説明

被服

【課題】スムーズにパスポートやカードなどの重要性の高い収納物の出し入れすることができ、且つスリ被害などの外部から侵襲に対して安全性の高いポケットを付設した被服を提供すること。
【解決手段】胴部分2と袖部分3をもつ袖つきの被服1において、袖部分3の上腕部内側で被服着用者の腋側位置に袖腋部内ポケット22と袖部分3の袖口部内側で被服着用者の手首内側位置に袖口部内ポケット23を設ける。
この発明の被服は、仮に第三者(スリ)がカミソリ刃などを使ってポケット部分を外側から切開しようとしても被服着用者の上腕部分や手首部分が邪魔となってポケット部分を切開することができない。したがってこれらのポケットを使用すればスリ被害の多い一部の海外地域においてもパスポートやカードなどの重要物品をスリ被害から守ることができる効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、スーツ上着やYシャツなどのような袖つきの被服に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スーツ上着やYシャツなどのような被服にポケットを付設する場合、通常は胸部外面や胴部側面など被服着用者が外から手指を挿入し易い位置にポケットを付設するのが一般的である。ところで、被服着用者が外から手指を挿入し易いということは、スリなどの第三者もポケットに手指を挿入し易いということであり、このことから海外旅行中においてはスリ被害によりパスポートやカード入り財布を紛失するという深刻な事例が跡を絶たないのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来からスーツなどの上着の胸部内側に内ポケットを設けてスリ被害を防止し得るようにしたものはあるが、この場合でも、その内ポケットは通常の場合、被服着用者の胸部前面側にあって鋭利な刃物(カミソリ刃など)を使用すれば気付かないうちにスリ取られてしまうということがある。
【0004】
また、スリ被害に遭わないようにするために、スボンのベルト着用部裏側にポケットを付設したものも従来から存在するが、この場合には、スリ被害防止には有効であっても、パスポートやカード入り財布などのポケット内収納物を出し入れする際にベルトをゆるめてズボンの内側へ手指を挿入しなければならず、出入国審査場などの公共の場所では見苦しく、必ずしも適切な方法ではない。
【0005】
本願発明は、上記のような事情に鑑みてなされたもので、スムーズに収納物の出し入れができ且つ安全性の高いポケットを設けた被服を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の被服は、図1に例示するように胴部分2と袖部分3をもつスーツ上着やYシャツなどの袖つきの被服において、袖部分3の内側でしかも外部から第三者が侵襲しにくい位置、たとえば袖部分3の上腕部内側で被服着用者の腋側位置や袖口部内側で被服着用者の手首内側位置、あるいはその両方にパスポートやカードあるいは紙幣類を収納するポケットを設けることを主たる構成とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本願発明の被服は、胴部分2と袖部分3を有するシャツやスーツ上着などの袖つきの被服において、たとえば袖部分3の上腕部内側で被服着用者の腋側位置や袖口部内側で手首内側位置、あるいはその両方にポケットを設けたものであるから、仮に第三者がカミソリ刃などを使ってポケット部分を外側から切開しようとしても被服着用者の上腕部分や手首部分が邪魔となってポケット部分を切開することができない。したがってこれらのポケットを使用すればスリ被害の多い一部の海外地域においてもパスポートやカードなどの重要物品をスリ被害から守ることができる効果がある。
【0008】
また、本願発明の被服は、上半身に着用するものであるから、ポケットから収納物を出し入れする場合にもベルトをゆるめるなどの手間もなく、スムーズに収納物を出し入れすることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
続いて図1を参照して本願発明の好適な実施例を説明すると、図1にはそのまま上衣として着用できるスポーツシャツ1が示されており、同図において符号2はその胴部分、3,3は袖(長袖)部分、4は通常の胸ポケットである。
【0010】
図示の実施例では袖部分3の上腕部内側で被服着用者の腋側位置に袖腋部内ポケット22、袖部分3の袖口内側で被服着用者の手首内側位置に袖口部内ポケット23を付設している。なお、これらの2種類のポケット22,23は一方の袖部分又は両方の袖部分に設けられる。被服1の胴部分2の中央には縦方向に開閉用のボタン25A,25B,・・・が取り付けられている。また、胸ポケット4の裏側には胸部内ポケット24が設けられている。
【0011】
袖腋部内ポケット22はその本体袋部22Aが長方形状で、パスポートを収納することができる程度の大きさがあり、同本体袋部22Aの上端口縁をジッパー22Bで開閉し得るようになっている(なお、ジッパーにかえてボタンや面接着ファスナーなどの他の開閉具を使用することもできる)。
【0012】
袖腋部内ポケット22内にパスポートなどの収納物を出し入れするときは、袖腋部内ポケット22とほぼ同じ高さにある1〜2ケ所のボタンを外し、そこからポケットと反対側にある手を挿し込んでジッパー22Bを開いて収納物を出し入れすることができる。
【0013】
袖口部内ポケット23は長方形状で、その本体袋部23Aはクレジットカードや折り畳んだ紙幣を収納できる程度の大きさがあり、同本体袋部23Aの1つの開口縁をジッパーやボタンあるいは面接着ファスナーなどの開閉具23Bで開閉し得るようになっている。
【0014】
袖口部内ポケット23内にクレジットカードや紙幣などの収容物を出し入れする場合は、袖口部分を裏返し状に折り返してポケット部分を外側に露出させるとよい。
【0015】
なお、胸部内ポケット24は本体袋部24Aの上口縁部をジッパー等の開閉具24Bで開閉し得るようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本願発明の実施例にかかる被服の形態説明図である。
【符号の説明】
【0017】
1は被服、2は胴部分、3は袖部分、22は袖腋部内ポケット、23は袖口部内ポケットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部分(2)と袖部分(3)をもつ袖つきの被服(1)であって、前記袖部分(3)の上腕部内側で被服着用者の腋側位置に袖腋部内ポケット(22)を設けたことを特徴とする被服。
【請求項2】
胴部分(2)と袖部分(3)をもつ袖つきの被服(1)であって、前記袖部分(3)の袖口部内側で被服着用者の手首内側位置に袖口部内ポケット(23)を設けたことを特徴とする被服。
【請求項3】
胴部分(2)と袖部分(3)をもつ袖つきの被服(1)であって、前記袖部分(3)の上腕部内側で被服着用者の腋側位置に袖腋部内ポケット(22)と前記袖部分(3)の袖口内側で被服着用者の手首内側位置に袖口部内ポケット(23)を設けたことを特徴とする被服。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2009−7708(P2009−7708A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−170471(P2007−170471)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(507218999)
【Fターム(参考)】