説明

表面クラッディング用のスラブ製品を敷設するための離間/平滑化装置

【課題】敷設面をクラッディングするためのスラブ製品を敷設するための離間/平滑化装置を提供する。
【解決手段】並び方向に隣り合う少なくとも2つのスラブ製品Pの敷設面の下に位置決め可能であるとともに、2つのスラブ製品Pの互いに対向する側面の少なくとも一部と接触される分離要素30が突出して設けられたベース20と、分離要素30に取り付けられスラブ製品Pのおもて面をベースへ向けて押圧する押圧手段40と、ベース20から突出するとともに分離要素30に対して直交し、並び方向に垂直な方向に沿って、スラブ製品Pの互いに対向する側面に垂直な側面を位置合わせするために垂直な側面に接触される少なくとも1つのコーナスペーサ50とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面をクラッディングするために、タイルなどのスラブ形状の製品を敷設するための離間/平滑化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
床や壁などの表面をクラッディングするためにタイルを敷設する技術分野において、タイルを互いに離間させるだけでなく、これらを平らに敷設することを可能にするスペーサ装置が使用されている。これらの装置は離間/平滑化装置として一般に知られている。
【0003】
公知のタイプの離間/平滑化装置は、一般に、互いに隣り合う少なくとも2枚のタイルの敷設面の下に位置決め可能なベースを備えている。このべースからは少なくとも1つの分離要素が突出している。この分離要素は、その側面において、敷設面上に互いに隣接して配置された2枚のタイルの互いに対向する側面と接触するように構成されている。
【0004】
離間/平滑化装置は、敷設後に露出される面であるタイルのおもて面によって規定される平面から上方に突出した分離要素の一部と協働しながら、これらタイル製品のおもて面を平滑化するようにベースへ向けて押圧する押圧手段も有している。
【0005】
これらの離間/平滑化装置は、タイル平滑化作用において特に有効である。しかし、同装置は、スラブ製品のコーナ部分、すなわち、表面がでこぼこにならないように、タイルの並び方向(フランク方向)に沿ってスラブ製品を位置合わせするときや製品を敷設するときにより高い精度が求められる場所には適用できないという欠点がある。
【0006】
タイルの正方配列に関しては、タイルのコーナとコーナとの間に他のタイプの離間装置や十字形のスペーサが使用されている。これらの装置は、タイルを等距離間隔で均一に並べるのに特に有効であるが、平滑化する機能を果たさないという欠点があり、その代わりとして敷設時には技術者の熟練した目による判断が用いられている。
したがって、いずれの場合でも、タイルの側端やコーナに作用することが必要か否かに応じて、1種類以上(例えば、3種類まで)の離間/平滑化装置または非平滑化装置を使用する必要がある。
【0007】
これらの離間装置は、例えば、タイルを分離させるベースから突出する要素の配置によって異なる。具体的には、3つの異なるタイプのスペーサ(離間器)が知られている。第1のスペーサは、平面図において十字形であり、第2のスペーサはT字形であり、第3のスペーサは単なる直線である。よって、これらのスペーサは、図2、図3および図4においてより明確に図示されているように、タイルの異なる領域に各々使用することができる。図2、図3および図4には、3種類の知られ得るタイル敷設方式が示されている。
公知のタイプの平滑化スペーサの例は、特許文献1および特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】ベルギー国特許出願公開第815222号明細書
【特許文献2】国際公開第2008/118418号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
発明の目的は、簡単で合理的で比較的経済的な解決法により、従来技術の上述した欠点を克服することである。
これらの目的は、独立請求項に記載されている特徴または本発明によって達成される。従属請求項は、本発明の好ましいおよび/または特に有利な態様を詳細に記載している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
具体的に、本発明は、表面をクラッディングするためのスラブ形成された製品を敷設するための離間/平滑化装置であって、並び方向に隣り合う少なくとも2つのスラブ製品の前記敷設面の下に位置決め可能であるとともに、前記2つのスラブ製品の互いに対向する側面の少なくとも一部と接触するのに適した突出した分離要素が少なくとも設けられているベースと、前記分離要素に取り付けられ、前記スラブ製品を平滑化するために前記スラブ製品のおもて面をベースへ向けて押圧するのに適した押圧手段と、前記ベースから突出するとともに前記分離要素に対して直交し、前記並び方向に垂直な方向に沿って、前記スラブ製品の互いに対向する側面に垂直な側面を位置合わせするために当該垂直な側面に接触するように構成された少なくとも1つのコーナスペーサとを備え、該コーナスペーサは、同コーナスペーサが前記ベースの上方に突出する上昇位置と、下降位置、例えば、前記コーナスペーサの少なくとも一部が前記ベースの内部に収容される非干渉位置との間で移動可能である装置を開示している。
【0011】
この解決手段により、離間/平滑化要素は、スラブ製品の敷設方式には依らずに、隣り合う2つのスラブ製品の側端と正方配列されるスラブ製品のコーナの両方において使用することができると同時に、敷設された製品の平滑化機能と製品自体を互いに分離させる離間機能も有している。
【0012】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面の各図を参照し非限定的な実施例として提供される以下の記載を読むことでより一層明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る離間/平滑化装置によってタイルで被覆された表面を示す不等角投影図である。
【図2】スラブ製品の第1の有効な敷設方式である正方配列を概略的に示す平面図である。
【図3】スラブ製品の第2の有効な敷設方式である千鳥配列を概略的に示す平面図である。
【図4】スラブ製品の第3の有効な敷設方式である複雑な配列を概略的に示す平面図である。
【図5】図1の詳細を示す平面図である。
【図6】図5のIII−III線に沿った断面図である。
【図7】図5のIV−IV線に沿った断面図である。
【図8】図1の更なる詳細を示す平面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る離間/平滑化装置の第1の変形例を示す側面図である。
【図10】図9の上から見た不等角投影図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る離間/平滑化装置の第2の変形例を示す側面図である。
【図12】図11の上から見た不等角投影図である。
【図13】本発明の第1の実施形態に係る離間/平滑化装置の第3の変形例を示す側面図である。
【図14】図13の上から見た不等角投影図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る離間/平滑化装置の側面図である。
【図16】図15の上から見た不等角投影図である。
【図17】図16の平面図である。
【図18】本発明の第3の実施形態に係る離間/平滑化装置の上から見た不等角投影図である。
【図19】図18の側面図である。
【図20】図18の正面図である。
【図21】図20のXVIII−XVIII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図を詳細に参照すると、文字Pは、全体を通して床や壁などの表面をクラッディングするように構成されたタイルなどのスラブ製品を示し、参照符号10は、全体を通して同製品の敷設を容易にするのに適している離間/平滑化装置を示している。
【0015】
装置10は、下面21を規定する幅広な形状、例えば、多角形、円形または不規則な形状を有するベース20を備えている。下面21は、タイルPによって被覆されるべき床面に配置される接着層上に載置されるのに適した、例えば、平坦な形状を有している。
【0016】
ベース20の上面22は、下面21とは異なり、1枚以上のタイルPの敷設面の一部を安定して受容するのに適している。
実際には、以下により詳細に説明されるように、ベース20は、少なくとも2枚(またはそれ以上)の互いに隣り合うタイルの下に位置決めされる。
【0017】
分離要素30は、ベース20から突出して配設され、図中、文字Aが示すフランク方向に沿って隣り合う少なくとも2枚のタイルPの互いに対向する側面の少なくとも一部に接触して使用されるように構成されている。
【0018】
分離要素30は、平板状の平行6面体であり、例えば、矩形のベースを有している。ベースは、該ベースに対して垂直方向に延び、その厚さと同じ距離だけ隣り合う2枚のタイルPを互いに離間させるように構成された薄肉の分離壁を規定している。
具体的には、分離要素30は、互いに平行な2つの側面31を備えている。
【0019】
また、図示されている実施形態において、分離要素30は、敷設されるタイルPの厚さより大きい高さを有している。これにより、タイルPがベース20の上面22に載置されると、分離要素30の頂面が、タイルPの敷設面によって規定される平滑化されるべき平面よりも上方へ(適切な量だけ)突出するようになっている。
【0020】
さらに、分離要素30は、一方の側面から他方の側面へ貫通する窓32を有している。この窓32の上縁33は、平滑化されるタイルPのおもて面の高さ位置(レベル)より上方に配置されるように構成され、下縁34は、前記レベルより下方(例えば、ベース20に一致するレベルに敷設されるように構成されている。
【0021】
また、分離要素30は所定の破断部35となる線または断面を有している。この破断部35は、離間および平滑化されるタイルのおもて面よりも低いレベル、例えば、ベース20の上面22と同一またはそれよりも低いレベルに配置して使用される。
この所定の破線や破断面35が存在することにより、タイルPが敷設されてこれらを支える接着剤が固化した後に、装置10の突出部分を容易に取り除くことができる。
【0022】
装置10は、分離要素30に取り付けられ、タイルPのおもて面をベース20へ向けて押圧しタイルを平滑化するのに適した押圧手段をさらに備えている。
具体的には、この押圧手段は、くさび部材40(図を簡単にするために、図5および図6のみに示されている)を備えている。くさび部材40は、ベース20に平行に配置して使用されるのに適した平坦な下面41と、小歯43またはぎざぎざの櫛歯のような突き当て要素(図6に示されている。同図中、くさび部材40は破線で概略的に示されている)が設けられた傾斜した上面42とを有している。
【0023】
くさび部材40は、下面41がタイルPのおもて面に載置された状態で、その上面42が窓32の上縁33と接触するように、例えば、歯43がこの上縁と噛合するように、窓32の内部に挿入されてスライドすることが可能である。これにより、くさび部材40は、タイルPに押し付けられてタイルをベース20へ向けて押圧するようになっている。
【0024】
分離要素30は、窓32の上方に位置し、使用に際してくさび部材40が窓32内へ強制的に挿入されたときに発生する分離要素の撓みを防止することが可能な補強部、例えば、より大きな断面積を有する領域を有している。
【0025】
しかしながら、これに代えて、押圧手段が、分離要素に沿ってスライドするように構成されるとともに分離要素に取り付けられたラックと噛合するのに適した歯を有するブロック、または、平滑化される2枚以上の隣り合うタイルPのおもて面へ徐々に略均一な圧力を与えるのに適した他の公知のタイプのシステムを有することができることも除外されない。
【0026】
特に、本発明の目的を達成するために、装置10は、ベース20から突出し、分離要素30に直交する少なくとも1つのコーナスペーサ50を備えている。
実際には、平面図において、分離要素30とコーナスペーサ50は交差して配置されている。
コーナスペーサ50は、タイルPの互いに対向する側面に垂直な側面をフランク方向Aに垂直な方向Dに沿って位置合わせするために、当該垂直な側面と接触するように構成されている。
【0027】
コーナスペーサ50は、ベース20から上方へ突出して同ベースに対して上昇した上昇位置と、(方向Dに対して)タイルPの垂直な側面に干渉しない非干渉位置との間で移動可能であることが好ましい。
【0028】
実際には、コーナスペーサ50は、その非干渉配置において、その垂直寸法の全体または一部がベース20の垂直寸法(厚さ)内に収まるように下降するように構成することができる。
この例において、コーナスペーサ50は、2つの側面52が設けられた少なくとも1つのブロック51を有している。2つの側面52は、ブロック51が上昇位置にあるとき、方向Dに沿って隣り合う2枚のタイルPの側面と接触する。
【0029】
図示されている好ましい実施形態において、ブロック51は、非干渉位置において、側面52の全体がベース20の垂直寸法内に収まるように、即ち、ブロック51がベース20の内部に隠れるように、ベース20に取り付けられている。また、ブロック51は、上昇位置において、側面52が正方配列されるタイルPの側面に対して突き当て要素として機能できるようにベースの上方に突出するように、ベース20に取り付けられる。
【0030】
コーナスペーサ50の平面図における厚さは、分離要素30の平面図における厚さと略等しいことが好ましく、これにより、タイルPが方向Dとフランク方向Aの両方に沿って同一の距離だけ間隔を空けて配置される。
しかしながら、コーナスペーサ50の平面図における厚さは、タイルPの様々な敷設の要求に応じて、分離要素30の平面図における厚さと異なることも可能である。
【0031】
図示されている実施例において、この実施例では、装置10は、上述したように、互いに独立し、分離要素30に対して互いに反対側に配置された少なくとも2つのコーナスペーサ50を備えている。
【0032】
2つのコーナスペーサ50の側面52は、2個ずつ略同一平面上に設けられるとともに、分離要素30の側面31に垂直である。これにより、方向Dに沿ったタイルPの側面の有効な位置合わせが保証されるようになっている。
しかしながら、これに代えて、装置10は、(例えば、窓32を介して)分離要素30に交差する単一のコーナスペーサ50を備えることも可能である。
【0033】
図9〜図14に示される好ましい実施形態において、ブロック51は、少なくとも可塑的または弾性的な可撓材料により実現され、ベース20から突出している。
実際には、各ブロック51は、反対側の端がベース20に固定された自由端を有し、ベースと共に単一の部品として実現される。
【0034】
ブロック51を構成する材料の可撓性により、ブロック51は、その上昇位置においては上方へ鋭角に折り畳まれて配置されるが、その非干渉位置または下降位置においてはベース20と略同一平面上に配置される。
【0035】
図9〜図10、図11〜図12、図13〜図14はそれぞれ、好ましい実施形態における3つの変形例を示しており、コーナスペーサ50の形状および配置が異なっている。
図15〜図17に示される他の実施形態において、ブロック51(これも剛性材料から構成することができる)は、入れ子式に伸縮するように摺動可能にベース20に取り付けられるとともに、ブロック51を一時的に保持してその側面52を上昇位置に保持するように構成された容易に破断可能な所定の破断リブ53を有している。
【0036】
実際には、ベースは、ブロック51が略ぴったり嵌合して摺動することができる2つの貫通スロット23を有している。所定の破断リブ53は、各スロット23の上縁の位置とブロック51の下縁の位置に規定される。このように、上昇位置においてブロック51は、所定の破断リブ53によってベース20より高いレベルで保持されるが、リブが破断すると、ブロック51はスロット23内部で摺動し、ベースより下のレベルへ下降することができる。
【0037】
最後に、図18〜図21に示される好ましい実施形態において、ベース20は下面21に対して鋭角で傾斜する少なくとも1つの側端面24を有している。この側端面24は、方向Aに沿ってコーナスペーサ50と一列に配置される。
【0038】
側端面24は、ベースの下面21を上面22に接続し、略連続的にコーナスペーサ50の下縁まで延びる上昇傾斜面を有している。
また、コーナスペーサ50は、側端面54を有している。具体的には、側端面54は、分離要素30に対して外側に配置され、ベース20に対して鋭角で傾斜している。
【0039】
側端面54もまた、コーナスペーサ50の下縁をその上縁に接続する上昇傾斜面を規定するとともに、必要に応じてこの側端面54に方向Aに沿う推力を作用させることにより、タイルPを装置10に対して方向Aに沿って移動させ、それによりコーナスペーサを上昇位置から下降位置へ容易に下降させることができるカム輪郭を規定している。
【0040】
具体的には、両方のコーナスペーサ50は、ベース20が互いに反対側に配置されてコーナスペーサ50の側端面に向かって延びる2つの側端面24を有しているのと同様に、傾斜する側端面54を各々有している。
この場合も、各コーナスペーサ50は、ベース20に対して入れ子式に伸縮する摺動可能に取り付けられたブロック51を有し、ブロック51を一時的に保持してその側面52を上昇位置に保持することが可能な破断リブ53が設けられている。
【0041】
前述した実施形態におけるように、この実施形態においても破断リブ53が、ベース20の上面22によって規定される平面の下方に規定されることにより、ベースに取り付けられている部分がその上に載置されているタイルPの平面性を阻害しないようになっていることが好ましい。
【0042】
実際には、ベース20は、各々ブロック51が略ぴったり篏合して摺動することができる2つの貫通スロット23を有している。破断リブ53は、各スロット23の上縁とこれらのブロック51の下縁に規定される。このようにすることで、上昇位置においては、ブロック51は破断リブ53によってベース20より高いレベルに保持されるが、破断リブが破断すると、ブロック51がスロット23の内部を摺動してベース自体のレベルより下へ下降することができる。
【0043】
特にスロット23がベース20を一方の端面から他方の端面まで貫通する必要があるとき、ブロック51の高さはベース20の厚さよりも若干大きくなり得る。すなわち、ブロック51のベース20を超えた部分は、装置10が配置されるモルタルの内部にタイルPと干渉することなく沈めて使用することができる。
【0044】
上記の説明に照らして、装置10の機能は以下の通りである。
複数のタイルPによって表面をクラッディングするために、まず、接着剤の層が地面とその上に敷設されるタイルPに塗布される。
実際には、1枚目のタイルが配置される場所において、一番目の装置10、例えば、ベース20が、4枚の各タイルPの4つのコーナの下に配置されるように構成されている装置10を位置決めすればよい。
【0045】
図5に示すように、ベース20を位置決めした後は、4枚のタイルPを、各タイルPのコーナが、その側面の一部において分離要素30の側面31および一方のブロック51の側面52とそれぞれ接触するように、位置決めすればよい。
【0046】
このようにすることで、装置10を取り囲む4枚のタイル間の距離が等しくなるように、確実に正方配列することができる。
例えば、タイルPが特に大きな寸法を有しているときは、図5に示すように、タイルPの側面の中間位置にも装置10を配置することが可能である。
この配置において、ベース20は多くとも2枚の隣り合うタイルPの下に配置される。これにより、タイルの各々の側面は、分離要素30の側面31に接して載置される。
【0047】
これを行う際、タイルPはコーナスペーサ50の上に載置される。このとき、コーナスペーサ50は、タイルPの重量によってまたは敷設を行っている作業者によって強制的に、上昇位置からベース20の上面22のレベルよりも低い非干渉位置へ移動される。
例えば、タイルPを最初に敷設し、その後にタイルPのコーナまたは側面において装置のベース部分20をタイルPの下へ挿入して作業することが可能である。
【0048】
例えば、図18〜図21だけでなく、図6〜図12に示されている実施形態に関しても、ベース20がタイルPの側面においてタイルPの下へ挿入される場合、タイルPとベース20との相対的な移動およびコーナスペーサ50の上昇位置から下降位置への下降は、コーナスペーサ50の下縁をその上縁に接続する上昇傾斜面を規定する側端面54によって容易に行うことができる。場合によっては、側端面54は、その下に配置されている、ベース20の下面21を上面22に接続する上昇傾斜面を規定する側端面24から接続されていてもよい。
【0049】
1つ以上のブロック51は、実際のタイル敷設前に、敷設作業を行う人により、本明細書において上述した破断リブと同様の所定の破断リブにより取り除くことが可能である。これにより、装置10は、どんな場合でもタイルPの配置に適したものとなる。例えば、装置10は、ブロック51を1つも取り除くことなく、または、1つだけ取り除くか下降させることにより、タイルPのコーナに配置するのに適したものとなる。また、装置10は、例えば、両方のブロック51を取り除くかまたは下降させることにより、タイルPの側面に配置するのに適したものとなる。
【0050】
分離要素30およびコーナスペーサ50を有する様々なベース20が上述のように位置決めされると、接着剤が完全に固化しないうちに、離間/平滑化装置10による敷設を仕上げるために様々なくさび部材40が挿入される。そして、様々な位置(中間位置やコーナ)で局所的にタイルPのおもて面を押圧することによって、タイルのおもて面を完全に平滑化することができる。
【0051】
以上、理解されるように、本発明は、本発明の概念の範囲を逸脱しない限りにおいて、数多くの変更や変形が可能である。
また、すべての詳細は他の技術的に等価な要素に置き換えることができる。
実際に使用される材料だけでなくこれに付随する形態や寸法も、以下の特許請求の範囲により保護される範囲を逸脱しない限りにおいて、必要に応じて任意に変更可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷設面をクラッディングするためのスラブ製品(P)を敷設するための離間/平滑化装置(10)であって、
並び方向(A)に隣り合う少なくとも2つのスラブ製品(P)の前記敷設面の下に位置決め可能であるとともに、前記2つのスラブ製品(P)の互いに対向する側面の少なくとも一部と接触するのに適した突出した分離要素(30)が少なくとも設けられているベース(20)と、
前記分離要素(30)に取り付けられ、前記スラブ製品(P)を平滑化するために前記スラブ製品(P)のおもて面をベースへ向けて押圧するのに適した押圧手段(40)と、
前記ベース(20)から突出するとともに前記分離要素(30)に対して直交し、前記並び方向(A)に垂直な方向(D)に沿って、前記スラブ製品(P)の互いに対向する側面に垂直な側面を位置合わせするために当該垂直な側面に接触するように構成された少なくとも1つのコーナスペーサ(50)とを備え、
該コーナスペーサ(50)は、該コーナスペーサ(50)が前記ベース(20)の上方に突出する上昇位置と、前記コーナスペーサ(50)の容積の少なくとも一部が前記ベース(20)の容積の内部に収容される下降位置との間で移動可能である離間/平滑化装置(10)。
【請求項2】
前記コーナスペーサ(50)が、前記下降位置において前記ベース(20)から分離されることができるように、前記ベース(20)に着脱可能に取り付けられる請求項1に記載の離間/平滑化装置(10)。
【請求項3】
前記コーナスペーサ(50)が、前記垂直な方向(D)に沿って隣り合う2つのスラブ製品(P)の前記側面に接触するように構成された2つの側面(52)を有する少なくとも1つのブロック(51)を備え、
該ブロック(51)は、前記下降位置において前記側面((52)の少なくとも一部が前記ベース(20)の垂直方向の領域内に含まれ、前記上昇位置において前記側面((52)が前記ベース(20)の上に突出するように、前記ベース(20)に取り付けられている請求項1に記載の離間/平滑化装置(10)。
【請求項4】
前記ブロック(51)が、前記ベース(20)に対して入れ子式に伸縮するように摺動可能に取り付けられているとともに、前記側面((52)を一時的に前記上昇位置に拘束するのに適した所定の破断リブ(53)を有している請求項3に記載の離間/平滑化装置(10)。
【請求項5】
前記ブロック(51)が、少なくとも可塑的または弾性的に撓む材料から構成されているとともに前記ベース(20)から突出している請求項3に記載の離間/平滑化装置(10)。
【請求項6】
前記コーナスペーサ(50)の平面図における厚さが、前記分離要素(30)の平面図における厚さと等しい請求項1記載の離間/平滑化装置(10)
【請求項7】
前記分離要素(30)に対して互いに反対側に配置された少なくとも2つの前記コーナスペーサ(50)を備える請求項1に記載の離間/平滑化装置(10)。
【請求項8】
前記2つのコーナスペーサ(50)の前記側面((52)が、2個ずつ略同一平面上に配置されている請求項3または請求項7に記載の離間/平滑化装置(10)。
【請求項9】
前記コーナスペーサ(50)および/または前記ベース(20)の、前記分離要素に対して遠位側の少なくとも1つの端面が、前記ベース(20)の載置平面に対して鋭角で傾斜した外形を有している請求項1に記載の装置(10)。
【請求項10】
前記分離要素(30)は、前記ベース(20)に固定され該ベースから垂直に延びるとともに、上縁(33)が前記スラブ製品(P)のおもて面の高さ位置の上方に配置されかつ下縁(34)が前記おもて面の高さ位置の下方に配置されるように構成された貫通窓(32)が設けられた平板本体を備え、
前記押圧手段が、前記貫通窓(32)内に挿入されて前記スラブ製品(P)の前記おもて上に載置された状態で摺動するように構成され、前記上縁(33)と協働しながら前記スラブ製品(P)を前記ベース(20)へ向けて押圧するくさび部材(40)を備える請求項1に記載の離間/平滑化装置(10)。
【請求項11】
前記分離要素(30)は、離間および平滑化される前記スラブ製品(P)の前記おもて面より低い高さ位置に配置して使用される所定の破断部を有する線または断面(35)が形成されている請求項1に記載の離間/平滑化装置(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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