説明

装着具及び小屋組建物

【課題】簡単な構成で軒先つなぎを施すことなく野地板の位置決めを容易に行なうことができる装着具及び小屋組建物を得る。
【解決手段】最も軒先側に配置される野地板68の軒先側端部に装着具54の位置決め部が当接することで野地板68が位置決めされるため、野地板68を位置決めするための所謂「軒先つなぎ」の工程を廃止することができる。しかも、上記のように、野地板68を位置決めするための位置決め部を有する装着具54は、垂木44、46、52を工場等で製造した際に、工場等で予め垂木44、46、52に装着される。このため、スチールハウス10の建築現場では装着具54の装着工程もない。これにより、建築現場における作業工数を大幅に軽減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂木や隅垂木(隅木)等の野地板を支持する支持材に装着される装着具及びこのような装着具を用いた屋根を有する小屋組建物に関する。
【背景技術】
【0002】
小屋組建物の屋根を構成する野地板は垂木上に設置されるが、野地板を設置するにあたっては、互いに平行な複数の垂木の先端部(棟木とは反対側の端部)を角材等で繋ぐ所謂「軒先つなぎ」を施し、この角材に野地板を突き当てて野地板を位置決めしていた。
【0003】
このような「軒先つなぎ」を施さずに野地板を含めて構成される屋根パネルを位置決めするための構造が、下記特許文献1及び下記特許文献2に開示されている。特許文献1に開示された構造では、突出片がベースプレートに回動可能に取り付けられた取付プレートを備えており、このような取付プレートが屋根パネルや垂木状の枠材に取り付けられる。
【0004】
このような取付プレートに対応して屋根架構材には受け金具が取り付けられる。この特許文献1に開示された構造では、枠材と野地板とが工場等で予め組み付けられて屋根パネルとされ、更に、この枠材や野地板に取付プレートが工場等で取り付けられる。屋根パネルを設置するにあたっては、屋根架構材上に屋根パネルを配置した状態で、屋根架構材に取り付けられた受け金具の突出片を、取付プレートの突出片に形成された切込みに入り込ませる。これにより、屋根パネルの位置決めが成される。
【0005】
一方、特許文献2に開示された構造では、屋根架構上に配置された屋根パネルの裏面には固定金具が仮締めされている。固定金具がビス等により屋根架構に固定された仮の位置決め状態で、屋根パネルが適宜にスライドさせられて本位置決めが成されると屋根パネルに対する固定金具の本締めが成される。
【特許文献1】特許2826304号公報
【特許文献2】特開2004−92126公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された構造では、取付プレートの突出片がベースプレートに対して回動可能な構成であるため構造が複雑であり、しかも、不用意な突出片の回動を防止するために保持片や当て片等のロック機構を設けなくてはならず、更に構造が複雑になる。
【0007】
一方、特許文献2に開示された構造では、建築現場にて建物の室内側から固定金具をビス等で固定しなくてはならず、その作業が煩雑である。
【0008】
本発明は、上記事実を考慮して、簡単な構成で軒先つなぎを施すことなく野地板の位置決めを容易に行なうことができる装着具及び小屋組建物を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の本発明に係る装着具は、支持材の軒先側端部に装着される装着具本体と、前記装着具本体に設けられ、前記支持材の軒先側で前記支持材上の野地板に係合して前記野地板を位置決めする位置決め部と、を備えている。
【0010】
請求項1に記載の本発明に係る装着具では、支持材の軒先側端部に装着具本体が装着される。この装着具本体には位置決め部が設けられており、支持材上に野地板を配置した際には、支持材の軒先側で野地板に位置決め部が係合し、これにより、支持材上での野地板の位置決めが成される。
【0011】
このため、野地板を位置決めするにあたり、互いに平行配置された複数の支持材の軒先側端部を連結する所謂「軒先つなぎ」の工程を廃止することができる。
【0012】
しかも、上記のような軒先つなぎは、建物の建築現場にて行われるのに対し、支持材を工場等で予め製造する場合には工場で本発明に係る装着具を装着しておくことが可能である。このため、建物の建築現場では装着具の装着工程もなくなり、上記の軒先つなぎの工程もなくなる。これにより、建築現場における作業工数を大幅に軽減できる。
【0013】
さらに、本発明に係る装着具は位置決め部が支持材の軒先側で野地板に係合する。したがって、例えば、野地板を支持材上で滑らせて野地板を設置する場合でも、少なくとも、支持材の軒先側に野地板が到達するまでは位置決め部が野地板の障害になることはない。これにより、特に位置決め部を収納可能な構造にしたり、位置決め部をロックするためのロック機構等を設けたりしなくてもよい。このため、構成を簡単に簡素にでき、取り扱いも容易である。
【0014】
請求項2に記載の本発明に係る装着具は、請求項1に記載の本発明において、前記位置決め部を前記装着具本体に一体的に形成したことを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載の本発明に係る装着具では、装着具本体に位置決め部が一体的に形成されているため、装着具本体を支持材に装着することで支持材に対する位置決め部の取り付けも完了する。しかも、装着具本体と位置決め部とが別体で設けられて、装着具本体に位置決め部を組み付ける構成では、装着具本体と位置決め部との間に組付誤差が生じるが、本発明に係る装着具では装着具本体と位置決め部とが一体であるため、このような誤差が生じない。このため、装着具本体を支持材に装着した際の支持材と位置決め部との間の誤差を小さくできる。
【0016】
請求項3に記載の本発明に係る装着具は、請求項1又は請求項2に記載の本発明において、前記支持材に沿って前記軒先側へ向けて前記装着具本体から延出され、先端に前記位置決め部が形成された延出部を備えることを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載の本発明に係る装着具では、支持材に装着される装着具本体から支持材に沿って軒先側へ向けて延出部が延出され、この延出部の先端に位置決め部が形成される。このため、位置決め部は支持材の軒先側端部よりも更に軒先側に位置する。このように支持材よりも軒先側へ突出した状態で配置された野地板の下側には、支持体の端部を覆い隠すための鼻隠しが配置される。
【0018】
さらに、支持体の端部を覆った鼻隠しはビスや釘等で支持体の端部に固定されることがあるが、鼻隠しで支持体が覆われるため、支持体自体を視認することが難しい。ここで、本発明に係る装着具は装着具本体が支持体に装着されるため、装着具本体から延出された延出部に形成された位置決め部を視認することで、支持体の位置を容易に把握できる。これにより、鼻隠しを支持体に固定するための作業効率が向上する。
【0019】
請求項4に記載の本発明に係る装着具は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の本発明において、前記位置決め部は前記支持材よりも上方へ突出し、前記野地板の軒先側端部が前記支持材に沿って前記位置決め部に当接することを特徴としている。
【0020】
請求項4に記載の本発明に係る装着具では、位置決め部が支持材よりも上方へ突出しており、支持材上の野地板の軒先側端部が位置決め部に当接し、これにより、野地板の位置決めが成される。すなわち、本発明に係る装着具では、支持材上の野地板の端部を位置決め部に突き当てるだけで野地板を位置決めできる。
【0021】
請求項5に記載の本発明に係る装着具は、請求項4に記載の本発明において、前記位置決め部の突出方向を前記支持材の長手方向に対して直交させたことを特徴としている。
【0022】
請求項5に記載の本発明に係る装着具では、支持材よりも上方に突出している位置決め部の突出方向は支持材の長手方向に対して直交している。このため、支持材上に野地板が設置された状態では野地板の厚さ方向と位置決め部の突出方向とが平行になる。このため、野地板の端部を位置決め部に突き当てた際に、野地板の端部と位置決め部との隙間を極めて小さくでき、又は、野地板の端部と位置決め部との隙間をなくすことができる。
【0023】
請求項6に記載の本発明に係る小屋組建物は、支持材と、前記支持材上に設けられた野地板と、前記支持材の軒先側から前記野地板に係合して前記野地板を位置決めする位置決め部が、前記支持材の軒先側端部に装着される装着具本体に設けられた装着具と、を含んで構成された屋根を備えている。
【0024】
請求項6に記載の本発明に係る小屋組建物では、支持材の軒先側端部には、装着具の装着具本体が装着される。この装着具本体には位置決め部が設けられており、位置決め部が支持材の軒先側から支持材上に配置された野地板に係合する。このように、位置決め部が野地板に係合することで支持材上での野地板の位置決めが成される。
【0025】
これにより、野地板を位置決めするにあたり、互いに平行配置された複数の支持材の軒先側端部を連結する所謂「軒先つなぎ」の工程を廃止することができる。
【0026】
しかも、上記のような軒先つなぎは、建物の建築現場にて行われるのに対し、支持材を工場等で予め製造する場合には工場で装着具を装着しておくことが可能である。このため、建物の建築現場では装着具の装着工程もなくなり、上記の軒先つなぎの工程もなくなる。これにより、建築現場における作業工数を大幅に軽減できる。
【0027】
さらに、装着具の位置決め部は支持材の軒先側から野地板に係合する。したがって、例えば、野地板を支持材上で滑らせて野地板を設置する場合でも、少なくとも、支持材の他端側に野地板が到達するまでは位置決め部が野地板の障害になることはない。これにより、特に位置決め部を収納可能な構造にしたり、位置決め部をロックするためのロック機構等を設けたりしなくてもよい。このため、構成を簡単に簡素にでき、取り扱いも容易である。
【0028】
請求項7に記載の本発明に係る小屋組建物は、請求項6に記載の本発明において、前記支持材の軒先側から前記装着具に当接する鼻隠しを備えることを特徴としている。
【0029】
請求項7に記載の本発明に係る小屋組建物では、支持材の軒先側から装着具に鼻隠しが当接するため、装着具の少なくとも一部が鼻隠しにより隠される。これにより、装着具の外部への露出が少なくなるか、又は、装着具の外部への露出がなくなるため、見栄えがよくなる。
【0030】
なお、本発明において鼻隠しは装着具に固定されてもよいし、固定されずに単に当接しているだけであってもよい。
【0031】
請求項8に記載の本発明に係る小屋組建物は、請求項6又は請求項7に記載の本発明において、板状のウェブと、長手方向が前記ウェブの長手方向と同方向で幅方向が前記ウェブの幅方向に対して交差したフランジと、を備える構造材を前記支持材とし、前記装着具本体が前記支持材の軒先側端部を覆うことを特徴としている。
【0032】
請求項8に記載の本発明に係る小屋組建物では、ウェブとフランジとを有する構造材が支持材とされ、このような構成の支持材の軒先側端部に装着具が装着されると支持材の軒先側端部が装着具本体に覆われる。このような構成にすることで、装着具本体を支持材に装着するにあたっては、ウエブやフランジに装着具本体を案内させることができるため、装着具本体を容易に支持材に装着できる。
【0033】
請求項9に記載の本発明に係る小屋組建物は、請求項6乃至請求項8の何れか1項に記載の本発明において、前記屋根をトラス構造としたことを特徴としている。
【0034】
請求項9に記載の本発明に係る小屋組建物では、屋根がトラス構造であるため支持材をトラス構造の上弦材とすることができる。
【発明の効果】
【0035】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る装着具は、簡単な構成で軒先つなぎを施すことなく野地板の位置決めを容易に行なうことができる。
【0036】
請求項2に記載の本発明に係る装着具は、支持材に装着する際の作業性もよく、しかも、位置決め部と支持材との間の組付誤差を小さくできる。
【0037】
請求項3に記載の本発明に係る装着具は、支持材の下側に配置された鼻隠しをビスや釘等の締結部材で固定するにあたり、支持材が直接視認できなくても、延出部に形成された位置決め部を視認することで支持材の位置を容易に把握でき、鼻隠しを固定する際の作業性を向上できる。
【0038】
請求項4に記載の本発明に係る装着具は、位置決め部に野地板の端部を突き当てるだけで簡単に野地板を位置決めできる。
【0039】
請求項5に記載の本発明に係る装着具は、位置決め部と野地板の端部との間の隙間を極めて小さくでき、又は、位置決め部と野地板の端部との間の隙間をなくすことができる。
【0040】
請求項6に記載の本発明に係る小屋組建物は、簡単な構成で軒先つなぎを施すことなく野地板の位置決めを容易に行なうことができる。
【0041】
請求項7に記載の本発明に係る小屋組建物は、装着具の外部への露出を少なくでき、又は、装着具の外部への露出をなくすことができるため、外観品質を向上できる。
【0042】
請求項8に記載の本発明に係る小屋組建物では、装着具を容易に支持材に装着できる。
【0043】
請求項9に記載の本発明に係る小屋組建物では、屋根をトラス構造とすることで支持材をトラス構造の上弦材とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
<第1の実施の形態の構成>
図1には本発明の第1の実施の形態に係る小屋組建物としてのスチールハウス10の屋根12(本発明の第1の実施の形態に係る装着具54を適用したスチールハウス10の屋根12)の構造が斜視図により示されている。
【0045】
この図に示されるように、屋根12は一対の軒げた14(「もや」と称する場合もある)を備えている。図4に示されるように、軒げた14は水平方向に沿って長手方向とされた板状のウェブ16を備えている。ウェブ16の幅方向両端(上下両端)には一対のフランジ18が設けられている。
【0046】
これらのフランジ18は、ウェブ16の長手方向に沿って長手とされていると共に、各々の幅方向はウェブ16の幅方向に対して直交している。これらのフランジ18の幅方向一端は軒げた14の幅方向端部に接続されており、両フランジ18はウェブ16の幅方向に互いに対向した状態で平行に設けられている。
【0047】
このような構造の軒げた14は、全体的に鉄やステンレスにより形成されており、断面形状がウェブ16からのフランジ18の延出方向へ向けて開口した「C」字形状、すなわち、C型のチャンネル材とされている。なお、本実施の形態では、図4に示されるように、ウェブ16の幅方向を水平方向としてフランジ18をウェブ16の幅方向両端から下方へ延出した構成となっているが、軒げた14の姿勢に関しては特に限定されるものではなく、例えば、ウェブ16の幅方向を上下方向として、このウェブ16の幅方向両端からフランジ18を水平方向に延出する構成としてもよい。
【0048】
図1に示されるように、これらの軒げた14の長手方向両端部には、例えば、軒げた14と同様な構造のC型チャンネル材により形成された一対の軒げた20(図1では、一対の軒げた20のうちの一方のみを図示している)が連結されている。これらの軒げた20は水平方向で且つ軒げた14の長手方向に対して直交する方向に長手とされ、軒げた14と軒げた20とで平面視矩形枠状となっている。
【0049】
これらの軒げた14、20の上方には、例えば、軒げた14と同様の構造のC型チャンネル材又はリップ型鋼(後述する隅垂木26の構造を参照)により形成された棟木22が配置されている。棟木22は軒げた14の長手方向に沿って長手とされている。棟木22の長手方向端部にはガセットプレート24が棟木22に一体的に設けられており、この棟木22には各々が構造材として支持材を構成する一対の隅垂木26の長手方向一端が連結されている。
【0050】
一方の隅垂木26の長手方向他端側は、軒げた20の長手方向一端側における軒げた14と軒げた20との連結部分に設けられたガセットプレート28に連結されている。これに対して、一方の隅垂木26の長手方向他端側は、軒げた20の長手方向他端側における軒げた14と軒げた20との連結部分に設けられたガセットプレート28に連結されている。
【0051】
図5に示されるように、隅垂木26はウェブ30を備えている。ウェブ30は隅垂木26の長手方向に対して上下方向に傾斜した方向に沿って幅方向とされ、このウェブ30の幅方向両端にはフランジ32が設けられている。フランジ32はウェブ30の厚さ方向一方へ向けてウェブ30の幅方向端部から延出された板状の横板部34を備えている。横板部34のウェブ30とは反対側にはリップ部としての縦板部36が連続して形成されている。縦板部36はウェブ30の幅方向中央側へ向けて横板部34から延出され、各々がウェブ30に対して平行とされている。
【0052】
すなわち、隅垂木26は全体的に鉄やステンレスにより形成されており、縦板部36が形成されている点で上記の軒げた14や軒げた20とは構成が異なるものの、断面形状がウェブ30からの横板部34の延出方向へ向けて開口した略「C」字形状のリップ型鋼とされている。
【0053】
以上の構成の隅垂木26の他端部(すなわち、軒げた14、20側の端部)には装着具38が装着されている。装着具38は鉄又はステンレス等の金属により一端が略矩形に開口した有底筒形状に形成されており、隅垂木26の他端部は装着具38により被覆されている。
【0054】
一方、図1に示されるように、一対の軒げた14の間には、複数の下弦材40が軒げた14の長手方向に沿って所定間隔毎に設けられている。これらの下弦材40は、例えば、軒げた14と同様の構造のC型チャンネル材又は隅垂木26と同様の構造のリップ型鋼により形成されており、その長手方向両端は軒げた14に直接又は間接的に連結されて固定されている。これらの下弦材40のうち、隅垂木26の下方に位置する下弦材40の上方には上弦材42が下弦材40に対して平行に配置されている。これらの上弦材42は、例えば、下弦材40と同様の構造のC型チャンネル材又は隅垂木26と同様の構造のリップ型鋼により形成されている。
【0055】
一方、複数の下弦材40のうち、隅垂木26の下方に位置せず、棟木22の下方に位置する下弦材40の上方には、トラス構造のトラス上弦材を構成すると共に構造材として支持材を構成する垂木44が設けられている。図2に示されるように、垂木44は基本的に隅垂木26と同様の構造のリップ型鋼と同じ構造により形成されている。
【0056】
垂木44の長手方向一端は、棟木22の長手方向両端や長手方向中間部に設けられたガセットプレート24に連結されて一体的に固定されている。垂木44は、長手方向が下弦材40の長手方向に対して下方へ傾斜しており、他端側は軒げた14に直接又は間接的に連結されて一体的に固定されている。さらに、上記の上弦材42の長手方向両端部には、隅垂木26と同様の構造のリップ型鋼により形成されたトラス構造のトラス上弦材を構成すると共に構造材として支持材を構成する垂木46の一端が固定されている。
【0057】
垂木46は垂木44に対して平行に設けられており、上弦材42とは反対側が垂木44と同様に軒げた14に直接又は間接的に連結されて一体的に固定されている。上記の下弦材40と上弦材42や垂木46、又は、垂木44との間には、複数本のつか材48が下弦材40の長手方向に沿って所定間隔毎に配置されている。
【0058】
つか材48は、例えば、軒げた14と同様の構造のC型チャンネル材又は隅垂木26と同様の構造のリップ型鋼により形成されている。つか材48の長手方向は上下方向に沿っており、その下端は下弦材40に直接又は間接的に連結されて一体的に固定され、上端は上弦材42や垂木46、又は、垂木44に直接又は間接的に連結されて一体的に固定されている。
【0059】
これらのつか材48の間には、例えば、軒げた14と同様の構造のC型チャンネル材又は隅垂木26と同様の構造のリップ型鋼により形成された斜材50が配置されている。これらの斜材50は、上下方向に対して下弦材40の長手方向に傾斜した方向に長手とされ、その下端は下弦材40に直接又は間接的に連結されて一体的に固定され、上端は上弦材42や垂木46、又は、垂木44に直接又は間接的に連結されて一体的に固定されている。
【0060】
すなわち、本実施の形態では、屋根12が上弦材42及び垂木46や垂木44がトラス上弦材となるトラス構造となっている。
【0061】
さらに、図1に示されるように、軒げた20上には各々が構造材として支持材を構成する複数本の垂木52が軒げた20の長手方向に沿って所定間隔毎に配置されている。垂木52は、例えば、下弦材40と同様の構造のC型チャンネル材により形成されており、その長手方向一端は棟木22の一端に設けられたガセットプレート24又は隅垂木26の長手方向中間部に直接又は間接的に連結されて一体的に固定されている。これに対して、垂木52の長手方向他端側は一端側に対して下方に傾斜しており、他端部よりも一端側が軒げた20に直接又は間接的に連結されて軒げた20に一体的に固定されている。
【0062】
これらの垂木44、46、52の下端部、すなわち、軒先側端部には装着具54が装着されている。装着具54は全体的に鉄やステンレス、又は、アルミニウム等の金属材料により形成されており、工場等にて垂木44、46、52を製造した際に装着される。したがって、スチールハウス10の建築現場に垂木44、46、52が搬送された際には既に装着具54が垂木44、46、52に装着されている。
【0063】
図2に示されるように、装着具54は装着具本体56を備えている。装着具本体56は横板部34の幅方向に互いに対向する一対の縦壁58を備えている。縦壁58は全体的に平行四辺形状とされており、上下方向に互いに対向する辺は垂木44、46、52の傾斜に対応して傾斜している。これらの縦壁58の上端及び下端は横壁60により連結されており、更に、これらの縦壁58及び横壁60の軒先側の端部は底壁62により閉止されている。このため、装着具本体56は外周形状及び内周形状が矩形の筒状とされており、ウェブ30、横板部34、縦板部36の各外面に内周部が接した状態で垂木44、46、50の軒先側端部から垂木44、46、50に嵌合できるようになっている。
【0064】
また、一対の横壁60のうち上側の横壁60からは軒先側へ向けて延出部64が連続して延出されている。さらに、延出部64の装着具本体56とは反対側は横壁60の厚さ方向に沿って上側へ屈曲されており、これにより、位置決め部66が形成されている。
【0065】
一方、図1に示されるように、垂木44、46、52上には野地板68が載置される(図1では、一部の垂木44、46上と垂木52上には位置決め部66が載置されていない状態を図示している)。これらの野地板68のうち、最も軒先側に配置される野地板68は軒先側の端部が位置決め部66に当接しており、他の野地板68は軒先側の端部がそれより軒先側の野地板68に当接し、この状態でビスや釘、ねじ等の締結部材(図示省略)によって垂木44、46、52に固定されている。
【0066】
さらに、図3に示されるように、上記の延出部64の下側には鼻隠しとしての鼻隠し下地板70が配置されている。鼻隠し下地板70は平板状とされ、その厚さ方向は水平方向とされている。鼻隠し下地板70の上端部近傍では厚さ方向一方の面が底壁62の外面に当接しており、釘やビス等の固定部材72によって鼻隠し下地板70が底壁62に固定されている。なお、本実施の形態では、鼻隠し下地板70を底壁62に固定した構成であったが、鼻隠し下地板70を底壁62に固定せずに当接させただけの構成としてもよい。
【0067】
<第1の実施の形態の作用、効果>
次に、第1の実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0068】
本スチールハウス10の屋根12では、野地板68を設置するにあたり、クレーン等で野地板68が垂木44、46、52の上端側に載置される。この状態で垂木44、46、52の傾斜で野地板68を垂木44、46、52の軒先側へ滑らせる。ここで、最も垂木44、46、52の軒先側に設置される野地板68は垂木44、46、52を滑ることで位置決め部66に当接する。これにより、最も軒先側の野地板68がそれ以上滑り落ちることが防止されると共に野地板68が位置決めされる。
【0069】
さらに、位置決め部66に当接した野地板68よりも上側に設置される野地板68もクレーン等で垂木44、46、52の上端側に載置され、垂木44、46、52の傾斜で滑らされる。これにより、既に位置決めされた野地板68の軒先とは反対側の端部に、垂木44、46、52上に配置された野地板68の軒先側の端部が当接して位置決めされる。
【0070】
このようにして、野地板68が垂木44、46、52の所定位置に配置され、更に、釘やビス等の固定部材(図示省略)により垂木44、46、52に固定されることで野地板68が設置される。
【0071】
このように、本実施の形態では、最も軒先側に配置される野地板68の軒先側端部に装着具54の位置決め部66が当接することで野地板68が位置決めされるため、野地板68を位置決めするための所謂「軒先つなぎ」の工程を廃止することができる。しかも、上記のように、野地板68を位置決めするための位置決め部66を有する装着具54は、垂木44、46、52を工場等で製造した際に、工場等で予め垂木44、46、52に装着される。このため、スチールハウス10の建築現場では装着具54の装着工程もない。これにより、建築現場における作業工数を大幅に軽減できる。
【0072】
さらに、最も軒先側に配置される野地板68の軒先側端部に装着具54の位置決め部66が当接することで野地板68が位置決めされるため、野地板68が垂木44、46、52上を滑り降りるにあたり野地板68が位置決めされるまでは位置決め部66が野地板68に干渉することがなく、円滑に垂木44、46、52上を滑らせることができ、作業性がよい。
【0073】
しかも、このように、野地板68が位置決めされるまでは位置決め部66が野地板68に干渉することがないため、位置決め部66を収納可能な構造にしたり、位置決め部66をロックするためのロック機構等を設けたりしなくてもよく、延出部64から屈曲させるだけの極めて簡素な構造とすることができる。
【0074】
さらには、野地板68の位置調整等の作業を行わなくても位置決め部66に野地板68を突き当てるだけで容易に野地板68の位置決めができる。しかも、延出部64の厚さ方向に位置決め部66が屈曲されていることで、厚さ方向一方の面の向きが垂木44、46、52の長手方向に沿い、垂木44、46、52上を滑り降りる野地板68の軒先側の端部と位置決め部66の厚さ方向一方の面とが略平行になる。このため、位置決め部66に野地板68が突き当てられた状態では、位置決め部66と野地板68との間の隙間は極めて小さいか、又は、位置決め部66と野地板68との間に隙間が生じない。
【0075】
一方、縦壁58が平行四辺形状で、垂木44、46、52の長手方向に対向する縦壁58の辺は上下方向に沿う。このため、底壁62の厚さ方向は水平方向に沿い、鼻隠し下地板70の厚さ方向一方の面を確実に底壁62に当接させることができる。このように底壁62に鼻隠し下地板70が当接することで底壁62を隠すことができることで、装着具54の外部への露出を少なくできる。これにより、屋根12、ひいてはスチールハウス10の見栄え(外観品質)を向上できる。
【0076】
さらに、上記のように、垂木44、46、52の軒先側の端部は、鼻隠し下地板70に覆われて隠されるが、鼻隠し下地板70はビスや釘等の固定部材72によって垂木44、46、52の軒先側の端部に固定される。
【0077】
ここで、鼻隠し下地板70を配置した状態では鼻隠し下地板70に阻まれて垂木44、46、52の軒先側の端部を直接視認することができない。しかしながら、野地板68に当接している位置決め部66は延出部64の先端から上側へ屈曲されているため外部に露出しており、外部からの視認が可能である。
【0078】
位置決め部66が形成された延出部64は、垂木44、46、50の軒先側端部に嵌合した装着具本体56の横壁60から軒先側へ延出された構造であるため、位置決め部66と垂木44、46、50とは対応しており、図3に示されるように、位置決め部66の下側から固定部材72を鼻隠し下地板70に打ち付け、鼻隠し下地板70及び装着具本体56の底壁62を固定部材72が貫通すると、固定部材72が垂木44、46、50の軒先側の端部に打ち付けられる。
【0079】
このように、垂木44、46、50の位置を直接視認しなくても、位置決め部66を視認することで、鼻隠し下地板70を固定するための固定部材72を垂木44、46、50に打ち付けることができる。このため、鼻隠し下地板70を固定する際の作業効率を向上できる。
【0080】
また、垂木44、46、52に装着具54を装着するにあたっては、垂木44、46、52のウェブ30やフランジ32に案内させるだけで装着具54を垂木44、46、52に嵌め込むことができ、ビス等で装着具本体56を垂木44、46、52に固定するだけで垂木44、46、52に装着具54を装着できる。このため、垂木44、46、52に装着具54を装着するための作業性もよく、取り扱いが簡単である。
【0081】
さらに、野地板68を位置決めする位置決め部66は延出部64を介して装着具本体56に一体とされている。このため、装着具本体56を垂木44、46、52に装着した際の垂木44、46、52と位置決め部66との間の誤差を小さくでき、ひいては、位置決め部66に位置決めされる野地板68の位置精度も高くなる。
【0082】
<第2の実施の形態の構成>
次に、本発明のその他の実施の形態について説明する。なお、以下の各実施の形態を説明するにあたり、前記第1の実施の形態を含めて説明している実施の形態よりも前出の実施の形態と基本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
【0083】
図6及び図7には本発明の第2の実施の形態に係る小屋組建物としてのスチールハウス80の屋根12(本発明の第2の実施の形態に係る装着具82を適用したスチールハウス80の屋根12)の構造が前記第1の実施の形態を説明する図2及び図3に対応した図により示されている。
【0084】
これらの図に示されるように、本スチールハウス80は、装着具54を備えておらず、代わりに装着具82を備えている。図6及び図7に示されるように、装着具82は基本的に装着具54と同じ構造であるが、鼻隠し支持部84を備える点で装着具54とは構成が異なる。
【0085】
図6及び図7に示されるように、鼻隠し支持部84は、縦板部86を備えている。縦板部86は上下方向に沿って長手方向とされ、底壁62の厚さ方向(すなわち、水平方向)に厚さ方向とされた板状に形成されており、底壁62の下端から連続して形成されている。縦板部86の下端からは軒先側へ向けて支持部88が連続して形成されている。支持部88は厚さ方向が上下方向に沿った板状に形成されている。この支持部88の縦板部86とは反対側の端部には上下方向に沿った寸法が縦板部86よりも充分に小さな縦板部90が縦板部86に対して平行に立設されている。
【0086】
縦板部86と縦板部90との間隔は、鼻隠し下地板70の厚さ寸法よりも極僅かに大きく、縦板部86及び縦板部90の互いに対向する側の面に鼻隠し下地板70が接触した状態で縦板部86と縦板部90との間に鼻隠し下地板70を配置できる。また、図7に示されるように、支持部88に鼻隠し下地板70を当接させて縦板部86と縦板部90との間に鼻隠し下地板70を配置した状態では鼻隠し下地板70の上端部が延出部64に接するように上下方向に沿った縦板部86の長さ(すなわち、底壁62からの縦板部86の延出寸法)が設定されている。
【0087】
<第2の実施の形態の作用、効果>
本実施の形態では、このような鼻隠し支持部84を装着具82に設けることで、鼻隠し下地板70を設置するにあたり、鼻隠し下地板70の設置位置で鼻隠し支持部84に鼻隠し下地板70を支持させることができる。これにより、垂木44、46、52の軒先側端部との対向方向(底壁62との対向方向)に沿った鼻隠し下地板70の位置決めを容易に行なうことができる。
【0088】
しかも、このように鼻隠し支持部84に鼻隠し下地板70を支持させることで、固定部材で鼻隠し下地板70を固定するにあたり、別に鼻隠し下地板70を支持しなくてもよく、鼻隠し下地板70の固定作業が容易になる。
【0089】
さらに、支持部88上に載置した鼻隠し下地板70が脱落しないように縦板部90の寸法を設定することで、固定部材72で鼻隠し下地板70を固定しない構造であっても鼻隠し下地板70を取り付けることが可能となる。
【0090】
なお、本実施の形態は、縦板部86と縦板部90との間に鼻隠し下地板70を配置する構成であったが、垂木44、46、52の軒先側端部との対向方向(底壁62との対向方向)に沿った鼻隠し下地板70の位置決めと、下方からの鼻隠し下地板70の支持と言う観点からすれば、縦板部90を設けない構成としても構わない。
【0091】
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0092】
図8には本実施の形態に係る小屋組建物としてのスチールハウス110の屋根12(本発明の第2の実施の形態に係る装着具112を適用したスチールハウス110の屋根12)の構造が前記第1の実施の形態を説明する図5に対応した図により示されている。
【0093】
この図に示されるように、本スチールハウス110では隅垂木26の軒先側端部に装着具38が装着されておらず、代わりに装着具112が設けられている。装着具112は装着具本体114を備えている。装着具本体114は横板部34の幅方向に互いに対向する一対の縦壁116を備えている。縦壁116は全体的に平行四辺形状とされており、上下方向に互いに対向する辺は隅垂木26の傾斜に対応して傾斜している。これらの縦壁116の上端及び下端は横壁118により連結されており、更に、これらの縦壁116及び横壁118の軒先側の端部は底壁120と底壁122とにより閉止されている。
【0094】
底壁120は幅方向が図8では図示を省略する垂木46及び垂木52の何れか一方の横板部34の幅方向に沿った平板状で、底壁122は垂木46及び垂木52の何れか他方の横板部34の幅方向に沿った平板状とされている。このため、平面視では底壁120と底壁122とで略「V」字状となっており、横壁118の底壁120、122側はこれに対応して平面視三角形状となっている(なお、前記第1の実施の形態では詳細な説明を省略したが、装着具本体114の構造は基本的に装着具38と同じ構造である)。
【0095】
一対の横壁118のうち上側の横壁60からは一対の延出部124、126が延出されている。延出部124は、垂木46及び垂木52のうち、横板部34の幅方向が底壁120の幅方向に対応した方の長手方向に沿って軒先側へ向けて延出されている。これに対して、延出部126は、垂木46及び垂木52のうち、横板部34の幅方向が底壁122の幅方向に対応した方の長手方向に沿って軒先側へ向けて延出されている。これらの延出部124、126の各々の軒先側先端部からは、位置決め部66が延出部124、126の延出方向に対して略直交した状態で上方へ立設されている。
【0096】
一方、底壁120の下端部からは鼻隠し支持部84を構成する縦板部86が延出されており、垂木46及び垂木52のうち、横板部34の幅方向が底壁120の幅方向に対応した方に軒先側端部に対向して設けられる鼻隠し下地板70を支持する。これに対して、底壁122の下端部からも鼻隠し支持部84を構成する縦板部86が延出されており、垂木46及び垂木52のうち、横板部34の幅方向が底壁122の幅方向に対応した方に軒先側端部に対向して設けられる鼻隠し下地板70を支持する。
【0097】
隅垂木26を境とする一方には、垂木46、48及び垂木52の何れか一方が設けられて、この何れか一方に野地板68が載置され、隅垂木26を境とする他方には、垂木46、48及び垂木52の何れか他方が設けられて、この何れか他方に野地板68が載置されるが、以上のような構成の装着具112を用いることで、隅垂木26の側にて垂木46、48の側及び垂木52の側の双方の野地板68や鼻隠し下地板70の位置決めができる等、隅垂木26の側においても前記第1の実施の形態及び前記第2の実施の形態にて説明した同等の作用を奏し、同等の効果を得ることができる。
【0098】
なお、本発明において隅垂木26や垂木44、46、52をリップ型鋼で構成したが、特許請求の範囲で言う「構造材」がリップ型鋼に限定されるものではなく、一般的にウェブとフランジとを有する構成であれば、その断面形状や材質に関して特に限定されるものではない。したがって、隅垂木26や垂木44、46、52を構成する構造材が軒げた14のようなC型チャンネル材であってもよいし、構造材の断面形状を互いに平行な一対のフランジの幅方向中間部をウェブが繋ぐ断面「I」又は「H」字形状であってもよい。さらには、ウェブやフランジを有しない角棒状であっても構わない。さらに、支持材又は構造材の材質的な観点では、隅垂木26や垂木44、46、52が鉄やステンレス、アルミニウム等の金属に限定されるものではなく、合成樹脂材や木材を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る小屋組建物の屋根(本発明の第1の実施の形態に係る装着具を適用した小屋組建物の屋根)の構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る小屋組建物の屋根の要部(本発明の第1の実施の形態に係る装着具)を示す拡大斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る小屋組建物の軒先近傍を示す正面図である。
【図4】軒げたの拡大斜視図である。
【図5】隅垂木の先端側を拡大した斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る小屋組建物の屋根の要部(本発明の第2の実施の形態に係る装着具)を示す図2に対応した拡大斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る小屋組建物の軒先近傍を示す図2に対応した正面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る小屋組建物の屋根の要部(本発明の第2の実施の形態に係る装着具)を示す図5に対応した拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0100】
10 スチールハウス(小屋組建物)
12 屋根
16 ウェブ
18 フランジ
26 隅垂木(構造材、支持材)
30 ウェブ
32 フランジ
44 垂木(構造材、支持材)
46 垂木(構造材、支持材)
54 装着具
56 装着具本体
64 延出部
66 位置決め部
68 野地板
70 鼻隠し下地板(鼻隠し)
80 スチールハウス
82 装着具
110 スチールハウス
112 装着具
114 装着具本体
124 延出部
126 延出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持材の軒先側端部に装着される装着具本体と、
前記装着具本体に設けられ、前記支持材の軒先側で前記支持材上の野地板に係合して前記野地板を位置決めする位置決め部と、
を備える装着具。
【請求項2】
前記位置決め部を前記装着具本体に一体的に形成したことを特徴とする請求項1に記載の装着具。
【請求項3】
前記支持材に沿って前記軒先側へ向けて前記装着具本体から延出され、先端に前記位置決め部が形成された延出部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の装着具。
【請求項4】
前記位置決め部は前記支持材よりも上方へ突出し、前記野地板の軒先側端部が前記支持材に沿って前記位置決め部に当接することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の装着具。
【請求項5】
前記位置決め部の突出方向を前記支持材の長手方向に対して直交させたことを特徴とする請求項4に記載の装着具。
【請求項6】
支持材と、
前記支持材上に設けられた野地板と、
前記支持材の軒先側から前記野地板に係合して前記野地板を位置決めする位置決め部が、前記支持材の軒先側端部に装着される装着具本体に設けられた装着具と、
を含んで構成された屋根を備える小屋組建物。
【請求項7】
前記支持材の軒先側から前記装着具に当接する鼻隠しを備えることを特徴とする請求項6に記載の小屋組建物。
【請求項8】
板状のウェブと、
長手方向が前記ウェブの長手方向と同方向で幅方向が前記ウェブの幅方向に対して交差したフランジと、
を備える構造材を前記支持材とし、前記装着具本体が前記支持材の軒先側端部を覆うことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の小屋組建物。
【請求項9】
前記屋根をトラス構造としたことを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れか1項に記載の小屋組建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−120249(P2007−120249A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−317237(P2005−317237)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)