説明

表示装置及びその制御方法

【課題】所定の環境下でも表示画面の視認性を高くすることができる携帯電話機及びその制御方法を提供すること。
【解決手段】携帯電話機1において、画像を表示する表示部12と、外部の光を検出する光センサ5又はカメラ6と、光センサ5又はカメラ6での検出結果に応じた色彩で表示を行うように表示部12を制御する表示制御部135と、を備え、表示制御部135は、光センサ5又はカメラ6により、所定量以上の光が検出された場合には、赤色成分を強調すると共に、青色成分を抑制するような色彩で表示を行うように表示部12を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の環境下でも視認性が高い表示装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯電話機においては、多様な色をカラー表示することができる液晶パネル等を搭載している。このような携帯電話機では、配色を様々異ならせて表示を多彩にすることが行われる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−41194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような特許文献1に記載の技術においては、多数の色を表示させているために、例えば、直射日光下等の環境下においては、表示面が日光で光ってしまい、色によっては見えづらくなってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、所定の環境下でも表示画面の視認性を高くすることができる表示装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示装置は、上記課題を解決するために、画像を表示する画像表示部と、外部の光を検出する光検出部と、前記光検出部での検出結果に応じた色彩で表示を行うように前記画像表示部を制御する表示制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、表示装置では、前記表示制御部は、前記光検出部により、所定量以上の光が検出された場合には、赤色成分を強調すると共に、青色成分を抑制した色彩で表示を行うよう前記画像表示部を制御することを特徴とすることが好ましい。
【0008】
また、表示装置では、複数の配色パターンを記憶した記憶部を、さらに備え、前記記憶部には、赤色成分及び青色成分の度合いをそれぞれ変更した複数のサンプル画像が予め記憶されており、前記表示制御部は、前記複数のサンプル画像のうち予め選択されたサンプル画像に対応する色成分の度合いにより、前記画像表示部を制御することを特徴とすることが好ましい。
【0009】
また、表示装置では、前記光検出部は、光センサ又はカメラ部により構成されることを特徴とすることが好ましい。
【0010】
また、表示装置では、前記画像表示部における表示は、待ち受け画面又はメニュー画面その他の各種リスト画面を表示する際に行われることを特徴とすることが好ましい。
【0011】
また、表示装置では、前記光検出部での検出結果に対応する変換式を有する変換式テーブルを記憶した記憶部を備え、前記表示制御部は、前記変換式テーブルを参照し、前記光検出部での検出結果に対応する変換式により算出された値に基づいて、前記画像表示部の表示を行うように制御することを特徴とすることが好ましい。
【0012】
また、表示装置では、操作部を、さらに備え、前記記憶部は、異なる色彩のサンプル画像を複数記憶すると共に、前記複数のサンプル画像のいずれかが前記操作部での操作により選択されたときに前記光検出部にて検出された外部の光を前記選択されたサンプル画像に対応付けて記憶し、前記表示制御部は、前記サンプル画像に対応付けられている外部の光のうち前記光検出部での検出結果に対応する外部の光を抽出し、この抽出された外部の光に対応付けられた前記サンプル画像の色彩で表示を行うように、前記画像表示部を制御することを特徴とする。
【0013】
また、別の本発明に係る表示装置の制御方法では、画像を表示する画像表示部と、外部の光を検出する光検出部と、を備える表示装置の制御方法であって、前記光検出部により光を検出する光検出ステップと、前記光検出ステップの処理での検出結果に応じた色彩で表示を行うように前記画像表示部を制御する表示制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、所定の環境下でも表示画面の視認性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態である携帯電話機の外観を示す図である。
【図2】携帯電話機の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図3】機能設定画面の表示の一例を示す模式図である。
【図4】配色パターン設定の選択画面の一例を示す模式図である。
【図5】配色パターン設定の選択画面の他の例を示す模式図である。
【図6】色彩変更を説明するための概念図である。
【図7】携帯電話機の表示部に表示される画面を示す模式図である。
【図8】携帯電話機の表示処理の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態の一例について説明する。なお、本実施形態では、具体例として携帯電話機1(表示装置)を想定して説明するが、これに限られず、例えば、PHS(Personal Handy phone System)端末や、PDA(Personal Digital Assistant)等の様々な携帯電子機器に適用可能である。
【0017】
図1は、本発明の携帯電話機1の外観を示す図である。詳細には、図1(a)は携帯電話機1の展開状態を示す外観図であり、図1(b)は携帯電話機1の非展開状態を示す外観図である。
本実施形態における携帯電話機1は、後述する操作部8が設けられる操作部側筐体2と、後述する表示部12が設けられる表示部側筐体3の2つの筐体を、ヒンジ部4を介して、図1(a)に示すような展開状態から図1(b)に示すような非展開状態となる折り畳み状態に形態を変更可能に連結した、いわるゆ、折り畳み式の携帯電話として構成される。なお、携帯電話機1は、本実施形態においては折り畳み式の携帯電話機1として構成したがこれに限られず、例えば、ストレート式の携帯電話機やスライド式の携帯電話機1あってもよい。
【0018】
また、携帯電話機1は、図1(a)に示す展開状態で表面に露出し、表示部12の表示面側と同一面に配置されると光センサ5と、インカメラ6Aとを備える。また、携帯電話機1は、図1(b)に示すように、表示部12の表示面側の反対側にアウトカメラ6Bを備える。つまり、携帯電話機1においては、光センサ5により表示面に対して照射される光の量を検出することができる。また、携帯電話機1においては、インカメラ6Aとアウトカメラ6Bにより、携帯電話機1の周囲の画像を撮像することができる。
【0019】
以上のように構成される携帯電話機1においては、ユーザの視覚特性を加味して視認性の高い表示ができる機能を有し、携帯電話機1の置かれた環境下に対応した表示を行うことで、視認性の高い表示を行うことができる機能を有する。
【0020】
次に、本実施形態における携帯電話機1の機能的構成について説明する。図2は、本実施形態における携帯電話機1の機能的構成を示す機能ブロック図である。詳細には、図2(a)は携帯電話機1の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【0021】
携帯電話機1は、機能構成としては、図2(a)に示すように、光センサ5と、カメラ6と、記憶部7と、操作部8と、スピーカ9と、マイク10と、通信部11と、表示部12と、CPU13と、を備える。
【0022】
光センサ5は、携帯電話機1の周囲の光量、詳細には表示部12の表示面に照射される光を検出する。本実施形態においては、光センサ5により検出した光量は、携帯電話機1が置かれた環境を判定するために用いる。具体的には、例えば、光センサ5が所定量以上の光を検出した場合には、直射日光下に携帯電話機1が置かれている(詳細には、表示面に直射日光が当たっている)等の環境の判定に用いることができる。
【0023】
カメラ6は、上述したインカメラ6Aと、アウトカメラ6Bと、を備える。カメラ6では、それぞれ設けられた側において画像を撮像する。本実施形態においては、カメラ6により撮像した画像は、携帯電話機1が置かれた環境を判定するために用いられる。
【0024】
記憶部7は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリにより構成されており、各種データを記憶する。
また、記憶部7には、具体的には、例えば、単色表示に対応した変換式テーブルデータや配色パターンに対応した変換式テーブルデータや、環境条件に対応した変換式テーブルデータを記憶する。各変換式テーブルデータには、対応する変換式が格納されている。環境条件に対応した変換式とは、直射日光下の環境では、例えば、赤色成分を強調し、青色成分を抑制したような表示が可能になる変換式である。
また、記憶部7には、各配色パターンに対応したサンプル画像や、配色パターンに対応し、かつ、検出した光量を考慮したサンプル画像が記憶されている。
【0025】
操作部8は、ユーザにより入力操作されることにより、選択・決定等の各種操作を行う。
スピーカ9は、通話時において、相手先の音声を出力する。
マイク10は、通話時において、ユーザの音声を入力する。
通信部11は、音声データ等の各種データの送受信を行う。
【0026】
表示部12は、本実施形態においては、LCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)として構成される。また、表示部12は、CPU13(詳細には、後述する表示制御部135)による制御より、例えば、カラー表示、黒白のみで表示する単色表示、各画素の輝度や色成分を種々変更可能に構成される。表示部12は、例えば、RGB値やYUV値等の色空間値の調整を行うことにより各画素の輝度や色成分を変更する。
【0027】
CPU(Central Processing Unit)13は、中央演算処理装置であり、各部の制御を行い、例えば、カメラ6の撮像を制御し、操作部8への入力操作を検出し、表示部12の表示を制御し、光センサ5の光量の検出を制御し、記憶部7へのデータの記憶を制御し等の各種制御を行う。
【0028】
CPU13は、詳細には、カラー表示/単色表示設定部130と、配色パターン設定部131と、環境判定部132と、変換処理部133と、輝度変更部134と、表示制御部135と、を備える。
【0029】
カラー表示/単色表示設定部130は、ユーザの設定に基づいて、カラー表示又は単色表示の表示設定を行う。
ここで、カラー表示とは、表示部12において表示可能な色で表示する表示のことである。「単色表示」とは、表示部12において表示可能な色を減じて特定の色のみで表示する表示のことであり、例えば、白と黒のみによる表示である。
携帯電話機1では、「単色表示」で表示することにより、多数の色を表示しないために、電力消費を抑えることができる。
【0030】
なお、本実施形態においては、ユーザの設定のために、図3(a)に示すような画面表示を行い、ユーザにカラー表示又は単色表示の設定を促す。図内、「カラー表示(ユーザカスタマイズ)」とは、カラー表示に加えて後述する環境の判定に基づいた表示を行うための設定である。ちなみに、図3は、機能設定画面の表示の一例を示す模式図である。詳細には、図3(a)は、カラー/単色表示の設定画面である。
【0031】
配色パターン設定部131は、ユーザの選択に基づいて、配色パターンの設定を行う。配色パターンとは、表示される画像等のそもそもの色ではなく、特定の色味を強調して、すなわち、色味を偏らせて各種表示を行うものである。ヒトは個人により色との相性があり、相性のよくない色で表示されることで視認性が低下し、逆に、相性のよいで表示されることで視認性が向上する。このような特性を利用して、本実施形態では、ユーザに、配色パターンを選択させ、ユーザに合った色味で表示を行うことで、ユーザ個々に対応して、表示画面の視認性を向上させることができる。
【0032】
また、配色パターン設定部131は、本実施形態においては、配色パターン1〜配色パターン4の4種類の配色パターンのうちの1つを設定する。以下、配色パターンは、例示であり、種々強調する色味を変更させることができる。
【0033】
本実施形態において、「配色パターン1」は、白色を強調した設定であり、表示画面は、白味がかって表示される配色パターンである。
「配色パターン2」は、赤色を強調した設定であり、表示画面は、赤味がかって表示される配色パターンである。具体的には、例えば、赤色成分値を高くして、青色成分値を低くして表示するパターンである。
「配色パターン3」は、青色を強調した設定であり、表示画面は、青味がかって表示される配色パターンである。具体的には、例えば、青色成分値を高くして、赤色成分値を低くして表示するパターンである。
「配色パターン4」は、黒色を強調した設定であり、表示画面は、黒味がかって表示される配色パターンである。なお、配色パターンは、単に特定の色を強調するように構成したが、これに限られず、特定の色が強調されるように、強調したい色と補色関係の色を抑制するように構成してもよい。
【0034】
また、配色パターンの設定に際しては、本実施形態においては、ユーザ選択画面を図4に示すように構成する。図4は、配色パターン設定の選択画面の一例を示す模式図である。詳細には、図4(a)は配色パターン設定の選択画面の開始画面を示す模式図であり、図4(b)〜図4(e)は選択可能な配色パターンを表示する画面を示す模式図である。
【0035】
配色パターン設定の選択は、本実施形態においては、例えば、配色パターン毎に、配色を変更した場合の画面を順次表示して行う。具体的には、例えば、配色パターンに対応したサンプル画像を順次表示する。
このように配色を変更した場合の実際の画面を表示することで、ユーザは、より配色パターンの選択をしやすくなる。
【0036】
具体的には、図4(a)に示すように、配色パターン設定の開始時の画面を表示して、ユーザに配色パターンの選択を促す。
【0037】
ユーザにより[OK]が選択操作された場合には、図4(b)に示すようなプレビュー画面を表示する。図4(b)のプレビュー画面では、配色パターン1の配色(例えば、通常の設定よりも各画素の白色成分が多く設定され、白味がかった配色)に基づいた画面の表示が行われる。
【0038】
配色パターン1を選択しない場合には、図4(b)の画面に移動し、配色パターン2をプレビュー画面として表示する。その後、同様にして、図4(c)〜図4(e)に示すように、順次配色パターンをプレビュー画面として表示する。最終的に、ユーザは、配色パターン1〜配色パターン4の中から自分にあった配色パターンを選択する。
【0039】
このように構成することで、ユーザは、詳細な設定を知らなくても、直感的に見やすい色を選択することができる。通常の使用の状態に近い状態で見やすいか否かを判断することができる。
【0040】
また、配色パターンの設定に際しては、上述した例の他に、図5に示すように構成することができる。図5は、配色パターン設定の選択画面の他の例を示す模式図である。
【0041】
配色パターン設定の選択は、図5に示すように、各配色パターンを一覧表示するように構成することも可能である。
このように構成することにより、ユーザは、他の配色設定との差分を意識しやすくなる。
この場合、表示部12は、上述した配色パターンの設定(選択されたサンプル画像に対応する色成分の度合い)に基づいて、画面表示を行う。
【0042】
環境判定部132は、光センサ5から検出された光量又はカメラ6により撮像された画像に基づいて、携帯電話機1が置かれた環境の判定を行う。
ここで、環境判定部132における環境判定の一例について説明する。
光センサ5から検出された光量に基づいた環境の判定については、検出される光量の値から、例えば、直射日光下、日陰、夕暮れ、夜中等の環境に携帯電話機1が置かれていることを判定することができる。
【0043】
カメラ6により撮像された画像に基づいた環境の判定については、撮像された画像の色情報から撮像した画像を解析することにより、例えば、カメラ6で撮像した画像の色情報を解析することで、直射日光下、日陰、夕暮れ、夜中等の環境に携帯電話機1が置かれていることを判定することができる。
【0044】
また、カメラ6により撮像された画像に基づいた環境の判定については、画像の光の量や色の具合を解析することで、例えば、画像中に緑が多ければ、森の中と判定したり、灰色が多ければ、市街地や都心部にいることを判定したりする。この際、天候を加味することもできる。さらに、撮像した画像のうち、多数のヒトの顔が認識された場合には、混雑時の電車内等の他の者に表示画面を見られたくないであろう環境を判定することができる。
【0045】
なお、本実施形態においては、ユーザの設定のために、図3(b)に示すような画面表示を行い、ユーザに環境に対応した表示(環境パターン)を自動で行うように設定(自動設定)するか、手動で行うように設定(手動設定)するかの設定を促す。手動設定が設定された場合には、表示画面は、図3(c)の画面に移行して、各種の手動設定が行われることになる。本実施形態において、手動設定は、直射日光下での表示設定となる「(1)直射日光」と、日陰下での表示設定となる「(2)日陰」と、夕暮れ下での表示設定となる「(3)夕暮れ」と、夜中下での表示設定となる「(4)夜中」の4種類の設定が可能に構成される。ちなみに、図3(b)は環境パターンの設定画面であり、図3(c)は手動設定下での各種環境設定画面である。
【0046】
また、本実施形態においては、設定された配色パターンでの色彩を、環境判定部132により検出した光量等に対応した色彩に変更して表示を行う。つまり、表示の基準を配色パターンとし、その基準から携帯電話機1が置かれた環状に合った表示に変更するように構成される。したがって、携帯電話機1においては、ユーザに合った色表示を前提にして、さらに環境に好適な色合いに変更された画面表示がされることになる。
【0047】
また、具体的には、例えば、記憶部7は、異なる色彩のサンプル画像を複数記憶すると共に、複数のサンプル画像のいずれかが操作部8での操作により選択されたときに光センサ5又はカメラ6にて検出された外部の光を選択されたサンプル画像に対応付けて記憶して構成してもよい。
この場合、表示制御部135は、サンプル画像に対応付けられている外部の光のうち前記光検出部での検出結果に対応する外部の光を抽出し、この抽出された外部の光に対応付けられたサンプル画像の色彩で表示を行うように、表示部12を制御する。
【0048】
変換処理部133は、表示部12に表示させる色データを各種表示に対応した色データに変換する。各種表示に対応した色データへの変換は、図2(b)に示すように、表示画像の色データ値を、記憶部7の対応する変換式テーブル(単色表示、配色パターンでの表示、環境に応じた表示に対応する変換式テーブル)に格納される変換式に代入し、演算することにより行う。その後、表示制御部135は、変換処理部133の演算結果に基づいて、表示をするように表示部12を制御する。
携帯電話機1では、表示に際して、変換処理部133により、対応する表示に変換することで、記憶部7において、対応する色データを記憶する必要がないために、記憶容量を削減することができる。
【0049】
輝度変更部134は、環境の判定結果やユーザの選択に基づいて、表示画面の輝度を変更(具体的には、現在の表示画面における輝度値を低下)させるために、輝度値を算出する。その結果、表示制御部135は、表示部12における表示画面の輝度値を低下させる。
携帯電話機1では、表示に際して、輝度値を低下させることで、表示画面の視認性を一時的に低下させる。このため、携帯電話機1では、例えば、混雑時の電車内等において、他者に表示画面を見られたくない場合に、視認性を低下させることで、覗き見を防止することができる。
【0050】
表示制御部135は、表示画像データに基づいて、表示部12の表示を制御し、各種設定により表示が変更される場合には、変換処理部133や輝度変更部134により変換された値に基づいて、表示部12の表示を制御する。
【0051】
以上のように構成される携帯電話機1は、画像を表示する表示部12と、外部の光を検出するカメラ6又は光センサ5と、カメラ6又は光センサ5での検出結果に応じた色彩で表示を行うように表示部12を制御する表示制御部135と、を備える。
したがって、携帯電話機1においては、カメラ6又は光センサ5により検出された外部の光に応じた色彩で表示部12の表示を行うために、携帯電話機1が置かれる環境に関係なく視認性の高い画面表示を行うことができる。
【0052】
次に、環境の判定に基づいた画面表示について説明する。
ここで、直射日光下の環境に対応した表示の具体例について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、色彩変更を説明するための概念図である。図7は、環境判定時の表示画面の変遷を示す模式図である。詳細には、図7(a)は通常の状態での表示画面を示す模式図であり、図7(b)は直射日光下での表示画面を示す模式図であり、図7(c)は、図7(b)の状態から環境の判定が行われて表示が切り替えられた後の表示画面を示す模式図である。ここでは、光センサ5により検出された光に基づいて環境判定が行われる例について説明する。また、表示する画面は、細かい表示がされるような、例えば、メニュー画面、メール選択画面、アドレス帳画面等のリスト表示を行う際に、より効果を発揮する。このため、本実施形態においては、リスト表示の一例である機能設定のメニュー画面を例として説明する。
【0053】
通常の環境下では、図7(a)に示すように、表示される画面は、置かれた環境の影響を受けることがないために、通常の表示状態で、視認性が損なわれることがない。
【0054】
しかし、携帯電話機1の置かれた環境が変化して、例えば、直射日光を受けるようなところで使用されることにより、図7(b)に示すように、画面に日光が写りこんで、視認性が低下してしまう。
【0055】
携帯電話機1においては、所定のタイミングで光センサ5により光の検出が行われており、環境判定部132は、光センサ5により検出された光量に基づいて環境を判定する。本例では、環境判定部132では、検出された光量が直射日光下である所定の光量値であるために、直射日光下であると判定される。
【0056】
そこで、変換処理部133は、環境判定部132による判定結果に基づいて、記憶部7から、直射日光下の環境における表示に対応する変換式テーブルデータを参照し、変換式テーブルデータに格納される変換式に基づいて、表示画像の色情報を変換する。直射日光下における表示画像の色情報の変換は、図6に示すように、実線で表された色表示から、一部破線で表されるように、赤色成分が強調され、青色成分が抑制されるように変換される。
【0057】
なお、本実施形態においては、直射日光下においては、赤色成分を強調し、青色成分を抑制するように構成したが、さらに、視認性を向上させるために、黄色成分の強調を行うように構成してもよい。黄色成分の強調は、具体的には、例えば、赤色成分及び緑色成分の強調を合わせて行うことで可能となる。この際、青色成分を抑制させることで、黄色成分の強調が際立つことになる。
また、紫色の強調を行うように構成してもよい。紫色の強調は、赤色成分及び青色成分を強調合わせて行うことで可能となる。
【0058】
その後、表示制御部135は、変換処理部133により変換された表示画像の色情報に基づいて表示するように表示部12を制御する。その結果、表示部12においては、赤色が強調され、青色が抑制された画面表示となり、図7(c)に示すように、直射日光下でも視認性が高い画面表示を行うことがきる。
【0059】
したがって、表示制御部135は、カメラ6又は光センサ5により、所定量以上の光が検出された場合には、赤色成分を強調すると共に、青色成分を抑制するような色彩で表示を行うように表示部12における表示が行われる。
したがって、この変換値に基づいて、表示部12における表示を行うことで、直射日光下においても視認性の高い画面表示を行うことができる。
【0060】
次に、本実施形態の携帯電話機1の動作の流れについて図8を用いて説明する。図8は、本実施形態の携帯電話機1の動作を示すフローチャートである。
【0061】
ステップST1において、カラー表示/単色表示設定部130は、カラー表示が選択されたか否かを判断する。詳細には、配色パターン設定部131は、図3(a)に示すような画面を表示して、ユーザによる操作部8を介した操作により、カラー表示又は単色表示を設定させる。
カラー表示が設定された場合(YES)には、ステップST2に進む。
カラー表示が設定されず、単色表示が設定された場合(NO)には、ステップST8に進む。
【0062】
ステップST2において、配色パターン設定部131は、配色パターン設定を行う。詳細には、配色パターン設定部131は、ユーザによる操作部8を介した操作により、図4(b)〜図4(e)の各種配色パターンの中から、所望の各種配色パターンが設定される。携帯電話機1は、設定された配色パターンを基準して以降の画面表示が行われる。
【0063】
ステップST3において、環境モード設定部は、環境モードがONされたか否かを判断する。環境モードがONされた、すなわち、環境モードが設定された場合(YES)には、処理はステップST4に進む。環境モードがONされない(OFFされた)、すなわち、環境モードが設定されない場合(NO)には、処理はステップST8に進む。
【0064】
ステップST4において、光センサ5は、光量を検出する。
ステップST5において、環境判定部132は、直射日光下であるか否かを判定する。詳細には、環境判定部132は、光センサ5により検出された光に基づいて、直射日光下であるか否かを判定する、すなわち、光センサ5により検出された光が所定の光量以上であるか否かを判定する。
光センサ5により検出された光が所定の光量以上である場合(YES)には、ステップST6に進む。この場合には、携帯電話機1は、図7(b)に示すように、直射日光下に置かれている状態となり、表示画面の視認性が著しく悪い状態となっている。
光センサ5により検出された光が所定の光量以上でない場合(NO)には、ステップST8に進む。
【0065】
ステップST6において、変換値算出部は、変換値の算出を行う。詳細には、変換値算出部は、記憶部7に記憶される変換式テーブルを参照し、直射日光下での変換式に基づいて、表示部12での表示の用いる変換値を算出する。変換値算出部は、表示部12において、赤色成分を強調すると共に、青色成分を抑制した表示になるような変換値を算出する。
なお、この際、変換の基準値となるのは、選択された配色パターンである。
【0066】
ステップST7において、表示制御部135は、変換値算出部により算出された変換値に基づいて、表示部12の表示を行うように表示部12を制御する。
【0067】
ステップST8において、表示部12は、表示を行い、その後処理は終了する。詳細には、ステップST1においてNOと判定された場合には、単色表示を行う。また、ステップST3及びステップST5において、NOと判定された場合には、所定の配色パターンでの表示を行う。また、ステップST5において、YSEと判定された場合には、配色パターンを前提とした、直射日光下に対応した表示が行われることになり、図7(c)に示すように、直射日光下においても、視認性の高い画面表示が行われる。
【0068】
また、ステップS8においては、ユーザにより、覗き見防止に係る操作がなされた場合には、輝度変更部134により算出された低い輝度値に基づいて、表示制御部135は、表示を行うように表示部12を制御する。その結果、低い輝度により表示部12においては、表示が行われるために、視認性の低い画面表示が行われ、覗き見が防止される。
【0069】
したがって、携帯電話機1においては、光センサ5の検出結果に基づいて、置かれている環境(特に、直射日光下)を判断して、置かれている環境に応じた表示を行うために、置かれている環境での影響を受けて視認性が低下してしまわない表示を行うことができる。
【0070】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0071】
また、上述の実施形態では、表示に際して、通常表示以外の表示は、変換値を算出して、当該変換値に基づいて、表示を行うように構成したが、これに限られない。例えば、変更設定テーブルを参照することにより、対応してもよい。
【0072】
また、上述の実施形態では、配色パターンを設定した前提において、置かれた環境下でも視認性を低下させないような変換値を算出したが、これに限られない。単に通常の表示状態に基づいて、置かれた環境下でも視認性を低下させないような変換値を算出してもよい。また、環境は考慮せずに、配色パターンのみを選択するように構成してもよい。
【0073】
また、上述の実施形態では、本発明は、表示装置の例として携帯電話機1を説明に用いたが、特にこれに限定されない。本発明は、例えば、表示部を備えている電子機器一般に適用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 携帯電話機(表示装置)
5 光センサ(光検出部)
6A カメラ、インカメラ(光検出部)
6B カメラ、アウトカメラ(光検出部)
7 記憶部
12 表示部(画像表示部)
135 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する画像表示部と、
外部の光を検出する光検出部と、
前記光検出部での検出結果に応じた色彩で表示を行うように前記画像表示部を制御する表示制御部と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記光検出部により、所定量以上の光が検出された場合には、赤色成分を強調すると共に、青色成分を抑制した色彩で表示を行うよう前記画像表示部を制御することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
複数の配色パターンを記憶した記憶部を、さらに備え、
該記憶部には、赤色成分及び青色成分の度合いをそれぞれ変更した複数のサンプル画像が予め記憶されており、
前記表示制御部は、前記複数のサンプル画像のうち予め選択されたサンプル画像に対応する色成分の度合いにより、前記画像表示部を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記光検出部は、光センサ又はカメラ部により構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記画像表示部における表示は、待ち受け画面又はメニュー画面その他の各種リスト画面を表示する際に行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記光検出部での検出結果に対応する変換式を有する変換式テーブルを記憶した記憶部を備え、
前記表示制御部は、前記変換式テーブルを参照し、前記光検出部での検出結果に対応する変換式により算出された値に基づいて、前記画像表示部の表示を行うように制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
操作部を、さらに備え、
前記記憶部は、異なる色彩のサンプル画像を複数記憶すると共に、前記複数のサンプル画像のいずれかが前記操作部での操作により選択されたときに前記光検出部にて検出された外部の光を前記選択されたサンプル画像に対応付けて記憶し、
前記表示制御部は、前記サンプル画像に対応付けられている外部の光のうち前記光検出部での検出結果に対応する外部の光を抽出し、この抽出された外部の光に対応付けられた前記サンプル画像の色彩で表示を行うように、前記画像表示部を制御することを特徴とする請求項6項に記載の表示装置。
【請求項8】
画像を表示する画像表示部と、外部の光を検出する光検出部と、を備える表示装置の制御方法であって、
前記光検出部により光を検出する光検出ステップと、
前記光検出ステップの処理での検出結果に応じた色彩で表示を行うように前記画像表示部を制御する表示制御ステップと、
を含むことを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−155222(P2012−155222A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15734(P2011−15734)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】