説明

装置試験システムおよび装置試験方法

【課題】被試験装置についての情報を一元管理し、被試験装置のモジュール交換作業を効率良く行う装置試験システムおよび装置試験方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る装置試験システムは、交換可能な1つ以上の構成要素を含む被試験装置に対して試験を行う装置試験システムであって、被試験装置および構成要素それぞれは、被試験装置および構成部分それぞれを識別する識別情報を含むRFIDタグを有し、RFIDタグから識別情報を取得する識別情報取得部と、被試験装置に対する試験結果を取得する試験結果取得部と、取得した識別情報に対応する構成要素の在庫情報を取得する在庫情報取得部と、取得した識別情報に対応する構成要素の交換履歴情報を取得する履歴情報取得部と、取得した識別情報と、試験結果と、在庫情報と、交換履歴情報とを統合した統合情報を生成する統合情報生成部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置試験システムおよび装置試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、引用文献1は、故障モジュールに対して、調整、交換、修理を施すことで良モジュールとなった場合、その他のモジュールの故障推定率を更新し、更新した故障推定率に基づいて、次に調整等を行うモジュールの優先順位を決定するシステム試験装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−203955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
装置試験システムは、電子機器装置などを構成するモジュールの故障を検出するために、対象となる電子機器装置など(以下、「被試験装置」と記述する)に対して、機能および性能などの試験を行い、試験結果の履歴を管理する。
このような装置試験システムにより、故障モジュールが特定されると、モジュール交換作業者などが、故障モジュールを新しいモジュールに交換する。
このような交換作業において、モジュールの在庫情報およびモジュールの交換履歴情報などは、装置試験システムにおける試験結果の履歴とは別に管理されているので、交換作業者は、モジュールの故障時に、在庫情報および交換履歴情報などを迅速に把握できず、作業効率が悪くなる場合がある。
本発明は、上述のような背景からなされたものであり、被試験装置に対する試験結果の履歴だけでなく、被試験装置を構成するモジュールの在庫情報および交換履歴情報などを一元管理し、モジュール交換作業を効率良く行うよう工夫された装置試験システムおよび装置試験方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る装置試験システム(1)は、交換可能な1つ以上の構成要素を含む被試験装置に対して試験を行う装置試験システムであって、前記被試験装置および前記構成要素それぞれは、前記被試験装置および前記構成部分それぞれを識別する識別情報を含むRFID(Radio Frequency IDentification)タグ(24)を有し、前記RFIDタグから前記被試験装置および前記構成要素それぞれの識別情報を取得する識別情報取得部(RFID読取装置22,RFIDタグ情報取得部322)と、前記被試験装置に対する試験結果を取得する試験結果取得部(試験制御部320)と、前記取得した識別情報に対応する前記構成要素の在庫情報を取得する在庫情報取得部(324)と、前記取得した識別情報に対応する前記構成要素の交換履歴情報を取得する履歴情報取得部(326)と、前記取得した識別情報と、前記取得した試験結果と、前記取得した在庫情報と、前記取得した交換履歴情報とを統合した統合情報を生成する統合情報生成部(328)とを有する。
なお、ここで付された符号は、本願発明の理解を助けることを意図するものであり、本願発明の技術的範囲を限定することを意図するものではない。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る装置試験システムおよび装置試験方法によれば、被試験装置に対する試験結果だけでなく、被試験装置を構成するモジュールの在庫情報および交換履歴情報などを一元管理し、モジュール交換作業を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る装置試験システムの構成を例示する図である。
【図2】(A)は、図1に示した制御装置および被試験装置用制御装置のハードウェア構成を例示する図であり、(B)は、図1に示した切替装置に接続された被試験装置の構成を例示する図である。
【図3】(A)は、図2(B)に示した被試験装置本体に付与されたRFIDタグのタグ情報を例示する図であり、(B)は、図2(B)に示した被試験装置を構成する各モジュールに付与されたRFIDタグのタグ情報を例示する図である。
【図4】(A)は、図1に示した被試験装置用制御装置上で実行される情報管理プログラムの構成を例示する図であり、(B)は、図1に示した制御装置上で実行される統合情報生成プログラムの構成を例示する図である。
【図5】(A)は、図4(A)に示した在庫情報記憶部が記憶する在庫情報テーブルを例示する図であり、(B)は、図4(A)に示した履歴情報記憶部が記憶するモジュール交換履歴情報テーブルを例示する図である。
【図6】図4(B)に示した統合情報生成部が生成する統合情報を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[装置試験システム1]
図1は、本発明に係る装置試験システム1の構成を例示する図である。
図1に示すように、装置試験システム1は、制御装置12と、n個の測定装置16−1〜16−n(n≧1;ただし、全てのnが常に同数を示すとは限らない)と、切替装置20とが、LANなどのネットワーク10により接続され、測定装置16−1〜16−nと、被試験装置18とが、切替装置20を介して接続され、被試験装置18を制御する被試験装置用制御装置14と、被試験装置18とが、LANなどのネットワーク10により接続される。
被試験装置18の本体、および、被試験装置18を構成する各モジュールには、RFID(Radio Frequency IDentification)タグが付与され、切替装置20に構成されるRFID読取装置22により、RFIDのタグ情報が読み取られる(図2(B)および図3を参照して後述)。
【0009】
なお、以下、測定装置16−1〜16−nなど、複数ある構成部分のいずれかを示すときは、単に、測定装置16と記載することがある。
以下、各図において、実質的に同じ構成部分・処理には、同じ符号が付される。
装置試験システム1は、これらの構成部分を用いて、被試験装置18に対して試験を行い、試験結果、モジュールの在庫情報およびモジュール交換履歴情報などを一元管理する。
【0010】
[ハードウェア構成]
図2(A)は、制御装置12および被試験装置用制御装置14のハードウェア構成を例示する図である。
図2(A)に示すように、制御装置12および被試験装置用制御装置14は、メモリ122およびCPU124などを含む情報処理装置120、キーボードおよび表示装置などを含む外部入出力装置126、データ通信を行うための通信装置128、および、ハードディスクなどの記録媒体132に対してデータの記録を行う記録装置130などから構成される。
つまり、制御装置12および被試験装置用制御装置14は、情報処理、装置試験システム1の各構成部分の制御、および、これらの間とのデータ通信が可能なコンピュータとしての構成部分を有している。
【0011】
[被試験装置18の構成]
図2(B)は、切替装置20(図1)に接続された被試験装置18の構成を例示する図である。
図2(B)に示すように、被試験装置18は、例えば、交換可能な構成要素であるモジュールA1〜A4から構成され、被試験装置18本体には、RFIDタグ24−1が付与され、モジュールA1〜A4には、RFIDタグ24−2〜24−5がそれぞれ付与されている。
また、試験内容に応じて予め定められたコネクタ(P1〜P4およびJ1〜J3など)間を接続ケーブルなどで接続することにより、被試験装置18と切替装置20とが接続されると、切替装置20に取り付けられたRFID読取装置22が、RFIDタグ24のタグ情報(図3を参照して後述)を読み取る。
なお、本説明における被試験装置18は4つのモジュールから構成されているが、モジュールの数はこれに限定されるものではなく、被試験装置18は、任意のモジュール数で構成され得る。
【0012】
RFID読取装置22は、例えば、下記の手順(1)〜(4)により、複数のRFIDタグ24−1〜24−5からの応答(信号)の衝突を回避しながら、各RFIDタグ24−1〜24−5のタグ情報を読み取る。
この場合において、RFIDタグ24−1〜24−5それぞれには、RFIDタグ24−1〜24−5それぞれを一意に識別するために用いられる予め定められた範囲の識別子が付されている。
【0013】
(1)RFID読取装置22は、予め定められた範囲の識別子のうちのいずれかを指定した応答要求を、複数のRFIDタグ24−1〜24−5に対して送信する。
(2)上記(1)において送信された応答要求に含まれる識別子と同じ識別子が付されたRFIDタグ(例えば、RFIDタグ24−1)は、応答要求に対して応答し、RFID読取装置22に対して、タグ情報を送信する。
(3)RFID読取装置22は、上記(2)において送信されたRFIDタグ24−1のタグ情報を読み取る。
(4)RFID読取装置22は、予め定められた範囲の識別子のうち、上記(1)において指定した識別子とは別の識別子を指定して、上記(1)〜(3)を繰返す。
また、RFID読取装置22は、予め定められた範囲のすべての識別子について上記(1)〜(3)を行った場合、タグ情報の読み取りを終了する。
【0014】
なお、RFID読取装置22が複数のRFIDタグ24のタグ情報を読み取る上述の方法は一例であり、RFID読取装置22は、他の方法を用いて複数のRFIDタグ24のタグ情報を読み取り得る。
【0015】
[RFIDタグ情報]
図3(A)は、被試験装置18の本体に付与されたRFIDタグ24−1(図2(B))のタグ情報を例示する図であり、(B)は、被試験装置18を構成するモジュール(ここでは、モジュールA1)に付与されたRFIDタグ24−2(図2(B))のタグ情報を例示する図である。
図3(A)に示すように、被試験装置18の本体に付与されたRFIDタグ24−1のタグ情報は、例えば、被試験装置名、被試験装置のシリアル番号、製造年月日、取得年月日、管理部門名、被試験装置を構成するモジュール名、および、これらの構成モジュールのシリアル番号を含む。
【0016】
図3(B)に示すように、モジュールA1に付与されたRFIDタグ24−2のタグ情報は、例えば、モジュール名、モジュールのシリアル番号、製造年月日および取得年月日を含む。
上述したように、被試験装置18と切替装置20とが接続されると、RFID読取装置22(図1,図2(B))は、図3(A),(B)に示すようなタグ情報を読み取る。
【0017】
[ソフトウェア構成]
図4(A)は、図1に示した被試験装置用制御装置14上で実行される情報管理プログラム30の構成を例示する図であり、(B)は、図1に示した制御装置12上で実行される統合情報生成プログラム32の構成を例示する図である。
図4(A)に示すように、情報管理プログラム30は、在庫情報記憶部300、履歴情報記憶部302、在庫情報更新部304および履歴情報更新部306から構成される。
図4(B)に示すように、統合情報生成プログラム32は、試験制御部320、RFIDタグ情報取得部322、在庫情報取得部324、履歴情報取得部326、統合情報生成部328、および出力部330から構成される。
【0018】
情報管理プログラム30および統合情報生成プログラム32は、例えば、記憶媒体132(図2(A))を介して被試験装置用制御装置14および制御装置12のメモリ122にロードされ、被試験装置用制御装置14および制御装置12で動作するOS(図示せず)上で、被試験装置用制御装置14および制御装置12のハードウェア資源を具体的に利用して実行される。
情報管理プログラム30は、被試験装置18(図1)を構成するモジュールの在庫情報およびモジュール交換履歴情報を管理する。
統合情報生成プログラム32は、被試験装置18に対する試験結果と、情報管理プログラム30により管理されている在庫情報および交換履歴情報とを一元管理するための統合情報を生成する。
なお、本発明においては、情報管理プログラム30(図4(A))が、被試験装置用制御装置14(図1)上で実行される場合が具体例とされるが、これに限定されるものではなく、例えば、制御装置12上で実行されてもよい。
【0019】
図5(A)は、図4(A)に示した在庫情報記憶部300が記憶する在庫情報テーブルを例示する図である。
図5(A)に示すように、在庫情報テーブルは、例えば、被試験装置名、被試験装置を構成するモジュール名、および、各モジュールの在庫数を示す在庫情報の一覧を示す。
在庫情報記憶部300は、図5(A)に示すような在庫情報テーブルを、後述する在庫情報取得部324が参照可能に記憶する。
また、在庫情報記憶部300は、後述する在庫情報更新部304により更新された在庫情報を受け取り、在庫情報テーブルを更新する。
【0020】
図5(B)は、図4(A)に示した履歴情報記憶部302が記憶するモジュール交換履歴情報テーブルを例示する図である。
図5(B)に示すように、モジュール交換履歴情報テーブルは、例えば、被試験装置名、被試験装置を構成するモジュール名、および、各モジュールの交換履歴を含むモジュール交換履歴情報の一覧を示す。
交換履歴は、例えば、各モジュールの交換年月日、交換前のモジュールのシリアル番号、交換前のモジュールの製造年月日を示す。
なお、履歴情報記憶部302に記憶される交換履歴の数は、任意の数に設定され得る。
【0021】
図5(B)に示すように、例えば、モジュールA1,A4は、これまでに一度もモジュール交換作業が行われていないので、交換履歴情報は、「−」で示される。
また、例えば、モジュールA2の交換履歴情報は、2009年6月12日に、シリアル番号「A2_001」のモジュールが新たなモジュールに交換され、さらに、2011年1月27日に、シリアル番号「A2_002」のモジュールが新たなモジュールに交換されていることを示す。
履歴情報記憶部302は、図5(B)に示すようなモジュール交換履歴情報テーブルを、後述する履歴情報取得部326が参照可能に記憶する。
また、履歴情報記憶部302は、後述する履歴情報更新部306から入力されたモジュール交換履歴情報を受け取り、モジュール交換履歴情報テーブルを更新する。
【0022】
在庫情報更新部304は、被試験装置用制御装置14の入出力装置126(図2(A))を介して、モジュール在庫管理者などから入力された在庫更新情報を受け取り、在庫情報を更新し、在庫情報記憶部300に対して出力する。
在庫更新情報は、例えば、モジュール在庫管理者がモジュールを新たに購入したことにより増加したモジュールの在庫数、および、モジュール交換作業者がモジュールを交換したことにより減少したモジュールの在庫数を示す。
履歴情報更新部306は、被試験装置用制御装置14の入出力装置126(図2(A))を介して、モジュール交換作業者などから入力されたモジュール交換履歴情報を受け取り、履歴情報記憶部302に対して出力する。
【0023】
試験制御部320は、測定装置16および切替装置20(図1)などを制御して、被試験装置18に対する試験を行い、各モジュールの試験情報(例えば、試験実施年月日および試験結果(「良」または「不良」など))を、統合情報生成部322に対して出力する。
RFIDタグ情報取得部322は、RFID読取装置22(図1,図2(B))により読み取られた被試験装置18本体のRFIDタグ情報(図3(A))、および、被試験装置18を構成する各モジュールのRFIDタグ情報(図3(B))を取得する。
また、RFIDタグ情報取得部322は、取得したタグ情報を、統合情報生成部328に対して出力する。
【0024】
在庫情報取得部324は、在庫情報記憶部300が記憶する在庫情報テーブル(図5(A))を参照して、後述する統合情報生成部328から入力された被試験装置名および構成モジュール名に対応する在庫数を取得する。
具体的には、例えば、在庫情報取得部324は、統合情報生成部328から被試験装置名「被試験装置A」が入力されると、在庫情報記憶部300が記憶する在庫情報テーブルから、被試験装置名が「被試験装置A」の在庫情報を取得する。
さらに、在庫情報取得部324は、「被試験装置A」の在庫情報から、統合情報生成部328から入力された構成モジュール名「A1」,「A2」,「A3」および「A4」に対応する在庫数を取得する。
【0025】
履歴情報取得部326は、履歴情報記憶部302が記憶するモジュール交換履歴情報テーブル(図5(B))を参照して、後述する統合情報生成部328から入力された被試験装置名および構成モジュール名に対応するモジュール交換履歴を取得する。
具体的には、例えば、履歴情報取得部326は、上述した在庫情報取得部324と同様に、モジュール交換履歴情報テーブルから、「被試験装置A」のモジュール交換履歴情報を取得する。
さらに、履歴情報取得部326は、上述した在庫情報取得部324と同様に、「被試験装置A」のモジュール交換履歴情報から、各構成モジュール名に対応するモジュール交換履歴を取得する。
【0026】
なお、本説明においては、被試験装置名およびモジュール名を用いて在庫数およびモジュール交換履歴を取得する場合が具体例とされたが、被試験装置名のみを用いて、対応する被試験装置を構成するすべてのモジュールについての情報を取得してもよい。
また、モジュール名が、複数の被試験装置において重複せず、一意に定まる場合は、モジュール名のみを用いて、対応するモジュールについての情報を取得してもよい。
【0027】
統合情報生成部328は、試験制御部320から入力された各モジュールの試験情報を受け取る。
また、統合情報生成部328は、RFIDタグ情報取得部322から入力されたタグ情報に含まれる被試験装置名および構成モジュール名を、在庫情報取得部324および履歴情報取得部326に対して出力する。
また、統合情報生成部328は、在庫情報取得部324および履歴情報取得部326から入力された在庫数およびモジュール交換履歴を受け取る。
【0028】
また、統合情報生成部328は、試験制御部320から入力された試験情報と、RFIDタグ情報取得部322から入力されたタグ情報と、在庫情報取得部324および履歴情報取得部326から受け取ったモジュールの在庫数およびモジュール交換履歴とを統合し、統合情報(図6を参照して後述)を生成する。
また、統合情報生成部328は、生成した統合情報を、出力部330に対して出力する。
【0029】
出力部330は、統合情報生成部328から入力された統合情報を、入出力装置126(図2(A))のディスプレイなどに表示する。
また、出力部330は、在庫切れを示すために、在庫数が0を示す部分を異なる色など(例えば、図6においては、斜線で示す)で表示し、在庫補充を推奨するために、在庫数が1を示す部分を異なる色など(例えば、図6においては、縦線で示す)で表示する。
また、出力部330は、統合情報、在庫切れおよび在庫補充の推奨などを、ディスプレイで表示するのではなく、被試験装置18の管理者などにメールにより通知してもよいし、これらを併用してもよい。
【0030】
[統合情報]
図6は、統合情報生成部328により生成された統合情報の構成を例示する図である。
図6に示すように、統合情報は、例えば、被試験装置名、被試験装置のシリアル番号、製造年月日、取得年月日、管理部門名、構成モジュール名、各モジュールのシリアル番号、製造年月日、試験結果、異常検出年月日、交換履歴および在庫数を含む。
統合情報に含まれる被試験装置名、被試験装置のシリアル番号、製造年月日、取得年月日、管理部門名、構成モジュール名および各モジュールのシリアル番号は、RFIDタグ情報取得部322から入力された被試験装置18本体のタグ情報(図3(A))から取得される。
【0031】
また、統合情報に含まれる各モジュールの製造年月日は、RFIDタグ情報取得部322から入力された各モジュールのタグ情報(図3(B))から取得される。
また、統合情報に含まれる各モジュールの試験結果および異常検出年月日は、試験制御部320から入力された試験情報から取得される。
異常検出年月日は、例えば、試験情報に含まれる試験結果が「不良」を示した場合の試験実施年月日を示す。
なお、統合情報には、任意の数の試験結果および異常検出年月日の履歴が含まれ得る。
【0032】
また、統合情報に含まれる各モジュールの交換履歴は、履歴情報取得部326から入力されたモジュール交換履歴から取得される。
なお、試験実施年月日を異常検出年月日とする代わりに、例えば、履歴情報取得部326から入力されたモジュール交換履歴に含まれる交換年月日を異常検出年月日としてもよい。
なお、統合情報には、任意の数のモジュール交換履歴が含まれ得る。
また、統合情報に含まれる各モジュールの在庫数は、在庫情報取得部324から入力されたモジュールの在庫数から取得される。
【0033】
[装置試験システム1の動作例]
以下、装置試験システム1(図1)の動作例を示す。
本動作例においては、装置試験システム1が、装置名「被試験装置A」の被試験装置18に対して試験を行い、統合情報を生成する場合を具体例として説明する。
装置試験システム1は、被試験装置Aが接続されると、被試験装置Aの本体に付与されたRFIDタグ24−1(図2(B))のタグ情報(図3(A))、および、各構成モジュールに付与されたRFIDタグ24−2〜24−5(図2(B))のタグ情報(図3(B))を取得する(RFID読取装置22(図1),RFIDタグ情報取得部320(図4))。
【0034】
装置試験システム1は、被試験装置Aに対する試験を行い、試験情報を取得する(試験制御部320(図4))。
装置試験システム1は、在庫情報テーブル(図5(A))から、被試験装置Aの各構成モジュールA1〜A4の在庫数を取得する(在庫情報取得部324(図4))。
装置試験システム1は、モジュール交換履歴情報テーブル(図5(B))から、被試験装置Aの各構成モジュールA1〜A4のモジュール交換履歴を取得する(履歴情報取得部326(図4))。
【0035】
装置試験システム1は、取得したRFIDタグ情報、試験情報、在庫数、モジュール交換履歴から、統合情報(図6)を生成する(統合情報生成部328(図4))。
装置試験システム1は、生成した統合情報を、入出力装置126(図2(A))のディスプレイなどに表示する(出力部330(図4))。
【0036】
[変形例]
本発明においては、電子機器装置などを構成するモジュール単位での試験結果と、モジュール単位での在庫情報および交換履歴情報とを一元管理するための統合情報を生成する場合が具体例とされたが、本発明を、例えば、複数の電子機器装置から構成される電子機器システムに適用することもできる。
この場合、電子機器システムを構成する電子機器装置単位での試験結果と、電子機器装置単位での在庫情報および交換履歴情報とを一元管理するための統合情報が生成される。
【符号の説明】
【0037】
1・・・装置試験システム,10・・・ネットワーク,12・・・制御装置,14・・・被試験装置用制御装置,16・・・測定装置,18・・・被試験装置,20・・・切替装置,22・・・RFID読取装置,120・・・情報処理装置,122・・・メモリ,124・・・CPU,126・・・外部入出力装置,128・・・通信装置,130・・・記録装置,132・・・記憶媒体,24・・・RFIDタグ,30・・・情報管理プログラム,300・・・在庫情報記憶部,302・・・履歴情報記憶部,304・・・在庫情報更新部,306・・・履歴情報更新部,32・・・統合情報生成プログラム,320・・・試験制御部,322・・・RFIDタグ情報取得部,324・・・在庫情報取得部,326・・・履歴情報取得部,328・・・統合情報生成部,330・・・出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換可能な1つ以上の構成要素を含む被試験装置に対して試験を行う装置試験システムであって、
前記被試験装置および前記構成要素それぞれは、前記被試験装置および前記構成部分それぞれを識別する識別情報を含むRFID(Radio Frequency IDentification)タグを有し、
前記RFIDタグから前記被試験装置および前記構成要素それぞれの識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記被試験装置に対する試験結果を取得する試験結果取得部と、
前記取得した識別情報に対応する前記構成要素の在庫情報を取得する在庫情報取得部と、
前記取得した識別情報に対応する前記構成要素の交換履歴情報を取得する履歴情報取得部と、
前記取得した識別情報と、前記取得した試験結果と、前記取得した在庫情報と、前記取得した交換履歴情報とを統合した統合情報を生成する統合情報生成部と
を有する装置試験システム。
【請求項2】
前記取得した交換履歴情報は、前記構成要素の交換日を含み、
前記統合情報は、前記交換日を前記構成要素の異常を検出した日とする異常検出日を含む
請求項1に記載の装置試験システム。
【請求項3】
交換可能な1つ以上の構成要素を含む被試験装置に対して試験を行う装置試験方法であって、
前記被試験装置および前記構成要素それぞれは、前記被試験装置および前記構成部分それぞれを識別する識別情報を含むRFID(Radio Frequency IDentification)タグを有し、
前記RFIDタグから前記被試験装置および前記構成要素それぞれの識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記被試験装置に対する試験結果を取得する試験結果取得ステップと、
前記取得した識別情報に対応する前記構成要素の在庫情報を取得する在庫情報取得ステップと、
前記取得した識別情報に対応する前記構成要素の交換履歴情報を取得する履歴情報取得ステップと、
前記取得した識別情報と、前記取得した試験結果と、前記取得した在庫情報と、前記取得した交換履歴情報とを統合した統合情報を生成する統合情報生成ステップと
をコンピュータに実行させる装置試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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