説明

補強布付き浸透印用印材の製造法および補強布付き浸透印用印材

【課題】浸透印用印材の全裏面が優れたインキ吸収能を有するものとした補強布付き浸透印用印材を安価に提供する。
【解決手段】 発泡用材料を混在させてある多孔性シート材料1の裏側にインキ流通性のある補強布2を重ねて両者を加熱・加圧して一体化する補強布付き浸透印用印材5の製造法において、前記した補強布2の裏側に剥離用シート3を重ねた状態で前記した加熱・加圧処理を行なって、加熱により溶融される多孔性シート材料1の一部を補強布2の布目を通じ剥離用シート3に含浸させて多孔性シート材料1と補強布2と剥離用シート3の三者が一体化された成形印材シート4とし、その後この成形印材シートの裏側から剥離用シートを剥除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔性シートの裏側にインキ流通性のある補強布が添着一体化された補強布付き浸透印用印材の製造法およびこの製造法により製造されたの製造法および補強布付き浸透印用印材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多孔性シート材料の裏側にインキ流通性のある補強布が添着一体化されている補強布付き浸透印用印材は、特許文献1として挙げた特開昭61ー295041号公報などにも記載されているように、金型上で多孔性シート材料と補強布とを重ねて両者を加熱・加圧して一体化して製造されているが、従来のこの種の補強布付き浸透印用印材は、金型上で多孔性シート材料と補強布とを重ねて両者を加熱・加圧したときに溶融した多孔性シート材料の一部が補強布の布目を通じて金型面にまで達してその一部がこの金型面に沿って浸出し、補強布の裏面に薄い皮膜を形成することとなり、この皮膜が織布面を覆ってインク吸収効率を悪くするという問題があった。
【特許文献1】特開昭61ー295041号公報報
【0003】
このようにして補強布の裏面に薄い皮膜が残されている補強布付き浸透印用印材においては、補強布の裏面に形成された薄い皮膜がインキ供給力を低下させることとなり、このような補強布付き浸透印用印材を用いて浸透印を作成する時点で補強布側から印字面側にインキを自然浸透させようとするための時間が長く、これが短時間で製品を提供できない要因とされているという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとするところは、前記のような問題を解決して、多孔性シートの裏側にインキ流通性のある補強布が添着一体化された補強布付き浸透印用印材において、単に強靱で滑り止め効果にも優れているだけではなく、浸透印用印材の全裏面が優れたインキ吸収能を有するものとした補強布付き浸透印用印材を安価に提供できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記のような課題を解決した本発明は、発泡用材料を混在させてある多孔性シート材料の裏側にインキ流通性のある補強布を重ねて両者を加熱・加圧して一体化する補強布付き浸透印用印材の製造法において、前記した補強布の裏側に剥離用シートを重ねた状態で前記した加熱・加圧処理を行なって、加熱により溶融される多孔性シート材料の一部を補強布の布目を通じ剥離用シートに含浸させて多孔性シート材料と補強布と剥離用シートの三者が一体化された成形印材シートとし、その後この成形印材シートの裏側から剥離用シートを剥除することを特徴とする補強布付き浸透印用印材の製造法と、このような方法により得られた補強布付き浸透印用印材、すなわち、多孔性シートの裏側にインキ流通性のある補強布が添着一体化された補強布付き浸透印用印材において、浸透印用印材の全裏面が前記した補強布を構成する織糸よりなる織布面と、前記した多孔性シートの一部が補強布の布目を通じて裏側に露呈されてその端部が剥離用シートの剥離により引き千切りられた無数の斑点状部とよりなるインキ吸収粗面に形成されていることを特徴とする補強布付き浸透印用印材とよりなるものである。
【0006】
なお、前記した補強布付き浸透印用印材の製造法においては、多孔性シート材料と補強布と剥離用シートの三者を重ねて加熱・加圧処理することにより成形印材シートとした後、この多孔性シート材料の表面に印字部を形成するようにしてもよいが、加熱・加圧処理するときに蓋型や一方の加圧用ローラ側に印字形成用の凹凸部を形成しておき、加熱・加圧処理により三者が一体化された成形印材シートとするときに多孔性シート材料表面に印字部を形成するようにしてもよく、これを請求項2の発明とし、また、発泡用材料を加熱により発泡される発泡剤とせずに塩化ナトリウム粒子などの洗い出し物質とするときは、この洗い出し物質の洗除を剥離用シートの剥除の後に行なって多孔性シート材料を無数の連続気孔を有する多孔性シートとしても、洗い出し物質の洗除を剥離用シートの剥除前に行なって多孔性シート材料を無数の連続気孔を有する多孔性シートとしておき、必要に応じて多孔性シートの表面に印字部を型押しや彫刻により形成するようにしてもよく、これらを請求項3、4の発明とする
【発明の効果】
【0007】
前記したような請求項1〜4のいずれかの製造法によれば、多孔性シートの裏側にインキ流通性のある補強布が添着一体化された補強布付き浸透印用印材において、浸透印用印材の全裏面が前記した補強布を構成する織糸よりなる織布面と、前記した多孔性シートの一部が補強布の布目を通じて裏側に露呈されてその端部が剥離用シートの剥離により引き千切りられた無数の斑点状部とよりなるインキ吸収粗面に形成されていることを特徴とする補強布付き浸透印用印材を容易に得ることができ、このようにして得られる補強布付き浸透印用印材は、多孔性シートの裏側に添着一体化された補強布が多孔性シートの強度を補うので全体強度を増大させることとなって強靱で耐久性に優れたものとなることは従来のこの種の補強布付き浸透印用印材と殆ど変わることはないが、特に、本発明では浸透印用印材の全裏面が前記した補強布を構成する織糸の裏面である織布面と、前記した多孔性シートの一部が補強布の布目を通じて裏側に細脚状に浸出してその端部が織布面と略同一面で引き千切られた無数の斑点状部とよりなるインキ吸収粗面とされていることにより次のような効果を発揮する。
【0008】
本発明における浸透印用印材は、その全裏面が前記した補強布を構成する織糸の裏面である織布面と、前記した多孔性シートの一部が補強布の均整に形成されている布目を通じて裏側に細脚状に浸出したうえその端部が剥離用シートの剥離により引き千切られた無数の斑点状部とよりなるインキ吸収粗面に形成されているものであって、、従来品のように加熱・加圧時に溶融した多孔性シート材料の一部が薄い皮膜となって補強布の裏面の一部を覆った状態で残されていることがないので、このインキ吸収粗面のインキ吸収効率が極めて優れたものとなる。その理由は、加熱・加圧時に溶融した多孔性シート材料の一部が補強布の布目を通じて裏側に浸出したとしても、金型面にあるのは補強布ではなくその裏面に添わせた剥離用シートであるため、補強布の布目を通じて裏側に浸出した全ての溶融物がこの剥離用シートに含浸された状態で多孔性シート材料と補強布と剥離用シートの三者が一体化された状態の成形印材シートに成形されて、その後この成形印材シートの裏側より剥離用シートを剥除すると補強布と剥離用シート間に介在された多孔性シート材料の一部は剥離用シートとともに補強布裏面から取り除かれると同時にこの補強布の布目を通じて剥離用シートに達した部分が引き千切られることとなって、得られた浸透印用印材の全裏面は、前記した補強布を構成する織糸の裏面である織布面と、端部が剥離用シートの剥離により引き千切られている均整に配設された無数の斑点状部とよりなるインキ吸収粗面となっており、補強布のインキ吸収力を妨げる皮膜類がなくなるので補強布を通じて成形印材シートへのインキの供給を阻害されることがなく、補強布のインキ吸収能が劣化することのなくて効率的なインキ供給が行なわれることとなるのである。さらに、補強布からのインキ供給性がよくなることにより捺印時における印字面への過度な加圧の必要がなくなり、その結果連続捺印性も向上することとなる。さらに、補強布を構成する織糸の裏面である織布面と、端部が剥離用シートの剥離により引き千切られている均整に配設された無数の斑点状部とよりなるインキ吸収粗面とは滑り止め効果にもすぐれたものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明を図面を参考にしながら詳細に説明する。
図1は本発明で得られた補強布付き浸透印用印材の端面図、図2は多孔性シート材料の裏側にインキ流通性のある補強布と剥離用シートとを重ねて加熱・加圧することにより溶融して、多孔性シート材料の一部が補強布の布目を通じて剥離用シートの布目に介入された状態で三者が一体化された成形印材用シートの端面図、図3は図2に示す印材用シートから剥離用シートを剥除している状態を示す端面図である。
【0010】
本発明では従来のこの種の補強布付き浸透印用印材を製造する場合と同様、図示しない周知の受型と蓋型よりなる加熱可能なプレス型や、成形ロールを用いて成形するので、これらの詳細は省略し、以下にプレス型を用いた場合のみについて簡単に記す。
まず、型開状態で図示しない受型の型面上に、溶融された多孔性シート材料を吸収することのできる剥離用シートと、インキ流通性のある補強布と、塩化ナトリウム粒子のような洗い出し物質や発泡剤などの周知の発泡用材料を混在させてある多孔性シート材料の三者を重ねてセットし、必要に応じて印字形成用の凹凸部を形成してある蓋型で上面より加熱しながら加圧することにより溶融した多孔性シート材料の一部が補強布の布目を通じて剥離用シートに達するようにして剥離用シートと補強布と多孔性シート材料の三者が一体化された成形印材シートとする。なお、この工程は発泡用材料を混在させてある多孔性シート材料の裏側にインキ流通性のある補強布を重ねて両者を加熱・加圧して一体化する従来のこの種の補強布付き浸透印用印材の製造法とは、補強布の裏側に剥離用シートを重ねる部分を除いて変わることがないので、剥離用シートを重ねる部分を除き発泡用材料や成形条件などの詳細は省略する。
【0011】
次に、型開きして受型上で多孔性シート材料と補強布と剥離用シートの三者が一体に成形されている成形印材シートを脱型する。そして、この成形印材シートの裏側から剥離用シートを引き外せば、多孔性シートの一部が補強布の布目を通じて裏側の剥離用シートに達している部分のうち布目を埋めて剥離用シートに達している細脚状の浸出部分は補強布と剥離用シートとの境界面で端部が引き千切りられて無数の斑点状部が形成されるとともに、補強布の布目を通じて裏側に浸出して補強布と剥離用シートとの境界面間に介入されて薄い皮膜を形成している溶融物は剥離用シート側に含浸された状態で補強布裏面から剥除され、結果として、浸透印用印材の全裏面は前記した補強布を構成する織糸の裏面である織布面と、多孔性シートの一部が補強布の布目を通じて裏側に露呈されてその端部が剥離用シートの剥離により引き千切りられた無数の斑点状部とよりなるインキ吸収粗面に形成されることとなる。なお、剥離用シートを剥除したときに補強布と剥離用シートとの境界面間に介入されて薄い皮膜を形成している溶融物が全て剥離用シート側に含浸させた状態となるようにするためには、剥離用シートの方が補強布よりも溶融物の浸透力の大きい材料を用いればよい。
【0012】
また、多孔性シート材料と補強布と剥離用シートとを重ねて加熱・加圧処理するときに蓋型や受型の型面に印字部形成用の凹凸部を形成しておけば、多孔性シート材料と補強布と剥離用シートの三者を一体化する工程で多孔性シートの表面に印字部を同時に形成できるので規格品の製造にはこの方法が好ましいが、別注品用の補強布付き浸透印用印材とするときは、レーザ加工や彫刻または型押など周知の手段で印字部を形成できるように多孔性シートの表面を平面状として成形してもよいことは勿論であり、さらに、発泡用材料としては塩化ナトリウム粒子などの周知の洗い出し物質を用いても、加熱により発泡される発泡剤の添加の2法が一般的であるが、洗い出し物質を用いるときはこの洗い出し物質の洗除を剥離用シートの剥除後に行なっても、剥離用シートの剥除前に行なってもよい。
【実施例】
【0013】
以下に、多孔性シート材料がゴム系の場合を実施例1とし、熱可塑性樹脂系の場合を実施例2として記す。
(実施例1)
合成ゴム(NBR)100部(以下、重量部)に対し、重量比で、硫黄3.5部、亜鉛華5部、加硫促進剤5部、液状ゴム(低重合NBR)ワセリン、DBP等からなる軟化剤30部、カーボンブラック50部、老化防止剤2部、発泡用材料として粒径0.149〜0.176mmの塩化ナトリウム微粉末800部、粒径0.062〜0.103mmの馬鈴薯澱粉微粉末およびサッカロース各100部と、長さ1mm、繊度3dのアラミド繊維5部を加圧ニーダーに投入して混練し、これをカレンダーロールにかけて5mm厚の角形の未加硫シートを作成した。これを型面に1mm深さの文字を彫った周知のプレス成形用の金型に収容し、補強布として、前記した角形の浸透印用印材の大きさに見合う大きさで、120番手の双糸を打ち込み本数250本として平織りした綿布を載せたうえ、さらにその上に40番手の単糸を打ち込み本数60本として平織した綿布を剥離用シートとして載せて、蓋型を介して200kg/cm2 の圧力を加えながら150°cの温度下で15分間加硫してこの間における加熱で溶融される多孔性シート材料の一部を補強布の布目を通じ剥離用シートに含浸させた。その結果、図示するように、多孔性シート材料1と補強布2と剥離用シート3の三者が積層一体化された成形印材シート4が得られるから、これを脱型したうえ全体を水洗して前記した多孔性シート材料1に含まれていた全ての塩化ナトリウム微粉末を溶出させて多孔性シート材料1を無数の連続気孔を有するNBR系の多孔性シート11とする。そして、図2に示すように、この多孔性シート11と補強布2と剥離用シート3との三者が一体化された成形印材シート4の裏側から剥離用シート3を剥除してゆけば、前記した多孔性シート材料1が溶融されたときに補強布2の布目を通じて裏側に細脚状に浸出して剥離用シート3に含浸した多孔性シート11の一部が引き千切りられて無数の斑点状部12が形成されるとともに、補強布2と剥離用シート3との間に浸出して薄膜状として介在されている多孔性シート11の一部が剥離用シート3と共に補強布2の裏側から取り除かれ、図3に示すように、全裏面が前記した補強布2を構成する織糸よりなるきれいな織布面と、前記した多孔性シート11の一部が補強布2の布目を通じて裏側に露呈されてその端部が剥離用シートの剥離により引き千切りられた無数の斑点状部12とよりなるインキ吸収粗面に形成されたシート状の補強布付き浸透印用印材5が得られた。
【0014】
この補強布付き浸透印用印材5を周長100mm、幅5mmに裁断し、レーザー彫刻機を用いて文字駒数16コマを刻印したうえ環状に連繋して回転印用印字ベルトとし、その補強布側から印字面側にインキを自然浸透させる時間を測定したところ、2時間で全文字部分へインキを完全に浸透させることができた。これは、従来法により得られた回転印用印字ベルトが24時間であるのに対して大幅の時間短縮ができたこととなり、本発明が極めて有効であることが確認できた。
【0015】
(実施例2)
ポリエチレン樹脂100部(以下、重量部)に分子量400のポリエチレングリコール20部、発泡用材料として粒径0.010〜0.060mmの塩化ナトリウム微粉末350部を配合したものにカーボンブラックを加えて混練してこれをローラ間を通して1.0mm厚のシート材料を作成した。そして、このシート材料の裏側に補強布として、これと略同大の120番手の双糸を打ち込み本数250本として平織りした綿布を重ねたうえ、さらに、撚って120デニールとしたポリエステル繊維を用いて打ち込み本数100本として平織したポリエステル系化繊布を剥離用シートとして重ねて、文字の刻印されていない周知の加圧ロールにより200kg/cm2 の圧力を加えながら140°cに加熱して三者を一体化し、この間における加熱で溶融される多孔性シート材料であるポリエチレン樹脂の一部を補強布の布目を通じ剥離用シートに含浸させ、これにより実施例1と同様、多孔性シート材料と補強布と剥離用シートの三者が積層一体化された成形印材シートが得られるから、その後は、実施例1の場合と同様にして多孔性シート材料に含まれていた全ての塩化ナトリウム微粉末を溶出させて多孔性シート材料を無数の連続気孔を有するポリエチレン樹脂系の多孔性シートとする。そして、所要の文字や図形が黒地で、余白を透明地としたポジフィルムを多孔性シート面に添わせてフィルム側から赤外線を照射すると、黒地の部分は赤外線を通さないので透明地部分のみに赤外線が照射されて多孔性シートに無組まれているカーボンブラックが発熱して多孔性シートのうちこの部分が溶融し、硬化後にはインキを透過させない非多孔質皮膜となり、黒地で覆われていた部分に印字用凸部が残された成形印材シートを得た。この多孔性シートと補強布と剥離用シートとの三者が一体化された成形印材シートの裏側から剥離用シートを剥除したところ、前記した実施例1の場合と同様、全裏面が前記した補強布を構成する織糸よりなるきれいな織布面と、前記した多孔性シートの一部が補強布の布目を通じて裏側に露呈されてその端部が剥離用シートの剥離により引き千切りられた無数の斑点状部とよりなるインキ吸収粗面に形成された補強布付きシートが得られた。このようにして得られた補強布付きシートを実施例1の場合と同様の長さおよび幅となるように切断したうえ環状に連繋して回転印用印字ベルトとし、その補強布側から印字面側にインキを自然浸透させる時間を測定したところ、10分間で全文字部分へインキを完全に浸透させることができた。これは、従来法により得られた回転印用印字ベルトが2時間であるのに対して大幅の時間短縮ができたこととなり、本発明が極めて有効であることが確認できた。

【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明で得られた補強布付き浸透印用印材の端面図である。
【図2】多孔性シート材料と補強布と剥離用シートとを重ねて加熱・加圧して得られた成形印材シートの端面図である。
【図3】図2に示す印材用シートから剥離用シートを剥除している状態を示す端面図である。
【符号の説明】
【0017】
1 多孔性シート材料 2 補強布 3 剥離用シート 4 成形印材シート 5 補強布付き浸透印用印材 11 多孔性シート 12 斑点状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡用材料を混在させてある多孔性シート材料の裏側にインキ流通性のある補強布を重ねて両者を加熱・加圧して一体化する補強布付き浸透印用印材の製造法において、前記した補強布の裏側に剥離用シートを重ねた状態で前記した加熱・加圧処理を行なって、加熱により溶融される多孔性シート材料の一部を補強布の布目を通じ剥離用シートに含浸させて多孔性シート材料と補強布と剥離用シートの三者が一体化された成形印材シートとし、その後この成形印材シートの裏側から剥離用シートを剥除することを特徴とする補強布付き浸透印用印材の製造法。
【請求項2】
多孔性シート材料と補強布と剥離用シートとを重ねて加熱・加圧処理するときに多孔性シート材料の表面に印字部を形成する請求項1に記載の補強布付き浸透印用印材の製造法。
【請求項3】
発泡用材料が洗い出し物質であり、この洗い出し物質の洗除を剥離用シートの剥除後に行なう請求項1または2に記載の補強布付き浸透印用印材の製造法。
【請求項4】
発泡用材料が洗い出し物質であり、この洗い出し物質の洗除を剥離用シートの剥除前に行なう請求項1または2に記載の補強布付き浸透印用印材の製造法。
【請求項5】
多孔性シートの裏側にインキ流通性のある補強布が添着一体化された補強布付き浸透印用印材において、浸透印用印材の全裏面が前記した補強布を構成する織糸よりなる織布面と、前記した多孔性シートの一部が補強布の布目を通じて裏側に露呈されてその端部が剥離用シートの剥離により引き千切りられた無数の斑点状部とよりなるインキ吸収粗面に形成されていることを特徴とする補強布付き浸透印用印材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−172889(P2009−172889A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−14525(P2008−14525)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(390017891)シヤチハタ株式会社 (162)