説明

装飾品及び装飾品の製造方法

【課題】軟質材料で形成して肌を傷めないと共に、磁界の向きを複雑に形成して身体に与える影響を強め、健康促進効果を向上させた装飾品及び装飾品の製造方法を提供。
【解決手段】身体に装着可能な装飾品において、軟質な材料で、長手方向に延びるように形成された紐状部材11と、前記紐状部材の内部に一又は複数設けられ、一方の面を一方の極性に、他方の面を他方の極性とする磁石を含有する切片12と、装飾品本体10の長手方向の両端に設けられ、前記装飾品本体を輪状に連結するための連結部13とからなり、前記切片は、前記一方の面及び/又は前記他方の面が前記紐状部材の外周面側を向いていることを特徴とする装飾品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体に対し磁気による健康促進効果を与える機能を有する装飾品とその装飾品の製造方法に関する。さらに詳しくは、装着する人にやさしく、磁界の向きを複雑にして健康促進効果を向上させた装飾品とその装飾品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気治療具として、磁力による健康増進などを目的とし磁気ネックレスや磁気ブレスレットなどが従来から使用されている。すなわち、磁力が血行を促進することで肩こりや筋肉痛が緩和されるなどといわれ、磁気ネックレスなどを愛用している人も多い。
【0003】
特許文献としても従来よりいろいろな提案がされている。例えば、磁気治療具として、金属製磁石又は磁石をカプセルに入れたものを鎖又は金属環でつないだり、着磁体を網紐に編み込んだものなどがある(例えば、特許文献1参照)。また、ゴム磁石などを素材とした磁気治療具等も知られている(例えば、特許文献2参照)。また、柔軟なチューブ内に複数個の永久磁石と複数個のマイナスイオン発生体を一組とする複数組を交互にチューブ内に内蔵させチューブの両端を密閉した健康用具等も知られている(例えば、特許文献3参照)。また、透明なシリコンゴムで環状ブレスレットを作り中に宝石を入れるものなどがある(例えば、特許文献4参照)。さらに、押出成型金型に設けた、リング型の中に、色違い練込ピースを複数個置いて前記金型と共に、プレス成型器にて押出成形するシリコンゴム及びその他のゴム系材料を利用したブレスレットなどの多色プレス成型製造方法等がある(例えば、特許文献5参照)。
【特許文献1】特開平09−220289号公報
【特許文献2】特開2007−111322号公報
【特許文献3】特開2006−150073号公報
【特許文献4】登録実用新案第3128274号広報
【特許文献5】特開2003−340655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に示された技術は、金属等が露出しているため、運動中等に身体を傷付けてしまうおそれがあった。特許文献2に示された技術は、一本のゴム磁石より構成されていることから、磁気治療具より発せられる磁界(または磁力線)の向きが単調であり、身体の健康促進に与える影響が限定的になるおそれがあった。特許文献3に示された技術は、チューブ内に永久磁石等を内蔵しているにすぎず、一体構成ではないため、壊れやすいものであった。そのため、さらに健康促進効果を向上させたものの開発が求められている。
【0005】
一方、ネックレスやブレスレット等装飾品では、宝石を備えたもの、貴金属で形成されているもの、装飾性に優れたものなどが好まれる。健康促進のためのネックレスやブレスレットでも装飾性に優れたもののほうが好まれる。このようなネックレスやブレスレットは、非常に高価な宝石などを備えたものでなくてもよく、デザイン美的センスが優れたもの、自分自身が気に入ったデザインのものなどであるとよい。また、このようなネックレスやブレスレットは、あまり高価でなくほどほどの価格である必要があるとよい。
【0006】
しかし、特許文献4に記載された技術は、シリコンゴム内に宝石等が入っているため、高価なうえ、健康促進効果が期待できないものであった。特許文献5に記載された技術は、製品の指定箇所部分に色を付けることができるにすぎず、製品の内部に設けられた装飾を所定の位置に配置することができないため意匠性に乏しく、健康促進効果が期待できないものであった。そのため、さらにデザイン美的センスが優れたうえで、健康促進効果を向上させたものの開発が求められている。
【0007】
さらに、ネックレスやブレスレットは、常時、肌に直接触れているものであるため、金属性のものでは、金属アレルギー等を発症する人もおり、材質等にたいへん注意が必要であった。また、日常、身体に付けているものであるので、つけている状態でほとんど違和感、重さ等を感じることがないようなもの、長期身体につけている時にも擦過傷を防止することができるもの等が求められている。
【0008】
本発明は、上述したような社会的、技術的背景に基づいて、従来の問題点を解決するためになされたもので、次の目的を達成する。
【0009】
本発明の目的は、軟質材料で形成して肌を傷めないと共に、磁界の向きを複雑に形成して身体に与える影響を強め、健康促進効果を向上させた装飾品を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、磁化された装飾品内の装飾物を所定の位置に配置することで美的センスが優れたデザインの装飾品を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、軟質で、磁気を有し、美的センスが優れたデザインの装飾品を、簡素な工程で高品質に製造することができる装飾品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の装飾品は、身体に装着可能な装飾品において、軟質な材料で、長手方向に延びるように形成された紐状部材と、前記紐状部材の内部に一又は複数設けられ、一方の面を一方の極性に、前記一方の面の反対側の他方の面を他方の極性とする磁石を含有する切片と、前記装飾品本体の長手方向の両端に設けられ、前記装飾品本体を輪状に連結するための連結部とからなり、前記切片は、前記一方の面及び/又は前記他方の面が前記紐状部材の外周面側を向いていることを特徴とする。
【0013】
本発明2の装飾品は、本発明1において、前記紐状部材は、少なくとも一部が前記紐状部材の内部を見ることができる透明又は半透明に形成されているものであることを特徴とする。
【0014】
本発明3の装飾品は、本発明1又は2において、前記紐状部材は、前記切片を内部に配置後、所定の温度、圧力で加熱、加圧処理することで、一体化させるものであることを特徴とする。
【0015】
本発明4の装飾品は、本発明3において、前記軟質な材料は、シリコーン樹脂であることを特徴とする装飾品。
【0016】
本発明5の装飾品の製造方法は、身体に装着可能な装飾品を製造する方法であって、軟質な材料に磁石を練り込み、長手方向に延ばして、前記長手方向と平行な一方の面と他方の面を有する板状部材を成形する工程と、前記板状部材の前記一方の面を一方の極性に、前記板状部材の前記他方の面を他方の極性に磁化する工程と、前記板状部材を切断し、一方の面を一方の極性に、他方の面を他方の極性に磁化させた前記切片を成形する工程と、軟質な材料を長手方向に延ばして、前記長手方向に凹みが形成された紐状部材を成形する工程と、開状態の一対の金型内に、前記紐状部材をセットする工程と、前記紐状部材の凹みに、前記切片を、前記一方の面又は前記他方の面が前記紐状部材の外周面側を向くように配置する工程と、前記凹みに軟質な材料を充填する工程と、前記一対の金型を閉状態にするとともに、前記紐状部材を所定の温度、圧力に加熱、加圧処理し、一体化して結合する工程とからなる。
【0017】
本発明6の装飾品の製造方法は、本発明5において、前記一対の金型は、少なくとも一部が所定の極性に磁化されているものであり、前記切片を配置する工程は、磁化された金型内で行う工程であることを特徴とする。
【0018】
本発明7の装飾品の製造方法は、本発明5において、前記一対の金型は、少なくとも一部が一方の極性に磁化された第一極性部と、前記一対の金型内にセットされた紐状部材を基準として、前記第一極性部に対して対称の位置となる他の一部が他の極性に磁化された第二極性部とからなり、前記切片を配置する工程は、前記第一極性部と前記第二極性部が設けられた一対の金型内で行う工程であることを特徴とする。
【0019】
本発明8の装飾品の製造方法は、本発明5において、前記一対の金型は、少なくとも一部が一方の極性に磁化された第一極性部と、前記一対の金型内にセットされた紐状部材の溝に配置された前記切片を基準として、前記第一極性部に対して対称の位置となる他の一部が他の極性に磁化された第二極性部とからなり、前記切片を配置する工程は、前記第一極性部と前記第二極性部が設けられた一対の金型内で行う工程であることを特徴とする。
【0020】
本発明9の装飾品の製造方法は、本発明7又は8において、前記第一極性部及び前記第二極性部は、前記一対の金型の長手方向に一又は複数設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の装飾品は、装飾品全体が軟質材料で形成されており、装着している人の肌を傷付けたり、金属アレルギーなどを発症させることがない。また、磁界の向きが複雑に交差していることから身体に与える影響度を向上させ、さらなる健康増進向上を図ることができる。さらに、装飾性に優れているので、他人の目を気にすることなく装着でき、安価であるので、装飾性を楽しみながら健康増進を図ることができる。
本発明の製造方法は、簡素な方法で、装飾性、健康増進に優れた高品質の装飾品を製造することができる。また、能率よく製造でき、経済的効果を呈する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の装飾品(ネックレス)の外観図、図2は、装飾品の正面図、図3は、図2をA−A線で切断した断面図、図4は、装飾品より発せられる磁力線流れを模式的に示した説明図である。
【0023】
なお、この実施の形態では、磁力による肩こりの解消等の健康増進効果が期待できる装飾品としてネックレスを例にして説明を行っているが、他の装飾品、例えばブレスレット等のようなものであっても良いことはいうまでもない。
【0024】
図1、図2に示すように、ネックレス(装飾品)1は、本体部(装飾品本体部)10、連結部13とから構成されている。本体部10は、紐状に、長手方向に延びた形状の中実体であり、その両端に連結部13を有している。
【0025】
本体部10は、紐状部材11と、紐状部材11の内部に所定の間隔で、軸方向に一列状に複数設けられた磁石切片12から構成されている。紐状部材11は、軟質なシリコーン樹脂で形成されている。なお、本実施の形態では、本体部10を構成する紐状部材11は、シリコーン樹脂で形成されているとして説明を行っているが、軟質で弾性変形可能な材料、例えば軟質なウレタン樹脂等軟質な合成樹脂、エラストマー等で形成されたものであってもよい。
【0026】
本体部10は、長手方向に所定の長さ(例えば、400〜600mm)を有するように形成されている。なお、この長さは、装飾する身体箇所、巻き数等によって適宜決定されるものである。また、本体部10は、長手方向に直交する面において断面視(以下、単に「断面視」という。)した場合には、略円形の、直径(例えば、3〜8mm)に形成されている。この直径も、装飾性、表面磁束密度などによって適宜決定されるものである。
【0027】
紐状部材11は、その内部に所定の間隔で、軸方向に一列状に一又は複数の磁石切片12が設けられている。本実施の形態において、磁石切片12は、両側の面が正方形に形成された2つの磁極面12a、12bからなる略直方体状に形成されている。本実施の形態においては、磁石切片12は、平行に設けられた2つ磁極面12a、12bと、磁極面12a、12bと隣接する4つ側面が直角に交わるように構成されている。
【0028】
磁極面12a、12bを構成する一辺は、本体部10を断面視した円形の直径の長さより短くすると良く、2つ磁極面12a、12bを結ぶ側面の辺の長さは、先に記載した磁極面12a、12bの一辺の長さより短く構成されていると良い。本実施の形態では、磁石切片12は、直方体により構成されていることで説明を行っているが、他の形態で構成されていても良いことはいうまでもない。例えば、立方体等の他の多面体であっても良く、球体、円柱及び錐体であっても良いことはいうまでもない。さらには、文字等の形態を用いても良いことはいうまでもない。
【0029】
磁石切片12は、軟質なシリコーン樹脂と粉末状の磁石とで構成されている。なお、磁石切片12は、軟質な弾性変形可能な材料、例えば、軟質なウレタン樹脂等の軟質な合成樹脂、エラストマー等と粉末状の磁石とで形成されたものであってもよい。
【0030】
磁石切片12には、磁石が練り込まれ分散されている。磁石は、細かく粉末状にされた磁石であり、例えば、粉末状にされたフェライト磁石である。なお、本実施の形態では、フェライト磁石で説明を行っているが、磁石であれば他の種類(例えば、アルニコ磁石、ネオジム磁石)のものであっても良い。
【0031】
また、磁石切片12におけるフェライト磁石とシリコーン樹脂とは、所定の混合比率(例えば、フェライト磁石が80〜95質量%、シリコーン樹脂が5〜20質量%)で混合されている。なお、この混合比率は、表面磁束密度が0.2テスラ(2000ガウス)を超えない範囲内で変更しても良い。
【0032】
本実施の形態において、磁石切片12は、所定の間隔で一定の方向にそろえられて一又は複数設けられている。つまり、図2に示すように、複数の磁石切片12の磁極面12aは、同じ方向に向くようにそろえられており、同様に磁石面12bも、同じ方向に向くようにそろえられている。しかし、この構成に限定されることなく、例えば、それぞれの磁石切片12をそれぞれ別々に紐状部材11の外周面側の方向に向くように構成されていても良いことはいうまでもない。
【0033】
本体部10は、長手方向の一の端部と他の端部とを連結して、本体部10を輪状にするための連結部13が設けられている。連結部13は、一の端部が凹状又は凸状に、他の端部が凸状又は凹状に形成され、凸状に形成された部位と凹状に形成された部位とが係脱可能に係合して連結されるものである。連結部13は、凹状に形成された部位、凸状に形成された部位の少なくともどちらか一方が、軟質のシリコーン樹脂、軟質なウレタン樹脂等軟質な合成樹脂で形成されているので、容易に挿入することができる。
【0034】
連結部13は、本体部10の一の端部に形成され先端が略球形の凸形状部13cを有する凸状留め具13Aと、本体部10の他の端部に形成され連結部分が穴の凹形状部13dを有する凹状留め具13Bが形成されている。連結部13は、凸形状部13cと凹形状部13dが、相互に、係脱可能に係合できるようになっている。凹状留め具13Bに凸状留め具13Aを挿入するときには、凹形状部13d、凸形状部13cが弾性変形する。凹状留め具13B、凸状留め具13Aの少なくともどちらか一方が、軟質のシリコーン樹脂で成形されているので、容易に挿入することができる。連結状態にあるときは凸状留め具13Aの凸形状部の略球形13cが凹状留め具13Bの凹形状部13dの穴に係合する。そして、係合している状態では、摩擦力、弾性力で相互に保持されている。連結を解除するときは、凸状留め具13Aと凹状留め具13Bを相互に引っ張ると良い。すなわち、所定以上の力で引張ったとき、凹形状部13d、凸形状部13cが弾性変形して離脱する。
【0035】
本実施の形態において、凸状留め具13Aと凹状留め具13Bは、本体部10と、別々に製造した後取付けているが、本体部10と一体的に構成しても良い。また、連結部13は、例えば、磁石やフック等の他の連結構成により連結できるようにしても良い。
【0036】
図3に示すように、本実施の形態において、紐状部材11は、紐状に、長手方向に延びた形状の中実体であり、断面視略円形に形成されている。本体部10の略中央に磁石切片12が設けられている。
本実施の形態において、磁石切片12は、磁極面12a側は、全体がN極性に磁化され、磁極面12aの反対側に位置する磁極面12b側は、全体がS極性に磁化されている。
【0037】
本実施の形態においては、磁石切片12は、フェライト磁石が分散されていることにより磁化されている。例えば、磁石切片12は、磁化されたフェライト磁石を磁石切片12の材料であるシリコーン樹脂等に練り込む。次に、押出成形機等で押出成形等することにより長尺の板状体を構成する。次に、長尺の板状体に機械的圧力をかける機械配向、又は、磁場コイルを使用して配向する磁場中成形等の方法によりフェライト磁石の粒子を1方向に並べることにより磁化させる。最後に、磁化された長尺の板状体を適宜の大きさに切断することで磁石切片12を形成すると良い。
【0038】
また、磁石切片12は、磁化されていないフェライトを磁石切片12の材料であるシリコーン樹脂等に練り込む。次に、金型周囲に磁場コイルを配置し、或は、金型自体を磁化した押出成形機等で押出成形等することにより長尺の板状体を構成しながら、着磁することにより磁化させる。最後に、磁化された長尺の板状体を適宜の大きさに切断することで磁石切片12を形成しても良い。
【0039】
本体部10の外周面には、この製品、製造元、販売元などのロゴ、飾りなどの美的センスに優れたデザインを形成しても良い。また、本体部10に、所定の色彩を付し美的効果を持たせても良く、或は、本体部10自身が透けて見えるように透明性を持たせても良い。本体部10に透明性をもたせた場合には、内部に設けた磁石切片12に一定の形状(例えば、星形やハート型等。)や色彩を施し、装飾性をさらに設けても良い。本体部10は、透明性を持たせることにより、その内容物が目視でき装飾効果が向上する。
【0040】
本体部10の外周面を覆うように薄い膜状に形成した表層部を設けても良い。表層部は、この製品、製造元、販売元などのロゴ、飾りなどの美的センスに優れたデザインが形成されても良く、所定の色彩で美的効果を持たせたものであっても良い。表層部は、所定の色彩で美的効果を持たせたものであっても良く、或は、本体部10が透けて見えるように透明性を持たせても良い。
【0041】
表層部は、本体部10をシリコーン樹脂等につけ込んだ後、表面を乾かすことで薄い膜状に設けてもよい。本体部10をつけ込むシリコーン樹脂にフェライトを練り込んでおいても良い。表層部を設けることで、装飾性を持たせることができる。
【0042】
本実施の形態において、本体部10を構成する紐状部材11は、紐状に、長手方向に延びた形状の中実体であり、断面視略円形に形成されている。また、紐状部材11の内部の軸方向には、所定の間隔で磁石切片12が一又は複数設けられている。磁石切片12は、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂等により構成されており、これを加熱、加圧処理することにより紐状部材11と一体的に結合されている。このように、紐状部材11と磁石切片12が結合されることにより構成された本体部10は、磁界の向きが複雑になり、健康促進効果がより期待できる。なお、磁極面12a、12bの表面に、接着剤を塗布して本体部10結合させても良いことはいうまでもない。
【0043】
図3及び、図4に示すように、本実施の形態において、磁極面12a側は、その全体がN極性に磁化されている。また、磁極面12b側は、その全体がS極性に磁化されている。つまり、磁石切片12の一の面を構成する磁極面12aと、その反対側に位置する他の面を構成する磁極面12bとは、異なる極性で磁化されている。
【0044】
図4に模式的に示すように、磁石切片12の断面より発せられる磁界は、磁力線がN極よりS極に向かい放出している。つまり、磁石切片12は、本体部10の内部の軸方向に複数設けられ、それぞれの磁極面12aから、磁極面12bにかけて磁界が形成される。このように本体部10は、磁石切片12が設けられた複数の箇所から、磁界がさまざまな位置から発生している。また、複数設けられた磁石切片12は、隣接する磁石切片12同士で互いに干渉しあい、磁界の向きが複雑に交差していることから身体に与える影響度を向上させ、さらなる健康増進向上を図ることができる。
【0045】
本実施の形態において、本体部10は、断面視略円形に形成されている。しかし、この形状とらわれることなく、断面視、他の形状となるように構成しても良いことはいうまでもない。
【0046】
また、本実施の形態において、磁石切片12は、所定の間隔で一定の方向にそろえられて一又は複数設けられている。つまり、図2に示すように、複数の磁石切片12のそれぞれの磁極面12aと磁極面12bは、同じ方向に向くようにそろえられているため、形成される磁界も同様の向きに形成される。しかし、この構成に限定されることなく、例えば、それぞれの磁石切片12をそれぞれ別々に紐状部材11の外周面側の方向に向くように構成することにより、さまざまな磁界が形成され身体に与える影響度を向上させ、さらなる健康増進向上を図ることができる。
【0047】
〔製造方法〕
図5は、本発明の装飾品の製造方法による装飾品の製造工程を示すフロー図である。図6は、金型20の平面図、図7は、図6をB−B線で切断して示した断面図、図8は、金型に本体部を設置した状態を示す部分平面図である。図9は、図8をC−C線に沿って一部を切断して示した部分断面図である、図10は、図9をD−D線に沿って一部を切断した断面図である。図11は、図10において、凹みにシリコーン樹脂を充填した状態の断面図を示す。
【0048】
図5のフロー図に従って製造工程を説明する。製造対象のネックレス1の本体部10は、紐状部材11と複数の磁石切片12とから構成される。この本体部10を構成するために一対の金型20、30が準備される。
【0049】
ネックレス1の本体部10は、紐状部材11と複数の磁石切片12とから構成される。この材料となるシリコーン樹脂(素材)は、フェライト磁石と共に混練する(S101)。この混練されたシリコーン樹脂(素材)及びフェライト磁石をネックレスの大きさや形状に合わせて所定の大きさの板状部材として押出成形する(S102)。成形した板状部材を機械的圧力をかける機械配向、又は、磁場コイルを使用して配向する磁場中成形等の方法によりフェライト磁石の粒子を1方向に並べることにより磁化させる(S103)。
なお、押出成形機の金型周囲に磁場コイルを配置し、或は、金型自体を磁化した押出成形機等で押出成形等することにより所定の形状にしながら、着磁することにより磁化させても良い。
【0050】
磁化された板状部材は、適宜な大きさに切断することで磁石切片12が形成される(S104)。本実施の形態において、磁石切片12は、両側の面が正方形に形成された略直方体形状に形成されているが、この形状に限定されることなく、他の形状例えば、アルファベット等の文字や、ハート型等の他の形状に形成しても良い。
【0051】
ネックレス1の本体部10の材料となるシリコーン樹脂(素材)を混練する(S105)。この混練されたシリコーン樹脂(素材)をネックレスの大きさや形状に合わせて所定の大きさの紐状の紐状部材11として押出成形する(S106)。その後、紐状部材11は、その表面軸方向に所定の間隔で複数の凹み11hを形成する。
【0052】
成形された紐状部材11は、本体部を成形するために金型の型内、すなわち金型に形成された溝21等で構成される空間(キャビティ)に設置される(S107)。
【0053】
本体部10に設けられた凹み11hに磁石切片を入れ(S108)、さらにシリコーン樹脂を充填する(S109)。
【0054】
位置決めピン、位置決め穴などである位置決め部材により位置決めをし、この金型を閉じる。すなわち、両方の金型を組み付けるようにする(S110)。金型を閉じた後、所定の温度、所定の圧力に、加熱処理及び加圧処理を施す(S111)。次に、金型を開き、両方の金型を分離する(S112)。各金型より固化して成形された本体部を取り出す(113)。本体部の両端部に連結部13を付けて完成する(S114)。次のその具体的製造方法について説明する。
【0055】
<混練(101)>
板状部材の材料となるシリコーン樹脂、磁石及び添加剤を所定の割合で配合した後、加圧ニーダやミキシングロール等の混練機で所定の時間混練する。本実施の形態において、混練する材料としては、軟質なシリコーン樹脂を使用するが、軟質なものであれば他の材料でも良く、例えば、ウレタン樹脂及び他のシリコーン樹脂等であっても良い。磁石は、粉末化されたいわゆる磁石粉末がよく、例えば、フェライト磁石が良い。また、着色剤を添加することによりさまざまな色に着色しても良い。
【0056】
<板状部材成形(S102)、磁化(S103)>
混練工程で得られた組成物(混練物)を粉砕し、この粉砕粉末を用いて例えば押出成形により成形し、長手方向に延びるように形成された板状部材として成形された成形体を得る。なお、成形は、無磁場中又は磁場中で行うことができる。
【0057】
押出成形機により無磁場中で成形した場合には、成形体である板状部材に対して、その後に磁場中において磁化することができる。成形した板状部材に対して機械的圧力をかける機械配向、又は、磁場コイルを使用して配向する磁場中成形等の方法によりフェライト磁石の粒子を1方向に並べることにより磁化させる。このとき、表面磁束密度で0.2テスラ(2000ガウス)を超えないようにすると良い。
【0058】
なお、押出成形機により磁場中で成形する場合には、押出成形機の金型周囲に磁場コイルを配置し、或は、金型自体を磁化した押出成形機等で押出成形等することにより形を構成しながら、着磁することにより磁化させても良い。このとき、表面磁束密度で0.2テスラ(2000ガウス)を超えないようにすると良い。本実施の形態において、板状部材は、一の面とその反対側に位置する他の面とで異なる磁極となるように磁化させている。しかし、この構成に限定されることなく、例えば、板状部材の一の面および他の面において、さまざまな磁極が形成されるように構成しても良いことはいうまでもない。
【0059】
<切片成形 S104>
磁化された板状部材は、適宜な大きさに切断することで磁石切片12が形成される(104)。磁石切片12は、本体部10内に入るのであれば、どのような形態でも良い。本実施の形態においては、本体部10に形成された両側の磁極面が正方形をした略直方体形状に形成されている。しかし、この形態に限定されることなく、他の形態例えば、アルファベット等の文字や、ハート型等の他の形状でも良い。このように、形成することにより、後述する透明の本体部10内に磁石切片12が入ることで、さまざまな装飾効果が生じる。本実施の形態において、磁石切片12の磁極面12a側は、その全体がN極性に磁化されている。また、磁極面12b側は、その全体がS極性に磁化されている。つまり、磁石切片12の一の面を構成する磁極面12aと、その反対側に位置する他の面を構成する磁極面12bとは、異なる極性で磁化されている。
【0060】
<混練(S105)>
本体部10の材料となるシリコーン樹脂及び添加剤を所定の割合で配合した後、加圧ニーダやミキシングロール等の混練機で所定の時間混練する。本実施の形態において、混練する材料としては、軟質なシリコーン樹脂を使用するが、軟質なものであれば他の材料でも良く、例えば、ウレタン樹脂及び他の合成樹脂等であっても良い。また、着色剤を添加することにより成形さまざまな色に着色しても良い。さらに、本体部10が透明となるようにしてもよい。
【0061】
<本体部成形(S106)>
混練工程で得られた組成物(混練物)を粉砕し、この粉砕粉末を用いて例えば押出成形により成形し、長手方向に延びるように形成された紐状の本体部10として成形された成形体を得る。
【0062】
<下金型に設置(S107)>
図7〜図11に示すように、金型は、同様の構成からなる下金型20と上金型30に分離されている。下金型20は板状のものであり、下金型20の表面には紐状部材11を設置するための溝21が設けられている。溝21は、紐状部材11の長手方向半分が設置できるように、下金型20に形成された細長いくぼみである。溝21の幅は、紐状部材11の幅よりやや小さい寸法になっているとよい。溝21は、断面視略半円形の形状からなり、断面視した紐状部材11の半分と略同一の形状である。溝21は、紐状部材11を設置した際の底となる底部21a並びに紐状部材11を設置した際その両端を抑える開口右側部21b及び開口左側部21cからなる。本実施の形態において、溝21の底部21aは、長手方向にかけてN極性に磁化されている。
【0063】
上金型30は板状のものであり、上金型30の表面には紐状部材11を設置するための溝31が設けられている。溝31は、紐状部材11の長手方向半分が設置できるように、上金型30に形成された細長いくぼみである。溝31の幅は、紐状部材11の幅よりやや小さい寸法になっているとよい。溝31は、断面視略半円形の形状からなり、断面視した紐状部材11の半分と略同一の形状である。溝31は、紐状部材11を設置した際の天井となる天井部31a並びに紐状部材11を設置した際その両端を抑える開口右側部31b及び開口左側部31cからなる。本実施の形態において、溝31の天井部31aは、長手方向にかけてS極性に磁化されている。
【0064】
紐状部材11は弾性変形可能であり、溝21内に押し付けるように押し込み弾性力に抗して設置するとよい。この状態で紐状部材11は、下金型20に位置決め保持されるので、放置しても外れない。
【0065】
下金型20及び上金型30により構成される一対の金型は、その長手方向において少なくとも一部が一方の極性に磁化されている。そして、一対の金型内にセットされた紐状部材11を基準として、一方の極性に磁化された位置より対称の位置となる他の一部が他の極性に磁化されている。
【0066】
本実施の形態において、下金型20は、溝21の底部21aを長手方向にかけてN極性に磁化している。また、上金型30は、溝31の天井部31aを長手方向にかけてS極性に磁化している。つまり、底部21aと天井部31aは、下金型20と下金型30を閉状態にした時に紐状部材11を基準として対称の位置となり、異なる極性に磁化されるように形成されている。しかし、この構成に限定されることなく、溝21及び溝31の他の部分を磁化しても良いことはいうまでもない。
【0067】
<磁石切片を凹みに投入(S108)>
図8及び図9に示すように、紐状部材11に設けられた凹み11hに磁石切片12を入れる。本実施の形態において、磁石切片12の磁極面12a側は、その全体がN極性に磁化されている。また、磁極面12b側は、その全体がS極性に磁化されている。そして、下金型20は、溝21の底部21aを長手方向にかけてN極性に磁化されている。このように、磁極面12b側は、下金型20と異なる極性で構成されており、互いに引き合うので、紐状部材11を介して下金型20側を向くように設置される。このように、紐状部材11の内部に設けられた磁石切片12は、金型の任意の部分を一定の極性に磁化しておくことにより、金型の極性に応じた向きに位置決めすることができる。
【0068】
<凹みにシリコーン樹脂を充填(S109)>
図11に示すように、紐状部材11に設けられた凹み11hに充填材11fを充填する。本実施の形態において、充填材11fは、紐状部材11と同一のシリコーン樹脂を加熱し軟化したものを使用している。しかし、これに限定されることなく、紐状部材11と同質のものを使用しても良い。本実施の形態においては、磁石切片12を凹み11hに入れた後に充填材11fを充填する工程により説明している。しかし、この工程に限られず、凹み11hに充填材11fを充填した後に、その充填材11fに磁石切片12を入れても良いことはいうまでもない。
【0069】
充填材11fは、紐状部材11と同一又は同質のものを使用すると良く、加熱して軟化した状態で凹み11hに充填すると良い。磁石切片12は、充填材11fが軟化しているため、凹み11h内を自由に移動できるが、下金型20のN極性に影響され、これと異なる極性であるS極性の磁極面12b側が下金型20側を向くように位置決めされる。つまり、磁石切片12は、磁石切片12自身が有する極性と、下金型20の有する極性により、凹み11h内での向きが決められる。
【0070】
なお、本実施の形態において下金型20は、溝21の底部21aを長手方向にかけてN極性に磁化しているが、これに限定されないことはいうまでもない。つまり、溝21の極性をS極性としても良いし、底部21a以外の部分を磁化しても良いことはいうまでもない。例えば、溝21の開口右側部21b又は開口左側部21cを、N極性又はS極性に磁化しても良いことはいうまでもない。このように、紐状部材11の内部に設けられた磁石切片12は、金型の任意の部分を一定の極性に磁化しておくことにより、金型の極性に応じた向きに位置決めすることができる。
【0071】
<組み付け(S110)>
次に、位置決めピン、位置決め穴などからなる位置決め部材により位置決めをし、この金型を閉じる。すなわち、同様構成の下金型20と上金型30に位置合わせのうえ組み付けるようにする。
【0072】
なお、下金型20と上金型30を組み付けた後に、後述する加熱、加圧する前に、組み付けた状態で一定の時間をおくと良い。磁石切片12は、充填材11fが軟化しているため、凹み11h内を自由に移動できるが、上金型30のS極性に影響され、これと異なる極性であるN極性の磁極面12a側が上金型30側を向くように位置決めされる。つまり、磁石切片12は、磁石切片12自身が有する極性と、上金型30の有する極性により、凹み11h内での向きが決められる。
【0073】
このように、紐状部材11の内部に設けられた磁石切片12は、上金型30及び下金型20の任意の部分を一定の極性に磁化しておくことにより、上金型30及び下金型20の極性に応じた向きに位置決めすることができる。また、磁石切片12の磁極面12aとその反対側に位置する磁極面12bの極性が異なり、上金型30と下金型20の極性が異なることにより、磁石切片12の向きがより安定した状態で位置決めができる。つまり、磁極面12aのN極性と上金型30のS極性が引き合い、磁極面12bのS極性と下金型20のN極性が引き合うことで、磁石切片12が紐状部材11内で安定した状態で位置決めができる。
【0074】
<加熱、加圧(S111)>
この状態で下金型20及び上金型30の外部に設けられた加熱プレス装置40、50を加熱し、さらに加圧させると、下金型20及び上金型30は押圧される。このときの加熱温度は、所定の温度(例えば、180℃)が好ましい。加圧力は、所定の圧力であれば良い。この加熱、加圧力で、紐状部材11、磁石切片12及び充填材11fは、一体化し、本体部10を構成する。
【0075】
<金型 分離(S112)>
金型内で紐状部材11、磁石切片12及び充填材11fが一体化し本体部を構成した後、下金型20及び上金型30を分離して開く。
【0076】
<取り出し(S113)>
金型より固化して成形された本体部10を取り出す。この時、余計なバリ等が生じていたときには、バリを取り除くと良い。
<留め具 取付け(S114)>
本体部10の両端部に凸状留め具13A及び凹状留め具13Bを付けて完成する。
【0077】
以上のように本実施の形態において、紐状部材11は、シリコーン樹脂により構成されていることを前提として説明したが、シリコーン樹脂及びフェライト磁石により構成されても良い。このとき、紐状部材11と磁石切片12とで、シリコーン樹脂とフェライト磁石の配合率が異なるように構成されていても良い。
【0078】
さらに、本実施の形態においては、磁極面12a側は、N極性に磁化され、磁極面12b側は、S極性に磁化されるように形成されている。しかし、これに限らず、磁極面12a側及び磁極面12b側は、異なる磁極が並ぶように形成されても良い。例えば、磁極面12a側を一定の間隔でN極とS極が交互に連続して磁化されていても良い。
【0079】
さらに、本実施の形態においては、下金型20の底部21aは、N極性に磁化され、上金型30の天井部31aは、S極性に磁化されるように形成されている。しかし、これに限らず、下金型20の底部21aをS極性に磁化し、上金型30の天井部31aをN極性に磁化しても良い。また、底部21aの長手方向において一定の間隔でN極とS極が交互に連続して磁化されていても良く、天井部31aの長手方向において一定の間隔でN極とS極が交互に連続して磁化されていても良いことは言うまでもない。
【0080】
また、金型により紐状部材11、磁石切片12及び充填材11fを結合するときに、凸状留め具13A及び凹状留め具13Bを合わせて付けても良い。この場合は、下金型20及び上金型30に設けられた溝の形を紐状部材11、凸状留め具13A及び凹状留め具13Bの形状に合わせて形成すればよいことはいうまでもない。
【0081】
また、紐状部材11に設けられた凹み11hと磁石切片12の大きさを略同一とすることで、嵌め込んで構成させても良い。さらに、それをシリコーン樹脂等につけ込んだ後、表面を乾かすことで薄い膜状に設けて、磁石切片12の位置決めをしても良い。また、凹み11hは、紐状部材11の周方向に任意の位置に設けても良い。
【0082】
〔他の実施の形態〕
図12は、本発明の装飾品の他の実施の形態をあらわす下金型と上金型を組み付けた状態の断面図である。図12に基づき他の実施の形態について説明する。なお、この他の実施の形態では、前述した実施の形態と同一の部位には同一の符号を付与し詳細な説明を省略する。金型は、同様の構成からなる下金型120と上金型130に分離されて構成されている。
【0083】
下金型120は板状のものであり、下金型120の表面には紐状部材11を設置するための溝121が設けられている。溝121は、紐状部材11の長手方向半分が設置できるように、下金型120に形成された細長いくぼみである。溝121の幅は、紐状部材11の幅よりやや小さい寸法になっているとよい。溝121は、断面視略半円形の形状からなり、断面視した紐状部材11の半分と略同一の形状である。溝121は、紐状部材11を設置した際の底となる底部並びに紐状部材11を設置した際その両端を抑える開口右側部121b及び開口左側部121cからなる。本実施の形態において、溝121の開口右側部121bは、長手方向にかけてN極性に磁化している。また、溝121の開口左側部121cは、長手方向にかけてS極性に磁化している。
【0084】
上金型130は板状のものであり、上金型130の表面には紐状部材11を設置するための溝131が設けられている。溝131は、紐状部材11の長手方向半分が設置できるように、上金型130に形成された細長いくぼみである。溝131の幅は、紐状部材11の幅よりやや小さい寸法になっているとよい。溝131は、断面視略半円形の形状からなり、断面視した紐状部材11の半分と略同一の形状である。溝131は、紐状部材11を設置した際の天井となる天井部並びに紐状部材11を設置した際その両端を抑える開口右側部131b及び開口左側部131cからなる。本実施の形態において、溝131の開口右側部131bは、長手方向にかけてN極性に磁化している。また、溝131の開口左側部131cは、長手方向にかけてS極性に磁化している。
【0085】
下金型120及び上金型130により構成される一対の金型は、その長手方向において少なくとも一部が一方の極性に磁化されている。そして、一対の金型内にセットされた紐状部材11を基準として、一方の極性に磁化された位置より対称の位置となる他の一部が他の極性に磁化されている。
【0086】
本実施の形態において、下金型120は、溝121の開口右側部121bを長手方向にかけてN極性に磁化している。また、下金型120は、溝121の開口左側部121cを長手方向にかけてS極性に磁化している。つまり、開口右側部121bと開口左側部121cは、下金型120と上金型130を閉状態にした時に紐状部材11を基準として対称の位置となり、異なる極性となるように形成されている。
【0087】
本実施の形態において、上金型130は、溝131の開口右側部131bを長手方向にかけてN極性に磁化している。また、上金型130は、溝131の開口左側部131cを長手方向にかけてS極性に磁化している。つまり、開口右側部131bと開口左側部131cは、下金型120と上金型130を閉状態にした時に紐状部材11を基準として対称の位置となり、異なる極性となるように形成されている。
しかし、この構成に限定されることなく、溝121及び溝131の他の部分を磁化しても良いことはいうまでもない。
【0088】
下金型120と上金型130を組み付け、加熱、加圧工程を経る前に、組み付けた状態で一定の時間をおくと良い。時間をおくことにより、それぞれの磁石切片12の位置がそろうからである。磁石切片12は、充填材11fが軟化しているため、凹み11h内を自由に移動できるが、開口左側部121c、131cのS極性及び開口右側部121b、131bのN極性に影響され位置決めされる。つまり、磁石切片12は、そのN極性の磁極面12a側が、異なる極性である開口左側部121c、131c側を向くように位置決めされる。また、磁石切片12は、そのS極性の磁極面12b側が、異なる極性である開口右側部121b、131b側を向くように位置決めされる。つまり、磁石切片12は、磁石切片12自身が有する極性と、下金型120及び上金型130の有する極性により、凹み11h内での向きが決められる。
【0089】
このように、紐状部材11の内部に設けられた磁石切片12は、上金型130及び下金型120の任意の部分を一定の極性に磁化しておくことにより、上金型130及び下金型120の極性に応じた向きに位置決めすることができる。また、磁石切片12の磁極面12aとその反対側に位置する磁極面12bの極性が異なり、開口左側部121c、131cと開口右側部121b、131bの極性が異なることにより、磁石切片12の向きがより安定した状態で位置決めができる。つまり、磁極面12aのN極性と開口左側部121c、131cのS極性が引き合い、磁極面12bのS極性と開口右側部121b、131bのN極性が引き合うことで、磁石切片12が紐状部材11内で安定した状態で位置決めができる。
【0090】
さらに、本実施の形態においては、開口左側部121c、131cは、S極性に磁化され、開口右側部121b、131bは、S極性に磁化されるように形成されている。しかし、これに限らず、開口右側部121b、131bをS極性に磁化し、開口左側部121c、131cをN極性に磁化しても良い。また、開口右側部121b、131b及び開口左側部121c、131cの長手方向において所定の間隔でN極とS極が交互に連続して磁化されていても良いことは言うまでもない。
【0091】
〔他の実施の形態2〕
図13は、本発明の装飾品の他の実施の形態をあらわす下金型と上金型を組み付けた状態の断面図である。図13に基づき他の実施の形態について説明する。なお、この他の実施の形態では、前述した実施の形態と同一の部位には同一の符号を付与し詳細な説明を省略する。金型は、同様の構成からなる下金型220と上金型230に分離されて構成されている。
【0092】
下金型220は板状のものであり、下金型220の表面には紐状部材11を設置するための溝221が設けられている。溝221は、紐状部材11の長手方向半分が設置できるように、下金型220に形成された細長いくぼみである。溝221の幅は、紐状部材11の幅よりやや小さい寸法になっているとよい。溝221は、断面視略半円形の形状からなり、断面視した紐状部材11の半分と略同一の形状である。溝221は、紐状部材11を設置した際の底となる底部221a並びに紐状部材11を設置した際その両端を抑える開口右側部221b及び開口左側部221cからなる。本実施の形態において、溝221の開口左側部221cと底部221aとの間の略45度の位置に設けられた斜部221tは、長手方向にかけてS極性に磁化している。
【0093】
上金型230は板状のものであり、上金型230の表面には紐状部材11を設置するための溝231が設けられている。溝231は、紐状部材11の長手方向半分が設置できるように、上金型230に形成された細長いくぼみである。溝231の幅は、紐状部材11の幅よりやや小さい寸法になっているとよい。溝231は、断面視略半円形の形状からなり、断面視した紐状部材11の半分と略同一の形状である。溝231は、紐状部材11を設置した際の天井となる天井部231a並びに紐状部材11を設置した際その両端を抑える開口右側部231b及び開口左側部231cからなる。本実施の形態において、溝231の開口右側部231bと天井部231aとの間の略45度の位置に設けられた斜部231tは、長手方向にかけてN極性に磁化している。
【0094】
下金型220及び上金型230により構成される一対の金型は、その長手方向において少なくとも一部が一方の極性に磁化されている。そして、一対の金型内にセットされた紐状部材11を基準として、一方の極性に磁化された位置より対称の位置となる他の一部が他の極性に磁化されている。
【0095】
本実施の形態において、下金型220は、溝221の斜部221tを長手方向にかけてS極性に磁化している。また、上金型230は、溝231の斜部231tを長手方向にかけてN極性に磁化している。つまり、斜部221tと斜部231tは、下金型220と上金型230を閉状態にした時に紐状部材11を基準として対称の位置となり、異なる極性となるように形成されている。しかし、この構成に限定されることなく、溝221及び溝231の他の部分を磁化しても良いことはいうまでもない。
【0096】
下金型220と上金型230を組み付け、加熱、加圧工程を経る前に、組み付けた状態で一定の時間をおくと良い。時間をおくことにより、それぞれの磁石切片12の位置がそろうからである。磁石切片12は、充填材11fが軟化しているため、凹み11h内を自由に移動できるが、斜部221tのS極性及び斜部231tのN極性に影響され位置決めされる。つまり、磁石切片12は、そのN極性の磁極面12a側が、異なる極性である斜部221t側を向くように位置決めされる。また、磁石切片12は、そのS極性の磁極面12b側が、異なる極性である斜部231t側を向くように位置決めされる。つまり、磁石切片12は、磁石切片12自身が有する極性と、下金型220及び上金型230の有する極性により、凹み11h内での向きが決められる。
【0097】
このように、紐状部材11の内部に設けられた磁石切片12は、上金型230及び下金型220の任意の部分を一定の極性に磁化しておくことにより、上金型230及び下金型220の極性に応じた向きに位置決めすることができる。また、磁石切片12の磁極面12aとその反対側に位置する磁極面12bの極性が異なり、斜部221tと開口斜部231tの極性が異なることにより、磁石切片12の向きがより安定した状態で位置決めができる。つまり、磁極面12aのN極性と斜部221tのS極性が引き合い、磁極面12bのS極性と斜部231tのN極性が引き合うことで、磁石切片12が紐状部材11内で安定した状態で位置決めができる。
【0098】
さらに、本実施の形態において、溝221の開口左側部221cと底部221aとの間の略45度の位置に設けられた斜部221tは、長手方向にかけてS極性に磁化している。また、溝231の開口右側部231bと天井部231aとの間の略45度の位置に設けられた斜部231tは、長手方向にかけてN極性に磁化している。しかし、これに限らず、溝221の開口右側部221bと底部221aとの間の略45度の位置を長手方向にかけてS極性に磁化してもよい。また、溝231の開口左側部231cと天井部231aとの間の略45度の位置を長手方向にかけてN極性に磁化してもよい。また、金型を磁化する角度を45度の角度に限定することなく、他の角度にすることにより、磁石切片12の位置決めをしても良いことはいうまでもない。
【0099】
〔他の実施の形態3〕
図14は、本発明の装飾品の他の実施の形態3を適用した連結状態のネックレス301を示した外観図である。図15は、非連結状態のネックレス301の正面図である。図14に基づき他の実施の形態3について説明する。他の実施の形態3では、前述した実施の形態と同一の部位には同一の符号を付与し詳細な説明を省略する。
【0100】
紐状部材311は、その内部の軸方向に所定の間隔で一又は複数の磁石切片312が設けられている。本実施の形態において、磁石切片312は、楕円形に形成された2つの磁極面312a、312bと、略円筒形状に形成された側面からなる楕円柱の形状により構成されている。
【0101】
磁極面312a、312bを構成する長辺は、本体部310を断面視した円形の直径の長さより短くすると良い。2つ磁極面312a、312bを結ぶ側面である円筒形状の高さは、本体部310を断面視した円形の直径の長さより短くすると良い。本実施の形態では、磁石切片312は、略楕円柱形状により構成されていることで説明を行っているが、他の形態で構成されていても良いことはいうまでもない。例えば、円柱であっても良いことはいうまでもない。
【0102】
磁石切片312は、軟質なシリコーン樹脂で構成されている。なお、本実施の形態では、磁石切片312は、シリコーン樹脂で形成されているとして説明を行っているが、軟質な弾性変形可能な材料、例えば、軟質なウレタン樹脂等の軟質な合成樹脂、エラストマー等で形成されたものであってもよい。
【0103】
磁石切片312には、磁石が練り込まれ分散されている。磁石は、細かく粉末状にされた磁石であり、例えば、粉末状にされたフェライト磁石である。なお、本実施の形態では、フェライト磁石で説明を行っているが、磁石であれば他の種類(例えば、アルニコ磁石、ネオジム磁石)のものであっても良い。
【0104】
また、磁石切片312におけるフェライト磁石とシリコーン樹脂とは、所定の混合比率(例えば、フェライト磁石が80〜95質量%、シリコーン樹脂が5〜20質量%)で混合されている。なお、この混合比率は、表面磁束密度が0.2テスラ(2000ガウス)を超えない範囲内で変更しても良い。
【0105】
本実施の形態において、磁石切片312は、所定の間隔でそれぞれ別々に紐状部材11の外周面側の方向に向くように一又は複数設けられている。つまり、図14に示すように、複数の磁石切片312の磁極面312aは、それぞれが別々の紐状部材11の外周面側の方向に向くように設けられており、同様に磁石面312bも、それぞれが別々に紐状部材11の外周面側の方向に向くように設けられております。磁極面312a側は、全体がN極性に磁化され、磁極面312aの反対側に位置する磁極面312b側は、全体がS極性に磁化されている。
【0106】
本実施の形態においては、磁石切片312は、フェライト磁石が分散されていることにより磁化されている。例えば、磁石切片312は、磁化されたフェライト磁石を磁石切片312の材料であるシリコーン樹脂等に練り込む。次に、押出成形機等で押出成形等することにより長尺の板状体を構成する。次に、長尺の板状体に機械的圧力をかける機械配向、又は、磁場コイルを使用して配向する磁場中成形等の方法によりフェライト磁石の粒子を1方向に並べることにより磁化させる。最後に、磁化された長尺の板状体を適宜の楕円形状大きさに切断することで磁石切片312を形成すると良い。
【0107】
また、磁石切片312は、磁化されていないフェライトを磁石切片312の材料であるシリコーン樹脂等に練り込む。次に、金型周囲に磁場コイルを配置し、或は、金型自体を磁化した押出成形機等で押出成形等することにより長尺の板状体を構成しながら、着磁することにより磁化させる。最後に、磁化された長尺の板状体を適宜の大きさに切断することで磁石切片312を形成すると良い。
【0108】
本実施の形態において、本体部310を構成する紐状部材311は、紐状に、長手方向に延びた形状の中実体であり、断面視略円形に形成されている。また、紐状部材311の内部の軸方向には、所定の間隔で磁石切片312が一又は複数設けられている。磁石切片312は、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂等により構成されており、これを加熱、加圧処理することにより紐状部材311と一体的に結合されている。このように、紐状部材311と磁石切片312が結合されることにより構成された本体部310は、磁界の向きが複雑になり、健康促進効果がより期待できる。なお、磁極面312a、312bの表面に、接着剤を塗布して本体部310と結合させても良いことはいうまでもない。
【0109】
図15に示すように、本実施の形態において、磁極面312a側は、その全体がN極性に磁化されている。また、磁極面312b側は、その全体がS極性に磁化されている。つまり、磁石切片312の一の面を構成する磁極面312aと、その反対側に位置する他の面を構成する磁極面312bとは、異なる極性で磁化されている。
【0110】
本実施の形態において、磁石切片312は、それぞれ別々に紐状部材11の外周面側の方向に向けて一又は複数設けられている。つまり、複数の磁石切片312のそれぞれの磁極面312aと磁石面312bは、それぞれ別々に紐状部材11の外周面側の方向に向けて設けられているため、形成される磁界は、それぞれの磁極面312a、312bの向きに応じて形成される。このように、それぞれの磁石切片312をさまざまな方向に向くように構成することにより、さまざまな向きに磁界が形成され身体に与える影響度を向上させ、さらなる健康増進向上を図ることができる。
【0111】
磁石切片312をそれぞれ別々に紐状部材11の外周面側の方向に向けるためには、下金型及び上金型により構成される一対の金型は、その長手方向において少なくとも一部が一方の極性に磁化されているとよい。本実施の形態において、一対の金型は、一対の金型内にセットされた紐状部材に入れられた、一の磁石切片312を基準として、一方の極性に磁化された一部と、一方の極性に磁化された一部と対称の位置となる他の一部が他の極性に磁化された位置決め磁石が設けられている。
【0112】
本実施の形態において、ネックレス301は、一方の極性と他の極性から構成された位置決め磁石が、一対の金型の長手方向にかけて一定の間隔で複数設けられている金型により形成されている。また、金型に複数設けられた位置決め磁石は、一定の方向にそろえる必要はなく、磁石切片312がさまざまな方向に向くようにあらゆる向きに設けられている。このように位置決め磁石を設けることで、磁石切片312がさまざまな方向に向くように構成される。
【0113】
ネックレス301の磁石切片312の断面より発せられる磁界は、磁力線がN極よりS極に向かい放出している。つまり、磁石切片312は、本体部310の内部の軸方向に複数設けられ、それぞれの磁極面312aから、磁極面312bにかけて磁界が形成される。このように本体部310は、磁石切片312が設けられた複数の箇所から、磁界がさまざまな位置から発生している。また、複数設けられた磁石切片312は、隣接する磁石切片312同士で互いに干渉しあい、磁界の向きが複雑に交差している。さらに、本体部310に設けられた複数の磁石切片312は、それぞれが、さまざまな方向に向いているため、磁界の向きもそれに伴いが形成されている。これらのことから身体に与える影響度を向上させ、さらなる健康増進向上を図ることができる。
【0114】
本体部310の外周面には、この製品、製造元、販売元などのロゴ、飾りなどの美的、デザイン的に優れたデザインが形成しても良い。また、本体部310に、所定の色彩を付し美的効果を持たせても良く、或は、本体部310自身が透けて見えるように透明性を持たせても良い。本体部310に透明性をもたせた場合には、内部に設けた磁石切片312に一定の形状(例えば、星形やハート型等。)や色彩を施し、装飾性をさらに設けても良い。本体部310は、透明性を持たせることにより、その内容物が目視でき装飾効果が向上する。
【0115】
以上、本発明の装飾品及び装飾品の製造方法の実施の形態の説明を行ったが、本発明はこの実施の形態に限定されることはない。本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内で変更ができることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の装飾品(ネックレス)を連結した状態の外観図である。
【図2】非連結状態の装飾品(ネックレス)の正面図である。
【図3】図2をA−A線で切断した断面図である。
【図4】図3の装飾品(ネックレス)から発せられる磁力線の流れを模式的に示す説明図である。
【図5】本発明の装飾品の製造方法の製造工程を示すフロー図である。
【図6】金型の平面図である。
【図7】図6をB−B線で切断した断面図である。
【図8】金型に本体部を設置した状態を示す部分平面図である。
【図9】図8をC−C線に沿って一部を切断して示した部分断面図である
【図10】図9をD−D線に沿って一部を切断した断面図である。
【図11】図10において、凹みにシリコーン樹脂を充填した状態の断面図を示す。
【図12】本発明の装飾品の他の実施の形態をあらわす下金型と上金型を組み付けた状態の断面図である。
【図13】本発明の他の実施の形態を適用した装飾品(ネックレス)を連結した状態の斜視図である。
【図14】本発明を他の実施の形態を適用した適用した(ネックレス)の一部正面図である。
【図15】非連結状態の他の実施の形態を適用した装飾品(ネックレス)の正面図である。
【符号の説明】
【0117】
1 … ネックレス
10 … 本体部
11 … 紐状部材
12 … 磁石切片
12a … 磁極面
12b … 磁極面
13 … 連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体に装着可能な装飾品(1)において、
軟質な材料で、長手方向に延びるように形成された紐状部材(11)と、
前記紐状部材の内部に一又は複数設けられ、一方の面を一方の極性に、前記一方の面の反対側の他方の面を他方の極性とする磁石を含有する切片(12)と、
前記装飾品本体の長手方向の両端に設けられ、前記装飾品本体を輪状に連結するための連結部(13)とからなり、
前記切片(12)は、前記一方の面及び/又は前記他方の面が前記紐状部材の外周面側を向いている
ことを特徴とする装飾品。
【請求項2】
請求項1に記載された装飾品において、
前記紐状部材は、少なくとも一部が前記紐状部材の内部を見ることができる透明又は半透明に形成されているものである
ことを特徴とする装飾品。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された装飾品において、
前記紐状部材は、前記切片を内部に配置後、所定の温度、圧力で加熱、加圧処理することで、一体化させるものである
ことを特徴とする装飾品。
【請求項4】
請求項3に記載された装飾品において、
前記軟質な材料は、シリコーン樹脂である
ことを特徴とする装飾品。
【請求項5】
身体に装着可能な装飾品を製造する方法であって、
軟質な材料に磁石を練り込み、長手方向に延ばして、前記長手方向と平行な一方の面と他方の面を有する板状部材を成形する工程(101、102)と、
前記板状部材の前記一方の面を一方の極性に、前記板状部材の前記他方の面を他方の極性に磁化する工程(103)と、
前記板状部材を切断し、一方の面を一方の極性に、他方の面を他方の極性に磁化させた前記切片を成形する工程(104)と、
軟質な材料を長手方向に延ばして、前記長手方向に凹みが形成された紐状部材を成形する工程(105、106)と、
開状態の一対の金型内に、前記紐状部材をセットする工程(107)と、
前記紐状部材の凹みに、前記切片を、前記一方の面又は前記他方の面が前記紐状部材の外周面側を向くように配置する工程(108)と、
前記凹みに軟質な材料を充填する工程(109)と、
前記一対の金型を閉状態にするとともに、前記紐状部材を所定の温度、圧力に加熱、加圧処理し、一体化して結合する工程(110、111)と、
からなる装飾品の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の装飾品の製造方法において、
前記一対の金型は、少なくとも一部が所定の極性に磁化されているものであり、
前記切片を配置する工程は、磁化された金型内で行う工程である
ことを特徴とする装飾品の製造方法。
【請求項7】
請求項5に記載の装飾品の製造方法において、
前記一対の金型は、少なくとも一部が一方の極性に磁化された第一極性部と、
前記一対の金型内にセットされた紐状部材を基準として、前記第一極性部に対して対称の位置となる他の一部が他の極性に磁化された第二極性部とからなり、
前記切片を配置する工程は、前記第一極性部と前記第二極性部が設けられた一対の金型内で行う工程である
ことを特徴とする装飾品の製造方法。
【請求項8】
請求項5に記載の装飾品の製造方法において、
前記一対の金型は、少なくとも一部が一方の極性に磁化された第一極性部と、
前記一対の金型内にセットされた紐状部材の溝に配置された前記切片を基準として、前記第一極性部に対して対称の位置となる他の一部が他の極性に磁化された第二極性部とからなり、
前記切片を配置する工程は、前記第一極性部と前記第二極性部が設けられた一対の金型内で行う工程である
ことを特徴とする装飾品の製造方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の装飾品の製造方法において、
前記第一極性部及び前記第二極性部は、前記一対の金型の長手方向に一又は複数設けられた
ことを特徴とする装飾品の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate