説明

裏側に空気の流路を持つ乾燥機布

抄紙機の乾燥機部で使用可能な、抄紙機の布(10)は機械に直交する方向(CD)の糸(21−32)の第一層(14)と第二層(16)を有する。二重織でCD糸と織り合わされるのはMD糸(41−52)のシステムである。MD糸は少なくとも二つの隣接したMD糸のグループで提供される。各グループは一つの第一MD糸(41,44,47,50)と一つ又はそれ以上の第二MD糸を有している。第一MD糸はCD糸の第一と第二層の間を織り合わせて、それぞれ唯一つのCD糸と結び付いている。各第二MD糸も又CD糸の第一と第二層の間を織り合わせて、それぞれは第一層では唯一つのCD糸と結び付いているが、第二層では少なくとも二つのCD糸の上をフロートしている。第一MD糸はそのグループ及び隣接するグループのそれの中で一つ又はそれ以上の第二MD糸の間にあって、布の表面上に連続した空気の流路(60)を規定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抄紙技術に関する。より詳しくは、本発明は単一走行乾燥機部のような、抄紙機の乾燥機部で使用される抄紙機の又は乾燥機の布である。
【背景技術】
【0002】
抄紙工程の中で、繊維質巻取り紙は抄紙機の形成部における形成布の上に繊維質スラリーを沈殿させることにより形成される。多量の水がそこの表面上に繊維質巻取り紙を残しながら、形成布を通してスラリーから排出される。
【0003】
新しく形成された巻取り紙は形成部から一連のプレスニップを含むプレス部に進む。繊維質巻取り紙は一つのプレス布により、又は多くの場合二つのプレス布の間に支持されてプレスニップを通過する。プレスニップでは、繊維質巻取り紙はそこから水を絞り出す圧縮力を受ける。水はプレス布によって受容れられ、且つ理想的には、紙シートには戻らない。
【0004】
今や紙シートとして、巻取り紙は最後には蒸気により内部から加熱された少なくとも一連の回転可能な乾燥機ドラム又はシリンダーを含む乾燥機部に進む。紙シートはドラムの表面に対して紙シートを密着保持する一つ又はそれ以上の乾燥機布によりドラムの列の各々の周りを連続して蛇行する通路に案内される。加熱されたドラムは蒸発によって望ましいレベルにまで紙シートの含水量を減少させる。
【0005】
乾燥機部では、乾燥機シリンダーは上部と下部の列又は段に配列される。下段にあるそれらは正確に垂直な関係にあるよりも寧ろ、上段に関して互い違いに配列されるのが良い。シートが乾燥機部を通って進む時には、それが先ず二つの段の一つにある乾燥機シリンダーの周りを通過し、そこで他の段にある乾燥機シリンダーの周りのように上下の段の間を交互に通過する、等々続いて乾燥機部を通る。
【0006】
図5で示されるように、乾燥機部では、乾燥機シリンダーの上と下の段は各別々の乾燥機布99が着せられる。斯かる情況で、乾燥されている紙シート98は各乾燥機シリンダーと他の段にある次の乾燥機シリンダーの間の空間、即ち“ポケット”、を横切って支持無しで通過する。
【0007】
単一段の乾燥機部では、多くの回転ローラーと一緒に単一列のシリンダーが使用される。回転ローラーは固体か又は通気孔が付けられている。
【0008】
生産率を増加させ且つシートへの擾乱を最少にするため、単一走行乾燥機部は乾燥されているシートを輸送するのに高速度が使用される。単一走行乾燥機部では、図6で示されるように、紙シート198は上部と下部の段における乾燥機シリンダー200の周りを次々に蛇行している通路に従って単一の乾燥機布199の使用により輸送される。
【0009】
単一走行乾燥機部では、乾燥機布は二つの段の一つ、代表的には上段、における乾燥機シリンダーに対して直接に乾燥されている紙シートを保持しているが、下段における乾燥機シリンダーの周りにはそれを運ぶだけであることは認識されるであろう。布の帰りの走行は上部乾燥機シリンダーの上である。他方、ある種の単一走行乾燥機部は乾燥機布が下段における乾燥機シリンダーに対して直接に紙シートを保持しているが、上部シリンダーの周りにはそれを運ぶだけと云う反対の配置を持っている。この場合、布の帰りの走行は下段のシリンダーの下である。何れの場合も、圧縮楔は動いている乾燥機布が乾燥機シリンダーに接近する狭くなっている空間で動いている乾燥機布の裏側表面に沿って運ばれる空気によって形成される。その結果は乾燥機布を通って外側に空気を流出させる圧縮楔中の空気圧を増加させる。続いて、この空気の流れは乾燥機布の表面から紙シートを離れさせる、“ドロップオフ”として知られる現象を引き起こす。“ドロップオフ”は縁のひび割れを引き起こすことにより製造されている紙製品の品質を低下させ得る。“ドロップオフ”は又もしそれがシートの破れを導くならば機械効率も低下させる。
【特許文献1】米国特許第5169499号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
多くの製紙工場が下方の段の乾燥機シリンダー及び/又はローラーの中に溝を機械加工することにより又は乾燥機のローラーに真空源を付加することによりこの問題に取り組んだ。これらの手段の両方共に圧縮楔に閉じ込められた空気を違った方法で乾燥機布を通過せずに取り除くことを可能にしたけれども、両方共に高価である。
【0011】
本発明は、それが巻取り紙と接触するようにならない表面上に、即ち、裏側表面上に隙間容積を有している乾燥機布の形成でこの問題に対する解決を与える。その隙間容積は圧縮楔の中に運ばれた空気が布を通る以外に行くべきどこかを与える。
【0012】
従って、それは抄紙機の形成、プレス及び乾燥機部のどれにも応用が見付かるかも知れないけれども、本発明は乾燥機布である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
抄紙機の布は機械に直交する方向(CD)糸の第一層と第二層を含んでいる。CD糸と織り合わされるのは機械方向(MD)糸のシステムである。
【0014】
MD糸は少なくとも二つの隣接したMD糸のグループで与えられる。各グループは第一MD糸と少なくとも一つの第二MD糸を持つ。
【0015】
各グループの第一MD糸は二重織で第一と第二層のCD糸と織り合わされ、その織り合わせの時第一層の唯一つのCD糸及び第二層の唯一つのCD糸と結び付いている。
【0016】
各グループの第二MD糸も又二重織で第一と第二層のCD糸と織り合わされる。グループが一つ以上の第二MD糸を含んでいる時、それらは一つの糸として一緒にCD糸と織り込む。第二MD糸はそれと織り合わせの時第一層の唯一つのCD糸と結び付くが、それと織り合わせの時第二層の少なくとも二つの連続したCD糸の上をフロートする。
【0017】
各グループにおける第一MD糸は同じグループ内の一つ又はそれ以上の第二MD糸と隣接グループの第二MD糸との間にある。こうして、第一MD糸はそれらにより分離された第二MD糸の間に連続した空気流路を形成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
布はエンドレスの形で乾燥機部に配置され、それ故に連続した空気の流路がそこの内側、即ち裏側、表面に定住する。連続した空気の流路は布が乾燥機部で単一走行乾燥機部のように使用される時、布と乾燥機シリンダーの間に形成される圧縮楔の中に運ばれる空気のための隙間容積を提供する。
【0019】
本発明は今、以下で確認される図面を屡々参照しながらより完全な詳細が述べられるであろう。
【実施例】
【0020】
扨これらの図を参照すると、図1は本発明の抄紙機の布10の裏側表面12の計画図である。図1では、機械方向(MD)と機械に直交する方向(CD)は図示されたとおりである。本図及び他の図における抄紙機の布10の糸の間の間隔は明確のために誇張されている。図1は互いに並んだ織パターンの二つの繰り返しを示している。
【0021】
図3Aは図1における線3−3により指示されたようにとられた断面図である。布10がCD糸の二つの層を含んでいることが観察されるであろう。布10が平織であって且つ続いて継ぎ目付きのエンドレスの形に連結される時、布10が生産される工程ではCD糸は横糸である。CD糸の第一層14はCD糸21,23,25,27,29,31を含み、一方CD糸の第二層16はCD糸22,24,26,28,30,32を含む。図1と3Aで明らかなように、二つの層14,16におけるCD糸は垂直に積み上げられた位置にはない。寧ろこれらは布10の機械方向に互いに交互になっている、それ故両層共に図1で表された図では視ることが出来る。現実には、第一層14のCD糸21,23,25,27,29,31は糸の間の間隔が全く小さいので実際の布10の裏側表面12上では辛うじて視ることが出来るかも知れない。
【0022】
扨図1に立ち返ると、布が織られる工程では縦糸である、MD糸41−52は実質的に長方形の断面を有している平らな単繊維糸である。MD糸41−52の断面形状は図1の線4−4により指示されたような横糸方向にとられた断面図、図4で示されている。
【0023】
MD糸41−52は二つのMD糸が対を成して一つとしてCD糸21−32と織るような三つのグループに配列される。詳細には、MD糸42,43;MD糸45,46;MD糸48,49;及びMD糸51,52は双子のペアであり、それはMD糸41,44,47,50によってそれに隣接するものから分離されている。これら後者のMD糸41,44,47,50は以下に述べる手段で布10の裏側表面12上に連続した空気の流路60を規定する。
【0024】
双子のMD糸のペアは布10の裏側表面12上に長いフロートを形成する。詳細には、MD糸42,43は織パターンの各繰り返しでCD糸21と22の下、CD糸23−31の上、及びCD糸32の下を織り込んで、それによりMD糸42,43は布10の裏側表面12上の第二層16の四つの連続したCD糸24,26,28,30の上をフロートする。MD糸48,49はMD糸42,43と同じ手法で織り込む。
【0025】
同様に、MD糸45,46は織パターンの各繰り返しでCD糸21−25の上、CD糸26−28の下、及びCD糸29−32の上を織り込んで、それによりMD糸45,46は布10の裏側表面12上の第二層16の四つの連続したCD糸30,32,22,24の上をフロートする。MD糸51,52はMD糸45,46と同じ手法で織り込む。MD糸45,46及びMD糸51,52により形成されたフロートはMD糸42,43及びMD糸48,49により形成されたそれらから六つのCD糸によって機械方向に分枝させられる。
【0026】
双子のMD糸のペアをお互いから分離させる、MD糸41,44,47,50は繰り返しパターンで三つのCD糸の上と続く三つのCD糸の下を織り込む。詳細には、MD糸41,47は織パターンの各繰り返しでCD糸21,22,23の上、CD糸24,25,26の下、CD糸27,28,29の上、及びCD糸30,31,32の下を織り込む。他方、MD糸44,50はCD糸21の上、CD糸22,23,24の下、CD糸25,26,27の上、CD糸28,29,30の下、及びCD糸31,32の上を織り込む。斯くの如く、MD糸44,50はMD糸41,47が二つのCD糸により織り合わされるような方法から機械方向に分枝させられる方法でCD糸を織り込む。
【0027】
図1と3Aを詳しく参照すると、MD糸41、及び同じ方法で織り込むMD糸47、が布10の裏側表面12上に長いフロートを持たないことは気づかれるであろう。その代わり、MD糸41,47は第二層16のCD糸22,28だけの上を織り込んで、且つ裏側表面12に関してCD糸22,28を内側に引き込む傾向がある、それ故CD糸22,28を織り込む時にMD糸41,47によって形成される節はMD糸42,43;45,46;48,49;及び50,51により形成されたフロートの内側にある。結果として、MD糸41,47は布10の裏側表面12上の加熱と摩滅から保護されている。
【0028】
同様に、MD糸44、及び同じ方法で織り込むMD糸50、も又布10の裏側表面12上に長いフロートを持っていない。その代わり、MD糸44,50は第二層16のCD糸26,32だけの上を織り込んで、且つ裏側表面12に関してCD糸26,32を内側に引き込む傾向がある、それ故CD糸26,32を織り込む時にMD糸44,50によって形成される節も又MD糸42,43;45,46;48,49;及び50,51により形成されたフロートの内側にある。結果として、MD糸44,50も又布10の裏側表面12上の加熱と摩滅から保護されている。
【0029】
MD糸41,47がCD糸22,28の上を織り込む時、及びMD糸44,50がCD糸26,32の上を織り込む時に形成される節はMD糸42,43;45,46;48,49;及び50,51により形成される長いフロートの内側にあるから、MD糸41,44,47,50はこれら双子ペアの間に連続した空気の流路60を規定する。連続した空気の流路60は単一走行乾燥機部のような乾燥機部における“ドロップオフ”の問題に解決を与える。機械方向に定位された、連続した空気の流路60は溝の付けられた乾燥機ローラーにより行われたのと同じ機能を実行する。即ち、それらは圧縮楔の中に運ばれて閉じ込められた空気用の容積を提供し、それによりそれが“ドロップオフ”を引き起こすかも知れない、すべて布10を通って押し出されるべき空気の傾向を軽減させている。連続した空気の流路60により提供された隙間の容積は、織られた及び螺旋で繋がった両方の、他の乾燥機布構造におけるそれとは違っている、何故ならば隙間容積は連続的であるから。大部分の乾燥機布は幾許の隙間容積を持っている、然し一般的に隙間容積は離散的な不連続の穴又は布の中の開口で与えられる。本発明では、隙間容積は機械方向のような、予め決められた方向に連続的である。
【0030】
図2は布10の紙に接触している表面18の計画図であり、且つ図1の裏返しである。図2と3AはMD糸41−52がそれらが第一層14に織り込むごとに第一層14の単一のCD糸21,23,25,27,29,31と結び付くことをまとめて示している。詳しくは、MD糸41,47はそれらが織パターンの各繰り返しで二回第一層14に織り込む時にCD糸25,31と結び付く。同様に、MD糸44,50はそれらが織パターンの各繰り返しで二回第一層14に織り込む時にCD糸23,29と結び付く。他方、MD糸の双子のペア42,43;48,49はそれらが織パターンの各繰り返しで一度第一層14に織り込む時にCD糸21と結び付く、一方MD糸の双子のペア45,45;51,52はそれらが織パターンの各繰り返しで一度第一層14に織り込む時にCD糸27と結び付く。結論として、CD糸21,23,25,27,29,31は布の紙に接触している表面18の面積の大部分を作り上げる、その表面18はシュートランナー(横糸滑走)表面として適切に記述される。現実には、第二層16のCD糸22,24,26,28,30,32は糸の間の間隔が全く小さいので実際の布10の紙に接触している表面18上では辛うじて視ることが出来る。いずれにせよ、布10の紙に接触している表面18のCD糸を支配している性質がMD糸41−52を加熱と摩滅から保護している。
【0031】
前述した配列への代案として、CDとMD糸はCDとMD糸が共に紙と接触している表面を形成する所謂単葉表面を形成するように配列されることが出来る。斯かる単葉表面配列は空気の流路には影響しないであろう。
【0032】
布10はなるべくなら単繊維糸だけで成るのが良い。詳しくは、CD糸は抗汚染物質ポリエステル単繊維であるのが良い。斯かる抗汚染物質は標準ポリエステルよりもより変形可能であっても良く、結果として、より変形できない糸と比較すると相対的に低い透過率(100CFMのような)を持つような布を容易に織ることが出来る。CD糸は一つ又はそれ以上の違った直径を持つ円形断面形状を持っても良い。例えば、CD糸24,30は0.90mmの直径を持つ一方CD糸21−23,25−29,31,32は0.50mm又は0.60mmの直径を持っても良い。即ち、図1,2,3A及び4で暗示したように、CD糸24,30は他のCD糸21−23,25−29,31,32よりも大きな直径であっても良い。第一層14のCD糸21,27を上から又は下まで織っている時に双子ペアのMD糸42,43;45,46;48,49及び51,52はCD糸24,30の上を織り込むから、CD糸24,30の大きな直径は連続した空気の流路60に付加的な深さを与える。代案として、又図3Bで示されるように、CD糸のすべて(即ちCD糸21−32)が各0.80mmのような同じ直径を持っても良い。MD糸41−52は実質上長方形の断面形状の平らな単繊維糸であって良い。例えば、MD糸41−52は図4で示されるように長辺が裏側表面の平面に平行に横たわる、0.44mm掛ける0.88mm寸法の実質上長方形の断面を持っても良い。
【0033】
布10は6ハーネス(縦糸の通糸)の繰り返しで織られても良いけれども、代わりの実施例では、それは図面で示されるMD糸の双子のペアの代わりにより大きな幅の単一のMD糸を用いて4ハーネスの繰り返しで織られても良い。
【0034】
CD糸21−32は抄紙機織物用の斯かる糸の生産に使用されるどんな合成重合体樹脂の円形断面の単繊維糸であっても良い。ポリエステルとポリアミドは斯かる材料のほんの二つの例である。斯かる材料のその他の例は登録商標RYTONの名の下で商業的に利用可能なポリフェニレンスルフィド(PPS)、及び一般に譲渡された米国特許第5169499号で開示され、又登録商標THERMONETICSの下でアルバニインターナショナル社により発売され乾燥機布に使用される、修正された熱−、加水分解−及び汚染物質−に耐性のあるポリエステルの品種である。斯かる繊維は隠れたカルボキシル基を持ち又テレフタール酸、1,4−ジメチロールシクロヘキサン及びイソフタール酸の共重合体である。米国特許第5169499号の教示はここで参照文献に組み込まれている。更に、ポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタレートイソフタレート)(PCTA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)及びその他のような材料も又使用され得る。
【0035】
更に、円形断面形状に加えて、一つ又はそれ以上のCD糸が長方形断面形状又は円くない断面形状を持っても良い。
【0036】
前に指示した如く、MD糸41−52は実質上長方形の断面形状の平らな単繊維糸であっても良い。代案として、どんな又はすべての斯かるMD糸が円形断面形状又は円くない断面形状のような他の断面形状を持っても良い。更に、MD糸41−52は抄紙機織物用糸の生産に使用されるどんな合成重合体樹脂であっても良い。ポリエステルとポリアミドは上に開示した他の材料と共に、ほんの二つの例である。
【0037】
布10は単一走行又は単一段の乾燥機部で使用される。代案として、布10は図5で示されるような、他のタイプの乾燥機部で使用されても良い。斯かる情況では、布99が布10と置換されるであろうことは認識されるはずである。
【0038】
上記に対する修正は当業者にとっては明白であろう、然し本発明の範囲を越えて修正された発明をもたらすことは無いであろう。例えば、布10が平織であって、且つ抄紙機の乾燥機部で使用するためエンドレスの形に連結されねばならない一方、MD糸41−52が織工程の間横糸になり又CD糸21−32が縦糸になる場合のような、エンドレス織により布10を生産することも又可能である。続く請求項は斯かる情況をカバーするものと解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施例に従う抄紙機の布の裏側表面の平面図である。
【図2】図1の抄紙機の布の紙に接触している表面の平面図である。
【図3】Aは図1の線3−3により指示されたような縦糸方向にとられた断面図であり、Bは本発明のもう一つの実施例に従う抄紙機の布の断面図である。
【図4】図1の線4−4により指示されたような横糸方向にとられた断面図である。
【図5】抄紙機部の断面図である。
【図6】単一走行乾燥機部の断面図である。
【符号の説明】
【0040】
10 布
12 裏側表面
18 表面
21−32 CD糸
41−52 MD糸
60 流路
98 紙シート
99 乾燥機布
200 乾燥機シリンダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械に直交する方向(CD)の糸の第一層と第二層;及び
機械方向(MD)の糸のシステム、前記MD糸は少なくとも二つの隣接MD糸のグループになっており、各前記グループが一つの第一MD糸と少なくとも一つの第二MD糸を有している;より成っている抄紙機の布において;
各前記グループにおける前記第一MD糸が前記第一と第二層の前記CD糸と二重織で織り合わされ、前記第一MD糸はそれと織り合わせの時に前記第一層の唯一つのCD糸と及び前記第二層の唯一つのCD糸と結び付いており;
各前記グループにおける前記第二MD糸も又前記第一と第二層の前記CD糸と二重織で織り合わされ、前記第二MD糸はそれと織り合わせの時前記第一層の一つのCD糸とだけ結び付き又それと織り合わせの時前記第二層の少なくとも二つの連続したCD糸の上をフロートしており;そして
各前記グループにおける前記第一MD糸はそれの前記少なくとも一つの第二MD糸と隣接グループの第二MD糸との間にあり、
それにより連続した空気流路が前記第二MD糸の間の前記第一MD糸により布の裏側に形成されることを特徴とする上記抄紙機の布。
【請求項2】
前記少なくとも一つの第二MD糸は二つの第二MD糸であって、前記二つの第二MD糸が前記第一と第二層の前記CD糸と一つの糸のように一緒に織り合わされている双子のペアである、請求項1に記載の抄紙機の布。
【請求項3】
前記MD糸が実質上長方形の断面形状の平らな単繊維糸である、請求項1に記載の抄紙機の布。
【請求項4】
前記MD糸が円くない断面形状を有している単繊維糸である、請求項1に記載の抄紙機の布。
【請求項5】
前記MD糸の少なくとも幾らかがポリアミド糸、ポリエステル糸、ポリフェニレンスルフィド糸、修正された熱−、加水分解−及び汚染物質−耐性のポリエステル糸、ポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタレートイソフタレート)糸、及びポリエーテルエーテルケトン糸の一つである、請求項1に記載の抄紙機の布。
【請求項6】
前記CD糸が円形断面形状の単繊維糸である、請求項1に記載の抄紙機の布。
【請求項7】
前記第二層の前記CD糸の幾らかが前記第一と第二層の前記CD糸の残りよりも大きな直径のものである、請求項6に記載の抄紙機の布。
【請求項8】
前記CD糸の少なくとも幾らかがポリアミド糸、ポリエステル糸、ポリフェニレンスルフィド糸、修正された熱−、加水分解−及び汚染物質−耐性のポリエステル糸、ポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタレートイソフタレート)糸、及びポリエーテルエーテルケトン糸である、請求項6に記載の抄紙機の布。
【請求項9】
前記第一層の前記CD糸がそれに関して垂直に積み重ならないように前記第二層の前記CD糸に関して機械方向に分枝される、請求項1に記載の抄紙機の布。
【請求項10】
各前記グループにおける前記第二MD糸がそれとの織り合わせの時前記第二層の四つの連続したCD糸の上をフロートする、請求項1に記載の抄紙機の布。
【請求項11】
前記CD糸の少なくとも幾らかが円くない断面形状の単繊維糸である、請求項1に記載の抄紙機の布。
【請求項12】
多数の機械に直交する方向(CD)の糸;及び
多数の機械方向(MD)の糸より成っていて、
前記MD糸と前記CD糸が前記布の裏側の上に多数の連続した空気流路を形成するように予め決められた方法で配列される、抄紙機の布。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−505714(P2006−505714A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−551576(P2004−551576)
【出願日】平成15年10月24日(2003.10.24)
【国際出願番号】PCT/US2003/033922
【国際公開番号】WO2004/044309
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(591097414)アルバニー インターナショナル コーポレイション (110)
【氏名又は名称原語表記】ALBANY INTERNATIONAL CORPORATION
【Fターム(参考)】