表示装置
【課題】複数の種類の広告を切り換えて表示することができ、薄型化が可能な表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置1は、複数の表示体22を積層状態で収納できる表示体収納部21と、表示体収納部21の最前部に収納されている表示体22を外部から視認可能とする窓部20を有している。さらに、駆動ローラ31と起動ローラ32とを有し、駆動ローラ31の回転力により起動ローラ32が回転して、表示体収納部21の最前部に収納されている表示体22を駆動ローラ31に向かって移動させ、表示体22の他端Bが他の表示体22の一端Aを越えるまで移動させて、駆動ローラ31を反転させ、他の表示体22の後に移動させる。
【解決手段】表示装置1は、複数の表示体22を積層状態で収納できる表示体収納部21と、表示体収納部21の最前部に収納されている表示体22を外部から視認可能とする窓部20を有している。さらに、駆動ローラ31と起動ローラ32とを有し、駆動ローラ31の回転力により起動ローラ32が回転して、表示体収納部21の最前部に収納されている表示体22を駆動ローラ31に向かって移動させ、表示体22の他端Bが他の表示体22の一端Aを越えるまで移動させて、駆動ローラ31を反転させ、他の表示体22の後に移動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに記載されている広告などを表示することができる表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、シートなどに記載された複数の種類の広告を、1つの装置で切り換えて表示できる装置が提案されている。
このような装置として、例えば次のような装置がある。上下や左右に対向するように2本の駆動ローラを設け、複数の広告を連続する1つのシートにして、このローラに巻きつけておく。そして、表示を行う広告がローラの間の表示位置となるように、ローラを回転させ、広告の表示の切り替えを行うものである。
この方式の場合には、シートの端部同士を一体化して環状とした、いわゆるエンドレスシートを用いることもできたが、広告を記載する面積が限られて、多くの種類の広告を行うことが難しい。
【0003】
また、広告の内容を変更する場合には、広告が表示されたシートを交換することが必要であるが、ローラへの巻き付けや位置決め作業が難しく、交換作業に手間がかかるものである。
【0004】
そして、例えば、特許文献1などに記載されているように、広告が記載されたシートを複数用意し、これをローラにより表示位置に移動させて行うものが提案されている。
特許文献1に記載されている表示装置は、表示体収納部に複数のシートを収納し、上側にある駆動ローラを用いてシートを上方に送り、ローラで転向して下方に移動しながら表示位置に移動する。また、表示位置にあるシートは、下側にある駆動ローラを用いてシートを下方に送り、ローラで転向させて表示体収納部に戻される。
【特許文献1】特開平06−83272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような表示装置は、前後方向の幅(厚み)が大きいと邪魔になりやすいので、薄型のものが求められている。特に、電車やバスなどの公共交通機関に用いられる場合には、乗客が乗る空間を広くすることができるので、できるだけ薄い方が望ましい。
【0006】
しかしながら、特許文献1などに記載されている従来の表示装置では、上下や左右など、表示位置の両側に2本の駆動ローラが必要であり、全体の厚みを薄くすることができなかった。
【0007】
そこで、本発明は、表示を切り換えることが可能であって、薄型化が可能な表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するための請求項1に記載の発明は、複数の表示体を積層状態で収納できる表示体収納部と、前記表示体収納部の最前部に収納されている表示体を外部から視認可能とする窓部と、前記表示体の積層の順を変更する表示体移動手段を有し、前記表示体移動手段は、駆動ローラと、前記駆動ローラの回転力により回転する起動ローラとを有し、前記起動ローラは表示体収納部に収納された表示体の一端付近に位置しており、前記駆動ローラの回転力により前記起動ローラを回転させて、表示体収納部の最前部に収納されている表示体を駆動ローラに向かって移動させ、駆動ローラによって最前部の表示体を当該表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させて、さらに、前記駆動ローラを反転させて当該表示体を表示体収納部の最後部に移動させて収納するものであることを特徴とする表示装置である。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、複数の表示体を積層状態で収納できる表示体収納部と、前記表示体収納部の最前部に収納されている表示体を外部から視認可能とする窓部と、前記表示体の積層の順を変更する表示体移動手段を有しているので、最前部の表示体を表示体移動手段によって位置を変えることができ、複数の種類の表示を順番に行うことができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、駆動ローラと起動ローラとを有し、前記駆動ローラの回転力により前記起動ローラが回転して、最前部の表示体を駆動ローラに向かって移動させ、駆動ローラによって最前部の表示体を、当該表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させて、さらに、前記駆動ローラを反転させ、最後部に移動させて表示体収納部に収納することができるので、1つの駆動ローラによって最前部の表示体の位置を変えることができる。したがって、表示装置の構造が複雑になりにくく、大きさを小さくすることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、駆動ローラの回転力を選択的に起動ローラに伝達することができるものであり、前記起動ローラは、表示体の一端が駆動ローラに達した後に、駆動ローラから回転力の伝達が遮断されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置である。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、起動ローラは、表示体の一端が駆動ローラに達した後に、駆動ローラから回転力の伝達が遮断されるので、最前部の表示体が移動して、その次の2番目の表示体が起動ローラに接触する状態となった場合に起動ローラに回転力が伝達されないので、2番目の表示体が送り出されることがなく、最前部の表示体のみを確実に移動させることができる。
【0012】
また、起動ローラの代わりに、送りベルトを用いることができる。すなわち、請求項3に記載の発明は、複数の表示体を積層状態で収納できる表示体収納部と、前記表示体収納部の最前部に収納されている表示体を外部から視認可能とする窓部と、前記表示体の積層の順を変更する表示体移動手段を有し、前記表示体移動手段は、駆動ローラと、前記駆動ローラの回転力により作動する送りベルトとを有し、前記送りベルトは表示体収納部に収納された表示体の一端付近に配置しており、前記駆動ローラの回転力により前記送りベルトを作動させて、表示体収納部の最前部に収納されている表示体を駆動ローラに向かって移動させ、駆動ローラによって最前部の表示体を当該表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させて、さらに、前記駆動ローラを反転させて当該表示体を表示体収納部の最後部に移動させて収納するものであることを特徴とする表示装置である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、送りベルトは、表示体の一端付近から駆動ローラにかけて配置されていることを特徴とする請求項3に記載の表示装置である。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、送りベルトは、表示体の一端付近から駆動ローラにかけて配置されているので、表示体を確実に駆動ローラ側に移動させることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、最前部の表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させた状態では、当該表示体の一端側は表示体収納部の後側に位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表示装置である。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、最前部の表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させた状態では、当該表示体は表示体収納部の後側に位置しているので、最前部の表示体の位置を変えるために一時的に移動する場所が邪魔とならず、表示装置をコンパクトにすることができる。
【0017】
また、表示体収納部の後側にポケット部を設け、最前部の表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させた状態で、当該表示体を前記ポケット部に入れるようにすることができる(請求項6)。
【0018】
請求項7に記載の発明は、後押しローラが設けられ、表示体を駆動ローラに向かって移動させる際には、起動ローラ又は送りベルトと、後押しローラとによって表示体を挟み、駆動ローラから表示体収納部に移動させる際には、起動ローラ又は送りベルトと、後押しローラとの間が開くように移動させることができることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の表示装置である。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、後押しローラが設けられ、表示体を駆動ローラに向かって移動させる際には起動ローラ又は送りベルトと、後押しローラとによって表示体を挟んで表示体を移動させることができ、また、駆動ローラから表示体収納部に移動させる際には、起動ローラ又は送りベルトと、後押しローラとの間が開くように移動して、表示体の表示体収納部への移動が容易となる。
【0020】
また、表示体を外部から視認可能とする窓部を、ポケット部に入れられた表示体が外部から視認可能とするように設けても良い。
すなわち、請求項8に記載の発明は、複数の表示体を積層状態で収納できる表示体収納部と、ポケット部と、前記ポケット部に入れられた表示体を外部から視認可能とする窓部と、前記表示体の積層の順を変更する表示体移動手段を有し、前記表示体移動手段は、駆動ローラと、前記駆動ローラの回転力により回転する起動ローラとを有し、前記起動ローラは表示体収納部に収納された表示体の一端付近に位置しており、前記駆動ローラの回転力により前記起動ローラを回転させて、表示体収納部の最前部に収納されている表示体を駆動ローラに向かって移動させ、駆動ローラによって最前部の表示体を、当該表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させてポケット部に入れて表示体を表示することができ、前記駆動ローラを反転させて当該表示体を表示体収納部の最後部に移動させて収納するものであることを特徴とする表示装置である。
また、請求項9に記載の発明は、複数の表示体を積層状態で収納できる表示体収納部と、ポケット部と、前記ポケット部に入れられた表示体を外部から視認可能とする窓部と、前記表示体の積層の順を変更する表示体移動手段を有し、前記表示体移動手段は、駆動ローラと、前記駆動ローラの回転力により作動する送りベルトとを有し、前記送りベルトは表示体収納部に収納された表示体の一端付近に配置しており、前記駆動ローラの回転力により前記送りベルトを作動させて、表示体収納部の最前部に収納されている表示体を駆動ローラに向かって移動させ、駆動ローラによって最前部の表示体を、当該表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させてポケット部に入れて表示体を表示することができ、前記駆動ローラを反転させて当該表示体を表示体収納部の最後部に移動させて収納するものであることを特徴とする表示装置である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の表示装置によれば、1つの駆動ローラで表示体の移動させて表示を切り換えることが可能であり、薄型化が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下さらに本発明の具体的実施例について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態における表示装置の図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図2は、本発明の第1の実施形態における表示装置の内部を示した側面図である。図3、図4は、表示体移動手段を示す斜視図である。図5、図6は、表示体移動手段の側面図である。図7〜図11は、表示体移動手段の内部の動きを示す図であり、(a)は側面図、(b)はラック付近の模式図である。
【0023】
本実施形態の表示装置1は、図1、図2に示されており、本体部材10と、表示体移動手段11とを有している。
【0024】
本体部材10は、上方の前後方向の幅が下方よりもやや広い板状の箱体であり、内部は空洞状である。また、本体部材10には、筐体10aと透明板10bを有している。透明板10bは、前側(図1(a)の手前側、図1(b)の左側)に配置されて窓部20となる。
透明板10bはアクリル板やガラス板が用いられている。
【0025】
図2に示されるように、本体部材10の内部には、第1仕切部23と、第2仕切部24が設けられている。第1仕切部23は透明板10bの後側に配置しており、また、第2仕切部24は第1仕切部23よりもさらに後側に配置されている。そして、第1仕切部23と透明板10bとの間に表示体収納部21が形成され、また第2仕切部24と筐体10aの後側との間に、ポケット部25が形成される。
表示体収納部21及びポケット部25は、表示体移動手段11よりも下側に位置し、本体部材10の下方の幅の狭い部分に配置されている。
【0026】
表示体収納部21は、表示体である広告シート22を複数枚収納することができる。そして、表示体収納部21の前側には透明板10bが配置されて、窓部20となっているので、窓部20から表示体収納部21に収納されている広告シート22の最前部が透けて見える。
【0027】
また、表示装置1に用いられる広告シート22は、略長方形状のものが用いられ、その面が前後に向いている。そして、広告シート22は一端Aが上側に、他端Bが下側に位置している。広告シート22は、少し腰があって、駆動ローラ31の屈曲によっては永久歪を起こさない程度の剛性を持つものが用いられ、広告シート22の表と他の広告シート22の裏とが滑りやすいものが用いられる。なお、本発明の他の実施形態に用いられる広告シート22も同様のものが用いられる。
【0028】
ポケット部25は、本体部材10の後側に設けられ、後述するように、広告シート22を移動させる際に、一時的に移動する場所である。
また、ポケット部25の最下部付近には、センサー25aが設けられている。センサー25aによって、広告シート22がポケット部25の最下部付近まで入っている状態かどうかを確認することができる。
【0029】
図2に示すように、表示体移動手段11は本体部材10の内部に設けられている。表示体移動手段11は、表示体収納部21やポケット部25よりも上側に位置しており、本体部材10の上方の幅が広い部分に配置されている。
そして、表示体移動手段11には、駆動ローラ31、送りベルト81、起動ローラ32、後押しローラ32a、案内部材33が設けられている。
【0030】
駆動ローラ31は、自ら駆動することができるものであり、制御部50によって制御可能に回転させることができるローラである。駆動ローラ31は、図3、図5、図6に示されるように、歯車82と、ローラ部36と、軸部34と、小径ローラ82a、83と、図示しないモータが設けられている。そして、軸部34を固定してこのモータを作動させ、ローラ部36及び小径ローラ82a、83とを回転させることができる。この図示しないモータには、モータ内蔵ローラが用いられている。
【0031】
また、駆動ローラ31は正転・反転のいずれの方向にも回転させることができる。また、駆動ローラ31の軸部34は、左右方向に水平に配置され、回転不能に固定されている。
【0032】
歯車82は、図3に示されるように、ローラ部36の一方の端部に設けられている。そして、小径ローラ82aは、図6に示されるように、歯車82の内側に配置されている。さらに、歯車82と小径ローラ82aとの間には、摩擦部材82bが設けられている。摩擦部材82bは歯車82と小径ローラ82aとの間の回転力を摩擦によって伝達することができる。
そして、小径ローラ82aの回転力が、摩擦部材82bを介して歯車82に伝達されるが、歯車82に大きな抵抗が加わった場合には、摩擦部材82bですべって歯車82が空回りする。
また、図6に示されるように、歯車82は後述するラック86と噛み合っている。
【0033】
小径ローラ83は、図3に示されるように、他方の端部に設けられている。そして、図3、図5に示されるように、小径ローラ83の外形は円柱状であって、小径ローラ83の外側に後押しローラ連結部材87の筒部87aが挿入されている。さらに、小径ローラ83と筒部87aとの間に、摩擦部材87cが配置されており、摩擦部材87cによって小径ローラ83と筒部87aとの間の回転力を摩擦によって伝達する。
そして、小径ローラ83の回転力が、摩擦部材87cを介して筒部87aに伝達されるが、筒部87aに大きな抵抗が加わった場合には、摩擦部材87cですべって筒部87aが空回りする。
【0034】
送りベルト81は、図2、図3に示されるように、環状のベルトであって、駆動ローラ31のローラ部36の両端付近の2ヵ所に設けられ、それぞれ3ヵ所のガイドローラ81aによって保持されている。そして、送りベルト81は駆動ローラ31の周方向の約1/4に接触して、駆動ローラ31のローラ部36の表面の移動方向と同じ方向に移動することができる。また、ガイドローラ81aの回転軸は、駆動ローラ31の回転軸と平行である。
【0035】
また、送りベルト81と駆動ローラ31のローラ部36の間に広告シート22が進入している状態でローラ部36が回転することにより、広告シート22を移動させることができる。そして、送りベルト81もそれに伴って動く。また、このとき、広告シート22は送りベルト81に押さえつけられるので、広告シート22とローラ部36との間でスリップしにくく、広告シート22の移動を確実に行うことができる。
【0036】
駆動ローラ31の上側の後側には、湾曲ガイド90が設けられている。湾曲ガイド90は駆動ローラ31のローラ部36の表面に沿って設けられ、湾曲ガイド90とローラ部36との間は広告シート22が移動できる隙間が設けられている。
【0037】
起動ローラ32は、駆動ローラ31よりも下方に位置している。また、図2に示すように、起動ローラ32は、表示体収納部21に収納される広告シート22の上側の一端A付近に位置している。
起動ローラ32には、図3、図6、図7などに示されるように、ローラ部39、歯車88及び軸部45が設けられている。
【0038】
ローラ部39は円筒状の部材であり、図3に示されるように、軸部45に固定されている。ローラ部39は全域に設けられているのではなく、部分的に複数設けられている。また、後述する後押しローラ32aのローラ部53も同様に部分的に複数設けられ、ローラ部39の位置と、ローラ部53の位置が対応している。
また、ローラ部39の表面は摩擦係数が大きく、広告シート22との間で発生する摩擦力が大きい。そして、この摩擦力は、後押しローラ32aのローラ部53よりも大きい。
歯車88は回転方向規制手段89を介して軸部45と接続されており、歯車88と軸部45との間で一方向の回転力のみ伝達する。回転方向規制手段89は、具体的には、ワンウェイベアリングである。
【0039】
また、図3、図6に示すように、駆動ローラ31の歯車82と起動ローラ32の歯車88とは、ラック86を介してつながっており、駆動ローラ31の歯車82の回転力を起動ローラ32の歯車88に伝達することができる。
具体的には、ラック86は長尺板状の部材であり、両面にラック歯86a、86bが設けられている。そして、ラック歯86aと駆動ローラ31の歯車82とが噛み合っており、ラック歯86bと起動ローラ32の歯車88とが噛み合っている。
【0040】
駆動ローラ31の軸部34と、起動ローラ32の軸部45とは、図示していないが本体部材10に保持されている。また、ラック86は長尺方向にのみ移動することができる。そのため、駆動ローラ31の歯車82が回転するとラック86が移動し、さらに、この移動によって起動ローラ32の歯車88が回転する。また、このときの駆動ローラ31の歯車82の回転方向と、起動ローラ32の歯車88の回転方向は逆となる。
【0041】
さらに、図3、図4に示されるように、ラックストッパー86c、86dが設けられている。ラックストッパー86c、86dは、ラック86の移動範囲を制限するものであり、ラック86の長尺方向の延長線上に設けられている。
そのため、反転直後は、ラック86がラックストッパー86c、86dに当接せず、歯車82の回転力を歯車88へ伝達することができるが、歯車82が所定の回転を行うと、ラック86がラックストッパー86c、86dに当接して、回転力の伝達を行わない。
【0042】
後押しローラ32aは、図2、図3に示されるように、起動ローラ32の後側付近に位置しており、表示体収納部21に収納される広告シート22の一端A付近に位置している。そして、起動ローラ32と後押しローラ32aとによって、広告シート22の一端A付近を挟むことができる。
【0043】
後押しローラ32aにはローラ部53と軸部54とが設けられている。ローラ部53は軸部54に固定されている。また、軸部54は、図3、図5に示されるように、後押しローラ32aは後押しローラ連結部材87によって保持されている。具体的には、後押しローラ連結部材87の揺動孔87dに軸部54が挿入されている。
【0044】
図3に示されるように、後押しローラ連結部材87の筒部87aが、駆動ローラ31の小径ローラ83の外側に挿入され、筒部87aと揺動孔87dを連結部87bによってつないでいるので、駆動ローラ31の軸部34を中心として回転することができる。そのため、揺動孔87dが移動することができ、後押しローラ32aは起動ローラ32に対して近づき、離れる方向に揺動することができる。
【0045】
また、図示しない付勢部材により、後押しローラ32aは起動ローラ32側に近づくように付勢されており、通常は、後押しローラ32aが起動ローラ32側に移動している。そのため、図2などに示されるように広告シート22の一端A付近を、後押しローラ32aと起動ローラ32とにより挟んでいる。
さらに、軸部54の移動により、軸部54が後述する案内部材33の爪57を押して、案内部材33の案内板58の位置を変えることができる。
【0046】
案内部材33は、図3に示されるように、軸部59と、軸部59の両端付近で固定されている爪57と、軸部59に固定されている案内板58とからなる。そして、案内部材33は軸部59を軸として回転することができる。
案内板58は、図2、図3に示されるように、先端が細い形状であり、広告シート22の移動の際に、移動する方向によって進行方向を変えるものである。
【0047】
案内部材33の案内板58は、駆動ローラ31と起動ローラ32との間に設けられており、軸部59の回転によって、案内板58の角度が変化して位置を変えることができる。この軸部59を軸とする回転は、後押しローラ32aの軸部54が爪57を押すことにより行われる。
具体的には、図7に示されるように、後押しローラ32aの軸部54が起動ローラ32側に移動すると爪57を押し、案内板58が後側に移動する。
【0048】
図7に示されるように、案内板58が後側にある状態では、起動ローラ32側から、上側に向かって進む場合、広告シート22は案内板58に邪魔されず、第1仕切部23の上端付近に設けられたガイド部85と案内板58の間を進んで、駆動ローラ31側へと向かう。
【0049】
また、図10に示されるように、案内板58が前側にある状態では、駆動ローラ31側から下側に向かって進む場合、広告シート22は案内板58により前側への移動を妨げ、後側に迂回する。
さらに、図示しない付勢部材によって、案内板58が後側となるように付勢されているので、後押しローラ32aの軸部54が爪57を押さない場合には案内板58が後側に移動する。
【0050】
なお、案内板58が後側となるように付勢する図示しない付勢部材や、後押しローラ32aを起動ローラ32側に近づくように付勢する図示しない付勢部材は、ねじりコイルバネなどを用いることができる。
【0051】
制御部50は、図2などに示されるように、駆動ローラ31の上側に設けられている。そして、制御部50は、外部の電源及び駆動ローラ31と接続されており、この電源の電力によって、駆動ローラ31を回転することができる。
【0052】
次に、表示装置1の使用方法について説明する。
最初に、図7に示すように、表示体収納部21に広告シート22を複数枚収納する。このとき、全ての広告シート22について表示したい側を前側に向けて積層した状態にしておく。また、表示装置1を壁などに取り付ける場合には、透明板10b側を表側となるように設置する。
そうすると、透明板10bから、最前部の広告シート22が見える。
【0053】
そして、表示する広告シート22を変える場合には、表示体移動手段11を用いて、最前部にある広告シート22を最後部に移動させ、前から2番目の広告シート22を最前部として行う。なお、表示する広告シート22を変えるのは、自動で行うことができ、この場合には一定の時間が経過後に行われる。
【0054】
まず、駆動ローラ31を、送りベルト81側が上に移動する方向に回転させる。そうすると、駆動ローラ31の歯車82が回転してラック86が移動し、歯車88が回転する。
【0055】
そして、歯車88が回転すると起動ローラ32のローラ部39が回転し、広告シート22が上昇する。
このとき、駆動ローラ31の回転によって小径ローラ83の回転し、後押しローラ連結部材87に回転力が働いて、起動ローラ32に向かって揺動孔87dが移動する方向に力が働く。後押しローラ32aのローラ部53は、起動ローラ32のローラ部39によって移動が阻止され、広告シート22を挟んだ状態を維持する。
なお、小径ローラ83は回転し続けるが、後押しローラ連結部材87の筒部87aで空回りする。
【0056】
そして、起動ローラ32は、内側が上側に向かって回転することとなり、表面の摩擦係数が大きい起動ローラ32のローラ部39側(最前部)の広告シート22が上昇して、図8に示す状態となる。
図8に示すように、広告シート22の一端Aは上昇して、駆動ローラ31のローラ部36と、送りベルト81との間に挟まれている。また、ラック86は、上側のラックストッパー86cに当接して移動が停止するので、起動ローラ32の歯車88の回転が停止して、ローラ部39の回転も停止する。すなわち、ラック86は図4のように上側に移動する。
【0057】
また、案内部材33の爪57は軸部54に押されるので、案内板58は後側に移動しており、広告シート22の上昇に案内板58が邪魔になることはない。
なお、移動の対象である最前部の広告シート22について、太線で示している。
【0058】
さらに回転すると、駆動ローラ31と送りベルト81との間に挟まれている広告シート22の一端Aが、駆動ローラ31の回転力により更に上昇し、表示装置1の後側に移動していく。さらに、湾曲ガイド90により、広告シート22の一端Aが下側に向かって進み、図9に示されるように、ポケット部25に進む。
【0059】
一方、起動ローラ32のローラ部39の回転が停止しているので、駆動ローラ31の回転力のみによって広告シート22が移動する。
したがって、最前部にある広告シート22が起動ローラ32を越えて移動した後に、移動前に2番目にあった広告シート22が起動ローラ32と接触することになっても上昇することはない。
【0060】
そして、広告シート22の一端Aがポケット部25の下端付近に達し、表示体収納部21の後側に設けられたポケット部25に完全に入る。この状態では、この広告シート22の他端Bは、表示体収納部21に収納されている他の広告シート22の一端Aを越えている位置であり、駆動ローラ31と押さえローラ31aとの間に挟まれている。
【0061】
最前部の広告シート22が移動すると、透明板10bである窓部20から見える広告シート22は、2番目の広告シート22が下側から徐々に見えて全体が見えるようになり、最前部の広告シート22は見えなくなる。
【0062】
そして、図9に示す状態となると、ポケット部25の最下部付近に設けられているセンサー25aが広告シート22を検知し、駆動ローラ31の回転を停止する。
【0063】
さらに駆動ローラ31を反転させる。そして、駆動ローラ31は、送りベルト81側(前側)が下に移動する方向に、ローラ部36、小径ローラ82a、83が回転する。
広告シート22の他端B側が駆動ローラ31と送りベルト81とにより挟まれているので、広告シート22は下方に移動する(図10)。
【0064】
小径ローラ82aが回転すると歯車82が回転し、ラック86が下向きに移動し、ラック86を介して歯車88が回転するが、回転方向規制部材89によって、歯車88の回転力が起動ローラ32のローラ部39に回転力が伝達されない。
【0065】
また、小径ローラ83が回転すると後押しローラ連結部材87が回転力を受け、図示しない付勢手段の付勢力に打ち勝って揺動孔87dが起動ローラ32から遠ざかる方向に移動する。
そして、図10に示されるように、案内部材33の爪57は軸部54に押されなくなるので、軸部59が回転して案内板58が前進する。そのため、広告シート22の他端Bが、案内板58の後側を通過し、他の広告シート22の後側に至る。
【0066】
そして、移動している広告シート22が下方へ移動し、図11に示されるように、他の広告シート22の後側の表示体収納部21に収納される。さらに、移動している広告シート22の上下方向の位置が他の広告シート22の位置まで移動すると、駆動ローラ31が停止する。そうすると、揺動孔87dが再び起動ローラ32側に移動し、広告シート22の一端A側が起動ローラ32と後押しローラ32aとの間で挟まれた状態となる。
【0067】
このようにして、広告シート22の移動が完了する。そして、広告シート22の積層の順が変わって最前部の表示される広告シート22が変わる。さらに、表示される広告シート22を変える場合にも同様な手順で行うことができる。
【0068】
次に、本発明の第2の実施形態における表示装置2について説明する。
図12は、本発明の第2の実施形態における表示装置の内部を示した側面図である。図13は、表示体移動手段と制御部を示す斜視図である。図14及び図15は、表示体移動手段の一部拡大断面図である。図16(a)及び(b)は表示体移動手段の歯車の接続状態を示した斜視図である。図17は、歯車部材を示す正面図である。図18〜図22は、表示体の動きを示す、表示装置の内部の側面図である。図23〜図26は、表示装置の内部を拡大し、表示体の動きを示した側面図である。図27は、軸類保持部を示す正面図である。
【0069】
表示装置2には、上記した第1の実施形態における表示装置1と同様な本体部材10が設けられ、本体部材10には筐体10aと窓部20となる透明板10bを有している。そして、表示装置2には表示体移動手段91によって、最前部の広告シート22を移動することができる。
【0070】
具体的には、図12に示されるように、本体部材10の内部には、第1仕切部23と、第2仕切部24が設けられ、第1仕切部23は透明板10bの後側に配置しており、また、第2仕切部24は第1仕切部23よりもさらに後側に配置されている。そして、第1仕切部23と透明板10bとの間に表示体収納部21が形成され、また第2仕切部24と筐体10aの後側との間に、ポケット部25が形成される。
表示体収納部21及びポケット部25は、表示体移動手段91よりも下側に位置し、本体部材10の下方の幅の狭い部分に配置されている。
【0071】
また、第1仕切部23の前側には表示体収納部21側に突出するように配置する板ばね23aが設けられており、表示体収納部21に収納される広告シート22を透明板10b側に密着するように押さえている。
【0072】
筐体10aの両側面には、図27に示されるような、軸類保持部66が設けられている。軸類保持部66には孔66a、66b、66c、66d、66e、66f、66gが設けられ、この孔66a、66b、66c、66d、66e、66fに、以下に示す軸部34、40、45、54、59、70aの両端が挿入されて保持される。また、孔66gは、アイドルギア51の軸部84が挿入されて保持される。
孔66aは六角孔であり、軸部34を回転不能に保持し、他の孔66b、66c、66d、66e、66fは回転可能に保持している。孔66dは長孔であり、軸部54の平行移動を可能にしている。
そして、軸部34、40、45、54、59、70aは、互いにほぼ平行に配置されている。
【0073】
図12に示すように、表示体移動手段91は本体部材10の内部に設けられている。表示体移動手段91は、表示体収納部21やポケット部25よりも上側に位置しており、本体部材10の上方の幅が広い部分に配置されている。
そして、表示体移動手段91には、駆動ローラ31、押さえローラ31a、起動ローラ32、後押しローラ32a、案内部材33、ねじローラ33aが設けられている。
【0074】
駆動ローラ31は、自ら駆動することができるものであり、制御部50によって制御可能に回転させることができるローラである。駆動ローラ31は、図13に示されるように、歯車35と、ローラ部36と、軸部34と、プーリ48と、図示しないモータが設けられており、軸部34を固定してこのモータを作動させ、歯車35、ローラ部36及びプーリ48と回転させることができる。この図示しないモータには、モータ内蔵ローラが用いられている。
【0075】
また、駆動ローラ31は正転・反転のいずれの方向にも回転させることができる。また、駆動ローラ31の軸部34は、左右方向に水平に配置されている。
歯車35はローラ部36の両端に設けられ、後述する押さえローラ31aの歯車42と噛み合っている。
【0076】
図13に示されるように、押さえローラ31aは、軸部40と、軸部40の回転により回転するローラ部41及び歯車42とが設けられている。ローラ部41は全域に設けられているのではなく、部分的に複数設けられている。また、歯車42は両端の2ヵ所に配置されている。
図12に示すように、ローラ部41は、駆動ローラ31のローラ部36との間が、広告シート22の厚みより短い隙間を設けるように配置されている。そして、駆動ローラ31と押さえローラ31aとの間で広告シート22を挟んで回転させることにより、広告シート22を移動させることができる。なお、広告シート22を挟んで回転させることができれば、ローラ部41と駆動ローラ31のローラ部36とが接するようにしてもよい。
【0077】
また、図13に示すように、押さえローラ31aの歯車42と、駆動ローラ31の歯車35とが噛み合っており、駆動ローラ31の回転力を押さえローラ31aに伝達することができる。そして、駆動ローラ31が回転すると押さえローラ31aが逆方向に回転する構造となっている。
【0078】
起動ローラ32は、駆動ローラ31よりも下方に位置している。また、図12に示すように、起動ローラ32は、表示体収納部21に収納される広告シート22の上側の一端A付近に位置している。
起動ローラ32には、図13、図14、図15などに示されるように、ローラ部39、歯車部材37、軸部45、クラッチ部材38及び回転方向規制手段79が設けられている。
【0079】
ローラ部39は円筒状の部材であり、図14、図15に示されるように、回転方向規制手段79を介して軸部45に接続されている。すなわち、軸部45の外側に回転方向規制手段79が配置し、回転方向規制手段79の外側にローラ部39が配置している。また、回転方向規制手段79はワンウェイベアリングであり、軸部45が回転するとき、一方の方向の場合には、ローラ部39に軸部45の回転力を伝達して、ローラ部39が軸部45と同じように回転し、他方の方向の場合には、ローラ部39には軸部45の回転力を伝達せず、ローラ部39が回転しない。
また、ローラ部39の表面は摩擦係数が大きく、摩擦力が大きい。
【0080】
歯車部材37は、図16や図17に示されているように、フランジ部分を有する円筒状であり、歯車側クラッチ板37fと、歯車部37aと、周状溝部37bを有する円筒部37cを有している。
歯車側クラッチ板37fは端部に設けられたフランジ部分であり、後述するクラッチ部材38の軸部側クラッチ板38bと接触することができるものである。また、歯車部37aは、歯車側クラッチ板37fと円筒部37cとの間に配置されている。円筒部37cの周状溝部37bは、2本の環状溝部37dの間に螺旋溝部37eが設けられている構造である。
【0081】
歯車部材37の歯車部37aは、図16に示されるように、アイドルギア51を介して、押さえローラ31aの歯車42と接続されており、押さえローラ31aの歯車42の回転力を歯車部材37に伝達することができる。また、アイドルギア51を介しているため、歯車部材37の歯車部37aの回転方向は、押さえローラ31aの歯車42の回転方向と同じである。
また、アイドルギア51にはリング状の突出部52と、軸部84が設けられている。そして、突出部52は図16に示されるように周状溝部37bに入っている。
【0082】
クラッチ部材38は、図14、図15に示されており、歯車部材37とクラッチ部材38とは、回転力を選択的に伝達することができ、回転力を伝達することも、回転力の伝達を遮断することも可能である。そして、歯車部材37は軸部45に対して回転が可能であり、クラッチ部材38は軸部45と共に回転するものである。歯車部材37及びクラッチ部材38は、軸部45に対して軸方向には移動可能である。したがって、歯車部材37の歯車部37aから伝達された回転力を、軸部45に伝達する場合に、回転力の伝達、又は、回転力の伝達の遮断を選択することができる。
また、ばね60により歯車部材37はクラッチ部材38側に付勢され、ばね61によりクラッチ部材38は歯車部材37側に付勢されている。
【0083】
そして、アイドルギア51が回転すると、歯車部材37に回転力が伝達する。また、一方の環状溝部37dに入っている突出部52が、螺旋溝部37eに案内されて、他方の環状溝部37dに移動することにより、歯車部材37が軸方向に移動する。
【0084】
したがって、図16(a)に示されるように、歯車部材37の歯車側クラッチ板37fと、クラッチ部材38の軸部側クラッチ板38bとが接触する状態から、駆動ローラ31の歯車35と、押さえローラ31aの歯車42との噛み合い部分が上に移動する方向に回転(矢印方向に回転)すると、図16(b)の状態に示すように、歯車部材37の歯車側クラッチ板37fと、クラッチ部材38の軸部側クラッチ板38bとが離れる状態となる。
逆に、図16(b)に示す状態から、逆回転すると、再び、図16(a)に示されるように、歯車部材37の歯車側クラッチ板37fと、クラッチ部材38の軸部側クラッチ板38bとが接触する状態となる。
このとき、回転を反転させ初めは、螺旋溝部37eに案内されて歯車部材37が移動せず、歯車側クラッチ板37fと軸部側クラッチ板38bとの接触状態はそのままであり、螺旋溝部37eに案内されてることにより接触状態が切り替わる。
【0085】
そして、歯車側クラッチ板37fと、軸部45と共に回転する軸部側クラッチ板38bとが接触すると、図14に示されるように、歯車側クラッチ部37fと軸部側クラッチ部38bとの間の摩擦力で回転力を伝えることができ、歯車部材37の回転力をクラッチ部材38を介して、軸部45に伝達することができる。また、図15に示されるように、歯車側クラッチ板37fと、軸部側クラッチ板38bとの接触しなくなると、軸部45への回転力は伝達されない。
【0086】
後押しローラ32aは、図12、図13に示されるように、起動ローラ32の付近であって、表示体収納部21に収納される広告シート22の一端A付近に位置している。そして、起動ローラ32と後押しローラ32aとによって、広告シート22の一端A付近を挟むことができ、また、後押しローラ32aは起動ローラ32に対して近づき、離れる方向に揺動することができる。
【0087】
後押しローラ32aはローラ部53、軸部54、プーリ55が設けられている。プーリ55は、駆動ローラ31のプーリ48と、ベルト56でつながっており、駆動ローラ31の回転力を後押しローラ32aに伝達することができる。ローラ部53及びプーリ55は軸部54に固定されており、プーリ55の回転をローラ部53に伝達することができる。
このときの後押しローラ32aの回転方向は、駆動ローラ31と同じであり、起動ローラ32のローラ部39の回転方向に対して反対方向である。
【0088】
軸部54は、軸に対して垂直な方向に平行移動できるものである。これは、図27に示されるように、軸部54が保持される軸類保持部66の孔66dが長孔状となっており、軸部54が孔66d内で揺動することができる。
また、この揺動は、軸部54の回転方向で決まる。すなわち、駆動ローラ31のプーリ48が回転すると、ベルト56によっていずれかの側を引き上げられ、ベルト56の張力に差が出て、軸部54が引き上げられる側に向かう。
本実施形態では、図23、図24に示されるように、駆動ローラ31の、押さえローラ31a側が上に移動する方向に回転(図23、図24の矢印方向に回転)すると、ベルト56も同様な方向に回転し、軸部54が起動ローラ32側に移動する。
【0089】
軸部54が起動ローラ32側に移動した状態では、図24に示されるように、表示体収納部21に収納される広告シート22の一端A付近を挟むことができる。また、軸部54の移動により、軸部54が後述する案内部材33の爪57を押して、案内部材33の案内板58の位置を変えることができる。
【0090】
案内部材33は、図13、図23に示されるように、軸部59と、軸部59の両端付近で固定されている爪57と、軸部59に固定されている案内板58とからなる。そして、案内部材33は軸部59を軸として回転することができる。
案内板58は、図12、図13に示されるように、先端が細い形状であり、広告シート22の移動の際に、移動する方向によって進行方向を変えるものである。
【0091】
案内部材33の案内板58は、駆動ローラ31と起動ローラ32との間に設けられており、軸部59の回転によって、案内板58の角度が変化して位置を変えることができる。この軸部59を軸とする回転は、後押しローラ32aの軸部54が爪57を押すことにより行われる。
具体的には、図24に示されるように、後押しローラ32aの軸部54が起動ローラ32側に移動すると爪57を押し、案内板58が後側に移動する。
【0092】
図23に示されるように、案内板58が前側にある状態では、駆動ローラ31側から下側に向かって進む場合、広告シート22は案内板58により前側への移動を妨げ、後側に迂回する。
また、図24に示されるように、案内板58が後側にある状態では、起動ローラ32側から、上側に向かって進む場合、広告シート22は案内板58に邪魔されず、第1仕切部23の上端付近に設けられたガイド部85と案内板58の間を進んで、駆動ローラ31側へと向かう。
【0093】
ねじローラ33aは、図13に示されるように、ねじ溝部67、プーリ68、軸部69が設けられている。そして、プーリ68と、駆動ローラ31のプーリ48とが、ベルト80とつながっており、駆動ローラ31の回転力を後押しローラ32aに伝達することができる。
【0094】
軸部69は図示しない保持部で回転可能に保持されており、プーリ68の回転によって、ねじ溝部67が回転する。また、軸部69の方向は前後方向であり、他の軸部34、40、45、54、59と垂直な方向である。そして、ねじ溝部67は螺旋状の溝であり、回転することにより、ねじ溝部67の広告シート22の側部が前後方向に移動する。
なお、ベルト80は、中途部分で、軸部70aを有する転向プーリ70に架かっている。
【0095】
ねじローラ33aの設けられる横方向の位置は、広告シート22の側部がねじ溝部67の谷の部分に付近となる位置である。そして、ねじローラ33aが回転することによって、ねじ溝部67に入った広告シート22の側部が前後方向に移動し、広告シート22を誘導することができる。
本実施形態では、駆動ローラ31の、押さえローラ31a側が下に移動する方向に回転した場合、ねじ溝部67に入っている広告シート22の側部が前方向に移動する。
【0096】
制御部50は、図12、図13に示されるように、駆動ローラ31の上側に設けられている。そして、制御部50は、外部の電源及び駆動ローラ31と接続されており、この電源の電力によって、駆動ローラ31を回転することができる。
【0097】
次に、表示装置2の使用方法について説明する。
最初に、図12、図23に示すように、表示体収納部21に広告シート22を複数枚収納する。このとき、全ての広告シート22について表示したい側を前側に向けて積層した状態にしておく。また、表示装置2を壁などに取り付ける場合には、透明板10b側を表側となるように設置する。
そうすると、透明板10bから、最前部の広告シート22が見える。
【0098】
そして、表示する広告シート22を変える場合には、表示体移動手段91を用いて、最前部にある広告シート22を最後部に移動させ、前から2番目の広告シート22を最前部として行う。なお、表示する広告シート22を変えるのは、自動で行うことができ、この場合には一定の時間が経過後に行われる。
【0099】
まず、駆動ローラ31を、押さえローラ31a側が上に移動する方向に回転させる。そうすると、駆動ローラ31の歯車35が回転し、噛み合っている歯車42、アイドルギア51、歯車部37aが回転する。このとき、歯車35とアイドルギア51が同方向に回転し、歯車42と歯車部37aが、これとは反対方向に回転する。
【0100】
また、歯車部37aが回転することによって、アイドルギア51の突出部52が螺旋溝部37eによって案内されて歯車部材37が移動し、図16(a)のような歯車側クラッチ板37fとクラッチ部材38の軸部側クラッチ板38bとが接触する状態から、図16(b)のような離れる状態となる。しかし、しばらくの間は接触する状態を維持しており、広告シート22が駆動ローラ31へ到達した後に接触しない状態となるので、このようになるまでは歯車部37aの回転が軸部45に伝達される。さらに、軸部45の回転が回転方向規制手段79を介してローラ部39に伝達される。
【0101】
また、駆動ローラ31のプーリ48が回転し、このプーリ48に架かっているベルト56、80が動き、プーリ68、55が回転する。
このとき、後押しローラ32aはベルト56が上昇する側に移動するので、起動ローラ32側に移動する。そして、起動ローラ32と後押しローラ32aとによって、広告シート22の一端A付近が挟まれる。
そして、起動ローラ32及び後押しローラ32aは、内側が上側に向かって回転することとなり、表面の摩擦係数が大きい起動ローラ32のローラ部39側(最前部)の広告シート22が上昇する。
【0102】
また、案内部材33の爪57は軸部54に押されるので、案内板58は後側に移動しており、広告シート22の上昇に案内板58が邪魔になることはない。
【0103】
そして、図19、図22には、最前部の広告シート22が上昇し始めた状態を示している。なお、図18〜図22、図24〜図26では、移動の対象である最前部の広告シート22について、太線で示している。
【0104】
図18、図22に示されるように、最前部の広告シート22の一端Aは、駆動ローラ31を越える位置まで達する。そうすると、最前部の広告シート22は、駆動ローラ31と押さえローラ31aとの間に挟まれて、更に上昇し、駆動ローラ31と駆動ローラ31の周りのガイド75との間を進む。この状態では、起動ローラ32の回転力は伝達されず、駆動ローラ31によって、広告シート22が移動する。
【0105】
また、広告シート22は、ガイド75に沿って進むので、上向きの方向から下向きの方向に方向を変えて進み、図19、図25に示すように、広告シート22はポケット部25に入る。
そして、移動させる広告シート22の他端Bが、表示体収納部21に収納されている広告シート22の一端Aを越えるまで移動させた状態では、移動させる広告シート22の一端A側は表示体収納部21の後側に設けられたポケット部25に位置している。
【0106】
このように最前部の広告シート22が移動すると、透明板10bである窓部20から見える広告シート22は、2番目の広告シート22が下側から徐々に見えて全体が見えるようになり、最前部の広告シート22は見えなくなる。
【0107】
そして、ポケット部25の最下部付近に設けられているセンサー25aが、広告シート22を検知すると、駆動ローラ31の回転を停止する。
この状態では、広告シート22の一端Aとは反対側の他端B付近は駆動ローラ31と押さえローラ31aとの間に挟まれている。また、移動している広告シート22の他端B側は、表示体収納部21に収納されている他の広告シート22の一端A側を越えた位置まで移動している。
【0108】
また、起動ローラ32は、上記したように、しばらくすると回転力が伝達されなくなる。そのため、最前部にある広告シート22が起動ローラ32を越えて移動した後に、移動前に2番目にあった広告シート22が起動ローラ32と接触することになっても上昇することはない。
【0109】
そして、駆動ローラ31を反転させる。駆動ローラ31は、押さえローラ31a側が下に移動する方向に回転し、駆動ローラ31の歯車35の回転によって、噛み合っている歯車42、アイドルギア51、歯車部37aが、上記した方向とは反対側に回転する。
【0110】
広告シート22の他端B側が駆動ローラ31と押さえローラ31aとにより挟まれているので、広告シート22は下方に移動する(図21、図26)。このとき、後押しローラ32aはベルト56が上昇する側に移動するので、起動ローラ32側から離れる方向に移動し、案内部材33の爪57は軸部54に押されることがなく、また、案内板58は前側に移動する。そのため、広告シート22は、案内板58の後側を通過し、他の広告シート22の後側に至る。
【0111】
なお、このとき、歯車部材37は、図16(b)の状態から、図16(a)の状態へと移動して、歯車側クラッチ板37fと軸部側クラッチ板38bとが接触している状態になり、軸部45が回転することになるが、回転方向規制手段79によって起動ローラ32のローラ部39が空転する。
【0112】
広告シート22はねじ溝部67によって、広告シート22の他端B付近の側部を後方向に移動させて、表示体収納部21内に入る。そして、広告シート22の移動が完了する(図22)。そして、広告シート22の積層の順が変わって最前部の表示される広告シート22が変わる。さらに、表示される広告シート22を変える場合にも同様な手順で行うことができる。
【0113】
さらに、本発明の第3の実施形態における表示装置3について説明する。
図28は、本発明の第3の実施形態における表示装置の表示体移動手段を示す斜視図である。図29は本発明の第3の実施形態における表示装置の内部の一部を拡大した側面図である。図30(a)、(b)、(c)はカム部材の動きを示す側面図である。図31(a)、(b)、(c)、(d)はカム部材の動きを上から見た模式図である。図32、図33は、第3の実施形態の表示装置の内部を拡大し、表示体の動きを示した側面図である。
【0114】
表示装置3には、図29に示されるように、上記した第1、第2の実施形態における表示装置1、2と同様な本体部材10が設けられ、本体部材10には筐体10aと窓部20となる透明板10bを有している。そして、表示装置3には表示体移動手段120によって、最前部の広告シート22を移動することができる。
【0115】
具体的には、本体部材10の内部には、第1仕切部23と、第2仕切部24が設けられ、第1仕切部23は透明板10bの後側に配置しており、また、第2仕切部24は第1仕切部23よりもさらに後側に配置されている。そして、第1仕切部23と透明板10bとの間に表示体収納部21が形成され、また第2仕切部24と筐体10aの後側との間に、ポケット部25が形成される。
表示体収納部21及びポケット部25は、表示体移動手段120よりも下側に位置し、本体部材10の下方の幅の狭い部分に配置されている。
【0116】
ポケット部25は、本体部材10の後側に設けられ、後述するように、広告シート22を移動させる際に、一時的に移動する場所である。
また、ポケット部25の最下部付近には、センサー25aが設けられている。センサー25aによって、広告シート22がポケット部25の最下部付近まで入っている状態かどうかを確認することができる。
【0117】
図29に示すように、表示体移動手段120は本体部材10の内部に設けられている。表示体移動手段120は、表示体収納部21やポケット部25よりも上側に位置しており、本体部材10の上方の幅が広い部分に配置されている。
そして、図28に示すように、表示体移動手段120には、駆動ローラ31、送りベルト81、後押しローラ32a、案内板121が設けられている。
【0118】
駆動ローラ31は、自ら駆動することができるものであり、制御部50によって制御可能に回転させることができるローラである。駆動ローラ31は、図28に示されるように、ローラ部36と、軸部34と、ねじ部122と、図示しないモータが設けられており、軸部34を固定してこのモータを作動させ、ローラ部36及びねじ部122を回転させることができる。この図示しないモータには、モータ内蔵ローラが用いられている。
【0119】
また、駆動ローラ31は正転・反転のいずれの方向にも回転させることができる。また、駆動ローラ31の軸部34は、左右方向に水平に配置されている。
ローラ部36の両端付近には、環状溝36aが設けられている。環状溝36aには環状のベルトであって断面円形の丸ベルト125がかかっている。そして、丸ベルト125は環状溝36aと後押しローラ32aの環状溝32bとにかけられて、後押しローラ32aに回転力を伝達する。
【0120】
ねじ部122は、ローラ部36よりも端側に設けられ、後述するカム部材123がそれぞれに螺合している。そして、駆動ローラ31の回転によって、カム部材123が軸方向を移動させることができる。また、両端に設けられたねじ部122は、互いに異なるリード方向であり、それらのピッチは同じである。したがって、駆動ローラ31の回転によって、2つのカム部材123の進む方向は、軸方向外側又は内側のいずれかに向かって同じ距離だけ進む。
【0121】
送りベルト81は、図28、図29に示されるように、駆動ローラ31のローラ部36の両端付近であって、丸ベルト125に対向する位置に2ヵ所設けられている環状のベルトである。そして、送りベルト81はそれぞれ3ヵ所のガイドローラ81aによって保持されている。
【0122】
ガイドローラ81aの1ヵ所は広告シート22の一端A付近に位置しており、他の2ヵ所は、駆動ローラ31側に設けられている。そのため、送りベルト81は広告シート22の一端A付近から駆動ローラ31にかけて配置されている。
【0123】
そして、駆動ローラ31の全周の約1/4で、駆動ローラ31のローラ部36にかかっている丸ベルト125と送りベルト81が常に密着している。そのため、ローラ部36の回転力を送りベルト81に伝達し、送りベルト81の表面を駆動ローラ31のローラ部36の表面の移動方向と同じ方向に移動するように作動させることができる。
また、ガイドローラ81aの回転軸は、駆動ローラ31の回転軸と平行である。
【0124】
送りベルト81は丸ベルト125よりも摩擦力が大きい部材が用いられており、送りベルト81と丸ベルト125との間で複数の広告シート22を挟んでベルトを送ると、送りベルト81側の広告シート22を移動させることができる。
【0125】
また、送りベルト81と丸ベルト125との間に広告シート22が進入している状態でローラ部36が回転することにより、広告シート22を移動させることができる。
【0126】
駆動ローラ31の上側の後側には、湾曲ガイド90が設けられている。湾曲ガイド90は駆動ローラ31のローラ部36の表面に沿って設けられ、湾曲ガイド90とローラ部36との間は広告シート22が移動できる隙間が設けられている。
【0127】
後押しローラ32aは、図28、図29に示されるように、送りベルト81の下端付近の後側付近に位置しており、表示体収納部21に収納される広告シート22の一端A付近に位置している。そして、後押しローラ32aは、送りベルト81側に向かって、又は、送りベルト81から離れる方向に移動させることができ、送りベルト81側に向かった場合には、送りベルト81の下端付近と後押しローラ32aとの間に、広告シート22の一端A付近を挟むことができる。
【0128】
後押しローラ32aにはローラ部53と軸部54とが設けられている。ローラ部53は軸部54に回転可能に保持されており、また、軸部54は、図28に示されるように、後押しローラ連結部材126によって保持されている。具体的には、後押しローラ連結部材126の揺動孔87dに軸部54が挿入されている。
【0129】
後押しローラ連結部材126は、駆動ローラ31の軸部34に回転可能に保持される筒部127と、後押しローラ32aの軸部54を保持している筒部129と、筒部127と筒部129とを連結する棒部128を有している。
【0130】
棒部128は、図28、図31に示されるように、カム部材123のカム部130の内側に位置しており、カム部130が棒部128を押すことにより、後押しローラ連結部材126の位置を変えることができる。
【0131】
また、図29、図30に示されるように、ばね132が設けられている。ばね132は、軸部54と本体部材10に固定されたピン131との間に引っ張る様に設けられている。そして、ばね132が、後押しローラ連結部材126の筒部127の中心軸(駆動ローラ31の軸部34の軸心)を越えた側に、後押しローラ32aの軸部54を保持している筒部129を付勢する。
【0132】
例えば、図30(a)に示すように、ピン131の中心軸と筒部127の中心軸とを結ぶ基準部Lよりも、後押しローラ32aの軸部54が左側に位置している場合には、軸部54は左側に付勢される。また、図30(b)に示すように、基準部Lよりも、後押しローラ32aの軸部54が右側に位置している場合には、軸部54は右側に付勢される。このように、ばね132a揺動動作を確実に素早く行うことができる。
【0133】
案内板121は、図28、図29に示されるように、駆動ローラ31と後押しローラ32aとの間に設けられており、上下方向の中間付近が後側に突出した板状である。また、案内板121は幅方向の中央付近に設けられ、送りベルト81とは干渉しない位置に設けられている。
【0134】
次に、表示装置3の使用方法について説明する。
最初に、図29に示すように、表示体収納部21に広告シート22を複数枚収納する。このとき、全ての広告シート22について表示したい側を前側に向けて積層した状態にしておく。また、表示装置3を壁などに取り付ける場合には、透明板10b側を表側となるように設置する。
そうすると、透明板10bから、最前部の広告シート22が見える。
【0135】
そして、表示する広告シート22を変える場合には、表示体移動手段120を用いて、最前部にある広告シート22を最後部に移動させ、前から2番目の広告シート22を最前部として行う。なお、表示する広告シート22を変えるのは、自動で行うことができ、この場合には一定の時間が経過後に行われる。
【0136】
まず、駆動ローラ31を、押さえローラ31a側が上に移動する方向に回転させる。回転当初は、後押しローラ32aは送りベルト81側に位置しているので、後押しローラ32aによって、丸ベルト125が広告シート22に押しつけられて、丸ベルト125と送りベルト81とによって広告シート22が挟まれている。そのため、挟まれた広告シート22が上昇する。また、送りベルト81は駆動ローラ31の回転力が伝達されて作動し、駆動ローラ31の送りベルト81側の表面の移動方向と、送りベルト81の駆動ローラ31側の表面の移動方向とが同じ方向となるように移動する。
このとき、送りベルト81の表面の摩擦が大きいので、挟まれた複数の広告シート22の内、最前部の広告シート22が上昇する。
【0137】
駆動ローラ31が回転すると、駆動ローラ31のねじ部122も回転する。そして、ねじ部122に螺合するカム部材123が、図30(a)、図31(a)に示されるように、ストッパー134に回転を阻止されて、カム部材123は外側(図31において下側)に向かって移動する。
【0138】
駆動ローラ31が数回転ほど回転すると、後押しローラ連結部材126の棒部128が、カム部130の第1傾斜部150に誘導され、後押しローラ32aが送りベルト81から離れる(図31(b))。この状態では、広告シート22の一端Aが駆動ローラ31のローラ部36と送りベルト81との間まで移動しているので、駆動ローラ31の回転によって広告シート22は更に移動する。
【0139】
さらに回転すると、駆動ローラ31と送りベルト81との間に挟まれている広告シート22の一端Aが、駆動ローラ31の回転力により更に上昇し、表示装置3の後側に移動していく。さらに、湾曲ガイド90により、広告シート22の一端Aが下側に向かって進み、図32に示されるように、ポケット部25に進む。
【0140】
また、後押しローラ32aが送りベルト81から離れるので、最前部にある広告シート22の他端Bが送りベルト81の下端付近を越えて移動した後に、移動前に2番目にあった広告シート22が送りベルト81の移動によって上昇することはない。
【0141】
そして、広告シート22の一端Aがポケット部25の下端付近に達し、表示体収納部21の後側に設けられたポケット部25に完全に入る(図32)。この状態では、この広告シート22の他端Bは、表示体収納部21に収納されている他の広告シート22の一端Aを越えている位置であり、駆動ローラ31と送りベルト81との間に挟まれている。
【0142】
最前部の広告シート22が移動すると、透明板10bである窓部20から見える広告シート22は、2番目の広告シート22が下側から徐々に見えて全体が見えるようになり、最前部の広告シート22は見えなくなる。
【0143】
そして、図32に示す状態となると、ポケット部25の最下部付近に設けられているセンサー25aが広告シート22を検知し、駆動ローラ31の回転を停止する。
なお、このときのカム部130の位置は、図31(c)に示されるように外側に位置している。
【0144】
次に、駆動ローラ31を反転させ、送りベルト81側(前側)が下に移動する方向に、回転させ、広告シート22の移動方向を反対にする。そうすると、広告シート22の他端B側が駆動ローラ31と送りベルト81とにより挟まれているので、広告シート22は下方に移動し、広告シート22は表示体収納部21に向かって進む。
また、カム部材123は、ストッパー133によって回転を阻止されて反転し、内側に向かって移動する。
【0145】
このとき、後押しローラ32aは、送りベルト81から離れた状態であり、また、後側に突出している案内板121によって、広告シート22の他端Bが後側に誘導され(図33)、他の広告シート22の後側に至る。
【0146】
そして、移動している広告シート22が下方へ移動し、他の広告シート22の後側の表示体収納部21に収納されていく。
さらに、移動している広告シート22の一端Aが後押しローラ32a付近に近づくと、後押しローラ32aが送りベルト81側に移動して、後押しローラ32a付近で広告シート22を挟んで、広告シート22を確実に下方に移動させる。これは、図31(d)に示されるように、後押しローラ連結部材126の棒部128が第2傾斜部151によって誘導するために後押しローラ32aが移動する。
【0147】
このようにして、移動している広告シート22の上下方向の位置が他の広告シート22の位置まで移動すると、駆動ローラ31が停止する。
【0148】
このようにして、表示装置3を用いた場合でも、上記した表示装置1、2と同様に広告シート22の移動が完了する。そして、広告シート22の積層の順が変わって最前部の表示される広告シート22が変わる。さらに、表示される広告シート22を変える場合にも同様な手順で行うことができる。
【0149】
なお、駆動ローラ31の回転制御のためのセンサーは、カム部材123の位置を検知して行うこともできる。
【0150】
また、後押しローラ32aの移動のための動力は、駆動ローラ31の動力を用いたが、この駆動ローラ31とは別の駆動源の動力を用いることができ、例えば、ソレノイドを用いることができる。このように、後押しローラ32aの移動のための動力を駆動ローラ31以外のものを用いた場合には、駆動ローラが回転しないときでも後押しローラを移動させることができ、広告シートの移動操作をより安定させることができる。
さらに、後押しローラ32aを揺動させるための機構は、上記した実施形態以外の機構も採用することができる。
なお、上記の場合でも、広告シート22に接触して回転などを行って、所定の方向に移動させるためのローラ部36、39、送りベルト81などの駆動源は、駆動ローラ31が用いられる。
【0151】
このように、本発明の表示装置1、2、3では、駆動ローラ31を用いて、最前部の広告シート22を一旦ポケット部25に移動して、最後部に移動させることができるので、薄型化が可能である。
【0152】
また、表示体収納部21内の広告シート22を入れ換えることにより、表示の内容や、表示する順番を変えることができるが、これは、筐体10aの一部を開閉することができるようにすることにより、容易に行うことができる。
通常、表示装置1、2、3は、透明板10b側を前にして、壁などに設置されるので、筐体10aの前面、側面又は上下面をヒンジなどによって開閉できるようにし、表示体収納部21内の広告シート22を出し入れできるようにすることができる。
【0153】
さらに、この筐体10aの開閉の際に、第1仕切部23が移動するようにして、開状態で、表示体収納部21が大きくなるようにすることもできる。かかる場合には、広告シート22の出し入れをより簡単にすることができる。
【0154】
また、筐体10aにスリットとを設け、そのスリットの付近に出し入れのためのローラを設け、ローラを作動させて表示体収納部21へ広告シート22の出し入れを可能とするようにしてもよい。
【0155】
第1仕切部23と第2仕切部24を同じ部材として兼用することもできる。
【0156】
上記した、表示装置1、2、3では、表示体収納部21側に透明板10bを設けて、表示体収納部21内の広告シート22を表示するものであったが、ポケット部25側に透明板10bを設けて、表示装置1、2、3のポケット部25側が前面となるように設置し、ポケット部25に移動した広告シート22を表示させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明の第1の実施形態における表示装置の図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における表示装置の内部を示した側面図である。
【図3】第1の実施形態の表示体移動手段を示す斜視図である。
【図4】第1の実施形態の表示体移動手段を示す斜視図である。
【図5】第1の実施形態の表示体移動手段の側面図である。
【図6】第1の実施形態の表示体移動手段の側面図である。
【図7】第1の実施形態の表示体移動手段の内部の動きを示す図であり、(a)は側面図、(b)はラック付近の模式図である。
【図8】第1の実施形態の表示体移動手段の内部の動きを示す図であり、(a)は側面図、(b)はラック付近の模式図である。
【図9】第1の実施形態の表示体移動手段の内部の動きを示す図であり、(a)は側面図、(b)はラック付近の模式図である。
【図10】第1の実施形態の表示体移動手段の内部の動きを示す図であり、(a)は側面図、(b)はラック付近の模式図である。
【図11】第1の実施形態の表示体移動手段の内部の動きを示す図であり、(a)は側面図、(b)はラック付近の模式図である。
【図12】本発明の第2の実施形態における表示装置の内部を示した側面図である。
【図13】第2の実施形態の表示体移動手段と制御部を示す斜視図である。
【図14】第2の実施形態の表示体移動手段の一部拡大断面図である。
【図15】第2の実施形態の表示体移動手段の一部拡大断面図である。
【図16】(a)及び(b)は第2の実施形態の表示体移動手段の歯車の接続状態を示した斜視図である。
【図17】第2の実施形態の歯車部材を示す正面図である。
【図18】第2の実施形態の表示体の動きを示す、表示装置の内部の側面図である。
【図19】第2の実施形態の表示体の動きを示す、表示装置の内部の側面図である。
【図20】第2の実施形態の表示体の動きを示す、表示装置の内部の側面図である。
【図21】第2の実施形態の表示体の動きを示す、表示装置の内部の側面図である。
【図22】第2の実施形態の表示体の動きを示す、表示装置の内部の側面図である。
【図23】第2の実施形態の表示装置の内部を拡大し、表示体の動きを示した側面図である。
【図24】第2の実施形態の表示装置の内部を拡大し、表示体の動きを示した側面図である。
【図25】第2の実施形態の表示装置の内部を拡大し、表示体の動きを示した側面図である。
【図26】第2の実施形態の表示装置の内部を拡大し、表示体の動きを示した側面図である。
【図27】軸類保持部を示す正面図である。
【図28】本発明の第3の実施形態における表示装置の表示体移動手段を示す斜視図である。
【図29】本発明の第3の実施形態における表示装置の内部の一部を拡大した側面図である。
【図30】(a)、(b)、(c)はカム部材の動きを示す側面図である。
【図31】(a)、(b)、(c)、(d)はカム部材の動きを上から見た模式図である。
【図32】第3の実施形態の表示装置の内部を拡大し、表示体の動きを示した側面図である。
【図33】第3の実施形態の表示装置の内部を拡大し、表示体の動きを示した側面図である。
【符号の説明】
【0158】
1、2、3 表示装置
11、91、120 表示体移動手段
20 窓部
21 表示体収納部
22 広告シート(表示体)
25 ポケット部
31 駆動ローラ
32 起動ローラ
81 送りベルト
A 一端
B 他端
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに記載されている広告などを表示することができる表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、シートなどに記載された複数の種類の広告を、1つの装置で切り換えて表示できる装置が提案されている。
このような装置として、例えば次のような装置がある。上下や左右に対向するように2本の駆動ローラを設け、複数の広告を連続する1つのシートにして、このローラに巻きつけておく。そして、表示を行う広告がローラの間の表示位置となるように、ローラを回転させ、広告の表示の切り替えを行うものである。
この方式の場合には、シートの端部同士を一体化して環状とした、いわゆるエンドレスシートを用いることもできたが、広告を記載する面積が限られて、多くの種類の広告を行うことが難しい。
【0003】
また、広告の内容を変更する場合には、広告が表示されたシートを交換することが必要であるが、ローラへの巻き付けや位置決め作業が難しく、交換作業に手間がかかるものである。
【0004】
そして、例えば、特許文献1などに記載されているように、広告が記載されたシートを複数用意し、これをローラにより表示位置に移動させて行うものが提案されている。
特許文献1に記載されている表示装置は、表示体収納部に複数のシートを収納し、上側にある駆動ローラを用いてシートを上方に送り、ローラで転向して下方に移動しながら表示位置に移動する。また、表示位置にあるシートは、下側にある駆動ローラを用いてシートを下方に送り、ローラで転向させて表示体収納部に戻される。
【特許文献1】特開平06−83272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような表示装置は、前後方向の幅(厚み)が大きいと邪魔になりやすいので、薄型のものが求められている。特に、電車やバスなどの公共交通機関に用いられる場合には、乗客が乗る空間を広くすることができるので、できるだけ薄い方が望ましい。
【0006】
しかしながら、特許文献1などに記載されている従来の表示装置では、上下や左右など、表示位置の両側に2本の駆動ローラが必要であり、全体の厚みを薄くすることができなかった。
【0007】
そこで、本発明は、表示を切り換えることが可能であって、薄型化が可能な表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するための請求項1に記載の発明は、複数の表示体を積層状態で収納できる表示体収納部と、前記表示体収納部の最前部に収納されている表示体を外部から視認可能とする窓部と、前記表示体の積層の順を変更する表示体移動手段を有し、前記表示体移動手段は、駆動ローラと、前記駆動ローラの回転力により回転する起動ローラとを有し、前記起動ローラは表示体収納部に収納された表示体の一端付近に位置しており、前記駆動ローラの回転力により前記起動ローラを回転させて、表示体収納部の最前部に収納されている表示体を駆動ローラに向かって移動させ、駆動ローラによって最前部の表示体を当該表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させて、さらに、前記駆動ローラを反転させて当該表示体を表示体収納部の最後部に移動させて収納するものであることを特徴とする表示装置である。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、複数の表示体を積層状態で収納できる表示体収納部と、前記表示体収納部の最前部に収納されている表示体を外部から視認可能とする窓部と、前記表示体の積層の順を変更する表示体移動手段を有しているので、最前部の表示体を表示体移動手段によって位置を変えることができ、複数の種類の表示を順番に行うことができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、駆動ローラと起動ローラとを有し、前記駆動ローラの回転力により前記起動ローラが回転して、最前部の表示体を駆動ローラに向かって移動させ、駆動ローラによって最前部の表示体を、当該表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させて、さらに、前記駆動ローラを反転させ、最後部に移動させて表示体収納部に収納することができるので、1つの駆動ローラによって最前部の表示体の位置を変えることができる。したがって、表示装置の構造が複雑になりにくく、大きさを小さくすることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、駆動ローラの回転力を選択的に起動ローラに伝達することができるものであり、前記起動ローラは、表示体の一端が駆動ローラに達した後に、駆動ローラから回転力の伝達が遮断されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置である。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、起動ローラは、表示体の一端が駆動ローラに達した後に、駆動ローラから回転力の伝達が遮断されるので、最前部の表示体が移動して、その次の2番目の表示体が起動ローラに接触する状態となった場合に起動ローラに回転力が伝達されないので、2番目の表示体が送り出されることがなく、最前部の表示体のみを確実に移動させることができる。
【0012】
また、起動ローラの代わりに、送りベルトを用いることができる。すなわち、請求項3に記載の発明は、複数の表示体を積層状態で収納できる表示体収納部と、前記表示体収納部の最前部に収納されている表示体を外部から視認可能とする窓部と、前記表示体の積層の順を変更する表示体移動手段を有し、前記表示体移動手段は、駆動ローラと、前記駆動ローラの回転力により作動する送りベルトとを有し、前記送りベルトは表示体収納部に収納された表示体の一端付近に配置しており、前記駆動ローラの回転力により前記送りベルトを作動させて、表示体収納部の最前部に収納されている表示体を駆動ローラに向かって移動させ、駆動ローラによって最前部の表示体を当該表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させて、さらに、前記駆動ローラを反転させて当該表示体を表示体収納部の最後部に移動させて収納するものであることを特徴とする表示装置である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、送りベルトは、表示体の一端付近から駆動ローラにかけて配置されていることを特徴とする請求項3に記載の表示装置である。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、送りベルトは、表示体の一端付近から駆動ローラにかけて配置されているので、表示体を確実に駆動ローラ側に移動させることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、最前部の表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させた状態では、当該表示体の一端側は表示体収納部の後側に位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表示装置である。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、最前部の表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させた状態では、当該表示体は表示体収納部の後側に位置しているので、最前部の表示体の位置を変えるために一時的に移動する場所が邪魔とならず、表示装置をコンパクトにすることができる。
【0017】
また、表示体収納部の後側にポケット部を設け、最前部の表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させた状態で、当該表示体を前記ポケット部に入れるようにすることができる(請求項6)。
【0018】
請求項7に記載の発明は、後押しローラが設けられ、表示体を駆動ローラに向かって移動させる際には、起動ローラ又は送りベルトと、後押しローラとによって表示体を挟み、駆動ローラから表示体収納部に移動させる際には、起動ローラ又は送りベルトと、後押しローラとの間が開くように移動させることができることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の表示装置である。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、後押しローラが設けられ、表示体を駆動ローラに向かって移動させる際には起動ローラ又は送りベルトと、後押しローラとによって表示体を挟んで表示体を移動させることができ、また、駆動ローラから表示体収納部に移動させる際には、起動ローラ又は送りベルトと、後押しローラとの間が開くように移動して、表示体の表示体収納部への移動が容易となる。
【0020】
また、表示体を外部から視認可能とする窓部を、ポケット部に入れられた表示体が外部から視認可能とするように設けても良い。
すなわち、請求項8に記載の発明は、複数の表示体を積層状態で収納できる表示体収納部と、ポケット部と、前記ポケット部に入れられた表示体を外部から視認可能とする窓部と、前記表示体の積層の順を変更する表示体移動手段を有し、前記表示体移動手段は、駆動ローラと、前記駆動ローラの回転力により回転する起動ローラとを有し、前記起動ローラは表示体収納部に収納された表示体の一端付近に位置しており、前記駆動ローラの回転力により前記起動ローラを回転させて、表示体収納部の最前部に収納されている表示体を駆動ローラに向かって移動させ、駆動ローラによって最前部の表示体を、当該表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させてポケット部に入れて表示体を表示することができ、前記駆動ローラを反転させて当該表示体を表示体収納部の最後部に移動させて収納するものであることを特徴とする表示装置である。
また、請求項9に記載の発明は、複数の表示体を積層状態で収納できる表示体収納部と、ポケット部と、前記ポケット部に入れられた表示体を外部から視認可能とする窓部と、前記表示体の積層の順を変更する表示体移動手段を有し、前記表示体移動手段は、駆動ローラと、前記駆動ローラの回転力により作動する送りベルトとを有し、前記送りベルトは表示体収納部に収納された表示体の一端付近に配置しており、前記駆動ローラの回転力により前記送りベルトを作動させて、表示体収納部の最前部に収納されている表示体を駆動ローラに向かって移動させ、駆動ローラによって最前部の表示体を、当該表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させてポケット部に入れて表示体を表示することができ、前記駆動ローラを反転させて当該表示体を表示体収納部の最後部に移動させて収納するものであることを特徴とする表示装置である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の表示装置によれば、1つの駆動ローラで表示体の移動させて表示を切り換えることが可能であり、薄型化が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下さらに本発明の具体的実施例について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態における表示装置の図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図2は、本発明の第1の実施形態における表示装置の内部を示した側面図である。図3、図4は、表示体移動手段を示す斜視図である。図5、図6は、表示体移動手段の側面図である。図7〜図11は、表示体移動手段の内部の動きを示す図であり、(a)は側面図、(b)はラック付近の模式図である。
【0023】
本実施形態の表示装置1は、図1、図2に示されており、本体部材10と、表示体移動手段11とを有している。
【0024】
本体部材10は、上方の前後方向の幅が下方よりもやや広い板状の箱体であり、内部は空洞状である。また、本体部材10には、筐体10aと透明板10bを有している。透明板10bは、前側(図1(a)の手前側、図1(b)の左側)に配置されて窓部20となる。
透明板10bはアクリル板やガラス板が用いられている。
【0025】
図2に示されるように、本体部材10の内部には、第1仕切部23と、第2仕切部24が設けられている。第1仕切部23は透明板10bの後側に配置しており、また、第2仕切部24は第1仕切部23よりもさらに後側に配置されている。そして、第1仕切部23と透明板10bとの間に表示体収納部21が形成され、また第2仕切部24と筐体10aの後側との間に、ポケット部25が形成される。
表示体収納部21及びポケット部25は、表示体移動手段11よりも下側に位置し、本体部材10の下方の幅の狭い部分に配置されている。
【0026】
表示体収納部21は、表示体である広告シート22を複数枚収納することができる。そして、表示体収納部21の前側には透明板10bが配置されて、窓部20となっているので、窓部20から表示体収納部21に収納されている広告シート22の最前部が透けて見える。
【0027】
また、表示装置1に用いられる広告シート22は、略長方形状のものが用いられ、その面が前後に向いている。そして、広告シート22は一端Aが上側に、他端Bが下側に位置している。広告シート22は、少し腰があって、駆動ローラ31の屈曲によっては永久歪を起こさない程度の剛性を持つものが用いられ、広告シート22の表と他の広告シート22の裏とが滑りやすいものが用いられる。なお、本発明の他の実施形態に用いられる広告シート22も同様のものが用いられる。
【0028】
ポケット部25は、本体部材10の後側に設けられ、後述するように、広告シート22を移動させる際に、一時的に移動する場所である。
また、ポケット部25の最下部付近には、センサー25aが設けられている。センサー25aによって、広告シート22がポケット部25の最下部付近まで入っている状態かどうかを確認することができる。
【0029】
図2に示すように、表示体移動手段11は本体部材10の内部に設けられている。表示体移動手段11は、表示体収納部21やポケット部25よりも上側に位置しており、本体部材10の上方の幅が広い部分に配置されている。
そして、表示体移動手段11には、駆動ローラ31、送りベルト81、起動ローラ32、後押しローラ32a、案内部材33が設けられている。
【0030】
駆動ローラ31は、自ら駆動することができるものであり、制御部50によって制御可能に回転させることができるローラである。駆動ローラ31は、図3、図5、図6に示されるように、歯車82と、ローラ部36と、軸部34と、小径ローラ82a、83と、図示しないモータが設けられている。そして、軸部34を固定してこのモータを作動させ、ローラ部36及び小径ローラ82a、83とを回転させることができる。この図示しないモータには、モータ内蔵ローラが用いられている。
【0031】
また、駆動ローラ31は正転・反転のいずれの方向にも回転させることができる。また、駆動ローラ31の軸部34は、左右方向に水平に配置され、回転不能に固定されている。
【0032】
歯車82は、図3に示されるように、ローラ部36の一方の端部に設けられている。そして、小径ローラ82aは、図6に示されるように、歯車82の内側に配置されている。さらに、歯車82と小径ローラ82aとの間には、摩擦部材82bが設けられている。摩擦部材82bは歯車82と小径ローラ82aとの間の回転力を摩擦によって伝達することができる。
そして、小径ローラ82aの回転力が、摩擦部材82bを介して歯車82に伝達されるが、歯車82に大きな抵抗が加わった場合には、摩擦部材82bですべって歯車82が空回りする。
また、図6に示されるように、歯車82は後述するラック86と噛み合っている。
【0033】
小径ローラ83は、図3に示されるように、他方の端部に設けられている。そして、図3、図5に示されるように、小径ローラ83の外形は円柱状であって、小径ローラ83の外側に後押しローラ連結部材87の筒部87aが挿入されている。さらに、小径ローラ83と筒部87aとの間に、摩擦部材87cが配置されており、摩擦部材87cによって小径ローラ83と筒部87aとの間の回転力を摩擦によって伝達する。
そして、小径ローラ83の回転力が、摩擦部材87cを介して筒部87aに伝達されるが、筒部87aに大きな抵抗が加わった場合には、摩擦部材87cですべって筒部87aが空回りする。
【0034】
送りベルト81は、図2、図3に示されるように、環状のベルトであって、駆動ローラ31のローラ部36の両端付近の2ヵ所に設けられ、それぞれ3ヵ所のガイドローラ81aによって保持されている。そして、送りベルト81は駆動ローラ31の周方向の約1/4に接触して、駆動ローラ31のローラ部36の表面の移動方向と同じ方向に移動することができる。また、ガイドローラ81aの回転軸は、駆動ローラ31の回転軸と平行である。
【0035】
また、送りベルト81と駆動ローラ31のローラ部36の間に広告シート22が進入している状態でローラ部36が回転することにより、広告シート22を移動させることができる。そして、送りベルト81もそれに伴って動く。また、このとき、広告シート22は送りベルト81に押さえつけられるので、広告シート22とローラ部36との間でスリップしにくく、広告シート22の移動を確実に行うことができる。
【0036】
駆動ローラ31の上側の後側には、湾曲ガイド90が設けられている。湾曲ガイド90は駆動ローラ31のローラ部36の表面に沿って設けられ、湾曲ガイド90とローラ部36との間は広告シート22が移動できる隙間が設けられている。
【0037】
起動ローラ32は、駆動ローラ31よりも下方に位置している。また、図2に示すように、起動ローラ32は、表示体収納部21に収納される広告シート22の上側の一端A付近に位置している。
起動ローラ32には、図3、図6、図7などに示されるように、ローラ部39、歯車88及び軸部45が設けられている。
【0038】
ローラ部39は円筒状の部材であり、図3に示されるように、軸部45に固定されている。ローラ部39は全域に設けられているのではなく、部分的に複数設けられている。また、後述する後押しローラ32aのローラ部53も同様に部分的に複数設けられ、ローラ部39の位置と、ローラ部53の位置が対応している。
また、ローラ部39の表面は摩擦係数が大きく、広告シート22との間で発生する摩擦力が大きい。そして、この摩擦力は、後押しローラ32aのローラ部53よりも大きい。
歯車88は回転方向規制手段89を介して軸部45と接続されており、歯車88と軸部45との間で一方向の回転力のみ伝達する。回転方向規制手段89は、具体的には、ワンウェイベアリングである。
【0039】
また、図3、図6に示すように、駆動ローラ31の歯車82と起動ローラ32の歯車88とは、ラック86を介してつながっており、駆動ローラ31の歯車82の回転力を起動ローラ32の歯車88に伝達することができる。
具体的には、ラック86は長尺板状の部材であり、両面にラック歯86a、86bが設けられている。そして、ラック歯86aと駆動ローラ31の歯車82とが噛み合っており、ラック歯86bと起動ローラ32の歯車88とが噛み合っている。
【0040】
駆動ローラ31の軸部34と、起動ローラ32の軸部45とは、図示していないが本体部材10に保持されている。また、ラック86は長尺方向にのみ移動することができる。そのため、駆動ローラ31の歯車82が回転するとラック86が移動し、さらに、この移動によって起動ローラ32の歯車88が回転する。また、このときの駆動ローラ31の歯車82の回転方向と、起動ローラ32の歯車88の回転方向は逆となる。
【0041】
さらに、図3、図4に示されるように、ラックストッパー86c、86dが設けられている。ラックストッパー86c、86dは、ラック86の移動範囲を制限するものであり、ラック86の長尺方向の延長線上に設けられている。
そのため、反転直後は、ラック86がラックストッパー86c、86dに当接せず、歯車82の回転力を歯車88へ伝達することができるが、歯車82が所定の回転を行うと、ラック86がラックストッパー86c、86dに当接して、回転力の伝達を行わない。
【0042】
後押しローラ32aは、図2、図3に示されるように、起動ローラ32の後側付近に位置しており、表示体収納部21に収納される広告シート22の一端A付近に位置している。そして、起動ローラ32と後押しローラ32aとによって、広告シート22の一端A付近を挟むことができる。
【0043】
後押しローラ32aにはローラ部53と軸部54とが設けられている。ローラ部53は軸部54に固定されている。また、軸部54は、図3、図5に示されるように、後押しローラ32aは後押しローラ連結部材87によって保持されている。具体的には、後押しローラ連結部材87の揺動孔87dに軸部54が挿入されている。
【0044】
図3に示されるように、後押しローラ連結部材87の筒部87aが、駆動ローラ31の小径ローラ83の外側に挿入され、筒部87aと揺動孔87dを連結部87bによってつないでいるので、駆動ローラ31の軸部34を中心として回転することができる。そのため、揺動孔87dが移動することができ、後押しローラ32aは起動ローラ32に対して近づき、離れる方向に揺動することができる。
【0045】
また、図示しない付勢部材により、後押しローラ32aは起動ローラ32側に近づくように付勢されており、通常は、後押しローラ32aが起動ローラ32側に移動している。そのため、図2などに示されるように広告シート22の一端A付近を、後押しローラ32aと起動ローラ32とにより挟んでいる。
さらに、軸部54の移動により、軸部54が後述する案内部材33の爪57を押して、案内部材33の案内板58の位置を変えることができる。
【0046】
案内部材33は、図3に示されるように、軸部59と、軸部59の両端付近で固定されている爪57と、軸部59に固定されている案内板58とからなる。そして、案内部材33は軸部59を軸として回転することができる。
案内板58は、図2、図3に示されるように、先端が細い形状であり、広告シート22の移動の際に、移動する方向によって進行方向を変えるものである。
【0047】
案内部材33の案内板58は、駆動ローラ31と起動ローラ32との間に設けられており、軸部59の回転によって、案内板58の角度が変化して位置を変えることができる。この軸部59を軸とする回転は、後押しローラ32aの軸部54が爪57を押すことにより行われる。
具体的には、図7に示されるように、後押しローラ32aの軸部54が起動ローラ32側に移動すると爪57を押し、案内板58が後側に移動する。
【0048】
図7に示されるように、案内板58が後側にある状態では、起動ローラ32側から、上側に向かって進む場合、広告シート22は案内板58に邪魔されず、第1仕切部23の上端付近に設けられたガイド部85と案内板58の間を進んで、駆動ローラ31側へと向かう。
【0049】
また、図10に示されるように、案内板58が前側にある状態では、駆動ローラ31側から下側に向かって進む場合、広告シート22は案内板58により前側への移動を妨げ、後側に迂回する。
さらに、図示しない付勢部材によって、案内板58が後側となるように付勢されているので、後押しローラ32aの軸部54が爪57を押さない場合には案内板58が後側に移動する。
【0050】
なお、案内板58が後側となるように付勢する図示しない付勢部材や、後押しローラ32aを起動ローラ32側に近づくように付勢する図示しない付勢部材は、ねじりコイルバネなどを用いることができる。
【0051】
制御部50は、図2などに示されるように、駆動ローラ31の上側に設けられている。そして、制御部50は、外部の電源及び駆動ローラ31と接続されており、この電源の電力によって、駆動ローラ31を回転することができる。
【0052】
次に、表示装置1の使用方法について説明する。
最初に、図7に示すように、表示体収納部21に広告シート22を複数枚収納する。このとき、全ての広告シート22について表示したい側を前側に向けて積層した状態にしておく。また、表示装置1を壁などに取り付ける場合には、透明板10b側を表側となるように設置する。
そうすると、透明板10bから、最前部の広告シート22が見える。
【0053】
そして、表示する広告シート22を変える場合には、表示体移動手段11を用いて、最前部にある広告シート22を最後部に移動させ、前から2番目の広告シート22を最前部として行う。なお、表示する広告シート22を変えるのは、自動で行うことができ、この場合には一定の時間が経過後に行われる。
【0054】
まず、駆動ローラ31を、送りベルト81側が上に移動する方向に回転させる。そうすると、駆動ローラ31の歯車82が回転してラック86が移動し、歯車88が回転する。
【0055】
そして、歯車88が回転すると起動ローラ32のローラ部39が回転し、広告シート22が上昇する。
このとき、駆動ローラ31の回転によって小径ローラ83の回転し、後押しローラ連結部材87に回転力が働いて、起動ローラ32に向かって揺動孔87dが移動する方向に力が働く。後押しローラ32aのローラ部53は、起動ローラ32のローラ部39によって移動が阻止され、広告シート22を挟んだ状態を維持する。
なお、小径ローラ83は回転し続けるが、後押しローラ連結部材87の筒部87aで空回りする。
【0056】
そして、起動ローラ32は、内側が上側に向かって回転することとなり、表面の摩擦係数が大きい起動ローラ32のローラ部39側(最前部)の広告シート22が上昇して、図8に示す状態となる。
図8に示すように、広告シート22の一端Aは上昇して、駆動ローラ31のローラ部36と、送りベルト81との間に挟まれている。また、ラック86は、上側のラックストッパー86cに当接して移動が停止するので、起動ローラ32の歯車88の回転が停止して、ローラ部39の回転も停止する。すなわち、ラック86は図4のように上側に移動する。
【0057】
また、案内部材33の爪57は軸部54に押されるので、案内板58は後側に移動しており、広告シート22の上昇に案内板58が邪魔になることはない。
なお、移動の対象である最前部の広告シート22について、太線で示している。
【0058】
さらに回転すると、駆動ローラ31と送りベルト81との間に挟まれている広告シート22の一端Aが、駆動ローラ31の回転力により更に上昇し、表示装置1の後側に移動していく。さらに、湾曲ガイド90により、広告シート22の一端Aが下側に向かって進み、図9に示されるように、ポケット部25に進む。
【0059】
一方、起動ローラ32のローラ部39の回転が停止しているので、駆動ローラ31の回転力のみによって広告シート22が移動する。
したがって、最前部にある広告シート22が起動ローラ32を越えて移動した後に、移動前に2番目にあった広告シート22が起動ローラ32と接触することになっても上昇することはない。
【0060】
そして、広告シート22の一端Aがポケット部25の下端付近に達し、表示体収納部21の後側に設けられたポケット部25に完全に入る。この状態では、この広告シート22の他端Bは、表示体収納部21に収納されている他の広告シート22の一端Aを越えている位置であり、駆動ローラ31と押さえローラ31aとの間に挟まれている。
【0061】
最前部の広告シート22が移動すると、透明板10bである窓部20から見える広告シート22は、2番目の広告シート22が下側から徐々に見えて全体が見えるようになり、最前部の広告シート22は見えなくなる。
【0062】
そして、図9に示す状態となると、ポケット部25の最下部付近に設けられているセンサー25aが広告シート22を検知し、駆動ローラ31の回転を停止する。
【0063】
さらに駆動ローラ31を反転させる。そして、駆動ローラ31は、送りベルト81側(前側)が下に移動する方向に、ローラ部36、小径ローラ82a、83が回転する。
広告シート22の他端B側が駆動ローラ31と送りベルト81とにより挟まれているので、広告シート22は下方に移動する(図10)。
【0064】
小径ローラ82aが回転すると歯車82が回転し、ラック86が下向きに移動し、ラック86を介して歯車88が回転するが、回転方向規制部材89によって、歯車88の回転力が起動ローラ32のローラ部39に回転力が伝達されない。
【0065】
また、小径ローラ83が回転すると後押しローラ連結部材87が回転力を受け、図示しない付勢手段の付勢力に打ち勝って揺動孔87dが起動ローラ32から遠ざかる方向に移動する。
そして、図10に示されるように、案内部材33の爪57は軸部54に押されなくなるので、軸部59が回転して案内板58が前進する。そのため、広告シート22の他端Bが、案内板58の後側を通過し、他の広告シート22の後側に至る。
【0066】
そして、移動している広告シート22が下方へ移動し、図11に示されるように、他の広告シート22の後側の表示体収納部21に収納される。さらに、移動している広告シート22の上下方向の位置が他の広告シート22の位置まで移動すると、駆動ローラ31が停止する。そうすると、揺動孔87dが再び起動ローラ32側に移動し、広告シート22の一端A側が起動ローラ32と後押しローラ32aとの間で挟まれた状態となる。
【0067】
このようにして、広告シート22の移動が完了する。そして、広告シート22の積層の順が変わって最前部の表示される広告シート22が変わる。さらに、表示される広告シート22を変える場合にも同様な手順で行うことができる。
【0068】
次に、本発明の第2の実施形態における表示装置2について説明する。
図12は、本発明の第2の実施形態における表示装置の内部を示した側面図である。図13は、表示体移動手段と制御部を示す斜視図である。図14及び図15は、表示体移動手段の一部拡大断面図である。図16(a)及び(b)は表示体移動手段の歯車の接続状態を示した斜視図である。図17は、歯車部材を示す正面図である。図18〜図22は、表示体の動きを示す、表示装置の内部の側面図である。図23〜図26は、表示装置の内部を拡大し、表示体の動きを示した側面図である。図27は、軸類保持部を示す正面図である。
【0069】
表示装置2には、上記した第1の実施形態における表示装置1と同様な本体部材10が設けられ、本体部材10には筐体10aと窓部20となる透明板10bを有している。そして、表示装置2には表示体移動手段91によって、最前部の広告シート22を移動することができる。
【0070】
具体的には、図12に示されるように、本体部材10の内部には、第1仕切部23と、第2仕切部24が設けられ、第1仕切部23は透明板10bの後側に配置しており、また、第2仕切部24は第1仕切部23よりもさらに後側に配置されている。そして、第1仕切部23と透明板10bとの間に表示体収納部21が形成され、また第2仕切部24と筐体10aの後側との間に、ポケット部25が形成される。
表示体収納部21及びポケット部25は、表示体移動手段91よりも下側に位置し、本体部材10の下方の幅の狭い部分に配置されている。
【0071】
また、第1仕切部23の前側には表示体収納部21側に突出するように配置する板ばね23aが設けられており、表示体収納部21に収納される広告シート22を透明板10b側に密着するように押さえている。
【0072】
筐体10aの両側面には、図27に示されるような、軸類保持部66が設けられている。軸類保持部66には孔66a、66b、66c、66d、66e、66f、66gが設けられ、この孔66a、66b、66c、66d、66e、66fに、以下に示す軸部34、40、45、54、59、70aの両端が挿入されて保持される。また、孔66gは、アイドルギア51の軸部84が挿入されて保持される。
孔66aは六角孔であり、軸部34を回転不能に保持し、他の孔66b、66c、66d、66e、66fは回転可能に保持している。孔66dは長孔であり、軸部54の平行移動を可能にしている。
そして、軸部34、40、45、54、59、70aは、互いにほぼ平行に配置されている。
【0073】
図12に示すように、表示体移動手段91は本体部材10の内部に設けられている。表示体移動手段91は、表示体収納部21やポケット部25よりも上側に位置しており、本体部材10の上方の幅が広い部分に配置されている。
そして、表示体移動手段91には、駆動ローラ31、押さえローラ31a、起動ローラ32、後押しローラ32a、案内部材33、ねじローラ33aが設けられている。
【0074】
駆動ローラ31は、自ら駆動することができるものであり、制御部50によって制御可能に回転させることができるローラである。駆動ローラ31は、図13に示されるように、歯車35と、ローラ部36と、軸部34と、プーリ48と、図示しないモータが設けられており、軸部34を固定してこのモータを作動させ、歯車35、ローラ部36及びプーリ48と回転させることができる。この図示しないモータには、モータ内蔵ローラが用いられている。
【0075】
また、駆動ローラ31は正転・反転のいずれの方向にも回転させることができる。また、駆動ローラ31の軸部34は、左右方向に水平に配置されている。
歯車35はローラ部36の両端に設けられ、後述する押さえローラ31aの歯車42と噛み合っている。
【0076】
図13に示されるように、押さえローラ31aは、軸部40と、軸部40の回転により回転するローラ部41及び歯車42とが設けられている。ローラ部41は全域に設けられているのではなく、部分的に複数設けられている。また、歯車42は両端の2ヵ所に配置されている。
図12に示すように、ローラ部41は、駆動ローラ31のローラ部36との間が、広告シート22の厚みより短い隙間を設けるように配置されている。そして、駆動ローラ31と押さえローラ31aとの間で広告シート22を挟んで回転させることにより、広告シート22を移動させることができる。なお、広告シート22を挟んで回転させることができれば、ローラ部41と駆動ローラ31のローラ部36とが接するようにしてもよい。
【0077】
また、図13に示すように、押さえローラ31aの歯車42と、駆動ローラ31の歯車35とが噛み合っており、駆動ローラ31の回転力を押さえローラ31aに伝達することができる。そして、駆動ローラ31が回転すると押さえローラ31aが逆方向に回転する構造となっている。
【0078】
起動ローラ32は、駆動ローラ31よりも下方に位置している。また、図12に示すように、起動ローラ32は、表示体収納部21に収納される広告シート22の上側の一端A付近に位置している。
起動ローラ32には、図13、図14、図15などに示されるように、ローラ部39、歯車部材37、軸部45、クラッチ部材38及び回転方向規制手段79が設けられている。
【0079】
ローラ部39は円筒状の部材であり、図14、図15に示されるように、回転方向規制手段79を介して軸部45に接続されている。すなわち、軸部45の外側に回転方向規制手段79が配置し、回転方向規制手段79の外側にローラ部39が配置している。また、回転方向規制手段79はワンウェイベアリングであり、軸部45が回転するとき、一方の方向の場合には、ローラ部39に軸部45の回転力を伝達して、ローラ部39が軸部45と同じように回転し、他方の方向の場合には、ローラ部39には軸部45の回転力を伝達せず、ローラ部39が回転しない。
また、ローラ部39の表面は摩擦係数が大きく、摩擦力が大きい。
【0080】
歯車部材37は、図16や図17に示されているように、フランジ部分を有する円筒状であり、歯車側クラッチ板37fと、歯車部37aと、周状溝部37bを有する円筒部37cを有している。
歯車側クラッチ板37fは端部に設けられたフランジ部分であり、後述するクラッチ部材38の軸部側クラッチ板38bと接触することができるものである。また、歯車部37aは、歯車側クラッチ板37fと円筒部37cとの間に配置されている。円筒部37cの周状溝部37bは、2本の環状溝部37dの間に螺旋溝部37eが設けられている構造である。
【0081】
歯車部材37の歯車部37aは、図16に示されるように、アイドルギア51を介して、押さえローラ31aの歯車42と接続されており、押さえローラ31aの歯車42の回転力を歯車部材37に伝達することができる。また、アイドルギア51を介しているため、歯車部材37の歯車部37aの回転方向は、押さえローラ31aの歯車42の回転方向と同じである。
また、アイドルギア51にはリング状の突出部52と、軸部84が設けられている。そして、突出部52は図16に示されるように周状溝部37bに入っている。
【0082】
クラッチ部材38は、図14、図15に示されており、歯車部材37とクラッチ部材38とは、回転力を選択的に伝達することができ、回転力を伝達することも、回転力の伝達を遮断することも可能である。そして、歯車部材37は軸部45に対して回転が可能であり、クラッチ部材38は軸部45と共に回転するものである。歯車部材37及びクラッチ部材38は、軸部45に対して軸方向には移動可能である。したがって、歯車部材37の歯車部37aから伝達された回転力を、軸部45に伝達する場合に、回転力の伝達、又は、回転力の伝達の遮断を選択することができる。
また、ばね60により歯車部材37はクラッチ部材38側に付勢され、ばね61によりクラッチ部材38は歯車部材37側に付勢されている。
【0083】
そして、アイドルギア51が回転すると、歯車部材37に回転力が伝達する。また、一方の環状溝部37dに入っている突出部52が、螺旋溝部37eに案内されて、他方の環状溝部37dに移動することにより、歯車部材37が軸方向に移動する。
【0084】
したがって、図16(a)に示されるように、歯車部材37の歯車側クラッチ板37fと、クラッチ部材38の軸部側クラッチ板38bとが接触する状態から、駆動ローラ31の歯車35と、押さえローラ31aの歯車42との噛み合い部分が上に移動する方向に回転(矢印方向に回転)すると、図16(b)の状態に示すように、歯車部材37の歯車側クラッチ板37fと、クラッチ部材38の軸部側クラッチ板38bとが離れる状態となる。
逆に、図16(b)に示す状態から、逆回転すると、再び、図16(a)に示されるように、歯車部材37の歯車側クラッチ板37fと、クラッチ部材38の軸部側クラッチ板38bとが接触する状態となる。
このとき、回転を反転させ初めは、螺旋溝部37eに案内されて歯車部材37が移動せず、歯車側クラッチ板37fと軸部側クラッチ板38bとの接触状態はそのままであり、螺旋溝部37eに案内されてることにより接触状態が切り替わる。
【0085】
そして、歯車側クラッチ板37fと、軸部45と共に回転する軸部側クラッチ板38bとが接触すると、図14に示されるように、歯車側クラッチ部37fと軸部側クラッチ部38bとの間の摩擦力で回転力を伝えることができ、歯車部材37の回転力をクラッチ部材38を介して、軸部45に伝達することができる。また、図15に示されるように、歯車側クラッチ板37fと、軸部側クラッチ板38bとの接触しなくなると、軸部45への回転力は伝達されない。
【0086】
後押しローラ32aは、図12、図13に示されるように、起動ローラ32の付近であって、表示体収納部21に収納される広告シート22の一端A付近に位置している。そして、起動ローラ32と後押しローラ32aとによって、広告シート22の一端A付近を挟むことができ、また、後押しローラ32aは起動ローラ32に対して近づき、離れる方向に揺動することができる。
【0087】
後押しローラ32aはローラ部53、軸部54、プーリ55が設けられている。プーリ55は、駆動ローラ31のプーリ48と、ベルト56でつながっており、駆動ローラ31の回転力を後押しローラ32aに伝達することができる。ローラ部53及びプーリ55は軸部54に固定されており、プーリ55の回転をローラ部53に伝達することができる。
このときの後押しローラ32aの回転方向は、駆動ローラ31と同じであり、起動ローラ32のローラ部39の回転方向に対して反対方向である。
【0088】
軸部54は、軸に対して垂直な方向に平行移動できるものである。これは、図27に示されるように、軸部54が保持される軸類保持部66の孔66dが長孔状となっており、軸部54が孔66d内で揺動することができる。
また、この揺動は、軸部54の回転方向で決まる。すなわち、駆動ローラ31のプーリ48が回転すると、ベルト56によっていずれかの側を引き上げられ、ベルト56の張力に差が出て、軸部54が引き上げられる側に向かう。
本実施形態では、図23、図24に示されるように、駆動ローラ31の、押さえローラ31a側が上に移動する方向に回転(図23、図24の矢印方向に回転)すると、ベルト56も同様な方向に回転し、軸部54が起動ローラ32側に移動する。
【0089】
軸部54が起動ローラ32側に移動した状態では、図24に示されるように、表示体収納部21に収納される広告シート22の一端A付近を挟むことができる。また、軸部54の移動により、軸部54が後述する案内部材33の爪57を押して、案内部材33の案内板58の位置を変えることができる。
【0090】
案内部材33は、図13、図23に示されるように、軸部59と、軸部59の両端付近で固定されている爪57と、軸部59に固定されている案内板58とからなる。そして、案内部材33は軸部59を軸として回転することができる。
案内板58は、図12、図13に示されるように、先端が細い形状であり、広告シート22の移動の際に、移動する方向によって進行方向を変えるものである。
【0091】
案内部材33の案内板58は、駆動ローラ31と起動ローラ32との間に設けられており、軸部59の回転によって、案内板58の角度が変化して位置を変えることができる。この軸部59を軸とする回転は、後押しローラ32aの軸部54が爪57を押すことにより行われる。
具体的には、図24に示されるように、後押しローラ32aの軸部54が起動ローラ32側に移動すると爪57を押し、案内板58が後側に移動する。
【0092】
図23に示されるように、案内板58が前側にある状態では、駆動ローラ31側から下側に向かって進む場合、広告シート22は案内板58により前側への移動を妨げ、後側に迂回する。
また、図24に示されるように、案内板58が後側にある状態では、起動ローラ32側から、上側に向かって進む場合、広告シート22は案内板58に邪魔されず、第1仕切部23の上端付近に設けられたガイド部85と案内板58の間を進んで、駆動ローラ31側へと向かう。
【0093】
ねじローラ33aは、図13に示されるように、ねじ溝部67、プーリ68、軸部69が設けられている。そして、プーリ68と、駆動ローラ31のプーリ48とが、ベルト80とつながっており、駆動ローラ31の回転力を後押しローラ32aに伝達することができる。
【0094】
軸部69は図示しない保持部で回転可能に保持されており、プーリ68の回転によって、ねじ溝部67が回転する。また、軸部69の方向は前後方向であり、他の軸部34、40、45、54、59と垂直な方向である。そして、ねじ溝部67は螺旋状の溝であり、回転することにより、ねじ溝部67の広告シート22の側部が前後方向に移動する。
なお、ベルト80は、中途部分で、軸部70aを有する転向プーリ70に架かっている。
【0095】
ねじローラ33aの設けられる横方向の位置は、広告シート22の側部がねじ溝部67の谷の部分に付近となる位置である。そして、ねじローラ33aが回転することによって、ねじ溝部67に入った広告シート22の側部が前後方向に移動し、広告シート22を誘導することができる。
本実施形態では、駆動ローラ31の、押さえローラ31a側が下に移動する方向に回転した場合、ねじ溝部67に入っている広告シート22の側部が前方向に移動する。
【0096】
制御部50は、図12、図13に示されるように、駆動ローラ31の上側に設けられている。そして、制御部50は、外部の電源及び駆動ローラ31と接続されており、この電源の電力によって、駆動ローラ31を回転することができる。
【0097】
次に、表示装置2の使用方法について説明する。
最初に、図12、図23に示すように、表示体収納部21に広告シート22を複数枚収納する。このとき、全ての広告シート22について表示したい側を前側に向けて積層した状態にしておく。また、表示装置2を壁などに取り付ける場合には、透明板10b側を表側となるように設置する。
そうすると、透明板10bから、最前部の広告シート22が見える。
【0098】
そして、表示する広告シート22を変える場合には、表示体移動手段91を用いて、最前部にある広告シート22を最後部に移動させ、前から2番目の広告シート22を最前部として行う。なお、表示する広告シート22を変えるのは、自動で行うことができ、この場合には一定の時間が経過後に行われる。
【0099】
まず、駆動ローラ31を、押さえローラ31a側が上に移動する方向に回転させる。そうすると、駆動ローラ31の歯車35が回転し、噛み合っている歯車42、アイドルギア51、歯車部37aが回転する。このとき、歯車35とアイドルギア51が同方向に回転し、歯車42と歯車部37aが、これとは反対方向に回転する。
【0100】
また、歯車部37aが回転することによって、アイドルギア51の突出部52が螺旋溝部37eによって案内されて歯車部材37が移動し、図16(a)のような歯車側クラッチ板37fとクラッチ部材38の軸部側クラッチ板38bとが接触する状態から、図16(b)のような離れる状態となる。しかし、しばらくの間は接触する状態を維持しており、広告シート22が駆動ローラ31へ到達した後に接触しない状態となるので、このようになるまでは歯車部37aの回転が軸部45に伝達される。さらに、軸部45の回転が回転方向規制手段79を介してローラ部39に伝達される。
【0101】
また、駆動ローラ31のプーリ48が回転し、このプーリ48に架かっているベルト56、80が動き、プーリ68、55が回転する。
このとき、後押しローラ32aはベルト56が上昇する側に移動するので、起動ローラ32側に移動する。そして、起動ローラ32と後押しローラ32aとによって、広告シート22の一端A付近が挟まれる。
そして、起動ローラ32及び後押しローラ32aは、内側が上側に向かって回転することとなり、表面の摩擦係数が大きい起動ローラ32のローラ部39側(最前部)の広告シート22が上昇する。
【0102】
また、案内部材33の爪57は軸部54に押されるので、案内板58は後側に移動しており、広告シート22の上昇に案内板58が邪魔になることはない。
【0103】
そして、図19、図22には、最前部の広告シート22が上昇し始めた状態を示している。なお、図18〜図22、図24〜図26では、移動の対象である最前部の広告シート22について、太線で示している。
【0104】
図18、図22に示されるように、最前部の広告シート22の一端Aは、駆動ローラ31を越える位置まで達する。そうすると、最前部の広告シート22は、駆動ローラ31と押さえローラ31aとの間に挟まれて、更に上昇し、駆動ローラ31と駆動ローラ31の周りのガイド75との間を進む。この状態では、起動ローラ32の回転力は伝達されず、駆動ローラ31によって、広告シート22が移動する。
【0105】
また、広告シート22は、ガイド75に沿って進むので、上向きの方向から下向きの方向に方向を変えて進み、図19、図25に示すように、広告シート22はポケット部25に入る。
そして、移動させる広告シート22の他端Bが、表示体収納部21に収納されている広告シート22の一端Aを越えるまで移動させた状態では、移動させる広告シート22の一端A側は表示体収納部21の後側に設けられたポケット部25に位置している。
【0106】
このように最前部の広告シート22が移動すると、透明板10bである窓部20から見える広告シート22は、2番目の広告シート22が下側から徐々に見えて全体が見えるようになり、最前部の広告シート22は見えなくなる。
【0107】
そして、ポケット部25の最下部付近に設けられているセンサー25aが、広告シート22を検知すると、駆動ローラ31の回転を停止する。
この状態では、広告シート22の一端Aとは反対側の他端B付近は駆動ローラ31と押さえローラ31aとの間に挟まれている。また、移動している広告シート22の他端B側は、表示体収納部21に収納されている他の広告シート22の一端A側を越えた位置まで移動している。
【0108】
また、起動ローラ32は、上記したように、しばらくすると回転力が伝達されなくなる。そのため、最前部にある広告シート22が起動ローラ32を越えて移動した後に、移動前に2番目にあった広告シート22が起動ローラ32と接触することになっても上昇することはない。
【0109】
そして、駆動ローラ31を反転させる。駆動ローラ31は、押さえローラ31a側が下に移動する方向に回転し、駆動ローラ31の歯車35の回転によって、噛み合っている歯車42、アイドルギア51、歯車部37aが、上記した方向とは反対側に回転する。
【0110】
広告シート22の他端B側が駆動ローラ31と押さえローラ31aとにより挟まれているので、広告シート22は下方に移動する(図21、図26)。このとき、後押しローラ32aはベルト56が上昇する側に移動するので、起動ローラ32側から離れる方向に移動し、案内部材33の爪57は軸部54に押されることがなく、また、案内板58は前側に移動する。そのため、広告シート22は、案内板58の後側を通過し、他の広告シート22の後側に至る。
【0111】
なお、このとき、歯車部材37は、図16(b)の状態から、図16(a)の状態へと移動して、歯車側クラッチ板37fと軸部側クラッチ板38bとが接触している状態になり、軸部45が回転することになるが、回転方向規制手段79によって起動ローラ32のローラ部39が空転する。
【0112】
広告シート22はねじ溝部67によって、広告シート22の他端B付近の側部を後方向に移動させて、表示体収納部21内に入る。そして、広告シート22の移動が完了する(図22)。そして、広告シート22の積層の順が変わって最前部の表示される広告シート22が変わる。さらに、表示される広告シート22を変える場合にも同様な手順で行うことができる。
【0113】
さらに、本発明の第3の実施形態における表示装置3について説明する。
図28は、本発明の第3の実施形態における表示装置の表示体移動手段を示す斜視図である。図29は本発明の第3の実施形態における表示装置の内部の一部を拡大した側面図である。図30(a)、(b)、(c)はカム部材の動きを示す側面図である。図31(a)、(b)、(c)、(d)はカム部材の動きを上から見た模式図である。図32、図33は、第3の実施形態の表示装置の内部を拡大し、表示体の動きを示した側面図である。
【0114】
表示装置3には、図29に示されるように、上記した第1、第2の実施形態における表示装置1、2と同様な本体部材10が設けられ、本体部材10には筐体10aと窓部20となる透明板10bを有している。そして、表示装置3には表示体移動手段120によって、最前部の広告シート22を移動することができる。
【0115】
具体的には、本体部材10の内部には、第1仕切部23と、第2仕切部24が設けられ、第1仕切部23は透明板10bの後側に配置しており、また、第2仕切部24は第1仕切部23よりもさらに後側に配置されている。そして、第1仕切部23と透明板10bとの間に表示体収納部21が形成され、また第2仕切部24と筐体10aの後側との間に、ポケット部25が形成される。
表示体収納部21及びポケット部25は、表示体移動手段120よりも下側に位置し、本体部材10の下方の幅の狭い部分に配置されている。
【0116】
ポケット部25は、本体部材10の後側に設けられ、後述するように、広告シート22を移動させる際に、一時的に移動する場所である。
また、ポケット部25の最下部付近には、センサー25aが設けられている。センサー25aによって、広告シート22がポケット部25の最下部付近まで入っている状態かどうかを確認することができる。
【0117】
図29に示すように、表示体移動手段120は本体部材10の内部に設けられている。表示体移動手段120は、表示体収納部21やポケット部25よりも上側に位置しており、本体部材10の上方の幅が広い部分に配置されている。
そして、図28に示すように、表示体移動手段120には、駆動ローラ31、送りベルト81、後押しローラ32a、案内板121が設けられている。
【0118】
駆動ローラ31は、自ら駆動することができるものであり、制御部50によって制御可能に回転させることができるローラである。駆動ローラ31は、図28に示されるように、ローラ部36と、軸部34と、ねじ部122と、図示しないモータが設けられており、軸部34を固定してこのモータを作動させ、ローラ部36及びねじ部122を回転させることができる。この図示しないモータには、モータ内蔵ローラが用いられている。
【0119】
また、駆動ローラ31は正転・反転のいずれの方向にも回転させることができる。また、駆動ローラ31の軸部34は、左右方向に水平に配置されている。
ローラ部36の両端付近には、環状溝36aが設けられている。環状溝36aには環状のベルトであって断面円形の丸ベルト125がかかっている。そして、丸ベルト125は環状溝36aと後押しローラ32aの環状溝32bとにかけられて、後押しローラ32aに回転力を伝達する。
【0120】
ねじ部122は、ローラ部36よりも端側に設けられ、後述するカム部材123がそれぞれに螺合している。そして、駆動ローラ31の回転によって、カム部材123が軸方向を移動させることができる。また、両端に設けられたねじ部122は、互いに異なるリード方向であり、それらのピッチは同じである。したがって、駆動ローラ31の回転によって、2つのカム部材123の進む方向は、軸方向外側又は内側のいずれかに向かって同じ距離だけ進む。
【0121】
送りベルト81は、図28、図29に示されるように、駆動ローラ31のローラ部36の両端付近であって、丸ベルト125に対向する位置に2ヵ所設けられている環状のベルトである。そして、送りベルト81はそれぞれ3ヵ所のガイドローラ81aによって保持されている。
【0122】
ガイドローラ81aの1ヵ所は広告シート22の一端A付近に位置しており、他の2ヵ所は、駆動ローラ31側に設けられている。そのため、送りベルト81は広告シート22の一端A付近から駆動ローラ31にかけて配置されている。
【0123】
そして、駆動ローラ31の全周の約1/4で、駆動ローラ31のローラ部36にかかっている丸ベルト125と送りベルト81が常に密着している。そのため、ローラ部36の回転力を送りベルト81に伝達し、送りベルト81の表面を駆動ローラ31のローラ部36の表面の移動方向と同じ方向に移動するように作動させることができる。
また、ガイドローラ81aの回転軸は、駆動ローラ31の回転軸と平行である。
【0124】
送りベルト81は丸ベルト125よりも摩擦力が大きい部材が用いられており、送りベルト81と丸ベルト125との間で複数の広告シート22を挟んでベルトを送ると、送りベルト81側の広告シート22を移動させることができる。
【0125】
また、送りベルト81と丸ベルト125との間に広告シート22が進入している状態でローラ部36が回転することにより、広告シート22を移動させることができる。
【0126】
駆動ローラ31の上側の後側には、湾曲ガイド90が設けられている。湾曲ガイド90は駆動ローラ31のローラ部36の表面に沿って設けられ、湾曲ガイド90とローラ部36との間は広告シート22が移動できる隙間が設けられている。
【0127】
後押しローラ32aは、図28、図29に示されるように、送りベルト81の下端付近の後側付近に位置しており、表示体収納部21に収納される広告シート22の一端A付近に位置している。そして、後押しローラ32aは、送りベルト81側に向かって、又は、送りベルト81から離れる方向に移動させることができ、送りベルト81側に向かった場合には、送りベルト81の下端付近と後押しローラ32aとの間に、広告シート22の一端A付近を挟むことができる。
【0128】
後押しローラ32aにはローラ部53と軸部54とが設けられている。ローラ部53は軸部54に回転可能に保持されており、また、軸部54は、図28に示されるように、後押しローラ連結部材126によって保持されている。具体的には、後押しローラ連結部材126の揺動孔87dに軸部54が挿入されている。
【0129】
後押しローラ連結部材126は、駆動ローラ31の軸部34に回転可能に保持される筒部127と、後押しローラ32aの軸部54を保持している筒部129と、筒部127と筒部129とを連結する棒部128を有している。
【0130】
棒部128は、図28、図31に示されるように、カム部材123のカム部130の内側に位置しており、カム部130が棒部128を押すことにより、後押しローラ連結部材126の位置を変えることができる。
【0131】
また、図29、図30に示されるように、ばね132が設けられている。ばね132は、軸部54と本体部材10に固定されたピン131との間に引っ張る様に設けられている。そして、ばね132が、後押しローラ連結部材126の筒部127の中心軸(駆動ローラ31の軸部34の軸心)を越えた側に、後押しローラ32aの軸部54を保持している筒部129を付勢する。
【0132】
例えば、図30(a)に示すように、ピン131の中心軸と筒部127の中心軸とを結ぶ基準部Lよりも、後押しローラ32aの軸部54が左側に位置している場合には、軸部54は左側に付勢される。また、図30(b)に示すように、基準部Lよりも、後押しローラ32aの軸部54が右側に位置している場合には、軸部54は右側に付勢される。このように、ばね132a揺動動作を確実に素早く行うことができる。
【0133】
案内板121は、図28、図29に示されるように、駆動ローラ31と後押しローラ32aとの間に設けられており、上下方向の中間付近が後側に突出した板状である。また、案内板121は幅方向の中央付近に設けられ、送りベルト81とは干渉しない位置に設けられている。
【0134】
次に、表示装置3の使用方法について説明する。
最初に、図29に示すように、表示体収納部21に広告シート22を複数枚収納する。このとき、全ての広告シート22について表示したい側を前側に向けて積層した状態にしておく。また、表示装置3を壁などに取り付ける場合には、透明板10b側を表側となるように設置する。
そうすると、透明板10bから、最前部の広告シート22が見える。
【0135】
そして、表示する広告シート22を変える場合には、表示体移動手段120を用いて、最前部にある広告シート22を最後部に移動させ、前から2番目の広告シート22を最前部として行う。なお、表示する広告シート22を変えるのは、自動で行うことができ、この場合には一定の時間が経過後に行われる。
【0136】
まず、駆動ローラ31を、押さえローラ31a側が上に移動する方向に回転させる。回転当初は、後押しローラ32aは送りベルト81側に位置しているので、後押しローラ32aによって、丸ベルト125が広告シート22に押しつけられて、丸ベルト125と送りベルト81とによって広告シート22が挟まれている。そのため、挟まれた広告シート22が上昇する。また、送りベルト81は駆動ローラ31の回転力が伝達されて作動し、駆動ローラ31の送りベルト81側の表面の移動方向と、送りベルト81の駆動ローラ31側の表面の移動方向とが同じ方向となるように移動する。
このとき、送りベルト81の表面の摩擦が大きいので、挟まれた複数の広告シート22の内、最前部の広告シート22が上昇する。
【0137】
駆動ローラ31が回転すると、駆動ローラ31のねじ部122も回転する。そして、ねじ部122に螺合するカム部材123が、図30(a)、図31(a)に示されるように、ストッパー134に回転を阻止されて、カム部材123は外側(図31において下側)に向かって移動する。
【0138】
駆動ローラ31が数回転ほど回転すると、後押しローラ連結部材126の棒部128が、カム部130の第1傾斜部150に誘導され、後押しローラ32aが送りベルト81から離れる(図31(b))。この状態では、広告シート22の一端Aが駆動ローラ31のローラ部36と送りベルト81との間まで移動しているので、駆動ローラ31の回転によって広告シート22は更に移動する。
【0139】
さらに回転すると、駆動ローラ31と送りベルト81との間に挟まれている広告シート22の一端Aが、駆動ローラ31の回転力により更に上昇し、表示装置3の後側に移動していく。さらに、湾曲ガイド90により、広告シート22の一端Aが下側に向かって進み、図32に示されるように、ポケット部25に進む。
【0140】
また、後押しローラ32aが送りベルト81から離れるので、最前部にある広告シート22の他端Bが送りベルト81の下端付近を越えて移動した後に、移動前に2番目にあった広告シート22が送りベルト81の移動によって上昇することはない。
【0141】
そして、広告シート22の一端Aがポケット部25の下端付近に達し、表示体収納部21の後側に設けられたポケット部25に完全に入る(図32)。この状態では、この広告シート22の他端Bは、表示体収納部21に収納されている他の広告シート22の一端Aを越えている位置であり、駆動ローラ31と送りベルト81との間に挟まれている。
【0142】
最前部の広告シート22が移動すると、透明板10bである窓部20から見える広告シート22は、2番目の広告シート22が下側から徐々に見えて全体が見えるようになり、最前部の広告シート22は見えなくなる。
【0143】
そして、図32に示す状態となると、ポケット部25の最下部付近に設けられているセンサー25aが広告シート22を検知し、駆動ローラ31の回転を停止する。
なお、このときのカム部130の位置は、図31(c)に示されるように外側に位置している。
【0144】
次に、駆動ローラ31を反転させ、送りベルト81側(前側)が下に移動する方向に、回転させ、広告シート22の移動方向を反対にする。そうすると、広告シート22の他端B側が駆動ローラ31と送りベルト81とにより挟まれているので、広告シート22は下方に移動し、広告シート22は表示体収納部21に向かって進む。
また、カム部材123は、ストッパー133によって回転を阻止されて反転し、内側に向かって移動する。
【0145】
このとき、後押しローラ32aは、送りベルト81から離れた状態であり、また、後側に突出している案内板121によって、広告シート22の他端Bが後側に誘導され(図33)、他の広告シート22の後側に至る。
【0146】
そして、移動している広告シート22が下方へ移動し、他の広告シート22の後側の表示体収納部21に収納されていく。
さらに、移動している広告シート22の一端Aが後押しローラ32a付近に近づくと、後押しローラ32aが送りベルト81側に移動して、後押しローラ32a付近で広告シート22を挟んで、広告シート22を確実に下方に移動させる。これは、図31(d)に示されるように、後押しローラ連結部材126の棒部128が第2傾斜部151によって誘導するために後押しローラ32aが移動する。
【0147】
このようにして、移動している広告シート22の上下方向の位置が他の広告シート22の位置まで移動すると、駆動ローラ31が停止する。
【0148】
このようにして、表示装置3を用いた場合でも、上記した表示装置1、2と同様に広告シート22の移動が完了する。そして、広告シート22の積層の順が変わって最前部の表示される広告シート22が変わる。さらに、表示される広告シート22を変える場合にも同様な手順で行うことができる。
【0149】
なお、駆動ローラ31の回転制御のためのセンサーは、カム部材123の位置を検知して行うこともできる。
【0150】
また、後押しローラ32aの移動のための動力は、駆動ローラ31の動力を用いたが、この駆動ローラ31とは別の駆動源の動力を用いることができ、例えば、ソレノイドを用いることができる。このように、後押しローラ32aの移動のための動力を駆動ローラ31以外のものを用いた場合には、駆動ローラが回転しないときでも後押しローラを移動させることができ、広告シートの移動操作をより安定させることができる。
さらに、後押しローラ32aを揺動させるための機構は、上記した実施形態以外の機構も採用することができる。
なお、上記の場合でも、広告シート22に接触して回転などを行って、所定の方向に移動させるためのローラ部36、39、送りベルト81などの駆動源は、駆動ローラ31が用いられる。
【0151】
このように、本発明の表示装置1、2、3では、駆動ローラ31を用いて、最前部の広告シート22を一旦ポケット部25に移動して、最後部に移動させることができるので、薄型化が可能である。
【0152】
また、表示体収納部21内の広告シート22を入れ換えることにより、表示の内容や、表示する順番を変えることができるが、これは、筐体10aの一部を開閉することができるようにすることにより、容易に行うことができる。
通常、表示装置1、2、3は、透明板10b側を前にして、壁などに設置されるので、筐体10aの前面、側面又は上下面をヒンジなどによって開閉できるようにし、表示体収納部21内の広告シート22を出し入れできるようにすることができる。
【0153】
さらに、この筐体10aの開閉の際に、第1仕切部23が移動するようにして、開状態で、表示体収納部21が大きくなるようにすることもできる。かかる場合には、広告シート22の出し入れをより簡単にすることができる。
【0154】
また、筐体10aにスリットとを設け、そのスリットの付近に出し入れのためのローラを設け、ローラを作動させて表示体収納部21へ広告シート22の出し入れを可能とするようにしてもよい。
【0155】
第1仕切部23と第2仕切部24を同じ部材として兼用することもできる。
【0156】
上記した、表示装置1、2、3では、表示体収納部21側に透明板10bを設けて、表示体収納部21内の広告シート22を表示するものであったが、ポケット部25側に透明板10bを設けて、表示装置1、2、3のポケット部25側が前面となるように設置し、ポケット部25に移動した広告シート22を表示させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明の第1の実施形態における表示装置の図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における表示装置の内部を示した側面図である。
【図3】第1の実施形態の表示体移動手段を示す斜視図である。
【図4】第1の実施形態の表示体移動手段を示す斜視図である。
【図5】第1の実施形態の表示体移動手段の側面図である。
【図6】第1の実施形態の表示体移動手段の側面図である。
【図7】第1の実施形態の表示体移動手段の内部の動きを示す図であり、(a)は側面図、(b)はラック付近の模式図である。
【図8】第1の実施形態の表示体移動手段の内部の動きを示す図であり、(a)は側面図、(b)はラック付近の模式図である。
【図9】第1の実施形態の表示体移動手段の内部の動きを示す図であり、(a)は側面図、(b)はラック付近の模式図である。
【図10】第1の実施形態の表示体移動手段の内部の動きを示す図であり、(a)は側面図、(b)はラック付近の模式図である。
【図11】第1の実施形態の表示体移動手段の内部の動きを示す図であり、(a)は側面図、(b)はラック付近の模式図である。
【図12】本発明の第2の実施形態における表示装置の内部を示した側面図である。
【図13】第2の実施形態の表示体移動手段と制御部を示す斜視図である。
【図14】第2の実施形態の表示体移動手段の一部拡大断面図である。
【図15】第2の実施形態の表示体移動手段の一部拡大断面図である。
【図16】(a)及び(b)は第2の実施形態の表示体移動手段の歯車の接続状態を示した斜視図である。
【図17】第2の実施形態の歯車部材を示す正面図である。
【図18】第2の実施形態の表示体の動きを示す、表示装置の内部の側面図である。
【図19】第2の実施形態の表示体の動きを示す、表示装置の内部の側面図である。
【図20】第2の実施形態の表示体の動きを示す、表示装置の内部の側面図である。
【図21】第2の実施形態の表示体の動きを示す、表示装置の内部の側面図である。
【図22】第2の実施形態の表示体の動きを示す、表示装置の内部の側面図である。
【図23】第2の実施形態の表示装置の内部を拡大し、表示体の動きを示した側面図である。
【図24】第2の実施形態の表示装置の内部を拡大し、表示体の動きを示した側面図である。
【図25】第2の実施形態の表示装置の内部を拡大し、表示体の動きを示した側面図である。
【図26】第2の実施形態の表示装置の内部を拡大し、表示体の動きを示した側面図である。
【図27】軸類保持部を示す正面図である。
【図28】本発明の第3の実施形態における表示装置の表示体移動手段を示す斜視図である。
【図29】本発明の第3の実施形態における表示装置の内部の一部を拡大した側面図である。
【図30】(a)、(b)、(c)はカム部材の動きを示す側面図である。
【図31】(a)、(b)、(c)、(d)はカム部材の動きを上から見た模式図である。
【図32】第3の実施形態の表示装置の内部を拡大し、表示体の動きを示した側面図である。
【図33】第3の実施形態の表示装置の内部を拡大し、表示体の動きを示した側面図である。
【符号の説明】
【0158】
1、2、3 表示装置
11、91、120 表示体移動手段
20 窓部
21 表示体収納部
22 広告シート(表示体)
25 ポケット部
31 駆動ローラ
32 起動ローラ
81 送りベルト
A 一端
B 他端
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示体を積層状態で収納できる表示体収納部と、前記表示体収納部の最前部に収納されている表示体を外部から視認可能とする窓部と、前記表示体の積層の順を変更する表示体移動手段を有し、
前記表示体移動手段は、駆動ローラと、前記駆動ローラの回転力により回転する起動ローラとを有し、前記起動ローラは表示体収納部に収納された表示体の一端付近に位置しており、前記駆動ローラの回転力により前記起動ローラを回転させて、表示体収納部の最前部に収納されている表示体を駆動ローラに向かって移動させ、駆動ローラによって最前部の表示体を当該表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させて、さらに、前記駆動ローラを反転させて当該表示体を表示体収納部の最後部に移動させて収納するものであることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
駆動ローラの回転力を選択的に起動ローラに伝達することができるものであり、前記起動ローラは、表示体の一端が駆動ローラに達した後に、駆動ローラから回転力の伝達が遮断されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
複数の表示体を積層状態で収納できる表示体収納部と、前記表示体収納部の最前部に収納されている表示体を外部から視認可能とする窓部と、前記表示体の積層の順を変更する表示体移動手段を有し、
前記表示体移動手段は、駆動ローラと、前記駆動ローラの回転力により作動する送りベルトとを有し、前記送りベルトは表示体収納部に収納された表示体の一端付近に配置しており、前記駆動ローラの回転力により前記送りベルトを作動させて、表示体収納部の最前部に収納されている表示体を駆動ローラに向かって移動させ、駆動ローラによって最前部の表示体を当該表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させて、さらに、前記駆動ローラを反転させて当該表示体を表示体収納部の最後部に移動させて収納するものであることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
送りベルトは、表示体の一端付近から駆動ローラにかけて配置されていることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
最前部の表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させた状態では、当該表示体の一端側は表示体収納部の後側に位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項6】
表示体収納部の後側にはポケット部が設けられ、最前部の表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させた状態で、当該表示体を前記ポケット部に入れることができることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
後押しローラが設けられ、表示体を駆動ローラに向かって移動させる際には、起動ローラ又は送りベルトと、後押しローラとによって表示体を挟み、駆動ローラから表示体収納部に移動させる際には、起動ローラ又は送りベルトと、後押しローラとの間が開くように移動させることができることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の表示装置。
【請求項8】
複数の表示体を積層状態で収納できる表示体収納部と、ポケット部と、前記ポケット部に入れられた表示体を外部から視認可能とする窓部と、前記表示体の積層の順を変更する表示体移動手段を有し、
前記表示体移動手段は、駆動ローラと、前記駆動ローラの回転力により回転する起動ローラとを有し、前記起動ローラは表示体収納部に収納された表示体の一端付近に位置しており、前記駆動ローラの回転力により前記起動ローラを回転させて、表示体収納部の最前部に収納されている表示体を駆動ローラに向かって移動させ、駆動ローラによって最前部の表示体を、当該表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させてポケット部に入れて表示体を表示することができ、前記駆動ローラを反転させて当該表示体を表示体収納部の最後部に移動させて収納するものであることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
複数の表示体を積層状態で収納できる表示体収納部と、ポケット部と、前記ポケット部に入れられた表示体を外部から視認可能とする窓部と、前記表示体の積層の順を変更する表示体移動手段を有し、
前記表示体移動手段は、駆動ローラと、前記駆動ローラの回転力により作動する送りベルトとを有し、前記送りベルトは表示体収納部に収納された表示体の一端付近に配置しており、前記駆動ローラの回転力により前記送りベルトを作動させて、表示体収納部の最前部に収納されている表示体を駆動ローラに向かって移動させ、駆動ローラによって最前部の表示体を、当該表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させてポケット部に入れて表示体を表示することができ、前記駆動ローラを反転させて当該表示体を表示体収納部の最後部に移動させて収納するものであることを特徴とする表示装置。
【請求項1】
複数の表示体を積層状態で収納できる表示体収納部と、前記表示体収納部の最前部に収納されている表示体を外部から視認可能とする窓部と、前記表示体の積層の順を変更する表示体移動手段を有し、
前記表示体移動手段は、駆動ローラと、前記駆動ローラの回転力により回転する起動ローラとを有し、前記起動ローラは表示体収納部に収納された表示体の一端付近に位置しており、前記駆動ローラの回転力により前記起動ローラを回転させて、表示体収納部の最前部に収納されている表示体を駆動ローラに向かって移動させ、駆動ローラによって最前部の表示体を当該表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させて、さらに、前記駆動ローラを反転させて当該表示体を表示体収納部の最後部に移動させて収納するものであることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
駆動ローラの回転力を選択的に起動ローラに伝達することができるものであり、前記起動ローラは、表示体の一端が駆動ローラに達した後に、駆動ローラから回転力の伝達が遮断されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
複数の表示体を積層状態で収納できる表示体収納部と、前記表示体収納部の最前部に収納されている表示体を外部から視認可能とする窓部と、前記表示体の積層の順を変更する表示体移動手段を有し、
前記表示体移動手段は、駆動ローラと、前記駆動ローラの回転力により作動する送りベルトとを有し、前記送りベルトは表示体収納部に収納された表示体の一端付近に配置しており、前記駆動ローラの回転力により前記送りベルトを作動させて、表示体収納部の最前部に収納されている表示体を駆動ローラに向かって移動させ、駆動ローラによって最前部の表示体を当該表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させて、さらに、前記駆動ローラを反転させて当該表示体を表示体収納部の最後部に移動させて収納するものであることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
送りベルトは、表示体の一端付近から駆動ローラにかけて配置されていることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
最前部の表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させた状態では、当該表示体の一端側は表示体収納部の後側に位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項6】
表示体収納部の後側にはポケット部が設けられ、最前部の表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させた状態で、当該表示体を前記ポケット部に入れることができることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
後押しローラが設けられ、表示体を駆動ローラに向かって移動させる際には、起動ローラ又は送りベルトと、後押しローラとによって表示体を挟み、駆動ローラから表示体収納部に移動させる際には、起動ローラ又は送りベルトと、後押しローラとの間が開くように移動させることができることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の表示装置。
【請求項8】
複数の表示体を積層状態で収納できる表示体収納部と、ポケット部と、前記ポケット部に入れられた表示体を外部から視認可能とする窓部と、前記表示体の積層の順を変更する表示体移動手段を有し、
前記表示体移動手段は、駆動ローラと、前記駆動ローラの回転力により回転する起動ローラとを有し、前記起動ローラは表示体収納部に収納された表示体の一端付近に位置しており、前記駆動ローラの回転力により前記起動ローラを回転させて、表示体収納部の最前部に収納されている表示体を駆動ローラに向かって移動させ、駆動ローラによって最前部の表示体を、当該表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させてポケット部に入れて表示体を表示することができ、前記駆動ローラを反転させて当該表示体を表示体収納部の最後部に移動させて収納するものであることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
複数の表示体を積層状態で収納できる表示体収納部と、ポケット部と、前記ポケット部に入れられた表示体を外部から視認可能とする窓部と、前記表示体の積層の順を変更する表示体移動手段を有し、
前記表示体移動手段は、駆動ローラと、前記駆動ローラの回転力により作動する送りベルトとを有し、前記送りベルトは表示体収納部に収納された表示体の一端付近に配置しており、前記駆動ローラの回転力により前記送りベルトを作動させて、表示体収納部の最前部に収納されている表示体を駆動ローラに向かって移動させ、駆動ローラによって最前部の表示体を、当該表示体の他端が他の表示体の一端を越えるまで移動させてポケット部に入れて表示体を表示することができ、前記駆動ローラを反転させて当該表示体を表示体収納部の最後部に移動させて収納するものであることを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2006−98826(P2006−98826A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−285930(P2004−285930)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(592026819)伊東電機株式会社 (71)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(592026819)伊東電機株式会社 (71)
【Fターム(参考)】
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