装飾用発光体
【課題】光透過部材をその長手方向に亘って略均一に発光させて装飾効果を向上させることができる装飾用発光体を提供する。
【解決手段】発光ダイオードから成る光源２と、端部に光源２が取り付けられた中実長尺状の樹脂から成るとともに、当該光源２から照射された光を長手方向に透過させ得る光透過部材３と、該光透過部材３の外周面に形成されて透過する光を外部に放射させる溝４とを具備した装飾用発光体であって、溝４は、光源２に近い位置から遠い位置に亘って順次、外部へ放射させ得る光の量を増加させ、各々からの光の放射を略均等としたものである。
【解決手段】発光ダイオードから成る光源２と、端部に光源２が取り付けられた中実長尺状の樹脂から成るとともに、当該光源２から照射された光を長手方向に透過させ得る光透過部材３と、該光透過部材３の外周面に形成されて透過する光を外部に放射させる溝４とを具備した装飾用発光体であって、溝４は、光源２に近い位置から遠い位置に亘って順次、外部へ放射させ得る光の量を増加させ、各々からの光の放射を略均等としたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、車両等における所定部位に配設されて発光により装飾効果を高めた装飾用発光体に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近時において、ユーザの嗜好の多様化や他者との差別化要求の高まり等に伴い、例えば、自動車や自動二輪車等におけるナンバープレートの外縁や内装の所定部位或いは部品を発光ダイオード（ＬＥＤ）にて所望色で発光させ、装飾効果を高めた装飾用発光体が提案されるに至っている。この装飾用発光体は、通常、中実のアクリル樹脂から成る棒状の光透過部材の端部に電源と電気的に接続されたＬＥＤを取り付けた構成とされている。光透過部材の端部には、ＬＥＤを取り付け可能なソケットが形成されており、ＬＥＤから光透過部材端部に向かって光が照射されるよう構成されている。
【０００３】
そして、ＬＥＤが端部に取り付けられた光透過部材を所望の装飾部位に設置した後、ＬＥＤに電圧を印加して光を照射させると、その照射された光が光透過部材の長手方向に亘って内部を透過し、その過程において外部へ放射される。これにより、光透過部材がその長手方向に亘って発光することとなり、装飾部位における装飾効果を高めることができる。尚、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、上記従来の装飾用発光体においては、以下の如き問題があった。
光透過部材の端部には、ＬＥＤを取り付け可能なソケットが形成されているため、発光範囲を所定寸法確保しようとした場合、ソケットの寸法だけ大型化してしまうという問題があった。また、ＬＥＤがソケットを介して光透過部材端部に取り付けらるため、当該ソケットの光透過部材に対するガタ等が生じると、ＬＥＤと光透過部材との間にズレが生じ、当該ＬＥＤから照射された光が効率よく光透過部材に照射され難くなってしまうという不具合もあった。
【０００５】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ソケットを不要とすることにより、長手方向の寸法を抑制して小型化を図ることができるとともに、光透過部材を効率よく発光させることができる装飾用発光体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求項１記載の発明は、発光ダイオードから成る光源と、端部に前記光源が取り付けられた中実長尺状の樹脂から成るとともに、当該光源から照射された光を長手方向に透過させ得る光透過部材と、該光透過部材の外周面に形成されて透過する光を外部に放射させる放射手段とを具備した装飾用発光体であって、前記光源は、前記光透過部材の端部に形成された穴部に埋め込まれて成ることを特徴とする。
【０００７】
請求項２記載の発明は、請求項１記載の装飾用発光体において、前記穴部には光を透過し得る透明な接着剤が塗布されるとともに、当該接着剤にて前記光源が穴部内に固着されたことを特徴とする。
【０００８】
請求項３記載の発明は、請求項１又は請求項２記載の装飾用発光体において、前記光透過部材の端部における光源が配設された側の外周面には、光の透過を抑制するカバーが形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【０００９】
請求項１の発明によれば、光源が光透過部材の端部に形成された穴部に埋め込まれているので、ソケットを不要とすることにより、長手方向の寸法を抑制して小型化を図ることができるとともに、光透過部材を効率よく発光させることができる。
【００１０】
請求項２の発明によれば、穴部には光を透過し得る透明な接着剤が塗布されるとともに、当該接着剤にて光源が穴部内に固着されているので、光源の光透過部材に対するずれをより確実に防止することができるとともに、接着剤を穴部内周面と光源の外周面との間のスペーサとして機能させることができる。
【００１１】
請求項３の発明によれば、光透過部材の端部における光源が配設された側の外周面には、光の透過を抑制するカバーが形成されているので、光透過部材の長手方向に亘る略均一な発光を行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第１の実施形態に係る装飾用発光体１は、図１に示すように、自動車や自動二輪車におけるナンバープレートＮの外縁を覆うフレームＦに配設されて発光により装飾効果を高めたものであり、図２に示すように、発光ダイオード（ＬＥＤ）から成る光源２と、中実のアクリル樹脂を棒状に形成して成る光透過部材３と、放射手段としての複数の溝４と、ソケット５とから主に構成されている。
【００１３】
光源２は、所望色に発光する発光ダイオードから成り、配線Ｈを介して図示しない電源と電気的に接続されている。そして、当該電源より所定電圧が印加されると、所望色の光が照射され、その照射光により光透過部材３を発光させ得るよう構成されている。かかる光源２は、光透過部材３の端部（基端３ａ側）に形成された穴部Ｐに埋め込まれており、透明な接着剤にて固着されている。
【００１４】
光透過部材３は、上述したように、端部（基端３ａ）に光源２が取り付けられた中実棒状のアクリル樹脂（長尺状の樹脂）から成り、光源２から照射された光を長手方向（基端３ａから先端３ｂ）に透過させ得るよう構成されている。然るに、アクリル樹脂には、微量の不純物が添加されており、光の透過率が所望に調整してある。また、光透過部材３の端部（基端３ａ）には、光源２の外周形状に倣った穴部Ｐが切削加工にて形成されており、該穴部Ｐに光を透過し得る透明な接着剤を塗布した後、当該光源２を挿入して固着させている。
【００１５】
溝４は、光透過部材３内部を透過する光を乱反射させ、外部に光を放射するためのものであり、当該光透過部材３の外周面周方向に対して切削加工等にて形成されるとともに、当該光透過部材３の長手方向に亘って複数形成されている。本実施形態においては、かかる溝４は、互いに略等しい深さに形成されるとともに、光源２に近い位置（基端３ａ側）から遠い位置（先端３ｂ側）に亘って隣接する互いの離間寸法が順次小さくなるよう設定されている。
【００１６】
これにより、光源２に近い位置では光の放射を抑えつつ、遠い位置では光の放射をより促進することができ、各々からの光の放射を略均等とすることができる。従って、光透過部材３をその長手方向に亘って略均一に発光させて装飾効果を向上させることができる。尚、放射手段としての溝を、光透過部材３の長手方向に亘って等間隔で形成するとともに、光源２に近い位置（基端３ａ側）から遠い位置（先端３ｂ側）に亘って順次深く形成することにより、光透過部材３をその長手方向に亘って略均一に発光させて装飾効果を向上させてもよい。
【００１７】
本実施形態によれば、光源２が光透過部材３の基端３ａ側に形成された穴部Ｐに埋め込まれているので、従来の如き光源２を光透過部材３の端部に取り付けるためのソケットを不要とすることができ、長手方向の寸法を抑制して装飾用発光体１の小型化を図ることができる。また、光源２が直接、光透過部材３に埋め込まれているので、当該光源２と光透過部材３との相対的ずれを防止できるとともに、光源２からの照射光を光透過部材３側に確実に伝達して当該光透過部材３を効率よく発光させることができる。
【００１８】
更に、穴部Ｐには光を透過し得る透明な接着剤が塗布されるとともに、当該接着剤にて光源２が穴部Ｐ内に固着されているので、光源２の光透過部材３に対するずれをより確実に防止することができるとともに、接着剤を穴部Ｐ内周面と光源２の外周面との間のスペーサとして機能させることができる。即ち、穴部Ｐ内周面と光源２の外周面との間にクリアランス（隙間）が生じてしまっても、接着剤により当該クリアランスを埋めることができ、光源２の固着をより確実に行わせることができるのである。
【００１９】
尚、光透過部材３の端部における光源２が配設された側（基端３ａ側）の外周面に、光の透過が抑制されたカバーを形成するようにしてもよい。その場合、光源２近傍からの光の過度な放射を抑制でき、光源２から光透過部材３の長手方向に向かう光（先端３ｂに向かう光）の透過量を確保できるので、当該光透過部材３の長手方向に亘る略均一な発光を行わせることができる。
【００２０】
次に、本発明の第２の実施形態について説明する。
本実施形態に係る装飾用発光体は、図３に示すように、自動車や自動二輪車におけるナンバープレートＮ’に取り付けられるフレームＦ’に配設されるもので、第１の実施形態と同様の材質から成る中実アクリル樹脂製の光透過部材６と、該光透過部材６の外周面周方向に形成された複数の溝７（放射手段）と、光透過部材６の一端に取り付けられた発光ダイオードから成る光源５とから主に構成されている。
【００２１】
本実施形態に係る光透過部材６は、同図の如く略Ｌ字状に屈曲形成された１対のものとされており、フレームＦ’の周縁部略全域に亘って配設される。然るに、溝７は、上記第１の実施形態の如く、互いに略等しい深さに形成されるとともに、光源５に近い位置から遠い位置に亘って隣接する互いの離間寸法が順次小さくなるよう設定されたもの、或いは光透過部材６の長手方向に亘って等間隔で形成されるとともに、光源５に近い位置から遠い位置に亘って順次深く形成されたものの何れであってもよい。
【００２２】
また、本実施形態においても、第１の実施形態と同様、それぞれの光透過部材６の端部に穴部Ｐが形成されており、当該穴部Ｐ内に光を透過し得る透明な接着剤を塗布した後、光源５が埋め込まれて固着されている。しかして、光源５の発光ダイオードに電圧を印加すれば、それぞれの略Ｌ字状の光透過部材６が長手方向に亘って略均一に発光することとなり、フレームＦ’の周縁部略全域が略均等の明るさで発光することとなるので、装飾効果を向上させることができる。
【００２３】
特に、本実施形態によれば、光源５が光透過部材６の基端側に形成された穴部Ｐに埋め込まれているので、従来の如き光源２を光透過部材３の端部に取り付けるためのソケットを不要とすることができ、長手方向の寸法を抑制して装飾用発光体１の小型化を図ることができる。尚、本実施形態においては、１対のＬ字状の光透過部材６を用いているが、フレームＦ’の４辺にそれぞれ棒状の光透過部材を配設して周縁部略全域を発光させるようにしてもよい。
【００２４】
一方、フレームＦ’の中央には光透過部材６より高い位置で盛り上がった（同図紙面手前方向に盛り上がった）凸部Ａが形成されており、当該凸部ＡにナンバープレートＮ’が固定されるようになっている。然るに、ナンバープレートＮ’縁部と光透過部材６とは上下方向にオーバーラップしており、当該光透過部材６にて放射された光がナンバープレートＮ’縁部で遮られるとともに間接的に外部に発光するよう構成されている。これにより、直接外部に光が放射されるものに比べ、異なった趣向の装飾効果を得ることができる。
【００２５】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば放射手段としての溝が他の形態のもの（等しい深さのものが光透過部材の等間隔に亘って形成された形態等）であってもよく、或いは光透過部材として、長手方向に光を透過させ得る中実長尺状の樹脂であれば、アクリル樹脂とは異なるもの（例えば、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート等）としてもよく、全体形状も直線状或いはＬ字状とは異なる形状（例えば円弧状等）であってもよい。
【００２６】
また、本実施形態においては、光透過部材の一端のみに発光ダイオードから成る光源を取り付けているが、これに代えて、光透過部材の両端にそれぞれ穴部を形成し、当該穴部に光源を埋め込むとともに、両端から光を透過させるものとしてもよい。その場合、一端のみに光源を埋め込むものに比べ、光透過部材を明るく発光させることができるとともに、光源２を光透過部材３の両端部にそれぞれ取り付けるためのソケットを不要とすることができ、長手方向の寸法を抑制して装飾用発光体の小型化を図ることができる。
【００２７】
尚、本実施形態においては、自動車又は自動二輪車のナンバープレート近傍を装飾するものとしているが、車両内装の所定部位或いは所定部品の近傍で発光させ、装飾効果を高めるものとしてもよい。また、車両の内装に適用した場合、第２の実施形態と同様、光透過部材から放射された光を間接的に外部に至らせることとすれば、乗員に対して眩しさを感じさせることなく装飾効果を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【００２８】
発光ダイオードから成る光源が、光透過部材の端部に形成された穴部に埋め込まれて成る装飾用発光体であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２９】
【図１】本発明の第１の実施形態に適用されるナンバープレートのフレームを示す模式図
【図２】本発明の第１の実施形態に係る装飾用発光体を示す模式図
【図３】本発明の第２の実施形態に係る装飾用発光体、及び当該装飾用発光体に適用されるナンバープレートのフレームを示す模式図
【図４】図３のフレームにナンバープレートを取り付けた状態を示す模式図
【符号の説明】
【００３０】
１ 装飾用発光体
２、５ 光源
３、６ 光透過部材
４、７ 溝（放射手段）
Ｎ、Ｎ’ ナンバープレート
Ｆ、Ｆ’ フレーム
Ｐ 穴部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、車両等における所定部位に配設されて発光により装飾効果を高めた装飾用発光体に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近時において、ユーザの嗜好の多様化や他者との差別化要求の高まり等に伴い、例えば、自動車や自動二輪車等におけるナンバープレートの外縁や内装の所定部位或いは部品を発光ダイオード（ＬＥＤ）にて所望色で発光させ、装飾効果を高めた装飾用発光体が提案されるに至っている。この装飾用発光体は、通常、中実のアクリル樹脂から成る棒状の光透過部材の端部に電源と電気的に接続されたＬＥＤを取り付けた構成とされている。光透過部材の端部には、ＬＥＤを取り付け可能なソケットが形成されており、ＬＥＤから光透過部材端部に向かって光が照射されるよう構成されている。
【０００３】
そして、ＬＥＤが端部に取り付けられた光透過部材を所望の装飾部位に設置した後、ＬＥＤに電圧を印加して光を照射させると、その照射された光が光透過部材の長手方向に亘って内部を透過し、その過程において外部へ放射される。これにより、光透過部材がその長手方向に亘って発光することとなり、装飾部位における装飾効果を高めることができる。尚、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、上記従来の装飾用発光体においては、以下の如き問題があった。
光透過部材の端部には、ＬＥＤを取り付け可能なソケットが形成されているため、発光範囲を所定寸法確保しようとした場合、ソケットの寸法だけ大型化してしまうという問題があった。また、ＬＥＤがソケットを介して光透過部材端部に取り付けらるため、当該ソケットの光透過部材に対するガタ等が生じると、ＬＥＤと光透過部材との間にズレが生じ、当該ＬＥＤから照射された光が効率よく光透過部材に照射され難くなってしまうという不具合もあった。
【０００５】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ソケットを不要とすることにより、長手方向の寸法を抑制して小型化を図ることができるとともに、光透過部材を効率よく発光させることができる装飾用発光体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求項１記載の発明は、発光ダイオードから成る光源と、端部に前記光源が取り付けられた中実長尺状の樹脂から成るとともに、当該光源から照射された光を長手方向に透過させ得る光透過部材と、該光透過部材の外周面に形成されて透過する光を外部に放射させる放射手段とを具備した装飾用発光体であって、前記光源は、前記光透過部材の端部に形成された穴部に埋め込まれて成ることを特徴とする。
【０００７】
請求項２記載の発明は、請求項１記載の装飾用発光体において、前記穴部には光を透過し得る透明な接着剤が塗布されるとともに、当該接着剤にて前記光源が穴部内に固着されたことを特徴とする。
【０００８】
請求項３記載の発明は、請求項１又は請求項２記載の装飾用発光体において、前記光透過部材の端部における光源が配設された側の外周面には、光の透過を抑制するカバーが形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【０００９】
請求項１の発明によれば、光源が光透過部材の端部に形成された穴部に埋め込まれているので、ソケットを不要とすることにより、長手方向の寸法を抑制して小型化を図ることができるとともに、光透過部材を効率よく発光させることができる。
【００１０】
請求項２の発明によれば、穴部には光を透過し得る透明な接着剤が塗布されるとともに、当該接着剤にて光源が穴部内に固着されているので、光源の光透過部材に対するずれをより確実に防止することができるとともに、接着剤を穴部内周面と光源の外周面との間のスペーサとして機能させることができる。
【００１１】
請求項３の発明によれば、光透過部材の端部における光源が配設された側の外周面には、光の透過を抑制するカバーが形成されているので、光透過部材の長手方向に亘る略均一な発光を行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第１の実施形態に係る装飾用発光体１は、図１に示すように、自動車や自動二輪車におけるナンバープレートＮの外縁を覆うフレームＦに配設されて発光により装飾効果を高めたものであり、図２に示すように、発光ダイオード（ＬＥＤ）から成る光源２と、中実のアクリル樹脂を棒状に形成して成る光透過部材３と、放射手段としての複数の溝４と、ソケット５とから主に構成されている。
【００１３】
光源２は、所望色に発光する発光ダイオードから成り、配線Ｈを介して図示しない電源と電気的に接続されている。そして、当該電源より所定電圧が印加されると、所望色の光が照射され、その照射光により光透過部材３を発光させ得るよう構成されている。かかる光源２は、光透過部材３の端部（基端３ａ側）に形成された穴部Ｐに埋め込まれており、透明な接着剤にて固着されている。
【００１４】
光透過部材３は、上述したように、端部（基端３ａ）に光源２が取り付けられた中実棒状のアクリル樹脂（長尺状の樹脂）から成り、光源２から照射された光を長手方向（基端３ａから先端３ｂ）に透過させ得るよう構成されている。然るに、アクリル樹脂には、微量の不純物が添加されており、光の透過率が所望に調整してある。また、光透過部材３の端部（基端３ａ）には、光源２の外周形状に倣った穴部Ｐが切削加工にて形成されており、該穴部Ｐに光を透過し得る透明な接着剤を塗布した後、当該光源２を挿入して固着させている。
【００１５】
溝４は、光透過部材３内部を透過する光を乱反射させ、外部に光を放射するためのものであり、当該光透過部材３の外周面周方向に対して切削加工等にて形成されるとともに、当該光透過部材３の長手方向に亘って複数形成されている。本実施形態においては、かかる溝４は、互いに略等しい深さに形成されるとともに、光源２に近い位置（基端３ａ側）から遠い位置（先端３ｂ側）に亘って隣接する互いの離間寸法が順次小さくなるよう設定されている。
【００１６】
これにより、光源２に近い位置では光の放射を抑えつつ、遠い位置では光の放射をより促進することができ、各々からの光の放射を略均等とすることができる。従って、光透過部材３をその長手方向に亘って略均一に発光させて装飾効果を向上させることができる。尚、放射手段としての溝を、光透過部材３の長手方向に亘って等間隔で形成するとともに、光源２に近い位置（基端３ａ側）から遠い位置（先端３ｂ側）に亘って順次深く形成することにより、光透過部材３をその長手方向に亘って略均一に発光させて装飾効果を向上させてもよい。
【００１７】
本実施形態によれば、光源２が光透過部材３の基端３ａ側に形成された穴部Ｐに埋め込まれているので、従来の如き光源２を光透過部材３の端部に取り付けるためのソケットを不要とすることができ、長手方向の寸法を抑制して装飾用発光体１の小型化を図ることができる。また、光源２が直接、光透過部材３に埋め込まれているので、当該光源２と光透過部材３との相対的ずれを防止できるとともに、光源２からの照射光を光透過部材３側に確実に伝達して当該光透過部材３を効率よく発光させることができる。
【００１８】
更に、穴部Ｐには光を透過し得る透明な接着剤が塗布されるとともに、当該接着剤にて光源２が穴部Ｐ内に固着されているので、光源２の光透過部材３に対するずれをより確実に防止することができるとともに、接着剤を穴部Ｐ内周面と光源２の外周面との間のスペーサとして機能させることができる。即ち、穴部Ｐ内周面と光源２の外周面との間にクリアランス（隙間）が生じてしまっても、接着剤により当該クリアランスを埋めることができ、光源２の固着をより確実に行わせることができるのである。
【００１９】
尚、光透過部材３の端部における光源２が配設された側（基端３ａ側）の外周面に、光の透過が抑制されたカバーを形成するようにしてもよい。その場合、光源２近傍からの光の過度な放射を抑制でき、光源２から光透過部材３の長手方向に向かう光（先端３ｂに向かう光）の透過量を確保できるので、当該光透過部材３の長手方向に亘る略均一な発光を行わせることができる。
【００２０】
次に、本発明の第２の実施形態について説明する。
本実施形態に係る装飾用発光体は、図３に示すように、自動車や自動二輪車におけるナンバープレートＮ’に取り付けられるフレームＦ’に配設されるもので、第１の実施形態と同様の材質から成る中実アクリル樹脂製の光透過部材６と、該光透過部材６の外周面周方向に形成された複数の溝７（放射手段）と、光透過部材６の一端に取り付けられた発光ダイオードから成る光源５とから主に構成されている。
【００２１】
本実施形態に係る光透過部材６は、同図の如く略Ｌ字状に屈曲形成された１対のものとされており、フレームＦ’の周縁部略全域に亘って配設される。然るに、溝７は、上記第１の実施形態の如く、互いに略等しい深さに形成されるとともに、光源５に近い位置から遠い位置に亘って隣接する互いの離間寸法が順次小さくなるよう設定されたもの、或いは光透過部材６の長手方向に亘って等間隔で形成されるとともに、光源５に近い位置から遠い位置に亘って順次深く形成されたものの何れであってもよい。
【００２２】
また、本実施形態においても、第１の実施形態と同様、それぞれの光透過部材６の端部に穴部Ｐが形成されており、当該穴部Ｐ内に光を透過し得る透明な接着剤を塗布した後、光源５が埋め込まれて固着されている。しかして、光源５の発光ダイオードに電圧を印加すれば、それぞれの略Ｌ字状の光透過部材６が長手方向に亘って略均一に発光することとなり、フレームＦ’の周縁部略全域が略均等の明るさで発光することとなるので、装飾効果を向上させることができる。
【００２３】
特に、本実施形態によれば、光源５が光透過部材６の基端側に形成された穴部Ｐに埋め込まれているので、従来の如き光源２を光透過部材３の端部に取り付けるためのソケットを不要とすることができ、長手方向の寸法を抑制して装飾用発光体１の小型化を図ることができる。尚、本実施形態においては、１対のＬ字状の光透過部材６を用いているが、フレームＦ’の４辺にそれぞれ棒状の光透過部材を配設して周縁部略全域を発光させるようにしてもよい。
【００２４】
一方、フレームＦ’の中央には光透過部材６より高い位置で盛り上がった（同図紙面手前方向に盛り上がった）凸部Ａが形成されており、当該凸部ＡにナンバープレートＮ’が固定されるようになっている。然るに、ナンバープレートＮ’縁部と光透過部材６とは上下方向にオーバーラップしており、当該光透過部材６にて放射された光がナンバープレートＮ’縁部で遮られるとともに間接的に外部に発光するよう構成されている。これにより、直接外部に光が放射されるものに比べ、異なった趣向の装飾効果を得ることができる。
【００２５】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば放射手段としての溝が他の形態のもの（等しい深さのものが光透過部材の等間隔に亘って形成された形態等）であってもよく、或いは光透過部材として、長手方向に光を透過させ得る中実長尺状の樹脂であれば、アクリル樹脂とは異なるもの（例えば、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート等）としてもよく、全体形状も直線状或いはＬ字状とは異なる形状（例えば円弧状等）であってもよい。
【００２６】
また、本実施形態においては、光透過部材の一端のみに発光ダイオードから成る光源を取り付けているが、これに代えて、光透過部材の両端にそれぞれ穴部を形成し、当該穴部に光源を埋め込むとともに、両端から光を透過させるものとしてもよい。その場合、一端のみに光源を埋め込むものに比べ、光透過部材を明るく発光させることができるとともに、光源２を光透過部材３の両端部にそれぞれ取り付けるためのソケットを不要とすることができ、長手方向の寸法を抑制して装飾用発光体の小型化を図ることができる。
【００２７】
尚、本実施形態においては、自動車又は自動二輪車のナンバープレート近傍を装飾するものとしているが、車両内装の所定部位或いは所定部品の近傍で発光させ、装飾効果を高めるものとしてもよい。また、車両の内装に適用した場合、第２の実施形態と同様、光透過部材から放射された光を間接的に外部に至らせることとすれば、乗員に対して眩しさを感じさせることなく装飾効果を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【００２８】
発光ダイオードから成る光源が、光透過部材の端部に形成された穴部に埋め込まれて成る装飾用発光体であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２９】
【図１】本発明の第１の実施形態に適用されるナンバープレートのフレームを示す模式図
【図２】本発明の第１の実施形態に係る装飾用発光体を示す模式図
【図３】本発明の第２の実施形態に係る装飾用発光体、及び当該装飾用発光体に適用されるナンバープレートのフレームを示す模式図
【図４】図３のフレームにナンバープレートを取り付けた状態を示す模式図
【符号の説明】
【００３０】
１ 装飾用発光体
２、５ 光源
３、６ 光透過部材
４、７ 溝（放射手段）
Ｎ、Ｎ’ ナンバープレート
Ｆ、Ｆ’ フレーム
Ｐ 穴部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
発光ダイオードから成る光源と、
端部に前記光源が取り付けられた中実長尺状の樹脂から成るとともに、当該光源から照射された光を長手方向に透過させ得る光透過部材と、
該光透過部材の外周面に形成されて透過する光を外部に放射させる放射手段と、
を具備した装飾用発光体であって、
前記光源は、前記光透過部材の端部に形成された穴部に埋め込まれて成ることを特徴とする装飾用発光体。
【請求項２】
前記穴部には光を透過し得る透明な接着剤が塗布されるとともに、当該接着剤にて前記光源が穴部内に固着されたことを特徴とする請求項１記載の装飾用発光体。
【請求項３】
前記光透過部材の端部における光源が配設された側の外周面には、光の透過を抑制するカバーが形成されたことを特徴とする請求項１又は請求項２記載の装飾用発光体。
【請求項１】
発光ダイオードから成る光源と、
端部に前記光源が取り付けられた中実長尺状の樹脂から成るとともに、当該光源から照射された光を長手方向に透過させ得る光透過部材と、
該光透過部材の外周面に形成されて透過する光を外部に放射させる放射手段と、
を具備した装飾用発光体であって、
前記光源は、前記光透過部材の端部に形成された穴部に埋め込まれて成ることを特徴とする装飾用発光体。
【請求項２】
前記穴部には光を透過し得る透明な接着剤が塗布されるとともに、当該接着剤にて前記光源が穴部内に固着されたことを特徴とする請求項１記載の装飾用発光体。
【請求項３】
前記光透過部材の端部における光源が配設された側の外周面には、光の透過を抑制するカバーが形成されたことを特徴とする請求項１又は請求項２記載の装飾用発光体。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００７−２８３９８１（Ｐ２００７−２８３９８１Ａ）
【公開日】平成１９年１１月１日（２００７．１１．１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−１１５９８６（Ｐ２００６−１１５９８６）
【出願日】平成１８年４月１９日（２００６．４．１９）
【出願人】（０００１１１６１６）ハマニ化成株式会社 (8)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年１１月１日（２００７．１１．１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年４月１９日（２００６．４．１９）
【出願人】（０００１１１６１６）ハマニ化成株式会社 (8)
【Ｆターム（参考）】
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