説明

袋の製造方法および袋

【課題】袋が形成されるときに内部に仕切りが形成されるように効率よく袋が製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】袋1の側壁を形成するための複数の側壁形成部11〜16と、袋の底部4を形成するための複数の底部形成部とを備えた袋形成用台紙を各側壁形成部および各底部形成部ごとに折り曲げるとともに、所定位置で接合することによって、その内側に収納空間を有する袋1を製造する袋1の製造方法において、前記袋形成用台紙には、収納空間を仕切る仕切り5を形成するための仕切形成部が側壁形成部と一体に設けられ、側壁形成部を折り曲げて袋1の側壁を形成するときに、仕切形成部が側壁間に架け渡されて袋1の収納空間を仕切る仕切りとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋の製造方法およびこの製造方法によって製造された袋に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、飲食品その他の物品を購入等した場合に使用される袋には、通常、紙製で折り畳み自在とされたものが用いられる。この袋には底部と側壁によって内側に所定の大きさの収納空間が構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の袋では、袋内に複数の物品が収納される場合に、収納空間において複数の物品が混入することになり、各物品の出し入れが煩雑となるおそれがあった。さらに、収納空間の大きな袋内に、飲料を入れた容器を収納した場合、この容器が倒れて内容物が流出するおそれがあった。
【0004】
このようなことを防止するには、例えば、既製の袋の内部に仕切りを設けて所定の種類の物品ごとに分けて収納することが望ましいが、既製の袋の1つ1つに事後的に仕切りを設けることは、その作業が非常に面倒である。
【0005】
そこで、本発明は、袋を構成する前の台紙に事前に仕切形成部を設けておくことで、袋が形成されたときに内部に仕切りが形成されるようにして、効率よく袋を製造できる袋の製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
また、本発明の他の課題は、効率良く製造できる袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するために以下の技術的手段を講じた。
【0008】
すなわち、本発明は、袋の側壁を形成するための複数の側壁形成部と、袋の底部を形成するための複数の底部形成部とを備えた袋形成用台紙を各側壁形成部および各底部形成部ごとに折り曲げるとともに、所定位置で接合することによって、その内側に収納空間を有する袋を製造する袋の製造方法において、前記袋形成用台紙には、収納空間を仕切る仕切りを形成するための仕切形成部が側壁形成部と一体に設けられ、側壁形成部を折り曲げて袋の側壁を形成するときに、仕切形成部を側壁間に架け渡して袋の収納空間を仕切る仕切りとすることを特徴とする。
【0009】
かかる袋の製造方法によれば、袋を形成する前の袋形成用台紙に側壁形成部、底部形成部、および仕切形成部を形成しておき、この袋形成用台紙を折り曲げ、所定位置で接合し、この仕切形成部を袋の側壁に架け渡すようにすることで、最終的に完成された袋には、その収納空間を仕切る仕切りが既に形成された状態となっており、これによって、袋を形成した後に、その内部に仕切りを取り付けるといった煩雑な作業を省略して、複数の物品を分けて収納可能な袋を効率よく製造することができる。
【0010】
また、本発明に係る袋は、前記製造方法によって製造されることを特徴とするものである。これによれば、最終的に完成した袋には、その内部の収納空間に既に仕切りが形成されているため、袋を形成した後に仕切りを袋内に設けるといった煩雑な作業を省略でき、この袋を効率良く製造できるようになる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、袋を構成する前の台紙に事前に仕切形成部を設けておくことで、袋が形成されたときに内部に仕切りを形成することができるため、袋を効率良く製造することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る袋およびこの袋の製造方法を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
【0013】
図1〜図7は、本発明に係る袋および袋の製造方法の第1実施形態を示している。この袋1は、図2に示すように、所定の形状に構成された紙製の袋形成用台紙2を所定の形状に折り曲げ、所定位置で貼り合わせることによって、内部の収納空間を形成する側壁3(3a〜3d)および底部4、そして、内部の収納空間を仕切る仕切り5を備えて形成される。袋形成用台紙2は、袋1の側壁3(3a〜3d)を形成するための複数の側壁形成部11〜16と、袋1の底部4を形成するための複数の底部形成部21〜26と、袋1内の収納空間を仕切る仕切り5を形成するための仕切形成部28を備える。
【0014】
本実施形態では、袋形成用台紙2には、6つの側壁形成部11〜16が並設されている。以下、各側壁形成部11〜16のそれぞれを、順に、第1側壁形成部11ないし第6側壁形成部16という。各側壁形成部11〜16は、図2に示すように、長方形状とされており、また、それぞれ同じ大きさで形成されている。なお、これらの側壁形成部11〜16が並べられている方向を「横方向」という。また、各側壁形成部11〜16の長手方向に直交する方向を「幅方向」という。この幅方向と横方向は同じ方向であるが、説明の便宜上、これらを分けて説明する。
【0015】
第1側壁形成部11と第6側壁形成部16は、袋形成用台紙2の横方向の端部に設けられている。第1側壁形成部11と第6側壁形成部16の端部には、これらの以外の他の側壁形成部に接合される接合部(以下「第1接合部」という)31が形成されている。各側壁形成部11〜16間には、これら側壁形成部11〜16を区切る境界線(以下「第1境界線」という)Aが設けられている。
【0016】
仕切形成部28は、第3側壁形成部13と第4側壁形成部14との間に設けられている。この仕切形成部28は、第3側壁形成部13と第4側壁形成部14とを連結するように、この第3側壁形成部13と第4側壁形成部14と一体に形成されている。この仕切形成部28と第3側壁形成部13との間、および仕切形成部28と第4側壁形成部14との間には、これらの側壁形成部13,14と仕切形成部28とを区切る境界線(以下「第2境界線」という)Bが設けられている。
【0017】
また、この仕切形成部28は、図2に示すように、長方形状とされており、その長手方向における長さは、各側壁形成部11〜16の長手方向の長さよりも短くなっており、第3側壁形成部13の長手方向の中途部と第4側壁形成部14の長手方向の中途部とを連結している。この仕切形成部28は、出来上がった袋の用途、目的に合わせて、その長さを適宜設定することができる。また、この仕切形成部28の中途部には、貫通孔、開口部等が設けられていてもよい。
【0018】
底部形成部21〜26は、各側壁形成部11〜16の長手方向の一端部側に設けられている。本実施形態では、袋形成用台紙2に6つの底部形成部21〜26が設けられており、第1側壁形成部11ないし第6側壁形成部16のそれぞれに1つずつ設けられている。以下、各底部形成部を、第1側壁形成部11ないし第6側壁形成部16に対応して、第1底部形成部21ないし第6底部形成部26という。
【0019】
図2に示すように、袋形成用台紙2の横方向の端部に形成される第1底部形成部21と第6底部形成部26には、これら以外の他の底部形成部と接合される接合部(以下「第2接合部」という)32が形成されている。
【0020】
各底部形成部21〜26間には、これらの底部形成部21〜26のそれぞれを区切る境界線(以下「第3境界線」という)Cが設けられている。また、各底部形成部21〜26と各側壁形成部11〜16との間には、底部形成部21〜26と側壁形成部11〜16とを区切る境界線(以下「第4境界線」という)Dが設けられている。図2に示すように、第4境界線Dは、第1境界線Aと一致しており、両者は同一の直線として表されている。したがって、各側壁形成部11〜16の幅と各底部形成部21〜26の幅は等しくなっている。
【0021】
以下、上記構成の袋形成用台紙2を用いて袋1を製造する方法を説明する。
【0022】
まず、袋形成用台紙2を第1境界線Aおよび第2境界線Bに沿って所定の形状に折り曲げる。すなわち、図3に示すように、第1側壁形成部11と第2側壁形成部12とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で折り曲げ、さらに、第2側壁形成部12と第3側壁形成部13がほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で折り曲げる。このようにすることで、第1側壁形成部11と第2側壁形成部12と第3側壁形成部13とは、図3に示すように、平面視でコの字状となるように折り曲げられる。
【0023】
そして、第3側壁形成部13と仕切形成部28とがほぼ直角となるように、その間の第2境界線Bの位置で折り曲げる。また、仕切形成部28と第4側壁形成部14とがほぼ直角となるように、その間の第2境界線Bの位置で折り曲げる。
【0024】
さらに、第4側壁形成部14と第5側壁形成部15とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で折り曲げる。そして、第5側壁形成部15と第6側壁形成部16とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で折り曲げる。このようにすることで、第4側壁形成部14と第5側壁形成部15と第6側壁形成部16とは、図3に示すように、平面視でコの字状となるように折り曲げられる。
【0025】
このとき、第4側壁形成部14ないし第6側壁形成部16によってコの字状に折り曲げられた部分は、仕切形成部28を挟んで、第1側壁形成部11ないし第3側壁形成部13によってコの字状に折り曲げられた部分とは反対側に位置することになる。
【0026】
上記のように折り曲げた後、第1側壁形成部11の端部の第1接合部31を第4側壁形成部14の端部と重ね合わせ、この重ね合わせた部分を接合する。具体的には、この重ね合わせた部分同士を接着剤、両面テープ等の接着手段によって接着する。また、第6側壁形成部16の端部の第1接合部31を第3側壁形成部13と重ね合わせ、この重ね合わせた部分を接着手段等によって接合する。
【0027】
このとき、第1底部形成部21の第2接合部32を第4底部形成部24と重ね合わせ、この重ね合わせた部分同士を接着手段によって接着する。また、第6底部形成部26の第2接合部32を第3底部形成部23に重ね合わせ、この重ね合わせた部分同士を接着手段によって接着する。
【0028】
このようにすることで、袋形成用台紙2は、四角筒状に構成され、第1側壁形成部11ないし第6側壁形成部16によって、袋1の4つの側壁3が形成される。以下、第1側壁形成部11と第4側壁形成部14とを接合することによって形成された側壁3を第1側壁3aといい、第2側壁形成部12によって形成される側壁3を第2側壁3bという。さらに、第3側壁形成部13と第6側壁形成部16とを接合することによって形成された側壁3を第3側壁3cといい、第5側壁形成部15によって形成された側壁3を第4側壁3dという。
【0029】
このように側壁3(第1側壁3a〜第4側壁3d)を形成することで、仕切形成部28が第1側壁3aと第3側壁3cとの間に架け渡されることになり、これによって、袋1内の収納空間を仕切る仕切り5が形成される。
【0030】
そして、最終的にできあがった袋1が折り畳み可能となるように、第2側壁形成部12(第2側壁3b)と、第5側壁形成部15(第4側壁3d)を折り曲げる。具体的には、図4に示すように、第2側壁形成部12および第5側壁形成部15の幅方向の中心位置を通り、これらの側壁形成部12,15の長手方向に沿う直線に沿って、これらの側壁形成部12,15が対向する対向方向の内側に凹むように各側壁形成部12,15を折り曲げる。
【0031】
また、第2側壁形成部12に対応して設けられた第2底部形成部22と、第5側壁形成部15と対応して設けられた第5底部形成部25も、その幅方向の中心を通る直線に沿って、第2側壁形成部12、第5側壁形成部15と同様に折り曲げる。これにより、筒状にされた袋形成用台紙2を図4に示すように折り畳むことができるようになる。
【0032】
また、上記のように袋形成用台紙2を折り畳んだときに、仕切形成部28が袋形成用台紙2とともに折り畳まれるように、この仕切形成部28の幅方向の中途部に折り目をつけておくことが望ましい。
【0033】
次に、底部形成部21〜26を所定の形状に折り曲げ、所定位置で接合することによって、袋1の底部4を形成する。具体的には、まず、図4に示すように、袋形成用台紙2を折り畳むことにより、折り重なった第1底部形成部21ないし第6底部形成部26を、第4境界線Dに沿ってまとめて図5に示すように折り曲げ、さらに、第2底部形成部22と第5底部形成部25を、これらが対向する対向方向内方に折り曲げ、折り目をつける。
【0034】
このとき、図6に示すように、第1底部形成部21の第2接合部32と第4底部形成部24とが接合された部分と、第6底部形成部26の第2接合部32と第3底部形成部23とが接合された部分の2箇所に、袋1の底部4を塞ぐための閉塞部35が形成される。この2つの閉塞部35を、図7に示すように、第2底部形成部22、第5底部形成部25に重なるように折り曲げ、これらの閉塞部35同士、および閉塞部35と第2底部形成部22、第5底部形成部25とを接着する。
【0035】
以上により、筒状にされた袋形成用台紙2の一端部に底部4が形成され、これによって、袋1が完成する。
【0036】
以上説明した袋1および袋1の製造方法によれば、側壁形成部11〜16、底部形成部21〜26の他に、仕切形成部28を袋形成用台紙2に予め設けておくことによって、側壁形成部11〜16を折り曲げて袋形成用台紙2を筒状に構成したときに、既にこの仕切形成部28は、筒状の袋形成用台紙2の側壁3の間(第1側壁3aと第3側壁3cの間)に架け渡され、袋1の収納空間を仕切る仕切り5となる。
【0037】
したがって、袋1に事後的に別体の仕切り5を設けるという手順を省略することができ、この製造方法は効率的に袋1を製造することができる。
【0038】
さらに、側壁形成部11〜16と底部形成部21〜26とともに仕切形成部28を一体に設けていることから、袋1を製造するための部材を袋形成用台紙2のみの1部材とすることができ、この点において、袋1の製造過程を簡略化するとともに、袋1を製造するための部材(袋形成用台紙2)の管理面においても効率の良いものになる。
【0039】
なお、本実施形態では、第1側壁形成部11の第1接合部31を第4側壁形成部14に接合して第1側壁3aを形成したとき、第1側壁3aに、この第1接合部31の幅方向の端部が直線となって現れることになるが、この第1接合部31の幅を、第4側壁形成部14の幅と同じに設定しておけば、袋1が形成されたときに、この第1接合部31の幅方向の端部が第1側壁3aと第4側壁3cとの境界(第4側壁形成部14と第5側壁形成部15との間の第1境界線A)と一致することになり、これによって、袋1が形成されたときに、この第1接合部31の端部が目立たなくなり、袋1を見栄えの良いものにできるようになる。また、これによって、袋1の各側壁3a〜3dに図柄等を印刷する場合にも、第1接合部31の端部が邪魔にならなくなり、この点で特に有用である。
【0040】
同様に、第6側壁形成部16の第1接合部31を第3側壁形成部13に接合して第3側壁3cを形成したときに、第3側壁3cに、この第1接合部31の幅方向の端部が直線となって現れることとなるが、第1側壁形成部11の第1接合部31の場合と同様に、第6側壁形成部16の第1接合部31の幅を第3側壁形成部13の幅と同じにすることで、この第1接合部31の端部を目立たなくして、袋1を見栄えの良いものにできるようになる。
【0041】
また、仕切形成部28の中途部に貫通孔、開口部等を設けることで、袋1に収納された収納物を、この貫通孔、開口部等によって係止できるようになる。したがって、例えば、液体の入った容器を袋1に収納する場合に、この容器の転倒を防止できるようになり、この点において特に有用である。
【0042】
図8、図9は、本発明に係る袋1および袋1の製造方法の第2実施形態を示している。この第2実施形態では、袋形成用台紙2は、図8に示すように、複数(図例では5つ)の側壁形成部(以下、それぞれを「第1側壁形成部」ないし「第5側壁形成部」という)11〜15と、複数(図例では2つ)の仕切形成部(以下、それぞれを「第1仕切形成部」、「第2仕切形成部」という)28(28a、28b)と、複数(図例では5つ)の底部形成部(以下、それぞれを「第1底部形成部」ないし「第5底部形成部」という)21〜25を有している。
【0043】
図8に示すように、本実施形態では、各側壁形成部11〜15は長方形状に構成され、第1側壁形成部11、第2側壁形成部12、第4側壁形成部14が同じ大きさに構成され、第5側壁形成部15は、これらの側壁形成部11,12,14よりも大きく、第3側壁形成部13は、この第5側壁形成部15よりもさらに大きく構成されている。また、第5側壁形成部15の幅方向の端部には、他の側壁形成部に接合するための第1接合部31が設けられている。この第5側壁形成部15の接合部に対応して、第5底部形成部25の端部には、他の底部形成部に接合するための第2接合部32が形成されている。
【0044】
図8に示すように、第1仕切形成部28aと第2仕切形成部28bは、同じ大きさで構成され、また、各側壁形成部11〜15よりも小さな長方形状とされている。また、第1仕切形成部28aおよび第2仕切形成部28bの幅(幅方向の長さ)は、第1側壁形成部11、第2側壁形成部12、第4側壁形成部14の幅(幅方向の長さ)と等しくなっている。
【0045】
第1仕切形成部28aの幅方向(長手方向に直交する方向)の端部には、この第1仕切形成部28aを側壁形成部(15)に固定するための固定部(以下「第1固定部」という)41が設けられている。
【0046】
また、第1仕切形成部28aと第2仕切形成部28bの間には、これらの仕切形成部28を側壁形成部(15)に固定するための固定部(以下「第2固定部」という)42が設けられている。第1固定部41と第2固定部42は、ともに長方形状に構成されている。なお、第2仕切形成部28bは、第1側壁形成部11の幅方向の端部に一体に設けられている。
【0047】
本実施形態では、第1実施形態と同様に、袋形成用台紙2に、各側壁形成部11〜15を区切る第1境界線A、側壁形成部(第1側壁形成部11)と仕切形成部28(第2仕切形成部28b)とを区切る第2境界線B、各底部形成部21〜25を区切る第3境界線C、側壁形成部11〜15と底部形成部21〜25とを区切る第4境界線Dが設けられている。さらに、本実施形態では、各仕切形成部28と各固定部41、42とを区切る第5境界線Eが設けられている。
【0048】
以下、第2実施形態における袋1の製造方法について説明する。
【0049】
第2実施形態において袋1を製造するには、まず、図9に示すように、第1固定部41と第1仕切形成部28aとがほぼ直角となるように、その間の第5境界線Eの位置で、両者を折り曲げる。そして、第1仕切形成部28aと第2固定部42とがほぼ直角となるように、その間の第5境界線Eの位置で両者を折り曲げる。
【0050】
そして、第2固定部42と第2仕切形成部28bとがほぼ直角となるように、その間の第5境界線Eの位置で、両者を折り曲げる。このとき、第1仕切形成部28aと第2固定部42と第2仕切形成部28bによって、図9に示すように、平面視においてコの字状となるように折り曲げられる。
【0051】
次に、第2仕切形成部28bと第1側壁形成部11とがほぼ直角となるように、その間の第2境界線Bの位置で、両者を折り曲げる。さらに、第1側壁形成部11と第2側壁形成部12とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で、両者を折り曲げる。そして、第2側壁形成部12と第3側壁形成部13とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で、両者を折り曲げる。このように折り曲げると、第3側壁形成部13の一方の面に、前記第2固定部42が当接した状態となる。
【0052】
そして、第3側壁形成部13と第4側壁形成部14とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で、両者を折り曲げ、さらに、第4側壁形成部14と第5側壁形成部15とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で、両者を折り曲げる。このとき、第3側壁形成部13と第4側壁形成部14と第5側壁形成部15とは、図9に示すように、平面視において、コの字状に折り曲げられる。そして、第4側壁形成部14に対してほぼ直角に折り曲げられた第5側壁形成部15の一方の面には、第2固定部42が当接し、また、この第5側壁形成部15の第1接合部31が第1側壁形成部11の一方の面に重なり、第5底部形成部25の第2接合部32が、第1底部形成部21の一方の面と重なった状態となる。
【0053】
上記の状態において、第5側壁形成部15の第1接合部31と第1側壁形成部11とを接着剤、両面テープ等の接着手段によって接合し、第5底部形成部25の第2接合部32と第1底部形成部21とを同様に接合する。
【0054】
そして、第2固定部42を第3側壁形成部13に対して接着剤、両面テープ等の接着手段(固定手段)によって固定し、第1固定部41を第5側壁形成部15に対して接着剤、両面テープ等の接着手段(固定手段)によって固定する。そして、第5側壁形成部15の接合部を、第1側壁形成部11に対して接着剤、両面テープ等の接着手段(固定手段)によって固定する。
【0055】
以上により、袋形成用台紙2は、四角筒状に構成されるととともに、第1側壁形成部11と第5側壁形成部15とが一体となることによって、袋1の第1側壁3aが形成され、第2側壁形成部12が袋1の第2側壁3bとなり、第3側壁形成部13が袋1の第3側壁3cとなり、第4側壁形成部14が袋1の第4側壁3dとなる。
【0056】
この状態において、第1仕切形成部28aと第2仕切形成部28bは、それぞれ袋1の第1側壁3aと第3側壁3cとに架け渡されることになり、これによって、袋1の収納空間を仕切る2つの仕切り5が構成される。
【0057】
次に、第1実施形態と同様の手順で、袋1が折り畳み自在となるように、筒状の袋形成用台紙2を折り曲げ、そして、底部4を形成することによって、所定の収納空間を有する袋1が完成する。完成した袋1は、その内部に、その側壁3の間(第1側壁3aと第3側壁3cの間)に既に仕切形成部28(第1仕切形成部28a、第2仕切形成部28b)によって2つの仕切り5,5が構成されたものとなっている。
【0058】
以上説明した袋1および袋1の製造方法によれば、第1実施形態と同様に、完成された袋1には、既に、第1仕切形成部28a、第2仕切形成部28bによる2つの仕切り5,5が形成されており、完成された袋1の内部に事後的に別体の仕切部材を設けるといった手間を省略することができ、したがって、この製造方法は効率的に袋1を製造することができる。本実施形態におけるその他の点は、第1実施形態と同様であり、第1実施形態において既に説明したことについては、その説明を割愛する。
【0059】
なお、本発明は上記の実施形態に限らず、種々の変更・変形が可能である。
【0060】
例えば、側壁形成部11〜16に、袋1の使用者の指が入る程度の大きさの孔(開口部)を形成しておき、袋1を形成したときに、この孔に指をかけて把持部とする構成を採用してもよい。これによって、袋1に収納物を収納した場合に、この袋1の保持が容易になり、しかも、側壁形成部11〜16に予め所定の大きさの孔を形成しておくだけで、袋1が形成されたときに自動的に把持部が構成されることになり、袋1に把持部(取っ手)を事後的に設けるといった手間を省くことができ、この点で特に有用である。勿論、本発明では、袋1が形成された後に把持部を設けるようにすることを除外するものではない。
【0061】
上記実施形態では、第1実施形態において、袋1に1つの仕切り5が構成される場合、第2実施形態において、袋1に2つの仕切り5が形成される場合を例示したが、これに限らず、第2実施形態において、3つ以上の複数の仕切形成部28および固定部を設けることによって、袋1の仕切り5を3つ以上の複数に構成することが可能である。
【0062】
上記の実施形態では、袋形成用台紙2の材質として紙を用いたものを例示したが、これに限らず、布その他の材質の袋形成用台紙2を用いることも可能である。例えば袋形成用台紙2を布で構成した場合には、各接合部の接合は、縫い糸による縫合によってなされてもよい。すなわち、本発明において、「接合」とは、複数の部分を重ね合わせる等して、その部分を接着剤、両面テープ等による接着や、縫合等の手段(接合手段)を用いて一体に固定することをいう。
【0063】
上記の実施形態では、袋形成用台紙2によって形成された袋1は、折り畳み自在となったものを例示したが、本発明は、これに限らず、折り畳み自在となっていない袋1についても適用可能である。
【0064】
上記の実施形態において例示した境界線(第1境界線Aないし第5境界線E)は、所定のインクで直線的に印刷されたものでもよく、また、例えば、複数の側壁形成部11〜16のそれぞれに異なる色を付け、この色の違いによって生じる境界を境界線(第1境界線A)として用いてもよい。また、例えば、側壁形成部11〜16と底部形成部21〜26とを分ける折り目を付けておき、この折り目を境界線(第4境界線D)として用いてもよい。また、これらの境界線には、実際に袋形成用台紙2に表されるもの以外にも、例えば、袋の製造機械によって自動的に製造される場合に、この製造工程を管理するコンピュータにおいて仮想的に引かれるものも含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】第1実施形態に係る袋を示す斜視図である。
【図2】袋形成用台紙の正面図である。
【図3】筒状に構成される袋形成用台紙の平面図である。
【図4】筒状に構成される袋形成用台紙の斜視図である。
【図5】袋の底部形成過程における袋形成用台紙の斜視図である。
【図6】袋の底部形成過程における袋形成用台紙の斜視図である。
【図7】底部が形成されたときの袋の斜視図である。
【図8】第2実施形態に係る袋形成用台紙の正面図である。
【図9】筒状の構成される袋形成用台紙の平面図である。
【符号の説明】
【0066】
1…袋、2…袋形成用台紙、3(3a〜3d)…側壁(第1側壁〜第4側壁)、4…底部、5…仕切り、11…第1側壁形成部、12…第2側壁形成部、13…第3側壁形成部、14…第4側壁形成部、15…第5側壁形成部、16…第6側壁形成部、21…第1底部形成部、22…第2底部形成部、23…第3底部形成部、24…第4底部形成部、25…第5底部形成部、26…第6底部形成部、28(28a、28b)…仕切形成部(第1仕切形成部、第2仕切形成部)、31…第1接合部、32…第2接合部、35…閉塞部、41…第1固定部、42…第2固定部、A…第1境界線、B…第2境界線、C…第3境界線、D…第4境界線、E…第5境界線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋の側壁を形成するための複数の側壁形成部と、袋の底部を形成するための複数の底部形成部とを備えた袋形成用台紙を各側壁形成部および各底部形成部ごとに折り曲げるとともに、所定位置で接合することによって、その内側に収納空間を有する袋を製造する袋の製造方法において、
前記袋形成用台紙には、収納空間を仕切る仕切りを形成するための仕切形成部が側壁形成部と一体に設けられ、側壁形成部を折り曲げて袋の側壁を形成するときに、仕切形成部を側壁間に架け渡して袋の収納空間を仕切る仕切りとすることを特徴とする袋の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の袋の製造方法によって製造されることを特徴とする袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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