説明

製品キャリアを前送りする装置のための構造要素及びそのような構造要素を備える装置

製品キャリア(16)を前送りする装置のための構造要素であって、移動可能に載置される製品キャリア(16)を支持するようになっている主レール(15)を有する第1のビームセクション(14)と、上記製品キャリア(16)の前送りに寄与するようになっている無端状のベルト(1)又はチェーンを支持するようになっているコンソールを有する第2のビームセクションと、上記主レール(15)に沿って延び且つ上記主レール(15)上に製品キャリア(16)を保持するようになっているガイド手段(19)とを備える構造要素、及び、そのような構造要素を含む、製品キャリアを前送りするための装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レール上に移動可能に載置される製品キャリアを前送りするための装置における構造要素に関する。かかる装置は、例えばシャツを縫うための織物工場で一般に知られており、この場合、ワークステーションヘ向けてレール上を移動する製品キャリアに吊るされる異なる布切れは、このワークステーションで互いに縫い合わされる。本発明は、シャツの製造又は織物産業のみに関係するものではなく、一般に、製品キャリアの前送りにおいて適用できる。本発明は、特に、請求項1の前置き部分に係る構造要素に関するものである。実用的な実施形態において、構造要素は、連続成形プロファイルによって有利に形成され得る真っ直ぐなビームから形成される。
【背景技術】
【0002】
本発明は、スウェーデン特許SE509402に記載された製品キャリアの前送りのための装置の更なる開発である。上記文献は、主レール上に移動可能に載置される製品キャリアの前送りのための装置について記載しており、主レール上には、主レールへと製品キャリを送り込み且つ主レールから製品キャリアを送り出すためにブランチが配置される。製品キャリアはエンドレルベルトによって搬送される。製品キャリが主レールに沿って確実に搬送されるようにするため、また、製品キャリアが主レールから脱線しないようにするため、ガイド手段が使用される。製品キャリアを主レールから送り出しレールへと或いは送り込みレールから主レールへと搬送できるようにするためには、ガイド手段によって送り込みレール及び送り出しレールのそれぞれの分岐部で搬送を行えるようにすることが必要である。市場にあるSE509402に示される装置の実施形態では、搬送中に製品キャリアが載置される主レールの支持面とガイド手段とを一体に備えるビームプロファイルが設けられる。ガイド手段は、上記支持面間で上側に突出するフランジとして形成される。製品キャリアのホイールはフランジの両側に配置されており、製品キャリアの脱線が妨げられている。従来技術にしたがってブランチが配置される場合には、支持面及びガイドレールを有するビームプロファイルがカットされ、送り込み及び送り出しのためにスイッチ装置が配置される。従来技術に係るガイドレールは、1つの同じビームの一部として主レールと一体に形成されているため、ガイドレール及び主レールの両方を形成するビームは、スイッチが配置されるべき位置でカットされる。ビームがカットされる結果、従来技術に係る搬送装置がスイッチの領域で弱くなる。スイッチの領域で支持ビームユニットにおける十分な曲げ剛性を確保するため、従来技術に係る搬送装置には、十分な曲げ剛性を確保するために比較的大きな高さHを有する上側耐荷重ビーム構造体Bが設けられている(図1参照)。また、従来技術に係る構造は、既存のトラックに装着されるスイッチの更なる付加によって生産フローを変更しなければならない場合、あるいは、何らかの理由によりスイッチの位置を移動させなければならない場合に、更なるコストがかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、製品キャリアが無端状のベルト又はチェーンから成るトラックで搬送される搬送装置のための構造要素であって、搬送装置が組み立てられた後であってもブランチの自由自在な位置決めを可能にする構造要素を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る構造要素は、移動可能に載置される製品キャリアを支持するようになっている主レールを有する第1のビームセクションと、前記製品キャリアの前送りに寄与するようになっている無端状のベルト又はチェーンの形態を成すコンベアを支持するようになっているコンソールを有する第2のビームセクションと、主レールに沿って延び且つ主レール上に製品キャリアを拘束するようになっているガイド手段とを備えている。
【0005】
本発明の目的は、請求項1の特徴部分に係る構造要素によって満たされる。主レールに沿って延びるガイド手段を、着脱可能に取り付けられる複数のガイドレール部からモジュール状に構成された列を備えるように形成することにより、構造要素に沿う任意の位置で1つ以上のガイドレール部を除去することによってブランチを任意の位置に配置することができ、その後、ガイド手段の割り込み部が配置された位置にスイッチを配置することができる。
【0006】
また、ビーム構造をカットする必要がないという事実は、主レールが形成される構造要素の部分が当該構造要素の曲げ剛性に寄与することを意味する。このことは、構造要素の上側耐荷重ビーム構造体Bにおける支持フランジの高さHを、従来技術に係る上側耐荷重ビーム構造体の対応する構造よりも本質的に低くできることを意味する。このようにすれば、曲げ剛性に関する同じ要求に関して材料の消費が少なくなると同時に、設置高さも低くなり、それにより、適切な工業施設が建設される場合には、それに対応して天井高さに関する更に低い要求が満たされるため、製造コストを低減できる。
【0007】
本発明の好ましい実施形態において、構造要素は、上記ガイド手段を形成するために上記着脱可能に取り付けられる複数のガイドレール部からモジュール状に構成された列が装着される第3のビームセクションを備えており、上記第3のビームセクションは、構造要素に沿って延びる装着セクションを形成し、また、上記装着セクションには、上記着脱可能に取り付けられる複数のガイドレール部からモジュール状に構成された列中の個々のガイドレール部のそれぞれを任意の装着位置に配置できる。
【0008】
第3のビームセクションは、第1のビームセクションの主レールが、構造要素の長手方向に対して交差する方向で、無端状のチェーン又はベルトを支持するために上記第2のビームセクションに配置されたチャンネルの中央に中心付けられるように、第1のビームセクションの主レールに対して接続配置されることが好ましい。チャンネルは、第2のビームセクションにおける上記コンソールから形成される。したがって、製品キャリアを支持するための支持面には、ガイドレール部のための上記装着セクションが位置される中間領域を伴って、構造要素の長手方向に沿って延びる2つの支持面が形成されてもよい。
【0009】
構造要素の断面は、無端状のチェーン又はベルトを受けるための上記チャンネルが形成される第1の上側略水平部と、上記主レール及び上記装着セクションが配置される第2の下側略水平部とを有していることが適している。また、構造要素の断面は、上側略水平部を下側略水平部と接続する略垂直部を備えている。本発明の好ましい実施形態において、略垂直部、上側略水平部及び下側略水平部は、押出形状ビームの一部を形成する。
【0010】
本発明によれば、ガイド手段は、着脱可能に取り付けられる複数のガイドレール部からモジュール状に構成された列を備えている。構造要素に対して着脱自在に取り付けられる複数のガイドレール部からモジュール状に構成された列に起因して、また、これらのガイドレール部を任意の装着位置に位置させることができるため、ガイドレール部を任意の位置で取り除いてブランチを形成することができる。したがって、主レールをカットする必要なく、ブランチを全ての装着位置に配置することができる。非常に多くのジョイントを伴うことなく製品キャリアを良好に支持するため、製品キャリアのためのその支持面を有する主レールは、構造要素の全長に沿って連続的に配置されることが好ましい。着脱可能に取り付けられる複数のガイドレール部からモジュール状に構成された列及び上記主レールのための装着セクションは、1つの同じビーム材料の2つの別個のセクションとして一体形成されることが好ましい。したがって、着脱可能に取り付けられる複数のガイドレール部からモジュール状に構成された列は、前述した装着位置に上記主レールに沿ってガイドレール部を配置することにより取り付けることができる。
【0011】
着脱可能に取り付けられる複数のガイドレール部からモジュール状に構成された列という表現は、ガイド手段が主レールに沿う多くの着脱自在なガイドレール部から形成されることを意味しようとするものである。所望の位置にガイドレールをそれらの間に空間を伴って配置することにより、ブランチを配置するための割り込み部を所望の位置に与えることができる。構造要素内においてブランチが望ましくない場合には、ガイドレール部の列が空間を伴うことなく連続する。
【0012】
好ましい実施形態において、全てのガイドレール部は、長さ単位、すなわち、単位長さLを有しており、また、スイッチは、整数倍に対応する長さ、例えば3Lを有している。ブランチのためのスペースを確保するためには、任意の位置で3つのガイドレール部を取り除かなければならず、それらの場所にスイッチが配置される。構造要素の装着セクションが長さ10Lを有し且つスイッチが3Lを有する場合には、それに応じて、ガイドレール部を適切な位置に再配置することにより、スイッチを8個の異なる位置に配置することができる。ガイドレール部は、異なる長さ、例えば1,2,3,5Lで形成されてもよい。ガイドレール部は、能動手段を備えるガイドレール部を除く全てのガイドレール部に関して長さ単位1Lをもって形成されることが有益である。この場合、能動手段を有するガイドレール部の長さは、能動手段からの要件によって決まる長さ単位Lの適切な整数倍に適合される。長さ単位Lの適切な長さは、1〜3dmであり、1dmが有益である。
【0013】
ガイドレール部は、構造要素の長手方向に延びるチャンネル内に装着されることが有益であり、その場合、チャンネルは、下面と、下面の両側にそれぞれ位置される側面とを有している。チャンネル内、例えば下面には、ガイドレール部上、適切な場合には1又は複数のスイッチ上に配置される固定手段を受けるために、ガイドレール部及びスイッチのための装着切欠きが配置されている。ガイドレール部及びスイッチ、又は、適切な場合には複数のスイッチを取り付けるために必要な装着位置の組は、構造要素の長手方向で上記レール部及び/又はスイッチを固定するために上記ガイドレール部及び/又はスイッチの一部である突出部を受けるようになっている等距離切欠きの列を有するチャンネルの下面によって与えられることが好ましい。ガイドレール部及びスイッチに関して同じ装着切欠きが使用されることが有益である。
【0014】
また、本発明は搬送装置に関し、この搬送装置は、本発明に係る構造要素の組と、一組の製品キャリアと、上記製品キャリアを搬送するために配置された無端状のベルト又はチェーンとを備えており、上記各構造要素は、主レールと、上記主レールに沿って延び且つ上記主レール上に製品キャリアを拘束するようになっているガイド手段とを備え、主レールには、製品キャリアを主レールへと送り込み且つ製品キャリアを主レールから送り出すためにブランチが配置され、上記ガイド手段は、上記ブランチに対する接続の割り込み部を有し、送り込みレールから主レールへの製品キャリアの送り込み、及び、主レールから送り出しレールへの製品キャリアの送り出しが上記割り込み部で許容される。
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明を更に詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図2は、プリーツベルト2を備える駆動ベルト1の断面を示している。ベルトは、当該ベルトを全ての方向に曲げることができるようにし且つバンドを前方に引くことができるが前方に押すこともできるようにするプラスチックから形成されていることが有益である。図中には、ベルトを前方に駆動させるギアホイール4も示されている。この駆動ベルトの構造は、英国特許文献2105284に更に記載されているが、本件においては、一体で形成され且つ摺動張出部で懸垂されるフランジであるボス3が設けられることによって改良されている。上記駆動ベルトの使用が好ましい実施形態ではあるが、本発明は、異なる従来の類の駆動ベルト及びチェーンと共に使用されてもよい。
【0017】
図3には、本発明に係る構造要素の断面が示されている。この場合、ベルト1は支持体5によって吊り下げられている。ベルト1には、バンドを前後に容易に移動できるように摺動張出部7内に係合されるボス3が設けられている。図には、ギアホイール4がどのようにしてバンド1と噛み合って当該バンドを駆動させるのかが示されている。摺動張出部7は、コンソール9を成す第2のビームセクション8内に取り付けられており、コンソール9内には、無端状のベルト又はチェーン1を支持するようになっているチャンネル10が形成されている。第2のビームセクション8は、水平上側壁11と、特定の距離を隔てて位置される2つの下側に突出する突出部12a,12bとを備える略水平部の形態を成している。上記上側壁11から離れて面する突出部12a,12bの端部には、水平突出部13a,13bが互いの方に向けて延びるように配置されている。チェーン又はベルトの形態を成す無端状コンベアを支持するためのチャンネルは、水平上側壁11と、下方に突出する突出部12a,12bと、互いの方に向けて延びる水平突出部13a,13bとによって画定される。互いの方に向けて延びる水平突出部13a,13bの端部は、チェーンの一部にアクセスできる開口を形成するように互いに離間して位置されており、あるいは、チェーン又はベルトに取り付けられたキャリア手段がチェーン又はベルトによって駆動され得るように突出してもよい。駆動ベルトは、それがベルトの全長に沿う任意の場所で電源として利用され得るように形成されている。
【0018】
図の下部には、主レール15が形成される第1のビームセクション14が示されており、主レール15は、当該主レール15上に移動可能に載置される製品キャリア16を支持するようになっている。主レール15は、構造要素の長手方向に対して交差する方向でチャンネル10の中央17に中心付けられている。図には、第3のビームセクション18が示されており、この第3のビームセクションには、着脱可能に取り付けられる複数のガイドレール部19からモジュール状に構成された列が上記ガイド手段を形成するように装着されている。第3のビームセクション18は上記構造要素に沿って延びる装着セクション20を形成しており(図3参照)、この装着セクションでは、着脱可能に取り付けられる複数のガイドレール部19からモジュール状に構成された列における個別ガイドレール部のそれぞれが上記装着セクション20内の任意の位置に配置されてもよい。
【0019】
第1、第2及び第3のビームセクションは、これらのセクションを取り囲む破線枠によってマークされている。各セクションは、各枠内に位置するビームのその部分から形成されている。
【0020】
このように、構造要素は、コンベアのためのコンソールを形成する第1のビームセクションと、製品キャリアのための支持面21が形成される第2のビームセクションと、ガイドレール部19からモジュール状に構成された列の着脱自在な取り付けのための装着セクションを形成する第3のビームセクションとを備えている。第1、第2及び第3のビームセクションは全て、同じビーム材料を用いた別個の部品として形成されることが好ましい。また、構造要素は、当該構造要素を支持構造体に対して装着するためのコンソール部品としての機能を果たす第4のビームセクションを備えていてもよい。
【0021】
図3に示される実施形態における構造要素は、無端状のチェーン又はベルトを受けるための上記チャンネル10が形成される第1の上側略水平部22と、上記主レール15及び装着セクション20が形成される第2の下側略水平部23とを有している。したがって、上側略水平部22は第2のビームセクション8を備えている。また、下側略水平部23は第1及び第3のビームセクション14,18を備えている。更に、構造要素の断面は、上側略水平部を下側略水平部と接続する垂直部24を有している。
【0022】
また、主レール15は、中間領域25を有する2つの長手方向に延びる支持面21を有しており、中間領域25には、着脱可能に取り付けられる複数のガイドレール部19からモジュール状に構成された列のための装着領域20が配置される。
【0023】
中間領域25は構造要素の長手方向に延びるチャンネル26を形成する。この場合、チャンネル26は、下面27と、下面の両側にそれぞれ位置された側面28とを有している。チャンネルは、当該チャンネルの下面27に装着切欠き29を有している。装着切欠き29は、ガイドレール部上、適切な場合には1又は複数のスイッチ上に配置される固定手段を受けるようになっている。装着切欠き29は、上記ガイドレール部の下部上及び/又は上記レール部の固定のためのスイッチ上及び/又は構造要素の長手方向のスイッチ上に配置される突出部を受けるようになっている等距離切欠きの列をチャンネルの上記下面上に備えることが有益である。チャンネル内にガイドレール部19を固定するため、チャンネルには、チャンネルの側壁に配置された水平に延びる溝30が形成されていてもよい。この場合、溝30は、ガイドレール部又はスイッチの突出部を受けるようになっていてもよく、当該突出部は、溝内の所定位置にスナップ係合されることにより、下面に対して垂直な方向でガイドレール部を着脱自在にロックしてもよい。
【0024】
図示のように、ベルト1は、下向きに垂下されており、多くの離間されたドライバ33をその下端で支持している。ベルト1に取り付けられるこれらのドライバ33は、製品キャリア16を押すようになっているボックス形状の構造体を構成する。
【0025】
周知であり且つ本発明の一部を形成しない製品キャリア16は、軸35とハブから延びる2つの翼部36とによって一緒に保持された2つのホイール34から成る。ホイール34は、主レールの支持面21上で転がるようになっているとともに、ガイド手段によって制御されるようになっている。
【0026】
翼部36の一方にはバー37が配置されており、バー37の下端には、例えば布切れを取り付けるためのグリップ手段が配置されている。
【0027】
駆動ベルト1上に取り付けられるドライバ33は、製品キャリア16をホイール34に対して前方へ押すことにより、製品キャリア16を駆動させる。支持体5は、ビーム又は他の支持構造体に取り付け固定されている。
【0028】
図4には、2つの平行に延びる支持面21を有する第1のビームセクション14と、着脱可能に取り付けられる複数のガイドレール部19からモジュール状に構成された列を上側から受けるための装着セクション20を有する第3のビームセクション18とが示されている。装着セクションは、好ましい実施形態では、下面27を有するチャンネル26として形成されている。図は、ガイドレール部上又はスイッチ上に形成された突出部を受けるようになっている等距離装着切欠き29を示している。図から明らかなように、製品キャリアのための支持面を有する主レール15は、構造要素の全長に沿って連続的に形成されており、また、着脱可能に取り付けられる複数のガイドレール部からモジュール状に構成された列は、主レールに沿って着脱自在に取り付けられている。
【0029】
図5a−dは、着脱可能に取り付けられる複数のガイドレール部からモジュール状に構成された列の様々な例を示している。図aは、長さ単位1Lを有するガイドレール部のみを備えるモジュール状に構成された列を示している。図cでは、左側から2〜4番目のガイドレール手段が、長さ単位3Lを有するスイッチと置き換えられている。図bでは、左側から6〜8番目のガイドレール手段が、長さ単位3Lを有するスイッチと置き換えられている。図dは、左から長さ単位1L,1L,4L,2L,2Lを有するガイドレール部のみを含むモジュール状に構成された列を示している。図は、全てのガイドレール部が同じ長さを有するガイドレール部からモジュール状に構成された列を形成できることを象徴的に示すだけでなく、異なる長さのガイドレール部を形成できることも象徴的に示している。しかしながら、本発明は、必要な数のガイドレール部を取り除くことによってスイッチを任意の装着位置に配置できるという原理によって特徴付けられる。図bでは、スイッチが位置6−8に配置されており、図cでは、スイッチが位置2〜4に位置されている。
【0030】
図6は側方から見たガイドレール部を示しており、また、図7には、同じガイドレール部が上側から示されている。ガイドレール部19は、基本的に、滑らかな上面19aと、2つの縦方向に延びる側面19bと、2つの横方向に延びる側面19cとを有する長方形の平行六面体(直方体)として形成されている。縦方向に延びる側面は、チャンネル26の側面28に対向接触して位置するようになっている下部19dを有している。ガイドレール部をチャンネル26内に固定するため、ガイドレール部は、チャンネルの側壁28の溝30内に弾性的にスナップ係合されてもよい突出部31を用いて配置されてもよい。ガイドレール部の下面には、装着切欠き29と係合するようになっている突出部32が配置されている。
【0031】
図8は、主ラインに対してブランチがどのように配置されるのかを示している。主レール15は、カップリングステーションを通り過ぎて途切れることなく延びている。ガイドレール部19からモジュール状に構成された列は、主レール15に沿って配置されており、装着セクション20の位置I,II, VI,X,XI,XIIに配置されている。装着セクションには、位置III〜V及び位置VII〜IXにスイッチ部が配置されている。回動可能な中間部39と固定された中間部40とを有する第1のスイッチ手段38が位置III〜Vに配置されている。第1のスイッチ手段38は、位置III〜Vでガイドレール部を受けるために選択されたチャンネル26内に配置されている。第1のスイッチ手段38は、送り込みレール42に配置された送り込み手段41と協働するようになっている。しかしながら、これらの位置(III〜V)には、第1のスイッチ手段38及び送り込みレールが配置される場合にはガイドレール部が装着されない。送り込みレールがもはや必要とされない場合、第1のスイッチ手段38は、装着位置III〜Vから取り除かれてもよく、その後、これらの位置に装着されるガイドレール部と置き換えられてもよい。このようにして、更なる送り込みレールを接続することができ、あるいは、主レールに対して破壊的な措置を講じる必要なく簡単な方法で既存の装着レールを取り除くことができる。図は、位置VII〜IXに取り付けられた第2のスイッチ手段43を示している。第2のスイッチ手段は回動可能な中間部44を備えている。主レール15への送り込みレールが42で示されており、送り出しレールが45で示されている。送り込みレールの端部には回動可能なエンドピース46があり、送り出しレール45の前端には回動可能なエンドピース47がある。送り込みレール42上で主レール15まで製品キャリアを駆動させるためのドライバを有する無端状のベルト49を駆動するための駆動ホイール48が主レールに隣接して配置されている。無端状のベルト49は、フリーホイール50又は摺動張出部を周回して延びている。
【0032】
図7に示される位置では、図の右の途中のベルト1上にドライバ33が存在しており、その前方に製品キャリアを押し出す。図から明らかなように、ドライバ33及び製品キャリア16は右へと真直ぐに進む。これは、回動可能な部品46,47が側方へ揺動し、スイッチ手段38,43上の回動可能な部品39,44がその両端を接続するからである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】従来技術に係る搬送装置のためのビーム構造体を示している。
【図2】駆動ギアホイールを有する本発明に係る駆動ベルトの断面図を示している。
【図3】駆動ベルト、主レール、製品キャリア及びドライバを有する主搬送ラインを示す部分断面図である。
【図4】着脱自在に取り付けられる複数のガイドレール部からモジュール状に構成された列を受けるための装着セクションを示している。
【図5】着脱自在に取り付けられる複数のガイドレール部からモジュール状に構成された列の異なる例を示している。
【図6】ガイドレール部の側面図を示している。
【図7】ガイドレール部の上面図を示している。
【図8】上側から見たブランチチェーンを有する主レールを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品キャリア(16)を前送りする装置のための構造要素であって、移動可能に載置された前記製品キャリア(16)を支持するようになっている主レール(15)を有する第1のビームセクション(14)と、前記製品キャリア(16)の前送りに寄与するようになっている無端状のベルト(1)又はチェーンを支持するようになっているコンソール(9)を有する第2のビームセクション(8)と、前記主レール(15)に沿って延び且つ前記主レール(15)上に製品キャリア(16)を保持するようになっているガイド手段(19)とを備える、前記構造要素において、
前記主レール(15)に沿って延びる前記ガイド手段(19)が、着脱可能に取り付けられる複数のガイドレール部(19)からモジュール状に構成された列を備えていることを特徴とする、構造要素。
【請求項2】
前記ガイド手段を形成すべく前記着脱可能に取り付けられる複数のガイドレール部(19)からモジュール状に構成された列が装着される第3のビームセクション(18)を備え、
前記第3のビームセクション(18)が、当該構造要素に沿って延びる装着セクション(20)を形成し、前記装着セクション(20)においては、前記着脱可能に取り付けられる複数のガイドレール部(19)からモジュール状に構成された列における個々のガイドレール部(19)のそれぞれが任意の装着位置(I,II,III,...,X,XI,XII)に配置されることを特徴とする、請求項2に記載の構造要素。
【請求項3】
前記製品キャリア(16)を前記主レール(15)に対して出し入れすることができるブランチ(38,43;42,45)を配置するために、前記装着位置(I,II,III,...,X,XI,XII)に1つ以上の前記ガイドレール部(19)を装着することを控えることによって、前記装着セクション(20)内の任意位置にて前記ガイド手段(19)における割込みを行うことができることを特徴とする、請求項2に記載の構造要素。
【請求項4】
前記構造要素に沿って延びる前記装着セクション(20)が所定の数の装着位置(I,II,III,...,X,XI,XII)を有していることを特徴とする、請求項2又は3に記載の構造要素。
【請求項5】
前記装着セクション(20)には1つ以上のスイッチ(38,43)が装着され、前記スイッチが、前記ブランチ(38,43;42,45)を通り過ぎて前記主レール(15)に沿って製品キャリア(16)を通過させることができるように配置されるとともに、前記主レール(15)から送り出しレール(45)へと或いは送り込みレール(42)から前記主レール(15)へと製品キャリア(16)を搬送できるように配置され、前記ガイドレール部(19)が残りの装着位置(I,II,III,...,X,XI,XII)に装着されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の構造要素。
【請求項6】
1つ以上の前記ガイドレール部が、スキャナ又はバリアユニット等の能動手段を備えていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の構造要素。
【請求項7】
前記装着位置(I,II,III,...,X,XI,XII)の長さ(L)が、前記ガイドレール部(19)の前記列についての特徴的な長さ(L)を規定し、前記スイッチ(38,43)の長さが、前記長さ単位の整数倍を構成する長さを示すことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の構造要素。
【請求項8】
前記ガイドレール部(19)のうちの少なくとも1つの長さが1長さ単位によって構成されることを特徴とする、請求項7に記載の構造要素。
【請求項9】
能動手段を備える前記ガイドレール部を除く全ての前記ガイドレール部(19)が、1長さ単位に相当する長さを示すことを特徴とする、請求項8に記載の構造要素。
【請求項10】
能動手段を備える前記ガイドレール部を含む全ての前記ガイドレール部(19)が、1長さ単位に相当する長さを示すことを特徴とする、請求項8に記載の構造要素。
【請求項11】
前記コンソール(9)が、前記チェーン又はベルト(1)が配置されるようになっているチャンネル(10)を形成し、製品キャリア(16)のための支持面(21)を形成する前記主レール(15)が前記コンソール(9)に向けて対向していることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の構造要素。
【請求項12】
前記主レール(15)が、当該構造要素の長手方向に対して交差する方向で前記チャンネル(10)の中央(17)に中心付けられており、前記支持面(21)が、前記装着セクション(20)が位置される中間領域(25)を伴って、2つの長手方向支持面に分けられていることを特徴とする、請求項11に記載の構造要素。
【請求項13】
当該構造要素の断面が、前記無端状のチェーン又はベルト(1)を受けるための前記チャンネル(10)が形成される第1の上側略水平部(22)と、前記主レール(15)及び前記装着セクション(20)が配置される第2の下側略水平部(23)とを有していることを特徴とする、請求項12に記載の構造要素。
【請求項14】
当該構造要素の断面が、前記上側略水平部(22)を前記下側略水平部(23)と接続する略垂直部(24)を備えていることを特徴とする、請求項13に記載の構造要素。
【請求項15】
前記略垂直部(24)、前記上側略水平部(22)及び前記下側略水平部(23)が押出形状ビームの一部を形成することを特徴とする、請求項13に記載の構造要素。
【請求項16】
前記中間領域(25)が、当該構造要素の長手方向に延びるチャンネル(26)を形成し、該チャンネル(26)が、下面(27)と、該下面(27)の両側に位置された側面(28)とを有し、前記下面(28)には、前記ガイドレール部(19)上、適切な場合には1又は複数のスイッチ上に配置される固定手段(32)を受けるために装着切欠き(29)が配置されていることを特徴とする、請求項11〜15のいずれか一項に記載の構造要素。
【請求項17】
前記装着切欠き(29)が、前記ガイドレール部の下部上及び/又は前記レール部(19)の固定のためのスイッチ上及び/又は構造要素の長手方向のスイッチ(38,43)上に配置される突出部(32)を受けるようになっている等距離の切欠き(29)列を前記下面(27)上に備えていることを特徴とする、請求項16に記載の構造要素。
【請求項18】
前記製品キャリアのための支持面(21)を有する前記主レール(15)が、当該構造要素の全長に沿って連続的に形成され、前記着脱可能に取り付けられる複数のガイドレール部(19)からモジュール状に構成された列が前記主レール(15)に沿って着脱自在に取り付けられることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の構造要素。
【請求項19】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の構造要素の組と、
一組の製品キャリア(16)と、
前記製品キャリア(16)を搬送するために配置された無端状のベルト(1)又はチェーンと
を備える、製品キャリアの前送りのための装置であって、
前記構造要素の各々が、主レール(15)と、前記主レール(15)に沿って延び且つ前記主レール(15)上に前記製品キャリア(16)を拘束するようになっているガイド手段(19)とを備え、
前記主レール(13)には、製品キャリア(16)を主レール(15)へと送り込み且つ製品キャリア(9)を主レール(15)から送り出すためにブランチ(20,21)が配置され、
前記ガイド手段(19)が、前記ブランチ(38,43;42,45)に対する接続の割り込み部を有し、送り込みレール(42)から前記主レール(15)への製品キャリア(16)の送り込み、及び、前記主レール(15)から送り出しレール(45)への製品キャリア(16)の送り出しが前記割り込み部で可能となっている、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−502694(P2009−502694A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524935(P2008−524935)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【国際出願番号】PCT/SE2006/000928
【国際公開番号】WO2007/018462
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(506091610)イートン システムズ アーベー (2)
【Fターム(参考)】