説明

被覆資材

【課題】
資材内部の日射による温度上昇を抑制すると共に、同内部が放射冷却により温度低下することも抑制し、かつ透明性に優れた熱可塑性樹脂製被覆資材を提供すること。
【解決手段】
760〜2000nmの近赤外線領域に吸収帯を有するポルフィリン誘導体化合物(A)と5〜25μmの赤外線領域に吸収帯を有しかつ屈折率が1.49〜1.55である無機化合物(B)を含有する熱可塑性樹脂製被覆資材。(A)としてはナフタロシアニンおよびフタロシアニン化合物を、(B)としてはハイドロタルサイト類化合物、リチウム・アルミニウム複合水酸化物塩化合物、リチウム・アルミニウム・マグネシウム複合炭酸塩化合物、リチウム・アルミニウム・マグネシウム複合ケイ酸塩化合物をそれぞれ好適に用いることができる。被覆資材はフィルム、シート、パネル、フィラメント、ヤーン、不織布、織布、中空成形体等があげられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は当該資材下の環境および物体の温度が日射により上昇することを抑制すると共に、夜間の放射冷却により温度が低下することを抑制し、当該資材で被覆された環境内で結露が発生しにくい新規な被覆資材に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂製のフィルム、シート、パネル、フィラメント、ヤーン、ネット、不織布、織布およびこれらを複合化した被覆資材は軽量、易加工性、易施工性、低コストなどの特徴を活かして店舗用オーニング、窓用シェード、カーテン、シャッター、テント、ドームハウス、車両用シート、野積シート、建築工事現場用シート、施設園芸ハウス、農業資材、養殖池ハウス、畜舎など多岐に渡る用途で使用されている。そしてこれら資材の使用時に資材の内側や下方の環境および物体の温度が資材の外側や上方から射し込む日射により上昇することが望ましくない場合にはこれらの資材を暗色に着色する、または光線透過率の低い材料を表面に塗布したり、張り合わせたり、内部に添加するなどの方法が採用されている。
【0003】
しかしこの場合は資材の外側や上方から内側や下方の物体を視認することが困難になるという問題や、内部が暗くなるために作業性や安全性が損なわれるという問題が存在した。一方これらの資材の使用時に資材の内側や下方の環境および物体の温度が夜間の放射冷却により低下することが望ましくない場合には資材を複数重ねて使用する、材料内部に気泡を形成する、断熱性材料を張り合わせるなどの方法が採用されている。しかしこの場合は資材が厚くなるという問題や、視認性が低下するという問題、内部が暗くなるという問題が存在した。さらに上記資材で被覆された内部環境が外部との間で十分な換気が行なわれない場合、被覆資材の内部で夜間に結露を生じて窓、床、機器、荷物、農作物、家畜など内部の物品が水滴で濡れるという問題がしばしば起こっていた。
【特許文献1】特開2003−195030号公報
【特許文献2】特開平6−64664号公報
【特許文献3】特開2000−44883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は当該資材の内側や下方の環境および物体が日射により温度上昇することを抑制すると共に、同環境および物体が放射冷却により温度低下することも抑制し、かつ当該資材の内側を視認することが可能で、さらには当該資材の内部で夜間に結露を生じにくい熱可塑性樹脂製被覆資材の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、当該資材内側の視認性を確保しつつ当該資材下の環境および物体の温度が日射により上昇することを抑制すると共に、同環境および物体の温度が放射冷却により低下することも抑制しさらには資材内部で結露を生じにくい新規な被覆資材を開発すべく鋭意検討して本発明を完成させた。
【0006】
すなわち本発明は760〜2000nmの近赤外線領域に吸収帯を有するポルフィリン誘導体化合物(A)と5〜25μmの赤外線領域に吸収帯を有しかつ屈折率が1.49〜1.55である無機化合物(B)を含有する熱可塑性樹脂製の被覆資材である。
【0007】
ポルフィリン誘導体化合物を含有する樹脂製膜としては例えば前記の特許文献が開示されているが、特許文献1はディスプレイ用フィルターに関するものであり特許文献2は酸素吸収性の包装材料に関するものであり何れも日射の遮蔽については触れていない。特許文献3は熱線遮断有機膜に関するものであるが当該品は5〜25μmの赤外線領域を吸収しないので放射冷却による温度低下を抑制することはできない。
【0008】
一方本発明で使用されるポルフィリン誘導体化合物(A)は760〜2000nmの近赤外線領域に吸収帯を持つので日射エネルギー分布(300〜3000nm)の可視光領域を除いた部分の主要部分を吸収して被覆資材下の環境および物体の温度が上昇することを抑制できる。また本発明で使用される無機化合物(B)は5〜25μmの赤外線領域に吸収帯を持つので被覆資材下の空気や物体が放出する放射エネルギーを吸収して当該資材の外側に逃げることを防ぐので当該資材下の環境および物体の温度が低下することを抑制できる。
【0009】
さらに本発明で使用されるポルフィリン誘導体化合物(A)と無機化合物(B)は何れも可視光の領域(380〜760nm)に主要な吸収帯を持たず、さらに無機化合物(B)の屈折率が1.49〜1.55であり本発明で通常使用する熱可塑性樹脂の屈折率との差が0.05以下になるので被覆資材の透明性が良好で内側の視認性を妨げることが無い。また本発明の被覆資材で被覆された内部空間が外部との間で十分な換気が行なわれない場合においても、被覆資材内部の昼夜の温度差を小さく保つことができるので被覆資材内部の結露を抑制することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明により提供される日射による温度上昇の抑制と、夜間の放射冷却による温度低下の抑制を両立し、なおかつ内部の視認性を確保した新規な被覆資材は軽量、易加工性、易施工性、低コストなどのほかに被覆した内部に結露を生じにくいという特徴を有しているので店舗用オーニング、窓用シェード、カーテン、シャッター、テント、ドームハウス、車両用シート、野積シート、建築工事現場用シート、施設園芸ハウス、農業資材、養殖池ハウス、畜舎などに好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明で使用するポルフィリン誘導体化合物(A)は760〜2000nmの近赤外線領域に吸収帯を有する。吸収帯を有するとは、同波長範囲に吸収極大波長が存在することをいう。ポルフィリン誘導体化合物(A)の含有量は被覆資材の用途により異なるが通常は0.01〜1g/m2であり、好ましくは0.03〜0.5g/m2である。(A)の含有量が前記範囲にあると、近赤外線による被覆資材内部の温度上昇を防止することができ、かつ被覆資材を形成する熱可塑性樹脂の物性を損なわないので好ましい。
【0012】
ポルフィリン誘導体化合物(A)はテトラアザポルフィリン、フタロシアニン、およびナフタロシアニン化合物などで、特にナフタロシアニン化合物が好ましい。
本発明に用いることができるフタロシアニン、およびナフタロシアニン化合物例を下記に示す;
【0013】
【化1】

【0014】
【化2】

【0015】
化1及び化2中、R1-R24はそれぞれ独立に水素ならびに置換基を有していても良いアルキル基、シクロアルキル基、芳香族基をそれぞれ示す。Mは2価の金属または水素原子2つを示し、金属は単原子のみならずバナジウムオキシド等の原子団でも良い。このようなポルフィリン誘導体化合物(A)は単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0016】
また本発明で使用する5〜25μmの赤外線領域に吸収帯を有しかつ屈折率が1.49〜1.55である無機化合物(B)は、5〜25μmの範囲に吸収極大波長を有し、可視光の屈折率が1.49〜1.55の範囲にある。
このような化合物(B)としては水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、カオリン、ベントナイト、ハイドロタルサイト類化合物、リチウム・アルミニウム複合水酸化物塩化合物、リチウム・アルミニウム・マグネシウム複合炭酸塩化合物、リチウム・アルミニウム・マグネシウム複合ケイ酸塩化合物などが挙げられる。
【0017】
これらの中でもハイドロタルサイト類化合物、リチウム・アルミニウム複合水酸化物塩化合物、リチウム・アルミニウム・マグネシウム複合炭酸塩化合物、リチウム・アルミニウム・マグネシウム複合ケイ酸塩化合物は赤外線吸収能力が高いので好ましい。このような無機化合物(B)は単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。その平均粒子径は0.05〜10μm、好ましくは0.1〜5μmの範囲である。平均粒子径が上記範囲より小さいとハンドリング性が悪くなることがあり、平均粒子径が上記範囲より大きいと被覆材の透明性が悪くなることがある。無機化合物(B)の含有量は被覆資材の用途により異なるが通常1〜30wt%、好ましくは2〜20wt%程度である。含有量が上記範囲内であると、被覆材の透明性と機械強度が保たれるため好ましい。
【0018】
また本発明で使用できる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレンブタジエン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アイオノマー樹脂、AAS樹脂、アクリル樹脂、石油樹脂、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート,ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンポリテトラフルオロエチレン共重合体などがある。これらの中でもポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0019】
なおポルフィリィン誘導体化合物(A)と無機化合物(B)は同一の熱可塑性樹脂中に添加してもよいし、別々の樹脂中に添加しても良いが無機化合物(B)を添加する樹脂の屈折率は1.49〜1.55の範囲から大きく外れないことが望ましい。この具体例としてはポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン,プロピレン−α−オレフィン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリアミドなどが挙げられる。
【0020】
また本発明の熱可塑性樹脂製の被覆資材は必要に応じて核剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、可塑剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、防霧剤、防菌剤、防カビ剤等を含有することができる。特に屋外で使用する用途においてはヒンダードアミン系耐候安定剤および紫外線吸収剤の添加が望ましい。ヒンダードアミン系耐候安定剤には以下のような化合物がある。
【0021】
(1)ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル)セバケート、(2)コハク酸ジメチル-1- (2-ヒドロキシエチル)-4- ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物、(3)テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル)-1,2,3,4- ブタンテトラカルボキシレート、(4)2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジニルベンゾエート、(5)ビス-(1,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチルマロネート、(6)ビス(N-メチル-2,2,6,6- テトラメチル-4- ピペリジニル)セバケート、(7)1,1'-(1,2-エタンジイル)ビス(3,3,5,5-テトラメチルピペラジノン)、(8)(ミックスト2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル/トリデシル)-1,2,3,4- ブタンテトラカルボキシレート、(9)(ミックスト1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピペリジル/トリデシル)-1,2,3,4- ブタンテトラカルボキシレート、(10)ミックスト{2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル/β,β,β',β'-テトラメチル-3-9-[2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5) ウンデカン]ジエチル}-1,2,3,4- ブタンテトラカルボキシレート、(11)ミックスト{1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピペリジル/β,β,β',β'-テトラメチル-3-9-[2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5) ウンデカン]ジエチル}-1,2,3,4- ブタンテトラカルボキシレート、(12)N,N'- ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン-2-4- ビス[N-ブチル-N- (1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピペリジル)アミノ]-6- クロロ-1,3,5-トリアジン縮合物、(13)N,N'- ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2-ジブロモエタンとの縮合物、(14)[N-(2,2,6,6- テトラメチル-4- ピペリジル)-2-メチル-2- (2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル)イミノ]プロピオンアミド、(15)ポリ{[6-[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル][[(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル)イミノ]](商品名 キマソーブ944)、(16)1,5,8,12-テトラキス[4,6-ビス(N-ブチル-N-1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-1,5,8,12-テトラアザドデカン、(17)ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)セバケートなど。
【0022】
これらのヒンダードアミン系耐候安定剤は、単独で、または2種以上組合わせて用いることができる。ヒンダードアミン系耐候安定剤の含有量は通常0.05〜3wt%、好ましくは0.1〜1wt%である。
【0023】
また紫外線吸収剤にはフェニルサリシレート、p-tert- ブチルフェニルサリシレート、p-オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;
2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシ-5- スルホベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;
2-(2'- ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'- ヒドロキシ-5'-tert- ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'- ヒドロキシ-3',5'-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'- ヒドロキシ-3'-tert- ブチル-5'-メチルフェニル)-5- クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'- ジ-tert-ブチルフェニル)-5- クロロベンゾトリアゾール、2-(2'- ヒドロキシ-3',5'- ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[5-クロロ-ベンゾトリアゾール-2-イル]-4-メチル-6-(t-ブチル)フェノール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;
【0024】
2-エチルヘキシル-2- シアノ-3,3'-ジフェニルアクリレート、エチル-2- シアノ-3,3'-ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤;
2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシフェニル)-s-トリアジン、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-s-トリアジン、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-(オクチルオキシ)フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤;
2-エトキシ-2’-エチルオキザリックアシッドビスアニリド等のオギザニリド系紫外線吸収剤がある。
紫外線吸収剤の含有量は通常0.05〜3wt%、好ましくは0.1〜1wt%である。
【0025】
本発明の熱可塑性樹脂製被覆資材を製造する方法は特に限定されない。ポルフィリン誘導体化合物(A)と無機化合物(B)を含有する熱可塑性樹脂組成物をフィルム、シート、パネル、フィラメント、ヤーン、不織布、織布、中空成形体などに成形する方法や、無機化合物(B)を含有する熱可塑性樹脂から製造されたこれらの成形体に後からポルフィリン誘導体化合物(A)を塗布するなどの方法がある。また(A)と(B)は同一の成形体に含有されている必要は無く、それぞれ別の樹脂や別の成形体に含有されているものを複合化して被覆資材に形成することもできる。さらに強度向上など別の機能を付加する目的で(A)や(B)を含まない他の成形体や資材と複合化してもよい。
【0026】
ポルフィリン誘導体化合物(A)および/または無機化合物(B)を含有する熱可塑性樹脂を成形する際には、各成分を直接混合しても良いし、あらかじめ高濃度の(A)および/または(B)を熱可塑性樹脂に混練したいわゆるマスターバッチを作っておき、これをベース樹脂と混合しても良い。成形には押出し成形、インフレーション成形等公知の方法を用いることが出来る。成分(A)(B)と熱可塑性樹脂は固形のまま混合して成形に供しても良いし、いったん溶融混練してペレット化してから成形に用いても良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
760〜2000nmの近赤外線領域に吸収帯を有するポルフィリン誘導体化合物(A)と5〜25μmの赤外線領域に吸収帯を有しかつ屈折率が1.49〜1.55である無機化合物(B)を含有する熱可塑性樹脂製の被覆資材。
【請求項2】
前記ポルフィリン誘導体がテトラアザポルフィリン化合物、フタロシアニン化合物、およびナフタロシアニン化合物から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の被覆資材。
【請求項3】
前記無機化合物がハイドロタルサイト類化合物、リチウム・アルミニウム複合水酸化物塩化合物、リチウム・アルミニウム・マグネシウム複合炭酸塩化合物、リチウム・アルミニウム・マグネシウム複合ケイ酸塩化合物から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の被覆資材。
【請求項4】
前記熱可塑性樹脂製の被覆資材が、フィルム、シート、パネル、フィラメント、ヤーン、不織布、織布から選ばれる成形体である請求項1から3のいずれかに記載の被覆資材。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の被覆資材。
【請求項6】
施設園芸ハウスまたは農業用の被覆材用途である請求項1から3のいずれかに記載の被覆資材。

【公開番号】特開2006−104365(P2006−104365A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−294472(P2004−294472)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】