説明

表示装置

【課題】表示パネルの位置の調節が容易で、しかも、表示パネルの締結強度・安定性にも優れている表示装置を提供する。
【手段】表示パネル3はパネル支持体12の前面に固定されており、パネル支持体12は中間枠32に第1固定用ねじ41で締結されている。パネル支持体12に螺合した第1調節用ねじ58が中間枠32に上から当接している。中間枠32は第2固定用ねじ42でサイドフレーム7に締結されている。中間枠32には横長の第2調節用ねじ50が螺合しており、第2調節用ねじ50の先端をサイドフレーム7に当接している。ねじ挿通穴43,45は長穴になっており、固定用ねじ41,42を緩めて調節用ねじ48,50を回転操作することでパネル支持体12の高さと左右位置と正面視姿勢とを微調整できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、例えば広告等の各種情報を不特定多数の人に提供するために使用される表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
商品の宣伝や公的な案内のような各種情報の提供のために、液晶パネルやプラズマパネルのような電子式表示パネルを有する表示装置が使用されており、各種施設や屋外などに設置されている。この表示装置は、大まかには表示パネルが固定された本体と表示パネルを外から覆う扉(カバー、蓋)とで構成されており、扉には表示パネルの画像を視認するための窓穴が空いており、窓穴には透明板を取り付けている。表示パネルは一般に四角形になっており、従って窓穴も四角形になっている。なお、表示パネルはディスプレイ又はモニターと呼ばれることも多い。
【0003】
本体も扉も表示パネルも設計値は存在しているが、現実には加工誤差や組み立て誤差が発生することは避け難く、このため、表示パネルの画像表示エリアと蓋の窓穴との間に位置ずれや姿勢のずれ(傾き)が生じることがある。そこで、表示パネルの位置や姿勢を微調整できるようにすることが提案されている。
【0004】
その例として特許文献1には、トレー状の筐体内に表示パネルを縦横両方向に移動可能な状態に配置し、筐体の一方の縦辺部と表示パネルの一方の縦辺部との間、及び、筐体の一方の横辺部と表示パネルの一方の横辺部との間にそれぞれ板ばねを配置し、更に、筐体の他方の縦辺部及び他方の横辺部にそれぞれ表示パネルの側面に当接する調節ねじを螺合したものが開示されている。この特許文献1では、調節ねじを回転操作して、表示パネルを板ばねに抗して押したり板ばねで戻し移動させたりすることにより、表示パネルの位置を縦横の両方向に微調整できると共に、正面視での傾きを是正して適性な姿勢に修正できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−190974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、この種の表示装置は建物の壁や柱に取り付けたり、屋外に設置した支持枠に取り付けたりしているが、一般に相当の大きさ・重量があり、従って、地震や振動によって部材が離散しないように高い安全性・安定性が要求される。
【0007】
しかし、特許文献1のものは板ばねの弾性力を利用して位置を保持するものであるため、安定性が高いとは言い難い。また、表示パネル自体をねじで直接に押すものであるため、表示パネルにはこれを変形させるような外力が常に作用しており、このため表示パネルの耐久性の低下も懸念される。
【0008】
また、他の従来技術として、本体枠にパネル支持体をねじで固定して、パネル支持に表示装置をねじで固定したタイプの表示装置もあり、パネル支持体の締結位置を微調整できるものもあるが、この従来品は本体にパネル支持体を締結するためのねじが表示装置の裏側に隠れているため、微調整に際してはいちいち表示装置を取り外して付け直すという手順を踏まねばならず、このため、作業が非常に厄介であった。
【0009】
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、微調整機能をしっかりと保持しつつ表示パネルの締結強度・安定性等に優れた表示装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明の表示装置は、表示パネルが取り付くパネル支持体と、前記パネル支持体が取り付く本体枠とを有しており、前記パネル支持体を固定用ねじで前記本体枠に直接に締結しているか、又は、前記パネル支持体を第1固定用ねじで中間枠に締結して前記中間枠を第2固定用ねじで前記本体枠に締結している、という基本構成になっている。
【0011】
そして、請求項1の発明では、前記固定用ねじは前記表示パネルの表示面と直交する方向に延びており、前記固定用ねじが嵌まるねじ挿通穴を長穴又は大径穴とすることにより、パネル支持体又は中間枠若しくは両方の位置を調節することが許容されており、かつ、前記パネル支持体の位置又は中間枠の位置が、前記固定用ねじと直交した方向に延びる調節用ねじの回転操作によって変更可能になっている。
【0012】
なお、ねじで部材を締結する場合、ねじ挿通穴はねじの外径よりも大径になっており、ねじの外面とねじ挿通穴の内面との間にクリアランスが存在することが普通であるが、本願発明でいう「大径」とは、通常より大きいクリアランスが生じるようなな径(例えば、ねじの外径の1.5倍以上)をいう。
【0013】
請求項2の発明は請求項1を好適に具体化したもので、この実施形態では、前記第1固定用ねじが嵌まる第1ねじ挿通穴及び前記第2固定用ねじが嵌まる第2ねじ挿通穴は互いに直交した方向に延びる長穴になっている一方、前記パネル支持体には、前記第1ねじ挿通穴と同じ方向に延びる第1調節用ねじが、その先端が前記中間枠に当接する状態で螺合しており、更に、前記中間枠には、前記第2ねじ挿通穴と同じ方向に延びる第2調節用ねじが、その先端が前記本体枠に当接する状態で螺合している。
【0014】
請求項3の発明は請求項1又は2の展開例であり、この発明では、前記固定用ねじと調節用ねじとはいずれも前記表示パネルの外側に露出している。
【0015】
請求項4の発明は請求項3を具体化したもので、まず、前記本体枠は上下長手で平行に延びる左右のサイドフレームを有しており、前記中間枠は前記左右のサイドフレームに水平状に架け渡し配置されている。更に、前記中間枠は、前記パネル支持体の左右外側に突出した状態で前記本体枠に重なる重合部を有しており、この重合部が前記第2固定用ねじで本体枠に締結されており、かつ、前記パネル支持体には、前記中間枠の重合部に向けて開口すると共に前記表示パネルの左右外側に露出した切欠き部が形成されており、前記切欠き部に前記第2調節用ねじの頭を露出させることにより、第2調節用ねじの回転操作を前記切欠き部から行えるようになっている。
【発明の効果】
【0016】
本願発明では、表示パネルが取り付けられたパネル支持体の位置を微調整するものであるため、表示パネルにはこれを変形させるような外力が作用することはなく、このため表示パネルの耐久性低下を防止できる。
【0017】
そして、パネル支持体は中間枠又は本願発明に固定用ねじで締結されているため、全体としての剛性が高く、締結強度と安定性とに優れている。しかも、調節用ねじを回転操作してパネル支持体又は中間枠の位置を調節するものであるため、微調整を簡単かつ確実に行える。更に述べると、調節用ねじの回転によってパネル支持体又は中間枠はごく僅かだけ移動し、しかも、パネル支持体や中間枠は調節用ねじで支持されているため、パネル支持体や中間枠をいちいち手で持っているような手間は不要であり、このため、位置・姿勢の微調整を簡単かつ確実に行えるのである。
【0018】
請求項2のようにねじ挿通穴を長穴とすることで表示パネルの位置調節を可能にすると、通常のボルトやビスを使用してしっかりと締結できる利点である。また、表示パネルを正確に位置決めするために縦横両方向(XY方向)に移動調節したり正面視姿勢を調節したりせねばならない場合が多いが、請求項2のように中間枠を採用すると、長穴による単純な調節方式を採用して表示パネルを縦横の両方向に微調整できるため、比較的単純な構造で表示パネルの位置を縦横に正確に微調整できる。
【0019】
請求項3の構成を採用すると、表示パネルをパネル支持体に固定した状態で固定用ねじと調節用ねじとを回転操作できるため、微調整に際していちいち表示装置を取り外したり付けなおしたりする必要はないのであり、このため表示パネルの位置の調節を能率良く行える。また、請求項4の構成を採用すると、第2調節用ねじが切欠きの箇所に隠れているため、設置作業に際して第2調節用ねじに物が引っ掛かるような不具合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(A)は表示装置の概略斜視図、(B)は表示装置を建物に取り付けた状態での部分的な概略縦断側面図である。
【図2】(A)は扉を開いた状態での概略斜視図、(B)は表示装置を建物に取り付けた状態での部分的な平断面図である。
【図3】(A)は本体枠の大まかな正面図、(B)は表示装置を建物に取り付けた状態での概略縦断側面図である。
【図4】要部の正面図である。
【図5】(A)は要部の分離正面図、(B)は(A)のB−B視図、(C)は(A)のC−C視拡大図、(D)は(A)のD−D視拡大断面図である。
【図6】(A)は要部の部分的な正面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は(A)のC−C視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は例えば商業施設に設置するタイプに適用しており、図1(A)に示すように、コンクリート製の柱(角形柱)Hに取り付けている。もとより、柱Hへの取り付けは一つの設置態様に過ぎず、建物の壁や専用の枠材など様々な対象物に取り付けることができる。
【0022】
(1).表示装置の概要
まず、図1〜3を参照で概要を説明する。表示装置は、上下長手の本体枠1とこれを前から覆う扉2とを有しており、本体枠1に液晶式等の表示パネル3を取り付けて、扉2には窓穴4を空けている。窓穴4は透明板5で塞がれており、透明板5は扉2の裏面に押さえ部材6で固定されている。
【0023】
本体枠1は、上下に長い左右のサイドフレーム7と、サイドフレーム7の上端に固定された左右横長のアッパフレーム8と、サイドフレーム7の下端に固定された左右横長のロアフレーム9とを有しており、従って前後に開口している。更に、左右のサイドフレーム7は、上端寄りの箇所は上部ステー9で連結されて下端よりの2カ所は上下2本の下部ステー10a,10bで連結されている。各ステー10a,10bは補強機能と部材取り付け機能とを有しており、例えば下部ステー10bに制御用パソコン11を取り付けることができる。
【0024】
表示パネル3は本体枠1のおおよそ上下中間部に配置されており、パネル支持体12に固定されている。そして、詳細は後述するが、パネル支持体12の高さ(上下位置)と左右位置と姿勢とを調節することにより、表示パネル3の表示エリアと窓穴4とが正確に位置決めされる。
【0025】
図2(B)に示すように、サイドフレーム7は側板14を有しており、側板14の前端には内向きの前面板15が折り曲げ形成されている。また、側板14は内側に2段階に折り曲げられており、このため、内向きに延びる第1段部16と第2段部17とを有している。第1段部16と第2段部17とは第1壁部18で繋がっており、更に、第2段部17の内端には奥側に向けて延びる第2壁部19を設けている。第2壁部19にアングル材20をねじ21で固定し、アングル材20を建物の柱Hにアンカーボルト22で固定している。
【0026】
アッパフレーム8とロアフレーム9とは断面L形の形態であり、その前端にはサイドフレーム7と同様に前面板15が折り曲げ形成されている。例えば図2(A)に示すように、アッパフレーム8にはうしろ向きに開口した左右横長の凹部8aが形成されている。これは表示パネル3やパソコン11で発生した熱を効率良く逃がすための措置である。なお、図2(B)において符号23で示すのは柱Hの四隅に立設したコーナー部材、符号24で示すのはコーナーカバーである。
【0027】
扉2は、前面板の周囲に側板が連続した浅いトレー状に構成されており、その一側部が蝶番26によって本体枠1の一方のサイドフレーム7に連結されている。従って、扉2はその印即部を中心に水平回動して本体枠1を開閉する。扉2における側板の後端には、本体枠1の前面板15に重なる断面L形の内向き片25が折り曲げ形成されている。内向き片25が本体枠1の前面板15に嵌合することにより、扉2は本体枠1に対して正確に位置決めされる。図示していないが、扉2に錠を設けている。扉2の内面には上下長手の補強枠27を固着している。
【0028】
(2).調節機構の詳細
次に、図4以下の図面も参照して表示パネル3の取り付け構造(位置調節機構)を説明する。図3,4に示すように、パネル支持体12は金属板製であっておおよそ正面視四角形に形成されており、その前面に表示パネル3がねじ(図示せず)で固定される。このため、パネル支持体12には表示パネル3を固定するためのビス穴29が多段に複数個ずつ空けられている。
【0029】
また、パネル支持体12には、左右方向に長く延びる上下2段の角形透かし穴30が空いている。角形透かし穴30の存在により、軽量化できると共に放熱性を向上できる。また、角形透かし穴30からケーブルを引出したりケーブル接続口を露出させたりすることも可能である。透かし穴30の形状や個数、位置は任意に設定できる。全体をパンチングメタルで構成することも可能である。図2(B)、図3(B)、図5(B)に示すように、パネル支持体12の四周には、補強のため、上下及びサイドの折り曲げ片31a,31b,31cが形成されている(なお、折り曲げ片が途切れている箇所もある。)。
【0030】
例えば図5,6に示すように、パネル支持体12は上下2本の中間枠32に固定されており、中間枠32の左右両端部が本体枠1のサイドフレーム7に固定されている。中間枠32は、サイドフレーム7の第1段部17に重なる左右の重合部33と、重合部33に固定されたステー部34とを有している。重合部33には、サイドフレーム7の第1壁部18と対向した状態で奥側に突出する壁板35と、壁板35の後端(先端)から内向きに突出した段落ち部36とを有している。
【0031】
他方、ステー部34は手前に向けて開口して略コの字形の基本形状になっており、このため中間枠32は上面板37を有している。そして、ステー部34の左右側部の底部に段落ち部36がスポット溶接されている。また、ステー部34の上端と下端との前端は下向きに折り曲げられており、このため、中間枠32は上部前面板38と下部前面板39とを有している。下部前面板39の下端には補強のためリップ39aを後ろ向きに突設している。
【0032】
そして、パネル支持体12は上下中間枠32の前面板38,39に重なっており、パネル支持体12の左右両側部が、それぞれ上下中間枠32の下部前面板39に前後長手の第1固定用ねじ41で締結されている。また、中間枠32の重合部33は上下2本ずつの第2固定用ねじ42でサイドフレーム7の第1段部14に締結されている。窓穴4には第1固定用ねじ41が嵌まる第1ねじ挿通穴43が空いており、中間枠32における下部前面板38の裏面には第1固定用ねじ41が螺合する第1固定用ナット44を溶接している。第1ねじ挿通穴43は上下に長い長穴になっている。
【0033】
他方、中間枠32の重合部33には前後長手の第2固定用ねじ42が挿通される第2ねじ挿通穴45が空いており、また、サイドフレーム7における第1段部14の裏面(後面)には、第2固定用ねじ42が螺合する第2固定用ナット46を溶接している。第2ねじ挿通穴45は左右方向(表示装置の間口方向)に長い長穴になっている。従って、第1ねじ挿通穴43と第2ねじ挿通穴45とは互いに直交した方向に長く延びている。なお、固定用ねじ41,42は十字穴付きのビスを採用しているが、六角ボルトのようなボルトを使用してもよい。
【0034】
パネル支持体12における上折り曲げ片36aの左右端部の下面に第1調節用ナット47が溶接されており、この第1調節用ナット47に上下長手の第1調節用ねじ48が螺合している。第1調節用ねじ48の下端は中間枠32の上面板37に上方から当接している。従って、パネル支持体12はずれ落ち不能に保持されていると共に、各第1固定用ねじ41を緩めて左右の第1調節用ねじ48を回転操作するとパネル支持体12の高さを微調整できる。
【0035】
中間枠32における段落ち部36の外面には第2調節用ナット49が溶接されており、この第2調節用ナット49に左右横長の第2調節用ねじ50が内側から螺合している。第2調節用ねじ50の先端はサイドフレーム7の第1壁部18に当接している。従って、各第2固定用ねじ42を緩めてから左右の第2調節用ねじ50を回転操作することにより、パネル支持体12の左右位置を微調整できる。
【0036】
第2調節用ねじ50は六角ナットを使用しており、パネル支持体12の左右側部には、第2調節用ねじ50をスパナで回転操作できるように、中間枠32の重合部33に向いて開口した切欠き部51が切り開き形成されている。各固定用ねじ41,42と調節用ねじ48,50は表示パネル3の左右外側に露出しており、従って、パネル支持体12を表示パネル3を固定した状態で各ねじ41,42,48,50を手前側から回転操作することにより、パネル支持体12の高さ位置と左右位置と正面視姿勢とを微調整できる。
【0037】
例えば図5(C)に示すように、中間枠32における重合部33の外端には側面視鉤形で後ろ向きに突出した係合爪52を一体に設けている一方、サイドフレーム7の第1段部16には係合爪52が嵌まり込む上下長手で角形の係合穴53を形成している。係合爪52を係合穴53に落とし込むことにより、中間枠32は第2ねじ挿通穴45を第2固定用ナット46の高さに維持した状態で、左右サイドフレーム7に落下不能でかつ離反不能に保持されている。従って、中間枠32を固定するに際して一々中間枠32を手で持って高さを維持しておく必要はない。この点、本実施形態の利点の一つである。
【0038】
以上のとおり、各固定用ねじ41,42を緩めてから各調節用ねじ48,50を回転操作することにより、パネル支持体12の上下位置と左右位置と正面視での姿勢とを微調整することができる。このため、表示パネル3の表示エリアと窓穴4との相対的な位置・姿勢(傾き)を正確に定めることができる。
【0039】
各ねじ41,42,48,50はいずれも表示パネル3の外側に露出していて手前側から回転操作できるため、表示パネル3とパネル支持体12と中間枠32とを一体に組み込んでユニット化した状態のままで本体枠1に取り付けることができる。従って、予め配線作業を完了させてから表示パネル3を本体枠1にセットできるのであり、このため作業性に優れている。
【0040】
この場合、表示パネル3とパネル支持体12と中間枠32とより成る表示ユニットは相当の重量があるが、本実施形態のように係合爪52と係合穴53はの組み合わせのような係合手段(仮保持手段)を設けると、一々表示ユニットの高さを人手で保持しなくても第2固定用ねじ42のねじ込み作業を行えるため、特に好適である。
【0041】
また、第2調節用ねじ50を中間枠32の壁板35に設けてパネル支持体12に切欠き部51を形成すると、第2調節用ねじ50に物が引っ掛かることを防止できるのみならず、第2調節用ねじ50はサイドフレーム7の第1壁部18に当接させるだけであるため、構造を簡単化できる。
【0042】
(3).その他
本願発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば表示装置の形状や構造は表示パネルの形状等に応じて適宜変更できる。例えば横長の形態とすることも可能であるし、1台の表示装置に複数の表示パネル(及びパネル支持体)を取り付けることも可能である。扉を設ける場合、着脱式や跳ね上げ回動式とすることも可能である。
【0043】
パネル支持体を一方向にしか調節する必要がない場合は、必ずしも中間枠は必要ない。中間枠を使用する場合、その個数は任意に設定できる。例えば1つのパネル支持体に1つの中間枠み使用したり、1つのパネル支持体に3つ以上の中間枠を使用したりすることも可能である。各ねじにロックナットを螺合してもよい。調節用ねじとしては、蝶ボルトのようにレンチやスパナなしで回転させ得るねじを使用することも可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 本体枠
2 扉
3 表示パネル
4 窓穴
5 透明板
7 本体枠のサイドフレーム
12 パネル支持体
16 サイドフレームの第1段部
18 サイドフレームの第1壁部
32 中間枠
33 中間枠の重合部
35 中間枠の壁板
41 第1固定用ねじ
42 第2固定用ねじ
43 第1ねじ挿通穴
45 第2ねじ挿通穴
48 第1調節用ねじ
50 第2調節用ねじ
51 パネル支持体の切欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルが取り付くパネル支持体と、前記パネル支持体が取り付く本体枠とを有しており、前記パネル支持体を固定用ねじで前記本体枠に直接に締結しているか、又は、前記パネル支持体を第1固定用ねじで中間枠に締結して前記中間枠を第2固定用ねじで前記本体枠に締結している、
という構成であって、
前記固定用ねじは前記表示パネルの表示面と直交する方向に延びており、前記固定用ねじが嵌まるねじ挿通穴を長穴又は大径穴とすることにより、パネル支持体又は中間枠若しくは両方の位置を調節することが許容されており、かつ、前記パネル支持体の位置又は中間枠の位置が、前記固定用ねじと直交した方向に延びる調節用ねじの回転操作によって変更可能になっている、
表示装置。
【請求項2】
前記第1固定用ねじが嵌まる第1ねじ挿通穴及び前記第2固定用ねじが嵌まる第2ねじ挿通穴は互いに直交した方向に延びる長穴になっている一方、
前記パネル支持体には、前記第1ねじ挿通穴と同じ方向に延びる第1調節用ねじが、その先端が前記中間枠に当接する状態で螺合しており、更に、前記中間枠には、前記第2ねじ挿通穴と同じ方向に延びる第2調節用ねじが、その先端が前記本体枠に当接する状態で螺合している、
請求項1に記載した表示装置。
【請求項3】
前記固定用ねじと調節用ねじとはいずれも前記表示パネルの外側に露出している、
請求項1又は2に記載した表示装置。
【請求項4】
前記本体枠は上下長手で平行に延びる左右のサイドフレームを有しており、前記中間枠は前記左右のサイドフレームに水平状に架け渡し配置されており、
前記中間枠は、前記パネル支持体の左右外側に突出した状態で前記本体枠に重なる重合部を有しており、この重合部が前記第2固定用ねじで本体枠に締結されており、かつ、前記パネル支持体には、前記中間枠の重合部に向けて開口すると共に前記表示パネルの左右外側に露出した切欠き部が形成されており、前記切欠き部に前記第2調節用ねじの頭を露出させることにより、第2調節用ねじの回転操作を前記切欠き部から行えるようになっている、
請求項1又は2に記載した表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−37569(P2012−37569A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174621(P2010−174621)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【出願人】(390005452)伊藤喜オールスチール株式会社 (35)
【Fターム(参考)】