説明

被記録材搬送装置及びそれを備えた記録装置

【課題】記録部上流側プーリと記録部下流側プーリ間に無端ベルトが巻き回された構造の被記録材搬送装置における、両プーリ間の製造精度による被記録材搬送精度の低下を改善する。
【解決手段】記録部上流側ローラ5と、記録部下流側ローラ6と、前記記録部上流側ローラから前記記録部下流側ローラへ伝達する動力伝達装置7とを備え、前記動力伝達装置は記録部上流側ローラの回転軸53に設けられた記録部上流側プーリ54と、記録部下流側ローラの回転軸63に設けられた記録部下流側プーリ64と、両プーリ54,64間に巻き回しされた無端ベルト8とを備え、前記両プーリ54,64は、同一装置で製造された同一部品であり、且つ互いに逆位相の相対配置で前記無端ベルトに巻き回されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンター等の記録装置が備えている被記録材を搬送するための被記録材搬送装置及びそれを備えた記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種被記録材搬送装置は、被記録材に記録を行う記録ヘッドの上流側に設けられ、前記記録ヘッド側に被記録材を搬送する記録部上流側ローラと、前記記録ヘッドの下流側に設けられ、前記被記録材を下流側に送る記録部下流側ローラとを備えている。前記記録部上流側ローラは駆動モータ等の駆動源から伝達される動力で駆動され、同じく前記記録部下流側ローラも前記駆動源から伝達される動力で前記記録部上流側ローラと同期して駆動するように構成されている。従来文献として、特許文献1を挙げることができる。
【0003】
上記被記録材搬送装置は、低コスト化の観点から駆動源が共通化されている。そのため、前記記録部下流側ローラへは、動力伝達装置を介して動力が伝達されるようになっている。特許文献1には、前記動力伝達装置が歯車輪列によって構成されている場合、該輪列を構成する各歯車の製造精度、特に偏心による影響を大きく受け、駆動モータの所定の回転量に対して、記録部上流側ローラ(搬送ローラ)と記録部下流側ローラ(排出ローラ)の目的とする回転量が得られず、被記録材の搬送精度を低下する問題があることが記載されている。
そして、歯車輪列を構成する歯車として、同一歯数及び同一径から形成された少なくとも一対の歯車を用い、且つそれぞれの歯車の偏心方向が略180°の角度を成す状態で噛合するように配設することで、前記問題を解決することができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−230693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1においては、記録部上流側ローラの回転軸に設けられた記録部上流側プーリと、記録部下流側ローラの回転軸に設けられた記録部下流側プーリとを備え、両プーリ間に無端ベルトが巻き回された構造の被記録材搬送装置における、両プーリ間の精度の関係、特に偏心方向による影響については全く考慮されていない。そのため、被記録材の搬送精度向上の点で未だ充分とは言えなかった。
【0006】
本発明の課題は、記録部上流側ローラの回転軸に設けられた記録部上流側プーリと、記録部下流側ローラの回転軸に設けられた記録部下流側プーリとを備え、両プーリ間に無端ベルトが巻き回された構造の被記録材搬送装置における、両プーリ間の精度、特に偏心による被記録材搬送精度の低下を改善して、より適切な記録実行を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために本発明の第1の態様は、記録ヘッドの上流側に設けられ、駆動源から動力が伝達されて駆動され、前記記録ヘッド側に被記録材を搬送する記録部上流側ローラと、前記記録ヘッドの下流側に設けられ、前記被記録材を下流側に送る記録部下流側ローラと、前記駆動源から伝達される動力を前記記録部上流側ローラから前記記録部下流側ローラへ伝達する動力伝達装置と、を備えた被記録材搬送装置であって、前記動力伝達装置は、前記記録部上流側ローラの回転軸に設けられた記録部上流側プーリと、前記記録部下流側ローラの回転軸に設けられた記録部下流側プーリと、前記記録部上流側プーリと前記記録部下流側プーリとの間に巻き回しされた無端ベルトと、を備え、前記記録部上流側プーリと前記記録部下流側プーリは、同一歯数及び同一径であり、且つそれぞれの偏心方向がほぼ180度の角度を成す状態で前記無端ベルトに巻き回されていることを特徴とするものである。
【0008】
本態様によれば、前記記録部上流側プーリと前記記録部下流側プーリは、同一歯数及び同一径であり、且つそれぞれの偏心方向がほぼ180度の角度を成す状態で前記無端ベルトに巻き回されている。従って、両プーリの偏心による回転量の誤差が縮小され、被記録材搬送精度の低下が改善されて、より適切な記録実行を実現することができる。
【0009】
本発明の第2の態様は、記録ヘッドの上流側に設けられ、駆動源から動力が伝達されて駆動され、前記記録ヘッド側に被記録材を搬送する記録部上流側ローラと、前記記録ヘッドの下流側に設けられ、前記被記録材を下流側に送る記録部下流側ローラと、前記駆動源から伝達される動力を前記記録部上流側ローラから前記記録部下流側ローラへ伝達する動力伝達装置と、を備えた被記録材搬送装置であって、前記動力伝達装置は、前記記録部上流側ローラの回転軸に設けられた記録部上流側プーリと、前記記録部下流側ローラの回転軸に設けられた記録部下流側プーリと、前記記録部上流側プーリと前記記録部下流側プーリとの間に巻き回しされた無端ベルトと、を備え、前記記録部上流側プーリと前記記録部下流側プーリは、同一装置で製造された同一部品であり、且つ互いに逆位相の相対配置で前記無端ベルトに巻き回されていることを特徴とするものである。
【0010】
ここで、「同一部品」とは、同一材料で作られた同一歯数及び同一径のプーリを意味する。
また「同一装置で製造された同一部品」とは、一つの製造装置で製造された前記意味の同一部品である場合が最も良いが、それに限定されない。前記意味の同一部品を製造できる関係にある製造装置であれば、別個の製造装置であっても良く、このような別個の製造装置も含む意味で使われている。
「互いに逆位相の相対配置」とは、同一部品であれば例えば偏心方向も同一となるので、その偏心の影響が相殺又は縮小される関係で互いに配置されることを意味する。例えば製造の際に、製造される部品の同じ側の面の同じ位置に判別のためのマークが付されるようにしておけば、そのマークが互いに180度の角度で反対に位置するように設けることで「互いに逆位相の相対配置」となる。
【0011】
本態様によれば、前記記録部上流側プーリと前記記録部下流側プーリは、同一装置で製造された同一部品であり、且つ互いに逆位相の相対配置で前記無端ベルトに巻き回されているので、両プーリの精度による回転量の誤差が相殺又は縮小され、被記録材搬送精度の低下が改善されて、より適切な記録実行を実現することができる。
【0012】
本発明の第3の態様は、前記第1の態様又は第2の態様の被記録材搬送装置において、 前記記録部上流側ローラの搬送駆動ローラと前記記録部下流側ローラの排出駆動ローラは、同径ローラであることを特徴とするものである。
【0013】
本態様によれば、前記記録部上流側ローラの搬送駆動ローラと前記記録部下流側ローラの排出駆動ローラは、同径ローラであるので、被記録材搬送精度の低下が一層改善される。特に、前記プーリの一回転単位で被記録材を間欠搬送する場合は、その効果は大である。
【0014】
本発明の第4の態様は、前記第3の態様の被記録材搬送装置において、前記搬送駆動ローラと前記排出駆動ローラは、同一装置で製造され同一部品であることを特徴とするものである。
【0015】
ここで、「同一装置で製造された同一部品」とは、前記第2の態様の説明において定義した意味と同じである。
【0016】
本態様によれば、両ローラがその使用によって被記録材との摩擦接触によって経時的に磨耗するが、その磨耗は同一レベルの磨耗になるので、磨耗差による送り誤差の発生を防止できる。
【0017】
本発明の第5の態様は、前記第1の態様から第4の態様のいずれか一つの被記録材搬送装置において、前記記録部上流側ローラに、エンコーダを構成する被回転検出盤が設けられ、前記記録部上流側ローラによる被記録材の挟持力は、前記記録部下流側ローラによる被記録材の挟持力よりも大きく設定されており、前記エンコーダによって前記記録部上流側ローラの回転制御が実行され、前記記録部下流側ローラだけで被記録材が送られる状態のときには、前記エンコーダによって前記記録部下流側ローラの回転制御が実行されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0018】
本態様によれば、前記記録部上流側ローラによる被記録材の挟持力は、前記記録部下流側ローラによる被記録材の挟持力よりも大きく設定されているので、被記録材が前記記録部上流側ローラと前記記録部下流側ローラの両方で挟持されて送られる状態のときは、前記記録部上流側ローラの送り力が優先する。そして、前記エンコーダによって前記記録部上流側ローラの回転制御が実行されるので、被記録材は前記記録部上流側ローラによって送り量が規定されて搬送される。
【0019】
一方、被記録材の終端辺が前記記録部上流側ローラのニップ位置を通過した後は、前記記録部下流側ローラだけで被記録材が送られる状態になる。このときに、前記記録部上流側ローラに設けられている前記エンコーダによって前記記録部下流側ローラの回転制御が実行されるので、本発明の前記プーリ配置でない構造では、両プーリの精度(偏心等)による回転量の誤差が足し算された形で出る。その結果、搬送誤差が大となる。
【0020】
しかし、本発明によれば、両プーリの精度による回転量の誤差が相殺又は縮小されるので、前記記録部下流側ローラだけで被記録材が送られる状態のときでも、被記録材の搬送精度の低下が改善されている。
【0021】
本発明の第6の態様は、前記第1の態様から第5の態様のいずれか一つの被記録材搬送装置において、前記記録部上流側プーリと前記記録部下流側プーリは、偏心方向を外見上判別可能とするマークが付されていることを特徴とするものである。
【0022】
本態様によれば、偏心方向を外見上判別可能とするマークが付されているので、前記両プーリを容易且つ簡易に前記相対配置で配置することができる。
【0023】
本発明の第7の態様は、被記録材に記録を行う記録装置であって、前記第1の態様から第5の態様のいずれか一つの被記録材搬送装置を備えていることを特徴とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の被記録材搬送装置が設けられている記録装置の要部概略側断面図。
【図2】本発明に係る被記録材搬送装置の要部概略側面図。
【図3】本発明の作用を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る被記録材搬送装置一実施例について図面に基づいて具体的に説明する。
図1には、記録装置の一例であるインクジェットプリンター1の概略構成が示されている。符号1は記録ヘッドで、該記録ヘッド1は搬送経路2を間欠的に搬送される被記録材にインクを吐出して記録を実行する。記録ヘッド1はキャリッジ3に搭載されており、キャリッジ3はガイド軸4にガイドされて被記録材の搬送方向と交差する方向に往復移動するように構成されている。記録ヘッド1に対向して被記録材を支える第一支持部材12が設けられ、本実施例では第一支持部材12の下流側に第二支持部材13が設けられている。
【0026】
被記録材搬送装置11は、記録ヘッド1の上流側に設けられ、駆動源から動力が伝達されて駆動され、前記記録ヘッド1側に被記録材を搬送する記録部上流側ローラ5と、前記記録ヘッド1の下流側に設けられ、前記被記録材を下流側に送る記録部下流側ローラ6と、前記駆動源から伝達される動力を記録部上流側ローラ5から記録部下流側ローラ6へ伝達する動力伝達装置7(図2)と、を備えている。
【0027】
記録部上流側ローラ5は、搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52の対で構成され、搬送駆動ローラ51は駆動モータ等の駆動源から動力が伝達されて駆動され、前記記録ヘッド1側に被記録材を搬送する。記録部下流側ローラ6は、排出駆動ローラ61と排出従動ローラ62の対で構成され、該排出駆動ローラ61は前記被記録材を下流側に送る。
【0028】
前記排出駆動ローラ61は、前記駆動源から伝達される動力が、記録部上流側ローラ5を成す搬送駆動ローラ51から、図2に示した動力伝達装置7を介して伝達されるように構成されている。
ここで、動力伝達装置7は、記録部上流側ローラ5を成す搬送駆動ローラ51の回転軸53の一端部に設けられた記録部上流側プーリ54と、前記記録部下流側ローラを成す排出駆動ローラ61の回転軸63の一端部に設けられた記録部下流側プーリ64と、前記記録部上流側プーリ54と前記記録部下流側プーリ64との間に巻き回しされた無端ベルト8とを備えている。すなわち、排出駆動ローラ61は、駆動源から伝達された搬送駆動ローラ51を回転駆動させるために動力が、記録部上流側プーリ54と無端ベルト8によって記録部下流側プーリ64が伝達されることで、駆動回転するようになっている。
【0029】
そして、記録部上流側プーリ54と記録部下流側プーリ64は、同一歯数及び同一径でのものが使用され、更にそれぞれの偏心方向がほぼ180度の角度を成す状態で前記無端ベルト8に巻き回されている。「偏心方向」については、プーリの製造後に測定して把握することができるが、製造段階でその製造方法に基づく傾向によって予め把握できるようにしておくことが作業効率の点から望ましい。同一歯数及び同一径の前記プーリ54,64は、歯数と径を同じくする意図で作られたものであれば、一つの製造装置で作られたもの同士でなくてもよいが、望ましくは一つの製造装置で作られたもの同士が良い。
それぞれの偏心方向がほぼ180度の角度を成す状態で前記無端ベルト8に巻き回されていることで、両プーリ54、64の製造精度に起因する偏心による回転量の誤差が縮小され、被記録材搬送精度の低下が改善される。
【0030】
或は、記録部上流側プーリ54と記録部下流側プーリ64は、同一装置で製造された同一部品のものが使用され、且つ互いに逆位相の相対配置で前記無端ベルト8に巻き回されている。
ここで、「同一部品」とは、同一材料で作られた同一歯数及び同一径のプーリを意味する。本実施例では、一つの金型(製造装置)で射出成形して製造された同一部品が記録部上流側プーリ54と記録部下流側プーリ64に使われている。そして両プーリ54,64は、製造の際に、製造される部品の同じ側の面の同じ位置に判別のために付したマーク10が互いに180度の角度で反対に位置するように配設することで、互いに逆位相の相対配置を実現している。これにより、両プーリ54、64の製造精度による回転量の誤差が相殺され、被記録材搬送精度の低下が改善される。
【0031】
図3は、この「改善」を説明する図で、実線は記録部上流側プーリ54の偏心に起因する回転の振れを示し、破線は記録部下流側プーリ64の偏心に起因する回転の振れを示している。両プーリ54、64が一回転することで前記回転量の誤差が相殺されることが理解できる。
【0032】
本実施例では、記録部上流側ローラ5の搬送駆動ローラ51と記録部下流側ローラ6の排出駆動ローラ61は、同径ローラであるので、被記録材搬送精度の低下が一層改善される。特に、前記プーリ54,64の一回転単位で被記録材を間欠搬送する場合は、その効果は大である。
さらに、前記搬送駆動ローラ51と前記排出駆動ローラ61は、同一装置で製造され同一部品である。ここで、「同一装置で製造された同一部品」とは、前記プーリ54,64の説明において定義した意味と同じである。これにより、両ローラ51,61がその使用によって被記録材との摩擦接触によって経時的に磨耗するが、その磨耗は同一レベルの磨耗になるので、磨耗差による送り誤差の発生を防止できる。
【0033】
本実施例では、記録部上流側ローラ5の前記記録部上流側プーリ54にエンコーダ9を構成する被回転検出盤である円盤状スケール91が設けられている。
ここで、エンコーダ9は、記録部上流側プーリ54すなわち搬送駆動ローラ51の回転量を検出する為のものであり、前記円盤状スケール91と、センサ92とを備えている。センサ92は、フォトインタラプタ(図示せず)を備え、該フォトインタラプタは、光を放射する発光部と、該発光部の放射光を受光する受光部とを有し、前記発光部と前記受光部との間に、円盤状スケール91の外周部が挟入する様に構成されている。一方、円盤状スケール91は、その外周部に光透過部と光遮断部とが円周方向に一定ピッチで交互に繰り返し形成されてなるスリットパターン(図示せず)を有している。
【0034】
従って、円盤状スケール91が搬送駆動ローラ51の回転に伴って回転すると、前記スリットパターンは、前記フォトインタラプタの発光部から受光部に向かう光の透過と遮断とを繰り返すこととなる。すると、前記フォトインタラプタからはONとOFFとを交互に繰り返す矩形波の信号がインクジェットプリンターの制御部(図示せず)に与えられ、該制御部は、この矩形波の個数から搬送駆動ローラ51の回転量を求めると同時に、矩形波の繰り返し周期から搬送駆動ローラ51の回転速度を求め、必要な印刷制御を行うようになっている。
【0035】
記録部上流側ローラ5による被記録材の挟持力は、記録部下流側ローラ6による被記録材の挟持力よりも大きく設定されている。すなわち、搬送従動ローラ52の搬送駆動ローラ51に対する押付け力(荷重)は、排出従動ローラ62の排出駆動ローラ61に対する押付け力(荷重)より大きく設定されている。よって、被記録材が記録部上流側ローラ5と記録部下流側ローラ6の両方で挟持されて送られる状態のときは、記録部上流側ローラ5の送り力が優先する。そして、前記エンコーダ9によって記録部上流側ローラ5の回転制御が実行されるので、被記録材は記録部上流側ローラ5によって送り量が規定されて搬送される。
【0036】
一方、被記録材の終端辺が記録部上流側ローラ5のニップ位置を通過した後は、記録部下流側ローラ6だけで被記録材が送られる状態になる。この状態では、前記無端ベルト8によって記録部下流側プーリ64に動力伝達されて回転駆動する排出駆動ローラ61の回転制御が、記録部上流側ローラ5に設けられている前記エンコーダ9によって実行される。本実施例では、両プーリ54、64は、互いの製造精度(偏心等)による回転量の誤差が相殺又は縮小されるように配置されているので、記録部下流側ローラ6だけで被記録材が送られる状態のときでも、被記録材の搬送精度の低下が改善されている。
【0037】
本発明に係る被記録材搬送装置は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内の部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 記録ヘッド、 2 搬送経路、 3 キャリッジ、 4 ガイド軸、
5 記録部上流側ローラ、 6 記録部下流側ローラ、 7 動力伝達装置、
8 無端ベルト、 9 エンコーダ、 10 マーク、
11 被記録材搬送装置、 12 第一支持部材、 13 第二支持部材、
51 搬送駆動ローラ、 52 搬送従動ローラ、 53 回転軸、
54 記録部上流側プーリ、 61 排出駆動ローラ、 62 排出従動ローラ、
63 回転軸、 64 記録部下流側プーリ、 91 円盤状スケール、
92 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録ヘッドの上流側に設けられ、駆動源から動力が伝達されて駆動され、前記記録ヘッド側に被記録材を搬送する記録部上流側ローラと、
前記記録ヘッドの下流側に設けられ、前記被記録材を下流側に送る記録部下流側ローラと、
前記駆動源から伝達される動力を前記記録部上流側ローラから前記記録部下流側ローラへ伝達する動力伝達装置と、を備えた被記録材搬送装置であって、
前記動力伝達装置は、
前記記録部上流側ローラの回転軸に設けられた記録部上流側プーリと、
前記記録部下流側ローラの回転軸に設けられた記録部下流側プーリと、
前記記録部上流側プーリと前記記録部下流側プーリとの間に巻き回しされた無端ベルトと、を備え、
前記記録部上流側プーリと前記記録部下流側プーリは、同一歯数及び同一径であり、且つそれぞれの偏心方向がほぼ180度の角度を成す状態で前記無端ベルトに巻き回されていることを特徴とする被記録材搬送装置。
【請求項2】
記録ヘッドの上流側に設けられ、駆動源から動力が伝達されて駆動され、前記記録ヘッド側に被記録材を搬送する記録部上流側ローラと、
前記記録ヘッドの下流側に設けられ、前記被記録材を下流側に送る記録部下流側ローラと、
前記駆動源から伝達される動力を前記記録部上流側ローラから前記記録部下流側ローラへ伝達する動力伝達装置と、を備えた被記録材搬送装置であって、
前記動力伝達装置は、
前記記録部上流側ローラの回転軸に設けられた記録部上流側プーリと、
前記記録部下流側ローラの回転軸に設けられた記録部下流側プーリと、
前記記録部上流側プーリと前記記録部下流側プーリとの間に巻き回しされた無端ベルトと、を備え、
前記記録部上流側プーリと前記記録部下流側プーリは、同一装置で製造された同一部品であり、且つ互いに逆位相の相対配置で前記無端ベルトに巻き回されていることを特徴とする被記録材搬送装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された被記録材搬送装置において、
前記記録部上流側ローラの搬送駆動ローラと前記記録部下流側ローラの排出駆動ローラは、同径ローラであることを特徴とする被記録材搬送装置。
【請求項4】
請求項3に記載された被記録材搬送装置において、
前記搬送駆動ローラと前記排出駆動ローラローラは、同一装置で製造された同一部品であることを特徴とする被記録材搬送装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載された被記録材搬送装置において、
前記記録部上流側ローラに、エンコーダを構成する被回転検出盤が設けられ、
前記記録部上流側ローラによる被記録材の挟持力は、前記記録部下流側ローラによる被記録材の挟持力よりも大きく設定されており、
前記エンコーダによって前記記録部上流側ローラの回転制御が実行され、
前記記録部下流側ローラだけで被記録材が送られる状態のときには、前記エンコーダによって前記記録部下流側ローラの回転制御が実行されるように構成されていることを特徴とする被記録材搬送装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載された被記録材搬送装置において、
前記記録部上流側プーリと前記記録部下流側プーリは、偏心方向を外見上判別可能とするマークが付されていることを特徴とする被記録材搬送装置。
【請求項7】
被記録材に記録を行う記録装置であって、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載された被記録材搬送装置を備えていることを特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−189531(P2011−189531A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55442(P2010−55442)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】