説明

袋がスムーズに取り出せる袋群包装体

【課題】 袋が1枚ずつスムーズに取り出せる簡易な方法及びその装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 合成樹脂フィルム製の袋を、5枚から100枚重ねて、これらを2回以上一括ジッグザッグに折り込んだ袋群を、この折り畳まれた袋群の底面積及び厚み幅に符合する寸法を有し袋取り出し口が設けてある容器に収納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台所や店舗等で使用されるポリエチレン等の合成樹脂フィルムにより形成された袋が収納された袋群の包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
台所や店舗等で使用するものとして、複数枚の合成樹脂フィルム製の袋を、外袋又は、箱等の容器に収納したものが市販されている。これらを見ると、小型の袋については、20枚乃至30枚の袋を重ねて、そのまま容器に収められているが、有る程度の大きさの袋は、重ねた複数の袋を二つ折り、或いは、図1に示すように、横から見て渦を巻くように複数回折り容器に収められている。更に、ゴミ袋等の大型の袋については、一枚ずつ幅方向及び深さ方向に複数回折ったものを、袋詰めしたものが多い。
【0003】
これらの袋を使用する際には、袋は収納容器より一枚ずつ取り出して使用される。取り出し方は、収納容器から束になった袋の集合体を取り出し、袋を一枚とり、残りの袋をもとのように収納容器に戻す場合もあれば、収納容器に袋取り出し用の開口部があり、開口部から袋を一枚ずつ引っ張り出す場合もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、図1のように横から見て渦を巻くように複数回折られ容器に収められた袋の集合体から、袋取り出し用の開口部を通して、袋を一枚取り出そうとすると、内側に折り込まれている袋の部分を引き抜くのにある程度の力が必要であった。そこで、本発明の目的は、力をかけなくても袋が一枚ずつスムーズに取り出せる複数の袋が収納された容器(袋群包装体)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前記の課題を達成するために鋭意検討した結果、合成樹脂フィルム製の袋を、5枚から100枚重ねて、これらを2回以上一括ジッグザッグに折り込んだ袋群を、この折り畳まれた袋群の底面積及び厚み幅に符合する寸法を有し袋取り出し口が設けてある容器に収納することにより、袋取り出し用の開口部を通して、袋が一枚ずつスムーズに取り出せることを見出し、本発明に至った。
【発明の効果】
【0006】
本発明の袋群包装体は、収納する袋群の折り方を、横から見て渦を巻くように複数回折ることから、ジッグザッグに折ることに変えたことにより、あまり力をかけなくても袋を収納容器から一枚ずつスムーズに取り出すことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0008】
本発明で用いる合成樹脂フィルム製の袋は台所や店舗等で使用される合成樹脂フィルムにより形成された袋であって、大きさに制限は無い。但し、そもそも収納容器に入れる際に折る必要はない小型の袋は本発明の対象外である。又、袋の材質としては、合成樹脂製なら何でも良く、例えばポリエチレンを挙げることが出来る。本発明において合成樹脂フィルム製の袋は2回以上一括ジッグザッグに折り込まれて、収納容器に収納される。2回一括ジッグザッグに折り込まれて収納容器に収納された袋群を図2に、3回一括ジッグザッグに折り込まれて、収納容器に収納された袋群を図4に示す。ここで、図2は袋群の包装体の一例であり、側面に袋取り出し口3を有する点線で示された収納容器2の中に、2回一括ジッグザッグに折り込まれた袋群(袋の集合体)1が収納されている。また、図4は袋群の包装体の一例であり、側面に袋取り出し口3を有する点線で示された収納容器2の中に、3回一括ジッグザッグに折り込まれた袋群(袋の集合体)1が収納されている。
【0009】
又、袋の形状は通常の四角の他に、袋の開口部を縛りやすいようにミミが付いている袋であっても、図5に示すように、袋が一枚ずつスムーズに取り出せるように収納することができる。ここで、図5は袋群の包装体の一例であり、側面に袋取り出し口3を有する点線で示された収納容器2の中に、2回一括ジッグザッグに折り込まれたミミ付きの袋群(袋の集合体)1が収納されている。
【0010】
又、袋に水切り用の小さな穴があいていても本発明に使用するのに差し支えない。
【0011】
本発明において袋は重ねてジッグザッグに折られるが、重ねる袋の枚数としては、5枚から100枚が好ましく、より好ましくは、30枚から50枚である。
【0012】
本発明の畳まれた合成樹脂フィルム製の袋の集合体を収納する容器としては、袋取り出し用の開口部を有する箱又は柔軟な外袋が好ましい。収納容器の袋取り出し口の位置は袋を取り出し易い所ならどこでもよく、例えば、図2に示すように容器の側面、或いは図3に示すように容器の上面であっても良い。ここで、図3は袋群の包装体の一例であり、側面に袋取り出し口3を有する点線で示された収納容器2の中に、2回一括ジッグザッグに折り込まれた袋群(袋の集合体)1が収納されている。
【実施例】
【0013】
(実施例1)
縦310mm、横240mm、厚さ0.01mmのポリエチレン製の袋を40枚重ね、深さ方向(縦方向)に2回一括ジッグザッグに折り込んだものを、縦250mm、横130mmの収納容器に図2に示すように収納した。次に収納容器側面の袋取り出し用の開口部(横80mm、縦60mmの楕円形)から袋を1枚、5mm引き出し、引き出した部分に糸を繋いだクリップを取り付けた。この糸の反対側には錘を乗せられる籠が結び付けてあり、籠に錘を少しずつ乗せ、袋一枚を引き出すのに必要な錘の重さを調べた(装置図6参照)。2回繰り返した結果、袋一枚を取り出すのに必要な錘は、1回目310g、2回目300gであった。
【0014】
(比較例1)
縦310mm、横240mm、厚さ0.01mmのポリエチレン製の袋を40枚重ね、下の3分の1を真ん中に折り上げ、次に上の3分の1を真ん中に折重ねたものを、縦250mm、横130mmの収納容器に図1に示すように収納した他は、実施例1と同様にして、袋一枚を引き出すのに必要な錘の重さを調べた。2回繰り返した結果、袋一枚を取り出すのに必要な錘は、1回目770g、2回目790gであった。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来品の一例であって、袋取り出し用の開口部を側面に有する収納容器を透過して見た場合の斜視図である。袋群は重ねて三つ折にされている。
【図2】本発明の袋群の包装体の一例であって、袋取り出し用の開口部を側面に有する収納容器を透過して見た場合の斜視図である。袋群は重ねて2回ジッグザッグに折られている。
【図3】本発明の袋群の包装体の一例であって、袋取り出し用の開口部を上面に有する収納容器を透過して見た場合の斜視図である。袋群は重ねて2回ジッグザッグに折られている。
【図4】本発明の袋群の包装体の一例であって、袋取り出し用の開口部を側面上方に有する収納容器を透過して見た場合の斜視図である。袋群は重ねて3回ジッグザッグに折られている。
【図5】本発明の袋群の包装体の一例であって、ミミ付きの袋を収納した、袋取り出し用の開口部を側面に有する収納容器を透過して見た場合の斜視図である。袋群は重ねて2回ジッグザッグに折られている。
【図6】袋群の包装体から袋を一枚取り出すのに要する力を測定する装置図。
【符号の説明】
【0016】
1・・・合成樹脂フィルム製袋の集合体(袋群)
2・・・収納容器
3・・・袋取り出し口
4・・・クリップ
5・・・糸
6・・・錘
7・・・籠
8・・・錘によって引き出されようとしている一枚の袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂フィルム製の袋を、5枚から100枚重ねて、これらを2回以上一括ジッグザッグに折り込んだ袋群を、この折り畳まれた袋群の底面積及び厚み幅に符合する寸法を有し袋取り出し口が設けてある容器に収納してあることを特徴とする、袋が1枚ずつスムーズに取り出せる袋群の包装体。
【請求項2】
収納容器が柔軟な外袋であることを特徴とする請求項1に記載の袋群の包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−126253(P2010−126253A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−326479(P2008−326479)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(595138155)ダイセルファインケム株式会社 (11)
【Fターム(参考)】