説明

表示装置及びその駆動方法

【課題】
コレステリック液晶を用いた表示装置において、コレステリック液晶と駆動回路40の消費電力の増加を抑えつつ、高精度な多階調表示をもたらす表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
画素と、前記画素に接続する電極とを有する表示素子と、前記電極に極性の異なる第1パルス及び第2パルスを含むパルス群を印加可能な電圧ドライバと、前記画素の階調に応じて、2つ以上の前記パルス型の内の1つと、前記第1パルスのデューティー比及び第2パルスのデューティー比とを選択し、電圧ドライバに選択結果を指示する指示回路と、を備え、前記画素が表示可能な階調は、前記2つ以上の前記パルス型と、前記第1パルスのデューティー比及び第2パルスのデューティー比との組み合わせによって設定されていることを特徴とする表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
コレステリック液晶を用いた表示装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コレステリック液晶を用いた表示装置について、電子ペーパー、モバイル端末のサブディスプレイ、ICカードの表示部等への応用が期待されている。
【0003】
コレステリック液晶を用いた表示部の駆動方式として、単純マトリックス方式が主流である。その単純マトリックス方式において、高速・高コントラストを得る代表的な駆動方法として、ダイナミック駆動方式(DDS)が提案されている(特許文献1:米国特許5748277)。
【0004】
ダイナミック駆動方式(DDS)において、コレステリック液晶を用いた表示部を駆動する駆動信号は一連の「リセット期間(Preparation Stage)」、「選択期間(Selection Stage)」、「維持期間(Evolution Stage)」を含む。本稿では説明の便宜上、それぞれ前選択パルス、選択パルス、後選択パルスと呼ぶことにする。一連の前選択パルス、選択パルス、及び、後選択パルスの前後には、書き換えには関係のない非選択パルスが印加される。前選択パルスはコレステリック液晶をホメオトロピック状態に初期化を行うパルスである。選択パルスはコレステリック液晶の最終的な状態をプレーナ状態かフォーカル状態に分岐させるきっかけを与えるパルスである。最終的にプレーナ状態にする場合は、この選択パルスによってホメオトロピック状態を維持し、最終的にフォーカルコニック状態にする場合は、この選択パルスによって過渡プレーナ状態に遷移させる。後選択パルスは、直前の選択パルスによるコレステリック液晶の過渡状態を、プレーナ状態かフォーカルニック状態に確定するパルスである。
【0005】
選択パルスが印加される期間は、1ラインあたり0.5msから1ms程度である。そうすると、仮にXGA(1024×768画素)についてスキャン書き換えを行う場合、書き換えは1秒程度で終了する。従って、ダイナミック駆動方式(DDS)によれば、コレステリック液晶を用いた表示部は高速に書き換えられることなる。
【0006】
一方、コレステリック液晶を用いた表示部における、画素の階調は、選択パルスにおいて、パルスの電圧を変化させることにより設定される(特許文献1:米国特許578277)。
ここで、前選択パルス、及び、後選択パルスの形成において、すでに7段階程度の電圧レベルが使用されているため、コレステリック液晶を用いた表示部を制御する回路は、上記電圧レベルを駆動する複数の電圧ドライバを含む。
そうすると、選択パルスのパルス電圧を変化させるため、上記の電圧レベルに加え、さらに、複数の電圧レベルを使用することとすると、上記の制御回路において、さらに、複数の電圧ドライバが使用されることなる。
【0007】
DDSで多階調を形成する場合、これまでの場合、消費電力の増加を伴い、高い精度の階調を形成できない課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許 US5748277
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
コレステリック液晶を用いた表示装置において、コレステリック液晶と駆動回路の消費電力の増加を抑えつつ、高精度な多階調表示を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施例の側面の1つによれば、画素と、前記画素に接続する電極とを有する表示素子と、前記電極に極性の異なる第1パルス及び第2パルスを含むパルス群を印加可能な電圧ドライバと、前記画素の階調に応じて、2つ以上の前記パルス型の内の1つと、前記第1パルスのデューティー比及び第2パルスのデューティー比とを選択し、電圧ドライバに選択結果を指示する指示回路と、を備え、前記画素が表示可能な階調は、前記2つ以上の前記パルス型と、前記第1パルスのデューティー比及び第2パルスのデューティー比との組み合わせによって設定されていることを特徴とする表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
コレステリック液晶を用いた表示装置において、コレステリック液晶と駆動回路の消費電力の低減を図った、表示装置を提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施例の表示装置30を示すブロック図である。
【図2】図2は、本実施例の表示装置に含まれる、コレステリック液晶を用いた液晶表示素子10の断面構造を示す図である。
【図3】図3はコレステリック液晶を用いた液晶表示素子20の断面構造を示す図である。
【図4】図4A及び図4Bは、コレステリック液晶の双安定状態について説明する図である。
【図5】図5は、一般的なコレステリック液晶の電圧−反射特性の一例を示す。
【図6】図6は、本実施例において、コレステリック液晶のダイナミック駆動について説明する図である。
【図7】図7は、図7は、図6に示した一対の選択パルスとして使用可能なパルス波の型を示す。
【図8】図8は、前選択パルス、選択パルス、後選択パルスを実現するのに必要な電源ドライバを示す。
【図9】図9は、前選択パルス、選択パルス、後選択パルス各々で使用する電圧を発生させるための、電圧ドライバの組合せを示す。
【図10】図10は、選択パルスにCenter型を使用する場合において、前選択パルス、選択パルス、後選択パルスの状態の1例を示す図である。
【図11】図11は、選択パルスにFar型を使用する場合において、前選択パルス、選択パルス、後選択パルスの状態の1例を示す図である。
【図12】図12は、選択パルスにHead型を使用する場合において、前選択パルス、選択パルス、後選択パルスの状態の1例を示す図である。
【図13】図13は、選択パルスにTail型を使用する場合において、前選択パルス、選択パルス、後選択パルスの状態の1例を示す図である。
【図14】図14は、Center型、Far型、Head型、Tail型の選択パルスについて、デューティー比と、明度についてプロットしたグラフである。
【図15】図15は、異なるタイプのPWM化された選択パルスを併用して、8階調を形成した例を示す。
【図16】図16は、異なるタイプのPWM化された選択パルスを併用して、16階調を形成した例を示す。
【図17】図17は、図1の表示装置30にて行われる画面の書き換え方法について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、以下に説明する実施例に対し、当業者が想到可能な、設計上の変更が加えられたもの、及び、実施例に現れた構成要素の組み換えが行われたものも含む。また、本発明は、その構成要素が同一の作用効果を及ぼす他の構成要素へ置き換えられたもの等も含み、以下の実施例に限定されない。
【実施例】
【0014】
図1は、実施例の表示装置30を示すブロック図である。実施例の表示装置30は、駆動回路40、表示素子10を含む。
液晶表示素子10は、単色により画像を表示する液晶表示素子である。液晶表示素子10について、図2を用いて、説明をする。
なお、図1では、表示装置30は液晶表示素子10を含むこととしたが、図3を用いて説明する、液晶表示素子20を、液晶表示素子10の代わりに含むものであってもよい。
駆動回路40は、液晶表示素子10、電源31、昇圧部32、電圧切替部33、電圧安定部34、原振クロック部35、分周部36、制御回路37、コモンドライバ38、セグメントドライバ39を含む。動作回路40は、画像データ50を受け、液晶表示素子10に画像を表示させる回路である。画像データ50は液晶表示素子10に表示させたい画像を表す画像データである。
【0015】
電源31は、例えば3V〜5Vの電圧を出力する。昇圧部32は、DC−DCコンバータなどのレギュレータにより、電源31からの入力電圧を+36V〜+40Vに昇圧する。電圧切替部33は、昇圧部32から供給される出力電圧を、抵抗などにより分圧することにより各種の電圧を生成する。電圧安定部34は、例えば、オペアンプによるボルテージフォロア回路であり、電圧切替部33から供給される各種の電圧を安定化させる回路である。
【0016】
原振クロック部35は、動作の基本となる基本クロックを発生する。分周部36は、基本クロックを分周して、後述する表示装置30の動作に必要な各種クロックを生成する。
【0017】
制御回路37は、基本クロック、各種クロックおよび画像データ50に基づいて各種制御信号(ライン選択データLS41、データ取り込みクロックCLK42、フレーム開始信号FST43、パルス極性制御信号FR44、ラインラッチ信号LLP45、データラッチ信号DLP46、ドライバ出力オフ信号/DSPOF47)、表示データ48を生成して、コモンドライバ38およびセグメントドライバ39に供給する。
従って、後に説明するように、制御回路37は表示素子10又は表示素子20の画素の階調に応じて、+12vパルスと−12vパルスとを含むパルス型と、上記2つのパルスのデューティー比を選択し、電圧ドライバに選択結果を指示する指示回路となる。
ライン選択データLS41は、コモンドライバ38が、前選択パルス(Preparationパルス)、選択パルス(Selectionパルス)および後選択パルス(Evolutionパルス)を印加するスキャンラインを指示するデータである。
【0018】
データ取り込みクロックCLK42は、コモンドライバ38およびセグメントドライバ39がその内部でライン選択データLS41および表示データ48を転送するためのクロックである。
フレーム開始信号FST43は、書換える表示画面に対する表示データ48の転送の開始を指示する信号であり、コモンドライバ38およびセグメントドライバ39は、フレーム開始信号FST43に応じて内部をリセットする。
【0019】
パルス極性制御信号FR44は、印加電圧の極性反転信号であり、1ラインの書き込みの中間時点で反転する。コモンドライバ38およびセグメントドライバ39は、パルス極性制御信号FR44に応じて出力する信号の極性を反転する。
ラインラッチ信号LLP45は、コモンドライバ38におけるライン選択データの転送終了を指示する信号で、この信号に応じて転送されたライン選択データをラッチする。
データラッチ信号DLP46は、セグメントドライバ39に対する表示データ48の転送終了を指示する信号で、この信号に応じて転送された表示データ48をラッチする。ドライバ出力オフ信号/DSPOF47は、印加電圧の強制オフ(OFF)信号である。 表示データ48は、表示素子10に階調がついた画像を表示させるために、セグメントドライバ39に送付するデータであり、階調コードを含む。そして、後に説明するようにコモンドライバ38は各データ電極に前選択パルス、選択パルス、後選択パルスに対応する電圧を駆動する。また、階調コードを受けたセグメントドライバ39は液晶表示素子10の素子の階調に対応する電圧を駆動する。
【0020】
図2は、本実施例の表示装置に含まれる、コレステリック液晶を用いた液晶表示素子10の断面構造を示す図である。液晶表示素子10は単色により画像を表示する液晶表示素子である。液晶表示素子10は、吸収層16と、下側透明基板15と、下側電極層14と、シール剤18、13と、コレステリック液晶層17と、上側電極層12と、上側透明基板11とを含む。また、駆動回路19は液晶表示素子10を駆動する駆動回路であり、図1の駆動回路40と同様な回路である。従って、その説明を省略する。
【0021】
上側透明基板11、及び、下側透明基板15は、いずれも、透光性を有するガラス基板である。しかし、単色により画像を表示する場合は、下側ガラス基板は不透明であってもよい。また、上記では、ガラス基板としたが、ガラス基板以外にもPET(ポリエチレンテレフタレート)やPC(ポリカーボネート)などの透光性のあるフィルム基板であってもよい。なお、上側透明基板11と下側透明基板15間には、それらのギャップを均一に保持するためのスペーサが設けられていてもよい。スペーサとしては、例えば、樹脂製、無機酸化物製、又は、表面に熱可塑性の樹脂がコーティングされている固着スペーサが好適である。なお、スペーサの形状は例えば球体であり、スペーサにより形成される、上側透明基板11と下側透明基板15間のギャップは4から6μmの範囲であることが望ましい。上記のギャップが4μm以下であると、コレステリック液晶層17の反射率が低下し、液晶表示素子10の表示が暗くなり、表示に対する高い閾値急峻性も期待できない。一方、上記のギャップが6μm以上であると、表示に対する高い閾値急峻性は保持できるが、表示を行うための駆動電圧が上昇してしまい、汎用部品による駆動が困難となる。
【0022】
上側電極層12、下側電極層14として、一般的に、インジウム錫酸化物(ITO:IndiumTin Oxide)の透明導電膜を使用するが、その他インジウム亜鉛酸化物(IZO:Indium ZicOxide)等の透明導電膜を使用してもよい。
上側電極層12は、上側透明基板11上に形成されており、互いに平行な複数の帯状の透明電極である。
下側電極層14は、上側透明基板11に対向する下側透明基板15の面上に形成されており、互いに平行な複数の帯状の透明電極である。下側電極層14の帯状の透明電極の延在方向と、上側電極層12の帯状の透明電極の延在方向とは、上側透明基板11と下側透明基板15とが対向する面に垂直な方向からみた場合に、交差している。
コレステリック液晶層17と上側電極層12間、及び、コレステリック液晶層17と下側電極層14間には、絶縁性の薄膜層が形成されている。絶縁性の薄膜層の膜厚は、0.3μ程度が望ましい。絶縁性の薄膜層の膜厚が厚いと、表示のための駆動電圧が上昇する問題が生じる。一方、絶縁性の薄膜層の膜厚が薄いと、絶縁性の薄膜層を通過するリーク電流が増加するため、消費電流が増加する問題が生じる。なお、絶縁性の薄膜層として、例えば、シリコン酸化膜の薄膜、又は、配向安定化膜として知られるポリミド樹脂、アクリル樹脂などの有機膜が採用され、それらの膜の比誘電率は、例えば、5程度である。
【0023】
コレステリック液晶層17は、上側透明基板11と下側透明基板15間のギャップに配置され、上側透明基板11と下側透明基板15の端部に配置されているシール剤18、13によって、上記ギャップ内に封止されている。
コレステリック液晶層17は、例えば、ネマティック液晶混合物にカイラル材を10から40重量%(wt%)添加して形成される。ここで、カイラル材の添加量は、ネマシック液晶成分とカイラル材の合計量を100wt%としたときの値である。
また、ネマティック液晶混合物として、周知なものを用いることができるが、誘電率異方性(Δε)が15から25までの範囲の材料が望ましい。誘電率異方性(Δε)が15以下であれば、表示のための駆動電圧が上昇し、汎用部品による駆動が困難となる。一方、誘電率異方性が25以上となると表示に対する閾値急峻性が低下し、液晶材料自体の信頼性が低下する懸念がある。
【0024】
また、ネマティック液晶混合物の屈折率異方性(Δn)は、0.18から0.26までの範囲であることが望ましい。屈折率異方性(Δn)が0.18未満であると、コレステリック液晶層17のプレーナ状態の反射率が低下する。一方、屈折率異方性(Δn)が0.26を超えると、フォーカルコニック状態での散乱反射が大きくなる。また、屈折率異方性(Δn)が0.26を超えるように、ネマティック液晶混合物にカイラル材を添加すると、コレステリック液晶層17の粘度が上昇し、表示に対する応答速度が低下する。
吸収層16は、光を入射させる側とは反対側にある、下側透明基板15の外面に配置されている。吸収層16は、可視光を吸収する吸収層であり、下側透明基板15の外面から入射される可視光を遮断する。
【0025】
図1においては、本実施例の表示装置30に含まれる、液晶表示素子10は単色により画像を表示する液晶表示素子であったが、本実施例の表示装置30は、液晶表示素子10の代わりに、赤色、緑色、青色の3原色を使用してカラー画像を表示する液晶表示素子20を含む表示装置であってもよい。
【0026】
図3はコレステリック液晶を用いた液晶表示素子20の断面構造を示す図である。液晶表示素子20は、RGB、すなわち、赤(約630nm)、緑(約550nm)、青(約480nm)に対応するコレステリック液晶パネル21、22、23を積層したカラー表示可能な表示素子を含む。なお、それぞれのコレステリック液晶パネル21、22、23はそれぞれ、上側透明基板21a、22a、23a、上側電極層21b、22b、23b、コレステリック液晶層21c、22c、23c、下側電極層21d、22d、23d、及び、下側透明基板21e、22e、23eを含む。そして、コレステリック液晶パネル23の下面に吸収層26が配置されている。
この液晶表示素子20は、例えばA4判XGA仕様で、1024×768画素を有する。ここでは1024本のデータ電極と768本のスキャン電極が設けられ、セグメントドライバ39が1024本のデータ電極を、コモンドライバ38が768本のスキャン電極を、駆動する。RGBの各画素に与える表示データが異なるため、Blue層用制御部27、Green層用制御部、及び、Red層用制御部それぞれに含まれるセグメントドライバ39及びコモンドライバ38は各データ電極を独立して駆動する。画面の最上部のスキャン電極に対応するスキャンラインを0ライン目とし、画面の最下部のスキャン電極に対応するスキャンラインを767ライン目とする。
【0027】
図4A及び図4Bは、コレステリック液晶の双安定状態について説明する図である。図4A、図4Bに示す液晶表示素子10は、ともに、上側透明基板11、下側透明基板15、コレステリック液晶層17を含む。また、黒矢印は入射光又は反射光を示す。
コレステリック液晶の安定状態には、プレーナ状態と、フォーカルコニック状態がある。また、強い電界を印加すると、すべての液晶分子が電界の向きに従うホメオトロピック状態が、コレステリック液晶内に生じる。その後、電荷の印加を停止すると、図4Aに示すプレーナ状態又は図4Bに示すフォーカルコニック状態が、コレステリック液晶内に出現する。
【0028】
プレーナ状態とは、コレステリック液晶内に、上側透明基板11、及び、下側透明基板15に垂直な方向に向いた液晶分子のらせんが生じた状態をいう。そのため、入射光は液晶分子のらせんにより反射する。プレーナ状態において、反射強度が最大となる光のλは、液晶の平均屈折率をn、らせんピッチをpとすると、次式で与えられる。
λ=n×P
フォーカルコニック状態とは、コレステリック液晶内に、上側透明基板11、及び、下側透明基板15に水平な方向に向いた液晶分子のらせんが生じた状態をいう。従って、入射光は、ほんとんど反射せず下側透明基板15に達し、その下の吸収層に吸収される。
【0029】
図5は、一般的なコレステリック液晶の電圧−反射特性の一例を示す。横軸は、コレステリック液晶を挟む電極間に所定のパルス幅で印加されるパルス電圧の電圧値(V)を表し、縦軸はコレステリック液晶の反射率(%)を表している。図5に示す実線の曲線Pは、初期状態がプレーナ状態のコレステリック液晶の電圧−反射率特性を示し、破線の曲線FCは、初期状態がフォーカルコニック状態のコレステリック液晶の電圧−反射率特性を示す。
コレステリック液晶に強い電界(VP100以上)を発生させると、電界印加中は、液晶分子のらせん構造は完全にほどけて、すべての分子が電界の方向に従うホメオトロピック状態になる。次に、液晶分子がホメオトロピック状態の時に、印加電圧をVP100から所定の低電圧(例えば、VF)に急激に低下させて、液晶中の電界を急激にほぼゼロにすると、液晶のらせん軸は電極に垂直になり、らせんピッチに応じた光を選択的に反射するプレーナ状態になる。
【0030】
一方、コレステリック液晶分子のらせん構造が解けない程度の弱い電界を印加した後の電界除去(VF100a〜VF100bの範囲)、あるいは強い電界を印加し、その状態から緩やかに電界を除去した場合は、コレステリック液晶分子のらせん軸は電極に平行になり、入射光を反射するフォーカルコニック状態になる。
【0031】
また、中間的な強さの電界(VF0〜VF100aまたはVF100b〜VP0)を印加し、急激に電界を除去すると、プレーナ状態とフォーカルコニック状態が混在し、中間調の表示が可能となる。
【0032】
図6は、本実施例において、コレステリック液晶のダイナミック駆動について説明する図である。
本実施例のダイナミック駆動に用いる駆動パルスは、前選択パルス、PWM(Pulsewidth Modulation)化された選択パルス、後選択パルスを含む。なお、コモンドライバ38はスキャン電極に対して+15v電圧ドライバ、GND電圧ドライバ、−9v電圧ドライバ、−15v電圧ドライバ、−21v電圧ドライバを接続する制御を行う。また、セグメントドライバ39は、+21V電圧ドライバ及び+9V電圧ドライバをセグメント電極に接続する制御を行う。
【0033】
前選択パルスは、図5において説明したように、コレステリック液晶に強い電界を印加し、ホメオトロピック状態を生じさせるためのパルスである。
そうすると、前選択パルスのパルス電圧は、その平均値が図2に示すVp0(=32V)以上であることが望ましい。そこで、コモンドライバ38は−21電圧ドライバをスキャン電極に接続し、セグメントドライバ39は+21v電圧ドライバ又は+9V電圧ドライバをセグメント電極に接続する。
ここで、リセット期間(前選択パルス期間ともいい、時刻T1から時刻T11で示された期間である)には、時刻T1から時刻T2までに示された凸パルスと、時刻T2から時刻T3までに示された凹パルスとを合わせて連続して10回、印加される。すなわち、コレステリック液晶の1ライン対して順次10個のパルスが印加される。
また、凸パルスは30vから42vの範囲内にある電圧を頂点とする凸型のパルスであり、凹パルスは、−30vから−42vの範囲内にある電圧を底部とする凹型のパルスである。なお、凸型のパルスは、期間H1において、第1の30vの期間、第1の42vを含み、期間H2において第2の30vの期間、第2の42vを含む。凹型のパルスも同様に、第1の−30vの期間、第1の−42v、第2の−30vの期間、第2の−42vを含む。電圧が上記のように変動するのは、セグメント電極に21v電圧ドライバが接続されるときと、9v電圧ドライバが接続されるときとで、セグメント電極とスキャン電極間の電圧が異なるからである。
その結果、第1の30vの期間と第2の42vの期間との比率は、a:bである。また、第2の30v期間と第2の42v期間はc:dである。ここで、a、b、c、dの説明は、選択パルスの説明とともに行う。
凹型のパルスは第1の−30vの期間、第1の−42vの期間を含む。そして、第1の−30vの期間と第2の−42vの期間との比率は、a:bである。また、第2の−30v期間と第2の−42v期間はc:dである。
【0034】
PWM化された選択パルスはコレステリック液晶に中間電界又は低電界を印加し、プレーナ状態かフォーカルコニック状態、あるいはそれらが混在した状態を形成するきっかけとなるパルスである。その選択パルスを発生させるため、セグメントドライバ39は+21v電圧ドライバ又は+9V電圧ドライバをセグメント電極に接続する。コモンドライバ38は+9V電圧ドライバをスキャン電極に接続する。従って、セグメント電極に+9V電圧ドライバが接続され、スキャン電極に+9v電圧ドライバが接続されるときには、上記2つの電極間の電圧は、0vとなる。
選択期間(選択パルス期間ともいい、時刻T11から時刻T13までの期間である)における、期間H1(時刻T11と時刻T12の間の期間)中のa期間において、PWM化された選択パルスは0vレベルであり、b期間において、12vである。また、期間H2(時刻T12と時刻T13の間の期間)中のc期間において、PWM化された選択パルス波は12vであり、d期間において、0vレベルである。すなわち、期間H1と期間H2において、パルス幅及びパルス電圧は同じだが、極性の異なる一対の選択パルスが、スキャン電極に対して印加されていることになる。なお、上記では、パルス期間の電圧は12vとしたが、一定の所定の電圧であればよい。
上記のように、選択パルスは+12Vのパルス及び−12Vのパルスのほか、図2に示0Vの電圧印加期間を含む。この12Vと0Vの時間的な比率を変えることにより、ホメオトロピック状態と過渡プレーナ状態の混在率が変わり、コレステリック液晶は中間調の表示をする。
【0035】
後選択パルスは、コレステリック液晶の状態を最終的に決定するパルスである。選択パルス印加後に、状態が未確定であるコレステリック液晶部分の状態を確定させるためのパルスである。その平均値が図2に示すVF100b(=18V)からVP0(=32v)の範囲であることが望ましい。セグメントドライバ39は+21v電圧ドライバ又は+9V電圧ドライバをセグメント電極に接続する。コモンドライバ38は−9V電圧ドライバをスキャン電極に接続する。
維持期間(後選択パルス期間ともいい、時刻T13から時刻T23までの期間である)において、時刻T13から時刻T14までに示された凸パルスと、時刻T14から時刻T15までに示された凹パルスと合わせて、連続して10回、印加される。すなわち、コレステリック液晶の1ライン対して順次10個のパルスが印加される。
凸パルスは18vから30vの範囲内にある電圧を頂点とする凸型のパルスであり、凹パルスは、−18vから−30vの範囲内にある電圧を底部とする凹型のパルスである。なお、凸型のパルスは、期間H1において、第1の18vの期間、第1の30vの期間を含み、期間H2において第2の18vの期間、第2の30vの期間を含む。また、凹パルスも、同様に、第1の−18vの期間、第1の−30vの期間を含み、第2の−18vの期間、第2の−30vの期間を含む。そして、第1の18vの期間と第2の30vの期間との比率は、a:bである。また、第2の18v期間と第2の30v期間はc:dである。ここで、a、b、c、dの説明は、選択パルスの説明において記載したものである。
凹型のパルスは第1の−18vの期間、第1の−30vの期間、第2の−18vの期間、第2の−30vの期間を含む。そして、第1の−18vの期間と第2の−30vの期間との比率は、a:bである。また、第2の−18v期間と第2の−30v期間はc:dである。
電圧が上記のように変動するのは、セグメント電極に21v電圧ドライバが接続されるときと、9v電圧ドライバが接続されるときとで、セグメント電極とスキャン電極間の電圧が異なるからである。
【0036】
図7は、図6に示した選択パルスとして使用可能な一対のパルスの型を示す。ここで、一対の選択パルスとは、デューティー比とパルス電圧は同じだが、極性が異なるパルスをいう。また、パルスの型とは、上記一対のパルスについて、2つのパルスの開始位置と、一対のパルスの原点との位置関係とにより分類された型、すなわち、2つのパルスの位置関係及びデューティー比の変更を行うためのパルス幅の変調方向に基づいて分類された型である。また、デューティー比とは、パルス信号において、パルス期間と、0v電圧との比率をいう。
【0037】
図7に示すCenter型パルスは時刻−T1に始まり時刻0に終了する凸パルスと、時刻0に始まり、時刻T1に終了する凹パルスを含む。ここで、T1は任意の時刻である。また、凸パルスの始まり時刻を−T1、凹パルスの終了時刻をT1としたのは、スタート時刻と終了時刻は連動することを表す。すなわち、凸パルスのパルス幅はプラス方向に変調され、凹パルスのパルス幅はマイナス方向に変調されている。なお、Center型パルスの場合、凸パルス及び凹パルスを除く0v期間が、前選択パルスと凸パルスとの間と、凹パルスと、後パルスとの間に位置する。
図7に示すFar型パルスは時刻−T1に始まり時刻−T2に終了する凸パルスと、時刻T2に始まり時刻T3に終了する凹パルスとを含む。ここで、T1、T2、T3は任意の時刻である。また、凸パルスの終了時刻を−T2、凹パルスの始まり時刻をT2としたのは、終了時刻と始まり時刻は連動することを表す。すなわち、凸パルスのパルス幅はマイナス方向に変調され、凹パルスのパルス幅はプラス方向に変調されている。なお、Far型パルスの場合、凸パルス及び凹パルスを除く0v期間が、前選択パルスと凸パルスとの間と、凹パルスと、後パルスとの間に位置する。
図7に示すHead型パルスは時刻−T1に始まり時刻−T2に終了する凸パルスと、時刻0に始まり時刻T3に終了する凹パルスとを含む。ここで、T1、T2、T3は任意の時刻である。また、凸パルスの終了時刻−T1から時刻−T2までの時間と、凹パルスの始まり時刻0から時刻T3までの時間は、連動することを表す。すなわち、凸パルスのパルス幅はプラス方向に変調され、凹パルスのパルス幅はプラス方向に変調されている。なお、Head型パルスの場合、凸パルス及び凹パルスを除く0v期間が、凸パルスと凹パルスとの間と、凹パルスと後パルスとの間に位置する。
図7に示すTail型パルスは時刻−T1に始まり時刻0に終了する凸パルスと、時刻T2に始まり時刻T3に終了する凹パルスとを含む。ここで、T1、T2、T3は任意の時刻である。また、凸パルスの終了時刻−T1から時刻0までの時間と、凹パルスの始まり時刻T2から時刻T3までの時間は、連動することを表す。すなわち、凸パルスのパルス幅はマイナス方向に変調され、凹パルスのパルス幅はマイナス方向に変調されている。なお、Tail型パルスの場合、凸パルス及び凹パルスを除く0v期間が、前選択パルスと凸パルスとの間と、凸パルスと凹パルスとの間に位置する。
なお、上記のでは0v期間とは、印加電圧が0vの期間であるが、必ずしも、0vである必要はなく、図2のVF0(=6V)程度以下であってもよい。
【0038】
選択パルスを、Center型パルス、Far型パルス、Head型パルス、Tail型パルスの内、いずれの型に設定しても、パルス電圧は+12v又は−12vであり、コレステリック液晶において、ホメオトロピック状態をプレーナ状態又はフォーカルコニック状態に変化させるにはいたらない。
しかし、+12vのパルスと−12vのパルスの間、前選択パルスと+12vのパルスとの間、−12vのパルスと後選択パルスの間に、図2に示すVF0以下(図7ではほぼ0vを示している)の電圧印加期間を設けた場合、ホメオトロピック状態をプレーナ状態又はフォーカルコニック状態が、コレステリック液晶の一部に発生する。そうすると、コレステリック液晶は、中間調の表示をする。
ただし、後に図14に示すように、パルス幅が同じであっても、コレステリック液晶に印加するパルス型によって、中間調の明度に差異が生じる。すなわち、印加するパルスのデューティー比が同じでも、コレステリック液晶に形成される中間調の明度に差異が生じることになる。
上記のようになるのは、図2に示すVF0(図7ではほぼ0vを示している)の電圧印加期間が、選択パルスのどの位置にあるかによって、ホメオトロピック状態からプレーナ状態又はフォーカルコニック状態に変化する程度が異なるからと推測される。
【0039】
図8は、前選択パルス、選択パルス、後選択パルスを実現するのに必要な電圧ドライバを示す。
図8に示す電圧ドライバは、+21v電圧ドライバ、+15v電圧ドライバ、+9v電圧ドライバ、グランド(GND)電圧ドライバ、−9v電圧ドライバ、−15v電圧ドライバ、−21v電圧ドライバである。図8に示す電圧ドライバは、前選択パルス、選択パルス、後選択パルスを形成する電圧をドライブする電圧ドライバである。
図9は、前選択パルス、選択パルス、後選択パルス各々で使用する電圧を発生させるための、電圧ドライバの組合せを示す。
前選択パルスにおける、電圧42v及び電圧−42vは+21v電圧ドライバと、−21v電圧ドライバとから発生する。また、電圧30vは+21v電圧ドライバと−9v電圧ドライバとから発生し、電圧−30vは−21v電圧ドライバと9v電圧ドライバとから発生する。そうすると、その平均電圧は、図8の矢印61で示すように36vとなる。
後選択パルスにおける、電圧18v及び電圧−18vは+9v電圧ドライバと−9v電圧ドライバとから発生する。電圧30v及び電圧−30は前選択パルスにおけるのと同様に発生する。そうすると、その平均電圧は、図8の矢印62で示すように、24vとなる。
選択パルスにおける、電圧12v及び電圧−12vは+21v電圧ドライバと+9v電圧ドライバから発生する。電圧0vは+9v電圧ドライバ同士から発生し、電圧−0vは+21v電圧ドライバ同士から発生する。
いずれの選択パルスもコレステリック液晶に印加されていないときには非選択状態となり、+6v又は−6vの電圧が印加される。そして、電圧+6Vは+21v電圧ドライバと+15v電圧ドライバにより発生する。また、電圧−6vは+9v電圧ドライバと+15v電圧ドライバにより発生する。
【0040】
なお、図9において、選択パルスがONの場合とは、図6のH1の期間中、選択パルスが+12vを維持し、H1の期間中、選択パルスが−12vを維持することをいう。後に示すように、選択パルスを、選択パルスがONという条件に設定すると、コレステリック液晶の明度は最大、すなわち、白となる。一方、選択パルスがOFFの場合とは、図6のH1期間中、選択パルスは0vであり、H2期間中、選択パルスは0vであることをいう。後に示すように、選択パルスを、選択パルスがOFFという条件に設定すると、コレステリック液晶の明度は最小、すなわち、黒となる。
【0041】
Selection First−halfとは、図6に示す選択パルス期間中のH1期間をいい、Selection Second−halfとは、図6のH2期間をいう。
また、Preparation First−halfとは、図6に示す時刻T1からT2の期間中、最初の1/2の期間をい、Preparation Second−halfとは、その次の1/2の期間をいう。なお、選択パルスがONの場合には、Preparation First−half中、前選択パルスは+42vを維持し、Preparation Second−half中、前選択パルスは+30vを維持する。一方、選択パルスがOFFの場合には、Preparation First−half中、前選択パルスは+30vを維持し、Preparation Second−half中、前選択パルスは+42vを維持する。
さらに、Evolution First−halfとは、図6に示す時刻T13からT14の期間中、最初の1/2の期間をい、Evolution Second−halfとは、その次の1/2の期間をいう。なお、選択パルスがONの場合には、Evolution First−half中、後選択パルスは+18vを維持し、Evolution Second−half中、後選択パルスは+30vを維持する。Evolution First−half中、後選択パルスは+30vを維持し、Evolution Second−half中、後選択パルスは+18vを維持する。
この前選択パルスと後選択パルスは、図中では毎ラインで極性反転を行っているが、実際には数ライン周期で極性反転し、消費電力の増加を防ぐのが好ましい。
また、Non−Selection First−halfとは、非選択状態であって、図6に示すH1期間に相当する期間をいう、Selection Second−halfとは、非選択状態であって、図6のH2期間に相当する期間をいう。
【0042】
図10は、選択パルスにCenter型を使用する場合において、前選択パルス、選択パルス、後選択パルスの状態の1例を示す図である。
図10に示す各図において、時刻T1から時刻T2までに相当する期間における前選択パルスの電圧又は極性、時刻T11から時刻T13までに相当する期間選択パルスにおける選択パルスの電圧又は極性、時刻T13から時刻T14までに相当する期間における後選択パルスの電圧又は極性が示されている。すなわち、時刻T1から時刻T2までに相当する期間、又は時刻T11から時刻T13までに相当する期間、又は時刻T13から時刻T14までに相当する期間に対応して、1ライン目又は2ライン目が表示されており、それぞれ12クロック周期を含む。
図10の上から第1番目の図では、1ライン目の前半において、前選択パルス、選択パルス、後選択パルスはプラス極性、後半において、前選択パルス及び後選択パルスはプラス極性であるが、選択パルスはマイナス極性であることを示す。2ライン目の前半において、前選択パルス、選択パルス、後選択パルスはマイナス極性、後半において、前選択パルス及び後選択パルスはマイナス極性であるが、選択パルスはプラス極性であることを示す。前選択パルス、選択パルス、後選択パルスの極性は、各クロック毎に変更可能である。
【0043】
図10の上から第2番目の図は、コレステリック液晶に白を表示させるための前選択パルスの電圧、選択パルスの電圧、後選択パルスの電圧を示す。
1ライン目の前半において、前選択パルスは42v、選択パルスは12v、後選択パルスは30vを示す。1ライン目の後半において、前選択パルスは30v、選択パルスは−12v、後選択パルスは18vを示す。2ライン目の前半において、前選択パルスは−42v、選択パルスは−12v、後選択パルスは−30vを示す。2ライン目の後半において、前選択パルスは−30v、選択パルスは12v、後選択パルスは−18vを示す。
【0044】
図10の上から第3番目の図は、コレステリック液晶に黒を表示させるための前選択パルスの電圧、選択パルスの電圧、後選択パルスの電圧を示す。
1ライン目の前半において、前選択パルスは30v、選択パルスは0v、後選択パルスは18vを示す。1ライン目の後半において、前選択パルスは42v、選択パルスは0v、後選択パルスは30vを示す。2ライン目の前半において、前選択パルスは−30v、選択パルスは0v、後選択パルスは−18vを示す。2ライン目の後半において、前選択パルスは−42v、選択パルスは0v、後選択パルスは−30vを示す。
【0045】
図10の上から第4番目の図は、コレステリック液晶に白に近いグレイを表示させるための前選択パルスの電圧、選択パルスの電圧、後選択パルスの電圧を示す。
1ライン目の前半において、前選択パルスは4クロックにわたり30v、2クロックにわたり42Vを示す。また、選択パルスは4クロックにわたり0v、2クロックにわたり12Vを示す。後選択パルスは4クロックにわたり18v、2クロックにわたり30Vを示す。1ライン目の後半において、前選択パルスは2クロックにわたり30v、4クロックにわたり42vを示す。選択パルスは2クロックにわたり−12v、4クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは2クロックにわたり18v、4クロックにわたり30vを示す。2ライン目の前半において、前選択パルスは4クロックにわたり−30v、2クロックにわたり−42vを示す。選択パルスは4クロックにわたり0v、2クロックにわたり−12vを示す。後選択パルスは4クロックにわたり−18v、2クロックにわたり−30vを示す。2ライン目の後半において、前選択パルスは2クロックにわたり−30v、4クロックにわたり−42vを示す。選択パルスは2クロックにわたり12v、4クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは2クロックにわたり−18v、4クロックにわたり−30vを示す。
【0046】
図10の上から第5番目の図は、コレステリック液晶に白と黒との中間のグレイを表示させるための前選択パルスの電圧、選択パルスの電圧、後選択パルスの電圧を示す。
1ライン目の前半において、前選択パルスは3クロックにわたり30v、3クロックにわたり42Vを示す。また、選択パルスは3クロックにわたり0v、3クロックにわたり12Vを示す。後選択パルスは3クロックにわたり18v、3クロックにわたり30Vを示す。1ライン目の後半において、前選択パルスは3クロックにわたり30v、3クロックにわたり42vを示す。選択パルスは3クロックにわたり−12v、3クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは3クロックにわたり18v、3クロックにわたり30vを示す。2ライン目の前半において、前選択パルスは3クロックにわたり−30v、3クロックにわたり−42vを示す。選択パルスは3クロックにわたり0v、3クロックにわたり−12vを示す。後選択パルスは3クロックにわたり−18v、3クロックにわたり−30vを示す。2ライン目の後半において、前選択パルスは3クロックにわたり−30v、3クロックにわたり−42vを示す。選択パルスは3クロックにわたり12v、3クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは3クロックにわたり−18v、3クロックにわたり−30vを示す。
【0047】
図10の上から第6番目の図は、コレステリック液晶に黒に近いグレイを表示させるための前選択パルスの電圧、選択パルスの電圧、後選択パルスの電圧を示す。
1ライン目の前半において、前選択パルスは2クロックにわたり30v、4クロックにわたり42Vを示す。また、選択パルスは2クロックにわたり0v、4クロックにわたり12Vを示す。後選択パルスは2クロックにわたり18v、4クロックにわたり30Vを示す。1ライン目の後半において、前選択パルスは4クロックにわたり30v、2クロックにわたり42vを示す。選択パルスは4クロックにわたり−12v、2クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは4クロックにわたり18v、2クロックにわたり30vを示す。2ライン目の前半において、前選択パルスは2クロックにわたり−30v、4クロックにわたり−42vを示す。選択パルスは2クロックにわたり0v、4クロックにわたり−12vを示す。後選択パルスは2クロックにわたり−18v、4クロックにわたり−30vを示す。2ライン目の後半において、前選択パルスは4クロックにわたり−30v、2クロックにわたり−42vを示す。選択パルスは4クロックにわたり12v、2クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは4クロックにわたり−18v、2クロックにわたり−30vを示す。
【0048】
図11は、選択パルスにFar型を使用する場合において、前選択パルス、選択パルス、後選択パルスの状態の1例を示す図である。図11における1ライン目、2ライン目は、図10における1ライン目、2ライン目と同様であるため、説明を省略する。また、図11の上から1番目の図、2番目の図、及び、3番目の図は、図10の上から1番目の図、2番目の図、及び、3番目の図と同様である。このことは、Far型においても、前選択パルスの極性の変化、選択パルスの極性の変化、後選択パルスの極性の変化は同様であることを示す。また、Far型においても、白又は黒をコレステリック液晶に表示させるときには、前選択パルスの電圧の変化、選択パルスの電圧の変化、後選択パルスの電圧の変化は同様であることを示す。
【0049】
図11の上から第4番目の図は、コレステリック液晶に白に近いグレイを表示させるための前選択パルスの電圧、選択パルスの電圧、後選択パルスの電圧を示す。
1ライン目の前半において、前選択パルスは2クロックにわたり42v、4クロックにわたり30vを示す。また、選択パルスは2クロックにわたり12V、4クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは2クロックにわたり30V、4クロックにわたり18vを示す。1ライン目の後半において、前選択パルスは4クロックにわたり42v、2クロックにわたり30vを示す。選択パルスは4クロックにわたり0v、2クロックにわたり−12vを示す。後選択パルスは4クロックにわたり30v、2クロックにわたり18vを示す。2ライン目の前半において、前選択パルスは2クロックにわたり−42v、4クロックにわたり−30vを示す。選択パルスは2クロックにわたり−12v、4クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは2クロックにわたり−30v、4クロックにわたり−18vを示す。2ライン目の後半において、前選択パルスは4クロックにわたり−42v、2クロックにわたり−30vを示す。選択パルスは4クロックにわたり0v、2クロックにわたり12vを示す。後選択パルスは4クロックにわたり−30v、2クロックにわたり−18vを示す。
【0050】
図11の上から第5番目の図は、コレステリック液晶に白と黒との中間のグレイを表示させるための前選択パルスの電圧、選択パルスの電圧、後選択パルスの電圧を示す。
1ライン目の前半において、前選択パルスは3クロックにわたり42v、3クロックにわたり30Vを示す。また、選択パルスは3クロックにわたり12v、3クロックにわたり0Vを示す。後選択パルスは3クロックにわたり30v、3クロックにわたり18Vを示す。1ライン目の後半において、前選択パルスは3クロックにわたり42v、3クロックにわたり30vを示す。選択パルスは3クロックにわたり0v、3クロックにわたり−12vを示す。後選択パルスは3クロックにわたり30v、3クロックにわたり18vを示す。2ライン目の前半において、前選択パルスは3クロックにわたり−42v、3クロックにわたり−30vを示す。選択パルスは3クロックにわたり−12v、3クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは3クロックにわたり−30v、3クロックにわたり−18vを示す。2ライン目の後半において、前選択パルスは3クロックにわたり−42v、3クロックにわたり−30vを示す。選択パルスは3クロックにわたり0v、3クロックにわたり12vを示す。後選択パルスは3クロックにわたり−30v、3クロックにわたり−18vを示す。
【0051】
図11の上から第6番目の図は、コレステリック液晶に黒に近いグレイを表示させるための前選択パルスの電圧、選択パルスの電圧、後選択パルスの電圧を示す。
1ライン目の前半において、前選択パルスは4クロックにわたり42V、2クロックにわたり30vを示す。また、選択パルスは4クロックにわたり12v、2クロックにわたり0Vを示す。後選択パルスは4クロックにわたり30v、2クロックにわたり18Vを示す。1ライン目の後半において、前選択パルスは2クロックにわたり42v、4クロックにわたり30vを示す。選択パルスは2クロックにわたり−0v、4クロックにわたり−12vを示す。後選択パルスは2クロックにわたり30v、4クロックにわたり18vを示す。2ライン目の前半において、前選択パルスは4クロックにわたり−42v、2クロックにわたり−30vを示す。選択パルスは4クロックにわたり−12v、2クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは4クロックにわたり−30v、2クロックにわたり−18vを示す。2ライン目の後半において、前選択パルスは2クロックにわたり−42v、4クロックにわたり−30vを示す。選択パルスは2クロックにわたり0v、4クロックにわたり12vを示す。後選択パルスは2クロックにわたり−30v、4クロックにわたり−18vを示す。
【0052】
図12は、選択パルスにHead型を使用する場合において、前選択パルス、選択パルス、後選択パルスの状態の1例を示す図である。図12における1ライン目、2ライン目は、図10における1ライン目、2ライン目と同様であるため、説明を省略する。また、図12の上から1番目の図、2番目の図、及び、3番目の図は、図10の上から1番目の図、2番目の図、及び、3番目の図と同様である。このことは、Head型においても、前選択パルスの極性の変化、選択パルスの極性の変化、後選択パルスの極性の変化は同様であることを示す。また、Head型においても、白又は黒をコレステリック液晶に表示させるときには、前選択パルスの電圧の変化、選択パルスの電圧の変化、後選択パルスの電圧の変化は同様であることを示す。
【0053】
図12の上から第4番目の図は、コレステリック液晶に白に近いグレイを表示させるための前選択パルスの電圧、選択パルスの電圧、後選択パルスの電圧を示す。
1ライン目の前半において、前選択パルスは2クロックにわたり42v、4クロックにわたり30vを示す。また、選択パルスは2クロックにわたり12V、4クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは2クロックにわたり30V、4クロックにわたり18vを示す。1ライン目の後半において、前選択パルスは2クロックにわたり30v、4クロックにわたり42vを示す。選択パルスは2クロックにわたり−12v、4クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは2クロックにわたり18v、4クロックにわたり30vを示す。2ライン目の前半において、前選択パルスは2クロックにわたり−42v、4クロックにわたり−30vを示す。選択パルスは2クロックにわたり−12v、4クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは2クロックにわたり−30v、4クロックにわたり−18vを示す。2ライン目の後半において、前選択パルスは2クロックにわたり−30v、4クロックにわたり−42vを示す。選択パルスは2クロックにわたり12v、4クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは2クロックにわたり−18v、4クロックにわたり−30vを示す。
【0054】
図12の上から第5番目の図は、コレステリック液晶に白と黒との中間のグレイを表示させるための前選択パルスの電圧、選択パルスの電圧、後選択パルスの電圧を示す。
1ライン目の前半において、前選択パルスは3クロックにわたり42v、3クロックにわたり30Vを示す。また、選択パルスは3クロックにわたり12v、3クロックにわたり0Vを示す。後選択パルスは3クロックにわたり30v、3クロックにわたり18Vを示す。1ライン目の後半において、前選択パルスは3クロックにわたり30v、3クロックにわたり42vを示す。選択パルスは3クロックにわたり−12v、3クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは3クロックにわたり18v、3クロックにわたり30vを示す。2ライン目の前半において、前選択パルスは3クロックにわたり−42v、3クロックにわたり−30vを示す。選択パルスは3クロックにわたり−12v、3クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは3クロックにわたり−30v、3クロックにわたり−18vを示す。2ライン目の後半において、前選択パルスは3クロックにわたり−30v、3クロックにわたり−42vを示す。選択パルスは3クロックにわたり12v、3クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは3クロックにわたり−18v、3クロックにわたり−30vを示す。
【0055】
図12の上から第6番目の図は、コレステリック液晶に黒に近いグレイを表示させるための前選択パルスの電圧、選択パルスの電圧、後選択パルスの電圧を示す。
1ライン目の前半において、前選択パルスは4クロックにわたり42V、2クロックにわたり30vを示す。また、選択パルスは4クロックにわたり12v、2クロックにわたり0Vを示す。後選択パルスは4クロックにわたり30v、2クロックにわたり18Vを示す。1ライン目の後半において、前選択パルスは4クロックにわたり30v、2クロックにわたり42vを示す。選択パルスは4クロックにわたり−12v、2クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは4クロックにわたり18v、2クロックにわたり30vを示す。2ライン目の前半において、前選択パルスは4クロックにわたり−42v、2クロックにわたり−30vを示す。選択パルスは4クロックにわたり−12v、2クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは4クロックにわたり−30v、2クロックにわたり−18vを示す。2ライン目の後半において、前選択パルスは4クロックにわたり−30v、2クロックにわたり−42vを示す。選択パルスは4クロックにわたり12v、2クロックにわたり0vを示す。後選択パルスは4クロックにわたり−18v、2クロックにわたり−30vを示す。
【0056】
図13は、選択パルスにTail型を使用する場合において、前選択パルス、選択パルス、後選択パルスの状態の1例を示す図である。図13における1ライン目、2ライン目は、図10における1ライン目、2ライン目と同様であるため、説明を省略する。また、図13の上から1番目の図、2番目の図、及び、3番目の図は、図13の上から1番目の図、2番目の図、及び、3番目の図と同様である。このことは、Tail型においても、前選択パルスの極性の変化、選択パルスの極性の変化、後選択パルスの極性の変化は同様であることを示す。また、Tail型においても、白又は黒をコレステリック液晶に表示させるときには、前選択パルスの電圧の変化、選択パルスの電圧の変化、後選択パルスの電圧の変化は同様であることを示す。
【0057】
図13の上から第4番目の図は、コレステリック液晶に白に近いグレイを表示させるための前選択パルスの電圧、選択パルスの電圧、後選択パルスの電圧を示す。
1ライン目の前半において、前選択パルスは4クロックにわたり30v、2クロックにわたり42vを示す。また、選択パルスは4クロックにわたり0V、2クロックにわたり12vを示す。後選択パルスは4クロックにわたり18V、2クロックにわたり30vを示す。1ライン目の後半において、前選択パルスは4クロックにわたり42v、2クロックにわたり30vを示す。選択パルスは4クロックにわたり0v、2クロックにわたり−12vを示す。後選択パルスは4クロックにわたり30v、2クロックにわたり18vを示す。2ライン目の前半において、前選択パルスは4クロックにわたり−30v、2クロックにわたり−42vを示す。選択パルスは4クロックにわたり0v、2クロックにわたり−12vを示す。後選択パルスは4クロックにわたり−18v、2クロックにわたり−30vを示す。2ライン目の後半において、前選択パルスは4クロックにわたり−42v、2クロックにわたり−30vを示す。選択パルスは4クロックにわたり0v、2クロックにわたり12vを示す。後選択パルスは4クロックにわたり−30v、2クロックにわたり−18vを示す。
【0058】
図13の上から第5番目の図は、コレステリック液晶に白と黒との中間のグレイを表示させるための前選択パルスの電圧、選択パルスの電圧、後選択パルスの電圧を示す。
1ライン目の前半において、前選択パルスは3クロックにわたり30v、3クロックにわたり42Vを示す。また、選択パルスは3クロックにわたり0v、3クロックにわたり12Vを示す。後選択パルスは3クロックにわたり18v、3クロックにわたり30Vを示す。1ライン目の後半において、前選択パルスは3クロックにわたり42v、3クロックにわたり30vを示す。選択パルスは3クロックにわたり0v、3クロックにわたり−12vを示す。後選択パルスは3クロックにわたり30v、3クロックにわたり18vを示す。2ライン目の前半において、前選択パルスは3クロックにわたり−30v、3クロックにわたり−42vを示す。選択パルスは3クロックにわたり0v、3クロックにわたり−12vを示す。後選択パルスは3クロックにわたり−18v、3クロックにわたり−30vを示す。2ライン目の後半において、前選択パルスは3クロックにわたり−42v、3クロックにわたり−30vを示す。選択パルスは3クロックにわたり0v、3クロックにわたり12vを示す。後選択パルスは3クロックにわたり−30v、3クロックにわたり−18vを示す。
【0059】
図13の上から第6番目の図は、コレステリック液晶に黒に近いグレイを表示させるための前選択パルスの電圧、選択パルスの電圧、後選択パルスの電圧を示す。
1ライン目の前半において、前選択パルスは2クロックにわたり30V、4クロックにわたり42vを示す。また、選択パルスは2クロックにわたり0v、4クロックにわたり12Vを示す。後選択パルスは2クロックにわたり18v、4クロックにわたり30Vを示す。1ライン目の後半において、前選択パルスは2クロックにわたり42v、4クロックにわたり30vを示す。選択パルスは2クロックにわたり0v、4クロックにわたり−12vを示す。後選択パルスは2クロックにわたり30v、4クロックにわたり18vを示す。2ライン目の前半において、前選択パルスは2クロックにわたり−30v、4クロックにわたり−42vを示す。選択パルスは2クロックにわたり0v、4クロックにわたり−12vを示す。後選択パルスは2クロックにわたり−18v、4クロックにわたり−30vを示す。2ライン目の後半において、前選択パルスは2クロックにわたり−42v、4クロックにわたり−30vを示す。選択パルスは2クロックにわたり0v、4クロックにわたり12vを示す。後選択パルスは2クロックにわたり−30v、4クロックにわたり−18vを示す。
【0060】
図14は、Center型、Far型、Head型、Tail型の選択パルスについて、デューティー比と、明度についてプロットしたグラフである。
図14のグラフの横軸はデューティー比(%)を示し、図14のグラフの縦軸はコレステリック液晶の規格化した明度を示す。また、黒菱形はCenter型の選択パルスを示し、白四角はFar型の選択パルスを示し、黒三角はHead型の選択パルスを示し、×はTail型の選択パルスを示す。
デューティー比(%)0においては、いずれのパルス型においても、明度は0である。デューティー比(%)0.2においては、すべてのパルス型に対して明度は、0から0.05までの明度範囲にある。
デューティー比(%)0.3においては、Center型の選択パルス、Far型の選択パルス、Head型の選択パルス、Tail型の選択パルスの順に、そのパルス型を用いた場合の明度を表すと、約0.13、約0.03、約0.04、約0.1である。
デューティー比(%)0.4においては、Center型の選択パルス、Far型の選択パルス、Head型の選択パルス、Tail型の選択パルスの順に、そのパルス型を用いた場合の明度を表すと、約0.47、約0.05、約0.19、約0.3である。
デューティー比(%)0.5においては、Center型の選択パルス、Far型の選択パルス、Head型の選択パルス、Tail型の選択パルスの順に、そのパルス型を用いた場合の明度を表すと、約0.82、約0.12、約0.50、約0.64である。
デューティー比(%)0.6においては、Center型の選択パルス、Far型の選択パルス、Head型の選択パルス、Tail型の選択パルスの順に、そのパルス型を用いた場合の明度を表すと、約0.96、約0.36、約0.81、約0.90である。
デューティー比(%)0.7においては、Center型の選択パルス、Far型の選択パルス、Head型の選択パルス、Tail型の選択パルスの順に、そのパルス型を用いた場合の明度を表すと、約0.97、約0.7、約0.96、約0.96である。
デューティー比(%)0.8以上となる場合には、Center型の選択パルス、Far型の選択パルス、Head型の選択パルス、Tail型の選択パルスのいずれにおいても明度は0.96以上となる。
ここで、明度が1側に近づくほど白に近くなり、明度が0側に近づく程黒に近づく。
【0061】
図15は、異なるタイプのPWM化された選択パルスを併用して、8階調を形成した例を示す。
図15において、デューティー比に対する明度を示すグラフと、明度に対応する画像の階調及びその階調を表すコード表を示す。
デューティー比に対する明度を示すグラフの縦軸は規格化された明度を、横軸はデューティー比を表す。また、上記のグラフにおいて、黒三角はHead型のPWM化された選択パルスを表し、×はTail型のPWM化された選択パルスを表す。
【0062】
上記、グラフ及び、コード表によれば、コレステリック液晶の階調に対して、以下のような割り付けが行われる。
階調0(コード000)について、明度0から0.1が対応し、デューティー比0選択パルスが対応する。デューティー比0なので,PWMのタイプは区別がない。
階調1(コード001)について、明度約0.2が対応し、デューティー比0.4のHead型の選択パルスが対応する。
階調2(コード010)について、明度約0.3が対応し、デューティー比0.4のTail型の選択パルスが対応する。
階調3(コード011)について、明度約0.5が対応し、デューティー比0.5のHead型の選択パルスが対応する。
階調4(コード100)について、明度約0.65が対応し、デューティー比0.5のTail型の選択パルスが対応する。
階調5(コード101)について、明度約0.8が対応し、デューティー比0.6のHead型の選択パルスが対応する。
階調6(コード110)について、明度約0.9が対応し、デューティー比0.6のTail型の選択パルスが対応する。
階調7(コード111)について、明度約0.97が対応し、デューティー比1.0の選択パルスが対応する。デューティー比1.0なので,PWMのタイプは区別がない。
【0063】
なお、上記では、Head型の選択パルス及びTail型の選択パルスを組み合わせることにより、8階調を形成した。しかし、Center型の選択パルスや、Far型の選択パルスも含む、いずれかの型の選択パルスを複数組み合わせて8階調を形成してもよい。
なお、図15に示すコード表は、図1の示す表示装置30の制御回路37に記憶されている。そこで、制御回路に画像データが入力されると、制御回路37は画像データの内の階調データを読み取り、その階調にあったコード信号を出力する。そのコード信号を受け取ったセグメントドライバ39は、そのコード信号に対応したパルスタイプ及びデューティータイプを有する選択パルスをコレステリック液晶の所定のラインに印加する。
【0064】
図16は、異なるタイプのPWM化された選択パルスを併用して、16階調を形成した例を示す。
図16において、デューティー比に対する明度を示すグラフと、明度に対応する画像の階調及びその階調を表すコード表を示す。
デューティー比に対する明度を示すグラフの縦軸は規格化された明度を、横軸はデューティー比を表す。また、上記のグラフにおいて、黒三角はHead型のPWM化された選択パルスを表し、×はTail型のPWM化された選択パルスを表す。
【0065】
上記、グラフ及び、コード表によれば、コレステリック液晶の階調に対して、以下のような割り付けが行われる。
階調0(コード0000)について、明度0が対応し、デューティー比0の選択パルスが対応する。デューティー比0なので,PWMのタイプは区別がない。
階調1(コード0001)について、明度約0.02が対応し、デューティー比0.2のHead型の選択パルスが対応する。
階調2(コード0010)について、明度約0.05が対応し、デューティー比0.3のHead型の選択パルスが対応する。
階調3(コード0011)について、明度約0.09が対応し、デューティー比0.3のTail型の選択パルスが対応する。
階調4(コード0100)について、明度約0.2が対応し、デューティー比0.4のHead型の選択パルスが対応する。
階調5(コード0101)について、明度約0.3が対応し、デューティー比0.4のTail型の選択パルスが対応する。
階調6(コード0110)について、明度約0.35が対応し、デューティー比0.45のHead型の選択パルスが対応する。
階調7(コード0111)について、明度約0.42が対応し、デューティー比0.45のTail型の選択パルスが対応する。
【0066】
階調8(コード1000)について、明度0.5が対応し、デューティー比0.5のHead型の選択パルスが対応する。
階調9(コード1001)について、明度約0.58が対応し、デューティー比0.5のTail型の選択パルスが対応する。
階調10(コード1010)について、明度約0.65が対応し、デューティー比0.5のHead型の選択パルスが対応する。
階調11(コード1011)について、明度約0.75が対応し、デューティー比0.55のTail型の選択パルスが対応する。
階調12(コード1100)について、明度約0.8が対応し、デューティー比0.6のHead型の選択パルスが対応する。
階調13(コード1101)について、明度約0.9が対応し、デューティー比0.6のTail型の選択パルスが対応する。
階調14(コード1110)について、明度約0.95が対応し、デューティー比0.7のHead型の選択パルスが対応する。
階調15(コード1111)について、明度約1.0が対応し、デューティー比1.0の選択パルスが対応する。デューティー比1.0なので,PWMのタイプは区別がない。
【0067】
なお、上記では、Head型の選択パルス及びTail型の選択パルスを組み合わせることにより、16階調を形成した。しかし、Center型の選択パルスや、Far型の選択パルスも含む、いずれかの型の選択パルスを複数組み合わせて16階調を形成してもよい。
なお、図16に示すコード表は、図1の示す表示装置30の制御回路37に記憶されている。そこで、制御回路に画像データが入力されると、制御回路37は画像データの内の階調データを読み取り、その階調にあったコード信号を出力する。そのコード信号を受け取ったセグメントドライバ39は、そのコード信号に対応したパルスタイプ及びデューティータイプを有する選択パルスをコレステリック液晶の所定のラインに印加する。
【0068】
図17は、図1の表示装置30にて行われる画面の書き換え方法について説明するフローチャートである。
表示装置30に対して書き換え指示がなされると、次のような工程を実行することにより、表示装置は画面の書き換えを行う。
画像データ入力工程101:表示装置30の駆動回路40は、画像データ50を制御回路37により受ける工程を行う。
画像データ毎に階調コードを決定する工程102:制御回路37は読み込まれた画像データに含まれる階調データを読み取り、図15又は図16に示された、階調を表すコード表によって、各画像データについて階調コードを決定する。制御回路37は、液晶表示素子10に画像を表示するために、階調コードを含んだ表示データ48をセグメントドライバ39に送付する。一方、制御回路37は、ライン選択データLS41をコモンドライバ38に送付する。制御回路37はコモンドライバ38及びセグメントドライバ39にとって、前選択パルス、選択パルス、後選択パルスを実現するため、どの電圧ドライバを電極に接続するかについて指示する指示回路となる。すなわち、制御回路37は液晶表示素子10又は液晶表示素子20の画素の階調に応じて、+12vパルスと−12vパルスとを含むパルス型と、上記2つのパルスのデューティー比を選択し、電圧ドライバに選択結果を指示する指示回路となる。
階調コードに基づき、表示データ毎に選択パルスパターンを選択する工程103:セグメントドライバ39は、階調コードをうけとると、階調コードに対応する選択パルスを選択し、選択した選択パルスを出力する。ここで、選択した選択パルスは、例えば、図15に示す8階調の場合には、Head型又はTail型であり、所定のデューティー比を有するパルスである。
画面書き換え実行工程104:コモンドライバ38及びセグメントドライバ39は、それぞれが選択した選択パルス及びそのパルスに関するパルス電圧に基づき、液晶表示素子10の電極に、選択パルスを印加する。その結果、液晶表示素子10の画面書き換えが行われる。
【0069】
以上より、前選択パルス、選択パルス、後選択パルスの組が、スキャンラインの位置を代えながら順次印加される。よって、1ラインあたりの選択パルスの印加時間で、書き換えが行われる。そのため、XGA仕様の高精細サイズの表示素子であっても、1ms×768=0.77秒程度の速度で書き換えを行うことができる。
さらに、コレステリック液晶に階調を選択パルスのデューティー比によって決定するため、選択パルスの形成の際、例えば、セグメントドライバ39の電圧ドライバを21v電圧ドライバ、9v電圧ドライバに限定することができ、電源ドライバの増加なしに、選択パスルの形成が行われる。その結果、コレステリック液晶とその駆動回路40の消費電力を低減することができる。
なお、選択パルスに対するパルスタイプが一種類であるときには、図14、図15、図16を参照すると、コレステリック液晶に複数の階調を表示する際に、選択パルスのデューティー比を細かく調整することになる。しかし、パルスタイプが異なればデューティー比が同じであっても、異なる階調を実現できるため、複数種類のパルスタイプを組み合わせると、細かいデューティー比の調整をすることなく、コレステリック液晶に複数の階調を表示させることができる。
【0070】
以下に本発明の特徴を付記する。
(付記1)
コレステリック液晶層と、前記コレステリック液晶層を挟み、画素部分に電圧を印加する電極とを有する表示素子と、
前記電極に極性の異なる第1パルス及び第2パルスを印加可能な電圧ドライバと、
前記画素の階調に応じて、所定期間内における前記第1パルスの位置及び前記第2パルスの位置を、前記電圧ドライバに指示する指示回路と、を備えることを特徴とする表示装置。
(付記2)
前記指示回路は、さらに、前記所定期間内における前記第1パルスのデューティー比及び前記第2パルスのデューティー比を選択することを特徴とする付記1記載の表示装置。
(付記3)
前記画素部分が表示可能な階調が、前記位置の変更を行うための、前記第1パルスのパルス幅の変調の方向及び前記第2パルスのパルス幅の変調の方向の組合せの内、2種類以上の組合せと、前記第1パルスのデューティー比及び前記第2パルスのデューティー比と、により設定されていることを特徴とする付記2記載の表示装置。
(付記4)
前記所定期間内における前記第1パルスのパルス幅の変調方向及び前記第2パルスのパルス幅の変調方向の組合せは、
前記第1パルスと前記第2パルスの境界部を基準としたとき、
前記第1パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部から離れる方向かつ前記第2パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部から離れる方向である前記第1パルスと前記第2パルスとの組合せ、
前記第1パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部に近づく方向かつ前記第2パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部に近づく方向である前記第1パルスと前記第2パルスとの組合せ、
前記第1パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部から離れる方向かつ前記第2パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部に近づく方向である前記第1パルスと前記第2パルスとの組合せ、及び、
前記第1パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部に近づく方向かつ前記第2パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部から離れる方向である前記第1パルスと前記第2パルスとの組合せが含まれることを特徴とする付記3記載の表示装置。
(付記5)
前記境界部は、前記選択期間の中心に位置することを特徴とする付記4記載の表示装置。
(付記6)
前記表示素子において、
前記電極は、前記コレステリック液晶層を挟み、互いに交差する帯状の第1帯電極及び第2帯電極を含み、
前記所定期間において、前記第1帯電極と前記第2帯電極間に前記極性の異なる第1パルス及び第2パルスが印加されることを特徴とする付記1記載の表示装置。
(付記7)
前記電圧ドライバは、
前記所定期間より以前において、前記コレステリック液晶層をホメオトロピック状態とするパルス電圧を含むリセットパルスを印加し、
前記所定期間において、プレーナ状態かフォーカルコニック状態,あるいはプレーナ状態とフォーカルコニック状態との混在状態を制御するパルス電圧を有する、前記第1パルス及び前記第2パルスを印加し、
前記所定期間より以後において、プレーナ状態かフォーカルコニック状態,あるいはプレーナ状態とフォーカルコニック状態との混在状態を確立するためのパルス電圧を含む維持パルスを印加することを特徴とする付記1記載の表示装置。
(付記8)
前記表示素子は、
青を表示する青表示素子と、
緑を表示する緑表示素子と、
赤を表示する赤表示素子と、を含み、
前記電圧ドライバは
前記青表示素子の青画素に接続する電極に極性の異なる第1青パルス及び第2青パルスを含む青パルスの組合せを印加可能な青電圧ドライバと、
前記緑表示素子の緑画素に接続する電極に極性の異なる第1緑パルス及び第2緑パルスを含む緑パルスの組合せを印加可能な緑電圧ドライバと、
前記赤表示素子の赤画素に接続する電極に極性の異なる第1赤パルス及び第2赤パルスを含む赤パルスの組合せを印加可能な赤電圧ドライバと、を含み、
前記指示回路は、
前記青画素の階調に応じて、所定期間内における前記第1青パルスの中心位置及び前記第2青パルスの中心位置と、前記第1青パルスのデューティー比及び前記第2青パルスのデューティー比を選択し、前記電圧ドライバに選択結果を指示する青指示回路と、
前記緑画素の階調に応じて、所定期間内における前記第1緑パルスの中心位置及び前記第2緑パルスの中心位置と、前記第1緑パルスのデューティー比及び前記第2緑パルスのデューティー比を選択し、前記電圧ドライバに選択結果を指示する緑指示回路と、
前記赤画素の階調に応じて、所定期間内における前記第1赤パルスの中心位置及び前記第2赤パルスの中心位置と、前記第1赤パルスのデューティー比及び前記第2赤パルスのデューティー比を選択し、前記電圧ドライバに選択結果を指示する赤指示回路と、を備えることを特徴とする付記2記載の表示装置。
(付記9)
前記第1青パルスのデューティー比及び第2青パルスのデューティー比、前記第1緑パルスのデューティー比及び第2緑パルスのデューティー比、前記第1赤パルスのデューティー比及び第2赤パルスのデューティー比は、前記青画素、前記緑画素、及び前記赤画素が、同一階調であるときには、
前記第1青パルスのデューティー比及び第2青パルスのデューティー比は前記第1緑パルスのデューティー比及び第2緑パルスのデューティー比より大きく、
前記第1緑パルスのデューティー比及び第2緑パルスのデューティー比は前記第1赤パルスのデューティー比及び第2赤パルスのデューティー比より大きい、ことを特徴とする付記8記載の表示装置。
(付記10)
指示回路により、表示素子が有するコレステリック液晶層に含まれる画素部分の階調に応じて、所定期間内における前記第1パルスの位置及び前記第2パルスの位置を選択する選択工程と、
電圧ドライバにより、所定の期間内に、前記選択工程で選択された、前記画素部分に電圧を印加する電極に前記極性の異なる前記第1パルス及び前記第2パルスを印加する電圧印加工程とを備えることを特徴とする表示装置の駆動方法。
(付記11)
前記指示回路は、さらに、前記所定期間内における前記第1パルスのデューティー比及び前記第2パルスのデューティー比を選択することを特徴とする付記10記載の駆動方法。
(付記12)
前記画素部分が表示可能な階調が、前記位置の変更を行うための、前記第1パルスのパルス幅の変調の方向及び前記第2パルスのパルス幅の変調の方向の組合せの内、2種類以上の組合せと、前記第1パルスのデューティー比及び前記第2パルスのデューティー比と、により設定されていることを特徴とする付記11記載の駆動方法。
(付記13)
前記所定期間内における前記第1パルスのパルス幅の変調方向及び前記第2パルスのパルス幅の変調方向の組合せは、
前記第1パルスと前記第2パルスの境界部を基準としたとき、
前記第1パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部から離れる方向かつ前記第2パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部から離れる方向である前記第1パルスと前記第2パルスとの組合せ、
前記第1パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部に近づく方向かつ前記第2パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部に近づく方向である前記第1パルスと前記第2パルスとの組合せ、
前記第1パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部から離れる方向かつ前記第2パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部に近づく方向である前記第1パルスと前記第2パルスとの組合せ、及び、
前記第1パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部に近づく方向かつ前記第2パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部から離れる方向である前記第1パルスと前記第2パルスとの組合せが含まれることを特徴とする付記12記載の駆動方法。
(付記14)
前記境界部は、前記選択期間の中心に位置することを特徴とする付記13記載の表示装置。
(付記15)
前記表示素子において、
前記電極は、前記コレステリック液晶層を挟み、互いに交差する帯状の第1帯電極及び第2帯電極であり
前記所定期間において、前記第1帯電極と第2帯電極間に前記極性の異なる第1パルス及び第2パルスが印加されることを特徴とする付記10記載の駆動方法。
(付記16)
前記電圧印加工程において、
前記所定期間より以前において、前記コレステリック液晶層をホメオトロピック状態とするパルス電圧を含むリセットパルスを印加し、
前記所定期間において、プレーナ状態かフォーカルコニック状態,あるいはプレーナ状態とフォーカルコニック状態との混在状態を制御するパルス電圧を有する、前記第1パルス及び前記第2パルスを印加し、
前記所定期間より以後において、プレーナ状態かフォーカルコニック状態,あるいはプレーナ状態とフォーカルコニック状態との混在状態を確立するためのパルス電圧を含む維持パルスを印加することを特徴とする付記10記載の駆動方法。
(付記17)
前記表示素子は、
青を表示する青表示素子と、
緑を表示する緑表示素子と、
赤を表示する赤表示素子と、を含み、
前記電圧ドライバは、
前記青表示素子の青画素に接続する電極に極性の異なる第1青パルス及び第2青パルスを含む青パルス群を印加可能な青電圧ドライバと、
前記緑表示素子の緑画素に接続する電極に極性の異なる第1緑パルス及び第2緑パルスを含む緑パルス群を印加可能な緑電圧ドライバと、
前記赤表示素子の赤画素に接続する電極に極性の異なる第1赤パルス及び第2赤パルスを含む赤パルス群を印加可能な電圧ドライバと、を含み、
前記指示回路は、
前記青画素の階調に応じて、所定期間内における前記第1青パルスの中心位置及び前記第2青パルスの中心位置と、前記第1青パルスのデューティー比及び前記第2青パルスのデューティー比を選択し、前記電圧ドライバに選択結果を指示する青指示回路と、
前記緑画素の階調に応じて、所定期間内における前記第1緑パルスの中心位置及び前記第2緑パルスの中心位置と、前記第1緑パルスのデューティー比及び前記第2緑パルスのデューティー比を選択し、前記電圧ドライバに選択結果を指示する緑指示回路と、
前記赤画素の階調に応じて、所定期間内における前記第1赤パルスの中心位置及び前記第2赤パルスの中心位置と、前記第1赤パルスのデューティー比及び前記第2赤パルスのデューティー比を選択し、前記電圧ドライバに選択結果を指示する指示回路と、を備えることを特徴とする付記11記載の駆動方法。
【符号の説明】
【0071】
10、20 液晶表示素子
11 上側透明基板
12 上側電極層
13、18 シール剤
14 下側電極層
15 下側透明基板
16 吸収層
30 表示装置
31 電源
32 昇圧部
33 電圧切替部
34 電圧安定部
35 原振クロック部
36 分周部
37 制御回路
38 コモンドライバ
39 セグメントドライバ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
コレステリック液晶層と、前記コレステリック液晶層を挟み、画素部分に電圧を印加する電極とを有する表示素子と、
前記電極に極性の異なる第1パルス及び第2パルスを印加可能な電圧ドライバと、
前記画素の階調に応じて、所定期間内における前記第1パルスの位置及び前記第2パルスの位置を、前記電圧ドライバに指示する指示回路と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記指示回路は、さらに、前記所定期間内における前記第1パルスのデューティー比及び前記第2パルスのデューティー比を選択することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記画素部分が表示可能な階調が、前記位置の変更に行うための、前記第1パルスのパルス幅の変調の方向及び前記第2パルスのパルス幅の変調の方向の組合せの内、2種類以上の組合せと、前記第1パルスのデューティー比及び前記第2パルスのデューティー比と、により設定されていることを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記所定期間内における前記第1パルスのパルス幅の変調方向及び前記第2パルスのパルス幅の変調方向の組合せは、
前記第1パルスと前記第2パルスの境界部を基準としたとき、
前記第1パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部から離れる方向かつ前記第2パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部から離れる方向である前記第1パルスと前記第2パルスとの組合せ、
前記第1パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部に近づく方向かつ前記第2パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部に近づく方向である前記第1パルスと前記第2パルスとの組合せ、
前記第1パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部から離れる方向かつ前記第2パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部に近づく方向である前記第1パルスと前記第2パルスとの組合せ、及び、
前記第1パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部に近づく方向かつ前記第2パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部から離れる方向である前記第1パルスと前記第2パルスとの組合せが含まれることを特徴とする請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記電圧ドライバは、
前記所定期間より以前において、前記コレステリック液晶層をホメオトロピック状態とするパルス電圧を含むリセットパルスを印加し、
前記所定期間において、プレーナ状態かフォーカルコニック状態,あるいはプレーナ状態とフォーカルコニック状態との混在状態を制御するパルス電圧を有する、前記第1パルス及び前記第2パルスを印加し、
前記所定期間より以後において、プレーナ状態かフォーカルコニック状態,あるいはプレーナ状態とフォーカルコニック状態との混在状態を確立するためのパルス電圧を含む維持パルスを印加することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項6】
指示回路により、表示素子が有するコレステリック液晶層に含まれる画素部分の階調に応じて、所定期間内における前記第1パルスの位置及び前記第2パルスの位置を選択する選択工程と、
電圧ドライバにより、所定の期間内に、前記選択工程で選択された、前記画素部分に電圧を印加する電極に前記極性の異なる前記第1パルス及び前記第2パルスを印加する電圧印加工程とを備えることを特徴とする表示装置の駆動方法。
【請求項7】
前記指示回路は、さらに、前記所定期間内における前記第1パルスのデューティー比及び前記第2パルスのデューティー比を選択することを特徴とする請求項6記載の駆動方法。
【請求項8】
前記画素部分が表示可能な階調が、前記位置の変更を行うための、前記第1パルスのパルス幅の変調の方向及び前記第2パルスのパルス幅の変調の方向の組合せの内、2種類以上の組合せと、前記第1パルスのデューティー比及び前記第2パルスのデューティー比と、により設定されていることを特徴とする請求項7記載の駆動方法。
【請求項9】
前記所定期間内における前記第1パルスのパルス幅の変調方向及び前記第2パルスのパルス幅の変調方向の組合せは、
前記第1パルスと前記第2パルスの境界部を基準としたとき、
前記第1パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部から離れる方向かつ前記第2パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部から離れる方向である前記第1パルスと前記第2パルスとの組合せ、
前記第1パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部に近づく方向かつ前記第2パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部に近づく方向である前記第1パルスと前記第2パルスとの組合せ、
前記第1パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部から離れる方向かつ前記第2パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部に近づく方向である前記第1パルスと前記第2パルスとの組合せ、及び、
前記第1パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部に近づく方向かつ前記第2パルスのパルス幅の変調方向が前記境界部から離れる方向である前記第1パルスと前記第2パルスとの組合せが含まれることを特徴とする請求項8記載の駆動方法。
【請求項10】
前記電圧印加工程において、
前記所定期間より以前において、前記コレステリック液晶層をホメオトロピック状態とするパルス電圧を含むリセットパルスを印加し、
前記所定期間において、プレーナ状態かフォーカルコニック状態,あるいはプレーナ状態とフォーカルコニック状態との混在状態を制御するパルス電圧を有する、前記第1パルス及び前記第2パルスを印加し、
前記所定期間より以後において、プレーナ状態かフォーカルコニック状態,あるいはプレーナ状態とフォーカルコニック状態との混在状態を確立するためのパルス電圧を含む維持パルスを印加することを特徴とする請求項6記載の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−78525(P2012−78525A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222929(P2010−222929)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】