説明

裁断用カッター及び該裁断用カッターを備えた用紙加工装置

【課題】用紙裁断位置の側方で用紙を支持でき、且つ、簡単な構成である、支持部材を備えた裁断用カッターを提供する。
【解決手段】上回転刃451と下回転刃452とを擦り合わせて、用紙を、用紙搬送方向に裁断する、裁断用カッター42、44であって、下回転刃452を保持する下ブロック415を有し、下ブロック415は、その外側に、用紙を下方から支持する支持部材421を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙を用紙搬送方向に裁断する裁断用カッター及び該裁断用カッターを備えた用紙加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
搬送手段によって、用紙を1枚ずつ搬送しながら、複数の加工装置部によって、用紙に、裁断や折り型形成などの加工を施す、用紙加工装置において、搬送手段は、一般に、加工装置部と加工装置部との間に設けられた搬送ローラで構成されている。
【0003】
上記のような用紙加工装置において、搬送する用紙が、厚さが薄く腰の弱いものである場合には、用紙の側縁部等が垂れてしまうことがあり、それによって、用紙が円滑に搬送されないで途中で詰まってしまったり、用紙の加工が不可能になってしまったりする、恐れがあった。例えば、0.1mm未満の厚さの用紙の場合には、そのような恐れがあった。
【0004】
そこで、特許文献1では、使用しない加工装置部(スリッタユニット)によって、用紙の側縁部を支持する構成が開示されている。また、特許文献2では、裁断用カッターの側方に支持部材(ガイド部材)を設け、裁断用カッターが移動する場合には、支持部材(ガイド部材)が裁断用カッターの移動領域から退避する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−974号公報
【特許文献2】特開2002−264075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1では、使用しないスリッタユニットで用紙を支持しており、用紙裁断位置の側方で用紙を支持するわけではない。したがって、用紙の支持が不十分となる場合がある。また、すべてのスリッタユニットが裁断ユニットとして使用される場合、用紙を支持するスリッタユニットが存在しないという課題がある。
【0007】
また、特許文献2では、用紙裁断位置の側方で用紙を支持できるので、用紙の支持性能を十分確保することができる。しかし、裁断用カッターが搬送方向に対する直交方向に移動する場合に、支持部材(ガイド部材)が回動して裁断用カッターの移動領域から退避する必要があり、支持部材(ガイド部材)の構造が複雑になるという課題がある。
【0008】
そこで本発明の目的は、用紙裁断位置の側方で用紙を支持でき、且つ、簡単な構成である、支持部材を備えた裁断用カッターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の第1発明は、上回転刃と下回転刃とを擦り合わせて、用紙を、用紙搬送方向に裁断する、裁断用カッターであって、前記下回転刃を保持する下ブロックを有し、前記下ブロックは、その外側に、用紙を下方から支持する支持部材を備えていることを特徴とする。
【0010】
前記構成によれば、支持部材が、用紙裁断位置の側方で用紙を支持することができる。また、支持部材は下ブロックの外側に設けられているだけなので、支持部材を簡単に構成することができる。
【0011】
本願の第1発明は、更に、次のような構成を備えるのが好ましい。
(1)前記下ブロックは、前記下回転刃の回転軸に沿って、用紙搬送方向に対する直交方向に移動可能となっており、前記支持部材は、前記下ブロックと前記支持部材との距離を伸縮可能な弾性部材を介して、前記下ブロックに取り付けられている。
(2)前記構成(1)において、前記支持部材は、前記下ブロックに対して、前記直交方向の両側に設けられている。
(3)前記構成(1)又は(2)において、前記下回転刃の回転軸は、前記弾性部材及び前記支持部材を挿通している。
(4)前記構成(3)において、前記支持部材は、前記下回転刃の回転軸が挿通する孔を有する円板形状である。
【0012】
前記構成(1)によれば、弾性部材を介して支持部材が取り付けられるので、弾性部材が伸張することにより、下ブロックと支持部材との間の距離を確保でき、支持部材の用紙支持性を向上させることができる。また、下ブロックが用紙搬送方向に対する直交方向の側端部に移動した場合でも、弾性部材が収縮するので、下ブロックの移動を支持部材が邪魔することはない。また、裁断用カッターが2つ設けられており、2つの下ブロック同士が隣接するように用紙搬送方向に対する直交方向に移動する場合でも、弾性部材同士が収縮するので、2つの下ブロックの移動を支持部材が邪魔することはない。
【0013】
前記構成(2)によれば、支持部材が、下ブロックに対して用紙搬送方向に対する直交方向に位置するので、用紙裁断部の用紙搬送方向に対して直交する側方で用紙を支持することとなり、用紙の垂れをより防止できる。
【0014】
前記構成(3)によれば、支持部材を用紙裁断部の両側に容易に設けることができる。また、下ブロックが回転軸に沿って用紙搬送方向に対する直交方向に移動する際、支持部材及び弾性部材が邪魔になることはない。
【0015】
前記構成(4)によれば、回転軸が支持部材を挿通する場合の支持部材の構造を容易に構成できる。
【0016】
本願の第2発明は、用紙を搬送しながら用紙に加工を施す用紙加工装置であって、用紙を1枚ずつ搬送する搬送手段と、前記搬送手段で構成された搬送経路の途中に設けられ、用紙に対して各々所定内容の加工を行う、複数の加工装置部と、を備え、少なくとも1つの加工装置部が、前記第1発明の裁断用カッターを少なくとも1つ有するスリッタユニットである。
【0017】
前記構成によれば、用紙裁断位置の側方で用紙を支持でき、且つ、簡単な構成である、支持部材を有する裁断用カッターを備えた用紙加工装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0018】
要するに本発明によると、用紙裁断位置の側方で用紙を支持でき、且つ、簡単な構成である、支持部材を備えた裁断用カッターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る裁断用カッターを備えた用紙加工装置の模式縦断面図である。
【図2】用紙加工装置によって加工される用紙の一例を示す図である。
【図3】オプション加工手段の加工を説明する図である。
【図4】オプション加工後に得られる用紙を示す図である。
【図5】用紙の加工状態を順に示す図である。
【図6】第1スリッタユニット4Aの正面図である。
【図7】図6の斜視部分図である。
【図8】裁断用カッター42の拡大図である。
【図9】図8のVIIII−VIIII断面図である。
【図10】裁断用カッター42、44が中央部に位置した状態を示す正面図である。
【図11】裁断用カッター42、44が端部に位置した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る裁断用カッターを備えた用紙加工装置の全体を示す模式縦断面図である。用紙加工装置1は、装置本体10の両端に、給紙トレイからなる給紙部11と排紙トレイからなる排紙部12とを備えている。給紙部11から排紙部12へは、多数個の対のローラ21からなる搬送手段2によって搬送経路20が構成されている。搬送手段2には、搬送駆動手段(図示せず)が連結されている。そして、搬送経路20上には、給紙部11側から、搬送補正手段31、情報読取手段32、リジェクト手段33、切屑落し手段34、用紙を搬送方向に裁断する搬送方向裁断手段4、用紙を搬送方向に直交する方向(用紙幅方向)に裁断する幅方向裁断ユニット(カッターユニット)5及び、折り型形成ユニット7が設けられている。搬送方向裁断手段4は、用紙を搬送方向に裁断する第1スリッタユニット4A、第2スリッタユニット4B及び第3スリッタユニット4Cと、を有している。折り型形成ユニット7は、用紙の用紙幅方向に折り型を形成するようになっている。第1スリッタユニット4A、第2スリッタユニット4B、第3スリッタユニット4C、切屑落し手段34、カッターユニット5及び折り型形成ユニット7は全て、装置本体10に支持されており、また、加工駆動手段(図示せず)が連結されている。
【0021】
また、用紙加工装置1は、装置全体の作動を制御する制御手段6を装置本体10内に備えている。制御手段6は、操作パネル(図示せず)に接続したCPUを有している。制御手段6は、例えば、後述する位置制御手段及び加工制御手段としての制御も行う。更に、用紙加工装置1は、用紙の裁断加工によって発生する切屑を収容するためのゴミ箱81を装置本体10内の底部に有している。
【0022】
図2は、用紙加工装置1によって加工される用紙の一例を示す。この用紙100には、主印刷部101とともに、位置マーク102及びバーコード103が、印刷されている。バーコード103は、用紙100に施す一連の加工内容である加工情報を示している。
【0023】
用紙加工装置1は、次のように作動するようになっている。
【0024】
まず、給紙部11に載置された用紙100の束から、用紙100が一枚ずつ搬送経路20に送り出され、搬送補正手段31に入る。搬送補正手段31は、送られて来た用紙100が、斜めになっていればそれを真っ直ぐにするとともに、2枚以上重畳していれば、それを検知して、用紙100の搬送を停止させる。用紙100は、真っ直ぐで1枚であれば、次へ搬送される。
【0025】
次へ搬送された用紙100は、用紙先端センサ201によって先端が検出された後、情報読取手段32へ入る。情報読取手段32は、CCDセンサ321によって、用紙100の位置マーク102及びバーコード103を読む。この読取情報は、制御手段6に送られる。制御手段6は、該読取情報を記憶し、それに基づいて、後続の各手段を制御する。例えば、バーコード103で示される加工情報が、用紙100に対して、図3に示すような実線A、B、C、Dに沿った裁断処理及び一点鎖線Eに沿った折り型形成処理を施して、図4に示すような折り型200aの付いた用紙200を8枚得ることを内容とするものである場合、後続の各手段は次のように作動する。なお、情報読取手段32にて情報を読み取れなかった用紙100は、印刷不鮮明なものとして、次のリジェクト手段33によって、下方の廃棄トレイ82へ落とされる。
【0026】
リジェクト手段33を通過した用紙100は、用紙先端センサ202によって先端が検出された後、第1スリッタユニット4Aへ入る。第1スリッタユニット4Aは、制御手段6による加工制御手段によってオン制御されるとともに、制御手段6による位置制御手段によって、2つの実線A(図3)の位置に2個の裁断用カッターがそれぞれ位置するよう制御される。従って、用紙100は、第1スリッタユニット4Aにより、実線Aに沿って即ち搬送方向に、裁断され、図5(a)の形態となって、次の第2スリッタユニット4Bへ搬送される。なお、不要部X1はゴミ箱81へ落とされる。
【0027】
第2スリッタユニット4Bは、制御手段6による加工制御手段によってオン制御されるともに、制御手段6による位置制御手段によって、2つの実線B(図3)の位置に2個の裁断用カッターがそれぞれ位置するよう制御される。従って、図5(a)の用紙100は、第2スリッタユニット4Bにより、実線Bに沿って即ち搬送方向に、裁断され、図5(b)の形態となって、次の第3スリッタユニット4Cへ搬送される。
【0028】
第3スリッタユニット4Cは、制御手段6による加工制御手段によってオン制御されるとともに、制御手段6による位置制御手段によって、2つの実線C(図3)の位置に2個の裁断用カッターがそれぞれ位置するよう制御される。従って、図5(b)の用紙100は、第3スリッタユニット4Cにより、実線Cに沿って即ち搬送方向に、裁断され、図5(c)の形態となって、カッターユニット5へ搬送される。なお、不要部X2は、次段の切屑落し手段34によってゴミ箱81へ落とされる。
【0029】
なお、図5(c)の用紙100は、カッターユニット5へ入る前に、用紙先端センサ203によって先端が検出される。
【0030】
カッターユニット5は、制御手段6による加工制御手段によってオン制御される。そして、図5(c)の用紙100は、カット位置センサ204によってカット位置が検知されながら、3つの実線D(図3)で示すカット位置にて、その都度、停止し、カッターユニット5により、実線Dに沿って即ち搬送方向に対する直交方向に、裁断され、図5(d)の形態となって、折り型形成ユニット7へ搬送される。なお、不要部X3はゴミ箱81へ落ちる。
【0031】
折り型形成ユニット7は、制御手段6による加工制御手段によってオン制御されている。そして、図5(d)の用紙100は、折り位置センサ205によって折り位置が検知されながら、2つの一点鎖線Eで示す折り位置にて、その都度、停止し、折り型形成ユニット7により、一点鎖線Eに沿って即ち搬送方向に対する直交方向に、折り型200aが形成され、図5(e)の形態となって、排紙部12へ送り出される。
【0032】
そして、用紙加工装置1においては、第1〜第3スリッタユニット4A〜4C、カッターユニット5及び折り型形成ユニット7が、装置本体10に対して着脱自在に設けられている。
【0033】
以下に、本発明の実施形態に係る裁断用カッター42、44を有するスリッタユニットについて、具体的に説明する。用紙加工装置1は、3つのスリッタユニット、第1〜第3スリッタユニット4A〜4Cが設けられているが、第1〜第3スリッタユニット4A〜4Cは同じ構成を有しているので、以下では、第1スリッタユニット4Aを例として説明する。
【0034】
図6は第1スリッタユニット4Aの正面図、図7は図6の斜視部分図である。図6及び図7中のZ方向は、用紙搬送方向に対する直交方向(用紙幅方向)を示し、図7中のY方向は、用紙搬送方向を示す。第1スリッタユニット4Aは、頂板401と2枚の側板402、403と底フレーム404とで構成されたケース部400と、ケース部400内に支持された2個の裁断用カッター42、44と、で構成されている。頂板401上には2個の取っ手4011が付いている。2枚の側板402、403は、頂板401の両側から鉛直下方に向けて設けられている。両側板402、403間には、2本のねじ軸405、419と、1本の上ガイド軸407と、1本の下ガイド軸409と、1本の回転軸411と、が渡設されている。
【0035】
図8は裁断用カッター42の拡大図であり、図9は図8のVIIII−VIIII断面図である。裁断用カッター42は、2つの回転刃451、452を上下から擦り合わせて用紙の裁断を行うものであり、上回転刃451を保持する上ブロック414と、下回転刃452を保持する下ブロック415と、からなっている。図7に示すように、上ブロック414は、螺合部4050を通るねじ軸405の回転に伴って、上ガイド軸407に沿ってZ方向に移動できるようになっている。また、上ブロック414の上回転刃451は、下ブロック415の下回転刃452の回転によって回転するようになっている。下ブロック415は上ブロック414と共に下ガイド軸409に沿ってZ方向に移動できるようになっている。また、下ブロック415の下回転刃452は、下の回転軸411の回転によって回転するようになっている。
【0036】
下ブロック415の外側のZ方向両側には、支持部材421が取り付けられている。支持部材421には、下ブロック415と支持部材421との距離を伸縮可能とする弾性部材であるバネ材422の一端が取り付けられており、バネ材422の他端には板材423が取り付けられている。そして、板材423が下ブロック415に取り付けられている。
【0037】
バネ材422は、Z方向に中空部を有しており、その中空部に回転軸411が挿通している。また、支持部材421は中心に孔を有する円板状であり、その孔に回転軸411が挿通している。板材423は孔を有する円板状であり、その孔に回転軸411が挿通している。そして、板材423のZ方向端面が下ブロック415に接するよう、板材423が下ブロック415に取り付けられている。このように、支持部材421は、バネ材422及び板材423を介して下ブロック415に取り付けられているので、回転軸411とは連れ回りしないようになっている。
【0038】
裁断用カッター44は、裁断用カッター42と同じ構成を有しているが、対称的に設けられており、螺合部4190を通るねじ軸419の回転に伴って、上ガイド軸407に沿って移動できるようになっている。また、上ブロック414の上回転刃451は、下ブロック415の下回転刃452の回転によって回転するようになっている。下ブロック415は上ブロック414と共に下ガイド軸409に沿って移動できるようになっている。また、下ブロック415の下回転刃452は、下の回転軸411の回転によって回転するようになっている。
【0039】
更に、ねじ軸405の側板402から外側に突出した端部には、ギヤ4051が設けられている。また、ねじ軸419の側板403から外側に突出した端部には、ギヤ4191が設けられている。また、回転軸411の側板402から外側に突出した端部には、ギヤ4111が設けられている。
【0040】
裁断用カッター44も、裁断用カッター42と同様、下ブロック415のZ方向両側には、板材423及びバネ材422を介して、支持部材421が取り付けられている。
【0041】
装置本体10内において、第1スリッタユニット4Aは次のように作動する。すなわち、第1スリッタユニット4Aは、制御手段6による加工制御手段によってオン制御されるとともに、制御手段6による位置制御手段によって、裁断する位置に2個の裁断用カッター42、44が位置するよう制御される。すなわち、位置制御手段によって、ねじ軸405が所定量だけ回転されて、裁断用カッター42が裁断する位置にZ方向に移動されるとともに、ねじ軸419が所定量だけ回転されて、裁断用カッター44が裁断する位置にZ方向に移動される。そして、加工制御手段によって、回転軸411が作動されて、裁断用カッター42、44の下回転刃452が回転し、下回転刃452の回転によって上回転刃451が回転し、裁断用カッター42、44の位置で用紙100がY方向に裁断される。
【0042】
図10は、裁断用カッター42、44がZ方向中央部に位置した状態を示す第1スリッタユニット4Aの正面図であり、図11は、裁断用カッター42、44が、それぞれ、Z方向端部に位置した状態を示す第1スリッタユニット4Aの正面図である。用紙幅方向中央部で用紙をY方向に2箇所裁断する場合、裁断用カッター42、44は、図10に示すように、第1スリッタユニット4AのZ方向中央部に位置するようになる。この場合、裁断用カッター42、44の互いに隣接する側のバネ材422が収縮することによって、裁断用カッター42と裁断用カッター44との間のZ方向距離を短くすることができ、裁断用カッター42、44をZ方向中央部に位置させることが可能となっている。
【0043】
用紙幅方向端部で用紙をY方向に2箇所裁断する場合、裁断用カッター42、44は、図11に示すように、第1スリッタユニット4AのZ方向端部に位置するようになる。この場合、裁断用カッター42、44のZ方向端部側のバネ材422が収縮することによって、裁断用カッター42、44をZ方向端部に位置させることが可能となっている。
【0044】
前記構成の第1スリッタユニット4Aによれば、次のような効果を発揮できる。
【0045】
(1)支持部材421が、用紙裁断位置の側方で用紙を支持することができる。また、支持部材421は下ブロック415の外側に取り付けられているだけなので、支持部材421を簡単に構成することができる。
【0046】
(2)下ブロック415に、バネ材422を介して、支持部材421が取り付けられるので、バネ材422が伸張することによって、下ブロック415と支持部材421との間の距離を確保でき、支持部材421の用紙支持性能を向上させることができる。
【0047】
(3)用紙幅方向中央部を裁断するために、裁断用カッター42、44がZ方向中央部に隣接するように位置する場合であっても、バネ材422が収縮することによって、裁断用カッター42、44が裁断位置に位置することを、支持部材421が邪魔をすることはない。
【0048】
(4)用紙幅方向端部を裁断するために、裁断用カッター42、44がZ方向両端部に位置する場合であっても、バネ材422が収縮することによって、裁断用カッター42、44が裁断位置に位置することを、支持部材421が邪魔をすることはない。
【0049】
(5)すなわち(2)〜(4)をまとめると、支持部材421はバネ材422を介して下ブロック415に取り付けられているので、通常は、バネ材422は伸張し、下ブロック415と支持部材421との距離を確保し、用紙の支持性能を確保しながら、下ブロック415がZ方向端部やZ方向中央部に位置する場合には、バネ材422が収縮することによって、下ブロックがZ方向端部やZ方向中央部の所定の位置に位置できるようになっている。
【0050】
(6)支持部材421が中心に孔を有する円板状に形成され、バネ材422がZ方向に中空部を有しているので、回転軸411が挿通するように支持部材421及びバネ材422を設けることができる。したがって、用紙裁断位置の側方に用紙を支持する構成を容易に達成することができる。
【0051】
上記実施形態では、下回転刃452の回転軸411が支持部材421を挿通しているが、支持部材421は回転軸411から離間して下ブロック415の外側に取り付けられていても良い。この場合、回転軸411を考慮する必要がないため、支持部材421は、円板形状を有する必要はなく、用紙を支持する上面が長方形である四角形状を有しても良い。
【0052】
上記実施形態では、支持部材421が、バネ材422及び板材423を介して下ブロック415に取り付けられているので、回転軸411とは連れ回りしないようになっている。しかし、支持部材421の下ブロック415に対する取り付け手段は、上記実施形態に限定されず、バネ材422が、回転軸411と一緒に回転可能となるようにその他端が下ブロック415に取り付けられ、支持部材421は、そのバネ材422の一端に取り付けられていても良い。この場合には、支持部材421は、回転軸411と連れ回りをするので、円板形状を有していることが好ましい。
【0053】
上記実施形態では、ねじ軸405が所定量だけ回転されて、裁断用カッター42が裁断する位置に移動されるとともに、ねじ軸419が所定量だけ回転されて、裁断用カッター44が裁断する位置に移動するので、裁断用カッター42と裁断用カッター44とが別々に移動するようになっている。しかし、第1スリッタユニット4AのZ方向中央部から、裁断用カッター42と裁断用カッター44とが等しい距離となるよう、1つのねじ軸で、裁断用カッター42と裁断用カッター44とが一体として移動するようにしても良い。
【0054】
上記実施形態では、上ブロック414がZ方向に移動するのに合わせて、下ブロック415がZ方向に移動するようになっているが、上ブロック414及び下ブロック415のそれぞれにねじ軸が設けられ、上ブロック414と下ブロック415とが別々にZ方向に移動しても良い。また、下ブロック415の下方にのみねじ軸が設けられ、下ブロック415が、そのねじ軸の回転に伴って、下ガイド軸409に沿ってZ方向に移動できるようになっており、下ブロック415がZ方向に移動するのに合わせて、上ブロック414がZ方向に移動しても良い。
【0055】
本発明は、上記実施形態で説明した構成には限定されず、特許請求の範囲に記載した内容を逸脱することなく、当業者が考え得る各種変形例を含むことができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明では、用紙裁断位置の側方で用紙を支持でき、且つ、簡単な構成である、支持部材を備えた裁断用カッターを提供できるので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0057】
1 用紙加工装置
2 搬送手段
10 装置本体
11 給紙部 12 排紙部
20 搬送経路 21 ローラ
201 用紙先端センサ 202 用紙先端センサ 204 カット位置センサ
205 折り位置センサ
31 搬送補正手段 32 情報読取手段 33 リジェクト手段 34 切屑落し手段
321 CCDセンサ
4A 第1スリッタユニット 4B 第2スリッタユニット 4C 第3スリッタユニット
400 ケース部
401 頂板 402 側板 403 側板 404 底フレーム
4011 取っ手
405 ねじ軸 4050 螺合部 4051 ギヤ
407 上ガイド軸 409 下ガイド軸
411 回転軸 4111 ギヤ
414 上ブロック 415 下ブロック
419 ねじ軸 4190 螺合部 4191 ギヤ
42 裁断用カッター 44 裁断用カッター
421 支持部材 422 バネ材 423 板材
451 上回転刃 452 下回転刃
5 カッターユニット
6 制御手段
7 折り型形成ユニット
81 ゴミ箱 82 廃棄トレイ
100 用紙 101 主印刷部 102 位置マーク 103 バーコード
200 用紙 200a 折り型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上回転刃と下回転刃とを擦り合わせて、用紙を、用紙搬送方向に裁断する、裁断用カッターであって、
前記下回転刃を保持する下ブロックを有し、
前記下ブロックは、その外側に、用紙を下方から支持する支持部材を備えていることを特徴とする、裁断用カッター。
【請求項2】
前記下ブロックは、前記下回転刃の回転軸に沿って、用紙搬送方向に対する直交方向に移動可能となっており、
前記支持部材は、前記下ブロックと前記支持部材との距離を伸縮可能な弾性部材を介して、前記下ブロックに取り付けられている、請求項1記載の裁断用カッター。
【請求項3】
前記支持部材は、前記下ブロックに対して、前記直交方向の両側に設けられている、請求項2記載の裁断用カッター。
【請求項4】
前記下回転刃の回転軸は、前記弾性部材及び前記支持部材を挿通している、請求項2又は3に記載の裁断用カッター。
【請求項5】
前記支持部材は、前記下回転刃の回転軸が挿通する孔を有する円板形状である、請求項4記載の裁断用カッター。
【請求項6】
用紙を搬送しながら用紙に加工を施す用紙加工装置において、用紙を1枚ずつ搬送する搬送手段と、前記搬送手段で構成された搬送経路の途中に設けられ、用紙に対して各々所定内容の加工を行う、複数の加工装置部と、を備え、
少なくとも1つの加工装置部が、請求項1〜5のいずれか1つに記載の裁断用カッターを少なくとも1つ有するスリッタユニットである、用紙加工装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate