説明

表示装置

【課題】電源を必要とすることなく、装置状態の表示切替をすることのできる、安価かつ簡易な構成で既設装置に設置可能な表示装置を提供すること。
【解決手段】制御装置100の切替スイッチが操作されて回転することにより指示突起101aが指し示す入り/切り状態の表示切替をする表示装置10であって、切替スイッチと一体回転する外円筒部材11と、この外円筒部材の外周縁部に貼付されている外偏光フィルム15と、錘部22により常時一定の姿勢を維持する内円筒部材21と、この内円筒部材の外周縁部に貼付されている内偏光フィルム25と、を備えており、偏光フィルム15、25が円筒部材の相対回転角に応じて外円筒部材の底部内面11bの赤色を大面積で透光表示許可または遮光表示禁止することにより、赤色表示の有無で切替スイッチの切替表示をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、詳しくは、装置本体の操作の有無を明確に判別可能に切替表示をするものに関する。
【背景技術】
【0002】
各種装置には、スイッチ等の操作部品(本体部品)を取り付けて、その操作部品を回転あるいはスライドさせるなどして装置本体に対して変移させることにより、例えば、備える機能を動作させたり、あるいは、待機中などの装置の状況を選択することが行われている。このような装置状態は、目視により確認可能にその操作部品周りに表示されている。
【0003】
この種の装置状態は、一般的には、例えば、入/切などの切替後の装置状態の一方を操作部品が指し示すなどして表示することが行われているが、その指示する突起などが小さく判別し難いとともに、その表示文字も小さいことから見づらく勘違いしてしまう場合がある。このことから、装置状態の切替表示には各種工夫がなされている。
【0004】
例えば、特許文献1には、複数の透光孔の配列により文字を形成した彫刻板をカラー板と半透明シートの背面側に設置して積層状態にしてボタン(操作部品)内に内装させるとともに、その彫刻板のさらに下層に光源を配置する構造が提案されている。この構造では、光源の点灯時にのみ彫刻板の文字がボタン外面に表示され、ボタン操作した機能のみを目視可能にすることができる。
【0005】
また、特許文献2には、ボタン(操作部品)内部に各種情報を表示可能な液晶板を内装させるとともに、その液晶板の上部にレンズを配置する構造が提案されている。この構造では、表示領域を拡大することができる。
【0006】
また、特許文献3には、操作部品の目視可能な外面に透視部を形成して、その透視部内に情報を表示する表示板を不動状態に設置する構造が提案されている。この構造では、操作部品の操作内容を見やすく表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−134960号公報
【特許文献2】特開2003−77357号公報
【特許文献3】特開2004−146090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような上記文献1に記載の表示装置にあっては、光源の電源が必要であり、操作部品の操作に連動してその光源をオン/オフさせる機構を追加しなければならない。このため、装置構成が複雑になってしまうとともに、既存の装置には設置することができない。
【0009】
また、上記文献2に記載の表示装置にあっては、表示内容を拡大することにより見易くなるが、表示切替の前後に差がなく、勘違いしてしまうことを防止することはできない。また、液晶を駆動させる電源が必要になって装置構成が複雑になってしまうとともに、既存の装置には設置することができない。
【0010】
また、上記文献3に記載の表示装置にあっては、常に透視部を透して表示内容を目視可能であることから、表示切替の前後に差がなく、勘違いしてしまうことを防止することはできない。
【0011】
そこで、本発明は、電源を必要とすることなく、装置状態の表示切替をすることのできる、安価かつ簡易な構成で既設装置に設置可能な表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する表示装置の発明の一態様は、装置本体側の本体部品が操作されて該装置本体に対して変移されるのに連動して当該装置本体の装置状態の表示切替をする表示装置であって、前記装置本体側に対する相対的な対面姿勢を維持されている第1偏光フィルムと、前記本体部品側に対する相対的な対面姿勢を維持されている第2偏光フィルムと、を備えており、前記第1、第2偏光フィルムは、前記本体部品の前記操作による前記装置本体側に対する変移に応じて透光または遮光する状態で互いに対面するように取り付けられ、背面側に位置する情報の前記透光による表示許可あるいは前記遮光による表示禁止をして、前記装置本体の装置状態を切替表示することを特徴とするものである。
【0013】
この発明の態様では、装置本体に対して本体部品を変移させるように操作したときに、その装置本体に対する本体部品の変移に連動して第1、第2偏光フィルムの相対的な対面状態が透光状態と遮光状態の一方から他方に切り替わって背面側の情報の表示許可または表示禁止をすることができる。したがって、対面する大面積の第1、第2偏光フィルムを介して背面側情報を目視可能または目視不能にして表示切替をすることができる。
【発明の効果】
【0014】
このように本発明の一態様によれば、本体部品の操作に第1、第2偏光フィルムの対面状態が連動して背面側情報を透光表示または遮光表示(表示禁止)することができ、第1、第2偏光フィルムを対面させるだけの簡易な構造で、大面積の背面側情報の有無(本体部品の操作に連動する目視可能な表示の有無)により装置状態を容易かつ明確に把握することができる。したがって、電源を必要とすることのない安価かつ簡易な構成で、装置状態の明確な表示切替を容易に連動させることができ、また、既設装置にも設置することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る表示装置の第1実施形態を示す図であり、その概略全体構成を示す正面図である。
【図2】その表示切替を示す図であり、(a)は表示禁止状態を示す平面図、(b)は表示許可状態を示す平面図である。
【図3】その内部構造を示す縦断面図である。
【図4】本発明に係る表示装置の第2実施形態を示す図であり、(a)は表示禁止状態を示す平面図、(b)は表示許可状態を示す平面図である。
【図5】その内部構造を示す縦断面図である。
【図6】本発明に係る表示装置の第3実施形態を示す図であり、(a)は表示禁止状態を示す平面図、(b)は表示許可状態を示す平面図である。
【図7】その他の態様を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態の一態様としては、装置本体側の本体部品が操作されて該装置本体に対して変移されるのに連動して当該装置本体の装置状態の表示切替をする表示装置であって、前記装置本体側に対する相対的な対面姿勢を維持されている第1偏光フィルムと、前記本体部品側に対する相対的な対面姿勢を維持されている第2偏光フィルムと、を備えており、前記第1、第2偏光フィルムは、前記本体部品の前記操作による前記装置本体側に対する変移に応じて透光または遮光する状態で互いに対面するように取り付けられ、背面側に位置する情報の前記透光による表示許可あるいは前記遮光による表示禁止をして、前記装置本体の装置状態を切替表示する構成を備えるのに加えて、次の構成を備えてもよい。
【0017】
第1の他の態様としては、前記本体部品は、前記装置本体側に対して前記操作により回転方向に相対変移される構造であるのに対して、前記第1、第2偏光フィルムの一方は、前記本体部品の前記操作に連動することなく前記装置本体側に対する相対回転方向に不動であり、前記第1、第2偏光フィルムの他方は、前記本体部品の前記操作に連動して前記装置本体側に対する相対回転方向に回転する状態で当該一方に対面することにより前記透光状態または前記遮光状態になるように、それぞれ取り付けられていてもよい。
【0018】
この態様では、本体部品が回転されるのに連動して、第1、第2偏光フィルムの不動状態の一方に対して他方が相対回転することにより透光状態または遮光状態になって、背面側情報の表示許可または表示禁止をすることができる。
【0019】
第2の他の態様としては、前記第1偏光フィルムは、前記装置本体側部材の外面に対面して相対的な姿勢を維持する第1維持部材に設けられ、前記第2偏光フィルムは、前記本体部品側部材の外面に対面して相対的な姿勢を維持する第2維持部材に設けられていてもよい。
【0020】
この態様では、第1、第2偏光フィルムは第1、第2維持部材にそれぞれ設けるだけで装置本体と本体部品のそれぞれに対して対面姿勢を維持することができ、第1、第2維持部材を装置本体と本体部品のそれぞれに取り付けるだけで設置することができる。
【0021】
第3の他の態様としては、前記本体部品は、前記装置本体側に対して前記操作により相対回転して変移される構造であるのに対して、前記第1維持部材は、前記本体部品の回転中心からの均等距離位置に延在して回転自在に保持される外周縁部を有して、該外周縁部の一部に錘部材を備えるとともに、前記第2維持部材は、前記本体部品の外面側に固設されており、当該第1、第2維持部材は、前記外周縁部内に前記第1、第2偏光フィルムを配設する空間が形成されていてもよい。
【0022】
この態様では、第1維持部材は外周縁部の錘部材が最下に位置するように本体部品に対してその外周縁部を回転自在に取り付けるとともに、第2維持部材はその本体部品に対して不動状態に固設することにより、第1、第2維持部材に設けた第1、第2偏光フィルムが装置本体と本体部品のそれぞれに対する対面姿勢を維持することができ、外周縁部内で第1、第2偏光フィルムを対面させることができる。
【0023】
第4の他の態様としては、前記本体部品は、前記装置本体側に対して前記操作により相対回転して変移される構造であるのに対して、前記第1維持部材は、前記本体部品の回転中心に一致する回転軸に回転自在に保持されて外周縁部の一部に錘部材を備えるとともに、前記第2維持部材は、前記本体部品の外面側に固設されており、当該第1、第2維持部材は、前記回転軸周りに前記第1、第2偏光フィルムを配設する空間が形成されていてもよい。
【0024】
この態様では、第1維持部材は外周縁部の錘部材が最下に位置するように回転軸に回転自在に取り付けるとともに、第2維持部材はその本体部品に対して不動状態に固設することにより、第1、第2維持部材に設けた第1、第2偏光フィルムが装置本体と本体部品のそれぞれに対する対面姿勢を維持することができ、外周縁部内の回転軸周りで第1、第2偏光フィルムを対面させることができる。
【0025】
第5の他の態様としては、前記装置状態の情報を表示する表示部材を備えており、前記第1、第2偏光フィルムは、前記表示部材の前記装置状態の情報を前記透光あるいは前記遮光により切替表示するようにしてもよい。
【0026】
この態様では、第1、第2偏光フィルムの背面側に装置状態を任意の形態で表示する情報を配置することができ、例えば、目視により容易に認識可能な形態を第1、第2偏光フィルムを介して表示許可(透光表示)または表示禁止(遮光表示)することができる。
【0027】
第6の他の態様としては、前記第1、第2偏光フィルムは、前記装置本体側に設けられている前記装置状態の情報を前記透光あるいは前記遮光により切替表示するようにしてもよい。
【0028】
この態様では、第1、第2偏光フィルムの背面側に位置する装置本体の外面に表示されている情報を第1、第2偏光フィルムを介して表示許可(透光表示)または表示禁止(遮光表示)することができ、装置本体側に既存の情報を利用して表示切替をすることができる。
【0029】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図3は本発明に係る表示装置の第1実施形態を示す図である。
【0030】
図1において、表示装置10は、例えば、発電所などに設置されている各種制御装置(装置本体)100の切替スイッチ(本体部品)101に取り付けられており、切替スイッチ101は、摘んで時計回り、あるいは、反時計回りに捩じって、90°回転(変移)させることにより、制御装置100の制御対象の入り/切りを切替操作するようになっている。この制御装置100は、制御対象の入り/切り状態(装置状態)を、切替スイッチ101の外周面外方に突出する指示突起101aが指し示す位置(文字領域)C1、C2に、「入」と「切」の文字を表示することにより、制御対象の入り/切り状態を表示するようになっている。
【0031】
この表示装置10は、操作を確実に遂行すべき切替スイッチ101に取り付けられており、その入り/切り状態を表示領域11bの表示情報で直感的に把握できるように補助的に表示するようになっている。ここで、この表示装置10は、全ての切替スイッチ101に取り付けてもよいことは言うまでもない。
【0032】
具体的には、表示装置10は、図2および図3に示すように、切替スイッチ101と同径で短尺な円柱形状に形成されており、背面側の切替スイッチ101の指示突起101aを目視可能にして、その切替スイッチ101による制御装置100の入り/切り状態の表示を妨げることがないように作製されている。
【0033】
この表示装置10は、切替スイッチ101と同径で底の浅い短尺な有底の円筒形状に形成されている外円筒部材(第2維持部材)11と、この外円筒部材11の開口を閉止するように外周縁部端面に貼付されている外偏光フィルム(第2偏光フィルム)15と、外円筒部材11の内径よりも小さな外径でより短尺な両面側の開放されている円筒形状の内円筒部材(第1維持部材)21と、この内円筒部材21の一方の開口を閉止するように外周縁部端面に貼付されている内偏光フィルム(第1偏光フィルム)25と、により作製されている。
【0034】
外円筒部材11は、底部外面11aが切替スイッチ101の円形外面101bに貼付されており、その切替スイッチ101に対して相対的な姿勢を維持しつつ一体に回転(連動)するように固定されている。この外円筒部材11の底部内面(表示部材)11bは、制御装置100の制御対象が入り状態であることを示す赤色に形成されている。ここで、図中にはトーンにより赤色が付されていることを図示している(図2(b)参照)。
【0035】
また、外円筒部材11は、底部内面11bの円形中心に内円筒部材21を回転自在に軸支する支持軸(回転軸)12が固設されており、この支持軸12は、外円筒部材11の底部内面11bに立設されている軸本体12aに、小径部と頭部とを有する軸部12bが軸心を一致させる姿勢で固定されることにより内円筒部材21を回転自在に軸支するようになっている。
【0036】
内円筒部材21は、外周縁部の一部から円形中心部まで延在する錘部22が一体形成されており、錘部22の端部(円形中心部)に形成されている貫通穴22aに、外円筒部材11の支持軸12の軸部12bの小径部が貫通されて軸本体12aに固設されることにより、その軸部12bの頭部で脱落不能に衝止されて回転自在に軸支されている。
【0037】
これにより、外円筒部材11は、切替スイッチ101と一体に時計回り方向/反時計回り方向に正逆回転される一方、内円筒部材21は、錘部22が自重により鉛直姿勢を保つことにより常時回転位置を維持(制御装置100に対する回転角を不動にして相対的な姿勢を維持)することができる。
【0038】
偏光フィルム15、25は、一方向に振動する光のみを透過するフィルムであり、円筒部材11、21の外周縁部端面に貼付されることにより対面する姿勢を維持する状態で固設されている。
【0039】
この偏光フィルム15、25は、切替スイッチ101の指示突起101aが「入」文字を表示する文字領域C1を指し示すときに、透光する光の振動方向を一致させて光を透過するように円筒部材11、21の外周縁部端面に貼付されている。
【0040】
これにより、表示装置10は、切替スイッチ101が時計回り/反時計回りに90°回転されたときには、外円筒部材11が内円筒部材21に対しても時計回り/反時計回りに90°相対回転されることになり、偏光フィルム15が偏光フィルム25に対して時計回り/反時計回りに90°相対回転される。
【0041】
よって、この表示装置10は、図2(b)に示すように、切替スイッチ101の指示突起101aが「入」文字を表示する文字領域C1を指し示すときには、偏光フィルム15、25が透光(表示許可)する相対回転角になって、背面側に位置する外円筒部材11の底部内面11bの赤色(表示情報)を外部から内部空間を透して目視可能に大面積表示して目立たせることができ、切替スイッチ101が入り状態に切替操作されていることを直感的に把握させることができる。
【0042】
反対に、表示装置10は、図2(a)に示すように、切替スイッチ101の指示突起101aが「切」文字を表示する文字領域C2を指し示すときには、偏光フィルム15、25のそれぞれが透光する光の振動方向が90°相違して遮光(表示禁止)する相対回転角になって、背面側に位置する外円筒部材11の底部内面11bの赤色を外部から目視不能にすることができ、切替スイッチ101が切り状態(入り状態でない)に切替操作されていることを直感的に把握させることができる。
【0043】
このように本実施形態においては、制御装置100の切替操作が重要な切替スイッチ101に、円筒部材11、21に偏光フィルム15、25を貼付して対面させるだけの簡易かつ安価な構造の後付け可能な表示装置10を固設するだけで、切替スイッチ101の切替操作に応じて、「入」状態時には大面積の赤色を透光表示させる一方、「切」状態時には赤色表示を遮光禁止して装置状態を容易かつ明確に把握可能にすることができる。したがって、電源を必要とすることなく、制御装置100の切替操作状況を直感的かつ明確に把握可能に容易に表示することができる。
【0044】
次に、図4および図5は本発明に係る表示装置の第2実施形態を示す図である。ここで、本実施形態は、上述実施形態と略同様に構成されていることから、同様な構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する(以下で説明する他の実施形態においても同様)。
【0045】
図4および図5において、表示装置10は、図1に示す制御装置100の切替スイッチ101に取り付けられており、上述実施形態における内円筒部材21に代えて、内偏光フィルム25を外周縁部端面に貼付されている内円筒部材31が外円筒部材11内に回転自在に収納されている。
【0046】
内円筒部材31は、回転中心からの均等距離位置に延在する外周縁部のみとなる形状に形成されており、上述実施形態における支持軸12に代えて、外円筒部材11の内周面に形成されているガイド溝11c内に回転自在に収納されている。なお、外円筒部材11のガイド溝11cは、内円筒部材31を滑りよく回転自在に保持するために、潤滑油やベアリングなど適宜採用する。
【0047】
この内円筒部材31は、その外周縁部の一部を肉厚に形成した錘部32を備えることにより、その錘部32が常に最下に位置するように回転するとともに、円筒形状の内部空間の全面を透過/遮光領域にすることができる。
【0048】
これにより、内円筒部材21は、外円筒部材11が切替スイッチ101と一体に時計回り方向/反時計回り方向に正逆回転されるのに関わりなく、錘部32が自重により最下に位置して常時回転位置を維持することができる。
【0049】
よって、この表示装置10は、図4(b)に示すように、制御装置100の切替スイッチ101が入り状態に切替操作されていることを、外円筒部材11の底部内面11b全面の赤色(表示情報)を透光表示許可して直感的に把握させることができ、反対に、図4(a)に示すように、切替スイッチ101が切り状態に切替操作されていることを、その赤色を遮光表示禁止して直感的に把握させることができる。
【0050】
このように本実施形態においては、上述実施形態による作用効果に加えて、円筒部材11、31内の全面の赤色表示の有無により、制御装置100の切替スイッチ101による切替操作をより明確に把握可能にすることができる。
【0051】
次に、図6は本発明に係る表示装置の第3実施形態を示す図である。
図6において、表示装置10は、図1に示す制御装置100の切替スイッチ101に取り付けられており、外円筒部材11は、ガイド溝11cで内円筒部材31を回転自在に保持するとともに、その底部内面11bが赤色内に「入」という文字を大きく表示する文字領域C3に構成されている。
【0052】
これにより、表示装置10は、図6(b)に示すように、制御装置100の切替スイッチ101が入り状態に切替操作されていることを、外円筒部材11の底部内面11b全面の赤色(表示情報)と共に、「入」という大きな文字(装置状態情報)も目視可能に透過表示して直感的かつ直接的に把握させることができる。
【0053】
このように本実施形態においては、上述実施形態による作用効果に加えて、円筒部材11、31内の全面の赤色表示の有無だけでなく、「入」という文字の表示の有無により制御装置100の切替スイッチ101による切替操作をより明確かつ分かり易くすることができる。
【0054】
ここで、上述実施形態では、表示装置10を制御装置100の切替スイッチ101の円形外面101bに貼付して固設する場合を一例にして説明するが、これに限るものではなく、例えば、図7に示すように、その切替スイッチ101の外周面に嵌め込むことのできる円筒形状部41を外円筒部材11に一体形成して容易に取り付けることができるようにしてもよい。また、後付けだけでなく、切替スイッチ101に表示装置10と同様な構成を備えさせてもよい。
【0055】
また、上述実施形態では、表示装置10で表示する情報は制御装置100側とは別に設ける場合を一例にして説明するが、これに限るものではなく、制御装置100側に存在する既設情報、例えば、切替スイッチ101の円形外面101b内に入り/切り文字をそれぞれ表示する場合には、その入り/切り文字の一方を表示許可または表示禁止して、直感的に把握できるようにすることもできる。
【0056】
また、上述実施形態では、偏光フィルムが相対回転して透光/遮光を切り替える場合を一例にして説明するが、これに限るものではなく、透過する光の振動方向の異なる偏光フィルムを直線方向に並列させて、直線方向に相対的に変移する度に透過/遮光を切り替えて表示許可/表示禁止を実行するようにしてもよい。
【0057】
本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0059】
10 表示装置
11 外円筒部材
11a 底部外面
11b 底部内面
11c ガイド溝
12 支持軸
15 外偏光フィルム
21、31 内円筒部材
22、32 錘部
25 内偏光フィルム
41 円筒形状部
100 制御装置
101 切替スイッチ
101a 指示突起
C1〜C3 文字領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体側の本体部品が操作されて該装置本体に対して変移されるのに連動して当該装置本体の装置状態の表示切替をする表示装置であって、
前記装置本体側に対する相対的な対面姿勢を維持されている第1偏光フィルムと、前記本体部品側に対する相対的な対面姿勢を維持されている第2偏光フィルムと、を備えており、
前記第1、第2偏光フィルムは、前記本体部品の前記操作による前記装置本体側に対する変移に応じて透光または遮光する状態で互いに対面するように取り付けられ、背面側に位置する情報の前記透光による表示許可あるいは前記遮光による表示禁止をして、前記装置本体の装置状態を切替表示することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記本体部品は、前記装置本体側に対して前記操作により回転方向に相対変移される構造であるのに対して、
前記第1、第2偏光フィルムの一方は、前記本体部品の前記操作に連動することなく前記装置本体側に対する相対回転方向に不動であり、
前記第1、第2偏光フィルムの他方は、前記本体部品の前記操作に連動して前記装置本体側に対する相対回転方向に回転する状態で当該一方に対面することにより前記透光状態または前記遮光状態になるように、
それぞれ取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1偏光フィルムは、前記装置本体側部材の外面に対面して相対的な姿勢を維持する第1維持部材に設けられ、
前記第2偏光フィルムは、前記本体部品側部材の外面に対面して相対的な姿勢を維持する第2維持部材に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記本体部品は、前記装置本体側に対して前記操作により相対回転して変移される構造であるのに対して、
前記第1維持部材は、前記本体部品の回転中心からの均等距離位置に延在して回転自在に保持される外周縁部を有して、該外周縁部の一部に錘部材を備えるとともに、
前記第2維持部材は、前記本体部品の外面側に固設されており、
当該第1、第2維持部材は、前記外周縁部内に前記第1、第2偏光フィルムを配設する空間が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記本体部品は、前記装置本体側に対して前記操作により相対回転して変移される構造であるのに対して、
前記第1維持部材は、前記本体部品の回転中心に一致する回転軸に回転自在に保持されて外周縁部の一部に錘部材を備えるとともに、
前記第2維持部材は、前記本体部品の外面側に固設されており、
当該第1、第2維持部材は、前記回転軸周りに前記第1、第2偏光フィルムを配設する空間が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記装置状態の情報を表示する表示部材を備えており、
前記第1、第2偏光フィルムは、前記表示部材の前記装置状態の情報を前記透光あるいは前記遮光により切替表示することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1、第2偏光フィルムは、前記装置本体側に設けられている前記装置状態の情報を前記透光あるいは前記遮光により切替表示することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−252886(P2012−252886A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124842(P2011−124842)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】