説明

装具

【課題】靴を併用することなく足装具単独で好適なリハビリ効果を得るとともに、容易に装着可能な足装具を提供する。
【解決手段】足及び足首を覆う形状であるとともに、足の動きに対応して変形可能な装具本体10を備え、装具本体10は、足先配置の前足部18から足首配置の足首部12まで足甲側で前開き可能であり、前足部18を足首部12に向けて引っ張り上げるための引上帯2,22を備え、装具本体10の裏底は、前足部18及び踵配置の後足部14において、各々、弾性を有する補高材により丈増しており、後足部14の補高材34は、前足部18の補高材32よりも丈高である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は装具に関し、詳しくは足装具及び膝装具に関する。
【背景技術】
【0002】
片麻痺などの脳卒中患者{又は後遺症者(障害者)}は、足又は下肢が変形する疾患{例えば、尖足、内反足又は槌指などの足に関する疾患や、反張膝や膝関節の揺動性などの下肢(特に膝関節)に関する疾患又はそれらの重複疾患}を有し、寝たきりになることも多い。
一方、上述の患者の平均寿命は、生活環境の改善により延びているのが現状である。そこで患者が寝たきりとならず実用的な歩行ができるように、足装具及び膝装具を用いて患者の足や膝の変形を矯正、補完することで、歩行能力を向上させる試みが必要である。
【0003】
上述の足装具(短下肢装具)として、例えば、下腿両側に配置の一対の支持部材(金属製支柱)を靴にて支持する両側支柱付短下肢装具がある(特許文献1を参照)。また靴と併用して使用する靴ベラ型装具(特許文献2を参照)がある。この靴ベラ型装具は、装着者の下腿後面を覆う形状の支持部材(プラスチック製)を備え、足継手はアキレス腱部にある。これらの足装具は、屋内でも靴(例えば、厚手の皮製であって型の定まった履物)を履く欧米などの外国由来の装具であり、各々の支持部材を靴にて支持するとともに、靴型を利用して足を矯正する構成である。
また膝装具(下肢装具)としては、膝両側に配置の支持部材(金属製支柱)を靴にて支持する構成の両側支柱付膝装具(特許文献3を参照)がある。この膝装具は、頑丈な金属製支柱により下肢(特に膝)の変形を矯正する。なお大腿から下腿までを覆う形式の装具(スウェーデン式膝装具、特許文献4を参照)もあるが、この膝装具は反張膝矯正専用の装具である。
【特許文献1】特開平2001−299790号公報
【特許文献2】特開平9−206347号公報
【特許文献3】特開平9−253145号公報
【特許文献4】特開2000−5247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来の足装具は、上述の通り、靴との併用で矯正効果を得る構成なので、屋内で靴を履く習慣のない日本では、その家屋内での使用に不向きである。また従来の装具は、それ自体が重かったり硬かったりして、靴を脱いでも使いにくい。このため患者は、病院において装具及び靴を用いて歩行訓練を行っていても、帰宅後の家屋内では靴と共に装具も脱いでしまい、変形した足で跛行をする。そして患者は、変形した足で跛行を続けることで、比較的短期間の内に実用的な歩行ができなくなる。
さらに従来の足装具は、その支持部材が下腿まで覆う構成なので、比較的小型のスウェーデン式膝装具であっても併用には工夫が必要になる。
本発明は、上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明の課題とするところは、靴を併用することなく足装具単独で好適な矯正効果を得るとともに、容易に装着可能な足装具を提供することにある。さらに、好適に併用可能な足装具及び膝装具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明の足装具は、足及び足首を覆う形状の装具本体を、足先配置の前足部から足首配置の足首部まで足甲側で前開きして、足を収納した後に足甲側で係着することで装着可能である。そして装具本体は、例えば装着時の足の動きに対応して変形するとともに前開き可能なので、各種疾患により変形した足でも装具装着が容易である。
【0006】
そして足装具は、その前足部を、引上帯によって足首部に向けて引っ張り上げることにより、装着者としての尖足患者(足先に対して踵の浮いた症状であり、足先は垂下状態である)の足先と踵を正常な上下方向位置関係に矯正することができる。さらに装具本体の裏底は、その前足部及び踵配置の後足部が、各々、弾性を有する補高材により丈増しているので、足装具装着時の足は、必ず歩行に好適な弓型となる。そして後足部の補高材は前足部の補高材よりも丈高なので、尖足患者の踵をより確実に接床(接地)可能である。
【0007】
また本発明の第2発明は、第1発明に記載の足装具であって、足甲配置の中足部周囲を巻き締め可能な引締帯を備える。この引締帯の一端は、中足部外側に固定しており、他端は、中足部内側に着脱自在に係着可能である。このため、装着者としての内反足患者(足裏が内側を向いており、その足外側だけが接床の症状を有する)の足を内反向きとは逆向きに引っ張りつつ、中足部に巻き締めることができる。
さらに本装具では、中足部周囲に引張帯を巻き締めることにより、装着時の足と装具本体の密着性をより高めることができる。
ここで、足首部周囲にも第2の引締帯を巻き締めることで、装着時の足と装具本体の密着性を高めることが好ましい。このように中足部と足首部の2箇所にて装具本体と足の密着性を高めることにより、特に装具本体と踵の密着性が高まり、装具本体と踵の間に遊びとなる隙間ができにくくなる。
【0008】
また本発明の第3発明は、第1発明又は第2発明に記載の足装具であって、その前足部は、母指を収納する第1収納部と、母指以外の他足指を配置する第2収納部を備えている。そして第1収納部と前記第2収納部は、足先端に向って互いに離間する形状である。このため足装具の装着により、装着者としての槌指患者(複数の足指が互いに緊張状態で密着の症状を有する)の母指と他足指とを互いに離間状態とすることができ、これにより足全体の緊張を緩解することができる。
ここで、母指と他足指を互いに離間して足指の緊張を緩め解く(緩解する)ことにより、足全体の緊張を同時に緩解する歩行訓練のためのリハビリ手法がある。この歩行訓練手法は本発明者らが初めて利用した手法(神経生理学的アプローチ)である。
【0009】
また本発明の第4発明は、第1発明〜第3発明に記載の装具と併用するための膝装具であり、膝頭(好ましくは膝頭骨)を覆う前部パット及び膝窩(好ましくは膝窩部)を覆う後部パットを、膝関節両側に配置の一対の支柱部にて支持する構成である。一対の支柱部(足装具と別体)は、歩行時の下肢の屈曲に対応して継手部にて屈曲自在である。この前部パットと後部パットは、支柱部の継手部を装着者の膝関節位置に位置決め固定するとともに、装着者の膝を前後から覆いつつ支持することで、装着者の膝への負担を軽減する。
そして装着者が、前部パットの孔部に膝頭を嵌め込むことにより、歩行時における前部パット配置位置のズレを防止又は低減する。
さらに膝装具は、後部パットとして、直立時の下肢屈曲角度に対応の屈曲角度を有する矯正板を備えている。この矯正板を後部パット側に配することで、装具装着の下肢が直立時における軽度の屈曲状態となる。
【0010】
また本発明の第5発明は、第4発明に記載の膝装具であって、後部パットは、複数の顆粒状部材を収納の袋体を備える。後部パットの袋体が、下肢の屈曲に対応して変形(内部の顆粒が変位)するため、装着時又は歩行時における後部パット装着の違和感が低減する。
【発明の効果】
【0011】
第1発明によれば、靴を併用せずに装具単独で好適な歩行時の矯正効果を得るとともに、容易に装着可能な足装具を提供することができる。第2発明及び第3発明によれば、より好適な歩行時の矯正効果を得ることができる。そして第4発明によれば、第1発明〜第3発明の足装具と好適に併用可能な膝装具を提供することができる。第5発明によれば、より装着感のよい膝装具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面1〜10を用いて説明する。
[足装具]
図1は、装着前の足装具の斜視図であり、図2は、装着後の足装具の斜視図である。ここで各図面では、必要に応じて、装着者の足及び足首を破線(又は2点破線)で示すこととする。
本実施例の足装具8は、後述するように、歩行時(歩行能力を改善するための全ての動作時)又は装着時の足の動きに対応して変形するとともに、足甲側(図1のように足装具8を載置した際に上を向く側)から前開き可能である。そして足装具8は、装着者が装着して歩行することにより、尖足、内反足、槌指、前足部内転及び凹足などの各種症状に対して歩行時の矯正効果又は補完効果を奏する。
以下、本実施例の足装具8の構成要素を説明するが、当該足装具8は、左右いずれか一方の足に装着するほか、左右一対として使用してもよく、この場合は左右の足装具8の構成がほぼ同一である。このため、右足用の足装具8を例にとって各構成要素を詳述することとする。
【0013】
装具本体10は、足及び足首(好ましくはアキレス腱)を覆う足袋形状である。そして足首部12には、装着者のアキレス腱を覆う丈寸法L1(例えば5cm程度)の補高部7が設けてあり、この補高部7には、後述の足首用引締帯4(第2の引締帯)一端が固定している。
そして本実施例の装具本体10は、基本的に、内材9a及び外材9b(共に可撓性を有するやや薄手の布製又は皮革製)の二重構造であり、アキレス腱部を覆う補高部7が、内材9a及び外材9bを重ねた厚みを有する(やや厚手の)可撓性を有する布製又は皮革製である。このため装具本体10は、歩行時又は装着時の足(及び足首)の動きに対応して撓り変形可能である。
【0014】
そして装具本体10は、その足甲側において、足先配置の前足部18から足首配置の足首部12まで着脱可能なファスナ24が配置している。このファスナ24のスライダ26を足首部12から前足部18に移動して、装具本体10を足甲側で前開きした後、装着者の足先から装具本体10を装着する。
ここで本実施例のファスナ24は、後述する母指配置の第1収納部30寄りに係着開始点(図1のスライダ26配置位置を参照)が位置している。このようにすれば、槌指患者の母指を後述の第1収納部30により容易に収納することができる。
【0015】
図3は、足装具の装着手順を示す足装具の上方斜視図であり、同図向かって右側を足装具内側とし、同図向かって左側を足装具外側とする。
装具本体10の前足部18は、足の母指を収納する第1収納部30と、母指以外の足の指を配置する第2収納部28を備えている。この第1収納部30と第2収納部28は(例えば足袋の股のように)離間して前足部18に形成しており、本実施例では、足先端に向って互いに離間する先細袋状である。
この第1収納部30に母指を収納したのち、第2収納部28に、人指指から小指までの4本の指(母指とは異なる他指)を収納する。そうすると自然に、母指と他指が足先端に向かって互いに離間状態で配置する(図3(I)を参照)。このように母指と他指の間を拡開して指関節を伸展位に保持することで、指の集合状態が緩み、次第に各指の緊張が緩解するとともに足全体の緊張をも緩解することができる(上述の「神経生理学的アプローチ」による効果であり、ファシリテーションテクニックとも呼ぶ)。
【0016】
上述のように装具本体10に足を収納した後、ファスナ24のスライダ26を前足部18から足首部12に移動してファスナ24を係着する(図1,2及び図3(II)を参照)。そして補高部7の外側に固定した足首用引締帯4(例えば、上下幅5cm長さ6cmの厚手の帯体)をアキレス腱周囲に牽引しつつ巻き締めて、他端を、補高部7の表面7bに圧着する。
本実施例においては、足首用引締帯4の自由端裏側に係止部4a(先端鉤状の突起片を複数有する)がある。一方、補高部7の表面は、その全周にわたって、足首用引締帯4の係止部4aを係着するための被係止部7b(突起片と係り合う輪状被突起片を複数有する)である。そして足首用引締帯4の係止部4aを、補高部7の表面側の被係止部7bに圧着することで、足首用引締帯4を、アキレス腱周囲に巻き締め状態で固定する。
ここで、足首用引締帯4の自由端表側は被係止部4bとされており、足首用引締帯4を巻き締めた状態の補高部7表面は、その全周にわたって被係止部4b,7bを設けた状態となる。
なお本明細書において、単に係止部及び被係止部というときは、上述の構成を有する係止部及び被係止部を意味する。
【0017】
そして足装具8には、その内側と外側に、各々、前足部18を足首部12に向けて引っ張り上げるための一対の引上帯2,22(例えば、長さ15cmで幅4cmのベルト)がある(図1,2及び図3(III)を参照)。足装具8内側の内側引上帯2は、その一端が、母指球の配置位置よりもやや踵側位置(第1中足骨頭の直後方位置)で装具本体10に固定しており、他端側は自由端である。足装具8外側の外側引上帯22は、その一端が、小指球の配置位置よりもやや踵側位置(第5中足骨頭の直後方位置)で装具本体10に固定しており、他端側は自由端である。この内側引上帯2と外側引上帯22を、足甲側で交差状態として、装具本体10の足首部12に引上げる。
【0018】
一方、装具本体10の足首部12内外両側には、各々、一対の引上帯2,22を係着するための被係止部6a,6bがある。
そして内側引上帯2を、その他端側の係止部2aにより、上述の足首部12外側の被係止部6bに圧着固定する。さらに外側引上帯22を、その他端側の係止部22aにより、足首部12内側の被係止部6aに圧着固定する。このように、後足部14に対して前足部18を引上げることで、尖足患者の足関節を軽度背屈位とする(足先と踵を正常な上下方向位置関係に矯正する)ことができる。
【0019】
なお装着者が内反足患者の場合には、内側引上帯2を若干緩めた状態で被係止部6a下方に係着固定するとともに、外側引上帯22を、内側引上帯2よりも強めに牽引した状態で被係止部6b上方に係着固定することが好ましい。
なお装着者の症状に応じて、内側引上帯2(他端の係止部2a)又は外側引上帯22(他端の係止部22a)を、足首用引締帯4を巻き締めた状態の補高部7表面(被係止部4b,7b)に圧着してもよい。
【0020】
ここで内側引上帯2と外側引上帯22は、ある程度の伸縮性を有していることが望ましく、例えば、伸び率200%のゴム製ベルト(長さ15cm程度)を引上帯2,22として使用する。内側引上帯2と外側引上帯22の伸縮により、歩行時(特に遊脚期)における前足部18のブレを吸収し、足関節の軽度背屈位を維持することができる(図8を参照)。さらに、上述の内反足患者を考慮した場合、外側引上帯22の伸び率を、内側引上帯2の伸び率よりも小さくして(伸びにくい設定として)おくことが望ましい。なお遊脚期の足は、接踵期の足に対して約15°傾いた状態であり、前足部18が歩行によりブレやすい。
【0021】
そして足装具8には、その足甲(土踏まず)配置の中足部16周囲を巻き締める中足用引締帯20(例えば、長さ8cmで幅4cmのベルト)がある(図1,2及び図3(IV)を参照)。中足用引締帯20は、その一端が中足部16外側に固定しており、他端側は自由端である。そして中足用引締帯20の自由端先端には係止部20aがあり、中足部16内側には、係止部20aを係り止めるための中足用の被係止部3がある。
この中足用引締帯20を、中足部16周囲に足甲側で(好ましくは、図6に示す足のショパール関節位置45に沿って)牽引しつつ巻き締めて、他端を、中足部16内側の中足用の被係止部3に圧着固定する。これにより内反足患者の足を、その内反向きとは逆向きに牽引した状態で後述の支持板33に配置でき、前足部18の内反を矯正することができる。
【0022】
図4は、ファスナ24の配置位置の変形例を示す足装具の斜視図である。
ファスナ24の配置位置は、足装具8を前開き可能であれば特に限定しないが、例えば図4のファスナ24a(スライダ26aを有する)のように、装着者がある程度自由に足指を動かせる場合には、装具本体10の中線に沿ってファスナ24aを配置しておいてもよい。
また、装着者が重度の槌指患者(極度の緊張状態で足指が密着硬化した症状)の場合には、上記ファスナ24aとは別に、小指の配置位置に沿った箇所に第2のファスナ24b(スライダ26bを有する)を設けることが好ましい。第2収納部28に他足指を配置した後に、この第2のファスナ24bを開いて第2収納部28における各他足指配置を伸展離間して微調整することができる。
【0023】
図5は、外材を取り除いた状態の足装具裏底の平面図であり、図6は、足装具の縦断面図である。
装具本体10の裏底には、上述の内材9aと外材9bの間に、装着者の前足底野(好ましくは、母指球、小指球及び第2〜第4中足骨の骨頭)から後足底野(踵)までを覆う大きさの支持板33(樹脂製)が間挿して配置している。そして支持板33には、その前足部18位置に弾性を有する前部補高材32が設けてあり、後足部14位置に弾性を有する後部補高材34が設けてある(前部補高材32の前後幅L2は、例えば6cmである)。そして装着者の足裏を支持板33にて支持することで、実用的な歩行に必要な装着者の足の接床を確保し、各種症状に対する矯正効果を確実に得ることができる。また装具本体10の裏底は、その前足部18及び後足部14にて丈増しした状態となり、足装具8を装着の装着者の足は自然と歩行に好適な弓型となる。また足装具8を装着して畳(フローリングに比べて柔らかい)の上を歩行する場合でも、両補高材32,34の適度な弾性が畳の浮き沈みを吸収するので、装着者が安定して歩行可能である。
【0024】
そして前部補高材32は、装着者の母指球と小指球を含む前足底野(好ましくは第1中足骨頭46及び第5中足骨頭44を含む前足底野)と対応の位置に配置しており、装着者の足指配置箇所(装着者の足指野が配置する箇所)と対応の位置には配置していない。このため足装具8は、装着者が重度槌指患者(足指が下に底屈して集合している)であっても、底屈した足指を接床面(接地面)より浮かした状態で、装着者の前足底野を前足部18に配置可能である。
また後部補高材34は、装着者の後足底野(好ましくは踵骨隆起42を覆う箇所)と対応の位置に配置しており、前足部18の前部補高材32よりも丈高である。このため足装具8は、装着者が尖足患者(足先に対して踵が浮いた症状)であっても、その踵をより確実に接床(接地)可能である。
【0025】
そして、前部補高材32及び後部補高材34は、各々、前後の縁が縁取りされている。このため装具本体10は、その前後先端に対して中足部16付近が下に凸状(ポックリ状)であり、装着者が歩行しやすい形状である。
【0026】
なお、両補高材32,34の丈高寸法は、装着者の症状により適宜変更するものであり、例えば、前部補高材32を1.0cmとし、後部補高材34を2.0cmとすることで比較的重度の尖足患者であっても好適に歩行可能となる。そして、歩行訓練又は歩行時の矯正効果による尖足の症状の緩和に従い、両補高材32,34を切断又は削してその丈寸法を短くしていくこととなる。
【0027】
そして装具本体10後側(図6を参照)は、装具本体10と足及び足首の間に遊びとなる隙間を極力持たせないよう、足及び足首に密着するように引締めた形状である。すなわち通常の足袋では、その後側をホック(一般にはコハゼと呼ぶ)にて足袋の外側材と内側材を係着する。一方、本実施例においては、このコハゼを取り外して外側材及び内側材を重ね合わせ状態(引締め状態)で縫合の構成である。これにより、装具本体10後側と足及び足首との密着性が高まり、歩行時において、足装具8と足及び足首との一体感が高まる。これにより、装着者の遊脚期における踵内反の矯正が可能になる。
【0028】
そして中足用引締帯20を中足部16周囲に巻き締めることで、中足部16箇所で足との密着性を高める。また足首用引締帯4を足首部12周囲に巻き締めることで、足首部12箇所で足との密着性を高める。このように、中足部16と足首部12の2箇所において、装具本体10と足の密着性を高めることで、中足と足首の中間に位置する踵を遊びなく装具本体10に収納することができる(図6を参照)。踵位置が安定した装着者は、接床時における第1中足骨頭46を意識的に接床することで、内反足の矯正がより容易に可能となる。
【0029】
[足装具の効果]
上述の構成の足装具8によれば、特に尖足、内反足及び槌指に対して、靴と併用せずに足装具単独で好適な歩行時の矯正効果を得ることができる。すなわち、足装具8を使用して歩行訓練又は歩行を行うことで、装着者は、日常生活の自立度を高めるための実用的な歩行能力を獲得することができる。
また装具本体10は、足の動きに応じて変形可能な柔軟な材質で構成するとともに前開き可能なので、装着者単独でも足装具8をより容易に装着可能である。
そして足装具8は上記構成を有するとともに、金属製支柱のないコンパクトな構成で且つ比較的軽量なので、襖や障子などの仕切りのある日本家屋内でも装着者が比較的自由に動き回ることができる。すなわち足装具8は、上述の構成により、特に日本家屋内での歩行に好適な装具である。
さらに足装具8は、金属製支柱のないコンパクトな構成なので、例えば後述の膝装具64と好適に併用することができる。
【0030】
[膝装具]
図7(I)は、膝装具の正面図であり、図7(II)は、膝装具の背面図であり、図8は、膝装具装着の装着者下肢の側面図であり、図9(I)は、膝装具を上から見た平面図であり、(II)は、図7のA−A線で膝装具を切断した膝装具の横断面図である。ここで図7(I)向かって右側を膝装具内側とし、同図向かって左側を膝装具外側とする。
本実施例の膝装具64は、後述の膝蓋骨パット80(本発明の前部パット)及び膝窩部パット90(本発明の後部パット)を一対の支柱部(内側支柱部70a及び外側支柱部70bであって、上述の足装具8と別体)にて支持する構成である。
そして、膝蓋骨パット80及び膝窩部パット90は、後述の通り各々ベルトにて一対の支柱部70a,70bに着脱自在に固定可能であり、一対の支柱部70a,70bは極力軽量化した構成である。この支柱部70a(70b)は、継手部74a(74b)にて屈曲自在である。そして、各々の継手部74a(74b)は、膝蓋骨パット80及び膝窩部パット90に連なるベルトの締付力にて、装着者の生理学的膝関節位置に位置決め固定されて配置している。このため、足装具8を使用した装着者の歩行動作によっても膝が揺動しにくくなり、装着者の膝関節にかかる負担を軽減できる。
以下、本実施例の膝装具64の構成要素を説明するが、当該膝装具64は、左右いずれか一方の下肢に装着するほか、左右一対として使用してもよく、この場合は左右の膝装具64の構成はほぼ同一である。このため、右足用の膝装具64を例にとって各構成要素を詳述することとする。
【0031】
上述の支柱部70a(70b)は、上部支柱72a(72b)及び下部支柱76a(76b)を継手部74a(74b)にて曲折自在に連結の構成である。
上部支柱72a,72bは、各々、装着者の膝位置(好ましくは、生理的膝関節位置のある大腿骨顆部)から大腿部中央に延設の平板である。また下部支柱76a,76bは、各々、上記膝位置から下腿部中央に延設の平板である。そして上部支柱72a,72b及び下部支柱76a,76bは、いずれも比較的薄手の金属製平板である。このため、膝装具64は軽量であるとともに、足装具8と別体のコンパクトな構成である。
【0032】
そして、一対の支柱部70a,70bは、その上部に橋渡し状態の上部支持具60(横断面半月状)にて装着者の大腿後側を支持し、一対の支柱部70a,70b下部に橋渡し状態の下部支持具50(横断面半月状)にて装着者の下腿部後側を支持する(図8及び図9を参照)。
ここで上部支持具60及び下部支持具50(いずれも厚み0.5cmの樹脂製であって、フェルト製の布材を表面に貼付している)を、各々、一対の支柱部70a,70bに回動自在(図8で見て上下に回動自在)に軸支することが好ましい。そうすると、歩行時の下肢の動きに対応して両支持具50,60が軸回りに回動するため、歩行時の装着者に与える違和感が低減する。
【0033】
そして継手部74a(74b)は、上部支柱72a(72b)及び下部支柱76a(76b)を互いに足の自然な屈曲向きにのみ屈曲可能(例えばθ≧15°)に軸支の構造(オフセット構造)である。この継手部74a(74b)は、後述の通り膝蓋骨パット80及び膝窩部パット90によって装着者の生理学的膝関節位置(例えば、大腿骨顆部中央)に配置する。このため、一対の支柱部70a,70bは、歩行時における装着者の下肢の自然な屈曲に対応してスムーズに屈曲可能である。
【0034】
そして、大腿用ベルト62(上部支柱72bに一端を固定)を大腿前側より巻き、大腿用ベルト62の他端を、上部支柱72aに固定の環材63を通過の折り返し状態で引締める(図9(I)を参照)。同様に、下腿用ベルト52(下部支柱76bに一端を固定)を装着者の脛側より巻き、下腿用ベルト52の他端を、下部支柱76aに固定の環材63を通過の折り返し状態で引締める。
ここで両ベルト52,62の他端側裏面には係止部(図示しない)があり、引締め時に係止部を臨むベルト52,62表面側は被係止部(図示しない)である。そして引締め状態の両ベルト52,62の自由端を、その係止部で被係止部に圧着固定する。
【0035】
図10は、膝装具の一部縦断面図である。
膝蓋骨パット80は、装着者の膝蓋骨を覆う部材であり、薄い皮革パッチ84を厚手のフェルト製の布材82(例えば縦16cmで横12cmであり、膝頭を覆う形状)表面に縫着してなる。そして皮革パッチ84には、装着者の膝頭を嵌め込み可能な孔部86がある。そして装着者の膝頭を孔部86に嵌め込みつつ膝装具64を装着することで、歩行時における膝蓋骨パット80と膝のズレを防止又は低減することができる。
【0036】
そして皮革パッチ84上部に縫着の一対の上ベルト環88a,88aに、膝蓋骨パット固定用上ベルト56を挿し渡し、皮革パッチ84下部に縫着の一対の下ベルト環88b,88bに膝蓋骨パット固定用下ベルト54を挿し渡す(図7及び図9(II)を参照)。両ベルト54,56の両端は自由端である。
一方、一対の支柱部70a,70bには、このベルト54(56)を通過可能な内外一対の膝蓋骨パット用の環材63f,63fが、継手部74a(74b)の上下に二組配置している(図7を参照)。そして各ベルト54(56)の自由端両端を、各々、一対の膝蓋骨パット用の環材63f,63fに通過の折り返し状態で引締める。これにより両膝継手74a(74b)が、膝蓋骨パット80に連なる各ベルト54,56の締付力にて、装着者の生理学的膝関節位置に位置決め固定されて配置することとなる。
ここで両ベルト54,56の両端裏側は係止部(図示しない)であり、引締め時に係止部を臨むベルト表面側が被係止部(図示しない)である。そして、引締め状態の各ベルト54(56)の自由端両端を、各々、その係止部で被係止部に圧着固定する。
【0037】
そして膝窩部パット90は、後述の矯正板92と、装着者の膝窩を覆う布製の袋体94を有する。袋体94中には、複数の顆粒材(φ0.5cm程度の樹脂製であり、図面上は、一つの顆粒材のみに符号93を付す)が充填してある。そして袋体94中の顆粒材は、歩行時の膝窩形状に応じて、各々袋体94中の位置を変位する。このため膝窩部パット90は、歩行時の下肢の動きに応じて膝窩にフィットする形状となり、膝窩とのズレを防止又は低減するとともに、歩行時における膝窩部パット90装着の違和感が低減する。
そして膝窩部パット90は、上記袋体94後側に配置の矯正板92(例えば縦15cm、横9cmで厚み0.4cm)を備える。この矯正板92は、装着者の膝窩部側に配置の屈曲形状であって(図8を参照)、その屈曲角度は、直立時の下肢屈曲角度θ1{好ましくは膝関節軽度屈曲時位における、膝関節面の後方傾斜角度(15°程度)}に対応の屈曲角度θ2である。この矯正板92を膝窩後側に配置することで、膝窩部パット90と装着者膝窩部のズレを低減するとともに、装着者の膝関節を、直立時における適切な屈曲状態である軽度屈曲位にすることができる。これにより、装着者の反張膝の症状を低減又は防止する。
【0038】
そして矯正板92後側の上下位置には、一対の膝窩部パット固定用ベルト(下ベルト53及び上ベルト55であって、両ベルト両端は自由端である)が貼付してある。一方、一対の支柱部70a,70bには、両ベルト53,55を各々通過可能な一対の膝窩部パット用の環材63b,63bが、継手部74a(74b)の上下に二組配置している。そして各ベルト53(55)の自由端両端を、各々、一対の膝窩部パット用の環材63b,63bに通過の折り返し状態として引締める(図9の(II)を参照)。これにより両膝継手74a(74b)が、膝窩部パット90に連なる各ベルト53,55の締付力にて、装着者の生理学的膝関節位置に位置決め固定されて配置することとなる。
ここで各ベルト53,55の両端に係止部(図示しない)があり、引締め時に係止部を臨む各ベルト53,55表面側が被係止部(図示しない)である。そして、引締め状態の各ベルト53(55)の自由端両端を、各々、その係止部で被係止部に圧着固定する。
【0039】
上述の通り、各々の継手部74a(74b)は、膝蓋骨パット80及び膝窩部パット90に連なるベルトの締付力にて、装着者の生理学的膝関節位置に位置決め固定されて配置する。
そして本実施例では、両パット引締用ベルト57を用いて、膝蓋骨パット80及び膝窩部パット90を更に引締める。すなわち両パット引締用ベルト57を、膝窩部パット90の外側より巻き通した状態で、このベルト57自由端を、膝蓋骨パット80の内外に固定の環材63g,63gに通過の折り返し状態として引締める(図9の(II)を参照)。
これにより、膝蓋骨パット80及び膝窩部パット90の配置位置が相対的にズレにくくなり、両膝継手74a(74b)を、装着者の生理学的膝関節位置に更に安定して位置決め固定することができる。
【0040】
[膝装具の効果]
上述の構成の膝装具64では、上述の通り、膝蓋骨パット80及び膝窩部パット90でもって各継手部74a(74b)を装着者の生理学的膝関節位置に位置決め固定することができる。これにより、装着者の膝の揺動を極力抑えて、足装具8を装着の歩行訓練時における装着者の膝の負担を軽減することができる。また歩行時(歩行能力を改善するための全ての動作時)における装着者の膝関節位置が安定するため、上述の足装具8を装着しての歩行時に膝装具64を併用することで、歩行時の膝の揺動を軽減し、歩行時の膝の負担を軽減することができる。
そして、膝装具64は、専ら膝の支持のみを行い、足の矯正は専ら足装具8により行う。このため、一対の支柱部70a,70bは、膝蓋骨パット80及び膝窩部パット90を支持可能な強度を有しておればよく、足を含む下肢全体の矯正を行うための強度は必要とされない。よって、各支柱材70a,70bの厚みを薄くする又は軽量な材質を適用することにより従来よりも軽量化可能である。そしてコンパクトで軽量な膝装具64は、日本家屋内でも好適に使用可能であり、特に上述の足装具8と併用して好適に使用可能である。
また膝装具64の装着は、上記各ベルトを係着するだけでよいので、装着者1人でも容易に膝装具64を装着することができる。
【0041】
本実施の形態の装具は、本実施の形態で説明した外観、構成、処理、表示例等に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
本実施例においては、ファスナ24を用いて、装具本体10を前開きする例を説明した。これとは異なり、ボタン、ホック又は紐などの係止可能な他の構成により前開き可能としてもよく、係止部と被係止部とからなる構成としてもよく、着脱自在に接着してよい。
また本実施例においては、足装具の前足部18に第1収納部と第2収納部を設けた例を説明した。これとは異なり、例えば、極度に重症の槌指患者は、その槌指を矯正することが不可能なので、足装具の前足部18を、母指を含めた足指全て収納する靴下状の袋体としてもよい。
また本実施例においては、互いに圧着固定可能な係止部と被係止部の例を説明したが、係止部と被係止部は、互いに係止可能であれば如何なる構成であってもよい。例えばベルトとバックルや、紐と紐孔のように物理的に係止する構造としてもよく、両者を粘着的に固着する構成としてもよい。
また本実施例においては、布製又は薄手の皮製の装具本体10の例を説明した。装具本体10の材質は、足の動き応じて変形可能な可撓性を有する材質であればよく、例えば、薄い軟質樹脂製の本体装具10や紙製の装具本体10であってもよい。
【0042】
本実施例においては、膝装具64について、膝蓋骨パット80と膝窩部パット90を着脱自在に一対の支柱部70a,70bに固定する構造例を説明した。これとは異なり、膝蓋骨パット80と膝窩部パット90の少なくとも一つを着脱自在に一対の支柱部70a,70bに固定する構造であってもよい。例えば膝窩部パット90は、最初の装着時に装着者下肢の適切な位置に位置決め固定した後は、ベルト53,55を取り外すことなく、一対の支柱部に取り付けたままにしておいてもよい。
また本実施例においては、袋体94に当接状態の矯正板92(矯正板92と袋体94とが別体)を備える膝窩部パット90の例を説明した。これとは異なり、袋体の内部に矯正板を収納した構成(矯正板と袋体が一体の構成)の膝窩部パットであってもよい。矯正板と膝窩部パットとを一体品とすることで、膝窩部パットの装着手順がより簡単になる。
また本実施例では、複数の顆粒材93を充填の袋体94の例を説明した。これとは異なり、袋体94は布製又は革皮製のパッチであってもよい。また顆粒材93の形状は、袋体94内で変位可能な形状であればよく、例えば球状、筒状、楕円状などの各種形状をとることができる。
そして膝窩部パット90は、矯正板92のみで構成してもよく、この場合には、この矯正板92を布材などの柔軟な袋で覆い、装着感を向上することが好ましい。
【0043】
また膝蓋骨パット80は、装着者の膝頭を覆うことができる形状及び構成であればよく、例えば、布材82を取り除いた皮革パッチ84だけの構成であってもよい。また布材82に孔部を設けた構成であってもよく、この場合は、皮革パッチ84を取り除いて布材82だけの構成であってもよい。また膝蓋骨パット80の材質は、膝頭を包み込むよう変形する可撓性を有していれば如何なる材質であってもよく、例えば、フェルトなどの布材、ウレタンなどの発泡性柔軟素材又は紙であってもよい。
そして膝窩部パット90も、装着者の膝窩を覆うことができる形状及び構成であればよく、例えば、布材又は革皮を材質として構成してもよく、この場合には、特に顆粒材を使用する必要はない。
【0044】
また本実施例では、継手部74a(74b)の構造としてオフセット式構造の例を説明した。継手部の構造は、下肢の動きに合わせて両支柱部70a,70bを屈曲可能であれば如何なる構成であってもよい。例えば、オフセット、フラクチャー万能型、スイスロック式、ダイヤルロック、伸転位遊動式又はリングロック式などの継手構造を適用することができる。そして上述のオフセット構造の継手部74a(74b)は、上述の他の継手構造よりも簡単な構成で且つ軽量である。また重度の反張膝患者の場合には、頑丈で屈曲角度の保持力の強いダイヤルロック式の継手構造が好ましい。
【0045】
そして本実施例では、両パット引締用ベルト57を、膝窩部パット90の外側より巻き通した状態で、このベルト57自由端を、膝蓋骨パット80の内外に固定の環材63g,63gに通過の折り返し状態として引締める例を説明した。これとは異なり、両パット引締用ベルト57を2本のベルト(A,B)に分割し、両ベルトA,Bの各々一端側を、それぞれ膝蓋骨パット80の内外に固定しておいてもよい。そして一方のベルトAの他端側に環材63gを設けおき、他方のベルトB自由端を、膝窩部パット90の外側位置にて、ベルトAの環材63gに通過の折り返し状態として引締めてもよい。
【0046】
また本実施例の装具は、脳卒中患者に限らず、脳性麻痺患者や脊髄損傷患者などの下半身に麻痺症状を呈する患者にも広く適用可能である。また膝装具は、変形性膝関節症、慢性膝関節炎、О脚やX脚などの患者にも広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】装着前の足装具の斜視図である。
【図2】装着後の足装具の斜視図である。
【図3】足装具装着の手順を(I)から(IV)の順にて説明するための図であり、(I)から(IV)は、各々、足装具を上から見下ろした上方斜視図である。
【図4】ファスナの配置位置の変形例を示す別の例の足装具の斜視図である。
【図5】外材を取り外した後の足装具底裏の正面図である。
【図6】装着後の足装具の縦断面図である。
【図7】(I)は、膝装具の正面図であり、(II)は、膝装具の背面図である。
【図8】膝装具装着の装着者下肢の側面図である。
【図9】(I)は、膝装具の上側平面図であり、(II)は、図7のA−A線で膝装具を切断した膝装具の横断面図である。
【図10】足装具の一部縦断面図である。
【符号の説明】
【0048】
2 内側引上帯
3 中足用被係止部
4 足首用引締帯
7 補高部
8 足装具
9a 内材
9b 外材
10 装具本体
12 足首部
14 後足部
16 中足部
18 前足部
20 中足用引締帯
22 外側引上帯
24 ファスナ
26 スライダ
28 第1収納部
30 第2収納部
32 前部補高材
33 支持板
34 後部補高材
50 下部支持具
52 大腿用ベルト
62 下腿用ベルト
53,55 膝窩部パット固定用ベルト
54,56 膝蓋骨パット固定用ベルト
60 上部支持具
63 環材
64 膝装具
70a 内側支柱部
70b 外側支柱部
72a(72b) 外側(内側)上部支柱
74a(74b) 外側(内側)継手部
76a(76b) 外側(内側)下部支柱
80 膝蓋骨パット
82 布材
84 皮革パッチ
86 孔部
88a 上ベルト環
88b 下ベルト環
90 膝窩部パット
92 矯正板
94 袋体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
足及び足首を覆う形状であるとともに、足の動きに対応して変形可能な装具本体を備え、前記装具本体は、足先配置の前足部から足首配置の足首部まで足甲側で前開き可能であり、
前記前足部を前記足首部に向けて引っ張り上げるための引上帯を備え、
前記装具本体の裏底は、前記前足部及び踵配置の後足部において、各々、弾性を有する補高材により丈増しており、前記後足部の補高材は、前記前足部の補高材よりも丈高であることを特徴とする足装具。
【請求項2】
請求項1に記載の足装具であって、
前記装具本体の足甲配置の中足部周囲を巻き締める引締帯を備え、
前記引締帯は、前記中足部外側に一端を固定して前記中足部内側に他端を係着可能な構成であることを特徴とする装具。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれかに記載の足装具であって、
前記前足部は、母指を収納する第1収納部と、前記母指以外の他足指を配置する第2収納部とを備え、
前記第1収納部と前記第2収納部は、足先端に向って互いに離間する形状であることを特徴とする装具。
【請求項4】
請求項1〜3に記載の足装具と併用するための膝装具であって、
膝装具は、膝頭を覆う前部パット及び膝窩を覆う後部パットを、膝両側に配置の一対の支柱部にて支持する構成であり、
前記一対の支柱部は、各々、膝の屈曲に応じて屈曲自在であり、
前記前部パットは、膝頭を嵌め込み可能な孔部を有し、
前記後部パットは、直立時の下肢屈曲角度に対応の屈曲角度を有する矯正板を備えることを特徴とする膝装具。
【請求項5】
請求項4に記載の膝装具であって、
前記後部パットは、複数の顆粒状部材を収納の袋体を備えることを特徴とする膝装具。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−125534(P2008−125534A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310147(P2006−310147)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(506384394)
【出願人】(506384408)
【Fターム(参考)】