【0061】
このように構成することによって、反射率の最大値と最小値の差がこのような範囲にあれば、可視光領域においてピークが存在しないので、色がついていなく且つ明るい白色系の高級感のある外観品質を有する表示板を提供することができる。
【0062】
また、本発明の表示板は、前記透明樹脂層が、複数の積層透明樹脂層を積層した透明樹脂層から構成されていることを特徴とする。
このように透明樹脂層が、複数の積層透明樹脂層を積層した透明樹脂層から構成されているので、これらの、複数の積層透明樹脂層によって、透明樹脂層を平滑化して平滑面を形成する際にも、透明樹脂層が残存するとともに、有色樹脂層が傷つくことがなく、一定の外観品質を保持することができる。
【0063】
また、本発明の表示板は、前記透明樹脂層が、上層側の積層透明樹脂層の硬度が、下層側の積層透明樹脂層の硬度よりも大きいことを特徴とする。
このように透明樹脂層が、上層側の積層透明樹脂層の硬度が、下層側の積層透明樹脂層の硬度よりも大きいので、透明樹脂層を平滑化して平滑面を形成する平滑処理がし易く、この平滑処理の際にも、下層側の透明樹脂層が残存するのでに、有色樹脂層が傷つくことがなく、一定の外観品質を保持することができる。
【0064】
また、本発明の表示板は、前記光透過性基板の厚さと、有色樹脂層と透明樹脂層を合わせた厚さとの比が、150:1〜2:15であることを特徴とする。
このような範囲に、光透過性基板の厚さと、有色樹脂層と透明樹脂層を合わせた厚さとの比があれば、透明樹脂層を平滑化して平滑面を形成する際にも、光透過性基板の剛性によって、平滑処理の際にも取り扱いが容易であり、平滑処理の際にも、この透明樹脂層が残存するとともに、有色樹脂層が傷つくことがなく、一定の外観品質を保持することができる。
【0065】
また、本発明の表示板は、前記有色樹脂層が、複数の積層有色樹脂層を積層した有色樹脂層から構成されていることを特徴とする。
このように有色樹脂層が、複数の積層有色樹脂層を積層した有色樹脂層から構成されて
いるので、これらの複数の積層有色樹脂層が重なって、デザインのバリエーションが拡大され、従来にない深みのある高級な質感や、金属表示板と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有する表示板を提供することができる。
【0066】
また、本発明の表示板は、前記積層有色樹脂層の少なくとも一つが、模様を形成するように設けられていることを特徴とする。
このように構成することによって、積層有色樹脂層の模様によって、模様が浮き出たようになって、デザインのバリエーションが拡大され、従来にない深みのある高級な質感や、金属表示板と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有する表示板を提供することができる。
【0067】
また、本発明の表示板は、前記光透過性基板が、着色剤、拡散剤のうち、少なくとも一つを含有することを特徴とする。
このように光透過性基板が、着色剤、拡散剤のうち、少なくとも一つを含有するので、着色剤、拡散剤によって、色のバリエーションの拡大が図れることになり、また、拡散剤によって表示板の白さ、明るさが向上して、デザインのバリエーションが拡大され、従来にない深みのある高級な質感や、金属表示板と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有する表示板を提供することができる。
【0068】
また、光透過性基板が、着色剤、拡散剤のうち、少なくとも一つを含有するので、その分、有色樹脂層の厚さを薄くできるので、表示板全体の厚さを薄くすることができ、コンパクトな表示板を提供することができる。
【0069】
また、本発明の表示板は、前記平滑面の少なくとも一部に、艶消し部を形成したことを特徴とする。
このように、例えば、シリカなどの粒子を含有したインキによる艶消し印刷、表面粗面化処理によるマット処理などによって、平滑面の少なくとも一部に、艶消し部を形成することによって、デザインのバリエーションの拡大を図れることができる。
【0070】
また、本発明の表示板は、前記平滑面の少なくとも一部に、模様を形成したことを特徴とする。
このように、平滑面の少なくとも一部に、模様を形成することによって、デザインのバリエーションの拡大を図れることができる。
【0071】
この場合、平滑面に模様を形成する方法としては、例えば、平滑面の上面に水溶性フォトレジストをコーティングし、その後プレベーキングをしてレジスト膜を形成し、レジスト膜上に所定のパターンを有するポジフィルム、または、ネガフィルムを重ねて露光をし、現像、バーニングをすることによりレジストパターンを形成し、反応性スパッタリングを行うことにより、平滑面にパターンを形成し、レジスト膜を剥離液で剥離することによって形成することができる。
【0072】
また、本発明の表示板は、前記表示板の視認側と反対側にソーラーセルを備えることを特徴とする。
また、本発明の表示板は、前記ソーラーセルの上面から、有色樹脂層の下面までの距離が、100〜2000μmの範囲であることを特徴とする。
【0073】
このように構成することによって、構造的にも、ソーラーセルの上面から、有色樹脂層の下面までの距離が離間しているので、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにすることができる。
【0074】
また、本発明の表示板は、前記表示板の外周部が、固定部材により固定されていることを特徴とする。
このように構成することによって、例えば、互いの表面の外周部が粘着材または接着剤などを介して固定部材で固定することによって、光透過性基板と、有色樹脂層と、透明樹脂層の間の密着を向上できるとともに、ソーラーセルと一体化したモジュール表示板を提供することもできる。
【0075】
このように構成することによって、例えば、時計用の表示板、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の表示板として用いた場合に、特に、ソーラー駆動の腕時計などに用いた場合に、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにすることができる。
【0076】
しかも、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となるなど、デザインバリエーションの向上と薄型化を実現することができる。
また、従来にない深みのある高級な質感や、金属表示板と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有する表示板を備えた機器類を提供することができる。
【発明の効果】
【0077】
本発明によれば、平滑に研磨された表示板の表面を直視することによって、透明樹脂層を介して、光透過性基板の視認側に形成された有色樹脂層による反射光を視認することになるので、従来にない深みのある高級な質感や、金属表示板と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有する表示板を提供することができる。
【0078】
しかも、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給でき、構造的にも、ソーラーセルの上面から、有色樹脂層の下面までの距離が離間しているので、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにすることができる。
【0079】
また、光透過性基板が、プラスチックのような軟らかい材料であっても、光透過性基板の製造工程で傷が入っても、また、薬品による基板の損傷が発生したとしても、これらの傷が見えなくなり、美観上も外観品質も向上し、しかも、歩留まりが向上し、安価な製品を提供できる。
【0080】
さらに、有色樹脂層を設けても、いわゆるゆず肌のような塗装のシワが生じても、これが、視認されることがなく、美観上も外観品質も低下することがない。
また、光透過性基板の上面側に、例えば、時字などの装飾部材を形成した場合にも、装飾部材の影が視認されにくく、プラスチック表示板の質感が消えて、高級感に欠けることもない。
【0081】
さらに、平滑処理によって、透明樹脂層を平滑化して平滑面を形成する際にも、有色樹脂層が存在することになるので、平滑処理によって、光透過性基板が傷つくことなく、一定の外観品質を保持することができる。
【0082】
また、本発明によれば、本発明の表示板を、例えば、時計用の表示板、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の表示板として用いた場合に、特に、ソーラー駆動の腕時計などに用いた場合に、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにすることができる。
【0083】
しかも、奥行きのある立体的な凹凸模様の表現が可能となるなど、デザインバリエーションの向上と薄型化を実現することができる。
また、従来にない深みのある高級な質感や、金属表示板と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有する表示板を備えた機器類を提供することができる。
【0084】
さらに、本発明の表示板では、ソーラー駆動の腕時計などの機器類の表示板として、用いることができるので、電池交換なども不要となり、資源の節約にも寄与する。
また、表示板自体も、ポリカーボネートなどの合成樹脂からなる光透過性基板、有色樹脂層、透明樹脂層を用いており、金属、重金属などを使用しないので、リサイクルなどの際にも環境にも優しい表示板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0085】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
なお、以下の各実施例において、同様な構成部材については、同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
【実施例1】
【0086】
図1は、本発明の表示板の実施例の部分拡大断面図、図2は、図1の表示板の製造工程を説明する概略図である。
図1において、符号10は、全体で本発明の表示板を示している。
【0087】
なお、図1に示した実施例1では、図示しないが、表示板10には、その中心部分に分針と時針を駆動する針軸を挿通する軸孔が形成され、表示板10の上面側に、適宜、例えば、数字、植字、貴石、電鋳時字、時字印刷、切分印刷、ネーム印刷、夜光塗料層などの指標部材が配置され、また、表示板10の下面側には、ソーラーセルが、選択的に一体化されるが、これらの部材などは、説明の便宜上、省略している(以下の実施例においても同様である)。
【0088】
この実施例1の表示板10は、光透過性を有する光透過性基板12を備えており、この光透過性基板12の視認側(すなわち、上面側)に、有色樹脂層14が形成されている。
そして、有色樹脂層14の視認側に、透明樹脂層16が形成されており、この透明樹脂層16が、平滑処理によって、平滑化された平滑面18を有している。
【0089】
以下に、このような構成の表示板10を製造する方法について、図2に基づいて説明する。
先ず、図2(a)に示したように、このような光透過性基板12を用意する。
【0090】
この場合、光透過性基板12としては、その材料は、特に限定されるものではなく、樹脂(成形プラスチック材を含む)、ガラス、サファイヤガラス、セラミックなどが使用可能である。
【0091】
また、樹脂としては、例えば、透明な、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂からから選択した少なくとも1種の樹脂から形成することができる。
【0092】
この場合、光透過性基板12の厚さとしては、表示板10の用途にもより、特に限定さ
れるものではないが、ソーラー時計用表示板として用いる場合には、表示板の強度、光透過率などを考慮すれば、200〜1500μm、好ましくは、300〜800μmとするのが望ましい。
【0093】
次に、図2(b)に示したように、光透過性基板12の視認側(すなわち、上面側)に、有色樹脂層14を形成する。
この場合、有色樹脂層14を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、印刷、塗装、乾式メッキなどで形成すれば良い。
【0094】
この実施例では、白色顔料を樹脂に混ぜ合わせ、印刷方法で形成している。白色顔料を用いている理由は、時計用表示板として、本発明の表示板10を用いる場合には、白さを出すためである。
【0095】
なお、この有色樹脂層14において、他の色調を出したい場合には、他の色の顔料または染料を用いればよい。
また、例えば、メッキ、印刷、塗装、電着、スパッタリング、蒸着方法などで、非常に薄い膜を形成して、有色樹脂層14を着色するようにしてもよく、求める色調に応じて適宜選択するのが好ましい。
【0096】
この場合、有色樹脂層14の膜厚を厚くすると白さは出るが、光透過率が悪くなる。従って、ソーラー時計用表示板として用いる場合には、光透過率などを考慮すれば、1〜50μm、好ましくは、3〜30μmとするのが望ましい。この有色樹脂層14により、光透過率が、0.5〜50%、好ましくは、10〜30%に低下する程度にすればよい。
【0097】
なお、図示しないが、光透過性基板12の上面側の表面に予め、プライマー処理、粗面処理などによって、有色樹脂層14との密着性を向上するようにしてもよい。
そして、図2(c)に示したように、光透過性基板12の視認側に、有色樹脂層14を形成した後、有色樹脂層14の視認側に、透明樹脂層16を形成する。
【0098】
この場合、透明樹脂層16としては、特に限定されるものではないが、透明、または半透明な合成樹脂層であるクリアコートが使用可能である。
このようなクリアコートとしては、例えば、ポリウレタン樹脂塗料、樹脂を形成するポリマー分子中にフッ素が混入されたフッ素樹脂塗料、ポリ塩化ビニル樹脂を可塑剤に分散させた塩ビゾル塗料、オイルフリーポリエステル樹脂をシリコーン中間体により変性させたシリコーンポリエステル樹脂からなるシリコーンポリエステル樹脂塗料、または、オイルフリーポリエステル樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、シリコーンアクリル樹脂塗料、塩化ビニル樹脂塗料、ラッカー、フェノール樹脂塗料、塩化ゴム系塗料などを採用することができる。
【0099】
また、上記各種樹脂をベースとしたインキを、クリアコートとして使用することもできる。
この場合、有色樹脂層14の視認側に、透明樹脂層16を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、印刷、スピンコート、または、塗装により形成することができる。
【0100】
この場合、透明樹脂層16の膜厚を厚くすると、光透過率が悪くなる。また、透明樹脂層16の膜厚を薄くすると、後述するようにこの透明樹脂層16の表面を、平滑処理を施した際に、下方に存在する有色樹脂層14を傷つけてしまい、しかも研磨工程において研磨過多になってしまい、品質が低下することになる。
【0101】
また、透明樹脂層16の膜厚を厚くすると、反射率が低下することになり、白さが低下することになる。
従って、ソーラー時計用表示板として用いる場合には、光透過率、光反射率、平滑処理などを考慮すれば、1〜200μm、好ましくは、5〜100μmとするのが望ましい。
【0102】
このような範囲に透明樹脂層16の厚さがあれば、透明樹脂層16を平滑化して平滑面18を形成する際にも、透明樹脂層16が残存するとともに、有色樹脂層14が傷つくことがなく、一定の外観品質を保持することができる。
【0103】
次に、図2(d)に示したように、有色樹脂層14の視認側に、透明樹脂層16を形成した後に、平滑処理によって、平滑化された平滑面18を形成する。
この場合、平滑処理としては、特に限定されるものではないが、例えば、鏡面処理、スピンコート処理、ロールコート処理、研磨処理から選択した少なくとも1つの平滑処理であるのが望ましい。
【0104】
また、この場合、光透過性基板12の光反射率が、1〜50%の光反射率であり、有色樹脂層14の光透過率が、1〜50%の光透過率であるのが望ましい。
このように光透過性基板12の光反射率が、1〜50%の光反射率で、比較的小さい光反射率で、しかも、有色樹脂層14の光透過率が、1〜50%の光透過率で、比較的小さい光透過率であるとすれば、有色樹脂層14の光の吸収と反射によって、光透過性基板12が、プラスチックのような軟らかい材料で、光透過性基板12の製造工程で傷が入っても、また、薬品による基板の損傷が発生したとしても、光透過性基板12のこのような傷が見えなくなり、美観上も外観品質も向上することになる。
【0105】
また、本発明の表示板10では、光透過性基板12の光反射率が、1〜50%の光反射率であり、有色樹脂層14の光透過率が、1〜80%の光透過率であり、有色樹脂層14が、光拡散性を有する顔料を含むのが望ましい。
【0106】
このように、有色樹脂層14が、光拡散性を有する顔料を含むことによって、有色樹脂層14の光透過率が、1〜80%の光透過率と、より高い有色樹脂層14の光透過率を有する材料で形成したとしても、透過性基板12の上記のような傷が見えなくなり、美観上も外観品質も向上することになる。
【0107】
なお、光拡散性を有する顔料に含まれる拡散剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、粒状・(粉末状)、鱗片状、針状等の形状のもので、シリカ、ガラス、樹脂などが用いられる。
【0108】
また、本発明の表示板10では、
光透過性基板12の屈折率をNa、有色樹脂層14の屈折率をNb、透明樹脂層16の屈折率をNcとする場合に、
【0109】
【数9】

の条件を満たしているのが望ましい。
このように構成することによって、光透過性基板12と、有色樹脂層14と、透明樹脂層16との間の界面での屈折率が、上記のように小さい範囲であれば、透過性基板12の上記のような傷、有色樹脂層14のいわゆるゆず肌のような塗装のシワが視認されにくくなり、美観上も外観品質も向上することになる。
【0110】
また、本発明の表示板10では、光透過性基板12において、鏡面反射率より拡散反射率の方が大きいのが望ましい。
このように構成することによって、鏡面反射率が大きいと、透過性基板12の上記のような傷が見えやすくなるが、このように、拡散反射率が大きくなると、拡散反射の光によって、このような傷が視認されにくくなり、美観上も外観品質も向上することになる。
【0111】
また、有色樹脂層14の厚さと、透明樹脂層16の厚さとの比が、1:200〜50:1の範囲であるのが望ましい。
このような範囲に有色樹脂層14の厚さと、透明樹脂層の厚さとの比があれば、透明樹脂層を平滑化して平滑面を形成する際にも、透明樹脂層が残存するとともに、有色樹脂層が存在することになるので、平滑処理によって、光透過性基板が傷つくことなく、一定の外観品質を保持することができる。
【0112】
また、本発明の表示板10では、有色樹脂層の厚さが、1〜50μmの範囲で、透明樹脂層の厚さが、1〜200μmの範囲であるのが望ましい。
このような範囲に、有色樹脂層14の厚さと透明樹脂層16の厚さがあれば、透明樹脂層16を平滑化して平滑面を形成する際にも、透明樹脂層16が残存するとともに、有色樹脂層14が傷つくことがなく、一定の外観品質を保持することができる。
【0113】
また、本発明の表示板10では、有色樹脂層14の色が、JIS Z 8729で規定されるL*a*b*表色系において、下記の条件式、すなわち、
【0114】
【数10】

【0115】
【数11】

【0116】
【数12】

のいずれかの条件式を満たすのが望ましい。
このような範囲に、有色樹脂層14の色があれば、従来にない深みのある高級な質感や、高級感にあふれる表示板を提供することができる。
【0117】
また、本発明の表示板10では、有色樹脂層14の平均反射率が、40%以上で、且つ、400nm〜800nmの各波長に対する反射率の最大値と最小値の差が30%以下(Rmax−Rmin≦30%)であるのが望ましい。
【0118】
反射率の最大値と最小値の差がこのような範囲にあれば、可視光領域においてピークが存在しないので、色がついていなく且つ明るい白色系の高級感のある外観品質を有する表示板を提供することができる。
【0119】
また、光透過性基板12の厚さと、有色樹脂層14と透明樹脂層16を合わせた厚さとの比が、150:1〜2:15であるあるのが望ましい。
このような範囲に、光透過性基板12の厚さと、有色樹脂層14と透明樹脂層16を合わせた厚さとの比があれば、透明樹脂層16を平滑化して平滑面18を形成する際にも、光透過性基板12の剛性によって、平滑処理の際にも取り扱いが容易であり、平滑処理の際にも、この透明樹脂層16が残存するとともに、有色樹脂層14が傷つくことがなく、一定の外観品質を保持することができる。
【0120】
このように、平滑に研磨された表示板10の表面である平滑面18を直視することによって、透明樹脂層16を介して、光透過性基板12の視認側に形成された有色樹脂層14による反射光を視認することになるので、従来にない深みのある高級な質感や、金属表示板と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有する表示板10を提供することができる。
【0121】
しかも、有色樹脂層14によって、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにすることができる。
また、光透過性基板12が、プラスチックのような軟らかい材料であっても、光透過性基板の製造工程で傷が入っても見えなくなり、歩留まりが向上し、安価な製品を提供できる。
【0122】
さらに、平滑処理によって、透明樹脂層16を平滑化して平滑面18を形成する際にも、有色樹脂層14が存在することになるので、平滑処理によって、光透過性基板12が傷つくことなく、一定の外観品質を保持することができる。
【0123】
なお、図示しないが、光透過性基板12が、着色剤、拡散剤のうち、少なくとも一つを含有しても良い。
このように光透過性基板12が、着色剤、拡散剤のうち、少なくとも一つを含有するので、着色剤、拡散剤によって、色のバリエーションの拡大が図れることになり、また、拡散剤によって表示板10の白さ、明るさが向上して、デザインのバリエーションが拡大され、従来にない深みのある高級な質感や、金属表示板と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有する表示板を提供することができる。
【0124】
また、光透過性基板が、着色剤、拡散剤のうち、少なくとも一つを含有するので、その分、有色樹脂層の厚さを薄くできるので、表示板全体の厚さを薄くすることができ、コンパクトな表示板を提供することができる。
【0125】
この場合、着色剤としては、特に限定されるものではなく、顔料または染料を用いることができ、拡散剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、粒状・(粉末状)、鱗片状、針状等の形状のもので、シリカ、ガラス、樹脂などが用いられる。
【実施例2】
【0126】
図3は、本発明の別の実施例の表示板の部分拡大断面図である。
この実施例の表示板10は、図1に示した実施例1の表示板10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0127】
この実施例の表示板10では、図3に示したように、透明樹脂層16が、複数の積層透明樹脂層16a、16bを積層した透明樹脂層16から構成されている。
このように透明樹脂層16が、複数の積層透明樹脂層16a、16bを積層した透明樹脂層16から構成されているので、これらの、複数の積層透明樹脂層16a、16bによって、透明樹脂層16を平滑化して平滑面18を形成する際にも、透明樹脂層16が残存するとともに、有色樹脂層14が傷つくことがなく、一定の外観品質を保持することができる。
【0128】
この場合、上層側の積層透明樹脂層16bの硬度が、下層側の積層透明樹脂層16aの硬度よりも大きいのが望ましい。
このように上層側の積層透明樹脂層16bの硬度が、下層側の積層透明樹脂層16aの硬度よりも大きいので、透明樹脂層16を平滑化して平滑面18を形成する平滑処理がし
易く、この平滑処理の際にも、下層側の積層透明樹脂層16aが残存するのでに、有色樹脂層14が傷つくことがなく、一定の外観品質を保持することができる。
【0129】
なお、この実施例の場合、複数の積層透明樹脂層16a、16bを、2層としたが、3層以上の積層とすることも可能である。
【実施例3】
【0130】
図4は、本発明の別の実施例の表示板の部分拡大断面図である。
この実施例の表示板10は、図1に示した実施例1の表示板10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0131】
この実施例の表示板10では、図4に示したように、複数の積層有色樹脂層14a、14bを積層した有色樹脂層14から構成されている。
このように複数の積層有色樹脂層14a、14bを積層した有色樹脂層14から構成されているので、これらの複数の積層有色樹脂層14a、14bが重なって、デザインのバリエーションが拡大され、従来にない深みのある高級な質感や、金属表示板と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有する表示板を提供することができる。
【0132】
なお、この場合、複数の積層有色樹脂層14a、14bは、相互に異なる色であっても、同色系の色であってもよい。
なお、この実施例の場合、複数の積層有色樹脂層14a、14bを、2層としたが、3層以上の積層とすることも可能である。
【実施例4】
【0133】
図5は、本発明の別の実施例の表示板の部分拡大断面図である。
この実施例の表示板10は、図4に示した実施例3の表示板10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0134】
この実施例の表示板10では、図5に示したように、積層有色樹脂層14a、14bの少なくとも一つ、この実施例の場合には、積層有色樹脂層14aが、模様を形成するように設けられている。
【0135】
このように、積層有色樹脂層14aの模様によって、模様が浮き出たようになって、デザインのバリエーションが拡大され、従来にない深みのある高級な質感や、金属表示板と同様の金属感や、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有する表示板を提供することができる。
【0136】
この場合、模様の形状としては特に限定されるものではないが、サークル、渦巻、ストライプ、放射状、砂目、梨地、石調、幾何学模様から選択した少なくとも1つの模様から構成すれば良い。
【0137】
なお、この場合、複数の積層有色樹脂層14a、14bは、相互に異なる色であっても、同色系の色であってもよい。
なお、積層有色樹脂層14は、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、パッド印刷などの印刷で形成することができる。
【実施例5】
【0138】
図6は、本発明の別の実施例の表示板の部分拡大断面図である。
この実施例の表示板10は、図1に示した実施例1の表示板10と基本的には同様な構
成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0139】
この実施例の表示板10では、図6に示したように、透明樹脂層16の平滑面18の少なくとも一部に、艶消し部15を形成している。
また、この場合、透明樹脂層16の平滑面18の全面に、艶消し部15を形成しても良い。
【0140】
さらに、艶消し部15によって、模様を形成するようにしてもよく、この艶消し部15による模様としては、特に限定されるものではなく、例えば、サークル、渦巻、ストライプ、放射状、砂目、梨地、石調、幾何学模様から選択した少なくとも1つの模様から構成することができる。
【0141】
このように、例えば、シリカなどの粒子を含有したインキによる艶消し印刷、表面粗面化処理によるマット処理などによって、平滑面の少なくとも一部に、艶消し部15を形成することによって、デザインのバリエーションの拡大を図れることができる。
【実施例6】
【0142】
図7は、本発明の別の実施例の表示板の部分拡大断面図である。
この実施例の表示板10は、図1に示した実施例1の表示板10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0143】
この実施例の表示板10では、図7に示したように、透明樹脂層16の平滑面18の少なくとも一部に、模様17を形成したことを特徴とする。
このように、平滑面18の少なくとも一部に、模様17を形成することによって、デザインのバリエーションの拡大を図れることができる。また、この場合、透明樹脂層16の平滑面18の全面に、模様17を形成しても良い。
【0144】
この場合、平滑面18に模様17を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、平滑面18の上面に水溶性フォトレジストをコーティングし、その後プレベーキングをしてレジスト膜を形成し、レジスト膜上に所定のパターンを有するポジフィルム、または、ネガフィルムを重ねて露光をし、現像、バーニングをすることによりレジストパターンを形成し、反応性スパッタリングを行うことにより、平滑面にパターンを形成し、レジスト膜を剥離液で剥離することによって形成することができる。
【0145】
この場合、模様17の形状としては特に限定されるものではないが、サークル、渦巻、ストライプ、放射状、砂目、梨地、石調、幾何学模様から選択した少なくとも1つの模様から構成すれば良い。
【実施例7】
【0146】
図8は、本発明の別の実施例の表示板の部分拡大断面図である。
この実施例の表示板10は、図1に示した実施例1の表示板10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0147】
この実施例の表示板10では、図8に示したように、表示板10の外周部が、固定部材22により固定されている。
このように構成することによって、例えば、互いの表面の外周部が粘着材または接着剤などを介して固定部材22で固定することによって、光透過性基板12と、有色樹脂層14と、透明樹脂層16の間の密着を向上できるとともに、図示しないが、ソーラーセルと一体化したモジュール表示板を提供することもできる。
【実施例8】
【0148】
本発明者等が鋭意研究した結果、図14から明らかなように、本発明の表示板10において、透明樹脂層16の膜厚を薄くしていくと、反射率が大きくなることがわかる。
すなわち、図17の光透過率のグラフに示したように、光透過率において、本発明の表示板10と従来の表示板100とほとんど差がなく、ソーラーセル用の表示板としてもその機能が低下することがない。なお、この場合、「光透過率」とは、表示板を配置しない場合のソーラーセルの起電流を100%とした場合、ソーラーセルの上面側に表示板を配置した場合のソーラーセルの起電流が何%かを示すものである。
光透過率=(ソーラーセルの上面側に表示板を配置した場合の起電力)/(ソーラーセル
の上面側に表示板を配置しない場合起電力)×100
【0149】
このように本発明の表示板10と従来の表示板100とでは、光透過率にほとんど差がないにもかかわらず、図18の波長−反射率のグラフに示したように、本発明の表示板10(実線)は、従来の表示板100(点線)に比較して、反射率が、約10%も大きくなっている。
【0150】
なお、この場合の「反射率」とは、一般的に示される光の反射率を言う。
そのため、光透過率の関係だけでも、本発明の表示板10は、従来の表示板100と比較して、同じ透過率であればより白い表示板とすることができる。
【0151】
また、本発明の表示板10は、従来の表示板100と比較して、図18の矢印Aで示したように、短波長領域における反射率が高くなっているため、視覚的に青白く見えることになる。
【0152】
これは、図19の波長−透過率のグラフに示したように、光透過性基板を構成する、例えば、ポリカーボネートの可視光領域での吸収が、短波長ほど大きいことに起因すると考えられる。
【0153】
さらに、図20の波長−反射率(鏡面反射率)のグラフに示したように、従来の表示板100(点線)では、本発明の表示板10(実線)と比較して、鏡面反射の割合が約1%大きくなっており、この鏡面反射の割合が増えることによって、図16に示したように、視認側に時字などの装飾部材106が存在するように見えてしまい、しかも、鏡面反射の増加で相対的に拡散反射が低下して、鏡面反射による拡散光によって、白さも低減する。
【0154】
これに対して、本発明の表示板10では、図21に示したように、光透過性基板12の上面側に、例えば、時字などの装飾部材11を形成した場合にも、装飾部材11の影13が、下面側に存在する有色樹脂層14に投影されても、この影13が視認されにくく、高級感に欠けることもない。
【0155】
従って、本発明は、このような比較実験結果から、反射率が大きく、白さ、明るさのある鮮明な色彩が得られ、高級感のある外観品質を有する表示板10を提供できることがわかる。
【0156】
以上の実施例で説明した表示板は、例えば、図9、図10で示したような無線機能付き時計150に適用することが可能である。
図10に示したように、時計ケース156は、複数の部品に分割されており、この実施例では、時計ケース胴体152と、見返しリング162とに分割されている。
【0157】
なお、図10において、符号164は、裏蓋154と時計ケース胴体152との間を、密封状態で封止するための防水パッキンである。
本発明の表示板は、このようなソーラーセル駆動の無線機能付き時計において、表示板(文字板)として用いた場合に、特に、デザインバリエーションの拡大を図ることができる。
【0158】
すなわち、本発明の表示板は、上記のようにソーラーセル駆動の無線機能付き時計などに用いた場合に、ソーラーセルの発電に充分な光量を供給し、ソーラーセルの十字線や濃紫色が目に見えないようにすることができる。
【0159】
しかも、本発明の表示板は、例えば、透明なポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂などで形成した反射型偏光板、透過性反射板、光透過性基板から構成される。これらは、非導電性材料であるので、電波受信を阻害することがなく、アンテナ160の受信性能を高く維持することができ、無線機能付き時計としての機能を確保することができる。
【0160】
なお、上記の無線機能付き時計では、見返しリング162を有するタイプの無線機能付き時計について説明したが、見返しリング162を有しないタイプの無線機能付き時計にも適用できる。
【0161】
また、ソーラーセル158を有しない通常の腕時計にも、また、無線機能を有しない、ソーラーセルを有するソーラー駆動タイプの腕時計にも適用することができる。
上述した実施例では、時刻情報を含む長波標準電波(搬送波)を受信し、その時刻情報に基づいて時刻を修正する無線機能を備えた電波時計について説明したが、本発明の表示板を適用する無線機能付き時計の構造は、パソコン通信機能、携帯電話機能や非接触式ICカード機能などの無線機能を備える時計にも適用され得る。
【0162】
さらに、本発明は、上記表示板を、例えば、時計用の表示板、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の表示板として用いた機器類に適用することも可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本発明は、本発明の表示板を、例えば、時計用の表示板、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の表示板として用いることが可能である。
【0164】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】図1は、本発明の表示板の実施例の部分拡大断面図である。
【図2】図2は、図1の表示板の製造工程を説明する概略図である。
【図3】図3は、本発明の別の実施例の表示板の部分拡大断面図である。
【図4】図4は、本発明の別の実施例の表示板の部分拡大断面図である。
【図5】図5は、本発明の別の実施例の表示板の部分拡大断面図である。
【図6】図6は、本発明の別の実施例の表示板の部分拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明の別の実施例の表示板の部分拡大断面図である。
【図8】図8は、本発明の別の実施例の表示板の部分拡大断面図である。
【図9】図9は、図9は、本発明の表示板を無線機能付き時計に適用した分解斜視図である。
【図10】図10は、図9の無線機能付き時計を組み立てた状態のA−A線の部分断面図である。
【図11】図11は、一般的なソーラーセルを示す図である。
【図12】図12は、従来の表示板を示す概略断面図である。
【図13】図13は、従来の表示板を示す概略断面図である。
【図14】図14は、本発明の表示板の反射率を示すグラフである。
【図15】図15は、従来の表示板を示す概略断面図である。
【図16】図16は、図12の従来の表示板の作用を示す概略図である。
【図17】図17は、波長−光透過率のグラフである。
【図18】図18は、波長−光反射率のグラフである。
【図19】図19は、波長−光透過率のグラフである。
【図20】図20は、波長−光反射率(鏡面反射率)のグラフである。
【図21】図21は、本発明の表示板の作用を示す概略図である。
【符号の説明】
【0166】
10 表示板
12 光透過性基板
12a 模様
12b 模様
14 有色樹脂層
14a、14b 積層有色樹脂層
16 透明樹脂層
16a、16b 積層透明樹脂層
18 平滑面
20 保護層
22 固定部材
100 表示板
102 光透過性基板
104 有色樹脂層
150 無線機能付き時計
152 時計ケース胴体
154 裏蓋
156 時計ケース
158 ソーラーセル
160 アンテナ
162 見返しリング
164 防水パッキン
200 表示板
202 光透過性基板
204 溝部
206 塗膜
208 平滑面
210 塗装膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性を有する光透過性基板と、
前記光透過性基板の視認側に形成された有色樹脂層と、
前記有色樹脂層の視認側に形成された透明樹脂層とを備え、
前記透明樹脂層が、平滑処理によって、平滑化された平滑面を有することを特徴とする表示板。
【請求項2】
光透過性を有する光透過性基板と、
前記光透過性基板の視認側に形成された有色樹脂層と、
前記有色樹脂層の視認側に形成された透明樹脂層とを備え、
前記透明樹脂層が、平滑処理によって、平滑化された平滑面を有し、
前記光透過性基板の光反射率が、1〜50%の光反射率であり、
前記有色樹脂層の光透過率が、1〜50%の光透過率であることを特徴とする表示板。
【請求項3】
前記光透過性基板の光反射率が、1〜50%の光反射率であり、
前記有色樹脂層の光透過率が、1〜80%の光透過率であり、
前記有色樹脂層が、光拡散性を有する顔料を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示板。
【請求項4】
前記平滑処理が、スピンコート処理、ロールコート処理、研磨処理から選択した少なくとも1つの平滑処理であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の表示板。
【請求項5】
前記光透過性基板の屈折率をNa、前記有色樹脂層の屈折率をNb、前記透明樹脂層の屈折率をNcである場合に、
【数1】

の条件を満たしていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の表示板。
【請求項6】
前記光透過性基板において、鏡面反射率より拡散反射率の方が大きいことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の表示板。
【請求項7】
前記有色樹脂層の厚さと、透明樹脂層の厚さとの比が、1:200〜50:1であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の表示板。
【請求項8】
前記有色樹脂層の厚さが、1〜50μmの範囲で、前記透明樹脂層の厚さが、1〜200μmの範囲であるあることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の表示板。
【請求項9】
前記有色樹脂層の色が、JIS Z 8729で規定されるL*a*b*表色系において、下記の条件式、すなわち、
【数2】

【数3】

【数4】

のいずれかの条件式を満たすことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の表示板。
【請求項10】
前記有色樹脂層の平均反射率が、40%以上で、且つ、400nm〜800nmの各波長に対する反射率の最大値と最小値の差が30%以下(Rmax−Rmin≦30%)であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の表示板。
【請求項11】
前記透明樹脂層が、複数の積層透明樹脂層を積層した透明樹脂層から構成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の表示板。
【請求項12】
前記透明樹脂層が、上層側の積層透明樹脂層の硬度が、下層側の積層透明樹脂層の硬度よりも大きいことを特徴とする請求項11に記載の表示板。
【請求項13】
前記光透過性基板の厚さと、有色樹脂層と透明樹脂層を合わせた厚さとの比が、150:1〜2:15であることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の表示板。
【請求項14】
前記有色樹脂層が、複数の積層有色樹脂層を積層した有色樹脂層から構成されていることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の表示板。
【請求項15】
前記積層有色樹脂層の少なくとも一つが、模様を形成するように設けられていることを特徴とする請求項14に記載の表示板。
【請求項16】
前記光透過性基板が、着色剤、拡散剤のうち、少なくとも一つを含有することを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の表示板。
【請求項17】
前記平滑面の少なくとも一部に、艶消し部を形成したことを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の表示板。
【請求項18】
前記平滑面の少なくとも一部に、模様を形成したことを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載の表示板。
【請求項19】
前記表示板の視認側と反対側にソーラーセルを備えることを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の表示板。
【請求項20】
前記ソーラーセルの上面から、有色樹脂層の下面までの距離が、100〜2000μmの範囲であることを特徴とする請求項1から19のいずれかに記載の表示板。
【請求項21】
前記表示板の外周部が、固定部材により固定されていることを特徴とする請求項1から20のいずれかに記載の表示板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−122169(P2010−122169A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−298276(P2008−298276)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(307023373)シチズン時計株式会社 (227)
【出願人】(000124362)シチズンセイミツ株式会社 (120)