説明

装置の調子を評価するための器械および方法

【課題】 ガスタービンエンジンなどの装置の調子をモニタするための器械と、そのような器械を使用する方法が提供される。
【解決手段】 装置の調子を評価するための器械は、複数の検出器出力を受け取って、同期データストリームを出力する、データアラインメントモジュール(13)と、同期データストリームを受け取って、少なくとも一つの装置調子特性値を出力する、解析モジュール(15)と、少なくとも一つの装置調子特性値を受け取って、装置調子評価を出力する、高レベル診断特性値情報融合モジュール(17)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンエンジンなどの装置の調子をモニタするための器械と、そのような器械を使用する方法とに関する。
【0002】
(米国政府の権益)
本発明はNASAが結んだ契約NAS3−98005に基づく米国政府の援助の下に行われた。米国政府は本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
航空機ガスタービンエンジンデータは、搭載検出器測定値、保守履歴、および部材モデルなどのさまざまな供給源から入手できる。推進力調子モニタリング(Propulsion Health Monitoring)(PHM)の究極の目標は、種々のデータ供給源から抽出することができる有意味の情報の量を最大化して、エンジンの調子(health)についての包括的な診断および予後の知識を得ることである。データ融合(Data Fusion)は、単一の検出器のみの使用から得ることができるのに比較して向上した正確さおよびより詳細な推論を達成するための、複数の供給源からのデータまたは情報の統合である。用途には、調子管理システムの異常警報および誤検出を低減すること、故障の正確な分離のためにエンジン診断を向上させること、およびエンジン予後能力の範囲を増加させることが含まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くの場合、データ融合により融合される複数のデータストリームは、デジタルデータのストリームから成る。その結果、一つのデータストリームのサンプリングレートが、残りのデータストリームのサンプリングレートとは異なる可能性が高い。そのようなサンプリングレートの違いは、エンジンデータのリアルタイムの統合と融合の障害となる。従って、必要とされているのは、エンジンの調子についての包括的な診断および予後の知識を得るように、異なるサンプリングレートを有する複数のデジタルデータのストリームに対してデータ融合を実施する方法である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明の目的は、ガスタービンエンジンなどの装置の調子をモニタするための器械と、そのような器械を使用する方法とを提供することである。
【0006】
本発明に従うと、装置の調子を評価するための器械は、複数の検出器(sensory)出力を受け取って、同期データストリームを出力する、データアラインメントモジュールと、同期データストリームを受け取って、少なくとも一つの装置調子特性値(feature)を出力する、解析モジュールと、少なくとも一つの装置調子特性値を受け取って、装置調子評価を出力する、高レベル診断特性値情報融合モジュールと、を備える。
【0007】
本発明に従うと、装置の調子を評価する方法は、複数の検出器出力を受け取って、同期データストリームを出力し、同期データストリームを受け取って、少なくとも一つの装置調子特性値を出力し、少なくとも一つの装置調子特性値を受け取って、装置調子評価を出力する、ステップを含む。
【0008】
本発明に従うと、装置の調子を評価するための器械は、同期データストリームを生成するように複数の検出器から受け取ったデータをアラインメントする手段と、少なくとも一つの装置調子特性値を生成するように同期データストリームを解析する手段と、装置調子評価を生成するように少なくとも一つの装置調子特性値と高レベル診断特性値情報を融合させる手段と、を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
従って、本発明の教示は、調子モニタリングデータ融合(Health Monitoring Data Fusion)アーキテクチャと、そのようなアーキテクチャを利用する方法とを提供することである。本発明のアーキテクチャは、以下により十分に説明する四つの基本モジュールを組み込んでいる。異なるレートで記録されたデータ読み取り値を同期させるデータアラインメントモジュールに加えて、本発明のアーキテクチャは、解析モジュールと、高レベル診断特性値情報融合モジュールと、故障分離推論装置(reasoner)モジュールとを使用する。現在のエンジン環境においてありふれた検出器および検出データによって説明するとはいえ、本発明のアーキテクチャおよび方法は、次世代のガスタービンエンジンシステムに組み込むことができるさらなる進歩した予後検出器に対応できる。データ融合を達成するのに利用される技術は、限定される訳ではないが、人工知能、パターン認識、および統計的推定を含む広い範囲の領域から引き出されるものであり、本発明によって、エンジン調子診断および予後の特定のタスクを達成するように、適用される。
【0010】
本発明のアーキテクチャと、その構成技術は、エンジン、好ましくはガスタービンエンジン、などの装置についての全ての入手可能なデータ/情報供給源を活用することにより、現在の診断/予後状態評価方法を向上させることに焦点を合わせている。さらに、本発明の方法は、調子補助動力装置(auxiliary power unit)(APU)および産業用ガスタービン(industrial gas turbine)(IGT)をモニタすることに拡張できる。特に、本発明のアーキテクチャは、(1)向上した診断信頼性、可能性、および適用範囲と、(2)低減した診断異常警報と、(3)新しい情報供給源への拡張性および適応性とを提供するように設計される。以下により十分に説明するように、本発明のアーキテクチャは、信号処理方法、物理学に基づくモデル、経験的モデル、および、全てのデータを結合するための高レベル推論装置などの多数の技術要素を活用する。
【0011】
図1を参照すると、本発明のアーキテクチャ11の可能な一実施態様が例示される。アーキテクチャ11は、限定される訳ではないが、航空機、ガス流路(gas path)、潤滑系、および構造上の指示器ばかりでなく特殊用途エンジン調子検出器などといった、高および低帯域幅信号を含む広い範囲のエンジン検出器に対応する。これらの種類の検出器測定値のいくつかの例としては、高度、マッハ数(mach)、周囲温度、および周囲圧力(航空機測定値に対するもの)、温度、圧力、流速(flow speed)(ガス流路測定値に対するもの)、油温度、油圧、油量(潤滑測定値に対するもの)、加速度計(振動測定値に対するもの)、および油塵埃(oil debris)モニタ、油状態モニタ、静電気塵埃モニタ、音響モニタ、および渦電流モニタ(特殊な測定値に対するもの)がある。
【0012】
アーキテクチャ11は、物理学に基づくおよび経験的なモデル解析の使用によって信号処理および条件付け、およびエンジン調子特性値抽出を提供するいくつかのモジュール13、15、17、19を組み込むことができる。さらに、アーキテクチャ11は、エンジン調子特性値が結合されて包括的エンジン調子評価を形成する二階層(two tier)高レベル融合プロセスを組み込んでいる。エンジン制御器故障コードからの補助的なエンジン情報と、運航乗員および保守提供者からの観測とが結合されて、ソフトウェア管理保守のための知識の基礎を提供する。これらのモジュール内の機能は、以下に説明する。
【0013】
ガスタービン検出器は、異なるサンプリングレート、通常は1.5Hzから50kHz(およびそれを上回る)の範囲、でデータを取得できるので、なんらかの形態のデータ同期が、情報をデータ融合の意味で結合するために必要となり得る。データアラインメントモジュール13は、時間窓を規定し、この窓内で(異なるデータレートで)受け取った生データ信号および/または特性値情報を処理して、次の解析および高レベル融合のためにデータを同期させる。通常の窓持続時間は、33と100msの間、好ましくは50と66msの間である。振動検出器21、21’を用いて収集できるような高周波データは、特性値抽出ユニット23によって前処理されて、ガス流路検出器により捕獲されるデータなどのような低周波データではより一般的なより低いサンプリングレートにおいて、懸案の適切な特性値を抽出して、アラインメントプロセスを促進する。その結果、例えば温度を測定する検出器などのような検出器は、温度測定値のデジタルストリームとして変更なしの形態で、データアラインメントモジュール13へとサンプリングまたは通過され得る。逆に、例えば振動などのいくつかの測定値は、異常振動の存在を示すフラグなどの、抽出された特性値を有することができ、これは、一つの窓持続時間につき一回、データアラインメントモジュール13へ送られる。
【0014】
多数の異なる特性値抽出ユニット23が、構造上の評価検出器25などといったさまざまな種類の検出器から特性値を抽出するのに使用され得る。構造上の評価検出器25および振動検出器21に関して例示的な様式で例示しているとはいえ、特性値抽出ユニットは、上述した検出器測定値に関連するデータを提供する検出器に、または任意の他のサンプリングされるデータ供給源に適用され得る。この種類の信号アラインメントを達成する方法は、当業技術内に存在しており、マルチレート入力データを、固定された出力信号レートへとアップおよびダウンサンプリングするためのさまざまなアルゴリズムから成る。データアラインメントモジュール13の出力は、例えば、5Hzと30Hzの間の特定のユーザが規定したサンプリングレートに再サンプリング(re−sample)された一組の入力信号である。
【0015】
データアラインメントモジュール13は、入力データ信号を受け取り、データ信号に対してサンプリングまたは他の必要な計算を実施し、非同期入力データ信号に相当する時間同期データを出力するように適合された、コンピュータなどの多目的デジタル計算装置(図示せず)とすることができるであろう。ここで使用されるように、「適合される」とは、ソフトウェアおよびハードウェアの作動によって特定の結果を達成する装置の能力のことを言う。
【0016】
データ融合プロセスは、懸案の特性値、または調子特性値、の生成から始まる。データアラインメントモジュール13によって時間同期されたエンジンデータは、直接の検出器観測によっては得ることができないエンジン調子特性値を抽出する目的で、さまざまな計算方法を用いて解析される。このような解析は、解析モジュール15によって実施される。調子特性値は、航空機、ガス流路、潤滑系、および構造上の調子ばかりでなくエンジン故障指示器を含むことができる。航空機調子特性値の例としては、限定される訳ではないが、バイアス(bias)されまたはドリフト(drift)している航空機検出器が挙げられる。ガス流路調子特性値の例としては、限定される訳ではないが、エンジンのガス流路内のバイアスされまたはドリフトしている検出器が挙げられる。潤滑系調子特性値の例としては、限定される訳ではないが、エンジンの潤滑系内のバイアスされまたはドリフトしている検出器が挙げられる。構造上の調子特性値の例としては、限定される訳ではないが、入口および排気活性を測定する静電検出器が挙げられる。使用される方法論は、物理学または経験的に基づくかこれらの両方に基づくものとすることができる。解析およびモデルの種類の例としては、限定される訳ではないが、ガス流路解析および故障検出を実施するためのカルマン観測器(Kalman observer)による状態変数エンジンモデル(State Variable Engine Model)、異常および故障検出のための経験的エンジンモデル、潤滑系モデル(物理学に基づくおよび経験的なもの)、エンジン部材寿命モデル、カルマンフィルター(Kalman Filter)およびその派生物、人工ニューラルネットワーク(Artificial Neural Netwark)、およびファジー論理に基づくシステムが含まれる。このような形態の解析の出力は、エンジンモジュール動作および部材調子パラメータによってフォーマットされており、高レベル特性値情報融合モジュール17への入力として機能する。
【0017】
解析モジュール15は、上述したように、入力データ信号を受け取り、データ信号に対して解析を実施し、エンジン調子特性値を出力するように適合された、コンピュータなどの多目的デジタル計算装置(図示せず)とすることができるであろう。
【0018】
全てのエンジン部材およびサブシステムからの高周波および低周波検出器データの解析から抽出された特性値情報に含まれている確証となる証拠は、高レベル特性値情報融合モジュール17において結合される。このモジュール17は、モニタされたデータ、解析された故障検出、故障分離、および解析的および経験的なモデル出力、の間の因果関係を規定する相互関係のエキスパートシステムから成り得るであろう。負の情報の使用は、推論プロセスにおける要素を形成する。負の情報は、特定の仮定された故障が本当に存在する場合に予想されるであろうこれらの特性値および/または測定観測値を封入(encapsulate)する。これらの特性値または測定特色値(すなわち、負の情報)は、故障が存在しないことを暗示するであろう。このプロセスは、因果関係を供給するばかりでなく結果の診断出力内の信頼性のレベルを提供する、原因に関するネットワークの形態を取る。ベイズ信頼性ネットワーク(Bayesian Belief Network)(BBN)またはファジー信頼性ネットワーク(Fuzzy Belief Network)(FBN)が、その内部においてこの高レベル融合プロセスが生じる典型的な構成である。このプロセスの出力は、エンジン調子評価、またはさまざまな可能性の度合い(または信頼性のレベル)を用いる一連の評価である。
【0019】
一例として、システムは、より高い維持されたファン振動レベルと、ガス流路解析からのファンモジュール動作の低下と共に、高い入口塵埃静電活性などの確証となる証拠が示された場合に、ファンモジュールに対する可能な異物損傷(Foreign Object Damage)(FOD)を、高いレベルの信頼性(90%程度)と共に出力する。
【0020】
高レベル特性値情報融合モジュール17は、入力データ信号を受け取り、データ信号の解析を実施し、エンジン調子評価を出力するように適合された、コンピュータなどの多目的デジタル計算装置(図示せず)とすることができるであろう。
【0021】
エンジンの瞬間の状態を示す特性値は、好ましくは搭載およびリアルタイムで、包括的なエンジン調子評価へと変換されて、飛行中は入手できないかも知れずまたは本質的に離散している任意の他の付加的な情報供給源を、計算に入れることによって推奨保守処置を生成するのに使用される。通常の供給源としては、エンジン保守者が表示しかつダウンロードできる全権限デジタルエンジン制御器(Full Authority Digital Engine Control)(FADEC)故障コードばかりでなく、航空機がその目的地に到着した際の保守者(および操縦士)の観測が挙げられるであろう。故障モード影響および臨界解析(Failure Modes Effect and Criticality Analysis)(FMECA)は保守者の故障分離マニュアル(Fault Isolation Manual)(FIM)と結合されて、部材信頼性情報、故障モード、および保守推奨を獲得する計算されたモデルを生成するための基礎として機能できる。BBN(ベイズ信頼性ネットワーク)は、推奨された保守情報を示すための手段(vehicle)として使用できる。高レベル融合プロセスからのエンジン調子評価は、この他の情報と共に、高レベル融合プロセスにおける、この最終階層、すなわち故障分離推論装置モジュール19への入力として機能する。故障分離推論装置モジュール19の予想出力は、管理保守指令および修理処置となるであろう。そのようなひとつの保守指令および修理処置の一例としては、「高圧タービン(high pressure turbine)(HPT)」のボロスコープ検査の実施」を挙げることができる。
【0022】
本発明に従うと、ここで先に述べた目的、手段、および利点を十分に満足させる、ガスタービンエンジンなどの装置の調子をモニタするための器械と、そのような器械を使用する方法とが提供された。本発明は、その特定の実施態様の文脈において説明したが、他の代替例、変更例、および変形例が、上述の説明を読んだ当業者には明らかとなるであろう。従って、添付の請求項の広い範囲に含まれるように、これらの代替例、変更例、および変形例を含むことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明のアーキテクチャの可能な一実施態様の図である。
【符号の説明】
【0024】
11…アーキテクチャ
13…データアラインメントモジュール
15…解析モジュール
17…高レベル診断特性値情報融合モジュール
19…故障分離推論装置モジュール
23…特性値抽出ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の検出器出力を受け取って、同期データストリームを出力する、データアラインメントモジュール(13)と、
同期データストリームを受け取って、少なくとも一つの装置調子特性値を出力する、解析モジュール(15)と、
少なくとも一つの装置調子特性値を受け取って、装置調子評価を出力する、高レベル診断特性値情報融合モジュール(17)と、
を備えることを特徴とする、装置の調子を評価するための器械。
【請求項2】
前記装置は、エンジンであることを特徴とする請求項1記載の器械。
【請求項3】
推奨保守処置を生成するように、少なくとも一つの付加的なデータ供給源とエンジン調子評価を結合する、故障分離推論装置モジュール(19)をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の器械。
【請求項4】
前記少なくとも一つの付加的なデータ供給源は、保守者観測、操縦士観測、エンジン保守履歴、および全権限デジタルエンジン制御器(FADEC)故障コードから成る群より選択されることを特徴とする請求項3記載の器械。
【請求項5】
前記検出器出力を生成するための複数の検出器をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の器械。
【請求項6】
前記検出器出力は、高度、マッハ数、周囲温度、周囲圧力、温度、圧力、ガス流速、油温度、油圧、および油量から成る群より選択されることを特徴とする請求項5記載の器械。
【請求項7】
前記検出器は、加速度計、および油塵埃モニタ、油状態モニタ、静電気塵埃モニタ、音響モニタ、および渦電流検出器から成る群より選択されることを特徴とする請求項5記載の器械。
【請求項8】
少なくとも一つの検出器出力から特性値を抽出するための少なくとも一つの特性値抽出ユニット(23)をさらに備えることを特徴とする請求項5記載の器械。
【請求項9】
前記解析モジュール(15)は、カルマン観測器による状態変数エンジンモデル、経験的エンジンモデル、物理学に基づく潤滑系モデル、経験に基づく潤滑系モデル、およびエンジン部材寿命モデルから成る群より選択されるモデルを使用するように適合されることを特徴とする請求項1記載の器械。
【請求項10】
前記解析モジュール(15)は、カルマンフィルター、人工ニューラルネットワーク、およびファジー論理に基づくシステムから成る群より選択される構成を使用するように適合されることを特徴とする請求項1記載の器械。
【請求項11】
前記高レベル診断特性値情報融合モジュール(17)は、ベイズ信頼性ネットワーク(BBN)およびファジー信頼性ネットワーク(FBN)を使用するように適合されることを特徴とする請求項1記載の器械。
【請求項12】
複数の検出器出力を受け取って、同期データストリームを出力し、
同期データストリームを受け取って、少なくとも一つの装置調子特性値を出力し、
少なくとも一つの装置調子特性値を受け取って、装置調子評価を出力する、
ステップを含むことを特徴とする、装置の調子を評価する方法。
【請求項13】
前記の同期データストリームを受け取って、少なくとも一つの装置調子特性値を出力することは、少なくとも一つのエンジン調子特性値を出力することを含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
推奨保守処置を生成するように、少なくとも一つの外部データ供給源とエンジン調子評価を結合するさらなるステップを含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記の複数の検出器出力を受け取ることは、
窓持続時間の開始において複数の検出器出力を受け取ることを開始し、
サンプリングされたデータストリームを生成するように、複数の検出器出力のうちの少なくとも一つをサンプリングし、
前記窓持続時間の最後において、サンプリングされたデータストリームを含む同期データストリームを出力する、
さらなるステップを含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記の複数の検出器出力を受け取ることを開始することは、33msと100msの間、延びている前記窓持続時間の開始において複数の検出器出力を受け取ることを開始することを含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記の複数の検出器出力を受け取ることを開始することは、50msと66msの間、延びている前記窓持続時間の開始において複数の検出器出力を受け取ることを開始することを含むことを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記の複数の検出器出力を受け取ることは、高度、マッハ数、周囲温度、周囲圧力、温度、圧力、ガス流速、油温度、油圧、および油量から成る群より選択される複数の検出器出力を受け取ることを含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項19】
前記の複数の検出器出力を受け取ることは、加速度計、および油塵埃モニタ、油状態モニタ、静電気塵埃モニタ、音響モニタ、および渦電流検出器から成る群より選択される複数の検出器からの複数の検出器出力を受け取ることを含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項20】
前記の同期データストリームを受け取って、少なくとも一つのエンジン調子特性値を出力することは、カルマン観測器による状態変数エンジンモデル、経験的エンジンモデル、物理学に基づく潤滑系モデル、経験に基づく潤滑系モデル、およびエンジン部材寿命モデルから成る群より選択される少なくとも一つのモデルを使用することにより同期データストリームの解析を実施することを含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項21】
前記の同期データストリームを受け取って、少なくとも一つのエンジン調子特性値を出力することは、カルマンフィルター、人工ニューラルネットワーク、およびファジー論理に基づくシステムから成る群より選択される少なくとも一つの構成を使用することにより同期データストリームの解析を実施することを含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項22】
同期データストリームを生成するように複数の検出器から受け取ったデータをアラインメントする手段と、
少なくとも一つの装置調子特性値を生成するように前記同期データストリームを解析する手段と、
装置調子評価を生成するように前記少なくとも一つの装置調子特性値と高レベル診断特性値情報を融合させる手段と、
を備えることを特徴とする、装置の調子を評価するための器械。

【図1】
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【公開番号】特開2006−63986(P2006−63986A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−245444(P2005−245444)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(590005449)ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイション (581)
【氏名又は名称原語表記】UNITED TECHNOLOGIES CORPORATION