表示装置
【課題】発光時に被表示物となる意匠を発光表示しながらも非発光時であっても見映えがよい表示装置を提供する。
【解決手段】光源5の非発光時には、透明板1を通って遮光層3に至る外光L1が、遮光層3の前面3aで反射して再び透明板1を通り、外部へ至ると共に、透明板1を通って凹部2に至る外光L2が、凹部2を抜けてハーフミラー層4に入射し、ハーフミラー層4の表面で反射して再び透明板1を通り、外部へ至る。凹部2を除く領域においても、凹部2内の領域においても、外光が透明板1の後面1b側で反射し、凹部2により描かれる意匠の部分と意匠以外の部分が互いに同じ材質から形成され、金属板をプレスして意匠を表したような印象を与える。一方、光源5を発光させると、光源5から発した光L3がハーフミラー層4を透過し、遮光層3が存在しない凹部2内を通って透明板1に入射し、透明板1を透過した後、外部へ出射され、凹部2により描かれる意匠の部分のみ光って見える。
【解決手段】光源5の非発光時には、透明板1を通って遮光層3に至る外光L1が、遮光層3の前面3aで反射して再び透明板1を通り、外部へ至ると共に、透明板1を通って凹部2に至る外光L2が、凹部2を抜けてハーフミラー層4に入射し、ハーフミラー層4の表面で反射して再び透明板1を通り、外部へ至る。凹部2を除く領域においても、凹部2内の領域においても、外光が透明板1の後面1b側で反射し、凹部2により描かれる意匠の部分と意匠以外の部分が互いに同じ材質から形成され、金属板をプレスして意匠を表したような印象を与える。一方、光源5を発光させると、光源5から発した光L3がハーフミラー層4を透過し、遮光層3が存在しない凹部2内を通って透明板1に入射し、透明板1を透過した後、外部へ出射され、凹部2により描かれる意匠の部分のみ光って見える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置に係り、特に文字、図形等の被表示物を発光表示すると共に非発光時の見映えをよくする表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、透明な前面カバーの背面に凹部を形成すると共に凹部を除く領域の前面カバーの背面上に遮光層を形成し、ハーフミラーを備えたライトガイドを前面カバーの背面側に配置すると共にこのライトガイドの背面側に光源としてLEDを配置した発光装飾品が開示されている。LEDから発せられた光は、ライトガイドで拡散された後、ハーフミラーを透過して前面カバーの凹部から外部へ出射される。LEDの非発光時には、外光が前面カバーの凹部を通り、ハーフミラーで反射された後に再び凹部を通って外部へ至る。
したがって、前面カバーの凹部を発光表示させる一方、前面カバーの凹部内に入った外光を反射させることができる。
【0003】
【特許文献1】特開平5−238325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の発光装飾品では、非発光時に前面カバーの凹部内に入った外光はハーフミラーで反射されるものの、前面カバーの凹部を除く領域においては、外光が遮光層で遮断されるので、前面カバーの凹部とはまったく異なった見え方となる。このため、前面カバーの凹部とそれ以外の領域とが互いに異なった材質からなることが強調されてしまい、見映えがよくないという問題がある。
【0005】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、発光時に被表示物となる意匠を発光表示しながらも非発光時であっても見映えがよい表示装置を提供することを目的とする。
また、発光時であっても、外光よりも暗い輝度(例えば10cd以下程度)で光らせることにより、周囲が明るいときには、光源が発光していても、非発光時のような見映えにさせることが可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る第1の表示装置は、表示しようとする意匠に対応したパターンの凹部が後面側に形成された透明板と、透明板の後面側に配置された意匠構成層と、意匠構成層の後面側に配置された光源とを備え、意匠構成層が、透明板の凹部を除く領域に配置されると共に透明板に対向する前面が光反射性を有する遮光層と、遮光層の後面側で且つ少なくとも透明板の凹部に対応する領域に配置されるハーフミラー層とを含むものである。
好ましくは、遮光層とハーフミラー層が、互いにほぼ等しい反射率を有している。換言すれば、遮光層及びハーフミラー層は、互いにほぼ等しい反射スペクトルである。この構成により、意匠に対応したパターン(ハーフミラー層)の色と意匠に対応したパターン以外の部分(遮光層)の色が、反射によっても相対的に変化しないため、透明板全体で構成される意匠の一体感(同じ材質感)が表現できる。
意匠構成層が、透明板と遮光層との間で且つ透明板の後面側の全面にわたって配置されると共に所望の模様が描かれた光透過性の模様層をさらに含むこともできる。
【0007】
この発明に係る第2の表示装置は、表示しようとする意匠に対応したパターンの凹部が後面側に形成された透明板と、透明板の後面側に配置された意匠構成層と、意匠構成層の後面側に配置された光源とを備え、意匠構成層が、透明板の後面側の全面にわたって配置されるハーフミラー層と、ハーフミラー層の後面側で且つ透明板の凹部を除く領域に配置される遮光層とを含むものである。
意匠構成層は、透明板とハーフミラー層との間で且つ透明板の後面側の全面にわたって配置されると共に所望の模様が描かれた光透過性の模様層をさらに含むことができる。
【0008】
この発明に係る第3の表示装置は、表示しようとする意匠に対応したパターンの凹部が後面側に形成された透明板と、透明板の後面側に配置された意匠構成層と、意匠構成層の後面側で且つ少なくとも透明板の凹部に対応する領域に配置されると共に後面側に反射層を有し且つ前面から光を出射する鏡面型の面発光装置からなる光源とを備え、意匠構成層が、透明板の凹部を除く領域に配置されると共に透明板に対向する前面が光反射性を有する遮光層を含むものである。
好ましくは、遮光層と面発光装置の反射層が、互いにほぼ等しい反射率を有している。
意匠構成層は、透明板と遮光層との間で且つ透明板の後面側の全面にわたって配置されると共に所望の模様が描かれた光透過性の模様層をさらに含むこともできる。
面発光装置として、反射層を形成する反射電極層と、透明電極層と、これら反射電極層及び透明電極層の間に介在する発光層とを含むエレクトロルミネッセンス装置を用いてもよい。
上記の第1〜第3の表示装置において、意匠構成層は、透明板の凹部に対応する領域に形成され且つ遮光層とは異なる色の透光層をさらに含むこともできる。
また、意匠構成層と光源との間にさらに体積拡散板を配置してもよい。好ましくは、体積拡散板は、光源の前面から離間して配置される。
意匠構成層は、透明板から独立した薄板状に形成することができる。さらに、透明板と意匠構成層とを相対的に位置合わせするための位置決め手段を備えることもできる。
【0009】
この発明に係る第4の表示装置は、表示しようとする意匠に対応したパターンの凹部が後面側に形成された透明板と、透明板の後面側に配置されると共に後面側に反射層を有し且つ透明板の凹部に対応する領域のみ前面から光を出射する鏡面型の面発光装置からなる光源とを備えたものである。
透明板と面発光装置との間で且つ透明板の後面側の全面にわたって配置されると共に所望の模様が描かれた光透過性の模様層をさらに備えることができる。
面発光装置として、反射層を形成する反射電極層と、透明電極層と、これら反射電極層及び透明電極層の間に介在する発光層とを含むエレクトロルミネッセンス装置を用いてもよい。この場合、透明板の凹部を除く領域に対応する位置の発光層及び透明電極層のうち少なくとも一方を部分的に欠落させる、または、透明板の凹部を除く領域に対応する位置の反射電極層と発光層との間あるいは発光層と透明電極層との間に光透過性の絶縁層を形成することにより、透明板の凹部に対応する領域のみ光を出射させることができる。
透明板と光源との間にさらに体積拡散板を配置してもよい。好ましくは、体積拡散板は、光源の前面から離間して配置される。
また、透明板と光源とを相対的に位置合わせするための位置決め手段を備えることもできる。
【0010】
上記の第1〜第4の表示装置において、透明板の凹部の少なくとも一部分をR付けすることもできる。透明板の凹部がC面取りされていてもよい。また、透明板の凹部は、複数の平面部から形成することもできる。あるいは、透明板の凹部が互いに接続された複数の平面部と曲面部からなっていてもよい。この場合、さらに、互いに隣接する平面部と曲面部とが角張った境界部分を形成するように接続することができる。
また、透明板の凹部を、光源により照らし出される意匠の大きさより所定量だけ大きく形成することもできる。さらに、第1〜第4の表示装置において、模様層の模様をヘアライン調とすることができる。
なお、第1〜第4の表示装置における「表示しようとする意匠」は、文字、図形、記号、模様、及びこれらのうちの2以上の組み合わせを含むものである。
また、第3及び第4の表示装置における「面発光装置」は、平面形状でもよいし、曲面形状であってもよい。また、平面形状と曲面形状を組み合わせて意匠に合わせた形状を有していてもよい。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、被表示物となる意匠を発光表示することができるだけでなく、非発光時でも見映えがよい表示装置を実現することができる。また、発光時であっても、外光よりも暗い輝度(例えば10cd以下程度)で光らせることにより、周囲が明るいときには、光源が発光していても、非発光時のような見映えにさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に実施の形態1に係る表示装置の断面を示す。表示装置は、透明板1を有しており、透明板1の後面1b側にこの表示装置で表示しようとする意匠に対応したパターンの凹部2が形成されている。透明板1の後面1b上には、凹部2を除く領域に遮光層3が配置されている。この遮光層3は、透明板1の後面1bに対向する前面3aが光反射性を有している。遮光層3の後面3b側には、透明板1の全面にわたってハーフミラー層4が配置されている。さらに、ハーフミラー層4の後面側に光源5が配置されている。遮光層3とハーフミラー層4により意匠構成層Aが形成されている。
【0013】
透明板1としては、ポリカーボネートやアクリル等の透明な樹脂板を用いることができるが、ガラス板を使用することもでき、凹部2の加工が可能な透明材であれば材質は限定されない。
光反射性を有する遮光層3は、透明板1の後面1bの凹部2を除く領域に例えばAl、Cr、Mo等の金属材料を蒸着することにより、あるいはこれらの金属材料からなるシートを貼付することにより形成することができる。
ハーフミラー層4としては、例えばAl、Cr、Mo等の金属材料から形成されたハーフミラーシートを用いることができる。あるいは、光源5の前面上にAl、Cr、Mo等の金属材料を蒸着やスパッタリングすることによりハーフミラー層4を形成してもよい。
【0014】
また、例えば透明なシート材の上に意匠構成層Aを形成するハーフミラー層4と遮光層3を順次積層して、これらを一体にフィルム状あるいは薄板状に形成し、これを透明板1と光源5との間に挿入してもよい。ハーフミラー層4は少なくとも透明板1の凹部2に対応する領域にのみ配置されていればよいので、透明なシート材の上あるいは光源5の前面上に、透明板1の凹部2に対応する領域にはハーフミラー層4を、透明板1の凹部2を除く領域には遮光層3をそれぞれのパターンに形成することもできる。
光源5としては、少なくとも透明板1の凹部2に対応する領域に光を発することができるものであればよく、LED、蛍光管等を配列したものや、LED、蛍光管等からの光をライトガイドで案内するものを使用することができる。さらに、エレクトロルミネッセンス素子等の面発光装置を用いることもできる。
【0015】
次に、この実施の形態1に係る表示装置の動作について説明する。この表示装置は、透明板1の凹部2により描かれた意匠を表示するものであり、例えば透明板1の前面1aを室内に向けた状態で車両の室内等に設置される。
光源5の非発光時には、外光により透明板1を通して凹部2により表される意匠を認識することができる。このとき、透明板1の後面1b上の凹部2を除く領域に光反射性を有する遮光層3が配置されているので、透明板1を通って遮光層3に至る外光L1は、遮光層3の前面3aで反射して再び透明板1を通り、外部へ至る。また、透明板1の凹部2にはハーフミラー層4が対向しているので、透明板1を通って凹部2に至る外光L2は、凹部2を抜けてハーフミラー層4に入射し、ハーフミラー層4の表面で反射して再び透明板1を通り、外部へ至る。
【0016】
このように、凹部2を除く領域においても、凹部2内の領域においても、同様に、外光が透明板1の後面1b側で反射するため、凹部2により描かれる意匠の部分と意匠以外の部分が互いに同じ材質から形成されているように見える。さらに、凹部2の存在によって意匠の部分が他の部分よりも盛り上がって見えるので、あたかも金属板をプレスして意匠を表したような印象を与えることとなる。
なお、遮光層3の反射率とハーフミラー層4の反射率が互いに近い方が、凹部2により描かれる意匠の部分と意匠以外の部分の見え方が近づくため、上記の金属板をプレスしたように見える効果は、遮光層3とハーフミラー層4が互いにほぼ等しい反射率を有する場合に最大となる。
【0017】
一方、光源5を発光させると、図1に一点鎖線で示されるように、光源5から発した光L3がハーフミラー層4を透過し、遮光層3が存在しない凹部2内を通って透明板1に入射し、透明板1を透過した後、外部へ出射される。このとき、凹部2を除く領域では、光源5から発した光が遮光層3で遮断されるため、凹部2により描かれる意匠の部分のみ光って見えることとなる。
すなわち、非発光時には、金属板をプレスして意匠を表したように見えるため、光を透過しない印象を与えるが、光源5を発光させると、意匠の部分のみが光り、見映えのよい表示装置が実現される。
【0018】
実施の形態2
図2に示されるように、上述した実施の形態1において、模様層6を透明板1と遮光層3との間で且つ透明板1の後面1b側の全面、すなわち凹部2に対応する領域と凹部2を除く領域の双方にわたって配置することができる。この模様層6は、全面にヘアライン等の模様が描かれたものであり、概ね光透過性を有している。この実施の形態2においては、遮光層3とハーフミラー層4と模様層6により意匠構成層Aが形成されている。
このような構成にすると、非発光時に透明板1を通って遮光層3に至る外光L1も凹部2に至る外光L2も、模様層6を透過し、遮光層3の前面3aあるいはハーフミラー層4で反射した後、再び模様層6と透明板1を透過して外部へ至る。このため、凹部2により描かれる意匠の部分にも意匠以外の部分にも模様層6に描かれている模様が付随して見え、これら双方の部分が互いに同じ材質から形成されて見える効果が一層高まることとなる。
【0019】
例えば、ヘアラインの模様を有する模様層6を用いれば、アルミ板のヘアライン処理を施したプレートをプレスして意匠を表したように見え、高級感を向上させることができる。なお、模様層6の模様は、ヘアラインに限るものではなく、各種の形状、大きさを有する模様を描くことができるが、特に、この表示装置を壁面や床面、天井面等に設置する場合に、表示装置の周辺領域の模様と同じ模様の模様層6を用いれば、周辺との一体感を高めることが可能となる。
【0020】
また、図3に示されるように、透明なシート材Bの上にハーフミラー層4、遮光層3、模様層6を順次積層して、これらを一体にフィルム状あるいは薄板状に形成し、これを意匠構成層Aとして透明板1と光源5との間に挿入してもよい。
【0021】
実施の形態3
図4に実施の形態3に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、図1に示した実施の形態1の表示装置において、遮光層3の後面3b側にハーフミラー層4を配置する代わりに、透明板1の後面1bと遮光層3の前面3aとの間にハーフミラー層4を配置し、これら遮光層3とハーフミラー層4により意匠構成層Aを形成したものである。実施の形態1と同様に、ハーフミラー層4は透明板1の全面にわたって配置され、遮光層3は透明板1の凹部2を除く領域に配置されている。
【0022】
光源5の非発光時には、外光により透明板1を通して凹部2により表される意匠を認識することができ、凹部2以外の領域で透明板1を通ってハーフミラー層4に至る外光L1も凹部2内の領域で透明板1を通ってハーフミラー層4に至る外光L2もハーフミラー層4の表面で反射して再び透明板1を通り、外部へ至る。このように、凹部2以外の領域でも凹部2内の領域でも外光L1及びL2が同一のハーフミラー層4で反射する、すなわち同一の反射率で反射するため、凹部2により描かれる意匠の部分と意匠以外の部分が互いに同じ材質から形成されているように見えると共に凹部2の存在によって意匠の部分が他の部分よりも盛り上がって見え、あたかも金属板をプレスして意匠を表したような印象を与えることとなる。
【0023】
また、光源5を発光させると、図4に一点鎖線で示されるように、光源5から発した光L3がハーフミラー層4を透過し、凹部2内を通って透明板1に入射し、透明板1を透過した後、外部へ出射される。このとき、凹部2を除く領域では、光源5から発した光が遮光層3で遮断されるため、凹部2により描かれる意匠の部分のみ光って見えることとなる。
【0024】
なお、この実施の形態2においては、非発光時に外光L1及びL2が遮光層3の前面3a側に位置するハーフミラー層4で反射するため、実施の形態1のように遮光層3が光反射性を有している必要はない。したがって、遮光が可能な幅広い材質を用いて遮光層3を形成することができる。
また、例えば透明なシート材の上に意匠構成層Aを形成するハーフミラー層4と遮光層3を順次積層して、これらを一体にフィルム状あるいは薄板状に形成し、これをハーフミラー層4が透明板1を臨むように透明板1と光源5との間に挿入してもよい。
【0025】
実施の形態4
図5に示されるように、上述した実施の形態3において、全面にヘアライン等の模様が描かれた光透過性の模様層6を透明板1とハーフミラー層4との間で且つ透明板1の後面1b側の全面、すなわち凹部2に対応する領域と凹部2を除く領域の双方にわたって配置することができる。この実施の形態4においては、遮光層3とハーフミラー層4と模様層6により意匠構成層Aが形成されている。
このような構成にすると、非発光時に、凹部2以外の領域で透明板1を通ってハーフミラー層4に至る外光L1も凹部2内の領域で透明板1を通ってハーフミラー層4に至る外光L2も、模様層6を透過し、ハーフミラー層4で反射した後、再び模様層6と透明板1を透過して外部へ至る。このため、実施の形態2と同様に、凹部2により描かれる意匠の部分にも意匠以外の部分にも模様層6に描かれている模様が付随して見え、これら双方の部分が互いに同じ材質から形成されて見える効果が一層高まることとなる。
【0026】
なお、図6に示されるように、透明なシート材Bの上面に模様層6を形成すると共にシート材Bの下面にハーフミラー層4及び遮光層3を順次積層して、これらを一体にフィルム状あるいは薄板状に形成し、これを意匠構成層Aとして透明板1と光源5との間に挿入してもよい。
【0027】
実施の形態5
図7に実施の形態5に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、図1に示した実施の形態1の表示装置において、ハーフミラー層4と光源5の代わりに、鏡面型の面発光装置7を光源として遮光層3の後面3b側に配置したものである。この実施の形態5においては、遮光層3により意匠構成層Aが形成されている。
面発光装置7は、透明基板8の表面上に透明電極層9、発光層を含む有機層10、反射電極層11を積層して形成された有機エレクトロルミネッセンス素子12(以下、「有機EL素子12」という。)を有し、有機EL素子12の全体を覆うように保護層13が形成されている。透明基板8の裏面がこの面発光装置7の前面7aとして透明板1及び遮光層3に対向している。
【0028】
ここで、透明基板8は、可視光に対して透過性を有する材料から形成されればよく、ガラス、樹脂等を用いることができる。透明電極層9は、電極としての機能を有し且つ少なくとも可視光に対して透過性を有していればよく、例えばITOがその材料として採用される。
【0029】
有機層10は、発光層のみの単層、または正孔注入層、正孔輸送層、正孔注入輸送層、正孔阻止層、電子注入層、電子輸送層、電子阻止層の一層以上と発光層が積層された多層のいずれであってもよい。発光層の材料としては、少なくともAlq3やDCMなどの公知の有機発光材料が含有される。また、正孔注入層、正孔輸送層、正孔注入輸送層、正孔阻止層、電子注入層、電子輸送層、電子阻止層などは、公知の材料から適宜形成される。
反射電極層11は、電極としての機能を有し且つ少なくとも可視光に対して反射性を有すればよく、例えばAl、Cr、Mo、Al合金、Al/Mo積層体等を採用することができる。
保護層13は、例えばプラズマCVD法により形成される窒化珪素、酸窒化珪素及び酸化珪素等が用いられる。
【0030】
次に、この実施の形態5に係る表示装置の動作について説明する。面発光装置7の非発光時には、外光により透明板1を通して凹部2により表される意匠を認識することができる。このとき、透明板1の後面1b上の凹部2を除く領域に光反射性を有する遮光層3が配置されているので、透明板1を通って遮光層3に至る外光L1は、遮光層3の前面3aで反射して再び透明板1を通り、外部へ至る。
また、透明板1の凹部2には有機EL素子12の反射電極層11が対向しているので、透明板1を通って凹部2に至る外光L2は、凹部2を抜けて有機EL素子12の透明基板8、透明電極層9、有機層10を透過し、反射電極層11で反射して再び有機層10、透明電極層9、透明基板8、凹部2及び透明板1を通り、外部へ至る。
【0031】
このように、凹部2を除く領域においても、凹部2内の領域においても、同様に、外光が透明板1の後面1b側で反射するため、凹部2により描かれる意匠の部分と意匠以外の部分が互いに同じ材質から形成されているように見える。さらに、凹部2の存在によって意匠の部分が他の部分よりも盛り上がって見えるので、あたかも金属板をプレスして意匠を表したような印象を与えることとなる。
なお、遮光層3の反射率と有機EL素子12の反射電極層11の反射率が互いに近い方が、凹部2により描かれる意匠の部分と意匠以外の部分の見え方が近づくため、上記の金属板をプレスしたように見える効果は、遮光層3と反射電極層11が互いにほぼ等しい反射率を有する場合に最大となる。
【0032】
一方、有機EL素子12の透明電極層9と反射電極層11との間に電流を流して有機EL素子12を点灯すると、有機層10で発した光L3が直接透明電極層9へ入射し、あるいは反射電極層11で反射した後に透明電極層9へ入射し、さらに透明基板8を透過して面発光装置7の前面7aから出射される。この光L3は、遮光層3が存在しない凹部2内を通って透明板1に入射し、透明板1を透過した後、外部へ出射される。このとき、凹部2を除く領域では、面発光装置7から発した光が遮光層3で遮断されるため、凹部2により描かれる意匠の部分のみ光って見えることとなる。
すなわち、非発光時には、金属板をプレスして意匠を表したように見えるため、光を透過しない印象を与えるが、面発光装置7を発光させると、意匠の部分のみが光り、見映えのよい表示装置が実現される。
【0033】
この実施の形態5においては、光源として有機EL素子12を利用した面発光装置7を用いているので、表示装置を容易に薄型化することができると共に曲面形状とすることができ、自動車等の室内に設置しやすくなる。
【0034】
実施の形態6
図8に示されるように、上述した実施の形態5において、全面にヘアライン等の模様が描かれた光透過性の模様層6を透明板1と遮光層3との間で且つ透明板1の後面1b側の全面、すなわち凹部2に対応する領域と凹部2を除く領域の双方にわたって配置することができる。この実施の形態6においては、遮光層3と模様層6により意匠構成層Aが形成されている。
このような構成にすると、非発光時に透明板1を通って遮光層3に至る外光L1も凹部2に至る外光L2も、模様層6を透過し、遮光層3の前面3aあるいは有機EL素子12の反射電極層11で反射した後、再び模様層6と透明板1を透過して外部へ至る。このため、実施の形態2及び4と同様に、凹部2により描かれる意匠の部分にも意匠以外の部分にも模様層6に描かれている模様が付随して見え、これら双方の部分が互いに同じ材質から形成されて見える効果が一層高まることとなる。
【0035】
なお、例えば透明なシート材の上に意匠構成層Aを形成する模様層6と遮光層3を順次積層して、これらを一体にフィルム状あるいは薄板状に形成し、これを模様層6が透明板1を臨むように透明板1と光源5との間に挿入してもよい。
【0036】
実施の形態7
図9に実施の形態7に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、図7に示した実施の形態5の表示装置において、透明板1の後面1b側に配置された遮光層3を省略すると共に透明板1の凹部2に対応する領域のみ鏡面型の面発光装置7の前面7aから光を出射するようにしたものである。
面発光装置7の有機EL素子12の透明電極層9と有機層10との間に電気絶縁物からなる光透過性の絶縁層14がパターン形成されている。この絶縁層14は、透明板1の凹部2に対応した領域には存在しないで、透明板1の凹部2を除く領域にのみ存在するようにパターニングされている。
この絶縁層14の存在により、有機EL素子12の透明電極層9と反射電極層11との間に電流を流して有機EL素子12を点灯したときに、透明板1の凹部2に対応する領域のみ有機層10から光が発することとなる。
【0037】
面発光装置7の非発光時には、外光により透明板1を通して凹部2により表される意匠を認識することができ、絶縁層14が光透過性を有しているので、凹部2以外の領域で透明板1を通って面発光装置7に至る外光L1も凹部2内の領域で透明板1を通って面発光装置7に至る外光L2も有機EL素子12の反射電極層11で反射して再び透明板1を通り、外部へ至る。このように、凹部2以外の領域でも凹部2内の領域でも外光L1及びL2が同一の反射電極層11で反射する、すなわち同一の反射率で反射するため、凹部2により描かれる意匠の部分と意匠以外の部分が互いに同じ材質から形成されているように見えると共に凹部2の存在によって意匠の部分が他の部分よりも盛り上がって見え、あたかも金属板をプレスして意匠を表したような印象を与えることとなる。
【0038】
一方、有機EL素子12の透明電極層9と反射電極層11との間に電流を流して有機EL素子12を点灯すると、透明板1の凹部2に対応する領域のみ有機層10から光L3が発せられ、この光L3が直接透明電極層9へ入射し、あるいは反射電極層11で反射した後に透明電極層9へ入射し、さらに透明基板8を透過して面発光装置7の前面7aから出射される。この光L3は、凹部2内を通って透明板1に入射し、透明板1を透過した後、外部へ出射される。このとき、凹部2を除く領域では、絶縁層14の存在により、有機層10から光が発せられないため、凹部2により描かれる意匠の部分のみ光って見えることとなる。
すなわち、非発光時には、金属板をプレスして意匠を表したように見えるため、光を透過しない印象を与えるが、面発光装置7を発光させると、意匠の部分のみが光り、見映えのよい表示装置が実現される。
【0039】
実施の形態8
図10に示されるように、上述した実施の形態7において、全面にヘアライン等の模様が描かれた光透過性の模様層6を透明板1と面発光装置7との間で且つ透明板1の後面1b側の全面、すなわち凹部2に対応する領域と凹部2を除く領域の双方にわたって配置することができる。
このような構成にすると、非発光時に、凹部2以外の領域で透明板1を通って面発光装置7に至る外光L1も凹部2内の領域で透明板1を通って面発光装置7に至る外光L2も、模様層6を透過し、有機EL素子12の反射電極層11で反射した後、再び模様層6と透明板1を透過して外部へ至る。このため、実施の形態2、4及び6と同様に、凹部2により描かれる意匠の部分にも意匠以外の部分にも模様層6に描かれている模様が付随して見え、これら双方の部分が互いに同じ材質から形成されて見える効果が一層高まることとなる。
【0040】
実施の形態9
上述した実施の形態7及び8で用いられた面発光装置7では、絶縁層14が有機EL素子12の透明電極層9と有機層10との間にパターン形成されていたが、図11に示されるように、電気絶縁物からなる光透過性の絶縁層14を有機EL素子12の有機層10と反射電極層11との間にパターン形成してもよい。このようにしても、透明板1の凹部2に対応する領域のみ有機層10から光が発することとなり、実施の形態7及び8と同様の効果が得られる。
また、図12に示されるように、透明板1の凹部2を除く領域に対応する位置の有機EL素子12の透明電極層9を部分的に欠落させた構造としても、透明板1の凹部2に対応する領域のみ有機層10から光が発することとなり、実施の形態7及び8と同様の効果が得られる。
さらに、図13に示されるように、透明板1の凹部2を除く領域に対応する位置の有機EL素子12の有機層10を部分的に欠落させた構造としても、透明板1の凹部2に対応する領域のみ光が発することとなり、実施の形態7及び8と同様の効果が得られる。
【0041】
実施の形態10
図14に実施の形態10に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、図1に示した実施の形態1の表示装置において、遮光層3及びハーフミラー層4により形成される意匠構成層Aと光源5との間に体積拡散板15を配置したものである。
体積拡散板15は、光源5から発せられた光を拡散すると共に輝度吸収するもので、ビーズ等の多数のフィラーを含む透光性の樹脂あるいは表面に凹凸形状を有する透光性の樹脂から形成されている。
このような体積拡散板15を意匠構成層Aと光源5との間に配置することにより、輝度均一性が高くない光源5を用いても、透明板1の凹部2により描かれる意匠をより均一に光らせることができる。また、体積拡散板15によって輝度が吸収されるため、低輝度で発光する表示装置を得ることができる。
さらに、体積拡散板15により、機械的強度が増加するため、透明板1を薄型化することができ、これにより透明板1の表面1aから凹部2までの距離が短くなって奥行き感が低下し、金属板をプレスして意匠を表したような印象がより顕著に現れることとなる。
また、体積拡散板15の透過スペクトルを選択することにより、同一の光源5を用いても任意の発光色を得ることができる。
【0042】
図15に示されるように、体積拡散板15を光源5の前面から離間して配置し、光源5と体積拡散板15との間に間隔dを形成すれば、さらに光源5の輝度ムラが目立たなくなり、意匠の均一な表示が可能となる。また、この表示装置を、例えば自動車等の車両のスカッフプレート等、透明板1に荷重がかかるような使い方をしても、光源5と体積拡散板15との間の間隔dの存在により透明板1の前面1aに加わる荷重が光源5にまで及ぶことを防止することができる。なお、間隔dは、透明板1に加わる荷重によって透明板1及び体積拡散板15が変形しても体積拡散板15が光源5の前面に接触しない程度の大きさを有することが必要である。
【0043】
具体的には、図16に示されるように、上方が開放されると共に側壁に段部16が形成されたケース17の底部に光源5を固定し、段部16の上に体積拡散板15、意匠構成層A及び透明板1を順次配置することにより、光源5と体積拡散板15との間に間隔dを形成することができる。ケース17の上端部と透明板1とを超音波溶着等によって接合することで、ケース17の段部16と透明板1との間に体積拡散板15と意匠構成層Aが挟み込まれ、密封された筐体構造を得ることができる。これにより、ケース17と透明板1とがモジュール化され、表示装置全体としての機械的強度が増加すると共に、水分や埃等の異物が光源5と体積拡散板15との間に侵入することが防止される。
なお、この表示装置は、ケース17の裏面に貼付された接着テープ18を利用して車両等の設置面に固定され、例えばステンレス等の金属プレート19に形成された開口部を通して意匠が表示される。
同様にして、実施の形態2〜4の表示装置に対しても、意匠構成層Aと光源5との間に体積拡散板15を配置し、また、体積拡散板15を光源5の前面から離間して配置することができる。
【0044】
実施の形態11
図17に実施の形態11に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、実施の形態5の表示装置に体積拡散板15を適用したものである。意匠構成層Aを形成する遮光層3の後面側に体積拡散板15が配置され、体積拡散板15から間隔dを隔てて面発光装置7が配置されている。
面発光装置7の有機EL素子12として、例えば2波長以上の発光ピークを有する有機EL素子が使用される場合、各波長用の材料の電気的特性が異なるため、低電圧で有機EL素子を駆動しようとすると、色度のバラツキが発生することがある。したがって、安定した発光状態を得るためには、ある程度の電圧を印加する必要があり、このため安定した低輝度発光をさせることが困難であった。ところが、この実施の形態11によれば、体積拡散板15により輝度が吸収されるため、有機EL素子12に色度が安定する程度の高い電圧を印加しても低輝度で発光する表示装置が得られることとなる。
また、有機EL素子においては、異物によるダークスポットが発生することがあるが、体積拡散板15の存在によりダークスポットが見えにくくなり、表示装置の生産の歩留まりを向上させることが可能となる。
さらに、面発光装置7では、ガラス等からなる透明基板8が用いられているが、体積拡散板15を配置し、体積拡散板15と面発光装置7との間に間隔dを設定することにより、透明板1に加わる荷重で面発光装置7の透明基板8が損傷することを防止することができる。
同様にして、実施の形態6の表示装置に対しても、意匠構成層Aと光源5との間に体積拡散板15を配置し、また、体積拡散板15を光源5の前面から離間して配置することができる。
【0045】
実施の形態12
図18に実施の形態12に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、実施の形態7の表示装置に体積拡散板15を適用したものである。透明板1と面発光装置7との間に体積拡散板15が配置され、体積拡散板15と面発光装置7との間に間隔dが設定されている。
この場合にも、体積拡散板15の存在により、低輝度発光が可能になると共に、ダークスポットが見えにくくなって表示装置の生産の歩留まりを向上させることが可能になり、また、透明板1に加わる荷重で面発光装置7の透明基板8が損傷することを防止することができる。
同様にして、実施の形態8及び9の表示装置に対しても、透明板1と光源5との間に体積拡散板15を配置し、また、体積拡散板15を光源5の前面から離間して配置することができる。
【0046】
実施の形態13
図19に実施の形態13に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、実施の形態1の表示装置において、透明板1の後面1b上に位置決めピン31を突出形成すると共に、遮光層3及びハーフミラー層4からなる意匠構成層Aに位置決め孔32を形成し、透明板1の位置決めピン31を意匠構成層Aの位置決め孔32に挿入することで透明板1と意匠構成層Aとを相対的に位置合わせするように構成したものである。位置決めピン31と位置決め孔32によって位置決め手段が形成されている。
例えば、図16に示したようなケース17に透明板1と意匠構成層Aを組み付ける場合、透明板1と意匠構成層Aをそれぞれ独立して組み付けると、ケース17に対する透明板1の組み付け誤差と意匠構成層Aの組み付け誤差とが積み上げられるため、透明板1と意匠構成層Aの相互間の組み付け誤差が大きくなるが、この実施の形態13のような位置決め手段を用いることにより、透明板1と意匠構成層Aの組み付け誤差が小さくなり、意匠の見栄えを向上させることが可能となる。
【0047】
同様にして、実施の形態2〜6、10及び11の表示装置に対しても、透明板1の後面1b上に形成された位置決めピン31と意匠構成層Aに形成された位置決め孔32とにより透明板1と意匠構成層Aの組み付け誤差を小さくすることができる。
なお、位置決め手段は、位置決めピン31と位置決め孔32に限るものではなく、例えば図20に示されるように、透明板1の後面1bの周縁に段部33を形成し、この段部33に意匠構成層Aを嵌合させることによっても、透明板1と意匠構成層Aの組み付け誤差を小さくすることができる。
【0048】
実施の形態14
図21に実施の形態14に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、実施の形態7の表示装置において、透明板1の後面1b上に位置決めピン31を突出形成すると共に、面発光装置7の透明基板8に位置決め孔34を形成し、透明板1の位置決めピン31を面発光装置7の位置決め孔34に挿入することで透明板1と面発光装置7とを相対的に位置合わせするように構成したものである。位置決めピン31と位置決め孔34によって位置決め手段が形成されている。
これにより、透明板1と面発光装置7の組み付け誤差が小さくなり、意匠の見栄えを向上させることが可能となる。
同様にして、実施の形態8、9及び12の表示装置に対しても、透明板1の後面1b上に形成された位置決めピン31と面発光装置7に形成された位置決め孔34とにより透明板1と面発光装置7の組み付け誤差を小さくすることができる。
なお、位置決め手段は、位置決めピン31と位置決め孔34に限るものではなく、図20に示した表示装置と同様に、透明板1の後面1bの周縁に段部33を形成し、この段部33に面発光装置7を嵌合させることによっても、透明板1と面発光装置7の組み付け誤差を小さくすることができる。
【0049】
実施の形態15
図22に実施の形態15に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、実施の形態1の表示装置において、図16に示したように、金属プレート19に形成された開口部を通して意匠を表示する場合に、遮光層3に用いる材料の色を選択し、金属プレート19と遮光層3との色調を合わせたものである。
これにより、表示装置と周辺の金属プレート19との一体感が増し、見栄えのよい表示装置となる。
同様に、実施の形態2〜6、10、11及び13における遮光層3、実施の形態7〜9、12及び14における面発光装置7の反射電極層11に用いる材料の色を選択して金属プレート19との色調を合わせることができる。
【0050】
実施の形態16
図23に実施の形態16に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、実施の形態1の表示装置において、意匠構成層Aが、透明板1の凹部2に対応する領域に形成された透光層35をさらに含むものである。透光層35は、遮光層3とは異なる色を有しており、これにより透明板1の凹部2とそれ以外の領域との差が強調され、意匠がより立体的に認識されるようになる。
同様に、実施の形態2〜6、10、11及び13において透明板1の凹部2に対応する領域に透光層35を形成することができる。
【0051】
実施の形態17
上記の実施の形態1〜16においては、透明板1の後面1b側に形成される凹部2が矩形状の断面形状を有していたが、凹部2の少なくとも一部分をR付けすることもできる。例えば、図24に示されるように、凹部2の隅部分21にC面取りを設定して45度の角度で面取りすれば、この凹部2により描かれる意匠の輪郭が明確になり、金属板のプレス品のような意匠をより良く表すことができる。また、図25に示されるように、凹部2の隅部分22にR面取りを設定して湾曲形状を付与したり、図26に示されるように、凹部2を全体的に湾曲形状に形成しても、同様の効果が得られる。
【0052】
なお、図27に示されるように、隅部分にC面取りを設定して45度の角度で面取りした一対の凹部2が互いに近接すると、透明板1に入射した後、双方の凹部2のC面部でそれぞれ反射して透明板1の外部へ出射される外光L4が存在する。このような外光L4により、C面部が他の部分より光り、違和感が発生することがある。
そこで、図28に示されるように、凹部2の平面部24を曲面部23で繋ぎ、平面部24と曲面部23が角張った境界部分Eを形成するように接続することが好ましい。このようにすれば、凹部2がR付けされている場合や、図27に示されるような凹部2が平面部のみで形成されている場合と比較して、意匠をよりシャープに表示しつつ、曲面部23での同一方向への反射を防ぐことができ、意匠の立体感を確保することができる。
なお、C面部23の長さLに対するRの高さHは、H/L=1/10〜1/20程度が好ましい。
ここで、凹部2の断面形状は、表現したい意匠により自由に選択すればよい。反射を抑えて平面感を出したい場合はR付けすると好ましい。意匠を立体的に、あるいは輪郭をはっきりさせたい場合はC面取りすると好ましい。反射を抑えつつ立体感を出したい場合は凹部を平面部のみで形成すると好ましく、特に、意匠同士が近接する場合は凹部を平面部と曲面部で形成し、互いに隣接する平面部と曲面部とが角張った境界部分を形成するように接続されることが好ましい。
【0053】
実施の形態18
図29に実施の形態18に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、透明板1の凹部2を、光源5により照らし出される意匠の大きさより所定量Wだけ大きく形成したものである。具体的には、照らし出される意匠の大きさは遮光層3の開口部3cにより決定されるので、透明板1の凹部2が遮光層3の開口部3cより所定量Wだけ大きく形成されている。
これにより、意匠構成層Aと透明板1との間に組み付け誤差が存在しても、光源5により照らし出される意匠が透明板1の凹部2をはみ出すことが防止され、意匠の見栄えの低減を回避することができる。
また、遮光層3の開口部3cが透明板1の凹部2より小さく形成されているため、図29のように、透明板1の凹部2の隅部分がC面取りされている場合に、凹部2のC面部に照射される光が少なくなる。その結果、このC面部が暗く見え、意匠の立体感が強調されることとなる。
この実施の形態18は、上述した実施の形態1〜17の表示装置にそれぞれ適用することが可能である。
【0054】
なお、上記の実施の形態5〜9、12、14においては、ボトムエミッション型の有機EL装置を有する面発光装置7が使用されたが、これに限るものではなく、トップエミッション型の有機EL装置を有する鏡面型の面発光装置を使用することもできる。また、有機EL装置に限るものでもなく、無機EL装置を有する鏡面型の面発光装置を用いてもよい。
【0055】
この発明の表示装置Dは、例えば自動車等の車両の室内において、図30に示すようなスカッフプレートSに設置することができる。
スカッフプレートSに実施の形態1〜18のいずれかで構成される表示装置Dを組み込んで、例えば車種や会社名を表す文字を表示すれば、非発光時には金属板をプレスしたように見え、発光時には文字部分のみが光り、見映えのよい表示を行うことができる。また、発光時であっても、外光よりも暗い輝度(例えば10cd以下程度)で光らせることにより、周囲が明るいときには、光源が発光していても、非発光時のような見映えにさせることができる。
文字に限らず、ロゴやマーク、あるいは幾何学模様等を表示装置Dに表示させてもよい。また、この表示装置Dを車内の照明として利用することも可能である。
スカッフプレートSにこの発明の表示装置Dを組み込む場合には、ドアを開いたときに表示装置Dが点灯するように、表示装置Dをドアの開閉に連動させて駆動することが好ましい。
【0056】
スカッフプレートSの他、この発明に係る表示装置は、車両の室内の各所に設置することができる。特に、実施の形態5〜9、12、14のように、光源として有機EL素子12を利用した面発光装置7を用いれば、表示装置を容易に薄型化することができると共に曲面形状とすることができ、幅広い箇所への表示装置の設置が可能となる。
さらに、自動車等の車両に限るものではなく、建造物の室内や家具、電化製品等にこの発明の表示装置を設置することもでき、設置場所には限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施の形態1に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図2】実施の形態2に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図3】実施の形態2の変形例に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図4】実施の形態3に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図5】実施の形態4に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図6】実施の形態4の変形例に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図7】実施の形態5に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図8】実施の形態6に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図9】実施の形態7に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図10】実施の形態8に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図11】実施の形態9に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図12】実施の形態9の変形例に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図13】実施の形態9の他の変形例に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図14】実施の形態10に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図15】実施の形態10の変形例に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図16】実施の形態10の変形例に係る表示装置の全体構造を示す断面図である。
【図17】実施の形態11に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図18】実施の形態12に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図19】実施の形態13に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図20】実施の形態13の変形例に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図21】実施の形態14に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図22】実施の形態15に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図23】実施の形態16に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図24】実施の形態17に係る表示装置に用いられた透明板の凹部を示す断面図である。
【図25】実施の形態17の変形例に係る表示装置に用いられた透明板の凹部を示す断面図である。
【図26】実施の形態17の他の変形例に係る表示装置に用いられた透明板の凹部を示す断面図である。
【図27】凹部が近接した場合の問題点を示す図である。
【図28】実施の形態17のさらに他の変形例に係る表示装置に用いられた透明板の凹部を示す断面図である。
【図29】実施の形態18に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図30】この発明の表示装置がスカッフプレートに適用された車両の室内を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
1 透明板、2 凹部、3 遮光層、4 ハーフミラー層、5 光源、6 模様層、7 面発光装置、8 透明基板、9 透明電極層、10 有機層、11 反射電極層、12 有機EL素子、13 保護層、14 絶縁層、15 体積拡散板、16,33 段部、17 ケース、18 接着テープ、19 金属プレート、21,22 隅部分、23 C面部、24 平面部、31 位置決めピン、32,34 位置決め孔、35 透光層、1a,3a,4a,7a 前面、1b,3b 後面、3c 開口部、A 意匠構成層、B シート材、D 表示装置、L1〜L3 光、S スカッフプレート、d 間隔、E 境界部分。
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置に係り、特に文字、図形等の被表示物を発光表示すると共に非発光時の見映えをよくする表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、透明な前面カバーの背面に凹部を形成すると共に凹部を除く領域の前面カバーの背面上に遮光層を形成し、ハーフミラーを備えたライトガイドを前面カバーの背面側に配置すると共にこのライトガイドの背面側に光源としてLEDを配置した発光装飾品が開示されている。LEDから発せられた光は、ライトガイドで拡散された後、ハーフミラーを透過して前面カバーの凹部から外部へ出射される。LEDの非発光時には、外光が前面カバーの凹部を通り、ハーフミラーで反射された後に再び凹部を通って外部へ至る。
したがって、前面カバーの凹部を発光表示させる一方、前面カバーの凹部内に入った外光を反射させることができる。
【0003】
【特許文献1】特開平5−238325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の発光装飾品では、非発光時に前面カバーの凹部内に入った外光はハーフミラーで反射されるものの、前面カバーの凹部を除く領域においては、外光が遮光層で遮断されるので、前面カバーの凹部とはまったく異なった見え方となる。このため、前面カバーの凹部とそれ以外の領域とが互いに異なった材質からなることが強調されてしまい、見映えがよくないという問題がある。
【0005】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、発光時に被表示物となる意匠を発光表示しながらも非発光時であっても見映えがよい表示装置を提供することを目的とする。
また、発光時であっても、外光よりも暗い輝度(例えば10cd以下程度)で光らせることにより、周囲が明るいときには、光源が発光していても、非発光時のような見映えにさせることが可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る第1の表示装置は、表示しようとする意匠に対応したパターンの凹部が後面側に形成された透明板と、透明板の後面側に配置された意匠構成層と、意匠構成層の後面側に配置された光源とを備え、意匠構成層が、透明板の凹部を除く領域に配置されると共に透明板に対向する前面が光反射性を有する遮光層と、遮光層の後面側で且つ少なくとも透明板の凹部に対応する領域に配置されるハーフミラー層とを含むものである。
好ましくは、遮光層とハーフミラー層が、互いにほぼ等しい反射率を有している。換言すれば、遮光層及びハーフミラー層は、互いにほぼ等しい反射スペクトルである。この構成により、意匠に対応したパターン(ハーフミラー層)の色と意匠に対応したパターン以外の部分(遮光層)の色が、反射によっても相対的に変化しないため、透明板全体で構成される意匠の一体感(同じ材質感)が表現できる。
意匠構成層が、透明板と遮光層との間で且つ透明板の後面側の全面にわたって配置されると共に所望の模様が描かれた光透過性の模様層をさらに含むこともできる。
【0007】
この発明に係る第2の表示装置は、表示しようとする意匠に対応したパターンの凹部が後面側に形成された透明板と、透明板の後面側に配置された意匠構成層と、意匠構成層の後面側に配置された光源とを備え、意匠構成層が、透明板の後面側の全面にわたって配置されるハーフミラー層と、ハーフミラー層の後面側で且つ透明板の凹部を除く領域に配置される遮光層とを含むものである。
意匠構成層は、透明板とハーフミラー層との間で且つ透明板の後面側の全面にわたって配置されると共に所望の模様が描かれた光透過性の模様層をさらに含むことができる。
【0008】
この発明に係る第3の表示装置は、表示しようとする意匠に対応したパターンの凹部が後面側に形成された透明板と、透明板の後面側に配置された意匠構成層と、意匠構成層の後面側で且つ少なくとも透明板の凹部に対応する領域に配置されると共に後面側に反射層を有し且つ前面から光を出射する鏡面型の面発光装置からなる光源とを備え、意匠構成層が、透明板の凹部を除く領域に配置されると共に透明板に対向する前面が光反射性を有する遮光層を含むものである。
好ましくは、遮光層と面発光装置の反射層が、互いにほぼ等しい反射率を有している。
意匠構成層は、透明板と遮光層との間で且つ透明板の後面側の全面にわたって配置されると共に所望の模様が描かれた光透過性の模様層をさらに含むこともできる。
面発光装置として、反射層を形成する反射電極層と、透明電極層と、これら反射電極層及び透明電極層の間に介在する発光層とを含むエレクトロルミネッセンス装置を用いてもよい。
上記の第1〜第3の表示装置において、意匠構成層は、透明板の凹部に対応する領域に形成され且つ遮光層とは異なる色の透光層をさらに含むこともできる。
また、意匠構成層と光源との間にさらに体積拡散板を配置してもよい。好ましくは、体積拡散板は、光源の前面から離間して配置される。
意匠構成層は、透明板から独立した薄板状に形成することができる。さらに、透明板と意匠構成層とを相対的に位置合わせするための位置決め手段を備えることもできる。
【0009】
この発明に係る第4の表示装置は、表示しようとする意匠に対応したパターンの凹部が後面側に形成された透明板と、透明板の後面側に配置されると共に後面側に反射層を有し且つ透明板の凹部に対応する領域のみ前面から光を出射する鏡面型の面発光装置からなる光源とを備えたものである。
透明板と面発光装置との間で且つ透明板の後面側の全面にわたって配置されると共に所望の模様が描かれた光透過性の模様層をさらに備えることができる。
面発光装置として、反射層を形成する反射電極層と、透明電極層と、これら反射電極層及び透明電極層の間に介在する発光層とを含むエレクトロルミネッセンス装置を用いてもよい。この場合、透明板の凹部を除く領域に対応する位置の発光層及び透明電極層のうち少なくとも一方を部分的に欠落させる、または、透明板の凹部を除く領域に対応する位置の反射電極層と発光層との間あるいは発光層と透明電極層との間に光透過性の絶縁層を形成することにより、透明板の凹部に対応する領域のみ光を出射させることができる。
透明板と光源との間にさらに体積拡散板を配置してもよい。好ましくは、体積拡散板は、光源の前面から離間して配置される。
また、透明板と光源とを相対的に位置合わせするための位置決め手段を備えることもできる。
【0010】
上記の第1〜第4の表示装置において、透明板の凹部の少なくとも一部分をR付けすることもできる。透明板の凹部がC面取りされていてもよい。また、透明板の凹部は、複数の平面部から形成することもできる。あるいは、透明板の凹部が互いに接続された複数の平面部と曲面部からなっていてもよい。この場合、さらに、互いに隣接する平面部と曲面部とが角張った境界部分を形成するように接続することができる。
また、透明板の凹部を、光源により照らし出される意匠の大きさより所定量だけ大きく形成することもできる。さらに、第1〜第4の表示装置において、模様層の模様をヘアライン調とすることができる。
なお、第1〜第4の表示装置における「表示しようとする意匠」は、文字、図形、記号、模様、及びこれらのうちの2以上の組み合わせを含むものである。
また、第3及び第4の表示装置における「面発光装置」は、平面形状でもよいし、曲面形状であってもよい。また、平面形状と曲面形状を組み合わせて意匠に合わせた形状を有していてもよい。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、被表示物となる意匠を発光表示することができるだけでなく、非発光時でも見映えがよい表示装置を実現することができる。また、発光時であっても、外光よりも暗い輝度(例えば10cd以下程度)で光らせることにより、周囲が明るいときには、光源が発光していても、非発光時のような見映えにさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に実施の形態1に係る表示装置の断面を示す。表示装置は、透明板1を有しており、透明板1の後面1b側にこの表示装置で表示しようとする意匠に対応したパターンの凹部2が形成されている。透明板1の後面1b上には、凹部2を除く領域に遮光層3が配置されている。この遮光層3は、透明板1の後面1bに対向する前面3aが光反射性を有している。遮光層3の後面3b側には、透明板1の全面にわたってハーフミラー層4が配置されている。さらに、ハーフミラー層4の後面側に光源5が配置されている。遮光層3とハーフミラー層4により意匠構成層Aが形成されている。
【0013】
透明板1としては、ポリカーボネートやアクリル等の透明な樹脂板を用いることができるが、ガラス板を使用することもでき、凹部2の加工が可能な透明材であれば材質は限定されない。
光反射性を有する遮光層3は、透明板1の後面1bの凹部2を除く領域に例えばAl、Cr、Mo等の金属材料を蒸着することにより、あるいはこれらの金属材料からなるシートを貼付することにより形成することができる。
ハーフミラー層4としては、例えばAl、Cr、Mo等の金属材料から形成されたハーフミラーシートを用いることができる。あるいは、光源5の前面上にAl、Cr、Mo等の金属材料を蒸着やスパッタリングすることによりハーフミラー層4を形成してもよい。
【0014】
また、例えば透明なシート材の上に意匠構成層Aを形成するハーフミラー層4と遮光層3を順次積層して、これらを一体にフィルム状あるいは薄板状に形成し、これを透明板1と光源5との間に挿入してもよい。ハーフミラー層4は少なくとも透明板1の凹部2に対応する領域にのみ配置されていればよいので、透明なシート材の上あるいは光源5の前面上に、透明板1の凹部2に対応する領域にはハーフミラー層4を、透明板1の凹部2を除く領域には遮光層3をそれぞれのパターンに形成することもできる。
光源5としては、少なくとも透明板1の凹部2に対応する領域に光を発することができるものであればよく、LED、蛍光管等を配列したものや、LED、蛍光管等からの光をライトガイドで案内するものを使用することができる。さらに、エレクトロルミネッセンス素子等の面発光装置を用いることもできる。
【0015】
次に、この実施の形態1に係る表示装置の動作について説明する。この表示装置は、透明板1の凹部2により描かれた意匠を表示するものであり、例えば透明板1の前面1aを室内に向けた状態で車両の室内等に設置される。
光源5の非発光時には、外光により透明板1を通して凹部2により表される意匠を認識することができる。このとき、透明板1の後面1b上の凹部2を除く領域に光反射性を有する遮光層3が配置されているので、透明板1を通って遮光層3に至る外光L1は、遮光層3の前面3aで反射して再び透明板1を通り、外部へ至る。また、透明板1の凹部2にはハーフミラー層4が対向しているので、透明板1を通って凹部2に至る外光L2は、凹部2を抜けてハーフミラー層4に入射し、ハーフミラー層4の表面で反射して再び透明板1を通り、外部へ至る。
【0016】
このように、凹部2を除く領域においても、凹部2内の領域においても、同様に、外光が透明板1の後面1b側で反射するため、凹部2により描かれる意匠の部分と意匠以外の部分が互いに同じ材質から形成されているように見える。さらに、凹部2の存在によって意匠の部分が他の部分よりも盛り上がって見えるので、あたかも金属板をプレスして意匠を表したような印象を与えることとなる。
なお、遮光層3の反射率とハーフミラー層4の反射率が互いに近い方が、凹部2により描かれる意匠の部分と意匠以外の部分の見え方が近づくため、上記の金属板をプレスしたように見える効果は、遮光層3とハーフミラー層4が互いにほぼ等しい反射率を有する場合に最大となる。
【0017】
一方、光源5を発光させると、図1に一点鎖線で示されるように、光源5から発した光L3がハーフミラー層4を透過し、遮光層3が存在しない凹部2内を通って透明板1に入射し、透明板1を透過した後、外部へ出射される。このとき、凹部2を除く領域では、光源5から発した光が遮光層3で遮断されるため、凹部2により描かれる意匠の部分のみ光って見えることとなる。
すなわち、非発光時には、金属板をプレスして意匠を表したように見えるため、光を透過しない印象を与えるが、光源5を発光させると、意匠の部分のみが光り、見映えのよい表示装置が実現される。
【0018】
実施の形態2
図2に示されるように、上述した実施の形態1において、模様層6を透明板1と遮光層3との間で且つ透明板1の後面1b側の全面、すなわち凹部2に対応する領域と凹部2を除く領域の双方にわたって配置することができる。この模様層6は、全面にヘアライン等の模様が描かれたものであり、概ね光透過性を有している。この実施の形態2においては、遮光層3とハーフミラー層4と模様層6により意匠構成層Aが形成されている。
このような構成にすると、非発光時に透明板1を通って遮光層3に至る外光L1も凹部2に至る外光L2も、模様層6を透過し、遮光層3の前面3aあるいはハーフミラー層4で反射した後、再び模様層6と透明板1を透過して外部へ至る。このため、凹部2により描かれる意匠の部分にも意匠以外の部分にも模様層6に描かれている模様が付随して見え、これら双方の部分が互いに同じ材質から形成されて見える効果が一層高まることとなる。
【0019】
例えば、ヘアラインの模様を有する模様層6を用いれば、アルミ板のヘアライン処理を施したプレートをプレスして意匠を表したように見え、高級感を向上させることができる。なお、模様層6の模様は、ヘアラインに限るものではなく、各種の形状、大きさを有する模様を描くことができるが、特に、この表示装置を壁面や床面、天井面等に設置する場合に、表示装置の周辺領域の模様と同じ模様の模様層6を用いれば、周辺との一体感を高めることが可能となる。
【0020】
また、図3に示されるように、透明なシート材Bの上にハーフミラー層4、遮光層3、模様層6を順次積層して、これらを一体にフィルム状あるいは薄板状に形成し、これを意匠構成層Aとして透明板1と光源5との間に挿入してもよい。
【0021】
実施の形態3
図4に実施の形態3に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、図1に示した実施の形態1の表示装置において、遮光層3の後面3b側にハーフミラー層4を配置する代わりに、透明板1の後面1bと遮光層3の前面3aとの間にハーフミラー層4を配置し、これら遮光層3とハーフミラー層4により意匠構成層Aを形成したものである。実施の形態1と同様に、ハーフミラー層4は透明板1の全面にわたって配置され、遮光層3は透明板1の凹部2を除く領域に配置されている。
【0022】
光源5の非発光時には、外光により透明板1を通して凹部2により表される意匠を認識することができ、凹部2以外の領域で透明板1を通ってハーフミラー層4に至る外光L1も凹部2内の領域で透明板1を通ってハーフミラー層4に至る外光L2もハーフミラー層4の表面で反射して再び透明板1を通り、外部へ至る。このように、凹部2以外の領域でも凹部2内の領域でも外光L1及びL2が同一のハーフミラー層4で反射する、すなわち同一の反射率で反射するため、凹部2により描かれる意匠の部分と意匠以外の部分が互いに同じ材質から形成されているように見えると共に凹部2の存在によって意匠の部分が他の部分よりも盛り上がって見え、あたかも金属板をプレスして意匠を表したような印象を与えることとなる。
【0023】
また、光源5を発光させると、図4に一点鎖線で示されるように、光源5から発した光L3がハーフミラー層4を透過し、凹部2内を通って透明板1に入射し、透明板1を透過した後、外部へ出射される。このとき、凹部2を除く領域では、光源5から発した光が遮光層3で遮断されるため、凹部2により描かれる意匠の部分のみ光って見えることとなる。
【0024】
なお、この実施の形態2においては、非発光時に外光L1及びL2が遮光層3の前面3a側に位置するハーフミラー層4で反射するため、実施の形態1のように遮光層3が光反射性を有している必要はない。したがって、遮光が可能な幅広い材質を用いて遮光層3を形成することができる。
また、例えば透明なシート材の上に意匠構成層Aを形成するハーフミラー層4と遮光層3を順次積層して、これらを一体にフィルム状あるいは薄板状に形成し、これをハーフミラー層4が透明板1を臨むように透明板1と光源5との間に挿入してもよい。
【0025】
実施の形態4
図5に示されるように、上述した実施の形態3において、全面にヘアライン等の模様が描かれた光透過性の模様層6を透明板1とハーフミラー層4との間で且つ透明板1の後面1b側の全面、すなわち凹部2に対応する領域と凹部2を除く領域の双方にわたって配置することができる。この実施の形態4においては、遮光層3とハーフミラー層4と模様層6により意匠構成層Aが形成されている。
このような構成にすると、非発光時に、凹部2以外の領域で透明板1を通ってハーフミラー層4に至る外光L1も凹部2内の領域で透明板1を通ってハーフミラー層4に至る外光L2も、模様層6を透過し、ハーフミラー層4で反射した後、再び模様層6と透明板1を透過して外部へ至る。このため、実施の形態2と同様に、凹部2により描かれる意匠の部分にも意匠以外の部分にも模様層6に描かれている模様が付随して見え、これら双方の部分が互いに同じ材質から形成されて見える効果が一層高まることとなる。
【0026】
なお、図6に示されるように、透明なシート材Bの上面に模様層6を形成すると共にシート材Bの下面にハーフミラー層4及び遮光層3を順次積層して、これらを一体にフィルム状あるいは薄板状に形成し、これを意匠構成層Aとして透明板1と光源5との間に挿入してもよい。
【0027】
実施の形態5
図7に実施の形態5に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、図1に示した実施の形態1の表示装置において、ハーフミラー層4と光源5の代わりに、鏡面型の面発光装置7を光源として遮光層3の後面3b側に配置したものである。この実施の形態5においては、遮光層3により意匠構成層Aが形成されている。
面発光装置7は、透明基板8の表面上に透明電極層9、発光層を含む有機層10、反射電極層11を積層して形成された有機エレクトロルミネッセンス素子12(以下、「有機EL素子12」という。)を有し、有機EL素子12の全体を覆うように保護層13が形成されている。透明基板8の裏面がこの面発光装置7の前面7aとして透明板1及び遮光層3に対向している。
【0028】
ここで、透明基板8は、可視光に対して透過性を有する材料から形成されればよく、ガラス、樹脂等を用いることができる。透明電極層9は、電極としての機能を有し且つ少なくとも可視光に対して透過性を有していればよく、例えばITOがその材料として採用される。
【0029】
有機層10は、発光層のみの単層、または正孔注入層、正孔輸送層、正孔注入輸送層、正孔阻止層、電子注入層、電子輸送層、電子阻止層の一層以上と発光層が積層された多層のいずれであってもよい。発光層の材料としては、少なくともAlq3やDCMなどの公知の有機発光材料が含有される。また、正孔注入層、正孔輸送層、正孔注入輸送層、正孔阻止層、電子注入層、電子輸送層、電子阻止層などは、公知の材料から適宜形成される。
反射電極層11は、電極としての機能を有し且つ少なくとも可視光に対して反射性を有すればよく、例えばAl、Cr、Mo、Al合金、Al/Mo積層体等を採用することができる。
保護層13は、例えばプラズマCVD法により形成される窒化珪素、酸窒化珪素及び酸化珪素等が用いられる。
【0030】
次に、この実施の形態5に係る表示装置の動作について説明する。面発光装置7の非発光時には、外光により透明板1を通して凹部2により表される意匠を認識することができる。このとき、透明板1の後面1b上の凹部2を除く領域に光反射性を有する遮光層3が配置されているので、透明板1を通って遮光層3に至る外光L1は、遮光層3の前面3aで反射して再び透明板1を通り、外部へ至る。
また、透明板1の凹部2には有機EL素子12の反射電極層11が対向しているので、透明板1を通って凹部2に至る外光L2は、凹部2を抜けて有機EL素子12の透明基板8、透明電極層9、有機層10を透過し、反射電極層11で反射して再び有機層10、透明電極層9、透明基板8、凹部2及び透明板1を通り、外部へ至る。
【0031】
このように、凹部2を除く領域においても、凹部2内の領域においても、同様に、外光が透明板1の後面1b側で反射するため、凹部2により描かれる意匠の部分と意匠以外の部分が互いに同じ材質から形成されているように見える。さらに、凹部2の存在によって意匠の部分が他の部分よりも盛り上がって見えるので、あたかも金属板をプレスして意匠を表したような印象を与えることとなる。
なお、遮光層3の反射率と有機EL素子12の反射電極層11の反射率が互いに近い方が、凹部2により描かれる意匠の部分と意匠以外の部分の見え方が近づくため、上記の金属板をプレスしたように見える効果は、遮光層3と反射電極層11が互いにほぼ等しい反射率を有する場合に最大となる。
【0032】
一方、有機EL素子12の透明電極層9と反射電極層11との間に電流を流して有機EL素子12を点灯すると、有機層10で発した光L3が直接透明電極層9へ入射し、あるいは反射電極層11で反射した後に透明電極層9へ入射し、さらに透明基板8を透過して面発光装置7の前面7aから出射される。この光L3は、遮光層3が存在しない凹部2内を通って透明板1に入射し、透明板1を透過した後、外部へ出射される。このとき、凹部2を除く領域では、面発光装置7から発した光が遮光層3で遮断されるため、凹部2により描かれる意匠の部分のみ光って見えることとなる。
すなわち、非発光時には、金属板をプレスして意匠を表したように見えるため、光を透過しない印象を与えるが、面発光装置7を発光させると、意匠の部分のみが光り、見映えのよい表示装置が実現される。
【0033】
この実施の形態5においては、光源として有機EL素子12を利用した面発光装置7を用いているので、表示装置を容易に薄型化することができると共に曲面形状とすることができ、自動車等の室内に設置しやすくなる。
【0034】
実施の形態6
図8に示されるように、上述した実施の形態5において、全面にヘアライン等の模様が描かれた光透過性の模様層6を透明板1と遮光層3との間で且つ透明板1の後面1b側の全面、すなわち凹部2に対応する領域と凹部2を除く領域の双方にわたって配置することができる。この実施の形態6においては、遮光層3と模様層6により意匠構成層Aが形成されている。
このような構成にすると、非発光時に透明板1を通って遮光層3に至る外光L1も凹部2に至る外光L2も、模様層6を透過し、遮光層3の前面3aあるいは有機EL素子12の反射電極層11で反射した後、再び模様層6と透明板1を透過して外部へ至る。このため、実施の形態2及び4と同様に、凹部2により描かれる意匠の部分にも意匠以外の部分にも模様層6に描かれている模様が付随して見え、これら双方の部分が互いに同じ材質から形成されて見える効果が一層高まることとなる。
【0035】
なお、例えば透明なシート材の上に意匠構成層Aを形成する模様層6と遮光層3を順次積層して、これらを一体にフィルム状あるいは薄板状に形成し、これを模様層6が透明板1を臨むように透明板1と光源5との間に挿入してもよい。
【0036】
実施の形態7
図9に実施の形態7に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、図7に示した実施の形態5の表示装置において、透明板1の後面1b側に配置された遮光層3を省略すると共に透明板1の凹部2に対応する領域のみ鏡面型の面発光装置7の前面7aから光を出射するようにしたものである。
面発光装置7の有機EL素子12の透明電極層9と有機層10との間に電気絶縁物からなる光透過性の絶縁層14がパターン形成されている。この絶縁層14は、透明板1の凹部2に対応した領域には存在しないで、透明板1の凹部2を除く領域にのみ存在するようにパターニングされている。
この絶縁層14の存在により、有機EL素子12の透明電極層9と反射電極層11との間に電流を流して有機EL素子12を点灯したときに、透明板1の凹部2に対応する領域のみ有機層10から光が発することとなる。
【0037】
面発光装置7の非発光時には、外光により透明板1を通して凹部2により表される意匠を認識することができ、絶縁層14が光透過性を有しているので、凹部2以外の領域で透明板1を通って面発光装置7に至る外光L1も凹部2内の領域で透明板1を通って面発光装置7に至る外光L2も有機EL素子12の反射電極層11で反射して再び透明板1を通り、外部へ至る。このように、凹部2以外の領域でも凹部2内の領域でも外光L1及びL2が同一の反射電極層11で反射する、すなわち同一の反射率で反射するため、凹部2により描かれる意匠の部分と意匠以外の部分が互いに同じ材質から形成されているように見えると共に凹部2の存在によって意匠の部分が他の部分よりも盛り上がって見え、あたかも金属板をプレスして意匠を表したような印象を与えることとなる。
【0038】
一方、有機EL素子12の透明電極層9と反射電極層11との間に電流を流して有機EL素子12を点灯すると、透明板1の凹部2に対応する領域のみ有機層10から光L3が発せられ、この光L3が直接透明電極層9へ入射し、あるいは反射電極層11で反射した後に透明電極層9へ入射し、さらに透明基板8を透過して面発光装置7の前面7aから出射される。この光L3は、凹部2内を通って透明板1に入射し、透明板1を透過した後、外部へ出射される。このとき、凹部2を除く領域では、絶縁層14の存在により、有機層10から光が発せられないため、凹部2により描かれる意匠の部分のみ光って見えることとなる。
すなわち、非発光時には、金属板をプレスして意匠を表したように見えるため、光を透過しない印象を与えるが、面発光装置7を発光させると、意匠の部分のみが光り、見映えのよい表示装置が実現される。
【0039】
実施の形態8
図10に示されるように、上述した実施の形態7において、全面にヘアライン等の模様が描かれた光透過性の模様層6を透明板1と面発光装置7との間で且つ透明板1の後面1b側の全面、すなわち凹部2に対応する領域と凹部2を除く領域の双方にわたって配置することができる。
このような構成にすると、非発光時に、凹部2以外の領域で透明板1を通って面発光装置7に至る外光L1も凹部2内の領域で透明板1を通って面発光装置7に至る外光L2も、模様層6を透過し、有機EL素子12の反射電極層11で反射した後、再び模様層6と透明板1を透過して外部へ至る。このため、実施の形態2、4及び6と同様に、凹部2により描かれる意匠の部分にも意匠以外の部分にも模様層6に描かれている模様が付随して見え、これら双方の部分が互いに同じ材質から形成されて見える効果が一層高まることとなる。
【0040】
実施の形態9
上述した実施の形態7及び8で用いられた面発光装置7では、絶縁層14が有機EL素子12の透明電極層9と有機層10との間にパターン形成されていたが、図11に示されるように、電気絶縁物からなる光透過性の絶縁層14を有機EL素子12の有機層10と反射電極層11との間にパターン形成してもよい。このようにしても、透明板1の凹部2に対応する領域のみ有機層10から光が発することとなり、実施の形態7及び8と同様の効果が得られる。
また、図12に示されるように、透明板1の凹部2を除く領域に対応する位置の有機EL素子12の透明電極層9を部分的に欠落させた構造としても、透明板1の凹部2に対応する領域のみ有機層10から光が発することとなり、実施の形態7及び8と同様の効果が得られる。
さらに、図13に示されるように、透明板1の凹部2を除く領域に対応する位置の有機EL素子12の有機層10を部分的に欠落させた構造としても、透明板1の凹部2に対応する領域のみ光が発することとなり、実施の形態7及び8と同様の効果が得られる。
【0041】
実施の形態10
図14に実施の形態10に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、図1に示した実施の形態1の表示装置において、遮光層3及びハーフミラー層4により形成される意匠構成層Aと光源5との間に体積拡散板15を配置したものである。
体積拡散板15は、光源5から発せられた光を拡散すると共に輝度吸収するもので、ビーズ等の多数のフィラーを含む透光性の樹脂あるいは表面に凹凸形状を有する透光性の樹脂から形成されている。
このような体積拡散板15を意匠構成層Aと光源5との間に配置することにより、輝度均一性が高くない光源5を用いても、透明板1の凹部2により描かれる意匠をより均一に光らせることができる。また、体積拡散板15によって輝度が吸収されるため、低輝度で発光する表示装置を得ることができる。
さらに、体積拡散板15により、機械的強度が増加するため、透明板1を薄型化することができ、これにより透明板1の表面1aから凹部2までの距離が短くなって奥行き感が低下し、金属板をプレスして意匠を表したような印象がより顕著に現れることとなる。
また、体積拡散板15の透過スペクトルを選択することにより、同一の光源5を用いても任意の発光色を得ることができる。
【0042】
図15に示されるように、体積拡散板15を光源5の前面から離間して配置し、光源5と体積拡散板15との間に間隔dを形成すれば、さらに光源5の輝度ムラが目立たなくなり、意匠の均一な表示が可能となる。また、この表示装置を、例えば自動車等の車両のスカッフプレート等、透明板1に荷重がかかるような使い方をしても、光源5と体積拡散板15との間の間隔dの存在により透明板1の前面1aに加わる荷重が光源5にまで及ぶことを防止することができる。なお、間隔dは、透明板1に加わる荷重によって透明板1及び体積拡散板15が変形しても体積拡散板15が光源5の前面に接触しない程度の大きさを有することが必要である。
【0043】
具体的には、図16に示されるように、上方が開放されると共に側壁に段部16が形成されたケース17の底部に光源5を固定し、段部16の上に体積拡散板15、意匠構成層A及び透明板1を順次配置することにより、光源5と体積拡散板15との間に間隔dを形成することができる。ケース17の上端部と透明板1とを超音波溶着等によって接合することで、ケース17の段部16と透明板1との間に体積拡散板15と意匠構成層Aが挟み込まれ、密封された筐体構造を得ることができる。これにより、ケース17と透明板1とがモジュール化され、表示装置全体としての機械的強度が増加すると共に、水分や埃等の異物が光源5と体積拡散板15との間に侵入することが防止される。
なお、この表示装置は、ケース17の裏面に貼付された接着テープ18を利用して車両等の設置面に固定され、例えばステンレス等の金属プレート19に形成された開口部を通して意匠が表示される。
同様にして、実施の形態2〜4の表示装置に対しても、意匠構成層Aと光源5との間に体積拡散板15を配置し、また、体積拡散板15を光源5の前面から離間して配置することができる。
【0044】
実施の形態11
図17に実施の形態11に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、実施の形態5の表示装置に体積拡散板15を適用したものである。意匠構成層Aを形成する遮光層3の後面側に体積拡散板15が配置され、体積拡散板15から間隔dを隔てて面発光装置7が配置されている。
面発光装置7の有機EL素子12として、例えば2波長以上の発光ピークを有する有機EL素子が使用される場合、各波長用の材料の電気的特性が異なるため、低電圧で有機EL素子を駆動しようとすると、色度のバラツキが発生することがある。したがって、安定した発光状態を得るためには、ある程度の電圧を印加する必要があり、このため安定した低輝度発光をさせることが困難であった。ところが、この実施の形態11によれば、体積拡散板15により輝度が吸収されるため、有機EL素子12に色度が安定する程度の高い電圧を印加しても低輝度で発光する表示装置が得られることとなる。
また、有機EL素子においては、異物によるダークスポットが発生することがあるが、体積拡散板15の存在によりダークスポットが見えにくくなり、表示装置の生産の歩留まりを向上させることが可能となる。
さらに、面発光装置7では、ガラス等からなる透明基板8が用いられているが、体積拡散板15を配置し、体積拡散板15と面発光装置7との間に間隔dを設定することにより、透明板1に加わる荷重で面発光装置7の透明基板8が損傷することを防止することができる。
同様にして、実施の形態6の表示装置に対しても、意匠構成層Aと光源5との間に体積拡散板15を配置し、また、体積拡散板15を光源5の前面から離間して配置することができる。
【0045】
実施の形態12
図18に実施の形態12に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、実施の形態7の表示装置に体積拡散板15を適用したものである。透明板1と面発光装置7との間に体積拡散板15が配置され、体積拡散板15と面発光装置7との間に間隔dが設定されている。
この場合にも、体積拡散板15の存在により、低輝度発光が可能になると共に、ダークスポットが見えにくくなって表示装置の生産の歩留まりを向上させることが可能になり、また、透明板1に加わる荷重で面発光装置7の透明基板8が損傷することを防止することができる。
同様にして、実施の形態8及び9の表示装置に対しても、透明板1と光源5との間に体積拡散板15を配置し、また、体積拡散板15を光源5の前面から離間して配置することができる。
【0046】
実施の形態13
図19に実施の形態13に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、実施の形態1の表示装置において、透明板1の後面1b上に位置決めピン31を突出形成すると共に、遮光層3及びハーフミラー層4からなる意匠構成層Aに位置決め孔32を形成し、透明板1の位置決めピン31を意匠構成層Aの位置決め孔32に挿入することで透明板1と意匠構成層Aとを相対的に位置合わせするように構成したものである。位置決めピン31と位置決め孔32によって位置決め手段が形成されている。
例えば、図16に示したようなケース17に透明板1と意匠構成層Aを組み付ける場合、透明板1と意匠構成層Aをそれぞれ独立して組み付けると、ケース17に対する透明板1の組み付け誤差と意匠構成層Aの組み付け誤差とが積み上げられるため、透明板1と意匠構成層Aの相互間の組み付け誤差が大きくなるが、この実施の形態13のような位置決め手段を用いることにより、透明板1と意匠構成層Aの組み付け誤差が小さくなり、意匠の見栄えを向上させることが可能となる。
【0047】
同様にして、実施の形態2〜6、10及び11の表示装置に対しても、透明板1の後面1b上に形成された位置決めピン31と意匠構成層Aに形成された位置決め孔32とにより透明板1と意匠構成層Aの組み付け誤差を小さくすることができる。
なお、位置決め手段は、位置決めピン31と位置決め孔32に限るものではなく、例えば図20に示されるように、透明板1の後面1bの周縁に段部33を形成し、この段部33に意匠構成層Aを嵌合させることによっても、透明板1と意匠構成層Aの組み付け誤差を小さくすることができる。
【0048】
実施の形態14
図21に実施の形態14に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、実施の形態7の表示装置において、透明板1の後面1b上に位置決めピン31を突出形成すると共に、面発光装置7の透明基板8に位置決め孔34を形成し、透明板1の位置決めピン31を面発光装置7の位置決め孔34に挿入することで透明板1と面発光装置7とを相対的に位置合わせするように構成したものである。位置決めピン31と位置決め孔34によって位置決め手段が形成されている。
これにより、透明板1と面発光装置7の組み付け誤差が小さくなり、意匠の見栄えを向上させることが可能となる。
同様にして、実施の形態8、9及び12の表示装置に対しても、透明板1の後面1b上に形成された位置決めピン31と面発光装置7に形成された位置決め孔34とにより透明板1と面発光装置7の組み付け誤差を小さくすることができる。
なお、位置決め手段は、位置決めピン31と位置決め孔34に限るものではなく、図20に示した表示装置と同様に、透明板1の後面1bの周縁に段部33を形成し、この段部33に面発光装置7を嵌合させることによっても、透明板1と面発光装置7の組み付け誤差を小さくすることができる。
【0049】
実施の形態15
図22に実施の形態15に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、実施の形態1の表示装置において、図16に示したように、金属プレート19に形成された開口部を通して意匠を表示する場合に、遮光層3に用いる材料の色を選択し、金属プレート19と遮光層3との色調を合わせたものである。
これにより、表示装置と周辺の金属プレート19との一体感が増し、見栄えのよい表示装置となる。
同様に、実施の形態2〜6、10、11及び13における遮光層3、実施の形態7〜9、12及び14における面発光装置7の反射電極層11に用いる材料の色を選択して金属プレート19との色調を合わせることができる。
【0050】
実施の形態16
図23に実施の形態16に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、実施の形態1の表示装置において、意匠構成層Aが、透明板1の凹部2に対応する領域に形成された透光層35をさらに含むものである。透光層35は、遮光層3とは異なる色を有しており、これにより透明板1の凹部2とそれ以外の領域との差が強調され、意匠がより立体的に認識されるようになる。
同様に、実施の形態2〜6、10、11及び13において透明板1の凹部2に対応する領域に透光層35を形成することができる。
【0051】
実施の形態17
上記の実施の形態1〜16においては、透明板1の後面1b側に形成される凹部2が矩形状の断面形状を有していたが、凹部2の少なくとも一部分をR付けすることもできる。例えば、図24に示されるように、凹部2の隅部分21にC面取りを設定して45度の角度で面取りすれば、この凹部2により描かれる意匠の輪郭が明確になり、金属板のプレス品のような意匠をより良く表すことができる。また、図25に示されるように、凹部2の隅部分22にR面取りを設定して湾曲形状を付与したり、図26に示されるように、凹部2を全体的に湾曲形状に形成しても、同様の効果が得られる。
【0052】
なお、図27に示されるように、隅部分にC面取りを設定して45度の角度で面取りした一対の凹部2が互いに近接すると、透明板1に入射した後、双方の凹部2のC面部でそれぞれ反射して透明板1の外部へ出射される外光L4が存在する。このような外光L4により、C面部が他の部分より光り、違和感が発生することがある。
そこで、図28に示されるように、凹部2の平面部24を曲面部23で繋ぎ、平面部24と曲面部23が角張った境界部分Eを形成するように接続することが好ましい。このようにすれば、凹部2がR付けされている場合や、図27に示されるような凹部2が平面部のみで形成されている場合と比較して、意匠をよりシャープに表示しつつ、曲面部23での同一方向への反射を防ぐことができ、意匠の立体感を確保することができる。
なお、C面部23の長さLに対するRの高さHは、H/L=1/10〜1/20程度が好ましい。
ここで、凹部2の断面形状は、表現したい意匠により自由に選択すればよい。反射を抑えて平面感を出したい場合はR付けすると好ましい。意匠を立体的に、あるいは輪郭をはっきりさせたい場合はC面取りすると好ましい。反射を抑えつつ立体感を出したい場合は凹部を平面部のみで形成すると好ましく、特に、意匠同士が近接する場合は凹部を平面部と曲面部で形成し、互いに隣接する平面部と曲面部とが角張った境界部分を形成するように接続されることが好ましい。
【0053】
実施の形態18
図29に実施の形態18に係る表示装置の断面を示す。この表示装置は、透明板1の凹部2を、光源5により照らし出される意匠の大きさより所定量Wだけ大きく形成したものである。具体的には、照らし出される意匠の大きさは遮光層3の開口部3cにより決定されるので、透明板1の凹部2が遮光層3の開口部3cより所定量Wだけ大きく形成されている。
これにより、意匠構成層Aと透明板1との間に組み付け誤差が存在しても、光源5により照らし出される意匠が透明板1の凹部2をはみ出すことが防止され、意匠の見栄えの低減を回避することができる。
また、遮光層3の開口部3cが透明板1の凹部2より小さく形成されているため、図29のように、透明板1の凹部2の隅部分がC面取りされている場合に、凹部2のC面部に照射される光が少なくなる。その結果、このC面部が暗く見え、意匠の立体感が強調されることとなる。
この実施の形態18は、上述した実施の形態1〜17の表示装置にそれぞれ適用することが可能である。
【0054】
なお、上記の実施の形態5〜9、12、14においては、ボトムエミッション型の有機EL装置を有する面発光装置7が使用されたが、これに限るものではなく、トップエミッション型の有機EL装置を有する鏡面型の面発光装置を使用することもできる。また、有機EL装置に限るものでもなく、無機EL装置を有する鏡面型の面発光装置を用いてもよい。
【0055】
この発明の表示装置Dは、例えば自動車等の車両の室内において、図30に示すようなスカッフプレートSに設置することができる。
スカッフプレートSに実施の形態1〜18のいずれかで構成される表示装置Dを組み込んで、例えば車種や会社名を表す文字を表示すれば、非発光時には金属板をプレスしたように見え、発光時には文字部分のみが光り、見映えのよい表示を行うことができる。また、発光時であっても、外光よりも暗い輝度(例えば10cd以下程度)で光らせることにより、周囲が明るいときには、光源が発光していても、非発光時のような見映えにさせることができる。
文字に限らず、ロゴやマーク、あるいは幾何学模様等を表示装置Dに表示させてもよい。また、この表示装置Dを車内の照明として利用することも可能である。
スカッフプレートSにこの発明の表示装置Dを組み込む場合には、ドアを開いたときに表示装置Dが点灯するように、表示装置Dをドアの開閉に連動させて駆動することが好ましい。
【0056】
スカッフプレートSの他、この発明に係る表示装置は、車両の室内の各所に設置することができる。特に、実施の形態5〜9、12、14のように、光源として有機EL素子12を利用した面発光装置7を用いれば、表示装置を容易に薄型化することができると共に曲面形状とすることができ、幅広い箇所への表示装置の設置が可能となる。
さらに、自動車等の車両に限るものではなく、建造物の室内や家具、電化製品等にこの発明の表示装置を設置することもでき、設置場所には限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施の形態1に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図2】実施の形態2に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図3】実施の形態2の変形例に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図4】実施の形態3に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図5】実施の形態4に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図6】実施の形態4の変形例に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図7】実施の形態5に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図8】実施の形態6に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図9】実施の形態7に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図10】実施の形態8に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図11】実施の形態9に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図12】実施の形態9の変形例に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図13】実施の形態9の他の変形例に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図14】実施の形態10に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図15】実施の形態10の変形例に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図16】実施の形態10の変形例に係る表示装置の全体構造を示す断面図である。
【図17】実施の形態11に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図18】実施の形態12に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図19】実施の形態13に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図20】実施の形態13の変形例に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図21】実施の形態14に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図22】実施の形態15に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図23】実施の形態16に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図24】実施の形態17に係る表示装置に用いられた透明板の凹部を示す断面図である。
【図25】実施の形態17の変形例に係る表示装置に用いられた透明板の凹部を示す断面図である。
【図26】実施の形態17の他の変形例に係る表示装置に用いられた透明板の凹部を示す断面図である。
【図27】凹部が近接した場合の問題点を示す図である。
【図28】実施の形態17のさらに他の変形例に係る表示装置に用いられた透明板の凹部を示す断面図である。
【図29】実施の形態18に係る表示装置の構造を示す断面図である。
【図30】この発明の表示装置がスカッフプレートに適用された車両の室内を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
1 透明板、2 凹部、3 遮光層、4 ハーフミラー層、5 光源、6 模様層、7 面発光装置、8 透明基板、9 透明電極層、10 有機層、11 反射電極層、12 有機EL素子、13 保護層、14 絶縁層、15 体積拡散板、16,33 段部、17 ケース、18 接着テープ、19 金属プレート、21,22 隅部分、23 C面部、24 平面部、31 位置決めピン、32,34 位置決め孔、35 透光層、1a,3a,4a,7a 前面、1b,3b 後面、3c 開口部、A 意匠構成層、B シート材、D 表示装置、L1〜L3 光、S スカッフプレート、d 間隔、E 境界部分。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示しようとする意匠に対応したパターンの凹部が後面側に形成された透明板と、
前記透明板の後面側に配置された意匠構成層と、
前記意匠構成層の後面側に配置された光源と
を備え、前記意匠構成層は、
前記透明板の凹部を除く領域に配置されると共に前記透明板に対向する前面が光反射性を有する遮光層と、
前記遮光層の後面側で且つ少なくとも前記透明板の凹部に対応する領域に配置されるハーフミラー層と
を含むことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記遮光層と前記ハーフミラー層は、互いにほぼ等しい反射率を有する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記遮光層及び前記ハーフミラー層は、互いにほぼ等しい反射スペクトルである請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記意匠構成層は、前記透明板と前記遮光層との間で且つ前記透明板の後面側の全面にわたって配置されると共に所望の模様が描かれた光透過性の模様層をさらに含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
表示しようとする意匠に対応したパターンの凹部が後面側に形成された透明板と、
前記透明板の後面側に配置された意匠構成層と、
前記意匠構成層の後面側に配置された光源と
を備え、前記意匠構成層は、
前記透明板の後面側の全面にわたって配置されるハーフミラー層と、
前記ハーフミラー層の後面側で且つ前記透明板の凹部を除く領域に配置される遮光層と
を含むことを特徴とする表示装置。
【請求項6】
前記意匠構成層は、前記透明板と前記ハーフミラー層との間で且つ前記透明板の後面側の全面にわたって配置されると共に所望の模様が描かれた光透過性の模様層をさらに含む請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
表示しようとする意匠に対応したパターンの凹部が後面側に形成された透明板と、
前記透明板の後面側に配置された意匠構成層と、
前記意匠構成層の後面側で且つ少なくとも前記透明板の凹部に対応する領域に配置されると共に後面側に反射層を有し且つ前面から光を出射する鏡面型の面発光装置からなる光源と
を備え、前記意匠構成層は、
前記透明板の凹部を除く領域に配置されると共に前記透明板に対向する前面が光反射性を有する遮光層を含むことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
前記遮光層と前記面発光装置の反射層は、互いにほぼ等しい反射率を有する請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記意匠構成層は、前記透明板と前記遮光層との間で且つ前記透明板の後面側の全面にわたって配置されると共に所望の模様が描かれた光透過性の模様層をさらに含む請求項7または8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記面発光装置は、前記反射層を形成する反射電極層と、透明電極層と、これら反射電極層及び透明電極層の間に介在する発光層とを含むエレクトロルミネッセンス装置からなる請求項7〜9のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記意匠構成層は、前記透明板の凹部に対応する領域に形成され且つ前記遮光層とは異なる色の透光層をさらに含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記意匠構成層と前記光源との間に配置された体積拡散板をさらに備えた請求項1〜11のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記体積拡散板は、前記光源の前面から離間して配置された請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記意匠構成層は、前記透明板から独立した薄板状に形成されている請求項1〜13のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項15】
前記透明板と前記意匠構成層とを相対的に位置合わせするための位置決め手段を備えた請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
表示しようとする意匠に対応したパターンの凹部が後面側に形成された透明板と、
前記透明板の後面側に配置されると共に後面側に反射層を有し且つ前記透明板の凹部に対応する領域のみ前面から光を出射する鏡面型の面発光装置からなる光源と
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項17】
前記透明板と前記面発光装置との間で且つ前記透明板の後面側の全面にわたって配置されると共に所望の模様が描かれた光透過性の模様層をさらに備えた請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記面発光装置は、前記反射層を形成する反射電極層と、透明電極層と、これら反射電極層及び透明電極層の間に介在する発光層とを含むエレクトロルミネッセンス装置からなる請求項16または17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記透明板の凹部を除く領域に対応する位置の前記透明電極層が部分的に欠落している請求項18に記載の表示装置。
【請求項20】
前記透明板の凹部を除く領域に対応する位置の前記反射電極層と前記発光層との間あるいは前記発光層と前記透明電極層との間に光透過性の絶縁層が形成された請求項18に記載の表示装置。
【請求項21】
前記透明板と前記光源との間に配置された体積拡散板をさらに備えた請求項16〜20のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項22】
前記体積拡散板は、前記光源の前面から離間して配置された請求項21に記載の表示装置。
【請求項23】
前記透明板と前記光源とを相対的に位置合わせするための位置決め手段を備えた請求項16〜22のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項24】
前記透明板の凹部の少なくとも一部分がR付けされている請求項1〜23のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項25】
前記透明板の凹部がC面取りされている請求項1〜23のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項26】
前記透明板の凹部が複数の平面部からなる請求項1〜23のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項27】
前記透明板の凹部が互いに接続された複数の平面部と曲面部からなる請求項1〜23のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項28】
互いに隣接する前記平面部と前記曲面部とが角張った境界部分を形成するように接続されている請求項27に記載の表示装置。
【請求項29】
前記透明板の凹部は、前記光源により照らし出される意匠の大きさより所定量だけ大きく形成されている請求項1〜28のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項30】
前記模様がヘアライン調である請求項4、6、9及び17のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項1】
表示しようとする意匠に対応したパターンの凹部が後面側に形成された透明板と、
前記透明板の後面側に配置された意匠構成層と、
前記意匠構成層の後面側に配置された光源と
を備え、前記意匠構成層は、
前記透明板の凹部を除く領域に配置されると共に前記透明板に対向する前面が光反射性を有する遮光層と、
前記遮光層の後面側で且つ少なくとも前記透明板の凹部に対応する領域に配置されるハーフミラー層と
を含むことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記遮光層と前記ハーフミラー層は、互いにほぼ等しい反射率を有する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記遮光層及び前記ハーフミラー層は、互いにほぼ等しい反射スペクトルである請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記意匠構成層は、前記透明板と前記遮光層との間で且つ前記透明板の後面側の全面にわたって配置されると共に所望の模様が描かれた光透過性の模様層をさらに含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
表示しようとする意匠に対応したパターンの凹部が後面側に形成された透明板と、
前記透明板の後面側に配置された意匠構成層と、
前記意匠構成層の後面側に配置された光源と
を備え、前記意匠構成層は、
前記透明板の後面側の全面にわたって配置されるハーフミラー層と、
前記ハーフミラー層の後面側で且つ前記透明板の凹部を除く領域に配置される遮光層と
を含むことを特徴とする表示装置。
【請求項6】
前記意匠構成層は、前記透明板と前記ハーフミラー層との間で且つ前記透明板の後面側の全面にわたって配置されると共に所望の模様が描かれた光透過性の模様層をさらに含む請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
表示しようとする意匠に対応したパターンの凹部が後面側に形成された透明板と、
前記透明板の後面側に配置された意匠構成層と、
前記意匠構成層の後面側で且つ少なくとも前記透明板の凹部に対応する領域に配置されると共に後面側に反射層を有し且つ前面から光を出射する鏡面型の面発光装置からなる光源と
を備え、前記意匠構成層は、
前記透明板の凹部を除く領域に配置されると共に前記透明板に対向する前面が光反射性を有する遮光層を含むことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
前記遮光層と前記面発光装置の反射層は、互いにほぼ等しい反射率を有する請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記意匠構成層は、前記透明板と前記遮光層との間で且つ前記透明板の後面側の全面にわたって配置されると共に所望の模様が描かれた光透過性の模様層をさらに含む請求項7または8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記面発光装置は、前記反射層を形成する反射電極層と、透明電極層と、これら反射電極層及び透明電極層の間に介在する発光層とを含むエレクトロルミネッセンス装置からなる請求項7〜9のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記意匠構成層は、前記透明板の凹部に対応する領域に形成され且つ前記遮光層とは異なる色の透光層をさらに含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記意匠構成層と前記光源との間に配置された体積拡散板をさらに備えた請求項1〜11のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記体積拡散板は、前記光源の前面から離間して配置された請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記意匠構成層は、前記透明板から独立した薄板状に形成されている請求項1〜13のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項15】
前記透明板と前記意匠構成層とを相対的に位置合わせするための位置決め手段を備えた請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
表示しようとする意匠に対応したパターンの凹部が後面側に形成された透明板と、
前記透明板の後面側に配置されると共に後面側に反射層を有し且つ前記透明板の凹部に対応する領域のみ前面から光を出射する鏡面型の面発光装置からなる光源と
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項17】
前記透明板と前記面発光装置との間で且つ前記透明板の後面側の全面にわたって配置されると共に所望の模様が描かれた光透過性の模様層をさらに備えた請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記面発光装置は、前記反射層を形成する反射電極層と、透明電極層と、これら反射電極層及び透明電極層の間に介在する発光層とを含むエレクトロルミネッセンス装置からなる請求項16または17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記透明板の凹部を除く領域に対応する位置の前記透明電極層が部分的に欠落している請求項18に記載の表示装置。
【請求項20】
前記透明板の凹部を除く領域に対応する位置の前記反射電極層と前記発光層との間あるいは前記発光層と前記透明電極層との間に光透過性の絶縁層が形成された請求項18に記載の表示装置。
【請求項21】
前記透明板と前記光源との間に配置された体積拡散板をさらに備えた請求項16〜20のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項22】
前記体積拡散板は、前記光源の前面から離間して配置された請求項21に記載の表示装置。
【請求項23】
前記透明板と前記光源とを相対的に位置合わせするための位置決め手段を備えた請求項16〜22のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項24】
前記透明板の凹部の少なくとも一部分がR付けされている請求項1〜23のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項25】
前記透明板の凹部がC面取りされている請求項1〜23のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項26】
前記透明板の凹部が複数の平面部からなる請求項1〜23のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項27】
前記透明板の凹部が互いに接続された複数の平面部と曲面部からなる請求項1〜23のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項28】
互いに隣接する前記平面部と前記曲面部とが角張った境界部分を形成するように接続されている請求項27に記載の表示装置。
【請求項29】
前記透明板の凹部は、前記光源により照らし出される意匠の大きさより所定量だけ大きく形成されている請求項1〜28のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項30】
前記模様がヘアライン調である請求項4、6、9及び17のいずれか一項に記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2007−316584(P2007−316584A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−335500(P2006−335500)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】
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