表示装置
【課題】光を拡散する光学シートと、光学シートを透過した光により映像を表示する表示パネルとの間に互いの密着を回避するために必要な最小限の間隙を確保して、薄型化を図ることができる表示装置を提供する。
【解決手段】シート支持フレーム3及びシート支持部の正面に、拡散板8aと略同寸のスペーサ部31及びスペーサ部をそれぞれ設け、シート支持フレーム3及びシート支持部の正面に、離隔部材4を設けることにより、多層型偏光ミラー膜8dと、表示パネル6との間に互いの密着を回避するために必要な最小限の間隙を確保して、光学シート8が膨張したときには、前記光学シート8は周囲の空間へ向けて伸長し、光学シート8に皺を発生させない構成とした。
【解決手段】シート支持フレーム3及びシート支持部の正面に、拡散板8aと略同寸のスペーサ部31及びスペーサ部をそれぞれ設け、シート支持フレーム3及びシート支持部の正面に、離隔部材4を設けることにより、多層型偏光ミラー膜8dと、表示パネル6との間に互いの密着を回避するために必要な最小限の間隙を確保して、光学シート8が膨張したときには、前記光学シート8は周囲の空間へ向けて伸長し、光学シート8に皺を発生させない構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は映像を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の液晶表示装置は、蛍光管から照射された光を拡散する光学シートを支持するシート支持部をバックライトシャーシに設け、該シート支持部に光学シートの厚さ以上の寸法のスペーサ部を設け、該スペーサ部により確保された空間に光学シートを配置し、該光学シートの正面側に、映像を表示する表示パネルを支持するパネル支持部を設け、該パネル支持部にて表示パネルを支持していた。
前記スペーサ部により、前記光学シートと、前記表示パネルとの間に両者の接触を回避するための間隙を確保し、前記光学シートに蛍光管の熱が伝導して、前記光学シートが膨張した場合でも、前記光学シートに皺が発生することを防ぎ、表示性能が低下することを回避していた。(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−66359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前記光学シートと、前記表示パネルとが仮に接触したとしても、前記光学シートと、前記表示パネルとが前記光学シートの膨張を妨げる程度に密着していなければ、前記光学シートに蛍光管の熱が伝導しても光学シートに皺は発生しないため、前記スペーサ部により、光学シートと、前記表示パネルとの間に確保されている間隙は、前記光学シートと、前記表示パネルとの密着を回避するための間隙としては大き過ぎるという問題点があった。
【0004】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、パネル支持部及びシート支持部の間に、光学シートの厚さよりも短い寸法のスペーサ部を設け、前記パネル支持部に表示パネル及び光学シートを離隔させる離隔部材を設けることにより、前記光学シートと、前記表示パネルとの間に互いの密着を回避するために必要な最小限の間隙を確保して、薄型化を図ることができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る表示装置は、光源から照射された光を拡散する光学シートを支持するシート支持部と、前記光学シートを透過した光により映像を表示する表示パネルを支持するパネル支持部と、該パネル支持部及びシート支持部の間に設けてあり、前記光学シートを収容する空間を確保するためのスペーサ部とを備える表示装置において、前記スペーサ部の寸法は、前記光学シートの厚さよりも短くしてあり、前記パネル支持部に、前記表示パネル及び光学シートを離隔させる離隔部材を設けてあることを特徴とする。
【0006】
本発明においては、パネル支持部及びシート支持部の間に、光学シートの厚さよりも短い寸法のスペーサ部を設け、前記パネル支持部に表示パネル及び光学シートを離隔させる離隔部材を設け、前記光学シートと、前記表示パネルとの間に互いの密着を回避するために必要な最小限の間隙を確保し、光学シートが膨張したときには、光学シートの周囲にある空間へ向けて光学シートは伸長する。
【0007】
本発明に係る表示装置は、前記離隔部材は弾性を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、前記離隔部材を圧縮し、前記表示パネルと、前記光学シートとを近接させる。
【0009】
本発明に係る表示装置は、前記パネル支持部に対向するベゼルを備え、該ベゼル及びパネル支持部の間で前記離隔部材を挟圧してあることを特徴とする。
【0010】
本発明においては、前記ベゼル及びパネル支持部にて前記離隔部材を挟圧し、前記表示パネルと、前記光学シートとを近接させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る表示装置にあっては、パネル支持部及びシート支持部の間に、光学シートの厚さよりも短い寸法のスペーサ部を設け、前記パネル支持部に表示パネル及び光学シートを離隔させる離隔部材を設け、前記光学シートと、前記表示パネルとの間に互いの密着を回避するために必要な最小限の間隙を確保し、光学シートが膨張したときには、光学シートの周囲にある空間へ向けて光学シートが伸長して、光学シートに皺を発生させることなく薄型化を図ることができる。
【0012】
また弾性を備える離隔部材を設けることにより、前記離隔部材を圧縮し、前記光学シートと、前記表示パネルとを近接させて、薄型化を図ることができる。
【0013】
また前記パネル支持部に対向するベゼルを設けることにより、ベゼル及びパネル支持部の間で前記離隔部材を挟圧し、前記表示パネルと、前記光学シートとを近接させて、薄型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下本発明を実施の形態に係る表示装置を示す図面に基づいて詳述する。図1は表示装置の略示斜視図、図2は図1におけるII−II線での略示側面断面図、図3は図1におけるIII−III線での略示平面断面図、図4はシート支持フレーム及びパネル支持フレームの略示斜視図、図5はランプホルダの略示斜視図、図6は図1におけるVI−VI線での略示側面断面図、図7は図1におけるVII−VII線での略示側面断面図、図8は図1におけるVIII−VIII線での略示側面断面図である。
【0015】
図において1はリヤキャビネットであり、該リヤキャビネット1の正面側に、蛍光管9を収容する矩形箱状のバックライトシャーシ2が配置してある。図6に示す如く、前記リヤキャビネット1に、正面側に窪んでおり、貫通した円筒状のボス部13が設けてあり、該ボス部13に対応するねじ溝を備えるビス孔23が前記バックライトシャーシ2に設けてある。前記ボス部13にビスS1を挿入して、前記ビス孔23に螺合し、前記バックライトシャーシ2と、前記リヤキャビネット1とを連結してある。
【0016】
前記バックライトシャーシ2の正面上側部及び正面下側部に沿って、側断面形状がクランク状になっており、上下寸法に対して左右寸法の長い二つのシート支持フレーム3、3がそれぞれ設けてある。該シート支持フレーム3は光を拡散する拡散板8aを正面にて支持している。前記拡散板8aの正面中央部には集光機能を有するプリズムシート8bが設けてあり、該プリズムシート8b上に光を拡散する四枚の拡散シート8cが重ねてある。また該拡散シート8c上には輝度を向上させる多層型偏光ミラー膜8dが設けてある。なお前記拡散板8a、プリズムシート8b、拡散シート8c、及び多層型偏光ミラー膜8dにより、光学シート8が構成されている。
【0017】
次に二つの前記シート支持フレーム3、3の正面に配置される二つのパネル支持フレーム30、30について説明する。
パネル支持フレーム30は、拡散板8aの厚さと略同寸の奥行寸法を有しており、奥行寸法に対して左右寸法の長い板状のスペーサ部31を備えている。該スペーサ部31は、前記拡散板8aの縁との間に間隔を空けて、前記シート支持フレーム3の正面に略垂直に配置してある。前記スペーサ部31の奥行寸法の略二倍の上下寸法を有しており、上下寸法に対して左右寸法が長い板状のパネル支持部32が、前記スペーサ部31に対して直角に前記スペーサ部31の正面に設けてある。該パネル支持部32の奥行寸法は、前記プリズムシート8b、及び四枚の拡散シート8cの厚さの合計と略同寸である。
【0018】
前記パネル支持部32の正面に、弾性を有する横長板状の離隔部材4を設けてあり、該離隔部材4の奥行寸法は前記多層型偏光ミラー膜8dの厚さの略二倍になっている。前記離隔部材4の正面に映像を表示する矩形の表示パネル6を載置してあり、該表示パネル6の正面縁部分には矩形枠状の弾性部材5を介して矩形のベゼル7が設けてある。
【0019】
図7に示すように、前記パネル支持部32及びスペーサ部31に連なり、表示装置を補強するブロック状の補強部33が、前記ベゼル7の背面に設けてある。該補強部33の正面には、背面側に窪んでおり、内側にねじ溝を備える有底円筒状のボス部33aが設けてある。該ボス部33aに対応するビス孔7aが前記ベゼル7に開設してあり、該ビス孔7aにビスS2を挿通して、前記ボス部33aの底面に当接するまで螺合し、前記離隔部材4及び弾性部材5を圧縮して、前記表示パネル6を、前記ベゼル7と、前記パネル支持部3bとの間で挟持し、前記ベゼル7、弾性部材5、表示パネル6、離隔部材4、及びパネル支持フレーム30を一つのユニットにしてある。
【0020】
また図8に示すように、前記補強部33の前記ボス部33aから離隔した位置に、円筒状に貫通したボス部33bが設けてあり、該ボス部33bに対応する貫通孔7bが前記ベゼル7に設けてある。また前記ボス部33b及び貫通孔7bに対応しており、円筒状に貫通したねじ溝を備えるボス部2bが前記バックライトシャーシ2に設けてある。
【0021】
次に、前記バックライトシャーシ2の正面左右側部にそれぞれ設けてあり、前記シート支持フレーム3、3と共に拡散板8aを支持し、前記パネル支持フレーム30、30と共に表示パネル6を支持する二つのランプホルダ10、10について説明する。
【0022】
該ランプホルダ10は、前記バックライトシャーシ2の正面側部にて上下方向に並設してあり、前記蛍光管9を保持する複数のソケット部10d、10d、・・・・10dを備えている。また前記ランプホルダ10は、前記ソケット部10d、10d、・・・・10dを覆っており、正面板部及び左右側面板部からなる縦長のシート支持部10aを備えており、該シート支持部10aの正面にて前記拡散板8aを支持している。該シート支持部10aの正面は、前記シート支持フレーム3の正面と同一面内にある。
【0023】
前記シート支持部10aの正面に対して垂直に、前記拡散板8aの厚さと略同寸の奥行寸法を有しており、奥行寸法に対して上下寸法の長い板状のスペーサ部10cが、前記拡散板8aの縁との間に間隔を空けて設けてある。該スペーサ部10cの奥行寸法よりもやや大きい左右寸法を有しており、前記シート支持部10aの正面に平行な縦長板状のパネル支持部10bが、スペーサ部10cの正面に設けてある。前記パネル支持部10bの奥行寸法は、前記プリズムシート8b、及び四枚の拡散シート8cの厚さの合計と略同寸である。また前記パネル支持部10bの正面には弾性を有する縦長板状の離隔部材40が設けてあり、該離隔部材40の奥行寸法は前記多層型偏光ミラー膜8dの厚さの略二倍になっている。
【0024】
前記ベゼル7、弾性部材5、表示パネル6、離隔部材4、及びパネル支持フレーム30からなる前記ユニットを前記パネル支持フレーム30及びランプホルダ10の正面に配置して、前記表示パネル6の背面左右側部を前記離隔部材40に当接させ、前記貫通孔7b及びボス部33bにビスS3を挿入して、前記ボス部2bにて螺合し、前記離隔部材40を圧縮して、前記表示パネル6と、前記多層型偏光ミラー膜8dとの間に約0.2mm幅の間隙を形成してある。
【0025】
前記リヤキャビネット1の上下側部には、図2に示す如く、二つの凹部1a、1aがそれぞれ設けてあり、該凹部1a、1aに対応する二つの爪部11a、11aがフロントキャビネット11に設けてある。該爪部11a、11aを前記凹部1a、1aに係合して、前記フロントキャビネット11を前記リヤキャビネット1に取り付けてある。
【0026】
なお表示パネル6と、多層型偏光ミラー膜8dとの間に形成される間隙幅は、表示装置の設計段階おいて以下に示す要領で決定される。表1は前記拡散板8a、プリズムシート8b、拡散シート8c及び多層型偏光ミラー膜8dの厚さの公差に関する表である。表1において各公差をaとして表記してある。
【0027】
【表1】
【0028】
表1に示すように、各公差の自乗平均から導き出される最大公差は約0.12mmとなる。該最大公差を超える公差が発生する場合を考慮すれば、前記多層型偏光ミラー膜8dと、前記表示パネル6との間に形成される間隙幅は、約0.2mmが適当である。
【0029】
実施の形態に係る表示装置にあっては、シート支持フレーム3及びシート支持部10aの正面に、拡散板8aと略同寸のスペーサ部31及びスペーサ部10cをそれぞれ設け、前記シート支持フレーム3及びシート支持部10aの正面に、離隔部材4及び離隔部材40をそれぞれ設けることにより、前記多層型偏光ミラー膜8dと、前記表示パネル6との間に互いの密着を回避するために必要な最小限の間隙を確保して、前記光学シート8が膨張したときには、前記光学シート8は周囲の空間へ向けて伸長し、光学シート8に皺を発生させることなく薄型化を図ることができる。
【0030】
また前記離隔部材4及び離隔部材40を圧縮して、前記表示パネル6と、前記多層型偏光ミラー膜8dとを近接させて、薄型化を図ることができる。
【0031】
なお前記拡散板8a、プリズムシート8b、拡散シート8c及び多層型偏光ミラー膜8dの厚さの公差によって、前記シート支持フレーム3、パネル支持フレーム30及びランプホルダ10の設計が変更されることは言うまでもない。また前記シート支持フレーム3及びパネル支持フレーム30は一体成形されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施の形態に係る表示装置の略示斜視図である。
【図2】実施の形態に係る表示装置のII−II線での略示側面断面図である。
【図3】実施の形態に係る表示装置のIII−III線での略示平面断面図である。
【図4】実施の形態に係る表示装置の支持フレームの略示斜視図である。
【図5】実施の形態に係る表示装置のランプホルダの略示斜視図である。
【図6】実施の形態に係る表示装置のVI−VI線での略示側面断面図である。
【図7】実施の形態に係る表示装置のVII−VII線での略示側面断面図である。
【図8】実施の形態に係る表示装置のVIII−VIII線での略示側面断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 リヤキャビネット
2 バックライトシャーシ
3 シート支持フレーム(シート支持部)
4、40 離隔部材
5 弾性部材
6 表示パネル
7 ベゼル
8 光学シート
8a 拡散板
8b プリズムシート
8c 拡散シート
8d 多層型偏光ミラー膜
9 蛍光管
10 ランプホルダ
10a シート支持部
10b パネル支持部
10c スペーサ部
10d ソケット部
30 パネル支持フレーム
32 パネル支持部
【技術分野】
【0001】
本発明は映像を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の液晶表示装置は、蛍光管から照射された光を拡散する光学シートを支持するシート支持部をバックライトシャーシに設け、該シート支持部に光学シートの厚さ以上の寸法のスペーサ部を設け、該スペーサ部により確保された空間に光学シートを配置し、該光学シートの正面側に、映像を表示する表示パネルを支持するパネル支持部を設け、該パネル支持部にて表示パネルを支持していた。
前記スペーサ部により、前記光学シートと、前記表示パネルとの間に両者の接触を回避するための間隙を確保し、前記光学シートに蛍光管の熱が伝導して、前記光学シートが膨張した場合でも、前記光学シートに皺が発生することを防ぎ、表示性能が低下することを回避していた。(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−66359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前記光学シートと、前記表示パネルとが仮に接触したとしても、前記光学シートと、前記表示パネルとが前記光学シートの膨張を妨げる程度に密着していなければ、前記光学シートに蛍光管の熱が伝導しても光学シートに皺は発生しないため、前記スペーサ部により、光学シートと、前記表示パネルとの間に確保されている間隙は、前記光学シートと、前記表示パネルとの密着を回避するための間隙としては大き過ぎるという問題点があった。
【0004】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、パネル支持部及びシート支持部の間に、光学シートの厚さよりも短い寸法のスペーサ部を設け、前記パネル支持部に表示パネル及び光学シートを離隔させる離隔部材を設けることにより、前記光学シートと、前記表示パネルとの間に互いの密着を回避するために必要な最小限の間隙を確保して、薄型化を図ることができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る表示装置は、光源から照射された光を拡散する光学シートを支持するシート支持部と、前記光学シートを透過した光により映像を表示する表示パネルを支持するパネル支持部と、該パネル支持部及びシート支持部の間に設けてあり、前記光学シートを収容する空間を確保するためのスペーサ部とを備える表示装置において、前記スペーサ部の寸法は、前記光学シートの厚さよりも短くしてあり、前記パネル支持部に、前記表示パネル及び光学シートを離隔させる離隔部材を設けてあることを特徴とする。
【0006】
本発明においては、パネル支持部及びシート支持部の間に、光学シートの厚さよりも短い寸法のスペーサ部を設け、前記パネル支持部に表示パネル及び光学シートを離隔させる離隔部材を設け、前記光学シートと、前記表示パネルとの間に互いの密着を回避するために必要な最小限の間隙を確保し、光学シートが膨張したときには、光学シートの周囲にある空間へ向けて光学シートは伸長する。
【0007】
本発明に係る表示装置は、前記離隔部材は弾性を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、前記離隔部材を圧縮し、前記表示パネルと、前記光学シートとを近接させる。
【0009】
本発明に係る表示装置は、前記パネル支持部に対向するベゼルを備え、該ベゼル及びパネル支持部の間で前記離隔部材を挟圧してあることを特徴とする。
【0010】
本発明においては、前記ベゼル及びパネル支持部にて前記離隔部材を挟圧し、前記表示パネルと、前記光学シートとを近接させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る表示装置にあっては、パネル支持部及びシート支持部の間に、光学シートの厚さよりも短い寸法のスペーサ部を設け、前記パネル支持部に表示パネル及び光学シートを離隔させる離隔部材を設け、前記光学シートと、前記表示パネルとの間に互いの密着を回避するために必要な最小限の間隙を確保し、光学シートが膨張したときには、光学シートの周囲にある空間へ向けて光学シートが伸長して、光学シートに皺を発生させることなく薄型化を図ることができる。
【0012】
また弾性を備える離隔部材を設けることにより、前記離隔部材を圧縮し、前記光学シートと、前記表示パネルとを近接させて、薄型化を図ることができる。
【0013】
また前記パネル支持部に対向するベゼルを設けることにより、ベゼル及びパネル支持部の間で前記離隔部材を挟圧し、前記表示パネルと、前記光学シートとを近接させて、薄型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下本発明を実施の形態に係る表示装置を示す図面に基づいて詳述する。図1は表示装置の略示斜視図、図2は図1におけるII−II線での略示側面断面図、図3は図1におけるIII−III線での略示平面断面図、図4はシート支持フレーム及びパネル支持フレームの略示斜視図、図5はランプホルダの略示斜視図、図6は図1におけるVI−VI線での略示側面断面図、図7は図1におけるVII−VII線での略示側面断面図、図8は図1におけるVIII−VIII線での略示側面断面図である。
【0015】
図において1はリヤキャビネットであり、該リヤキャビネット1の正面側に、蛍光管9を収容する矩形箱状のバックライトシャーシ2が配置してある。図6に示す如く、前記リヤキャビネット1に、正面側に窪んでおり、貫通した円筒状のボス部13が設けてあり、該ボス部13に対応するねじ溝を備えるビス孔23が前記バックライトシャーシ2に設けてある。前記ボス部13にビスS1を挿入して、前記ビス孔23に螺合し、前記バックライトシャーシ2と、前記リヤキャビネット1とを連結してある。
【0016】
前記バックライトシャーシ2の正面上側部及び正面下側部に沿って、側断面形状がクランク状になっており、上下寸法に対して左右寸法の長い二つのシート支持フレーム3、3がそれぞれ設けてある。該シート支持フレーム3は光を拡散する拡散板8aを正面にて支持している。前記拡散板8aの正面中央部には集光機能を有するプリズムシート8bが設けてあり、該プリズムシート8b上に光を拡散する四枚の拡散シート8cが重ねてある。また該拡散シート8c上には輝度を向上させる多層型偏光ミラー膜8dが設けてある。なお前記拡散板8a、プリズムシート8b、拡散シート8c、及び多層型偏光ミラー膜8dにより、光学シート8が構成されている。
【0017】
次に二つの前記シート支持フレーム3、3の正面に配置される二つのパネル支持フレーム30、30について説明する。
パネル支持フレーム30は、拡散板8aの厚さと略同寸の奥行寸法を有しており、奥行寸法に対して左右寸法の長い板状のスペーサ部31を備えている。該スペーサ部31は、前記拡散板8aの縁との間に間隔を空けて、前記シート支持フレーム3の正面に略垂直に配置してある。前記スペーサ部31の奥行寸法の略二倍の上下寸法を有しており、上下寸法に対して左右寸法が長い板状のパネル支持部32が、前記スペーサ部31に対して直角に前記スペーサ部31の正面に設けてある。該パネル支持部32の奥行寸法は、前記プリズムシート8b、及び四枚の拡散シート8cの厚さの合計と略同寸である。
【0018】
前記パネル支持部32の正面に、弾性を有する横長板状の離隔部材4を設けてあり、該離隔部材4の奥行寸法は前記多層型偏光ミラー膜8dの厚さの略二倍になっている。前記離隔部材4の正面に映像を表示する矩形の表示パネル6を載置してあり、該表示パネル6の正面縁部分には矩形枠状の弾性部材5を介して矩形のベゼル7が設けてある。
【0019】
図7に示すように、前記パネル支持部32及びスペーサ部31に連なり、表示装置を補強するブロック状の補強部33が、前記ベゼル7の背面に設けてある。該補強部33の正面には、背面側に窪んでおり、内側にねじ溝を備える有底円筒状のボス部33aが設けてある。該ボス部33aに対応するビス孔7aが前記ベゼル7に開設してあり、該ビス孔7aにビスS2を挿通して、前記ボス部33aの底面に当接するまで螺合し、前記離隔部材4及び弾性部材5を圧縮して、前記表示パネル6を、前記ベゼル7と、前記パネル支持部3bとの間で挟持し、前記ベゼル7、弾性部材5、表示パネル6、離隔部材4、及びパネル支持フレーム30を一つのユニットにしてある。
【0020】
また図8に示すように、前記補強部33の前記ボス部33aから離隔した位置に、円筒状に貫通したボス部33bが設けてあり、該ボス部33bに対応する貫通孔7bが前記ベゼル7に設けてある。また前記ボス部33b及び貫通孔7bに対応しており、円筒状に貫通したねじ溝を備えるボス部2bが前記バックライトシャーシ2に設けてある。
【0021】
次に、前記バックライトシャーシ2の正面左右側部にそれぞれ設けてあり、前記シート支持フレーム3、3と共に拡散板8aを支持し、前記パネル支持フレーム30、30と共に表示パネル6を支持する二つのランプホルダ10、10について説明する。
【0022】
該ランプホルダ10は、前記バックライトシャーシ2の正面側部にて上下方向に並設してあり、前記蛍光管9を保持する複数のソケット部10d、10d、・・・・10dを備えている。また前記ランプホルダ10は、前記ソケット部10d、10d、・・・・10dを覆っており、正面板部及び左右側面板部からなる縦長のシート支持部10aを備えており、該シート支持部10aの正面にて前記拡散板8aを支持している。該シート支持部10aの正面は、前記シート支持フレーム3の正面と同一面内にある。
【0023】
前記シート支持部10aの正面に対して垂直に、前記拡散板8aの厚さと略同寸の奥行寸法を有しており、奥行寸法に対して上下寸法の長い板状のスペーサ部10cが、前記拡散板8aの縁との間に間隔を空けて設けてある。該スペーサ部10cの奥行寸法よりもやや大きい左右寸法を有しており、前記シート支持部10aの正面に平行な縦長板状のパネル支持部10bが、スペーサ部10cの正面に設けてある。前記パネル支持部10bの奥行寸法は、前記プリズムシート8b、及び四枚の拡散シート8cの厚さの合計と略同寸である。また前記パネル支持部10bの正面には弾性を有する縦長板状の離隔部材40が設けてあり、該離隔部材40の奥行寸法は前記多層型偏光ミラー膜8dの厚さの略二倍になっている。
【0024】
前記ベゼル7、弾性部材5、表示パネル6、離隔部材4、及びパネル支持フレーム30からなる前記ユニットを前記パネル支持フレーム30及びランプホルダ10の正面に配置して、前記表示パネル6の背面左右側部を前記離隔部材40に当接させ、前記貫通孔7b及びボス部33bにビスS3を挿入して、前記ボス部2bにて螺合し、前記離隔部材40を圧縮して、前記表示パネル6と、前記多層型偏光ミラー膜8dとの間に約0.2mm幅の間隙を形成してある。
【0025】
前記リヤキャビネット1の上下側部には、図2に示す如く、二つの凹部1a、1aがそれぞれ設けてあり、該凹部1a、1aに対応する二つの爪部11a、11aがフロントキャビネット11に設けてある。該爪部11a、11aを前記凹部1a、1aに係合して、前記フロントキャビネット11を前記リヤキャビネット1に取り付けてある。
【0026】
なお表示パネル6と、多層型偏光ミラー膜8dとの間に形成される間隙幅は、表示装置の設計段階おいて以下に示す要領で決定される。表1は前記拡散板8a、プリズムシート8b、拡散シート8c及び多層型偏光ミラー膜8dの厚さの公差に関する表である。表1において各公差をaとして表記してある。
【0027】
【表1】
【0028】
表1に示すように、各公差の自乗平均から導き出される最大公差は約0.12mmとなる。該最大公差を超える公差が発生する場合を考慮すれば、前記多層型偏光ミラー膜8dと、前記表示パネル6との間に形成される間隙幅は、約0.2mmが適当である。
【0029】
実施の形態に係る表示装置にあっては、シート支持フレーム3及びシート支持部10aの正面に、拡散板8aと略同寸のスペーサ部31及びスペーサ部10cをそれぞれ設け、前記シート支持フレーム3及びシート支持部10aの正面に、離隔部材4及び離隔部材40をそれぞれ設けることにより、前記多層型偏光ミラー膜8dと、前記表示パネル6との間に互いの密着を回避するために必要な最小限の間隙を確保して、前記光学シート8が膨張したときには、前記光学シート8は周囲の空間へ向けて伸長し、光学シート8に皺を発生させることなく薄型化を図ることができる。
【0030】
また前記離隔部材4及び離隔部材40を圧縮して、前記表示パネル6と、前記多層型偏光ミラー膜8dとを近接させて、薄型化を図ることができる。
【0031】
なお前記拡散板8a、プリズムシート8b、拡散シート8c及び多層型偏光ミラー膜8dの厚さの公差によって、前記シート支持フレーム3、パネル支持フレーム30及びランプホルダ10の設計が変更されることは言うまでもない。また前記シート支持フレーム3及びパネル支持フレーム30は一体成形されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施の形態に係る表示装置の略示斜視図である。
【図2】実施の形態に係る表示装置のII−II線での略示側面断面図である。
【図3】実施の形態に係る表示装置のIII−III線での略示平面断面図である。
【図4】実施の形態に係る表示装置の支持フレームの略示斜視図である。
【図5】実施の形態に係る表示装置のランプホルダの略示斜視図である。
【図6】実施の形態に係る表示装置のVI−VI線での略示側面断面図である。
【図7】実施の形態に係る表示装置のVII−VII線での略示側面断面図である。
【図8】実施の形態に係る表示装置のVIII−VIII線での略示側面断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 リヤキャビネット
2 バックライトシャーシ
3 シート支持フレーム(シート支持部)
4、40 離隔部材
5 弾性部材
6 表示パネル
7 ベゼル
8 光学シート
8a 拡散板
8b プリズムシート
8c 拡散シート
8d 多層型偏光ミラー膜
9 蛍光管
10 ランプホルダ
10a シート支持部
10b パネル支持部
10c スペーサ部
10d ソケット部
30 パネル支持フレーム
32 パネル支持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から照射された光を拡散する光学シートを支持するシート支持部と、前記光学シートを透過した光により映像を表示する表示パネルを支持するパネル支持部と、該パネル支持部及びシート支持部の間に設けてあり、前記光学シートを収容する空間を確保するためのスペーサ部とを備える表示装置において、
前記スペーサ部の寸法は、前記光学シートの厚さよりも短くしてあり、
前記パネル支持部に、前記表示パネル及び光学シートを離隔させる離隔部材を設けてあること
を特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記離隔部材は弾性を備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記パネル支持部に対向するベゼルを備え、
該ベゼル及びパネル支持部の間で前記離隔部材を挟圧してあること
を特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項1】
光源から照射された光を拡散する光学シートを支持するシート支持部と、前記光学シートを透過した光により映像を表示する表示パネルを支持するパネル支持部と、該パネル支持部及びシート支持部の間に設けてあり、前記光学シートを収容する空間を確保するためのスペーサ部とを備える表示装置において、
前記スペーサ部の寸法は、前記光学シートの厚さよりも短くしてあり、
前記パネル支持部に、前記表示パネル及び光学シートを離隔させる離隔部材を設けてあること
を特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記離隔部材は弾性を備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記パネル支持部に対向するベゼルを備え、
該ベゼル及びパネル支持部の間で前記離隔部材を挟圧してあること
を特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2009−175444(P2009−175444A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−14089(P2008−14089)
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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