説明

表示装置を備えた空気調和機

【課題】部品の共通化と、部品の共通化による原価低減を行う。
【解決手段】透光板8後方の化粧パネル4には凹部9を形成し、この凹部9には発光素子10と連通する複数の穴を設け、前記複数の発光素子10は上下方向の直線上に等間隔に配置され、発光素子10から透光板8までの距離は下側の発光素子10に対応する距離よりも上側の発光素子10に対応する距離が長く、前記凹部9の幅は下側の発光素子10に対応する距離よりも上側の発光素子10に対応する距離を短くしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気調和機の運転モード表示用ランプ等に用いられる表示装置に係り、透光板で覆った構造の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものでは、冷房、暖房、又は除湿の各運転モードに切換可能な空気調和機の室内機で、この室内機の前面パネルの前下方に吹出口が形成され、この吹出口の上部右側に隣接して表示部が設けられている。この表示部は、気流、除湿、タイマー等の各ランプと、運転ランプとを有している。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
また、図5のように、前面パネルaの背面に上下方向に近接して表示ランプbが設けられ、この表示ランプbに対向する化粧パネルcに備えた透光板dとの距離は略一定であるので、ランプ点灯時には透光板dに投影されるランプ光はそれぞれ略同じ大きさで見えるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3559129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところでこの従来のものでは、多数の機種に対応する多数の部品が有り、部品の共通化と、部品の共通化による原価低減が必要とされている。
また、金型費や設計の費用を低減するために化粧パネル等の外観のみをデザイン変更することで、新商品を作成する手法が行われるが、デザイン変更によって化粧パネルの形が変更されると、化粧パネルに近接する表示ランプの取付部品も変更されるものであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明はこの点に着目し、上記欠点を解決する為、特にその構成を、室内機の筐体前側を覆う前面パネルを設け、この前面パネルの更に前面側に化粧パネルを、背面側には複数の発光素子を位置させ、この発光素子に対向する前面パネルには表示用の開口部を備え、この開口部に対向する化粧パネルには発光素子の光を透過するとともに拡散する透光板を備え、冷房、暖房、又は除湿の各運転モードに切換可能で、かつ化粧パネルの前面に前記各運転モード毎に表示をする運転表示装置を備えた空気調和機に於いて、前記透光板後方の化粧パネルには凹部を形成し、この凹部には前記発光素子と連通する複数の穴を設け、前記複数の発光素子は上下方向の直線上に等間隔に配置され、発光素子から透光板までの距離は下側の発光素子に対応する距離よりも上側の発光素子に対応する距離が長く、前記凹部の幅は下側の発光素子に対応する距離よりも上側の発光素子に対応する距離を短くしたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、デザイン変更によって化粧パネルの形が変更されて、透光板と発光素子との距離にズレが生じても、化粧パネルに設けた凹部の幅寸法を調整することで、化粧パネルに近接する発光素子の取付部品を共通で使用することができ、この共通化により原価低減をすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の一実施形態の斜視図。
【図2】同拡大断面図。
【図3】同要部拡大正面図。
【図4】同要部拡大断面図。
【図5】従来例の要部拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、この発明に係る空気調和機を図面に示された一実施例で説明する。1はセパレート式空気調和機の室内機で、本体ベース2と前方の前面パネル3によって筐体を形成し、この筐体内には熱交換器(図示せず)と送風ファン等(図示せず)を備えている。
前記前面パネル3の更に前面は着脱自在の化粧パネル4によって覆われている。
【0010】
また前面パネル3は上面に吸込口5を、底面に吹出口6を備え、前記吸込口5の内側には網目状で着脱自在のエアーフィルタ(図示せず)を左右1対備え、吸込空気に含まれる埃を取り除くものである。
【0011】
前記熱交換器はフィンチューブ式の熱交換器を使用するものであり、冷房運転時には蒸発器として作用し低温になり、暖房運転時には凝縮器として作用し高温となるものである。
【0012】
前記送風ファンはクロスフローファンで、熱交換器の内側に配置され、前記吸込口5とエアーフィルタと熱交換器と送風ファンを連通して送風経路(図示せず)を形成している。
【0013】
前記吹出口6の右側の楕円形はリモコン(図示せず)の受信部7で、使用者が空気調和機の運転・停止や、運転に必要な設定をリモコンから送信して、この受信部7にて受信し空気調和機の運転を行うものである。
【0014】
前記化粧パネル4は白色のABS樹脂で形成され、化粧パネル4の右下側には略正方形で黒色の透光板8が嵌め込まれている。
前記透光板8後方右側の化粧パネル4には縦長の凹部9を形成し、この凹部9の更に後方には3個の発光ダイオードから成る発光素子10が上下方向の略直線上に等間隔で設けられ、この発光素子10に対向する凹部9に穴11が設けられている。
【0015】
12は表示基板で、前記発光素子10とその他電子部品が固定されたプリント基板から成り、発光素子10の周りには筒状で発光した光が漏れる事を防止するためのカバー13を備えている。そして、前記表示基板12は前記本体ベース2側に連なる部品に固定されている。
【0016】
前記発光素子10の先端から透光板8の表面までの距離は、上の発光素子10aに対応する距離Aが、中間の発光素子10bに対応する距離Bよりも1.2倍大きく、この距離Bが下側の発光素子10cに対応する距離Cよりも1.2倍大きい位置にあるために、透光板8への透光面積が上に行くほど大きくなり、光の見え方も上に行くほど大きくなることを防止するために、前記凹部9の幅寸法D・E・Fを上に行くほど小さくすることで、光の広がりを抑え上下3つの発光素子10の見える大きさを均一にするものであり、上の発光素子10aに対応する幅寸法Dは、中間の発光素子10bに対応する幅寸法Eよりも0.9倍で小さく、この寸法Eは下側の発光素子10cに対応する幅寸法Fよりも0.9倍で小さくしたものである。
【0017】
デザイン変更によって化粧パネル4の形が変更されて、透光板8と発光素子10との距離にズレが生じても、化粧パネル4に設けた凹部9の幅寸法を調整することで、化粧パネルに近接する発光素子10の取付部品を共通で使用することができ、この共通化により原価低減をすることができるものである。
【符号の説明】
【0018】
1 室内機
2 本体ベース
3 前面パネル
4 化粧パネル
8 透光板
9 凹部
10 発光素子
11 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内機の筐体前側を覆う前面パネルを設け、この前面パネルの更に前面側に化粧パネルを、背面側には複数の発光素子を位置させ、この発光素子に対向する前面パネルには表示用の開口部を備え、この開口部に対向する化粧パネルには発光素子の光を透過するとともに拡散する透光板を備え、冷房、暖房、又は除湿の各運転モードに切換可能で、かつ化粧パネルの前面に前記各運転モード毎に表示をする運転表示装置を備えた空気調和機に於いて、前記透光板後方の化粧パネルには凹部を形成し、この凹部には前記発光素子と連通する複数の穴を設け、前記複数の発光素子は上下方向の直線上に等間隔に配置され、発光素子から透光板までの距離は下側の発光素子に対応する距離よりも上側の発光素子に対応する距離が長く、前記凹部の幅は下側の発光素子に対応する距離よりも上側の発光素子に対応する距離を短くしたことを特徴とする表示装置を備えた空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−185465(P2011−185465A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48625(P2010−48625)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】