装飾用シート
【課題】製造が容易であって、人の手脂等の汚れが付着しても装飾効果が低下し難く、傷つき難い装飾用シートを提供しようとする。
【解決手段】樹脂フィルム１の平滑な表面に剥離剤層４を形成し、該剥離剤層上に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を転写した凹凸層５を形成し、該凹凸層の表面に光反射層６を形成し、該光反射層上に接着層７を形成した装飾用シート１であって、前記した接着層により装飾対象物に接着した後に前記剥離層から樹脂フィルムを剥離除去して凹凸層と光反射層を装飾対象物側に残し、光反射層で反射して凹凸層により屈折した光により装飾対象物を装飾可能とした。
【解決手段】樹脂フィルム１の平滑な表面に剥離剤層４を形成し、該剥離剤層上に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を転写した凹凸層５を形成し、該凹凸層の表面に光反射層６を形成し、該光反射層上に接着層７を形成した装飾用シート１であって、前記した接着層により装飾対象物に接着した後に前記剥離層から樹脂フィルムを剥離除去して凹凸層と光反射層を装飾対象物側に残し、光反射層で反射して凹凸層により屈折した光により装飾対象物を装飾可能とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、装飾対象物の表面に接着して該装飾対象物をホログラム等の光輝装飾を行う装飾用シートに関する。
【背景技術】
【０００２】
物の表面を装飾する装飾シートとしては、基材シートの一方の面にプライマー層を形成し、該プライマー層の表面に、ホログラム等の微細凹凸形状を有する凹凸形成層を形成し、この凹凸形成層の表面に反射層を剥離可能な状態で形成し、反射層の上に接着層を形成した表面装飾用転写シートが提案されている（特許文献１）。
そして、この表面装飾用転写シートを使用して装飾する場合には、プラスチック成型品などの装飾対象物の表面に、接着層により前記装飾用シートを接着し、その後、基材シートを剥離して装飾対象物の表面に、微細凹凸形状に形成された反射層を転写する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００４−３５８９２５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
前記した従来の表面装飾用転写シートを使用して装飾対象物を装飾すると、転写した後の装飾対象物の表面に、ホログラムなどの微細凹凸形状が露出した状態となり、この微細凹凸形状によって反射層の反射光がホログラム特有の色彩や像を出現して装飾効果を発揮することとなり、手軽に装飾効果を奏する点においては利点がある。ところが、微細凹凸形状が装飾対象物の表面に露出しているために、人間の手の脂などが付着すると微細凹凸が埋まってしまい、色彩や像が消失したり、あるいは微細凹凸が損傷し易いなどの欠点があった。
また、従来の表面装飾用転写シートは、プライマー層の表面に、ホログラム等の微細凹凸形状を有する凹凸形成層を形成する作業が煩雑であるためにコスト低減が困難であり、安価に提供し難かった。
【０００５】
本発明は、前記した事情に鑑み提案されたもので、その目的は、製造が容易であって、人の手脂等の汚れが付着しても装飾効果が低下し難く、傷つき難い装飾用シートを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、前記した目的を達成するために提案されたものであり、請求項１に記載のものは、樹脂フィルムの平滑な表面に剥離剤層を形成し、該剥離剤層上に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を転写した凹凸層を形成し、該凹凸層の表面に光反射層を形成し、該光反射層上に接着層を形成した装飾用シートであって、
前記した接着層により装飾対象物に接着した後に前記剥離層から樹脂フィルムを剥離除去して凹凸層と光反射層を装飾対象物側に残し、光反射層で反射して凹凸層により屈折した光により装飾対象物を装飾可能としたことを特徴とする装飾用シートである。
【０００７】
請求項２に記載のものは、透光性を有する樹脂フィルムの表面に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を形成した凹凸層を形成し、該凹凸層の表面に光反射層を形成し、該光反射層上に接着層を形成した装飾用シートであって、
前記した接着層により装飾対象物に接着して、前記光反射層で反射して凹凸層により屈折した光により装飾対象物を装飾可能としたことを特徴とする装飾用シートである。
【０００８】
請求項３に記載のものは、光硬化樹脂を部分的に塗布して前記凹凸層を樹脂フィルムの一部分に形成し、装飾対象物の一部分を装飾可能としたことを特徴とする請求項１または２に記載の装飾用シートである。
【０００９】
請求項４に記載のものは、前記した微細凹凸がホログラム構造の凹凸であることを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の装飾シートである。
【００１０】
請求項５に記載のものは、前記した光反射層がアルミニウム等の金属を蒸着してなる金属蒸着層であることを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の装飾シートである。
【００１１】
請求項６に記載のものは、透光性を有する前記樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に印刷を施し、この樹脂フィルムの表面に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を形成した凹凸層を形成したことを特徴とする請求項２に記載の装飾用シートである。
【００１２】
請求項７に記載のものは、印刷を施した前記樹脂フィルムの印刷面に、前記微細凹凸を形成した凹凸層を形成したことを特徴とする請求項６に記載の装飾用シートである。
【発明の効果】
【００１３】
請求項１に記載のものによれば、樹脂フィルムの平滑な表面に剥離剤層を形成し、該剥離剤層上に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を転写した凹凸層を形成し、該凹凸層の表面に光反射層を形成し、該光反射層上に接着層を形成したので、前記した接着層により装飾対象物に接着した後に前記剥離層から樹脂フィルムを剥離除去して凹凸層と光反射層を装飾対象物側に残すことができ、しかも、凹凸層の平滑な表面が露出し、この平滑な表面の奥（内部）に微細凹凸が存在し、この微細凹凸の奥に光反射層が存在するので、装飾対象物に光が当たると、この光は凹凸層を通って光反射層で反射し、反射した光は凹凸層により屈折してキラキラした光輝性装飾効果を発揮する。このため、装飾用シートは装飾対象物の表面に貼って樹脂フィルムを剥すだけで、キラキラと輝く装飾を簡単に施すことができる。そして、装飾を施した後は、凹凸層の平滑な表面が露出して微細凹凸は内部に存在するので、手の脂や汚れが付着したとしても微細凹凸が手油や汚れで埋められて装飾効果を喪失する不都合がなく、また、微細凹凸が傷付く不都合も減少させることができる。さらに、装飾用シートにより装飾した装飾対象物を廃棄する場合、その表面に残された凹凸層の樹脂は薄いので、焼却処理に支障を来すこともなく、「燃えるゴミ」として廃棄することができる。さらに、露出する表面が平滑なので、印刷や箔押しなどの後加工も容易に行うことができる。
【００１４】
請求項２に記載の発明によれば、透光性を有する樹脂フィルムの表面に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を形成した凹凸層を形成し、該凹凸層の表面に光反射層を形成し、該光反射層上に接着層を形成したので、装飾対象物に接着すると、樹脂フィルムが最も外側に露出して凹凸層のホログラム構造の微細凹凸がその内部に存在し、この微細凹凸の奥に光反射層が存在する。したがって、装飾対象物に光が当たると、前記光反射層で反射して凹凸層により屈折した光により装飾対象物をキラキラと輝く光で装飾することができる。このため、装飾用シートは装飾対象物の表面に貼るだけで、キラキラと輝くホログラムが見える装飾を簡単に施すことができ、貼った後は、樹脂フィルムが表面が露出して微細凹凸は内部に存在するので、手の脂や汚れが付着したとしても微細凹凸が手油や汚れで埋められて装飾効果を低下する不都合がないことは勿論のこと、樹脂フィルムの保護により傷付くことも防止できる。
【００１５】
請求項３に記載のものは、光硬化樹脂を部分的に塗布して前記凹凸層を樹脂フィルムの一部分に形成し、装飾対象物の一部分を装飾可能としたので、装飾により強調したい部分とのコントラストをつけることができる。
【００１６】
請求項４に記載のものは、微細凹凸がホログラム構造の凹凸で構成されているので、ホログラム特有の装飾効果を発揮させることができ、また、ホログラム特有のセキュリティー効果も期待することができる。
【００１７】
請求項５に記載のものは、光反射層がアルミニウム等の金属を蒸着してなる金属蒸着層で構成されているので、光反射層を簡単な作業で形成することができ、しかも効率の高い光の反射を期待することができる。
【００１８】
請求項６に記載のものは、透光性を有する前記樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に印刷を施し、この樹脂フィルムの表面に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を形成した凹凸層を形成したので、光の反射による装飾効果に加えて印刷による装飾効果を加えることができ、装飾効果を一層高めることができる。
【００１９】
請求項７に記載のものは、印刷を施した前記樹脂フィルムの印刷面に、前記微細凹凸を形成した凹凸層を形成したので、印刷が磨耗で薄くなったり消失することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】（ａ）は装飾用シートの接着前における断面図、（ｂ）は装飾対象物に接着して樹脂フィルムを剥離除去した状態の断面図である。
【図２】（ａ）は装飾用シートの接着前における断面図、（ｂ）は装飾対象物に接着した状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２１】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図１に示す装飾用シート１は、プラスチック成型品やポスターなどの装飾対象物２の表面に転写して使用するタイプのものであり、樹脂フィルム３の平滑な表面に剥離剤を塗布することにより剥離剤層４を形成し、該剥離剤層４上に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を転写した凹凸層５を形成し、該凹凸層５の表面にアルミニウム等の金属を蒸着して前記微細凹凸の形状に応じて微細に光反射層６を形成し、該光反射層６上に接着層７を形成したものである。
【００２２】
樹脂フィルム３は、基材シートとして機能するものであり、例えば、PET（ポリエチレンテレフタレート）、ＰＰ（ポリプロピレン）、ＰＳ（ポロスチロール）、ＰＣ（ポリカーボネート）、フィルムなどを使用することができる。そして、この樹脂フィルム３の一方の表面に剥離剤を塗布することにより剥離剤層４を形成する。
【００２３】
剥離剤は、後述する凹凸層５が前記樹脂フィルム３の表面から円滑に剥離させる機能を備えていればどのような成分でもよいが、代表的なものとしては、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、界面活性剤などを挙げることができる。
【００２４】
剥離剤層４の表面に微細凹凸を転写して凹凸層５を形成するには、先ず、樹脂フィルム３上に、例えば、紫外線硬化樹脂などの光硬化性樹脂を塗布し、この塗布面に転写フィルム、例えば、表面に予めホログラム構造の微細凹凸を形成してある透光性転写フィルムを被覆して前記微細凹凸を紫外線硬化樹脂塗布面に密着させ、この密着重合状態で紫外線ランプの紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化し、その後に転写フィルムを剥がして樹脂フィルム３の剥離剤層４上に微細凹凸を転写した凹凸層５を形成する。
【００２５】
なお、前記した転写フィルムは、無端環状にしてローラー間に張設して回転移動するので、硬化した凹凸層５から剥離してからは重合位置まで戻して次の再度紫外線硬化樹脂塗布面に密着させることにより繰り返し使用することができる。そして、微細凹凸は、ホログラム構造の凹凸に限定されるものではなく、装飾性のある凹凸であればエンボス、ヘアーライン、その他の適宜な回折格子などでもよい。この様に、光硬化樹脂に転写フィルムの凹凸を転写する前記製造方法を採ると、通常市販されている平滑表面を有する樹脂フィルムを使用して凹凸層５を簡単に形成して装飾用シート１とすることができ、製造が容易であるばかりでなく、製造コストの低減にも寄与する。なお、後述するように、樹脂フィルム３は、使用した後は装飾対象物から剥離するので、再利用が可能であり、この点においても経済的である。
【００２６】
次に、光反射層６について説明する。
光反射層６は、前記した凹凸層５の凹凸形状に密着した状態で各凹凸の表面に鏡のような反射機能（光輝性）を付与する層であり、具体的には、アルミニウムや酸化チタン、硫化亜鉛などの金属を蒸着させた光輝層である。なお、金属蒸着層は、微細な凹凸であっても高い精度で同じ厚みの薄膜として被覆できるので、微細凹凸の形状を高い精度で維持することができ、ホログラム等の解像度を低下させるおそれがない。また、光反射層６は、光を反射する機能を備えていればどのような構成でも良く、例えば、硫化亜鉛で構成したり、透明な薄膜で全反射させてもよい。
【００２７】
光反射層６を形成したならば、次に、この光反射層６の表面に粘着剤を塗布して接着層７を形成する。なお、この接着層７には、使用するまでの間、剥離容易な台紙を貼り付けておくことが望ましい。
【００２８】
前記した構成からなる装飾用シート１を使用する場合には、台紙から剥がして装飾対象物２の表面に接着層７を押し当てて貼り付け、シート全面をローラーで押圧するなどして確実に接着させ、その後に樹脂フィルム３を剥離剤層４を境にして剥離除去して凹凸層５と光反射層６を装飾対象物２側に残す。なお、装飾用転写シートを確実に接着することができれば、どのような装飾対象物２でもよく、平面に限定されるものではなく、曲面部分に接着しても良い。例えば、曲面を有するプラスチック成型品でもよいし、あるいは曲面を有する飲料用缶でもよい。
【００２９】
この様にして装飾対象物２の表面に装飾用シート１を貼り付け樹脂フィルム３を剥離除去すると、凹凸層５の平滑な表面が露出し、この平滑な表面の奥（内部）にホログラム構造の微細凹凸が存在し、この微細凹凸の奥に光反射層６が存在する。したがって、装飾対象物２に光が当たると、この光は凹凸層５を通って光反射層６で反射し、反射した光が凹凸層５により屈折してホログラム様のキラキラした光輝性装飾効果を発揮する。このため、この装飾用シート１は、装飾対象物２の表面に貼って樹脂フィルム３を剥す操作を行うだけで、キラキラと輝くホログラムによる装飾を簡単に施すことができる。
そして、装飾を施した後は、凹凸層５の平滑な表面が露出して微細凹凸は内部に存在するので、手の脂や汚れが付着したとしても微細凹凸が手脂や汚れで埋められてホログラム装飾効果を喪失する不都合がなく、また、微細凹凸が傷付く不都合も減少させることができる。また、前記した装飾用シート１により装飾した装飾対象物２を廃棄する場合、その表面に残された凹凸層５の樹脂は薄いので、焼却処理に支障を来すこともなく、燃えるゴミとして廃棄することができる。さらに、露出する表面が平滑なので、印刷や箔押しなどの後加工も容易に行うことができる。
【００３０】
前記した装飾用シート１は、装飾対象物２に接着してから樹脂フィルム３を剥離除去する転写タイプであるが、後述するように、前記したものから剥離剤層４を省略して、樹脂フィルム３をそのまま残しておくようにしてもよい。
【００３１】
図２に示す装飾用シート１´は、装飾対象物２´に貼着したまま使用するものであり、透光性を有する樹脂フィルム３´の表面に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を形成した凹凸層５´を形成し、該凹凸層５´の表面に光反射層６´を形成し、該光反射層６´上に接着層７´を形成したものである。そして、樹脂フィルム３´は、前記したものとは異なり残されるので、予め樹脂フィルム３´の表面に、装飾効果や意匠性を高めるために印刷を施し、この樹脂フィルム３´の表面に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を形成した凹凸層５´を形成してもよい。なお、凹凸層５´は、印刷インク８が磨耗しないので樹脂フィルム３´の印刷面に形成することが望ましいが、反対側の非印刷面でもよい。
【００３２】
前記した構成からなる装飾用シート１´を使用する場合には、装飾対象物２´の表面に接着層７を押し当てて貼り付け、シート全面をローラーで押圧するなどして確実に接着し、前記したものとは異なり、樹脂フィルム３´もそのまま凹凸層５´や光反射層６´と共に装飾対象物２´側に残す。なお、この装飾用シート１´を確実に接着することができれば、どのような装飾対象物２´でもよく、平面に限定されるものではなく、曲面部分に接着しても良い。装飾対象物２´の曲面部分に装飾用シート１´を貼着して装飾する場合、例えば、ペットボトルに装飾用シート１´を巻き付けて装飾する場合、樹脂フィルム３´にシュリンク機能を備えたもの（シュリンクフィルム）を使用することが望ましい。そのようにすると、ペットボトルに装飾用シート１´を巻き付けた状態で加熱することにより収縮させて、形状が瓢箪形などの曲面形状であってもボトルの形状にフィットさせることができ、一層体裁の良く装飾できる。
【００３３】
この様にして装飾対象物２´の表面に装飾用シート１´を接着すると、樹脂フィルム３´が最も外側に露出して凹凸層５´のホログラム構造の微細凹凸がその内部に存在し、この微細凹凸の奥に光反射層６´が存在する。したがって、装飾対象物２´に光が当たると、この光は透光性を有する樹脂フィルム３´から凹凸層５´を通って光反射層６´で反射し、反射した光が凹凸層５´により屈折してホログラム様のキラキラした光輝性装飾効果を発揮する。このため、装飾用シート１´は装飾対象物２´の表面に貼るだけで、キラキラと輝くホログラムが見える装飾を簡単に施すことができる。
そして、貼った後は、樹脂フィルム３´が表面に露出して内部に存在する微細凹凸を保護するので、手の脂や汚れが付着したとしても微細凹凸が手油や汚れで埋められてホログラム装飾効果を喪失する不都合がないことは勿論のこと、樹脂フィルム３´の保護により傷付くことも防止できる。また、樹脂フィルム３´の印刷面に凹凸層５´を形成すると、印刷部分の改ざんを防止でき、また、ホログラムによる偽造防止効果もあり、優れたセキュリティーを期待することができ、偽造防止シールの機能を発揮できる。
【００３４】
また、本発明に係る装飾用シート１，１´は、前記した第１および第２のいずれの実施形態においても光硬化樹脂を樹脂フィルム３，３´の全面ではなくて部分的に、すなわち、予め設定した所定の部分にのみ塗布して、前記凹凸層５，５´を樹脂フィルム３，３´の一部分に形成し、装飾用シート１，１´を接着した全面ではなくて凹凸層５，５´を形成した装飾対象物２，２´の一部分のみをホログラム模様が見える装飾とすることができる。したがって、例えば、ポスターを装飾対象物２とした場合に、このポスターで強調したい部分（文字など）にのみ凹凸層５，５´が重なるように設定し、コントラストを付けるように構成してもよい。
【符号の説明】
【００３５】
１，１´…装飾用シート、２，２´…装飾対象物、３，３´…樹脂フィルム、４，４´…剥離剤層、５，５´…凹凸層、６，６´…光反射層、７，７´…接着層、８…印刷インク
【技術分野】
【０００１】
本発明は、装飾対象物の表面に接着して該装飾対象物をホログラム等の光輝装飾を行う装飾用シートに関する。
【背景技術】
【０００２】
物の表面を装飾する装飾シートとしては、基材シートの一方の面にプライマー層を形成し、該プライマー層の表面に、ホログラム等の微細凹凸形状を有する凹凸形成層を形成し、この凹凸形成層の表面に反射層を剥離可能な状態で形成し、反射層の上に接着層を形成した表面装飾用転写シートが提案されている（特許文献１）。
そして、この表面装飾用転写シートを使用して装飾する場合には、プラスチック成型品などの装飾対象物の表面に、接着層により前記装飾用シートを接着し、その後、基材シートを剥離して装飾対象物の表面に、微細凹凸形状に形成された反射層を転写する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００４−３５８９２５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
前記した従来の表面装飾用転写シートを使用して装飾対象物を装飾すると、転写した後の装飾対象物の表面に、ホログラムなどの微細凹凸形状が露出した状態となり、この微細凹凸形状によって反射層の反射光がホログラム特有の色彩や像を出現して装飾効果を発揮することとなり、手軽に装飾効果を奏する点においては利点がある。ところが、微細凹凸形状が装飾対象物の表面に露出しているために、人間の手の脂などが付着すると微細凹凸が埋まってしまい、色彩や像が消失したり、あるいは微細凹凸が損傷し易いなどの欠点があった。
また、従来の表面装飾用転写シートは、プライマー層の表面に、ホログラム等の微細凹凸形状を有する凹凸形成層を形成する作業が煩雑であるためにコスト低減が困難であり、安価に提供し難かった。
【０００５】
本発明は、前記した事情に鑑み提案されたもので、その目的は、製造が容易であって、人の手脂等の汚れが付着しても装飾効果が低下し難く、傷つき難い装飾用シートを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、前記した目的を達成するために提案されたものであり、請求項１に記載のものは、樹脂フィルムの平滑な表面に剥離剤層を形成し、該剥離剤層上に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を転写した凹凸層を形成し、該凹凸層の表面に光反射層を形成し、該光反射層上に接着層を形成した装飾用シートであって、
前記した接着層により装飾対象物に接着した後に前記剥離層から樹脂フィルムを剥離除去して凹凸層と光反射層を装飾対象物側に残し、光反射層で反射して凹凸層により屈折した光により装飾対象物を装飾可能としたことを特徴とする装飾用シートである。
【０００７】
請求項２に記載のものは、透光性を有する樹脂フィルムの表面に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を形成した凹凸層を形成し、該凹凸層の表面に光反射層を形成し、該光反射層上に接着層を形成した装飾用シートであって、
前記した接着層により装飾対象物に接着して、前記光反射層で反射して凹凸層により屈折した光により装飾対象物を装飾可能としたことを特徴とする装飾用シートである。
【０００８】
請求項３に記載のものは、光硬化樹脂を部分的に塗布して前記凹凸層を樹脂フィルムの一部分に形成し、装飾対象物の一部分を装飾可能としたことを特徴とする請求項１または２に記載の装飾用シートである。
【０００９】
請求項４に記載のものは、前記した微細凹凸がホログラム構造の凹凸であることを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の装飾シートである。
【００１０】
請求項５に記載のものは、前記した光反射層がアルミニウム等の金属を蒸着してなる金属蒸着層であることを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の装飾シートである。
【００１１】
請求項６に記載のものは、透光性を有する前記樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に印刷を施し、この樹脂フィルムの表面に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を形成した凹凸層を形成したことを特徴とする請求項２に記載の装飾用シートである。
【００１２】
請求項７に記載のものは、印刷を施した前記樹脂フィルムの印刷面に、前記微細凹凸を形成した凹凸層を形成したことを特徴とする請求項６に記載の装飾用シートである。
【発明の効果】
【００１３】
請求項１に記載のものによれば、樹脂フィルムの平滑な表面に剥離剤層を形成し、該剥離剤層上に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を転写した凹凸層を形成し、該凹凸層の表面に光反射層を形成し、該光反射層上に接着層を形成したので、前記した接着層により装飾対象物に接着した後に前記剥離層から樹脂フィルムを剥離除去して凹凸層と光反射層を装飾対象物側に残すことができ、しかも、凹凸層の平滑な表面が露出し、この平滑な表面の奥（内部）に微細凹凸が存在し、この微細凹凸の奥に光反射層が存在するので、装飾対象物に光が当たると、この光は凹凸層を通って光反射層で反射し、反射した光は凹凸層により屈折してキラキラした光輝性装飾効果を発揮する。このため、装飾用シートは装飾対象物の表面に貼って樹脂フィルムを剥すだけで、キラキラと輝く装飾を簡単に施すことができる。そして、装飾を施した後は、凹凸層の平滑な表面が露出して微細凹凸は内部に存在するので、手の脂や汚れが付着したとしても微細凹凸が手油や汚れで埋められて装飾効果を喪失する不都合がなく、また、微細凹凸が傷付く不都合も減少させることができる。さらに、装飾用シートにより装飾した装飾対象物を廃棄する場合、その表面に残された凹凸層の樹脂は薄いので、焼却処理に支障を来すこともなく、「燃えるゴミ」として廃棄することができる。さらに、露出する表面が平滑なので、印刷や箔押しなどの後加工も容易に行うことができる。
【００１４】
請求項２に記載の発明によれば、透光性を有する樹脂フィルムの表面に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を形成した凹凸層を形成し、該凹凸層の表面に光反射層を形成し、該光反射層上に接着層を形成したので、装飾対象物に接着すると、樹脂フィルムが最も外側に露出して凹凸層のホログラム構造の微細凹凸がその内部に存在し、この微細凹凸の奥に光反射層が存在する。したがって、装飾対象物に光が当たると、前記光反射層で反射して凹凸層により屈折した光により装飾対象物をキラキラと輝く光で装飾することができる。このため、装飾用シートは装飾対象物の表面に貼るだけで、キラキラと輝くホログラムが見える装飾を簡単に施すことができ、貼った後は、樹脂フィルムが表面が露出して微細凹凸は内部に存在するので、手の脂や汚れが付着したとしても微細凹凸が手油や汚れで埋められて装飾効果を低下する不都合がないことは勿論のこと、樹脂フィルムの保護により傷付くことも防止できる。
【００１５】
請求項３に記載のものは、光硬化樹脂を部分的に塗布して前記凹凸層を樹脂フィルムの一部分に形成し、装飾対象物の一部分を装飾可能としたので、装飾により強調したい部分とのコントラストをつけることができる。
【００１６】
請求項４に記載のものは、微細凹凸がホログラム構造の凹凸で構成されているので、ホログラム特有の装飾効果を発揮させることができ、また、ホログラム特有のセキュリティー効果も期待することができる。
【００１７】
請求項５に記載のものは、光反射層がアルミニウム等の金属を蒸着してなる金属蒸着層で構成されているので、光反射層を簡単な作業で形成することができ、しかも効率の高い光の反射を期待することができる。
【００１８】
請求項６に記載のものは、透光性を有する前記樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に印刷を施し、この樹脂フィルムの表面に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を形成した凹凸層を形成したので、光の反射による装飾効果に加えて印刷による装飾効果を加えることができ、装飾効果を一層高めることができる。
【００１９】
請求項７に記載のものは、印刷を施した前記樹脂フィルムの印刷面に、前記微細凹凸を形成した凹凸層を形成したので、印刷が磨耗で薄くなったり消失することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】（ａ）は装飾用シートの接着前における断面図、（ｂ）は装飾対象物に接着して樹脂フィルムを剥離除去した状態の断面図である。
【図２】（ａ）は装飾用シートの接着前における断面図、（ｂ）は装飾対象物に接着した状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２１】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図１に示す装飾用シート１は、プラスチック成型品やポスターなどの装飾対象物２の表面に転写して使用するタイプのものであり、樹脂フィルム３の平滑な表面に剥離剤を塗布することにより剥離剤層４を形成し、該剥離剤層４上に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を転写した凹凸層５を形成し、該凹凸層５の表面にアルミニウム等の金属を蒸着して前記微細凹凸の形状に応じて微細に光反射層６を形成し、該光反射層６上に接着層７を形成したものである。
【００２２】
樹脂フィルム３は、基材シートとして機能するものであり、例えば、PET（ポリエチレンテレフタレート）、ＰＰ（ポリプロピレン）、ＰＳ（ポロスチロール）、ＰＣ（ポリカーボネート）、フィルムなどを使用することができる。そして、この樹脂フィルム３の一方の表面に剥離剤を塗布することにより剥離剤層４を形成する。
【００２３】
剥離剤は、後述する凹凸層５が前記樹脂フィルム３の表面から円滑に剥離させる機能を備えていればどのような成分でもよいが、代表的なものとしては、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、界面活性剤などを挙げることができる。
【００２４】
剥離剤層４の表面に微細凹凸を転写して凹凸層５を形成するには、先ず、樹脂フィルム３上に、例えば、紫外線硬化樹脂などの光硬化性樹脂を塗布し、この塗布面に転写フィルム、例えば、表面に予めホログラム構造の微細凹凸を形成してある透光性転写フィルムを被覆して前記微細凹凸を紫外線硬化樹脂塗布面に密着させ、この密着重合状態で紫外線ランプの紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化し、その後に転写フィルムを剥がして樹脂フィルム３の剥離剤層４上に微細凹凸を転写した凹凸層５を形成する。
【００２５】
なお、前記した転写フィルムは、無端環状にしてローラー間に張設して回転移動するので、硬化した凹凸層５から剥離してからは重合位置まで戻して次の再度紫外線硬化樹脂塗布面に密着させることにより繰り返し使用することができる。そして、微細凹凸は、ホログラム構造の凹凸に限定されるものではなく、装飾性のある凹凸であればエンボス、ヘアーライン、その他の適宜な回折格子などでもよい。この様に、光硬化樹脂に転写フィルムの凹凸を転写する前記製造方法を採ると、通常市販されている平滑表面を有する樹脂フィルムを使用して凹凸層５を簡単に形成して装飾用シート１とすることができ、製造が容易であるばかりでなく、製造コストの低減にも寄与する。なお、後述するように、樹脂フィルム３は、使用した後は装飾対象物から剥離するので、再利用が可能であり、この点においても経済的である。
【００２６】
次に、光反射層６について説明する。
光反射層６は、前記した凹凸層５の凹凸形状に密着した状態で各凹凸の表面に鏡のような反射機能（光輝性）を付与する層であり、具体的には、アルミニウムや酸化チタン、硫化亜鉛などの金属を蒸着させた光輝層である。なお、金属蒸着層は、微細な凹凸であっても高い精度で同じ厚みの薄膜として被覆できるので、微細凹凸の形状を高い精度で維持することができ、ホログラム等の解像度を低下させるおそれがない。また、光反射層６は、光を反射する機能を備えていればどのような構成でも良く、例えば、硫化亜鉛で構成したり、透明な薄膜で全反射させてもよい。
【００２７】
光反射層６を形成したならば、次に、この光反射層６の表面に粘着剤を塗布して接着層７を形成する。なお、この接着層７には、使用するまでの間、剥離容易な台紙を貼り付けておくことが望ましい。
【００２８】
前記した構成からなる装飾用シート１を使用する場合には、台紙から剥がして装飾対象物２の表面に接着層７を押し当てて貼り付け、シート全面をローラーで押圧するなどして確実に接着させ、その後に樹脂フィルム３を剥離剤層４を境にして剥離除去して凹凸層５と光反射層６を装飾対象物２側に残す。なお、装飾用転写シートを確実に接着することができれば、どのような装飾対象物２でもよく、平面に限定されるものではなく、曲面部分に接着しても良い。例えば、曲面を有するプラスチック成型品でもよいし、あるいは曲面を有する飲料用缶でもよい。
【００２９】
この様にして装飾対象物２の表面に装飾用シート１を貼り付け樹脂フィルム３を剥離除去すると、凹凸層５の平滑な表面が露出し、この平滑な表面の奥（内部）にホログラム構造の微細凹凸が存在し、この微細凹凸の奥に光反射層６が存在する。したがって、装飾対象物２に光が当たると、この光は凹凸層５を通って光反射層６で反射し、反射した光が凹凸層５により屈折してホログラム様のキラキラした光輝性装飾効果を発揮する。このため、この装飾用シート１は、装飾対象物２の表面に貼って樹脂フィルム３を剥す操作を行うだけで、キラキラと輝くホログラムによる装飾を簡単に施すことができる。
そして、装飾を施した後は、凹凸層５の平滑な表面が露出して微細凹凸は内部に存在するので、手の脂や汚れが付着したとしても微細凹凸が手脂や汚れで埋められてホログラム装飾効果を喪失する不都合がなく、また、微細凹凸が傷付く不都合も減少させることができる。また、前記した装飾用シート１により装飾した装飾対象物２を廃棄する場合、その表面に残された凹凸層５の樹脂は薄いので、焼却処理に支障を来すこともなく、燃えるゴミとして廃棄することができる。さらに、露出する表面が平滑なので、印刷や箔押しなどの後加工も容易に行うことができる。
【００３０】
前記した装飾用シート１は、装飾対象物２に接着してから樹脂フィルム３を剥離除去する転写タイプであるが、後述するように、前記したものから剥離剤層４を省略して、樹脂フィルム３をそのまま残しておくようにしてもよい。
【００３１】
図２に示す装飾用シート１´は、装飾対象物２´に貼着したまま使用するものであり、透光性を有する樹脂フィルム３´の表面に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を形成した凹凸層５´を形成し、該凹凸層５´の表面に光反射層６´を形成し、該光反射層６´上に接着層７´を形成したものである。そして、樹脂フィルム３´は、前記したものとは異なり残されるので、予め樹脂フィルム３´の表面に、装飾効果や意匠性を高めるために印刷を施し、この樹脂フィルム３´の表面に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を形成した凹凸層５´を形成してもよい。なお、凹凸層５´は、印刷インク８が磨耗しないので樹脂フィルム３´の印刷面に形成することが望ましいが、反対側の非印刷面でもよい。
【００３２】
前記した構成からなる装飾用シート１´を使用する場合には、装飾対象物２´の表面に接着層７を押し当てて貼り付け、シート全面をローラーで押圧するなどして確実に接着し、前記したものとは異なり、樹脂フィルム３´もそのまま凹凸層５´や光反射層６´と共に装飾対象物２´側に残す。なお、この装飾用シート１´を確実に接着することができれば、どのような装飾対象物２´でもよく、平面に限定されるものではなく、曲面部分に接着しても良い。装飾対象物２´の曲面部分に装飾用シート１´を貼着して装飾する場合、例えば、ペットボトルに装飾用シート１´を巻き付けて装飾する場合、樹脂フィルム３´にシュリンク機能を備えたもの（シュリンクフィルム）を使用することが望ましい。そのようにすると、ペットボトルに装飾用シート１´を巻き付けた状態で加熱することにより収縮させて、形状が瓢箪形などの曲面形状であってもボトルの形状にフィットさせることができ、一層体裁の良く装飾できる。
【００３３】
この様にして装飾対象物２´の表面に装飾用シート１´を接着すると、樹脂フィルム３´が最も外側に露出して凹凸層５´のホログラム構造の微細凹凸がその内部に存在し、この微細凹凸の奥に光反射層６´が存在する。したがって、装飾対象物２´に光が当たると、この光は透光性を有する樹脂フィルム３´から凹凸層５´を通って光反射層６´で反射し、反射した光が凹凸層５´により屈折してホログラム様のキラキラした光輝性装飾効果を発揮する。このため、装飾用シート１´は装飾対象物２´の表面に貼るだけで、キラキラと輝くホログラムが見える装飾を簡単に施すことができる。
そして、貼った後は、樹脂フィルム３´が表面に露出して内部に存在する微細凹凸を保護するので、手の脂や汚れが付着したとしても微細凹凸が手油や汚れで埋められてホログラム装飾効果を喪失する不都合がないことは勿論のこと、樹脂フィルム３´の保護により傷付くことも防止できる。また、樹脂フィルム３´の印刷面に凹凸層５´を形成すると、印刷部分の改ざんを防止でき、また、ホログラムによる偽造防止効果もあり、優れたセキュリティーを期待することができ、偽造防止シールの機能を発揮できる。
【００３４】
また、本発明に係る装飾用シート１，１´は、前記した第１および第２のいずれの実施形態においても光硬化樹脂を樹脂フィルム３，３´の全面ではなくて部分的に、すなわち、予め設定した所定の部分にのみ塗布して、前記凹凸層５，５´を樹脂フィルム３，３´の一部分に形成し、装飾用シート１，１´を接着した全面ではなくて凹凸層５，５´を形成した装飾対象物２，２´の一部分のみをホログラム模様が見える装飾とすることができる。したがって、例えば、ポスターを装飾対象物２とした場合に、このポスターで強調したい部分（文字など）にのみ凹凸層５，５´が重なるように設定し、コントラストを付けるように構成してもよい。
【符号の説明】
【００３５】
１，１´…装飾用シート、２，２´…装飾対象物、３，３´…樹脂フィルム、４，４´…剥離剤層、５，５´…凹凸層、６，６´…光反射層、７，７´…接着層、８…印刷インク
【特許請求の範囲】
【請求項１】
樹脂フィルムの平滑な表面に剥離剤層を形成し、該剥離剤層上に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を転写した凹凸層を形成し、該凹凸層の表面に光反射層を形成し、該光反射層上に接着層を形成した装飾用シートであって、
前記した接着層により装飾対象物に接着した後に前記剥離層から樹脂フィルムを剥離除去して凹凸層と光反射層を装飾対象物側に残し、光反射層で反射して凹凸層により屈折した光により装飾対象物を装飾可能としたことを特徴とする装飾用シート。
【請求項２】
透光性を有する樹脂フィルムの表面に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を形成した凹凸層を形成し、該凹凸層の表面に光反射層を形成し、該光反射層上に接着層を形成した装飾用シートであって、
前記した接着層により装飾対象物に接着して、前記光反射層で反射して凹凸層により屈折した光により装飾対象物を装飾可能としたことを特徴とする装飾用シート。
【請求項３】
光硬化樹脂を部分的に塗布して前記凹凸層を樹脂フィルムの一部分に形成し、装飾対象物の一部分を装飾可能としたことを特徴とする請求項１または２に記載の装飾用シート。
【請求項４】
前記した微細凹凸がホログラム構造の凹凸であることを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の装飾用シート。
【請求項５】
前記した光反射層がアルミニウム等の金属を蒸着してなる金属蒸着層であることを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の装飾用シート。
【請求項６】
透光性を有する前記樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に印刷を施し、この樹脂フィルムの表面に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を形成した凹凸層を形成したことを特徴とする請求項２に記載の装飾用シート。
【請求項７】
印刷を施した前記樹脂フィルムの印刷面に、前記微細凹凸を形成した凹凸層を形成したことを特徴とする請求項６に記載の装飾用シート。
【請求項１】
樹脂フィルムの平滑な表面に剥離剤層を形成し、該剥離剤層上に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を転写した凹凸層を形成し、該凹凸層の表面に光反射層を形成し、該光反射層上に接着層を形成した装飾用シートであって、
前記した接着層により装飾対象物に接着した後に前記剥離層から樹脂フィルムを剥離除去して凹凸層と光反射層を装飾対象物側に残し、光反射層で反射して凹凸層により屈折した光により装飾対象物を装飾可能としたことを特徴とする装飾用シート。
【請求項２】
透光性を有する樹脂フィルムの表面に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を形成した凹凸層を形成し、該凹凸層の表面に光反射層を形成し、該光反射層上に接着層を形成した装飾用シートであって、
前記した接着層により装飾対象物に接着して、前記光反射層で反射して凹凸層により屈折した光により装飾対象物を装飾可能としたことを特徴とする装飾用シート。
【請求項３】
光硬化樹脂を部分的に塗布して前記凹凸層を樹脂フィルムの一部分に形成し、装飾対象物の一部分を装飾可能としたことを特徴とする請求項１または２に記載の装飾用シート。
【請求項４】
前記した微細凹凸がホログラム構造の凹凸であることを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の装飾用シート。
【請求項５】
前記した光反射層がアルミニウム等の金属を蒸着してなる金属蒸着層であることを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の装飾用シート。
【請求項６】
透光性を有する前記樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に印刷を施し、この樹脂フィルムの表面に、透光性を有する光硬化樹脂を塗布して該塗布層の表面に微細凹凸を形成した凹凸層を形成したことを特徴とする請求項２に記載の装飾用シート。
【請求項７】
印刷を施した前記樹脂フィルムの印刷面に、前記微細凹凸を形成した凹凸層を形成したことを特徴とする請求項６に記載の装飾用シート。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２０１０−２６９５５８（Ｐ２０１０−２６９５５８Ａ）
【公開日】平成２２年１２月２日（２０１０．１２．２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１２４９２３（Ｐ２００９−１２４９２３）
【出願日】平成２１年５月２５日（２００９．５．２５）
【出願人】（３９８０４３７５７）有限会社協和ラミコート (10)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年１２月２日（２０１０．１２．２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年５月２５日（２００９．５．２５）
【出願人】（３９８０４３７５７）有限会社協和ラミコート (10)
【Ｆターム（参考）】
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