説明

補充材でコーテイングしたレールの誘導または走行用支承材およびこの種の支承材の設置法

【課題】 この支承材は、コンクリート(4)で充填してある溝(2)内に設置された、断面がI字型であることが好ましいレール(10)を含んでいる。
【解決手段】 レールは、製造時に、そのほぼ全長に亙って、少なくとも1の側方延長部16になる充填材8で部分的に補充してあり、同延長部は、コンクリート上に乗るためのものであり、その中に、誘導または走行用ローラーの通行に必用な側溝(9)が設置されている。レールは、補助的な固定を保証する中間的装置に依存することなくコンクリートに直接保持される。このレールは、曲げ加工の補足的単独段階無しに、線形の曲線に適応するために、設置時に曲げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補充材でコーテイングした鉄道用誘導または走行用レールを含む誘導または走行用支承材、ならびに同支承材を地面に設置する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明によるレールは、真っ直ぐな短片の形で製作、納入され、行路の湾曲に適応するために、設置時に曲げ加工されることが好ましい。
【0003】
特別な適用では、本発明は、都市公共交通機関の路上乗物のための傾斜ローラー誘導用ユニットのための回転用トラックになる側面を有する、地面に埋没することを目的とする補充材を加えた誘導のためのレールを含む支承材に関する。
【0004】
誘導されている若干の都市公共交通機関の乗物は、その誘導のために、上部の表面が地面とすれすれか、僅かに出ている誘導用レールを利用している。
【0005】
この誘導用レールは、通常、地面に掘って、コンクリートを満たした溝の中に設置され、同レールは、支承部になるその基部で乗っており、溝の中に平均的に配分される固定用中間装置に保持される。
【0006】
その次に、コンクリートと誘導用レールの側面との間のスペースは、充填材で充填されるが、しかしながら、誘導用ローラーのカバーの通行に必用な、側溝と呼ばれる線状スペースが空いたままにしてある。
【0007】
本出願者の以前の発明によれば、この充填材は、誘導用レールの設置時に現場で流し込む合成樹脂が好ましい。同充填材は、誘導用側溝に存在し得る異物の排除、押し込みまたは沈積を保証することのできる圧縮性を有する。
【0008】
事実、気候不順や環境に晒されるよって、側溝が、破片、植物、氷、雪、小石または偶然か故意に置かれたその他の異物など、いろいろな雑物で局部的に塞がってしまうことがしばしば起こり、カバー付き誘導用ローラーの通行の障害になって、ついに同ローラーの損傷をもたらし、乗物の誘導用ユニットの脱線、そしてもっと深刻なことに、乗物そのものの脱線の危険になり得る。
【0009】
圧縮性という適切な特性によって、この充填材は、誘導用ローラーの通行時に異物の排除、押し込みまたは沈積を可能にし、それによって誘導用ローラーが安全に乗り越えることができる。
【0010】
誘導用側溝は、空いているはずであり、そして支承用基部があることにより、この段階では、充填材層の量は多くなく、小型の異物の押し込みを許すほど充分であるにしても、もっと大きい異物は、はみ出し続けて、乗物の誘導の邪魔になり得る。
【0011】
なお、充填材による埋め込みが誘導の順調な機能に重要な役割を果たすとしても、その実施はデリケートであることが判明しており、往々にして問題になる。
【0012】
事実、従来の技術では、この樹脂は、現場で調製され、流し込まれる。その組成は、完全に規格化通りになっているのではなく、用量に関わる変化だけでなく、気象や気候条件に左右されることがあり得る。
【0013】
正確な形状と寸法を守りながらレールに沿っての流し込みによる施工それ自体は微妙な作業であり、雨や寒さ、ひどい暑さのようないろいろな気象条件のような外的条件、または例えば傾斜路のような充填材の流し込みを複雑にする条件で更に問題になり得る。
【0014】
このような状態は、損害をもたらす欠陥、そのうえ乗り物の活用上、危険を生ずることがあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、誘導または走行用レールが、地面に置かれる前に、補充材であらかじめ補充されている誘導または走行用支承材を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明による走行または誘導用支承材は、誘導または走行用レール、ならびにレールが設置される埋め込み材を満たした溝を含む。このレールは、少なくとも1の誘導用または走行用ローラーの回転に適する形状の頭部、基部および頭部と基部を合一させる芯部を含んでいる。
【0017】
本発明によれば、誘導または走行用レールは、設置される前に、そのほぼ全長に亙って、補充材で部分的に補充されており、同補充材は、封入用材上に乗るための少なくとも1の側方延長部を含んでおり、同側方延長部に、誘導または走行用ローラーの通行に必用な側溝が設けられている。
【0018】
本発明の別の重要な特徴として、誘導または走行用レールは、封入用材で直接固定されて、補助的な固定のための中間的装置に依存することなく封入用材に保持される。
【0019】
使用される充填材は、誘導または走行用ローラーの通行時に、異物が側溝内に存在する場合、同異物の排除、押し込みまたは沈積を保証する圧縮性を有することが好ましい。
【0020】
本発明による走行または誘導用の好ましい実施態様によれば、誘導または走行用レールは、補足的曲げ加工の単独段階なく、その設置場所で、直接曲げ加工される。
【0021】
本発明によるレールは、補充材で補充されて、工場から出荷される。同レールは、安定した最適条件で製作される。補充材の組成および形状と寸法は、完全に規格化通りに複製することができ、それによって、補充材を加えたレールの形状の良好な均一性が保証される。
【0022】
この補充材は、レールの周囲に接着、付着または加硫されることが好ましく、レールに更に腐食防止性を付与する。したがって、レールの表面をショットブラステイングなどで清浄化でき、必用があれば、ペンキまたは付着用層で被覆してから補充材で補充される。補充材とレールとの他の連結法もまた可能である。
【0023】
補充材の塊で被覆されたレールの真っ直ぐな短片は、次に納品されて、その設置場所に容易に設置される。
【0024】
本発明によるレールは、すらりとした断面、例えば大きな側方ひずみの無い、通常のI字状の断面を有することが好ましく、したがって、その据えつけ場所で自動的に曲げられる。
【0025】
したがって、基部付きの従来のレールの製作時、または設置の少し前の曲げ加工の補足的単独段階は避けられる。通常、ローラーの走行で実施されている設置前の曲げ加工の単独段階はまた、補充に損傷を加えることがあり得る。
【発明の効果】
【0026】
本発明によるレールは、有利なことに、基部、または以前の技術のレールと違って、丈の高い、下部における大きな基部または基部無しで予定できる。したがって、レールの側面を縁取る補充材の厚さは、以前の技術のよりも著しく厚い。しかしながら、補充材の総量は、実質的に同一であり、この解決法のために大きな追加費用をもたらすことがない。
【0027】
もはや基部を含まず、単に広がっている基部を有し、補充材の一段と大きい厚さで、本発明によるレールは、更に、かなり大きい異物の押し込みを改善させることを可能にする。
【0028】
他方では、本発明による誘導用レールは、その使用位置に、いろいろな方法で据えつけでき、土木工事の要求および誘導用レールで誘導される都市公共交通機関の乗物の安全性の要求を同時に充たすその内の2の実例をこれから詳述する。
【0029】
どの場合にも、誘導または走行用レールは、封入用材に直接設置されて、
中間的保持装置無しに保持される。
【0030】
したがって、溝の中にレールを平均した間隔で固定させるために利用されるいろいろな種類の固定用装置を使用せずに済む。
【0031】
この事実により、レールの設置は、もっと迅速でもっと経済的である。さらに、それにより、補充は、レールまたはレールの短片のほぼ全長で連続的であり得る。レールの設置は、固定用装置を必要とする場合の中断がなく、レールのぼ全長に亙ってその役割を果たすことができる。
【0032】
本発明のその他の特性と利点は、添付図を参照しながらこれから行う詳細な記述を読むことによって明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】地面に設置した従来の技術による誘導用レールの横断面図である。
【図2】単独に示した、本発明によるコーテイングした誘導用レールの基本的変形態様の横断面図である。
【図3】単独に示した、本発明によるコーテイングした誘導用レールの第2の変形態様の横断面図である。
【図4】単独に示した、本発明によるコーテイングした誘導用レールの第3の変形態様の横断面図である。
【図5】本発明によるコーテイングした誘導用レールの短片の第4の変形態様の横断面図である。
【図6】地面に設置した、図3のコーテイングした誘導用レールの横断面図である。
【図7】地面に設置した、図4のコーテイングした誘導用レールの横断面図である。
【図8】V字状に形成してある、一対の誘導用ローラーとかみ合っている、本発明によるコーテイングした誘導用レールの第5の変形態様の横断面図である。
【図9】単一カバー付きの真っ直ぐなローラーとかみ合っている、本発明によるコーテイングした誘導用レールの第6の変形態様の横断面図である。
【図10】二重カバー付きの真っ直ぐなローラーとかみ合っている、本発明によるコーテイングした誘導用レールの第7の変形態様の横断面図である。
【図11】本発明による誘導用支承材の設置の第1の方式の各種段階を示す横断面概略図である。
【図12】本発明による誘導用支承材の設置の第1の方式の各種段階を示す横断面概略図である。
【図13】本発明による誘導用支承材の設置の第1の方式の各種段階を示す横断面概略図である。
【図14】本発明による誘導用支承材の設置の第2の方式の各種段階を示す横断面概略図である。
【図15】本発明による誘導用支承材の設置の第2の方式の各種段階を示す横断面概略図である。
【図16】本発明による誘導用支承材の設置の第2の方式の各種段階を示す横断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
添付図1を参照しながら、以前の技術による支承材の1の実例をこの下に描写することにする。
【実施例】
【0035】
誘導用レール1が地面3に掘ってある溝2の中に設置してあり、従来通りにコンクリートである封入用材で充填されている。
【0036】
誘導用レール1は、その下部に支承用基部5を含んでおり、同基部は、都市公共交通機関の乗物の誘導のために、レール1の上部の表面6が地面3とすれすれか、軽く超えている方法で、溝2の中のコンクリート層上に乗っている。
【0037】
前記の独自の保護によれば、封入用材4と誘導用レール1の側面7との間に存在するスペースは、溝の中へのレールの設置後、充填材8で充填されるが、乗物の誘導用ローラーの通行に必用な側溝9が空いたままにしてある。
【0038】
誘導または走行用レール10および封入用材4で充填してある溝2を含む、本発明による誘導または走行用支承材の好ましい幾つかの実施態様を図2から16までを参照しながら、これから詳細に叙述することにする。諸図に示した同等の要素に同一の照合用番号を付しておいた。
【0039】
今後の記述では、諸図に示したレールに採用した位置に應じて、用語を上から下、内側から外側、頭部から基部などのように定めておく。この方向決定は、特に誘導用レールの場合、必ずしも利用面で保つとは限らないのは言うまでも無い。
【0040】
溝とは、ここでは、コンクリートが好ましい封入用材内に固定される1または複数のレールを受け入れるために地面またはその他の支承材に形成される溝、細溝、中溝を指す。
【0041】
地面またはその他の支承材、あるいはもっと一般的に1または複数のレールの設置と固定のための基盤になる通路の線状構造の中に、部分的または完全に埋め込み、または地面またはその他の支承材の上に設けてある溝のことをも指す。
【0042】
同様に、この溝が地面のレベルに優先的に置かれるとはいえ、他の場所、例えば側方誘導の都市公共交通機関の乗物の通行路に沿っている側壁上に位置することもできる。
【0043】
表した好ましい実施態様では、本発明によるレール10は、全体的形状がI字状の断面を有し、両端、すなわち頭部11か茸と基部12は、I字状の軸を形成している長く、狭い芯部13で繋がっている。
【0044】
本発明によるレール10の頭部11と基部12は、レールの中央横断面に関して、ほぼ左右対称であることが好ましい。
【0045】
レール10の頭部11は、同レール10の適用で果たすべき機能に適するなんらかの外的形状を有する。したがって、同頭部は、例えば、乗物の誘導または走行用ローラー15のための回転用トラックとして役立つための適切な1または複数の側面14を含んでいる。
【0046】
表現されているレール10は、以前の技術によるレール1よりも丈が高いことが好ましく、下部には支承用基部を含んでいない。したがって、ある程度柔軟性を有しているので、線形の曲線に順応できる。
【0047】
この事実により、同レールは、真っ直ぐな短片だけが製作され、納入されると有利であり、同短片は、予定されている線形に従うために、必用があれば、あらかじめ曲げてしまわれるか、設置時に曲げてしまわれることができ、例えば曲線状の線形の溝に押し込むことによって自動的に曲げられる。
【0048】
レール10の形状は、曲線状の箇所に設置するときに、レールの横倒れまたは捩れを避けるために、レールの中央長手方向面との関連で左右対称であることが好ましい。
【0049】
しかしながら、本発明によるレール10の形状は、レールが果たすべき誘導または走行機能に適しており、好ましいことに、現場での誘導用レールの曲げ加工または設置時にレールが自動的に曲げられることができる以上、表現した形状と異なることは可能である。
【0050】
例えば、基部12がなく、芯部13が平らで薄いレール、または全体的形状がほぼ長方形の平らなレール、すなわち巾がその厚みでほぼ一定な断面、そして例えば薄板状のレールが考えられる。
【0051】
好ましいことに、本発明によるレール10は、曲げ加工の補足的単独段階なく、据えつけ現場での設置時に曲げられるように、大きな側方ひずみを有することがない。
【0052】
本発明の基本的変形態様は、図2に示してある。
【0053】
同変形態様によれば、レールは、封入用材4上に乗るための上向きが好ましい、補充材8製の側方延長部16を含んでおり、同延長部に、誘導または走行用ローラーの通行、特に同ローラーのカバー17の通行に必用な側溝9が設置してある。
【0054】
例えばこの変形態様では、誘導用ローラーは、鉄道では従来から使用されているローラーまたは一般車輪であり得ることを指摘しておこう。
【0055】
図3から16までに示した本発明の好ましい実施態様では、充填材8製の側方延長部16は、充填材8製のより完全な補充材18の一部になる。
【0056】
レール10は、その中央部および下部、すなわちその芯部13と基部12のレベルに示してある好ましい変形態様で、充填材8の塊で補充されることができる。
【0057】
ほぼ頭部11に当たるレール10の上部は、その機能区域に影響しないように、充填しないで空いたままにしてある。したがって、レールの側面14へのアクセスができ、1または複数の側溝9がローラー15の動的関わりを阻害しない形で順応できる。
【0058】
補充材18の形状は、レール10の輪郭にほぼ沿っていることが好ましい。したがって、示しておいた諸図では、補充材18は、細く、伸びていることが好ましい中央部20で延長ざれている下方ふくらみ部19を含んでいる。
【0059】
補充材18の中央部20は、その上部がラッパ状になっており、少なくとも封入用材4上に乗るために広がっていることが好ましい側方延長部16を形成している。
【0060】
レール10の典型とその応用によれば、側方延長部16は、2の側溝9が形成されるように、レール10の両側に予定されることができる。
【0061】
図3から16までに見られるように、示しておいたレール10の側面21を縁取る充填材8の塊は、以前の技術による充填材よりもずっと深い。明らかに大きい形状の異物は、有利なことに、乗物の誘導または走行用ローラーの通行を妨げないように、その中に沈みおよび/またははまり込むことができる。
【0062】
充填材8は、前記の機能を果たすために充分に弾力性を有すると共に、適用されて、晒される外的気候条件および使用条件に耐えられるために適応している、任意の合成物質である。
【0063】
この充填材は、とりわけ気候条件および製造業者が定めている範囲における使用条件がどのようであっても、ローラー15との関わりには絶対に影響しないように、選択される。とりわけ、気温および降水量の作用を受けても、膨らみ、膨張することはごく僅かとする。
【0064】
この物質は、レール10を地面から電気的に絶縁するものを予定すると有利である。この場合、レール10は、地面と接触するその全面に補充してあることが好ましい。例えば図6と7に示しておいた埋設レールでは、絶縁性補充材18は、レールの下部と中央部を完全に被覆している。
【0065】
しかしながら、既に示しておいたように、本発明には、このように巾広い補充材18は不可欠ではなく、レール10の片側だけに付け、またはレールの中央部だけに付けて、支承用基部12を空いたままにするか、あるいはまた、例えば、図2の基部の変形態様のように、側溝9を取り囲む区域に限定した、レールのごく僅かな面積だけに付けることができる。
【0066】
本発明の重要な1の特性によれば、レール10は、同レールの利用場所に設置される前に、充填材8層で補充される。
【0067】
充填材8による補充材18は、レールまたはレールの短片のほぼ全長に亙って一様であると有利である。誘導用レールは、溝2の中に直接設置されて、封入用材4で保持されるので、固定用中間的装置の設置のためにこの補充の中断を事実上予定する必用がない。
【0068】
充填材8で保証された、側溝9内に存在する異物の排除、押し込みまたは沈積機能は、このように誘導用レール10の全長に亙って、有利に果たされる。
【0069】
補充材18は、その製造時または後で、例えば充填材8を押し出し成形で、レール10の周囲に付け加えまたは形成することが好ましい。したがって、充填材8による補充材18は、安定した最適条件で工場内で有利に製作でき、それによって規格化と複製ができる組成と形状が保証される。
【0070】
その次に、補充材18の層で被覆されたレール10の短片は、納入されて、工事場に設置される。
【0071】
以前の技術と同じく、本発明による補充材を加えたレール10は、例えば地面3に掘られて、コンクリートが好ましい封入用材4を充たした溝2の中に設置される。
【0072】
しかしながら、レール10の溝2内への固定を保証するための中間的装置が全然使用されない。レール10は、封入用材4に直接固定され、保持される。
【0073】
本発明による補充材を加えたレール10の2の実例は、地面に使用した状態で図6と7に表してある。
【0074】
本発明によるレール10の設置のために、本出願者は、2の好ましい方式を完成し、同2のそれぞれの方式は、図11から13までと14から16までの概略図に示されている。
【0075】
諸段階が図11から13までに示してある第1の設置法では、補充材を加えたレール10は、封入用材4を溝2に充たし始める前に、または部分的にしか充たしていないときに、溝2の中に置くことができる(図11)。
【0076】
そのとき、補充材を加えたレール10は、その最終的位置のレベルに正確に位置づけられる必用があり、任意の適切な一時的保持装置22で保持されなければならない。諸図では、この一時的保持装置22は、ペンチで図式的に表した。とにかくその形状と性質は、非常に異なり得る。
【0077】
その次に、作業時気象条件がどのようであっても、完全に規格化された既知の技術で、コンクリートまたはそれ以外の望みの封入用材4を溝2に流し込む(図12)。封入用材4は、レール10およびその補充材18に流れ込み、望みの最終的レベルまで溝を充たす。
【0078】
乾燥と硬化後、封入用材4は、充填材製保持用補充材18を介して、レール10の保持を確立する。一時的保持装置22は必用でなくなるので、そのときに取り外される。
【0079】
この場合および図3と5に示した本発明の変形態様において、係留手段すなわち連結材23、特に表面処理または凹部か、それとも突出要素、例えば金属製か合製物質製が好ましい突出繊維が、封入用材4と充填材8の両物質間の界面の連結を改善するために、補充材18の外面に予定してあることが好ましい。
【0080】
接着手段の1の実例が図5の斜視図に示してある。この場合、一連の波状の形状をした針金24のことであり、同針金は、封入用材4と係留しやすくするために、補充材18からでている一連の環25状になるように、補充材18の周囲に埋め込まれている。
【0081】
この連結手段23は、使用中、とりわけ誘導路を横断する乗物の横断走行のために、解離応力がもっとも強くかかる界面区域に、延長部の自由端部26または側方延長部16のレベルに、主に位置することが好ましい。
【0082】
しかしながら、この連結材23は、補充材18の外面のどこにでも局部的に、または外面全体に存在することができる。
【0083】
この連結材23はまた、適切な表面処理の形で、または充填材8のための蜂窩状または凝集状物質の利用の形でも実施できる。
【0084】
図14から16までに示した第2の設置法では、例えば溝に充填する間、連結移動式型枠で、下方が広がっていて、補充材18付きレール10の外形をほぼ補完する形状を有することが好ましい中溝27を封入用材4内に設置して、溝2を封入用材4で充たす(図14)。
【0085】
図示していない別の変形態様によれば、中溝27はまた、溝2に存在する封入用材4に溝を設けることによって、作成できる。
【0086】
封入用材の乾燥と硬化後、本発明による補充材を加えたレール10を、例え道路ローラーで、この中溝27内に嵌め込むまで、強引に押し込める(図15)。
【0087】
この強制的嵌め込みは、レールの漸増的曲げ加工に付随する。必用な最終的曲がりが嵌め込み終了時に得られる文字通りの自動的曲げ加工である。レールの特性によって、曲げ加工は、倒さずに、すなわちレールの上部を傾斜させることなく、曲げ加工を実施できる。
【0088】
充填材8の圧縮性によってっ可能になるレール10の強制的嵌め込みは、補充材18の適応性外形、とりわけその下方ふくらみ部19によって容易になることができる。
【0089】
したがって、補充の下方ふくらみ部19は、レールの挿入を誘導するために、下方が広がっている嵌合用進入路になる、例えば斜め削ぎ側面28を有する。
【0090】
補充材18の中央部20の局部的な狭小部すなわち締めつけ部は、嵌め込みを自動的にブロックする。
【0091】
レール10の事故による、または悪意による中溝27外への引き抜きは、補充材18と中溝27のそれぞれの形状と寸法により、特に中央部20の狭小部のレベルで、強制的な取付け時に、無理に圧縮された充填材8の側方拡張力によって阻止される。下方ふくらみ部19の突出部29もまた、このような引き抜きに抵抗する。
【0092】
したがって、レール10は、引き抜きに対する係留が保証されて、ローラーがレールを締めつけるとしても、誘導用システムは、地面に係留されたままになる。
【0093】
問題が生じた場合、本発明によるレール10は、容易に取り外せる。そのために、レール10をその収納部から抜き出すために、上から、レール10の両側の充填材8を切るだけで足りる。
【0094】
補充材を付けたレール10が、補足的形状の中溝27に嵌合で設置されていた場合(図14から16まで)、レールの短片が抜き取られた後、今度は、残っている充填材8の部分は、そのとき、側方圧縮がなくなっているので、きわめて容易に取り出せる。
【0095】
抜き取ったレールの短片に代わって、同じ設置法を利用して、本発明による補充材を加えたレール10の新しい短片を設置できる。
【0096】
補充材を加えたレール10が、その周囲に封入用材を流れ込みで係留されていた場合(図11から13まで)、充填材8の残余部分は、レール10の短片が抜き取られた後も付着したままでいる。
【0097】
そのとき、レール10の短片は、補充されていない短片で局部的に置き換えられて、この短片と、封入用材内に係留されている充填材8の残留部分との接続と充填は、樹脂の通常の流入で行われる。
【0098】
この方法は、溶接が行なえるようにレールが部分的に露出されるか、または必用があれば、機械的なその他の固定法で、レールの溶接のレベルでも、同様に利用できる。
【0099】
1列に並んでいるように充分に保持されていて、したがって、乗物の正しい誘導ができるので、隣接短片間で固定をする必用性がないことも考えられる。
【0100】
明らかなことであるが、本発明は、図示され、記述された実施態様および好ましい設置法に限定されているのではなく、当業者は、本発明の構想の範囲を出ることなく、いろいろな改訂をもたらし、別の変形態様を想像できる。
【0101】
例9は、封入用材4としてコンクリートが好ましいとしても、溝2の中で、補充されているレール10を固定することのできる他の物質を使用することができるだろう。
【0102】
更に、本発明は、誘導または走行用の特別な方式に限定されることなく、当業者によって、公共交通機関の乗物のためのいかなる型の誘導または走行用レールに適応できるだろう。
【0103】
図8から10までは、網羅的または限定的でない方法で、本発明の適用の3の異なる誘導用システムを示している。
【0104】
図8では、本発明による補充材を加えたレール10の変形態様が、誘導用レール10の頭部11の上部のレベルで傾斜している走行用トラック上を回転するV字型に形成している2のローラーを含む誘導用システム30とかみ合っている。
【0105】
傾斜している各誘導用ローラー31のカバー32は、レールの頭部11の両側で、同頭部の突出側面33の下まで伸びている。同ローラーは、レールの頭部11の下、同頭部の両側において、補充材18の側方延長部16の圧縮性材の中に配設してある側溝9内を通行する。
【0106】
図9の実施態様は、側溝9付きレールと共働するために予定されている誘導用ローラー34に適応している。ローラー34の回転用ベルト35は、その回転用トラックになる誘導用レール10の平らな上面36上を回転する。
【0107】
この型のローラー34は、その片側だけに、周縁部になるカバー37を具えている。このカバー37は、単一の誘導用側溝9に沿って移動する。同側溝は、通常の側溝付きレールの形状を再現する側方延長部16で、レールの頭部11の片側の側方を縁取る本発明による補充材18に形成してある。
【0108】
図10の誘導用ローラー38は、その回転用ベルト40の両側の周縁縁部になる2のカバー39を含む。
【0109】
図10に示してある誘導用レール10の変形態様は、この型のローラーと共働することを目的としている。このレールは、図9のレールに類似しているが、2のカバー39が通行できるために、レールの頭部11を縁取る側溝9が設定できるように、レールの頭部11の両側に、補充部の側方延長部16を含んでいる。
【0110】
本発明による誘導または走行用レール10は、当然であるが、本発明の全体的理念を出ることなく、他の変形態様を包含できる。例えば、補充材18は、図8から10までのような、異なる材料の1または複数の挿入材41を内蔵できる。この挿入材は、補充材18になる充填材8からすれすれに露出するか、埋没していることができる。この挿入材は、充填材から出ていることも予定することができる。
【0111】
それは、例えば、充填材8よりも圧縮性のある、適切な、例えば、発泡樹脂または蜂窩状材料で形成してあることが好ましい、側方延長部16のレベルで補充材18と共押出し成形した1または複数の長手方向リム42を指す。このような挿入材は、最適な圧縮性区域を形成することによって、本発明のレールユニットの埋め込みによる設置を容易にする。
【符号の説明】
【0112】
1. 誘導用レール
2. 溝
3. 地面
4. 封入用材
5. 支承用基部
6. レールの表面
7. レールの側面
8. 充填材
9. 側溝
10. レール
11. 頭部
12. 基部
13. 芯部
14. レールの側面
15. ローラー
16. 側方延長部
17. ローラーのカバー
18. 補充材
19. 下方ふくらみ部
20. 中央部
21. 側面
22. 一時的保持装置
23. 連結材
24. 針金
25. 環
26. 延長部の自由端部
27. 中溝
28. 斜め削ぎ側面
29. 突出部
30. 誘導用システム
31. 誘導用ローラー
32. カバー
33. 突出側面
34. 誘導用ローラー
35. 回転用ベルト
36. 平らな上面
37. カバー
38. 誘導用ローラー
39. カバー
40. 回転用ベルト
41. 挿入材
42. 長手方向リム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール(10)が中に設置される、封入用材(4)を充たした溝(2)および誘導または走行用レール(10)を含む走行または誘導用支承材であり、同誘導または走行用レール(10)が、少なくとも1の誘導または走行用ローラー(15)の回転のための適切な形状の頭部(11)、基部(12)および頭部(11)と基部(12)を合一させる芯部(13)を含んでおり、
レール(10)が、設置される前に、補充材(18)になる、充填材(8)でほぼ全長に亙って、部分的に被覆されており、同補充材が封入用材(4)上に乗るための少なくとも1の側方延長部16を含み、同側方延長部内に、誘導または走行用ローラー(15)の通行に必用な側溝(9)が配設してあり、そして
レール(10)が、補助的な固定のための中間的装置に依存することなく封入用材(4)に直接固定され、保持されることを特徴とする走行または誘導用支承材。
【請求項2】
誘導または走行用レール(10)が、補足的曲げ加工の独立段階無く、その設置場所における設置で自動的に曲げてしまわれることを特徴とする、請求項1による走行または誘導用支承材。
【請求項3】
誘導または走行用レール(10)が、大きな基部(12)が無く、すらりとした断面を有することを特徴とする、請求項2による走行または誘導用支承材。
【請求項4】
誘導または走行用レール(10)が、全体的にI字型の断面を有することを特徴とする、請求項3による走行または誘導用支承材。
【請求項5】
誘導または走行用レール(10)が、全体的にほぼ長方形で、その高さに亙って、ほぼ一定の巾を有することを特徴とする、請求項3による走行または誘導用支承材。
【請求項6】
誘導または走行用レール(10)の頭部(11)と基部(12)が、レールの中央横断面に対して左右対称であることを特徴とする、請求項1〜5の内のいずれか一項記載の走行または誘導用支承材。
【請求項7】
誘導または走行用レール(10)が、その中央横断面に対して左右対称であることを特徴とする、請求項1〜6の内のいずれか一項記載の走行または誘導用支承材。
【請求項8】
誘導または走行用レール(10)が、真っ直ぐな短片の形状を呈することを特徴とする、請求項1〜7の内のいずれか一項記載の走行または誘導用支承材。
【請求項9】
補充材(18)が誘導または走行用レール(10)の周囲に接着、付着または加硫されることを特徴とする、請求項1〜8の内のいずれか一項記載の走行または誘導用支承材。
【請求項10】
補充材(18)が、レール(10)の両側に伸びている2の側方延長部(16)を含むことを特徴とする、請求項1〜9の内のいずれか一項記載の走行または誘導用支承材。
【請求項11】
補充材(18)がレール(10)の周囲にほぼ沿っており、レールの基部(12)と芯部(13)のそれぞれを被覆する中央部(20)で上方に延長されている下方ふくらみ部(19)を含むことを特徴とする、請求項1〜10の内のいずれか一項記載の走行または誘導用支承材。
【請求項12】
レール(10)の下方ふくらみ部(19)が、進入の傾斜路になる斜め削ぎ側面(28)を有することを特徴とする、請求項11による走行または誘導用支承材。
【請求項13】
補充材(18)の外面が、封入用材(4)と充填材(8)との間の界面における連結を改善するために、接着または係留用手段(23)を含むことを特徴とする、請求項1〜12の内のいずれか一項記載の走行または誘導用支承材。
【請求項14】
連結材(23)が、金属製または合成物質製の突出している繊維からなることを特徴とする、請求項13による走行または誘導用支承材。
【請求項15】
連結手段(23)が、一連の連続的波状になるように曲げてある針金(24)であることを特徴とする、請求項14による走行または誘導用支承材。
【請求項16】
連結手段(23)が、補充材(18)の側方延長部(16)の自由端部(26)のレベルに位置していることを特徴とする、前記請求項13〜15までのいずれか一項記載の走行または誘導用支承材。
【請求項17】
異なる材料の少なくとも1の挿入材(41)が、充填材(8)の補充材(18)内に挿入されていることを特徴とする、請求項1〜16の内のいずれか一項記載の走行または誘導用支承材。
【請求項18】
挿入材(41)が、側方延長部16のレベルで、補充材(18)と共押出し成形した、充填材(8)よりも圧縮性の高い材料製の長手方向リム(42)であることを特徴とする、請求項17による走行または誘導用支承材。
【請求項19】
溝(2)の作成、
溝(2)内における最終的位置のレベルで、補充してあるレール(10)を位置づけおよび適切な一時的保持装置(22)によるレール(10)の保持、
希望されている水準まで、溝(2)内への封入用材(4)の流し込み、
封入用材(4)の乾燥と硬化、および
一時的保持装置(22)の抜き取り
の上記段階を含むことを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項記載の走行または誘導用支承材の地上または地中への設置のための方法。
【請求項20】
溝(2)の作成、
溝(2)を封入用材(4)で充たし、同溝(2)内に、補充材(18)付き、誘導または走行用レール(10)の外側の形状をほぼ補完する形状の中溝(27)を封入用材(4)に設けておく、
封入用材(4)の乾燥と硬化、および
補充材付きレール(10)を中溝(27)内の嵌合部内にまで強制的に押し込む、
以上の段階を含むことを特徴とする、請求項1〜18までのいずれか一項記載の走行または誘導用支承材の地上または地中への設置のための方法。
【請求項21】
中溝(27)の下部が下方に向かって広がっていることを特徴とする、請求項19または20による方式。
【請求項22】
封入用材(4)による溝(2)の充填中、中溝(27)が連結移動式型枠で形成されることを特徴とする、請求項20または21による方式。
【請求項23】
中溝(27)が、溝(2)の充填後、封入用材(4)への溝の形成によることを特徴とする、請求項20または21による方式。
【請求項24】
V字型に傾斜しているローラー(31)用誘導用システム(30)を含む都市公共交通機関の乗物の誘導に対する請求項1〜18までのいずれか一項記載の誘導用支承材の適用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2010−514965(P2010−514965A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544422(P2009−544422)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/FR2007/002161
【国際公開番号】WO2008/096079
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(504045341)