説明

製品アプリケータのための絞り器、前記絞り器を備える塗布アセンブリ、及び化粧品における前記塗布アセンブリの使用

【課題】マスカラ容器アセンブリのための絞り器は、いくつかの環状襞を備え、且つ環状襞の内部がマスカラによって迅速に満たされ、このマスカラは環状襞の内部に堆積し、次いで前記襞の変形を妨げる、という不利益を有する。絞り器は、絞り器の動作を妨げる堆積したマスカラによって、詰まりを生じる。
【解決手段】第一内直径を有する上部セクション(12)と、第一内直径より小さい第二内直径(D2)を有する下部セクション(15)と、第三内直径を有する中央スロート(26)を区画する内部に突出した単一の環状襞(14)を形成する中間セクション(13)であって、静止位置においてこの第三内直径は第二内直径と少なくとも等しい中間セクションとを備える絞り器。環状襞は、上部セクションと下部セクションとの間を絞り位置に加圧することによって変形可能であり、この絞り位置において中央スロートは狭められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品アプリケータのため、及びとりわけ化粧品のアプリケータのための絞り器と、前記絞り器を備える塗布アセンブリと、とりわけまつ毛の化粧を塗布するための化粧品における塗布アセンブリの使用とに関する。
【0002】
さらに具体的には、本発明は環状スリーブの形状をとる絞り器に関し、この絞り器は、
・製品(液状又はペースト状)のリザーバーの頸部内に連結することにより固定されるよ うに設計された上部セクションであって、前記上部セクションが第一内接円直径を有す る上部セクションと、
・第一内接円直径より小さい第二内接円直径を有する、自由下部セクションと、
・第三内接円直径を有する中央スロートを画定する、内側に突出した環状襞を形成する中 間セクションであって、この第三内接円直径は静止位置において第二内接円径と少なく とも等しく、前記環状襞は、上部セクションと下部セクションとの間における軸方向の 圧縮によって、絞り位置に変形することができ、中央スロートはこの絞り位置において 静止位置におけるより小さく、前記中央スロートは前記絞り位置において、第二内接円 直径及び第三内接円直径より小さい第四内接円直径を有する中間セクションと、
を備える。
【背景技術】
【0003】
特許文献1は、マスカラ容器アセンブリ用を意図された、この種類の絞り器の例を開示しており、この例はいくつかの環状襞を備え、且つ環状襞の内部がマスカラによって迅速に満たされ、このマスカラは環状襞の内部に堆積し、次いで前記襞の変形を妨げる、という不利益を有する。絞り器は、絞り器の動作を妨げる堆積したマスカラによって詰まりを生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭60−14351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、絞る手段を有する流体製品アセンブリにおいて、堆積した製品によるこの詰まり現象は頸部においても生じ、これは通常、絞り器の上部部位が、前記アプリケータ頭部がリザーバーに再導入される際にアプリケータ頭部を比較的大幅に絞り、堆積した製品をリザーバーの頸部に残存させるためである。頸部と絞り器の上部部位とを詰まらせる、この別の道筋は、製品寿命に対してとりわけ有害であり、これは、最終的に頸部において最早適切なシールが存在しなくなり、製品の質が実質的に劣化するためである。また、詰まりはキャップを開けることを難しくする場合もある。
【0006】
本発明の目的は、これら欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明において、問題になっている種類の絞り器は単一の環状襞を有し、第三内接円直径は第二内接円直径より大きい。
【0008】
本文書において、用語「内接円直径(inscribed circle diameter)」は、通路を区画する壁の内表面に内接する円の直径、即ち言い換えれば、この通路の断面の内部に適合することができる最も大きな円の直径を意味する。問題になっている通路が円形の断面を有する際、内接円直径は通路の内直径に正確に対応する。
【0009】
前述の第四内接円直径は、絞り位置にある環状襞において、前記環状襞を狭めることを妨げる任意の固形物が無い場合には、通路を区画する壁の内表面に関する内接円直径を意味すると理解される。幾らかの実施形態においてブラシ及び/又は絞り器及び/又は棒が円形でない断面を有し得るため、ここで内接円直径の概念が用いられる。
【0010】
本発明における絞り器の様々な実施形態において、一つ以上の以下の構成が用いられ得る。即ち、
・下部セクションは、前記第二内接円直径を区画する下端に向かって収束する。
・下部セクションは少なくとも1つの側面開口を有する。
・中間セクションの環状襞は少なくとも2つの側面開口を有する。
・環状襞の側面開口のそれぞれは、中央スロートにおいて最大幅を有する。
・第三内接円直径は第一内接円直径より小さい。
・下部セクションは、中間セクションに隣接する上部部位を有し、この上部部位は第一内 接円直径より大きい外部幅を有する。
・中間セクションの環状襞は中央スロートの両側に外部突起を備え、この外部突起は絞り 位置において互いを圧迫する。
・絞り器は単一の部品として、少なくとも1つの合成材料から射出成型される。
【0011】
本発明の別の目的は、流体状態(液状又はペースト状)にある製品を塗布するために設計されたアプリケータアセンブリであって、
・前記製品を収容するためのリザーバーであって、前記リザーバーが頸部を備えるリザー バーと、
・上述にて定義された絞り器であって、この絞り器の上部セクションがリザーバーの頸部 に固定されている絞り器と、
・リザーバーの頸部上に取り外し可能に接続されるように設計されたキャップと、前記キ ャップが頸部に取り付けられた際に絞り器を通じてキャップから延伸する棒と、第二内 接円直径より大きい幅を有するアプリケータ頭部であって、このアプリケータ頭部がリ ザーバーから離れて絞り器を通る際に、絞り器の下部セクションに、中間セクションの 環状襞を軸方向に圧縮して環状襞を環状襞の絞り位置に設置するために十分な軸方向の 力を働かせるように設計されたアプリケータ頭部と、を備えるアプリケータと、
を備える。
【0012】
本発明におけるアプリケータアセンブリの様々な実施形態において、1つ以上の以下の構成を用いることができる。即ち、
・棒は、最大で第二内接円直径と等しい直径を有する。
・絞り器の下部セクションは、アプリケータ頭部が下部セクションを通ることによってリ ザーバーから出る際に、自身の上に折り重ならないために十分な剛性を有する。
・アプリケータアセンブリは、リザーバーに収容された前記製品をさらに備え、前記製品 はマスカラ、リップスティック、ファンデーション、アイシャドウ、又はコスメティッ クケア製品の中から選択される。
【0013】
本発明の最終的な目的は、手入れ及び/又はメークアップのため、とりわけまつ毛の手入れ及び/又はメークアップのための、上述にて定義された容器アセンブリの使用である。
【0014】
本発明の別の特徴及び利点は、添付の図面を参照した、限定しない例として提供される本発明の実施形態の1つに関する以下の説明によって、明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態による絞り器を備えたマスカラ容器アセンブリの縦断面図である。
【図2】絞り器が静止位置にある状態の、図1における容器アセンブリの絞り器の詳細な縦断面図である。
【図3】絞り器が静止位置にある状態の、図2における絞り器、並びに図1における容器アセンブリのアプリケータの棒及びブラシを示す斜視図である。
【図4】静止位置にある、図2及び図3における上述の絞り器の3/4斜視図(three−quarter perspective view)である。
【図5】静止位置にある、図2〜図4の絞り器の平面図である。
【図6】ブラシが容器アセンブリのリザーバーから出る際の絞り位置にある絞り器を示す、図3に類似した図である。
【図7】絞り位置にある絞り器を示す、図4に類似した図である。
【図8】絞り位置にある絞り器を示す、図2に類似した縦断面図である。
【図9】絞り位置にある絞り器の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
種々の図において、同じ参照符号は同じ又は類似した要素を表す。
【0017】
図1は、流体製品(液状又はペースト状)のため、とりわけまつ毛のメークアップを意図したマスカラのような化粧品のための容器アセンブリ1を表し、このアセンブリ1は
・底部4と頸部5との間において、中心軸Xに沿って軸方向に延伸する側面環状壁3を備 えるリザーバー2であって、この頸部5は略円筒状の内部中央開口6を区画するリザー バー2と、
・アプリケータ7と、
を備える。
【0018】
アプリケータ7は例えば、
・例えばプラスチック又は金属材料から作られ、頸部5にねじ止め、又は別の取り外し可 能な手段によって取り付けられたキャップ8と、
・例えばプラスチック又は金属から作られ、キャップ8によって支持された棒9と、
を備えることができる。
【0019】
この棒9は一定の直径(棒が円筒状ではない場合には、棒の断面に外接する円の直径)dを有しているとともに、リザーバー2内部において軸Xに沿って自由端まで下方へ延在し、この自由端は、例えば柔軟な合成材料又は別の材料によって例えば作られたブラシであるアプリケータ頭部10を有し、このアプリケータ頭部10はリザーバー2内に収容されたマスカラMの中に浸漬されている。アプリケータ頭部10は幅D、とりわけdより大きい外径Dを有する(頭部が円筒状ではない場合には、Dは頭部10の断面の外部境界の周囲に外接する円の直径である)。
【0020】
図2〜図4に示されているように、絞り器11は環状スリーブの形をなし、この環状スリーブは、合成材料による単一の部品として成形され、且つ軸Xに沿って軸方向に延伸している。絞り器11は例えば、射出成型の当業者に知られている従来技術によって、1つの材料又は複数の材料から作ることができる。絞り器11を構成する合成材料は例えば、以下の材料、即ち液状シリコーン、ポリオレフィン、ポリアミド、及びそれらの組み合わせから選択することができる。絞り器のための考えられる材料の例は、以下のポリマー、即ちスチレン/エチレン/ブタジエン/スチレン(つまりSEBS)、ポリエチレン、Santoprene(登録商標)、Hytrel(登録商標)、Evoprene(登録商標)を備える。単一材料を用いる実施形態のとりわけ有利な例は、ショアA硬さが45のSEBSである。
【0021】
絞り器11は3つの連続したセクション、即ち
・リザーバーの頸部5の内に連結することによって固定されるように設計された上部セク ション12と、
・内側に突出した1つの環状襞14を形成する中間セクション13と、
・リザーバー2の内に延伸する、自由下部セクション15と、
を備える。
【0022】
図1及び図2に示すように、絞り器の上部セクション12は比較的厚い円筒環状の側壁16を有することが可能であり、これにより、頸部5の開口6内への緊密な連結を可能とする所定の剛性を、上部セクション12に与える。さらに、側壁16の上部部位はカラー(collar)17として外側へ放射状に延出することができ、このカラー17は、例えば頸部5の開放端に配置されたカウンターシンク(countersink)18に装入されることにより、リザーバーの頸部5の開放端に軸方向に接触することが可能となる。
【0023】
頸部5の中央開口6と上部セクション12の側壁16の外表面とは、相補的な突起及び/又は窪みを備えることが可能であり、この相補的な突起及び/又は窪みはそれぞれの連結によって嵌合して、より強固に上部セクション12を頸部5内に取り付ける。例えば、上部セクション12の側壁16は外側環状リブ19を備えることができ、この外側環状リブ19は頸部5の内側の環状襞20内に嵌合する。また、側壁16の外側表面にはスタッドがあって、これにより上部セクション12をリザーバーの頸部5に接続させてもよい。
【0024】
図2、図4及び図5に示されているように、絞り器の上部セクション12は、直円柱を軸Xの周りに形成する内部通路を区画し、第一内直径D1を有する。より一般的には、上部セクション12によって区画された内部通路は、軸Xの周りにおいて直円ではない形状を有することが可能であり、この場合に前述の第一直径D1は、前記内部通路の内接円直径となる。例えば直径D1は、アプリケータ頭部10の直径Dと実質的に等しいか、又はわずかに大きくすることができる。
【0025】
図1、図2及び図3に示されるように、絞り器の下部セクション15は、リザーバー2内の容積中に、好ましくは前記リザーバーの頸部5に接触することなく、延伸している。下部セクション15は、軸Xを中心とした円筒環状壁21を備えることが可能であり、この円筒環状壁21はリザーバー2の内部に延伸して、円錐台と類似する下方収束壁22になる。円筒壁21の内径は、例えば前述の第一直径D1と実質的に等しくすることができ、円筒壁21の外直径D5(又はより一般的には下部セクション15の上端の幅)は第一直径D1より大きく、これにより、以下で述べるように上部セクションと下部セクションとが中間セクション13の環状襞14を圧縮することにより互いに向かって動かされた際に、下部セクション15が軸方向において上部セクション12に当接する。
【0026】
円錐台に類似する壁22の環状下端23は、第一直径D1より小さい第二直径D2を有する円形状下部通路を区画する。下端23によって区画される開口は円形でない場合があり、この場合には第二直径D2は、この開口内部の内接円直径である。第二直径D2は棒9の直径dと実質的に一致するか、又はきわめて僅かにこの直径dより大きく、且つ前記第二直径D2はあらゆる場合においてアプリケータ頭部10の直径Dより小さい。Dに対するD2の割合は、好ましくは0.3〜0.9である。本発明の絞り器は、絞り能力を広範囲な値にわたって変化させることができるとともに、とりわけDに対するD2の割合が低い際に大きい絞り能力を有する、という利点を有する。従って、本発明の絞り器は、アプリケータ頭部の形状とは無関係に、「ブレード(blade)」タイプの絞り器と同様の絞り能力を提供する。当業者は中央スロート(26)の形状を、要求される絞り能力を達成しながら、アプリケータ頭部の形状に容易に適合させることが可能である。留意すべきは、本発明の絞り器は、アプリケータ頭部がいかなる構造及び用いられる材料の種類であっても、流体状態(液状又はペースト状)にある製品と、さらに具体的にはマスカラ、リップスティック、ファンデーション、アイシャドウ又はとりわけ目の周囲のためのケア製品のようなコスメティックケア並びに/若しくは仕上げ用化粧品とを塗布するための、任意の種類の、絞ることができるアプリケータ頭部に適合する。
【0027】
好都合なことには、絞り器の下部セクション15は1つ以上の側面開口24を備えることができ、この側面開口24は軸Xの周りに、好ましくは対称に、分配される。これら側面開口24は、図に示された例においては合計で4つである。
【0028】
これら側面開口24は、少なくとも部分的に円筒環状壁21に配置することができ、好都合なことには円錐台部22内に延伸して下部部位15の開口下端23に近づくことができる。
【0029】
側面開口24は比較的大きい断面を有することができ、これにより、絞る間のリザーバー2内へのマスカラの流れを容易にするが、前記側面開口24の間には固体部位24aがあり、この固体部位24aは、セクション15の上端をセクション15の下端23に接続するとともに下部セクション15の形状の完全性を保証する、耐久性を有する支柱を形成する。この目的のために、下部セクション15の材料の種類、支柱24aの幅、及び下部セクション15の壁の厚さ(この厚さは、場合によって前述の側壁16の厚さより小さいが、好ましくは中間壁13の厚さより大きくすることが可能である)は、アプリケータ頭部がリザーバー2から出る際に下部セクション15が自身の上に上向きに折り返されることがないように形成されている。
【0030】
中間部位13は、図2〜図5に示されるように、軸Xの周りに対称に分配された少なくとも2つの側面開口25を備える。また、これら開口25は軸Xの周りに非対称な様式で分配され得る。また、前記開口25は異なる形状を有し得る。示された例においては、これら側面開口25は合計4つであり、略菱型形状にある。より一般的には、前記側面開口25それぞれは、環状襞14の中央スロート26の高さにおいて最大水平幅を有するとともに、上方及び下方に向かって、例えば中間セクション13の高さ全体に実質的に沿って、狭まっている。開口25の形状は好ましくは、中央スロート26において最大幅を備え、これにより、静止位置から絞り位置に動く際に環状襞14の変形を容易にする。
【0031】
従って、開口25の分配と、開口25のそれぞれの形状とは、環状襞14における中間セクション13の変形を導き、これにより、例えば示された例における円形状のような、望ましい形状の中央スロートが得られる。形状に制限はない。正多角形形状が望ましいが、正方形状、長方形状、菱形状、又は三角形状のような形状も望ましい。
【0032】
これら側面開口25は、垂直アーム27によって相互に分離され、この垂直アーム27それぞれは、上部セクション12の側壁16の下端を、下部セクション15の円筒状壁21の上端に接続する。これら垂直アーム27のそれぞれは、上部セクションの側壁16の下端、及び下部セクション15の円筒壁21の上端それぞれから、内部且つ中央スロート26に向かって収束する第一部位28及び第二部位29を備える。
【0033】
一組の4つの垂直アーム27は、収束/発散する方式の壁を実質的に形成し、アーム27の一組の第一部位は、下方に収束する略円錐台形状である壁を形成し、且つアーム27の一組の第二部位29は、上方に収束する略円錐台形状である壁を形成している。
【0034】
図2及び図3に示されているように、アーム27それぞれの第一部位28及び第二部位29は外側環状リブ30を備え、この外側環状リブは中央スロート26に対して対称に配置されており、従って、後述するように、上部セクション12と下部セクション15とが互いに近づけられることにより中央襞14が圧縮された際に、互いに対して当接するように適合されている。絞り器の静止位置への復帰は、ブラシがもはや絞り器の中にないときに、自動的に生じる。
【0035】
絞り器が静止位置にあるときには、環状襞14の中央スロート26は中央通路を区画し、この中央通路はここでは円形に近い断面を有し、且つ第三内接円直径D3を有する。第三内接円直径D3は第二内接直径D2より大きく、通常は第一内接円直径D1よりわずかに小さい。
【0036】
絞り器の中間セクション13は、通常は上部セクション12及び下部セクション15よりも薄い厚さを有し、上部セクション12と下部セクション15とが軸方向に互いに近づけられる際に、アーム27の内側への屈曲を容易にする。同じ目的のために、絞り器が複数の合成材料から作られているときには、中間セクション13を、上部セクション12及び下部セクション15より柔軟な材料から作ることが可能である。
【0037】
前述の容器アセンブリは、以下のように機能する。
【0038】
使用者がマスカラMをまつ毛に塗布することを望んでいる場合には、使用者はアプリケータ頭部10を、リザーバー2から絞り器11を通じて、図6に表される矢印31の方向に引き出す。
【0039】
この動きの間において、アプリケータ頭部10の毛又は結節(nubs)が、下部セクションの下端23を通り、アプリケータ頭部10の毛又は結節が下端23を通過するときに屈曲する際に、アプリケータ頭部10の毛又は結節は下部セクション15を上方に押すとともに中間セクション13の環状襞14を圧縮し、このようにして図6〜図9において明確に認識できる絞り位置に絞り器11を設置する。
【0040】
この絞り位置において、環状襞14の軸方向への圧縮は、この環状襞の中央スロート26をさらに狭めるとともに、この環状襞の側面開口25を閉じる。そのとき中央スロート26は、前述の第二内接円直径D2より小さい第四内接円直径D4を有している。中央スロート26の形状は、静止位置において、及び絞り位置において、図において示される例のように略円形状とすることができるがこの形状は、ここで考慮されている例のように環状襞14が互いに90度離れて配置された4つの開口25を備えている場合には、非円形、例えば略多角形形状、とりわけ略正方形形状とすることもできる。通常、環状襞14の断面は、アプリケータ頭部の断面と同一とすることができるか、さもなくば異ならせることができる(例えば、アプリケータ頭部10を円形状断面を有する略円筒形とすることができるとともに、環状襞14が略正方形の断面を有することができる)。
【0041】
自由状態において、すなわち、絞り器のセクション12、15が、棒9がない状態で軸方向に互いに接近している場合には、第四直径D4を棒9の直径dと実質的に等しくすることができるが、十分の数ミリメートルだけ(例えば1〜2ミリメートル未満だけ)直径dより小さくすることもでき、これによりアプリケータ頭部が出ていくに連れて中央スロート26はアプリケータ頭部10をこすり、過剰なマスカラを除去する。このようにこすり落とされた過剰なマスカラは環状襞14から流れ落ちて、下部セクション15の開口24と前記セクション15の開放下端23とを通じてリザーバー2に再び入る。
【0042】
この段階の間、前記下部セクション15の上端が上部セクション12の下端にぶつかることによって、及びリブ30又は別の突起が相互に接触するようになる環状襞14上の留め具として作用するとともに、環状襞14をラジアル平面(radial plane)に保たせることによって、下部セクション15は、上方に向かって自身の上に折り返されることなく上述のようにその形状の完全性を保ち、この下部セクション15が、軸方向の移動によって上部セクション12内部へ上昇することもまた、妨げられる。
【0043】
アプリケータ頭部10が出た後、絞り器11は弾性によって絞り器の静止位置に戻り、使用者は、アプリケータ7の使用を終えた際に、アプリケータ頭部10を絞り器11を通じてリザーバー内に戻し入れることによって、アプリケータをリザーバー2の中に戻す。アプリケータ頭部10が再び入るときに、アプリケータ頭部10は下部セクション23をリザーバー内部に向かって付勢し、これにより中間セクションの環状襞14は、前記環状襞があまり目立たない位置である環状襞14の静止位置を実質的に保つ。これら条件下において、アプリケータ頭部10が絞り器11を通りリザーバーに入る際に、アプリケータ頭部10はほとんど絞られることなく、加えて静止している絞り器11の形状は、前記アプリケータ頭部がリザーバーの中に再び入るにつれて、前記アプリケータ頭部10が絞り器の内表面を洗浄することを容易にすることができる。これら配置は、マスカラが頸部の中又は絞り器の中に残留し、凝固することを防ぐ。このように、本発明による絞り器は様々な詰まり現象を回避し、製品の寿命全体にわたって一貫した絞りを保持する。
【符号の説明】
【0044】
1 容器アセンブリ
2 リザーバー
3 側面環状壁
4 底部
5 頸部
6 内部中央開口
7 アプリケータ
8 キャップ
9 棒
10 アプリケータ頭部
11 絞り器
12 上部セクション
13 中間セクション
14 環状襞
15 下部セクション
16 側壁
17 カラー
18 カウンターシンク
19 外側環状リブ
20 環状襞
21 上部部位(円筒環状壁)
22 下方収束壁
23 環状下端
24 側面開口
24a 支柱
25 側面開口
26 中央スロート
27 垂直アーム
28 第一部位
29 第二部位
30 外部突起(外側環状リブ)
31 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状スリーブ形状の絞り器であって、
製品のリザーバー(2)の頸部内に連結されることにより固定されるように設計された上部セクション(12)であって、前記上部セクションは第一内接円直径(D1)を有する上部セクション(12)と、
前記第一内接円直径(D1)より小さい第二内接円直径(D2)を有する、自由下部セクション(15)と、
第三内接円直径(D3)を有する中央スロート(26)を区画する、内側に突出した環状襞(14)を形成する中間セクション(13)であって、静止位置において前記第三内接円直径(D3)は前記第二内接円直径(D2)と少なくとも等しくし、且つ前記環状襞(14)は前記上部セクション(12)と前記下部セクション(15)との間の軸方向への圧縮によって絞り位置に変形可能であり、前記中央スロート(26)は前記絞り位置において、前記静止位置においてより小さく、前記中央スロート(26)は前記絞り位置において、前記第二内接円直径(D2)及び前記第三内接円直径(D3)より小さい第四内接円直径(D4)を有する中間セクション(13)と、
を備え、
ただ1つの環状襞があり、
前記第三内接円直径(D3)は前記第二内接円直径(D2)より大きいことを特徴とする絞り器。
【請求項2】
前記下部セクション(15)は、前記第二内接円直径(D2)を区画する下端(23)に向かって収束することを特徴とする請求項1に記載の絞り器。
【請求項3】
前記下部セクション(15)は少なくとも1つの側面開口(24)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の絞り器。
【請求項4】
前記中間セクションの前記環状襞(14)は少なくとも2つの側面開口(25)を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の絞り器。
【請求項5】
前記環状襞の前記側面開口(25)のそれぞれは、前記中央スロート(26)において最大幅を有することを特徴とする請求項4に記載の絞り器。
【請求項6】
前記第三内接円直径(D3)は前記第一内接円直径(D1)より小さいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の絞り器。
【請求項7】
前記下部セクション(15)は前記中間セクション(13)に隣接する上部部位(21)を有し、前記上部部位(21)は前記第一内接円直径(D1)より大きい外部幅(D5)を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の絞り器。
【請求項8】
前記中間セクションの前記環状襞(14)は、前記中央スロートの両側に外部突起(30)を備え、前記外部突起(30)は前記絞り位置において互いに当接することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の絞り器。
【請求項9】
単一の部品として、少なくとも1つの合成材料から射出成型される請求項1〜8のいずれか一項に記載の絞り器。
【請求項10】
流体状態にある製品を塗布するためのアプリケータのアセンブリであって、
前記製品を収容するためのリザーバー(2)であって、前記リザーバーが頸部(5)を備えるリザーバー(2)と、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の絞り器(11)であって、前記絞り器の内部において上部セクション(12)が前記リザーバーの頸部(5)内に固定されている絞り器と、
前記リザーバーの前記頸部上に取り外し可能に接続されるように設計されたキャップ(8)と、前記キャップが前記頸部に取り付けられた際に前記絞り器(11)を通じて前記キャップから延伸する棒(9)と、第二内接円直径(D2)より大きい幅(D)を有するアプリケータ頭部(10)であって、前記アプリケータ頭部が前記リザーバー(2)から離れて前記絞り器(11)を通る際に、前記絞り器の前記下部セクション(15)に、前記中間セクションの前記環状襞(14)を軸方向に圧縮して前記環状襞を前記環状襞の絞り位置に設置するために十分な軸方向の力を働かせるように設計されたアプリケータ頭部(10)と、を備えるアプリケータ(7)と、
を備えるアプリケータのアセンブリ。
【請求項11】
前記棒(9)は、最大で前記第二内接円直径(D2)と等しい直径(d)を有することを特徴とする請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記リザーバー(2)に収容された前記製品をさらに備え、前記製品は、マスカラ、リップスティック、ファンデーション、アイシャドウ、又はコスメティックケア製品の中から選択される請求項10又は11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
手入れ及び/又はメークアップのため、とりわけまつ毛の手入れ及び/又はメークアップのための、請求項10〜12のいずれか一項に記載の容器アセンブリの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−45390(P2012−45390A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−184469(P2011−184469)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(502189579)エルブイエムエイチ レシェルシェ (68)