説明

表示素子

【課題】 簡便な部材構成、低電圧で駆動可能で、表示コントラストが高く、電極耐性を向上させた表示素子を提供する。
【解決手段】 対向電極間に、銀、または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質層を有し、銀の溶解析出を生じさせるように該対向電極の駆動操作を行う表示素子であって、該電解質層がリチウムイオンを含み、かつ、該対向電極の少なくとも1つの電極上でリチウムイオンに係る酸化還元反応を駆動操作時に生じさせることを特徴とする表示素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀の溶解析出を利用した電気化学的な表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピューターの動作速度の向上、ネットワークインフラの普及、データストレージの大容量化と低価格化に伴い、従来紙への印刷物で提供されたドキュメントや画像等の情報を、より簡便な電子情報として入手、電子情報を閲覧する機会が益々増大している。
【0003】
この様な電子情報の閲覧手段として、従来の液晶ディスプレイやCRT、また近年では、有機ELディスプレイ等の発光型が主として用いられているが、特に、電子情報がドキュメント情報の場合、比較的長時間にわたってこの閲覧手段を注視する必要があり、これらの行為は必ずしも人間に優しい手段とは言い難く、一般に発光型のディスプレイの欠点として、フリッカーで目が疲労する、持ち運びに不便、読む姿勢が制限され、静止画面に視線を合わせる必要が生じる、長時間読むと消費電力が嵩む等が知られている。
【0004】
これらの欠点を補う表示手段として、外光を利用し、像保持の為に電力を消費しない(メモリー性)反射型ディスプレイが知られているが、下記の理由で十分な性能を有しているとは言い難い。
【0005】
すなわち、反射型液晶等の偏光板を用いる方式は、反射率が約40%と低く白表示に難があり、また構成部材の作製に用いる製法の多くは簡便とは言い難い。また、ポリマー分散型液晶は高い電圧を必要とし、また有機物同士の屈折率差を利用しているため、得られる画像のコントラストが十分でない。また、ポリマーネットワーク型液晶は電圧高いことと、メモリー性を向上させるために複雑なTFT回路が必要である等の課題を抱えている。また、電気泳動法による表示素子は、10V以上の高い電圧が必要となり、電気泳動性粒子凝集による耐久性に懸念がある。また、エレクトロクロミック表示素子は、3V以下の低電圧で駆動が可能であるが、黒色またはカラー色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、グリーン、レッド等)の色品質が十分でなく、メモリー性を確保するため表示セルに蒸着膜等の複雑な膜構成が必要などの懸念点がある。
【0006】
これら上述の各方式の欠点を解消する表示方式として、金属または金属塩の溶解析出を利用するエレクトロデポジション(以下EDと略す)方式が知られている。ED方式は、3V以下の低電圧で駆動が可能で、簡便なセル構成、黒と白のコントラストや黒品質に優れる等の利点があり、様々な方法が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【0007】
本発明者は、上記各特許文献に開示されている技術を詳細に検討した結果、従来技術では、いづれもハロゲン化銀、ハロゲン化アルカリを含む電解質の構成であり、この構成で繰り返し駆動を行なうと、ハロゲン化合物が酸化還元しない低電圧駆動では、駆動速度が十分でなく、銀の酸化還元の見かけの酸化還元速度を上げる為に駆動電圧を上げると、電解液が着色したり、ハロゲン酸化体が対向電極の金属電極を腐食させる局部電池反応等により電極耐久性が十分でないという課題があることが判明した。
【特許文献1】米国特許第4,240,716号明細書
【特許文献2】特許第3428603号公報
【特許文献3】特開2003−241227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、簡便な部材構成、低電圧で駆動可能で、表示コントラストが高く、電極耐性が向上させた表示素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、以下の構成により解決することができた。
【0010】
(1)対向電極間に、銀、または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質層を有し、銀の溶解析出を生じさせるように該対向電極の駆動操作を行う表示素子であって、該電解質層がリチウムイオンを含み、かつ、該対向電極の少なくとも1つの電極上でリチウムイオンに係る酸化還元反応を駆動操作時に生じさせることを特徴とする表示素子。
【0011】
(2)前記リチウムイオンに係る酸化還元反応を生じさせる電極が、リチウムイオンを可逆的に酸化還元でき、還元体であるリチウムを吸着担持可能な多孔質炭素電極であることを特徴とする(1)に記載の表示素子。
【0012】
(3)前記リチウムイオンに係る酸化還元反応を生じさせる電極が、リチウムイオンを可逆的に酸化還元でき、還元体であるリチウムを結晶格子中に担持できる金属複合酸化物であることを特徴とする(1)に記載の表示素子。
【0013】
(4)前記電解質層が、下記一般式(1)または(2)で表される化合物の少なくとも1種と、下記一般式(3)または(4)で表される化合物の少なくとも1種とを含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の表示素子。
【0014】
【化1】

【0015】
式中、Lは酸素原子またはCH2を表し、R1〜R4は各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシ基を表す。
【0016】
【化2】

【0017】
式中、R5、R6は各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシ基を表す。
【0018】
一般式(3)
7−S−R8
式中、R7、R8は各々置換または無置換の炭化水素基を表す。ただし、S原子を含む環を形成する場合には、芳香族基をとることはない。
【0019】
【化3】

【0020】
式中、Mは水素原子、金属原子または4級アンモニウムを表す。Zはイミダゾール環類を除く含窒素複素環を表す。nは0〜5の整数を表し、R9は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、アミノ基、ヒドロキシ基または複素環基を表し、nが2以上の場合、それぞれのR9は同じであってもよく、異なってもよく、お互いに連結して縮合環を形成してもよい。
【0021】
(5)前記電解質層に含まれるハロゲンイオンまたはハロゲン原子のモル濃度を[X](モル/kg)とし、前記電解質層に含まれる銀または銀を化学構造中に含む化合物の銀の総モル濃度を[Ag](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の表示素子。
【0022】
式(1)
0≦[X]/[Ag]≦0.01
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、簡便な部材構成、低電圧で駆動可能で、表示コントラストが高く、電極耐性を向上させた表示素子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0025】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、対向電極間に、銀、または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質層を有し、銀の溶解析出を生じさせるように該対向電極の駆動操作を行う表示素子であって、該電解質中にリチウムイオンを含み、かつ、該対向電極の少なくとも1つの電極上でリチウムイオンに係る酸化還元反応を駆動操作時に生じさせた表示素子により、簡便な部材構成で、低電圧駆動が可能で、表示コントラストが高く、電極耐性を向上させた表示素子を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
【0026】
以下、本発明の表示素子の詳細について説明する。
【0027】
本発明の表示素子は、対向電極間に、銀、または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質層を有し、銀の溶解析出を生じさせるように対向電極の駆動操作を行うED方式の表示素子である。
【0028】
〔銀または銀を化学構造中に含む化合物〕
本発明に係る銀または銀を化学構造中に含む化合物とは、例えば、酸化銀、硫化銀、金属銀、銀コロイド粒子、ハロゲン化銀、銀錯体化合物、銀イオン等の化合物の総称であり、固体状態や液体への可溶化状態や気体状態等の相の状態種、中性、アニオン性、カチオン性等の荷電状態種は、特に問わない。
【0029】
〔セルの基本構成〕
図4は、従来の表示素子の構成を示す概略断面図である。
【0030】
図1は、本発明の表示素子の基本的な構成を示す概略断面図である。図1において、本発明の表示装置は、一対の対向する、電極1(図の上側)、電極2(図の下側)の間に電解質層3を保持し、電源から対向電極1、2に電圧または電流を印加することにより、電解質層3中に含まれる銀の溶解反応、または析出反応を生じさせ、銀を含む化合物の光の透過、吸収の光学的性質の違いを利用して表示状態を変更する表示素子である。
【0031】
本発明の請求項1は、図1に示す表示素子であり、電解質層にリチウムイオンを含み、かつ、対向電極の少なくとも1つの電極上でリチウムイオンに係る酸化還元反応を駆動操作時に生じさせることを特徴とする。
【0032】
図4は従来例の電極の反応であり、電極1上の銀の酸化還元に応じて、対極の電極2においても銀の酸化還元が生じる。特に、表示素子の黒表示駆動時には、電極1上では銀の還元反応により析出、電極2上では銀の酸化反応により銀の溶解が生じ、白表示駆動時にはその逆の反応が起こり、電極2に銀電極を用いた場合は銀電極が溶解しやすく、繰り返し駆動時の電極2の耐久性を劣化させるという課題がある。
【0033】
これに対し、図1は本発明の電極上の反応を示したもので、電極1上の銀の酸化還元に応じて、対極の電極2においては同じ当量のリチウムの酸化還元が生じる。従来例とは異なり電極2上では銀ではなくリチウムの酸化還元反応が支配的であり、これにより電極2の繰り返し駆動時の電極耐性が向上する。このような金属電極の例としては、Li−Al合金等の金属リチウムとアルカリ土類金属、およびリンとの合金系、リチウム含有の遷移金属窒化物Li(3-x)xN、等が挙げられる。
【0034】
本発明の請求項2は、図2に示す対向電極の少なくとも1つの電極が、リチウムイオンを可逆的に酸化還元でき、還元体であるリチウムを吸着担持可能な多孔質炭素電極であることを特徴とする。
【0035】
このような多孔質炭素電極としては、黒鉛質、難黒鉛化炭素質、易黒鉛化炭素質、複合炭素体や、ホウ素、窒素、りん等を炭素にドープして焼成した炭素化合物、等が挙げられる。炭素粒子の形状としては、メソフェーズ小球体、繊維状黒鉛が挙げられる。メソフェーズ小球体はコールタールピッチなどを350〜500℃で焼成することで得られ、これら小球体をさらに分級して高温焼成で黒鉛化すると良好な多孔質炭素電極が得られる。また、ピッチ系、PAN系、および気相成長繊維から、繊維状黒鉛を得ることができる。
【0036】
本発明の請求項3の表示素子は、図3に示す対向電極の少なくとも1つの電極が、リチウムイオンを可逆的に酸化還元でき、還元体であるリチウムを結晶格子中に担持できる金属複合酸化物であることを特徴とする。
【0037】
この様な金属複合酸化物としては、ケイ素の低級酸化物LixSiOy(x≧0,2>y>0)、錫の低級酸化物LixSnOy、リチウム・コバルト複合酸化物LiCoO2、LiMn24スピネル酸化物、LiMnO2、LiNiO2、LiNi0.5Mn1.54、Li4Ti512、LixyPO4(0.8<x<2、0<y<1.5、ただし、AはCo,Ni,Mn,Fe,Cu,Cr)等が挙げられる。
【0038】
以上の請求項1〜3に係る電極の製法としては、特許第1989293号、特許第2047652号、特許第2109214号、特許第2136954号、特許第2137451号、特許第2727301号、特許第2872354号、特許第3101775号、特許第3152311号、特許第3005700号等に詳しい記載がある。
【0039】
本発明の表示素子においては、電解質層が、前記一般式(1)または(2)で表される化合物の少なくとも1種と、前記一般式(3)または一般式(4)で表される化合物の少なくとも1種とを含有することが好ましい。
【0040】
はじめに、本発明に係る一般式(1)で表される化合物について説明する。
【0041】
前記一般式(1)において、Lは酸素原子またはCH2を表し、R1〜R4は各々水素原
子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシ基を表す。
【0042】
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、
テトラデシル基、ペンタデシル基等、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等、シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等、アルコキシアルキル基として、例えば、β−メトキシエチル基、γ−メトキシプロピル基等、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等を挙げることができる。
【0043】
以下、本発明に係る一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明ではこれら例示する化合物にのみ限定されるものではない。
【0044】
【化4】

【0045】
次いで、本発明に係る一般式(2)で表される化合物について説明する。
【0046】
前記一般式(2)において、R5、R6は各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシ基を表す。
【0047】
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等、シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等、アルコキシアルキル基として、例えば、β−メトキシエチル基、γ−メトキシプロピル基等、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等を挙げることができる。
【0048】
以下、本発明に係る一般式(2)で表される化合物の具体例を示すが、本発明ではこれら例示する化合物にのみ限定されるものではない。
【0049】
【化5】

【0050】
上記例示した一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物の中でも、特に、例示化合物(1−1)、(1−2)、(2−3)が好ましい。
【0051】
本発明に係る一般式(1)、(2)で表される化合物は電解質溶媒の1種であるが、本発明の表示素子においては、本発明の目的効果を損なわない範囲でさらに別の溶媒を併せて用いることができる。具体的には、テトラメチル尿素、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−(N−メチル)−2−ピロリジノン、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,Nジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ブチロニトリル、プロピオニトリル、アセトニトリル、アセチルアセトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノール、1−ブタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、エタノール、メタノール、無水酢酸、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ジメトキシエタン、ジエトキシフラン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、水等が挙げられる。これらの溶媒の内、凝固点が−20℃以下、かつ沸点が120℃以上の溶媒を少なくとも1種含むことが好ましい。
【0052】
さらに本発明で用いることのできる溶媒としては、J.A.Riddick,W.B.Bunger,T.K.Sakano,“Organic Solvents”,4th
ed.,John Wiley & Sons(1986)、Y.Marcus,“Ion Solvation”,John Wiley & Sons(1985)、C.Reichardt,“Solvents and Solvent Effects in Chemistry”,2nd ed.,VCH(1988)、G.J.Janz,R.P.T.Tomkins,“Nonaqueous Electorlytes Handbook”,Vol.1,Academic Press(1972)に記載の化合物を挙げることができる。
【0053】
本発明において、電解質溶媒は単一種であっても、溶媒の混合物であってもよいが、エチレンカーボネートを含む混合溶媒が好ましい。エチレンカーボネートの添加量は、全電解質溶媒質量の10質量%以上、90質量%以下が好ましい。特に好ましい電解質溶媒は、プロピレンカーボネート/エチレンカーボネートの質量比が7/3〜3/7の混合溶媒である。プロピレンカーボネート比が7/3より大きいとイオン伝導性が劣り応答速度が低下し、3/7より小さいと低温時に電解質が析出しやすくなる。
【0054】
本発明の表示素子においては、上記一般式(1)または(2)で表される化合物と共に、前記一般式(3)で表される化合物を用いることが好ましい。
【0055】
前記一般式(3)において、R7、R8は各々置換または無置換の炭化水素基を表し、これらには芳香族の直鎖基または分岐基が含まれる。また、これらの炭化水素基では、1個以上の窒素原子、酸素原子、リン原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含んでも良い。ただし、S原子を含む環を形成する場合には、芳香族基をとることはない。
【0056】
炭化水素基に置換可能な基としては、例えば、アミノ基、グアニジノ基、4級アンモニウム基、ヒドロキシル基、ハロゲン化合物、カルボン酸基、カルボキシレート基、アミド基、スルフィン酸基、スルホン酸基、スルフェート基、ホスホン酸基、ホスフェート基、ニトロ基、シアノ基等を挙げることができる。
【0057】
一般に、銀の溶解析出を生じさせるためには、電解質層中で銀を可溶化することが必要である。例えば、銀と配位結合を生じさたり、銀と弱い共有結合を生じさせるような、銀
と相互作用を示す化学構造種を含む化合物等と共存させて、銀または銀を含む化合物を可溶化物に変換する手段を用いるのが一般的である。前記化学構造種として、ハロゲン原子、メルカプト基、カルボキシル基、イミノ基等が知られているが、本発明においては、チオエーテル基も銀溶剤として、有用に作用し、共存化合物への影響が少なく、溶媒への溶解度が高い特徴がある。
【0058】
以下、本発明に係る一般式(3)で表される化合物の具体例を示すが、本発明ではこれら例示する化合物にのみ限定されるものではない。
【0059】
3−1:CH3SCH2CH2OH
3−2:HOCH2CH2SCH2CH2OH
3−3:HOCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OH
3−4:HOCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OH
3−5:HOCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2OH
3−6:HOCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2OH
3−7:H3CSCH2CH2COOH
3−8:HOOCCH2SCH2COOH
3−9:HOOCCH2CH2SCH2CH2COOH
3−10:HOOCCH2SCH2CH2SCH2COOH
3−11:HOOCCH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2COOH
3−12:HOOCCH2CH2SCH2CH2SCH2CH(OH)CH2SCH2CH2SCH2CH2COOH
3−13:HOOCCH2CH2SCH2CH2SCH2CH(OH)CH(OH)CH2SCH2CH2SCH2CH2COOH
3−14:H3CSCH2CH2CH2NH2
3−15:H2NCH2CH2SCH2CH2NH2
3−16:H2NCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NH2
3−17:H3CSCH2CH2CH(NH2)COOH
3−18:H2NCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2NH2
3−19:H2NCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2NH2
3−20:H2NCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NH2
3−21:HOOC(NH2)CHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2CH(NH2)COOH
3−22:HOOC(NH2)CHCH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2CH(NH2)COOH
3−23:HOOC(NH2)CHCH2OCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OCH2CH(NH2)COOH
3−24:H2N(O=)CCH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2C(
=O)NH2
3−25:H2N(O=)CCH2SCH2CH2SCH2C(O=)NH2
3−26:H2NHN(O=)CCH2SCH2CH2SCH2C(=O)NHNH2
3−27:H3C(O=)NHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NHC(O=)C
3
3−28:H2NO2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SO2NH2
3−29:NaO3SCH2CH2CH2SCH2CH2SCH2CH2CH2SO3Na
3−30:H3CSO2NHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NHO2SCH3
3−31:H2N(NH=)CSCH2CH2SC(NH)NH2・2HBr
3−32:H2N(NH=)CSCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SC(=NH)NH2・2HCl
3−33:H2N(NH=)CNHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NHC(=NH)NH2・2HBr
3−34:〔(CH33NCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2N(CH332+・2Cl-
【0060】
【化6】

【0061】
【化7】

【0062】
上記例示した各化合物の中でも、本発明の目的効果をいかんなく発揮できる観点から、特に例示化合物3−2が好ましい。
【0063】
次いで、本発明に係る一般式(4)で表される化合物について説明する。
【0064】
前記一般式(4)において、Mは水素原子、金属原子または4級アンモニウムを表す。Zはイミダゾール環類を除く含窒素複素環を表す。nは0〜5の整数を表し、R4は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、アミノ基、ヒドロキシ基または複素環基を表し、nが2以上の場合、それぞれのR4は同じであってもよく、異なってもよく、お互いに連結して縮合環を形成してもよい。
【0065】
一般式(4)のMで表される金属原子としては、例えば、Li、Na、K、Mg、Ca、Zn、Ag等が挙げられ、4級アンモニウムとしては、例えば、NH4、N(CH34、N(C494、N(CH331225、N(CH331633、N(CH33CH265等が挙げられる。
【0066】
一般式(4)のZで表される含窒素複素環としては、例えば、テトラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、インドール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾセレナゾール環、ナフトオキサゾール環等が挙げられる。
【0067】
一般式(4)のR4で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ドデシル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、トリフルオロメチル、ベンジル等の各基が挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル等の各基が挙げられ、アルキルカルボンアミド基としては、例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチロイルアミノ等の各基が挙げられ、アリールカルボンアミド基としては、例えば、ベンゾイルアミノ等が挙げられ、アルキルスルホンアミド基としては、例えば、メタンスルホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基等が挙げられ、アリールスルホンアミド基としては、例えば、ベンゼンスルホニルアミノ基、トルエンスルホニルアミノ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ等が挙げられ、アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ等の各基が挙げられ、アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、トリルチオ基等が挙げられ、アルキルカルバモイル基としては、例えば、メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジブチルカルバモイル、ピペリジルカルバモイル、モルホリルカルバモイル等の各基が挙げられ、アリールカルバモイル基としては、例えば、フェニルカルバモイル、メチルフェニルカルバモイル、エチルフェニルカルバモイル、ベンジルフェニルカルバモイル等の各基が挙げられ、アルキルスルファモイル基としては、例えば、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、ジブチルスルファモイル、ピペリジルスルファモイル、モルホリルスルファモイル等の各基が挙げられ、アリールスルファモイル基としては、例えば、フェニルスルファモイル、メチルフェニルスルファモイル、エチルフェニルスルファモイル、ベンジルフェニルスルファモイル等の各基が挙げられ、アルキルスルホニル基としては、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基等が挙げられ、アリールスルホニル基としては、例えば、フェニルスルホニル、4−クロロフェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル等の各基が挙げられ、アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル等の各基が挙げられ、アリールオキシカルボニル基としては、例えばフェノキシカルボニル等が挙げられ、アルキルカルボニル基としては、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチロイル等の各基が挙げられ、アリールカルボニル基としては、例えば、ベンゾイル基、アルキルベンゾイル基等が挙げられ、アシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチロイルオキシ等の各基が挙げられ、複素環基としては、例えば、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、セレナゾール環、テトラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チアジン環、トリアジン環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、インドレニン環、ベンズセレナゾール環、ナフトチアゾール環、トリアザインドリジン環、ジアザインドリジン環、テトラアザインドリジン環基等が挙げられる。これらの置換基はさらに置換基を有するものを含む。
【0068】
次に、一般式(4)で表される化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されりものではない。
【0069】
【化8】

【0070】
【化9】

【0071】
上記例示した各化合物の中でも、本発明の目的効果をいかんなく発揮できる観点から、特に例示化合物4−12、4−18が好ましい。
【0072】
本発明の表示素子においては、電解質層に含まれるハロゲンイオンまたはハロゲン原子のモル濃度を[X](モル/kg)とし、前記電解質層に含まれる銀または銀を化学構造中に含む化合物の銀の総モル濃度を[Ag](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことが好ましい。
【0073】
式(1)
0≦[X]/[Ag]≦0.01
本発明でいうハロゲン原子とは、ヨウ素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子のことをいう。[X]/[Ag]が0.01よりも大きい場合は、銀の酸化還元反応時に、X-→X2が生じ、X2は黒化銀と容易にクロス酸化して黒化銀を溶解させ、メモリー性を低下させる要因の1つになるので、ハロゲン原子のモル濃度は銀のモル濃度に対してできるだけ低い方が好ましい。本発明においては、0≦[X]/[Ag]≦0.001がより好ましい。ハロゲンイオンを添加する場合、ハロゲン種については、メモリー性向上の観点から、各ハロゲン種モル濃度総和が[I]<[Br]<[Cl]<[F]であることが好ましい。
【0074】
(電解質−銀塩)
本発明の表示素子においてはヨウ化銀、塩化銀、臭化銀、酸化銀、硫化銀、クエン酸銀、酢酸銀、ベヘン酸銀、p−トルエンスルホン酸銀、メルカプト類との銀塩、イミノジ酢酸類との銀錯体、等の公知の銀塩化合物を用いることができる。これらの中でハロゲンやカルボン酸や銀との配位性を有する窒素原子を有しない化合物を銀塩として用いるのが好ましく、例えば、p−トルエンスルホン酸銀が好ましい。
【0075】
本発明に係る電解質層に含まれる銀イオン濃度は、0.2モル/kg≦[Ag]≦2.0モル/kgが好ましい。銀イオン濃度が0.2モル/kgより少ないと希薄な銀溶液となり駆動速度が遅延し、2モル/kgよりも大きいと溶解性が劣化し、低温保存時に析出が起きやすくなる傾向にあり不利である。
【0076】
(電解質材料)
本発明の表示素子において、電解質が液体である場合には、以下の化合物を電解質中に含むことができる。カリウム化合物としてKCl、KI、KBr等、リチウム化合物としてLiBF4、LiClO4、LiPF6、LiCF3SO3等、テトラアルキルアンモニウム化合物として過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、ホウフッ化テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムハライド等が挙げられる。また、特開2003−187881号公報の段落番号〔0062〕〜〔0081〕に記載の溶融塩電解質組成物も好ましく用いることができる。さらに、I-/I3-、Br-/Br3-、キノン/ハイドロキノン等の酸化還元対になる化合物を用いることができる。
【0077】
また、支持電解質が固体である場合には、電子伝導性やイオン伝導性を示す以下の化合物を電解質中に含むことができる。
【0078】
パーフルオロスルフォン酸を含むフッ化ビニル系高分子、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、トリフェニルアミン類、ポリビニルカルバゾール類、ポリメチルフェニルシラン類、Cu2S、Ag2S、Cu2Se、AgCrSe2等のカルコゲニド、CaF2、PbF2、SrF2、LaF3、TlSn25、CeF3等の含F化合物、Li2SO4、Li4SiO4、Li3PO4等のLi塩、ZrO2、CaO、Cd23、HfO2、Y23、Nb25、WO3、Bi23、AgBr、AgI、CuCl、CuBr、CuBr、CuI、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl4、LiAlF4、AgSBr、C55NHAg56、Rb4Cu167Cl13、Rb3Cu7Cl10、LiN、Li5NI2、Li6NBr3等の化合物が挙げられる。
【0079】
また、支持電解質としてゲル状電解質を用いることもできる。電解質が非水系の場合、特開平11−185836号公報の段落番号〔0057〕〜〔0059〕に記載のオイルゲル化剤を用いことができる。
【0080】
(電解質添加の増粘剤)
本発明の表示素子においては、電解質層に増粘剤を用いることができ、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アルキレングリコール)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類、疎水性透明バインダーとして、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタン等が挙げられる。
【0081】
これらの増粘剤は2種以上を併用して用いてもよい。また、特開昭64−13546号公報の71〜75頁に記載の化合物を挙げることができる。これらの中で好ましく用いられる化合物は、各種添加剤との相溶性と白色粒子の分散安定性向上の観点から、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ヒドロキシプロピルセルロース類、ポリアルキレングリコール類である。
【0082】
〔多孔質白色散乱物〕
本発明の表示素子の電解質層には、電解質溶媒に実質的に溶解しない水溶性高分子と白色顔料との水混和物を多孔質白色散乱物として含有することが好ましい。
【0083】
白色顔料としては、例えば、二酸化チタン(アナターゼ型あるいはルチル型)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウムおよび水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、アルカリ土類金属塩、タルク、カオリン、ゼオライト、酸性白土、ガラスなど、有機化合物としてポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、ポリアミド樹脂などが単体または複合混合で、または粒子中に屈折率を変化させるボイドを有する状態で使用されてもよい。
【0084】
本発明においては、上記白色粒子の中でも、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛が好ましく用いられる。また、無機酸化物(Al23、AlO(OH)、SiO2等)で表面処理した二酸化チタン、これらの表面処理に加えて、トリメチロールエタン、トリエタノールアミン酢酸塩、トリメチルシクロシラン等の有機物処理を施した二酸化チタンを用いることができる。
【0085】
これらの白色粒子のうち、高温時の着色防止、屈折率に起因する素子の反射率の観点から、酸化チタンまたは酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
【0086】
(電解質層のその他の添加剤)
本発明の表示素子の構成層には、保護層、フィルター層、ハレーション防止層、クロスオーバー光カット層、バッキング層等の補助層を挙げることができ、これらの補助層中には、各種の化学増感剤、貴金属増感剤、感光色素、強色増感剤、カプラー、高沸点溶剤、カブリ防止剤、安定剤、現像抑制剤、漂白促進剤、定着促進剤、混色防止剤、ホルマリンスカベンジャー、色調剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、可塑剤、スベリ剤、紫外線吸収剤、イラジエーション防止染料、フィルター光吸収染料、防ばい剤、ポリマーラテックス、重金属、帯電防止剤、マット剤等を、必要に応じて含有させることができる。
【0087】
上述したこれらの添加剤は、より詳しくは、リサーチディスクロージャー(以下、RDと略す)第176巻Item/17643(1978年12月)、同184巻Item/18431(1979年8月)、同187巻Item/18716(1979年11月)及び同308巻Item/308119(1989年12月)に記載されている。
【0088】
これら三つのリサーチ・ディスクロージャーに示されている化合物種類と記載箇所を以下に掲載した。
【0089】
添加剤 RD17643 RD18716 RD308119
頁 分類 頁 分類 頁 分類
化学増感剤 23 III 648右上 96 III
増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV
減感色素 23 IV 998 IV
染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII
現像促進剤 29 XXI 648右上
カブリ抑制剤・安定剤
24 IV 649右上 1006〜7 VI
増白剤 24 V 998 V
硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X
界面活性剤 26〜7 XI 650右 1005〜6 XI
帯電防止剤 27 XII 650右 1006〜7 XIII
可塑剤 27 XII 650右 1006 XII
スベリ剤 27 XII
マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI
バインダー 26 XXII 1003〜4 IX
支持体 28 XVII 1009 XVII
(層構成)
本発明の表示素子の対向電極間の構成層について、更に説明する。
【0090】
本発明の表示素子に係る構成層として、正孔輸送材料を含む構成層を設けることができる。正孔輸送材料として、例えば、芳香族アミン類、トリフェニレン誘導体類、オリゴチオフェン化合物、ポリピロール類、ポリアセチレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリトルイジン誘導体、CuI、CuSCN、CuInSe2、Cu(In,Ga)Se、CuGaSe2、Cu2O、CuS、CuGaS2、CuInS2、CuAlSe2、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi23、MoO2、Cr23等を挙げることができる。
【0091】
(基板)
本発明で用いることのできる基板としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート類、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンジナフタレンジカルボキシラート、ポリエチレンナフタレート類、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアセタール類、ポリスチレン等の合成プラスチックフィルムも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類も好ましい。これらは、例えば、特開昭62−117708号、特開平1−46912、同1−178505号の各公報に記載されている方法により得ることができる。更に、ステンレス等の金属製基盤や、バライタ紙、及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラスチックフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭62−253195号(29〜31頁)に支持体として記載されたものが挙げられる。RDNo.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄から648頁左欄及び同No.307105の879頁に記載されたものも好ましく使用できる。これらの支持体には、米国特許第4,141,735号のようにTg以下の熱処理を施すことで、巻き癖をつきにくくしたものを用いることができる。また、これらの支持体表面を支持体と他の構成層との接着の向上を目的に表面処理を行っても良い。本発明では、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理を表面処理として用いることができる。更に公知技術第5号(1991年3月22日アズテック有限会社発行)の44〜149頁に記載の支持体を用いることもできる。更にRDNo.308119の1009頁やプロダクト・ライセシング・インデックス、第92巻P108の「Supports」の項に記載されているものが挙げられる。その他に、ガラス基板や、ガラスを練りこんだエポキシ樹脂を用いることができる。
【0092】
(電極)
また、本発明の表示素子は、対向電極の少なくとも1種が透明電極であることが好ましい。透明電極としては、透明で電気を通じるものであれば特に制限はない。例えば、Indium Tin Oxide(ITO:インジウム錫酸化物)、Indium Zinc Oxide(IZO:インジウム亜鉛酸化物)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム、酸化亜鉛等があげられる。
【0093】
電極をこのように形成するには、例えば、基板上にITO膜をスパッタリング法等でマスク蒸着するか、ITO膜を全面形成した後、フォトリソグラフィ法でパターニングすればよい。表面抵抗値としては、100Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。透明電極の厚みは特に制限はないが、0.1〜20μmであるのが一般的である。
【0094】
また、その他の電極材料として、白金、金、銀、ロジウム、銅、クロム、炭素、アルミニウム、シリコン、アモルファスシリコン、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等を挙げることができ、これらの電極材料等も薄膜化することにより透明化することが出来る。また、これらの電極材料と上記透明電極材料をサンドイッチ構造とすることもできる。
【0095】
(表示素子のその他の構成要素)
本発明の表示素子には、必要に応じて、シール剤、柱状構造物、スペーサー粒子を用いることができる。
【0096】
シール剤は電解質が外に漏れないように封入するためのものであり封止剤とも呼ばれ、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エン−チオール系樹脂、シリコーン系樹脂、変性ポリマー樹脂等の、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型、嫌気硬化型等の硬化タイプを用いることができる。
【0097】
柱状構造物は、基板間の強い自己保持性(強度)を付与し、例えば、格子配列等の所定のパターンに一定の間隔で配列された、円柱状体、四角柱状体、楕円柱状体、台形柱状体等の柱状構造物を挙げることができる。また、所定間隔で配置されたストライプ状のものでもよい。この柱状構造物はランダムな配列ではなく、等間隔な配列、間隔が徐々に変化する配列、所定の配置パターンが一定の周期で繰り返される配列等、基板の間隔を適切に保持でき、且つ、画像表示を妨げないように考慮された配列であることが好ましい。柱状構造物は表示素子の表示領域に占める面積の割合が1〜40%であれば、表示素子として実用上十分な強度が得られる。
【0098】
一対の基板間には、該基板間のギャップを均一に保持するためのスペーサーが設けられていてもよい。このスペーサーとしては、樹脂製または無機酸化物製の球体を例示できる。また、表面に熱可塑性の樹脂がコーティングしてある固着スペーサーも好適に用いられる。基板間のギャップを均一に保持するために柱状構造物のみを設けてもよいが、スペーサー及び柱状構造物をいずれも設けてもよいし、柱状構造物に代えて、スペーサーのみをスペース保持部材として使用してもよい。スペーサーの直径は柱状構造物を形成する場合はその高さ以下、好ましくは当該高さに等しい。柱状構造物を形成しない場合はスペーサーの直径がセルギャップの厚みに相当する。
【0099】
(スクリーン印刷)
本発明においては、シール剤、柱状構造物、電極パターン等をスクリーン印刷法で形成することもできる。スクリーン印刷法は、所定のパターンが形成されたスクリーンを基板の電極面上に被せ、スクリーン上に印刷材料(柱状構造物形成のための組成物、例えば、光硬化性樹脂など)を載せる。そして、スキージを所定の圧力、角度、速度で移動させる。これによって、印刷材料がスクリーンのパターンを介して該基板上に転写される。次に、転写された材料を加熱硬化、乾燥させる。スクリーン印刷法で柱状構造物を形成する場合、樹脂材料は光硬化性樹脂に限られず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、ポリビニールケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニールピロリドン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂等が挙げられる。樹脂材料は樹脂を適当な溶剤に溶解するなどしてペースト状にして用いることが望ましい。
【0100】
以上のようにして柱状構造物等を基板上に形成した後は、所望によりスペーサーを少なくとも一方の基板上に付与し、一対の基板を電極形成面を対向させて重ね合わせ、空セルを形成する。重ね合わせた一対の基板を両側から加圧しながら加熱することにより、貼り合わせて、表示セルが得られる。表示素子とするには、基板間に電解質組成物を真空注入法等によって注入すればよい。あるいは、基板を貼り合わせる際に、一方の基板に電解質組成物を滴下しておき、基板の貼り合わせと同時に液晶組成物を封入するようにしてもよい。
【0101】
(表示素子駆動方法)
本発明の表示素子においては、析出過電圧以上の電圧印加で黒化銀を析出させ、析出過電圧以下の電圧印加で黒化銀の析出を継続させる駆動操作を行なうことが好ましい。この駆動操作を行なうことにより、書き込みエネルギーの低下や、駆動回路負荷の低減や、画面としての書き込み速度を向上させることができる。一般に電気化学分野の電極反応において過電圧が存在することは公知である。例えば、過電圧については「電子移動の化学−電気化学入門」(1996年 朝倉書店刊)の121ページに詳しい解説がある。本発明の表示素子も電極と電解質中の銀との電極反応と見なすことができるので、銀溶解析出においても過電圧が存在することは容易に理解できる。過電圧の大きさは交換電流密度が支配するので、本発明のように黒化銀が生成した後に析出過電圧以下の電圧印加で黒化銀の析出を継続できるということは、黒化銀表面の方が余分な電気エネルギーが少なく容易に電子注入が行なえると推定される。
【0102】
本発明の表示素子の駆動操作は、単純マトリックス駆動であっても、アクティブマトリック駆動であってもよい。本発明でいう単純マトリックス駆動とは、複数の正極を含む正極ラインと複数の負極を含む負極ラインとが対向する形で互いのラインが垂直方向に交差した回路に、順次電流を印加する駆動方法のことを言う。単純マトリックス駆動を用いることにより、回路構成や駆動ICを簡略化でき安価に製造できるメリットがある。アクティブマトリックス駆動は、走査線、データライン、電流供給ラインが碁盤目状に形成され、各碁盤目に設けられたTFT回路により駆動させる方式である。画素毎にスイッチングが行えるので、諧調やメモリー機能などのメリットがあり、例えば、特開2004−29327号の図5に記載されている回路を用いることができる。
【0103】
(商品適用)
本発明の表示素子は、電子書籍分野、IDカード関連分野、公共関連分野、交通関連分野、放送関連分野、決済関連分野、流通物流関連分野等の用いることができる。具体的には、ドア用のキー、学生証、社員証、各種会員カード、コンビニストアー用カード、デパート用カード、自動販売機用カード、ガソリンステーション用カード、地下鉄や鉄道用のカード、バスカード、キャッシュカード、クレジットカード、ハイウェーカード、運転免許証、病院の診察カード、電子カルテ、健康保険証、住民基本台帳、パスポート、電子ブック等が挙げられる。
【実施例】
【0104】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
《表示素子の作製》
〔表示素子1の作製〕
(電解液1の作製)
ジメチルスルホキシド2.5g中に、ヨウ化ナトリウム90mg、ヨウ化銀75mgを加えて完全に溶解させた後に、酸化チタン(平均一次粒径0.37μm)300mgを加えて超音波分散機にて該酸化チタンを分散し、さらにポリビニルピロリドン(平均分子量15000)を150mg加えて120℃に加熱しながら1時間攪拌し、電解液1を得た。
【0105】
(電極1の作製)
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板状にピッチ145μm、電極幅130μmのITO膜を公知の方法に従って形成し透明電極(電極1)を得た。
【0106】
(電極2の作製)
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板に、公知の方法を用いて、電極厚み0.030μm、ピッチ145μm、電極間隔130μmの銀−パラジウム電極(電極2)を得た。
【0107】
(表示素子1の作製)
電極2上に平均粒子径40μmのガラスビーズを含有させたエポキシ系シール剤を注入口を残して塗布し、電極1と電極面が対向する形で押圧させ、この状態で80℃で2時間加熱し、シール剤を硬化させ空セルを作製した。次に、空セルの注入口から電解液1を真空注入法にて注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて硬化させ、表示素子1を作製した。
【0108】
(表示素子2の作製)
表示素子1のヨウ化ナトリウムを同モル数のヨウ化リチウムに変更した以外は表示素子1と同様にして表示素子2を作製した。
【0109】
(表示素子3の作製)
表示素子2の電極2の銀−パラジウム電極を公知の方法に従ってLi−Al合金に変更した以外は同様にして表示素子3を作製した。
【0110】
(表示素子4の作製)
表示素子2の電極2の銀−パラジウム電極を公知の方法に従って多孔質炭素電極に変更した以外は同様にして表示素子4を作製した。
【0111】
(表示素子5の作製)
表示素子2の電極2の銀−パラジウム電極を公知の方法に従ってLiCoO2電極に変更した以外は同様にして表示素子5を作製した。
【0112】
(表示素子6)
表示素子5の電解液のヨウ化リチウムを(4−12)150mg、新たにLiPF6を10mg添加した以外は表示素子5同様にして表示素子6を作製した。
【0113】
(表示素子7)
表示素子6の(4−12)を(5−2)200mgに変更した以外は表示素子6と同様にして表示素子7を作製した。
【0114】
(表示素子8)
表示素子7のジメチルスルホキシドをプロピレンカーボネート/エチレンカーボネート(重量比7/3)2.5gに変更した以外は同様にして表示素子8を作製した。
【0115】
(表示素子9の作製)
表示素子8のヨウ化銀をp−トルエンスルホン酸銀に変更した以外は表示素子8と同様にして表示素子9を作製した。
【0116】
(表示素子10の作製)
表示素子9のLiCoO2電極を多孔質炭素電極に、LiPF6を20mgの臭化リチウムに変更した以外は表示素子9と同様にして表示素子10を作製した。
【0117】
(評価)
作製した各表示素子に対して、コニカミノルタセンシング社製分光測色計CM−3700dの550nmの反射率が10%となる様な駆動条件を求めた後、該駆動条件で白化−黒化を1000回駆動させた。
【0118】
その後再度黒化させ、300画素四方の黒化像をCCDカメラにて撮像し、電極幅が3/4以下になっている(断線も含む)ストライブ電極の本数を数えた。評価値と劣化本数は、10は劣化なし、9は1〜5本、8は6〜10本、7は11〜15本、6は16〜20本、5は21〜25本、4は26〜30本、3は31〜35本、2は36〜40本、1は41本以上とし、評価値が高いほど電極耐久性が優れていることを示す。
【0119】
結果を表1に示す。
【0120】
【表1】

【0121】
本発明の構成が優れていることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の表示素子の基本的な構成を示す概略断面図である。
【図2】本発明の電極が、リチウムイオンを可逆的に酸化還元でき、還元体であるリチウムを吸着担持可能な多孔質炭素電極の例を示す。
【図3】本発明の電極が、リチウムイオンを可逆的に酸化還元でき、還元体であるリチウムを結晶格子中に担持できる金属複合酸化物の例を示す。
【図4】従来の表示素子の構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0123】
1,2 電極
3 電解質層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向電極間に、銀、または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質層を有し、銀の溶解析出を生じさせるように該対向電極の駆動操作を行う表示素子であって、該電解質層がリチウムイオンを含み、かつ、該対向電極の少なくとも1つの電極上でリチウムイオンに係る酸化還元反応を駆動操作時に生じさせることを特徴とする表示素子。
【請求項2】
前記リチウムイオンに係る酸化還元反応を生じさせる電極が、リチウムイオンを可逆的に酸化還元でき、還元体であるリチウムを吸着担持可能な多孔質炭素電極であることを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
【請求項3】
前記リチウムイオンに係る酸化還元反応を生じさせる電極が、リチウムイオンを可逆的に酸化還元でき、還元体であるリチウムを結晶格子中に担持できる金属複合酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
【請求項4】
前記電解質層が、下記一般式(1)または(2)で表される化合物の少なくとも1種と、下記一般式(3)または(4)で表される化合物の少なくとも1種とを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示素子。
【化1】

〔式中、Lは酸素原子またはCH2を表し、R1〜R4は各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシ基を表す。〕
【化2】

〔式中、R5、R6は各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシ基を表す。〕
一般式(3)
7−S−R8
〔式中、R7、R8は各々置換または無置換の炭化水素基を表す。ただし、S原子を含む環を形成する場合には、芳香族基をとることはない。〕
【化3】

〔式中、Mは水素原子、金属原子または4級アンモニウムを表す。Zはイミダゾール環類を除く含窒素複素環を表す。nは0〜5の整数を表し、R9は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、アミノ基、ヒドロキシ基または複素環基を表し、nが2以上の場合、それぞれのR9は同じであってもよく、異なってもよく、お互いに連結して縮合環を形成してもよい。〕
【請求項5】
前記電解質層に含まれるハロゲンイオンまたはハロゲン原子のモル濃度を[X](モル/kg)とし、前記電解質層に含まれる銀または銀を化学構造中に含む化合物の銀の総モル濃度を[Ag](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示素子。
式(1)
0≦[X]/[Ag]≦0.01

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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