説明

補強ファイバー編み機を作動させる方法

本発明は、編み機(1)を作動させる方法に関する。編み機(1)は、リング(2)の軸(AX)に沿う移動が可能な支持体(12)により担持されるマンドレル(13、17)の周りに、ファイバー(3)の層(16、22)を編むためのファイバースプール(3)を担持するリング(2)を備え、編んだ後に、マンドレル(13、17)を引き出すためにファイバー(3)が切断される。編み機(1)は、支持体(12)により担持されると共にマンドレル(13、17)に固定されているハブ(5、6;18)であって、その一方でマンドレルの上流に搭載されているハブを備え、ファイバー(3)を、マンドレル(13、17)がリング(2)を通過した後に、前記ファイバー(3)を包囲するリンク(11、14)により、ハブ(5、6;18)の周りで締め付ける作用を含み、ファイバー(3)は、マンドレル(13、17)を引き出す前に、マンドレル(13、17)とハブ(5、6;18)との間で切断される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補強ファイバーのスプール(補強ファイバーを糸巻き状にしたもの)を担持しているリングを含み、補強ファイバーの複数の層を連続的に、リングを通過するように数回移動する同一のマンドレルの周りに、またはリングを通過するように次々に移動する複数のマンドレルの周りに編み組む編組機を作動させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
編組機は、マンドレルの周りをマンドレルの全長にわたり、1層のまたは互いに重ね合わされた複数の層を編み組むことにより、複合材料部品を製造することを可能にする。
【0003】
種々の層が形成されると、マンドレルと、マンドレルが担持している層とにより構成されるアセンブリは金型内に置かれ、これらの層内に樹脂が注入される。その後、この樹脂は、例えば加熱により重合されて、未加工の剛性部品が構成される。
【0004】
そのような編組機1は、図1に示されているが、本質的に、垂直面に位置しているリング2を含む。従って、このリングの回転軸AXは水平である。このリング2は、リング面の前部の一点、または軸AX上に位置する領域に向けて収束している1組の補強ファイバー3のスプールを担持している。従って、これらのファイバーは一体的に、ほぼ円錐形を画定している。
【0005】
編み組みサイクルが開始すると、マンドレル4は軸AXに沿って移動し、リングを通過して、ファイバーの収束点を超える。同時に、リング2上にモータ付き可動支持体により担持されているスプールが起動されて、このマンドレル4の外部表面上に補強ファイバーの靴下状体を製造する。
【0006】
この靴下状体は、マンドレルがリングを完全に通過すると、つまり、リングに対してオフセットしているファイバーの収束点を超えて位置すると、その全長にわたってマンドレルを覆う。
【0007】
その後、補強ファイバーの層は、マンドレルの下流地点で切断され、マンドレルは取り外され、その後、マンドレルを再びリングに通して、第1層に半径方向に重ね合わされる補強ファイバーの第2層の形成のために、リングの後方に戻される。
【0008】
実際は、マンドレルは、後部ロッドに固く締結されている下流端部と、前部ロッドに固く締結されている上流端部を有しており、これらの端部により、マンドレルはリングを通して引っ張られる。この目的のため、マンドレルは、その端部のそれぞれにおいてネジ山付き孔を含むこともあり、その場合、各ロッドは、このネジ山付き孔にネジ留めされる、対応するネジ山付き端部を有する。
【0009】
作動中は、編み組まれたファイバー層が前部ロッドを囲い、マンドレルが、このロッドにより、軸AXに沿って前方に引っ張られるにつれて、マンドレルの周りに編み組まれたファイバー層が形成される。
【0010】
この層が完全に形成されると、コードが、マンドレルの下流の編み組を通過して、このコードには、軸AXに平行な張力が加えられて、リングの前部の、そして、ほぼ軸AX上のファイバーの収束点が維持される。
【0011】
その後、補強ファイバーの編み組を、マンドレルと、コードがマンドレルを通過する領域との間で切断できる。この工程の後、前部ロッドは、マンドレルの前端部からネジ留めが外され、マンドレルは、後部ロッドの前端部からネジ留めが外され、マンドレルが担持している補強ファイバーの層と共に除去される。
【0012】
ファイバーの層を有するマンドレルは、その後、リングの背後に再び設置される。そして、リングを通過するロッドの後端部は、マンドレルの前端部にネジ留めされて、このロッド、つまり、前工程において後部ロッドであったロッドは、前部ロッドになる。
【0013】
他のロッドが、マンドレルの後端部にネジ留めされる。マンドレルに締結されたこれらのロッドは更に、軸AXに沿って互いに間隔を置いて配置されている複数のベアリングにより、軸AX上の定位置に保持される。
【0014】
実際、ファイバーの収束点が、マンドレルの取り外しおよび再挿入の間にコードにより保持されるときは、この収束点は、軸AX上に中心が留まることを確実にするようには十分に制御されず、この収束点が、軸AXに対して半径方向にオフセットされるという結果になる。
【0015】
従って、マンドレルが再び機械の中に設置されて、その前端部が、ファイバーの収束領域に面して位置するように運ばれると、この収束領域の半径方向のオフセットは、マンドレルの端部のレベル(niveau)における補強ファイバーの局所的な解体を引き起こす。そして、製造された未加工部品の機械的強度は、この端部のレベルにおいて相当に不利となる。
【0016】
この問題を防止する1つの方法は、マンドレルを再搭載する前に、カーボンファイバーの収束領域を再び中心に置くように編組機を作動させることである。しかし、この解決策は、製造時間の観点から非常に高価なものとなり、各層を編み組むために必要な補強ファイバーの長さを増大させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、この欠点を改善する解決策を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的のために、本発明は、
編組機を作動させる方法であって、
前記編組機は、補強ファイバーのスプールを担持しているリングであって、前記リングを通過するように複数回移動する前記単一のマンドレルの周りに、または前記リングを通過するように次々に移動する複数のマンドレルの周りに、補強ファイバーの複数の層を連続的に編み組むための、補強ファイバーのスプールを担持しているリングを含み、
各マンドレルは、前記リングの軸に沿って前記リングを通過するように移動することができる支持体により担持されており、
前記方法では、マンドレルを前記リングに通過させた後に、前記補強ファイバーは、このマンドレルの下流において切断されて、前記マンドレルを取り外すことを可能にする、
前記方法において、
− 前記支持体により担持されると共に前記マンドレルに締結されるハブは、前記マンドレルの下流に搭載され、
− 前記補強ファイバーは、これらの補強ファイバーの周りにおいて結束具(un lien)により、前記マンドレルを前記リングに通過させた後に、前記ハブの周りで締め付けられ、
− 前記補強ファイバーは、前記マンドレルを取り外す前に、前記マンドレルと前記ハブとの間で切断される、
方法から構成される。
【0019】
この解決策によれば、マンドレルの取り外しの間、ファイバーは完全にリングの軸上に中心が置かれる。従って、新しいマンドレルの設置する前に、編み組を再び中心に置くために編組機を起動させる必要がなくなるので、製造コストは削減される。
【0020】
本発明はさらに、前記補強ファイバーを取り付けるための前記結束具が収容される痕跡(une empreinte)を形成する少なくとも1つの周方向溝を含んでいるハブが使用される、上で画定された方法に関する。
【0021】
本発明はさらに、少なくとも部分的に円錐形状を有するハブが使用される、上で画定された方法に関する。
【0022】
本発明はさらに、二重円錐形状を有するハブが使用される、上で画定された方法に関する。
【0023】
本発明はさらに、前記ハブは、このハブの上流に搭載されているマンドレルと、このハブの下流に搭載されているマンドレルとの断面に対応する互いに異なる断面の端部を有している、上で画定された方法に関する。
【0024】
本発明はさらに、前記マンドレルおよび前記ハブの前記支持体は、前記軸に沿って延びると共に前記リングの両側に位置する少なくとも2つのベアリングによって担持されている1または複数のロッドにより形成されている、上で画定された方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】編組機による、マンドレルの周りのカーボンファイバーの層の編み組みを示している斜視図である。
【図2】本発明の方法のハブの斜視図である。
【図3】補強ファイバーが組み上げられ、ハブの周りに固く締め付けられる本発明の方法の工程を概略的に示している図である。
【図4】マンドレルの周りの補強ファイバーの第1層の製造の工程を示している図である。
【図5】ファイバーが、マンドレルの下流に搭載されているハブの周りに固く締め付けられ、編み組まれたファイバーが、マンドレルの上流と下流とで切断される方法の工程を示している図である。
【図6】マンドレルが担持している編み組まれた層を有するマンドレルの取り外しに対応する、本発明の方法の工程を示している図である。
【図7】マンドレルとハブとの断面を示している側面図である。
【図8】他のマンドレルと、そのマンドレルに関連する別のハブとの断面を示している側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の基本的思想は、マンドレルの下流の軸AX上にハブを搭載して、マンドレルを取り外すときに、補強ファイバーの収束領域が軸AX上に中心が置かれるように保つためにこのハブを使用することである。具体的には、マンドレルの全長にわたってファイバーの層が編み組まれた後、結束具またはカラーが置かれてファイバーの周りに固く締め付けられ、これらのファイバーの収束領域が軸AX上に中心が置かれるように保つために、ファイバーをハブに対して押しつける。
【0027】
ハブ5は、図2にそれ自体が示されているが、全体的に軸AXの周りの回転形状を有している。ここで、ハブ5の外部表面は、全体的に円錐形であり、軸AXに沿って互いに間隔を置いて配置されている周方向の溝8、9を含んでいる。
【0028】
各溝8、9は、ハブを取り囲んでいるファイバーをハブの周りに固く取り付ける結束具を収容するように設計されているハウジングを構成し、それにより、この結束具は、ファイバーの収束領域を定位置に保持するように十分に固く締め付けられたときは、外部表面7に沿って摺動できない。
【0029】
実際、そして図3において分かるように、補強ファイバー3は一体的に、円錐形に延びており、円錐形の頂点は、その収束領域に対応する軸AX上に位置している。ハブ5が、軸AXに沿うこの領域のレベルまたは階層に位置すると、ハブ5は、補強ファイバーに取り囲まれ、そして、補強ファイバーはハブ5の外部表面上を覆う。
【0030】
この状況において、ファイバーに押しつけられることにより、ハブ5上の溝8または9の1つと整列している、これらのファイバーの周りの結束具またはカラー11は、これらの補強ファイバーが定位置に保持されることを可能にし、それにより、補強ファイバーの収束領域は、半径方向のオフセットがなく、軸AX上に保持される。
【0031】
図3は、編み組み作用の開始時における編組装置1をより具体的に示している。この装置は、一連の補強ファイバー3のスプールを担持しているリング2と、マンドレル13を担持する支持体12と、第1ハブ5および第2ハブ6とを含み、これら支持体12と第1ハブ5および第2ハブ6とが、軸AXに沿って延びるアセンブリを形成する。
【0032】
第1ハブ5は、マンドレル13の前端部を超えて、つまり、リング2から最も遠いマンドレルの端部、図では右側に向けて位置している。第2ハブ6の方は、マンドレル13の後端部に整列して位置している。
【0033】
補強ファイバー3は結束具11により、ハブ5の周りにその全部が押しつけられており、マンドレル13は、補強ファイバーの靴下状体をこのマンドレルの周り、およびその全長にわたって編み組む目的のため、補強ファイバー3が形成する円錐表面によって境界を区切られている内部空間に位置している。
【0034】
支持体12は、4つのロッド12a、12b、12c、および12dから構成できる。この場合、各ロッドは、両方のネジ山付き端部を有しており、マンドレル13とハブ5、6のそれぞれの端部は、ロッド端部がネジで留められるネジ山付き孔を含んでいる。
【0035】
ロッドを、マンドレル13とハブ5、6に組み付けることは、ロッド12aの一方の端部を、ハブ5の前端部にネジで留めることと、ロッド12bの前端部を、ハブ5の後端部にネジで留めることと、およびロッド12bの後端部を、マンドレル13の前端部にネジで留めることから構成されている。同様に、ロッド12cの前端部は、マンドレル13の後端部にネジで留められ、ロッド12cの後端部は、ハブ6の前端部にネジで留められ、最後に、ロッド12dの前端部は、ハブ13の後端部にネジで留められる。
【0036】
マンドレル13と、2つのハブ5、6と、ロッド12a〜12cとにより構成されているアセンブリは、軸AX上の定位置に保持されている剛体を構成し、剛体は、一方では、図示されていない後部、つまりリングの後部、つまり、図ではリングの左側に位置している第1ベアリングにより、他方では、ロッド12aの前端部が締結されている、図示されていない牽引手段により保持されている。
【0037】
このベアリングは固定フレームを含み、この固定フレームは選択任意には可動であり、その上部においてロッドを収容し、ロッドを軸AX上の定位置の保持するように構成されている部材を備え、ロッドを、少なくとも回転方向に、可能であれば並進方向に対して不動にする。牽引手段は同様に、このロッドを軸AXに沿って引っ張るための並進方向および回転方向固定部材を備える、ロッドを収容すると共にロッドを軸AX上の定位置において保持する部材を含む。
【0038】
編み組み作用は、図示されていない牽引手段の起動により、マンドレル13とハブ5、6を含む支持体12により構成される固いアセンブリを前方に、つまり、図3では右側に向けて移動させることによって開始される。
【0039】
そして、図4に図示されているように、マンドレルが移動されるにつれて、ファイバーの収束点に整列しているマンドレルの周りに靴下状体が編み組まれていく。図4においては、約半分の靴下状体が編み組まれ、補強ファイバーの収束点は、マンドレルに沿ってほぼ半分の所に位置している。
【0040】
この動きが続くと、ハブ6がファイバーの収束領域に整列するまで、マンドレル13の全長にわたって補強ファイバーの層が形成される。このことは図5の状況に対応する。
【0041】
その後、装置は停止され、結束具またはカラー14が、補強ファイバーの収束領域のレベルにおいて補強ファイバーを定位置に保持するために、第2マンドレル6の周りを通過する。この作用が行われた後に、補強ファイバーの編み組まれた層16は、一方では、マンドレル13の前端部と第1ハブ5の間で、他方では、マンドレル13の後端部と第2ハブ6の間で切断される。この切断は、鋏、または類似のタイプの切断工具により行われる。
【0042】
補強ファイバーの層が、マンドレル13の上流と下流とで切断されると、マンドレルは取り外される。具体的には、第2または後部ベアリングが、有利なようにリング2の後部に一時的に設置されて第1後部ベアリングを補完し、軸AXに沿って第1後部ベアリングから間隔を置いて、ロッド12dを軸AX上の完全な定位置に保持する。このロッド12dは、第2ハブ6を担持しているものの1つなので、この2つの後部ベアリングによる保持は、ファイバー3の収束領域を、半径方向のオフセットがないように軸AXの上定位置に保持するためには十分である。
【0043】
この段階において、ロッド12aは、図示されていない牽引手段との結合を解除され、それにより、ロッド12cと、担持している層を有するマンドレル13と、ロッド12b、12aにより形成されているアセンブリは、第2ハブ6の前端部にネジで留められているロッド12cの後端部のネジ留めを外すことにより、この第2ハブ6との締結を解除できる。
【0044】
そしてロッド12aは、第1ハブ5の前端部からネジ留めを外すことにより取り外すことができる。この後、このロッド12aは、一方では、第2ハブ6の前端部にネジで留められ、他方では、示されていない牽引手段に再び結合される。補完的な方法においては、1つまたは2つの追加的前部ベアリングが、有利なように、このロッド12aを、軸AXと同軸に保持するために一時的に設置される。
【0045】
この段階において、ロッド12dは、第2ハブ6の後端部からネジ留めを外すことにより取り外され、この第2ハブ6は、牽引手段と、一時的に設置されている前部ベアリングにより担持されている前部ハブ12aにより保持されている。
【0046】
そして、第1ハブ5は、ロッド12bの前端部からネジ留めを外され、ロッド12cの後端部にネジで留められる。第1ハブ5と、ロッド12cと、マンドレル13と、ロッド12bが連続して形成されているアセンブリは、ロッド12bの前端部を、第2ハブ6の後端部にネジで留め、ロッド12dの前端部を、第1ハブ5の後端部にネジで留めることにより設置される。
【0047】
この段階においては、第1ハブ5と第2ハブ6の位置が、図3で占めている位置とは反対になっていることを除いて、装置の配置は、再び、図3の配置に対応している。
【0048】
そして、必要であれば、一時的に設置されていた前部および後部ベアリングを取り外した後に、第1層に重なるようにして、補強ファイバーの新しい層の編み組みを開始できる。そして、異なる層が、所定の厚さになるまで、マンドレル上に編み組まれる。
【0049】
図に示されている例においては、ハブ5、6は、相対的に大きな距離だけマンドレル13から離されているが、この距離は有利には、より小さくてもよく、それにより、各層に必要な補強ファイバーの長さを、従って、製造コストを削減できる。
【0050】
従って、図7に示されているように、各ハブをマンドレルから離している距離は、工具が、補強ファイバーの層を切断するために必要な最小のスペースに実質的に相当する最小値dまで削減できる。
【0051】
図に示されている例においては、ハブ5は、2つの対応する結束具またはカラーにおいて補強ファイバーを押しつけるための2つの溝を含んでいるが、1つの溝のみを含む解決策もまた満足できるものであり、溝と、カラーまたは結束具の数の選択は、製造条件により基本的に決定される。
【0052】
同様に、ハブ5の外形もまた、製造条件の相関的要素として選択される。図8の例においては、ハブ18は、2つの連続するマンドレル13と17の間に配置されており、マンドレル13、17は直径が互いに異なり、支持体上に順番に搭載される。
【0053】
これらの条件において、ハブ18は、二重円錐の形状を有しており、マンドレル13に最も近い端部19における、マンドレル13の断面に対応する断面と、マンドレル17に最も近い端部21における、マンドレル17の断面に対応する断面を特徴としている。ハブ18の外部表面は、これら2つの断面の輪郭を接続し、一方、その中心領域においては、編み組まれた層22の補強ファイバーを取り付ける結束具を収容するように設計されている溝を構成する狭搾部23を画定している。
【0054】
有利には、端部19の直径がマンドレル13の直径よりも相当に小さく、逆に、端部21の直径がマンドレル17の直径よりも相当に大きく、それにより、編み組を拡げて、2つの編み組み作用同士の間におけるマンドレル17の搭載を容易にする。
【0055】
このハブにより、第1マンドレル13と第2マンドレル17との間の編み組まれた層22の連続性を確実にすることが可能になり、それにより、ファイバーの向きが、1つのマンドレルから他のマンドレルへの移行により乱されない。
【0056】
図7の例と同様に、ハブ18は、工具が補強ファイバーの層を切断するための最小スペースに相当する距離dだけ、マンドレル13、17のそれぞれから離されている。
【0057】
更に、図7の例においては、ハブは非対称な二重円錐形状を有していることに注意されたい。しかし、中心に関して対称の二重円錐形状を有しているハブは、一部の製造状況に対しては適切であり、特に、補強ファイバーの層が、同じ直径を有する、異なるマンドレルの周りに編み組まれるときは適切である。
【0058】
図において示された種々の例において、マンドレルは、ハブと同様に、単純な回転形状を有しているが、本発明は、マンドレルまたは、複数のマンドレルが、他の任意の断面、例えば、矩形の断面を有している状況に対しても適用され、その場合は、使用されるハブまたは複数のハブもまた、マンドレルの断面に対応する他の断面を有する。
【0059】
マンドレルとハブが、回転形状でない形状を有していると、これらの要素が、有利には、補強ファイバーの層の形成中に、軸AXの周りを回転できないことを確実にする。そして、各支持ロッドと、各マンドレルまたはハブの間を結合して、関連する要素の端部を通過する横方向のキーと、ロッドに対して各要素の回転を防止するロッドを組み込むことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
編組機(1)を作動させる方法であって、
前記編組機(1)は、補強ファイバー(3)のスプールを担持しているリング(2)であって、前記リング(2)を通過するように複数回移動する前記単一のマンドレル(13、17)の周りに、または前記リング(2)を通過するように次々に移動する複数のマンドレル(13、17)の周りに、補強ファイバー(3)の複数の層(16;22)を連続的に編み組むための、補強ファイバー(3)のスプールを担持しているリング(2)を含み、
各マンドレル(13、17)は、前記リング(2)の軸(AX)に沿って前記リング(2)を通過するように移動することができる支持体(12)により担持されており、
前記方法では、前記マンドレル(13、17)を前記リング(2)に通過させた後に、前記補強ファイバー(3)は、このマンドレル(13、17)の下流において切断されて、前記マンドレル(13、17)を取り外すことを可能にする、
前記方法において、
− 前記支持体(12)により担持されると共に前記マンドレル(13、17)に締結されるハブ(5、6;18)は、前記マンドレル(13、17)の下流に搭載され、
− 前記補強ファイバー(3)は、これらの補強ファイバー(3)の周りにおいて結束具(11、14)により、前記マンドレル(13、17)を前記リング(2)に通過させた後に、前記ハブ(5、6;18)の周りで締め付けられ、
− 前記補強ファイバー(3)は、前記マンドレル(13、17)を取り外す前に、前記マンドレル(13、17)と前記ハブ(5、6;18)との間で切断される、
方法。
【請求項2】
前記補強ファイバー(3)を取り付けるための前記結束具(11;14)が収容される痕跡を形成する少なくとも1つの周方向溝(8、9;23)を含んでいるハブ(5、6;17)が使用される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも部分的に円錐形状を有するハブ(5、6)が使用される、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
二重円錐形状を有するハブ(18)が使用される、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ハブ(18)は、このハブ(18)の上流に搭載されているマンドレル(17)と、このハブ(18)の下流に搭載されているマンドレル(13)との断面に対応する互いに異なる断面の端部を有している、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記マンドレル(13、17)および前記ハブ(5、6;18)の前記支持体(12)は、前記軸(AX)に沿って延びると共に前記リング(2)の両側に位置する少なくとも2つのベアリングによって担持されている1または複数のロッド(12a、12b、12c、12d)により形成されている、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−519806(P2013−519806A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553211(P2012−553211)
【出願日】平成23年2月11日(2011.2.11)
【国際出願番号】PCT/EP2011/000659
【国際公開番号】WO2011/101110
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(511154180)メシエ−ブガッティ−ドウティ (26)
【Fターム(参考)】