製織機構用カムフォロアレバー及びその製造方法、並びに前記レバー及び製織機構を備えた織機
【課題】補助カムの２つの外形に沿うようローラの半径方向の突出部を備えつつ、荷重の負荷により変形し易い段部或いは傾斜部を設ける必要のないカムフォロアレバーを提供すること。
【解決手段】カム式織機のカムフォロアを備えたレバーであって、コアで支持された２つのローラに前記レバーが取り付けられ、前記２つのローラが、二組のそれぞれ前記コアに取り付けられた一対のフランジ間に取り付けられて成る、カム式織機のカムフォロアを備えた前記レバーにおいて、前記フランジを全体的に平坦に形成し、前記フランジの各対のうち第一のフランジを、前記コアの側面に形成した凹部に部分的に係合させ、一方、前記フランジの各対のうち前記第一のフランジと対向する第二のフランジを、前記第一のフランジから所定間隔隔てて支持し、前記第一のフランジが係合する凹部を、それぞれ反対側に位置する前記コアの側面に形成した。
【解決手段】カム式織機のカムフォロアを備えたレバーであって、コアで支持された２つのローラに前記レバーが取り付けられ、前記２つのローラが、二組のそれぞれ前記コアに取り付けられた一対のフランジ間に取り付けられて成る、カム式織機のカムフォロアを備えた前記レバーにおいて、前記フランジを全体的に平坦に形成し、前記フランジの各対のうち第一のフランジを、前記コアの側面に形成した凹部に部分的に係合させ、一方、前記フランジの各対のうち前記第一のフランジと対向する第二のフランジを、前記第一のフランジから所定間隔隔てて支持し、前記第一のフランジが係合する凹部を、それぞれ反対側に位置する前記コアの側面に形成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、カム式製織機構に用いられるカムフォロアレバー及びその製造方法、又、前記レバーを備え、織機に取り付けられるカム式製織機構に関する。
【背景技術】
【０００２】
綜絖枠と同数且つ複数の揺動レバーを備え、この各揺動レバーが、それぞれ１つの綜絖枠に連結され、共通軸により回転する補助カムの２つの外形に応じて動作するそれぞれ２つのローラを備えて成る製織機構が織機の技術分野において知られている。このカムの２つの外形はその半径方向に突出しているため、連結レバーで支持されたローラもカムと同じだけその半径方向に突出させなければならない。
【０００３】
これに関し、例えば特許文献１には、コアの両端から突出した、レバーのローラを取り付けることが記載されている。しかしながら、この構成によれば、ローラを支持する軸にねじり或いは曲げモーメントが作用し、これにより繰返し荷重による疲労が誘起されて、正確な動作を妨げ、或いは破損する。又、この特許文献１では、比較的厚い堅固なコアに加工された溝にレバーのローラを取り付けることが提案されている。しかしながら、このような手法によれば、特にレバーのコアが比較的大きな空間を占めることで極端なコスト上昇となってしまう。
【０００４】
更に、特許文献２により、２つの段の付いたフランジで形成されたレバーを製造する方法が知られており、又、特許文献３により、傾斜されて所定位置に取り付けられた一対のフランジ二組の間のヨークにレバーのローラを設置することが知られている。このような公知のレバーに付けられた段或いは傾斜は、レバーの中心平面とローラの間の突出部を補うためのものであるが、実際には、これらを形成する金属シートにとって大きすぎる繰返し荷重を受け易く、これらの変形或いは破断さえも引き起こすことになってしまう。
【０００５】
【特許文献１】欧州特許出願公開第０２２５２６６号明細書
【特許文献２】仏国特許出願公開第２３１７３９５号明細書
【特許文献３】仏国特許出願公開第２２５９１７３号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は上記欠点に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、補助カムの２つの外形に沿うようローラの半径方向の突出部を備えつつ、荷重の負荷により変形し易い段部或いは傾斜部を設ける必要のないカムフォロアレバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題を達成するため、本発明によれば、カム式織機のカムフォロアを備えたレバーであって、コアで支持された２つのローラに前記レバーが取り付けられ、前記２つのローラが、二組のそれぞれ前記コアに取り付けられた一対のフランジ間に取り付けられて成る、カム式織機のカムフォロアを備えた前記レバーにおいて、前記フランジを全体的に平坦に形成し、前記フランジの各対のうち第一のフランジを、前記コアの側面に形成した凹部に部分的に係合させ、一方、前記フランジの各対のうち前記第一のフランジと対向する第二のフランジを、前記第一のフランジから所定間隔隔てて支持し、前記第一のフランジが係合する凹部を、それぞれ反対側に位置する前記コアの側面に形成したことを特徴としている。
【０００８】
ところで、本発明の第一の実施の形態によれば、第二のフランジ及びコアの所定間隔を置いた配置のために、スペーサを設けており、又、他の実施に形態によれば、第二のフランジが、コアを押圧するヒールを備え、該ヒールにより第二のフランジ本体を第一のフランジ本体から所定距離隔てて支持可能ならしめており、更に他の実施の形態によれば、コア自身が、第二のフランジを押圧する少なくとも１つのヒールを備え、該ヒールにより第一のフランジ本体を第二のフランジから所定距離隔てて支持可能ならしめている。尚、実施の形態とは関係なく、２つのローラそれぞれの中心平面を、互いに平行且つコアの中心平面からそれぞれほぼ等間隔隔てて配置している。
【０００９】
更に、他の有利な実施の形態によれば、各ローラをベアリングによりその固定軸の周りに取り付け、ベアリングの回転部材を、前記固定軸の両側に位置する２枚のプレートで適所に支持し、前記固定軸と各対の一方のフランジの間で前記プレートを前記固定軸から少なくとも前記回転部材まで半径方向に延設し、前記固定軸の一部及び前記プレートにより前記フランジ間で固定されたスタックを形成している。
【００１０】
本発明は、更に、上記のようなカムフォロアレバーの製造方法にも関しており、具体的には、
ａ）一対の全体的に平坦なフランジ二組をコアに取り付けるとともに、前記一対のフランジのうち片方を、前記コアの側面に形成した凹部に部分的に係合させるステップと、
ｂ）前記フランジを特にリベットで前記コアに固定するステップと、
ｃ）前記フランジ各対に前記カムフォロアの固定軸が挿設されるよう貫通孔を穿設するステップと、
ｄ）前記ローラと、必要に応じて更にその固定軸の一部を、前記各対の各フランジ間に係合させるステップと、
ｅ）前記ローラをレバーに固定するために前記固定軸の全部或いは一部を前記フランジに取り付けるか、或いは固定するステップと
から成ることを特徴としている。
【００１１】
又、任意の特徴として、一対のフランジのうち片方と対向するもう一方のフランジと、コアの間にスペーサを挿入するステップを設けることができ、更に、前記ステップｄ）において、ローラとその固定軸の間でベアリングとして形成された回転部材をその側方で支持するプレートを、前記フランジ間で係合させることもできる。
【００１２】
更に、本発明は、上記において説明したレバー或いは上記の説明に基づく製造方法により製造されたレバーを少なくとも１つ具備するカム式製織機構にも関しており、更には、このような製織機構を備えた織機にも関している。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、凹部をレバーのコア上の適当な位置に形成したため、レバーの２つのカムフォロアの半径方向への延長が達成され、一方、平坦に形成されたフランジにより傾斜部或いは段部にける変形の危険性がない。
【００１４】
又、上記製織機構によれば、そのカムフォロアレバーが荷重を受ける際や、高速で動作する際でも変形する危険性がないので、高速で動作させることができるとともに、従来よりも信頼性が向上する。更に、上記織機によれば、従来のものに比して、容易に操作することができる。
【００１５】
而して、レバー及びその製造方法、並びに製織機構の動作原理に基づく以下の３つの実施の形態の説明により、本発明がより良く理解され、他の利点がより明確となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【００１７】
＜実施の形態１＞
図１に示す織機Ｍは幾つかの綜絖枠を備えているが、これら綜絖枠のうち１つのみがここでは示されている。織機Ｍのそれぞれの綜絖枠は、該綜絖枠１に連結された連結ロッド１４が湾曲レバー１３に連結され、該湾曲レバー１３がカム機構１０の出力レバー１１に連結された連結ロッド１２に連結されて、矢印Ｆ１に示すように上下動する。
【００１８】
ここで、出力レバー１１は、綜絖枠１と同数設けられ、又、カム機構１０のフレーム１６で支持された共通軸１５にこれを中心として矢印Ｆ２に示すように回動自在に枢支され、更に、一点鎖線で示したキャップ１７で保護されている。
【００１９】
又、カム機構１０は幾つかの補助カムを備えているが、これらのうち１つのみが、それぞれ出力レバー１１で支持された２つのローラ２０Ａ，２０Ｂを押圧する２つの外形１８Ａ，１８Ｂを描くものとして符号１８で示してある。
【００２０】
更に、それぞれの出力レバー１１は連結ロッド１２に連結する延長部２１Ａを形成する鋼製のコア２１を備えており、該コア２１は、共通軸１５へ挿設されるよう貫通孔２１Ｂを備えている。尚、該貫通孔２１Ｂは、出力レバー１１がその周囲の部材に対して適当な配置となるよう正確に設けられなければならない。
【００２１】
ところで、符号Ｐ２１はコア２１の延長部２１Ａ及び貫通孔２１Ｂの中心平面を示しており、ローラ２０Ａ，２０Ｂが補助カム１８とその外形１８Ａ，１８Ｂに沿って効果的に相互作用するよう、ローラ２０Ａ，２０Ｂそれぞれの中心平面Ｐ２０Ａ，Ｐ２０Ｂを前記中心平面Ｐ２１の両端にそれぞれ配置する。これら中心平面Ｐ２０Ａ，Ｐ２０Ｂは、それぞれローラ２０Ａ，２０Ｂの枢軸Ｘ２０Ａ，Ｘ２０Ｂに対して垂直且つこれらローラ２０Ａ，２０Ｂの端面から等間隔隔てて設けられており、コア２１は、ローラ２０Ａを支持するために、当該ローラ２０Ａの両側に左右一対のフランジ２２Ａ及び２３Ａを備えている。
【００２２】
又、コア２１に対してローラの中心平面を配置するために、全体的に平坦なフランジ２２Ａが中心平面Ｐ２１に対し、中心平面Ｐ２０Ａの反対側の側面２１Ｄ上に設けられたくぼみ２１Ｃと部分的に係合している。このくぼみ２１Ｃは、コア２１と同じ厚さで形成され、当該くぼみ２１Ｃのエッジ２１Ｃ１とほぼ同じ形状に形成された、フランジ２２Ａのエッジ２２Ａ１の構成要素を支持できるようになっている。これにより、出力レバー１１が組み付けられる際のフランジ２２Ａの設置が容易になるとともに、全体の剛性も高くなる。
【００２３】
ところで、フランジ２３Ａは、フランジ２２Ａとローラ２０Ａを挟んで反対側に設置されており、コア２１の側面２１Ｄの反対側に位置する側面２１Ｆと当該フランジ２３Ａの間にパッキン或いはスペーサ２４Ａが介装されて、フランジ２２Ａから離間して設けられている。従って、フランジ２２Ａがくぼみ２１Ｃと部分的に係合しているので、平坦なフランジ２２Ａ，２３Ａは、これらの間で、コア２１の中心平面Ｐ２１に関してローラ２０Ａのオフセット部分を支持するための、厚さＥをもった空間を得る。尚、ローラ２０Ａは厚さＥよりも僅かに狭い幅としている。
【００２４】
又、同様に、ローラ２０Ｂもコア２１の両側に左右一対に設けられた２つのフランジ２２Ｂ，２３Ｂ間に収容され、フランジ２２Ｂは、側面２１Ｆに設けられたコア２１と同じ厚さのくぼみ２１Ｇと係合する。又、パッキン或いはスペーサ２４Ｂによりフランジ２３Ｂを側面２１Ｄ及びフランジ２２Ｂから離間して設置することができる。これにより、中心平面Ｐ２１に関してローラ２０Ａのハウジングと反対側の、ローラ２０Ｂのハウジングのオフセット部分を支持するためのハウジングが得られる。
【００２５】
更に、フランジ２２Ａ，２２Ｂ，２３Ａ，２３Ｂは平坦であるため、これらは、特別な変形領域を有さず、リベット２６でリベット締めされてローラ２０Ａ，２０Ｂを効率的に支持するに十分な剛性を備えている。
【００２６】
又、フランジの形状及びくぼみ２１Ｃ，２１Ｇの配置により、中心平面Ｐ２０Ａ，Ｐ２０Ｂは、互いに平行且つ中心平面Ｐ２１からほぼ等間隔隔てて配設されている。
而して、特に図３及び図４に示すように、ローラ２０Ｂは、環状部材２７Ｂ１と該環状部材２７Ｂ１をフランジ２２Ｂ，２３Ｂに対して固定するリベット２７Ｂ２で形成された要素固定軸２７Ｂ上に取り付けられたリングを備えている。そして、ローラ２０Ｂと環状部材２７Ｂ１の間には、ローラ２０Ｂが低摩擦で回転できるよう回転部材２８Ｂとしてのベアリングが介装されている。
【００２７】
又、回転部材２８Ｂをローラ２０Ｂ及び環状部材２７Ｂ１に対して適所で支持するために、２つのプレート２９Ｂ１，２９Ｂ２が環状部材２７Ｂ１の両側とこれらとフランジ２２Ｂ，２３Ｂとの間それぞれに設けられており、これらプレート２９Ｂ１，２９Ｂ２が少なくとも回転部材２８まで半径方向へ延設されて、回転部材としてのベアリングの良好な安定性が得られる。一方、図３に示すように、フランジ２２Ｂ，２３Ｂは、ある所定位置間でカム１８と係合するローラの範囲において回転部材２８と重なることはない。
【００２８】
更に、リベット２７Ｂ２でフランジ２２Ｂ，２３Ｂ及びプレート２９Ｂ１，２９Ｂ２を締結することにより強固且つ丈夫な構造が得られ、これに伴い回転部材２８Ｂ及びローラ２０Ｂの支持、案内及び回転が達成される。
【００２９】
同様に、回転部材２８Ａは、ローラ２０Ａと、要素固定軸２７Ａに連結されフランジ２２Ａ，２３Ａとの間でリベット２７Ａ２により締結された環状部材２７Ａ１との間に介装されている。そして、図２において符号２９Ａ２により一つのみ示されたプレートを備えることにより、ベアリング要素を含む回転部材２８Ａを適所に保持することができる。このため、回転部材２８Ａは、フランジ２２Ａ，２３Ａの間の空間外に形成されている。
【００３０】
ところで、出力レバー１１はコア２１の加工後のものとほぼ一致する予成形品を作成することにより製造され、フランジ２２Ａ，２３Ａ，２２Ｂ，２３Ｂはコア２１の上述した位置に設置される。そして、これによりフランジ２２Ａ，２３Ａ，２２Ｂ，２３Ｂにリベット２７Ａ２，２７Ｂ２が貫通する貫通孔を穿孔することができる。又、貫通孔２１Ａを予め粗加工仕上げすることも可能である。そのため、これら貫通孔の相対位置が正確に得られるとともに、コア２１上におけるフランジの不正確な取付を防止することができる。
【００３１】
又、前記のような貫通孔を穿孔した後、環状部材の両端に設けられた保持プレートにより適所に支持された、回転部材としてのベアリング２８Ａ又は２８Ｂと、予め環状部材２７Ａ１又は２７Ｂ１に取り付けられたローラ２０Ａ又は２０Ｂとを一対のフランジ間に挿設することができる。このようにしてできた複合構造は、各一対のフランジそれぞれの間で環状部材の中心孔とフランジに穿設された貫通孔の間で可動であり、リベット２７Ａ２，２７Ｂ２の取付が可能となる。
【００３２】
而して、上記のような取付方法は特に簡易且つ迅速なものであり、ローラ回転軸同士の互いに対する正確な配置、及び各レバーのコアに対するローラ回転軸の正確な配置が達成される。
【００３３】
＜実施の形態２＞
第二の実施の形態が図６に示されており、第一の実施の形態における同様の要素には同じ符号を付して示してある。
【００３４】
本実施の形態においては、スペーサが設けられていないが、フランジ２３Ａ，２３Ｂは、コア２１の中心平面Ｐ２１の両側にローラ２０Ａ，２０Ｂが突出させるために、フランジ２２Ａ，２３Ａ、フランジ２２Ｂ，２３Ｂそれぞれの間に十分なスペースＥが形成されるようヒール２３Ａ１，２３Ｂ１が備えられているという点で第一の実施の形態と異なっている。尚、フランジ２３Ａ，２３Ｂは、これらがローラ２０Ａ，２０Ｂと対向する面の大部分が平坦であるので、これを全体的に平坦に形成すると好ましい。
【００３５】
＜実施の形態３＞
第三の実施の形態が図７に示されており、第一の実施の形態における同様の要素には同じ符号を付して示してある。
【００３６】
本実施の形態においては、ヒール２１Ｊ，２１Ｋがコア上に一部材として形成されており、又、平坦なフランジ２３Ａ，２３Ｂは前記ヒール２１Ｊ，２１Ｋに対してそれぞれ圧接しており、一方、フランジ２２Ａ，２２Ｂは、ヒールと面一且つ外面と反対側に形成されたくぼみ２１Ｃ，２１Ｇに部分的に挿設されているという点で第一及び第二の実施の形態と異なっている。
【００３７】
第一及び第二の実施の形態のように、くぼみ２１Ｃ，２１Ｇはそれぞれ反対側に位置するコア２１上の面に形成され、又、ヒール２１Ｊ，２１Ｋもそれぞれ反対側に形成される。そして、上述のように、ヒール２１Ｊ，２１Ｋによりフランジ２２Ａ，２３Ａ、フランジ２２Ｂ，２３Ｂそれぞれの間に十分なスペースＥが形成される。
【００３８】
又、第二及び第三の実施の形態におけるレバーは、第一の実施の形態において説明したような方法に基づいて組み付けると良い。
【００３９】
尚、フランジの厚さは、本実施の形態に限定されるものではなく、本実施の形態と同じような厚さでも良いし、異なった厚さとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【００４０】
【図１】本発明による織機の動作原理を示す図である。
【図２】図１におけるＩＩ部分の拡大図である。
【図３】図２におけるＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿った断面図である。
【図４】図３におけるＩＶ部分の拡大図である。
【図５】図２におけるＶ−Ｖ線に沿った断面図である。
【図６】図５におけるＶＩ部分の拡大図に類似した、第２の実施の形態に基づく図である。
【図７】図６に類似した、第３の実施の形態に基づく図である。
【符号の説明】
【００４１】
Ｍ 織機
Ｐ２０Ａ，Ｐ２０Ｂ，Ｐ２１ 中心平面
Ｘ２０Ａ，Ｘ２０Ｂ 枢軸
１ 綜絖枠
１０ カム機構
１１ 出力レバー
１２，１４ 連結ロッド
１３ 湾曲レバー
１５ 共通軸
１６ フレーム
１７ キャップ
１８ 補助カム
１８Ａ，１８Ｂ 外形
２０Ａ，２０Ｂ ローラ
２１ コア
２１Ａ 延長部
２１Ｂ 貫通孔
２１Ｃ，２１Ｇ くぼみ
２１Ｄ 側面
２１Ｊ，２１Ｋ ヒール
２２Ａ，２２Ｂ，２３Ａ，２３Ｂ フランジ
２４Ａ，２４Ｂ スペーサ
２６，２７Ｂ２ リベット
２７Ｂ 要素固定軸
２７Ｂ１ 環状部材
２８，２８Ａ，２８Ｂ 回転部材
２９Ａ２，２９Ｂ１，２９Ｂ２ プレート
【技術分野】
【０００１】
本発明は、カム式製織機構に用いられるカムフォロアレバー及びその製造方法、又、前記レバーを備え、織機に取り付けられるカム式製織機構に関する。
【背景技術】
【０００２】
綜絖枠と同数且つ複数の揺動レバーを備え、この各揺動レバーが、それぞれ１つの綜絖枠に連結され、共通軸により回転する補助カムの２つの外形に応じて動作するそれぞれ２つのローラを備えて成る製織機構が織機の技術分野において知られている。このカムの２つの外形はその半径方向に突出しているため、連結レバーで支持されたローラもカムと同じだけその半径方向に突出させなければならない。
【０００３】
これに関し、例えば特許文献１には、コアの両端から突出した、レバーのローラを取り付けることが記載されている。しかしながら、この構成によれば、ローラを支持する軸にねじり或いは曲げモーメントが作用し、これにより繰返し荷重による疲労が誘起されて、正確な動作を妨げ、或いは破損する。又、この特許文献１では、比較的厚い堅固なコアに加工された溝にレバーのローラを取り付けることが提案されている。しかしながら、このような手法によれば、特にレバーのコアが比較的大きな空間を占めることで極端なコスト上昇となってしまう。
【０００４】
更に、特許文献２により、２つの段の付いたフランジで形成されたレバーを製造する方法が知られており、又、特許文献３により、傾斜されて所定位置に取り付けられた一対のフランジ二組の間のヨークにレバーのローラを設置することが知られている。このような公知のレバーに付けられた段或いは傾斜は、レバーの中心平面とローラの間の突出部を補うためのものであるが、実際には、これらを形成する金属シートにとって大きすぎる繰返し荷重を受け易く、これらの変形或いは破断さえも引き起こすことになってしまう。
【０００５】
【特許文献１】欧州特許出願公開第０２２５２６６号明細書
【特許文献２】仏国特許出願公開第２３１７３９５号明細書
【特許文献３】仏国特許出願公開第２２５９１７３号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は上記欠点に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、補助カムの２つの外形に沿うようローラの半径方向の突出部を備えつつ、荷重の負荷により変形し易い段部或いは傾斜部を設ける必要のないカムフォロアレバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題を達成するため、本発明によれば、カム式織機のカムフォロアを備えたレバーであって、コアで支持された２つのローラに前記レバーが取り付けられ、前記２つのローラが、二組のそれぞれ前記コアに取り付けられた一対のフランジ間に取り付けられて成る、カム式織機のカムフォロアを備えた前記レバーにおいて、前記フランジを全体的に平坦に形成し、前記フランジの各対のうち第一のフランジを、前記コアの側面に形成した凹部に部分的に係合させ、一方、前記フランジの各対のうち前記第一のフランジと対向する第二のフランジを、前記第一のフランジから所定間隔隔てて支持し、前記第一のフランジが係合する凹部を、それぞれ反対側に位置する前記コアの側面に形成したことを特徴としている。
【０００８】
ところで、本発明の第一の実施の形態によれば、第二のフランジ及びコアの所定間隔を置いた配置のために、スペーサを設けており、又、他の実施に形態によれば、第二のフランジが、コアを押圧するヒールを備え、該ヒールにより第二のフランジ本体を第一のフランジ本体から所定距離隔てて支持可能ならしめており、更に他の実施の形態によれば、コア自身が、第二のフランジを押圧する少なくとも１つのヒールを備え、該ヒールにより第一のフランジ本体を第二のフランジから所定距離隔てて支持可能ならしめている。尚、実施の形態とは関係なく、２つのローラそれぞれの中心平面を、互いに平行且つコアの中心平面からそれぞれほぼ等間隔隔てて配置している。
【０００９】
更に、他の有利な実施の形態によれば、各ローラをベアリングによりその固定軸の周りに取り付け、ベアリングの回転部材を、前記固定軸の両側に位置する２枚のプレートで適所に支持し、前記固定軸と各対の一方のフランジの間で前記プレートを前記固定軸から少なくとも前記回転部材まで半径方向に延設し、前記固定軸の一部及び前記プレートにより前記フランジ間で固定されたスタックを形成している。
【００１０】
本発明は、更に、上記のようなカムフォロアレバーの製造方法にも関しており、具体的には、
ａ）一対の全体的に平坦なフランジ二組をコアに取り付けるとともに、前記一対のフランジのうち片方を、前記コアの側面に形成した凹部に部分的に係合させるステップと、
ｂ）前記フランジを特にリベットで前記コアに固定するステップと、
ｃ）前記フランジ各対に前記カムフォロアの固定軸が挿設されるよう貫通孔を穿設するステップと、
ｄ）前記ローラと、必要に応じて更にその固定軸の一部を、前記各対の各フランジ間に係合させるステップと、
ｅ）前記ローラをレバーに固定するために前記固定軸の全部或いは一部を前記フランジに取り付けるか、或いは固定するステップと
から成ることを特徴としている。
【００１１】
又、任意の特徴として、一対のフランジのうち片方と対向するもう一方のフランジと、コアの間にスペーサを挿入するステップを設けることができ、更に、前記ステップｄ）において、ローラとその固定軸の間でベアリングとして形成された回転部材をその側方で支持するプレートを、前記フランジ間で係合させることもできる。
【００１２】
更に、本発明は、上記において説明したレバー或いは上記の説明に基づく製造方法により製造されたレバーを少なくとも１つ具備するカム式製織機構にも関しており、更には、このような製織機構を備えた織機にも関している。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、凹部をレバーのコア上の適当な位置に形成したため、レバーの２つのカムフォロアの半径方向への延長が達成され、一方、平坦に形成されたフランジにより傾斜部或いは段部にける変形の危険性がない。
【００１４】
又、上記製織機構によれば、そのカムフォロアレバーが荷重を受ける際や、高速で動作する際でも変形する危険性がないので、高速で動作させることができるとともに、従来よりも信頼性が向上する。更に、上記織機によれば、従来のものに比して、容易に操作することができる。
【００１５】
而して、レバー及びその製造方法、並びに製織機構の動作原理に基づく以下の３つの実施の形態の説明により、本発明がより良く理解され、他の利点がより明確となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【００１７】
＜実施の形態１＞
図１に示す織機Ｍは幾つかの綜絖枠を備えているが、これら綜絖枠のうち１つのみがここでは示されている。織機Ｍのそれぞれの綜絖枠は、該綜絖枠１に連結された連結ロッド１４が湾曲レバー１３に連結され、該湾曲レバー１３がカム機構１０の出力レバー１１に連結された連結ロッド１２に連結されて、矢印Ｆ１に示すように上下動する。
【００１８】
ここで、出力レバー１１は、綜絖枠１と同数設けられ、又、カム機構１０のフレーム１６で支持された共通軸１５にこれを中心として矢印Ｆ２に示すように回動自在に枢支され、更に、一点鎖線で示したキャップ１７で保護されている。
【００１９】
又、カム機構１０は幾つかの補助カムを備えているが、これらのうち１つのみが、それぞれ出力レバー１１で支持された２つのローラ２０Ａ，２０Ｂを押圧する２つの外形１８Ａ，１８Ｂを描くものとして符号１８で示してある。
【００２０】
更に、それぞれの出力レバー１１は連結ロッド１２に連結する延長部２１Ａを形成する鋼製のコア２１を備えており、該コア２１は、共通軸１５へ挿設されるよう貫通孔２１Ｂを備えている。尚、該貫通孔２１Ｂは、出力レバー１１がその周囲の部材に対して適当な配置となるよう正確に設けられなければならない。
【００２１】
ところで、符号Ｐ２１はコア２１の延長部２１Ａ及び貫通孔２１Ｂの中心平面を示しており、ローラ２０Ａ，２０Ｂが補助カム１８とその外形１８Ａ，１８Ｂに沿って効果的に相互作用するよう、ローラ２０Ａ，２０Ｂそれぞれの中心平面Ｐ２０Ａ，Ｐ２０Ｂを前記中心平面Ｐ２１の両端にそれぞれ配置する。これら中心平面Ｐ２０Ａ，Ｐ２０Ｂは、それぞれローラ２０Ａ，２０Ｂの枢軸Ｘ２０Ａ，Ｘ２０Ｂに対して垂直且つこれらローラ２０Ａ，２０Ｂの端面から等間隔隔てて設けられており、コア２１は、ローラ２０Ａを支持するために、当該ローラ２０Ａの両側に左右一対のフランジ２２Ａ及び２３Ａを備えている。
【００２２】
又、コア２１に対してローラの中心平面を配置するために、全体的に平坦なフランジ２２Ａが中心平面Ｐ２１に対し、中心平面Ｐ２０Ａの反対側の側面２１Ｄ上に設けられたくぼみ２１Ｃと部分的に係合している。このくぼみ２１Ｃは、コア２１と同じ厚さで形成され、当該くぼみ２１Ｃのエッジ２１Ｃ１とほぼ同じ形状に形成された、フランジ２２Ａのエッジ２２Ａ１の構成要素を支持できるようになっている。これにより、出力レバー１１が組み付けられる際のフランジ２２Ａの設置が容易になるとともに、全体の剛性も高くなる。
【００２３】
ところで、フランジ２３Ａは、フランジ２２Ａとローラ２０Ａを挟んで反対側に設置されており、コア２１の側面２１Ｄの反対側に位置する側面２１Ｆと当該フランジ２３Ａの間にパッキン或いはスペーサ２４Ａが介装されて、フランジ２２Ａから離間して設けられている。従って、フランジ２２Ａがくぼみ２１Ｃと部分的に係合しているので、平坦なフランジ２２Ａ，２３Ａは、これらの間で、コア２１の中心平面Ｐ２１に関してローラ２０Ａのオフセット部分を支持するための、厚さＥをもった空間を得る。尚、ローラ２０Ａは厚さＥよりも僅かに狭い幅としている。
【００２４】
又、同様に、ローラ２０Ｂもコア２１の両側に左右一対に設けられた２つのフランジ２２Ｂ，２３Ｂ間に収容され、フランジ２２Ｂは、側面２１Ｆに設けられたコア２１と同じ厚さのくぼみ２１Ｇと係合する。又、パッキン或いはスペーサ２４Ｂによりフランジ２３Ｂを側面２１Ｄ及びフランジ２２Ｂから離間して設置することができる。これにより、中心平面Ｐ２１に関してローラ２０Ａのハウジングと反対側の、ローラ２０Ｂのハウジングのオフセット部分を支持するためのハウジングが得られる。
【００２５】
更に、フランジ２２Ａ，２２Ｂ，２３Ａ，２３Ｂは平坦であるため、これらは、特別な変形領域を有さず、リベット２６でリベット締めされてローラ２０Ａ，２０Ｂを効率的に支持するに十分な剛性を備えている。
【００２６】
又、フランジの形状及びくぼみ２１Ｃ，２１Ｇの配置により、中心平面Ｐ２０Ａ，Ｐ２０Ｂは、互いに平行且つ中心平面Ｐ２１からほぼ等間隔隔てて配設されている。
而して、特に図３及び図４に示すように、ローラ２０Ｂは、環状部材２７Ｂ１と該環状部材２７Ｂ１をフランジ２２Ｂ，２３Ｂに対して固定するリベット２７Ｂ２で形成された要素固定軸２７Ｂ上に取り付けられたリングを備えている。そして、ローラ２０Ｂと環状部材２７Ｂ１の間には、ローラ２０Ｂが低摩擦で回転できるよう回転部材２８Ｂとしてのベアリングが介装されている。
【００２７】
又、回転部材２８Ｂをローラ２０Ｂ及び環状部材２７Ｂ１に対して適所で支持するために、２つのプレート２９Ｂ１，２９Ｂ２が環状部材２７Ｂ１の両側とこれらとフランジ２２Ｂ，２３Ｂとの間それぞれに設けられており、これらプレート２９Ｂ１，２９Ｂ２が少なくとも回転部材２８まで半径方向へ延設されて、回転部材としてのベアリングの良好な安定性が得られる。一方、図３に示すように、フランジ２２Ｂ，２３Ｂは、ある所定位置間でカム１８と係合するローラの範囲において回転部材２８と重なることはない。
【００２８】
更に、リベット２７Ｂ２でフランジ２２Ｂ，２３Ｂ及びプレート２９Ｂ１，２９Ｂ２を締結することにより強固且つ丈夫な構造が得られ、これに伴い回転部材２８Ｂ及びローラ２０Ｂの支持、案内及び回転が達成される。
【００２９】
同様に、回転部材２８Ａは、ローラ２０Ａと、要素固定軸２７Ａに連結されフランジ２２Ａ，２３Ａとの間でリベット２７Ａ２により締結された環状部材２７Ａ１との間に介装されている。そして、図２において符号２９Ａ２により一つのみ示されたプレートを備えることにより、ベアリング要素を含む回転部材２８Ａを適所に保持することができる。このため、回転部材２８Ａは、フランジ２２Ａ，２３Ａの間の空間外に形成されている。
【００３０】
ところで、出力レバー１１はコア２１の加工後のものとほぼ一致する予成形品を作成することにより製造され、フランジ２２Ａ，２３Ａ，２２Ｂ，２３Ｂはコア２１の上述した位置に設置される。そして、これによりフランジ２２Ａ，２３Ａ，２２Ｂ，２３Ｂにリベット２７Ａ２，２７Ｂ２が貫通する貫通孔を穿孔することができる。又、貫通孔２１Ａを予め粗加工仕上げすることも可能である。そのため、これら貫通孔の相対位置が正確に得られるとともに、コア２１上におけるフランジの不正確な取付を防止することができる。
【００３１】
又、前記のような貫通孔を穿孔した後、環状部材の両端に設けられた保持プレートにより適所に支持された、回転部材としてのベアリング２８Ａ又は２８Ｂと、予め環状部材２７Ａ１又は２７Ｂ１に取り付けられたローラ２０Ａ又は２０Ｂとを一対のフランジ間に挿設することができる。このようにしてできた複合構造は、各一対のフランジそれぞれの間で環状部材の中心孔とフランジに穿設された貫通孔の間で可動であり、リベット２７Ａ２，２７Ｂ２の取付が可能となる。
【００３２】
而して、上記のような取付方法は特に簡易且つ迅速なものであり、ローラ回転軸同士の互いに対する正確な配置、及び各レバーのコアに対するローラ回転軸の正確な配置が達成される。
【００３３】
＜実施の形態２＞
第二の実施の形態が図６に示されており、第一の実施の形態における同様の要素には同じ符号を付して示してある。
【００３４】
本実施の形態においては、スペーサが設けられていないが、フランジ２３Ａ，２３Ｂは、コア２１の中心平面Ｐ２１の両側にローラ２０Ａ，２０Ｂが突出させるために、フランジ２２Ａ，２３Ａ、フランジ２２Ｂ，２３Ｂそれぞれの間に十分なスペースＥが形成されるようヒール２３Ａ１，２３Ｂ１が備えられているという点で第一の実施の形態と異なっている。尚、フランジ２３Ａ，２３Ｂは、これらがローラ２０Ａ，２０Ｂと対向する面の大部分が平坦であるので、これを全体的に平坦に形成すると好ましい。
【００３５】
＜実施の形態３＞
第三の実施の形態が図７に示されており、第一の実施の形態における同様の要素には同じ符号を付して示してある。
【００３６】
本実施の形態においては、ヒール２１Ｊ，２１Ｋがコア上に一部材として形成されており、又、平坦なフランジ２３Ａ，２３Ｂは前記ヒール２１Ｊ，２１Ｋに対してそれぞれ圧接しており、一方、フランジ２２Ａ，２２Ｂは、ヒールと面一且つ外面と反対側に形成されたくぼみ２１Ｃ，２１Ｇに部分的に挿設されているという点で第一及び第二の実施の形態と異なっている。
【００３７】
第一及び第二の実施の形態のように、くぼみ２１Ｃ，２１Ｇはそれぞれ反対側に位置するコア２１上の面に形成され、又、ヒール２１Ｊ，２１Ｋもそれぞれ反対側に形成される。そして、上述のように、ヒール２１Ｊ，２１Ｋによりフランジ２２Ａ，２３Ａ、フランジ２２Ｂ，２３Ｂそれぞれの間に十分なスペースＥが形成される。
【００３８】
又、第二及び第三の実施の形態におけるレバーは、第一の実施の形態において説明したような方法に基づいて組み付けると良い。
【００３９】
尚、フランジの厚さは、本実施の形態に限定されるものではなく、本実施の形態と同じような厚さでも良いし、異なった厚さとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【００４０】
【図１】本発明による織機の動作原理を示す図である。
【図２】図１におけるＩＩ部分の拡大図である。
【図３】図２におけるＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿った断面図である。
【図４】図３におけるＩＶ部分の拡大図である。
【図５】図２におけるＶ−Ｖ線に沿った断面図である。
【図６】図５におけるＶＩ部分の拡大図に類似した、第２の実施の形態に基づく図である。
【図７】図６に類似した、第３の実施の形態に基づく図である。
【符号の説明】
【００４１】
Ｍ 織機
Ｐ２０Ａ，Ｐ２０Ｂ，Ｐ２１ 中心平面
Ｘ２０Ａ，Ｘ２０Ｂ 枢軸
１ 綜絖枠
１０ カム機構
１１ 出力レバー
１２，１４ 連結ロッド
１３ 湾曲レバー
１５ 共通軸
１６ フレーム
１７ キャップ
１８ 補助カム
１８Ａ，１８Ｂ 外形
２０Ａ，２０Ｂ ローラ
２１ コア
２１Ａ 延長部
２１Ｂ 貫通孔
２１Ｃ，２１Ｇ くぼみ
２１Ｄ 側面
２１Ｊ，２１Ｋ ヒール
２２Ａ，２２Ｂ，２３Ａ，２３Ｂ フランジ
２４Ａ，２４Ｂ スペーサ
２６，２７Ｂ２ リベット
２７Ｂ 要素固定軸
２７Ｂ１ 環状部材
２８，２８Ａ，２８Ｂ 回転部材
２９Ａ２，２９Ｂ１，２９Ｂ２ プレート
【特許請求の範囲】
【請求項１】
カム式織機のカムフォロアを備えたレバーであって、コアで支持された２つのローラに前記レバーが取り付けられ、前記２つのローラが、二組のそれぞれ前記コアに取り付けられた一対のフランジ間に取り付けられて成る、カム式織機のカムフォロアを備えた前記レバーにおいて、
前記フランジ（２２Ａ，２２Ｂ，２３Ａ，２３Ｂ）を全体的に平坦に形成し、
前記フランジの各対（２２Ａ，２３Ａ，２２Ｂ，２３Ｂ）のうち第一のフランジ（２２Ａ，２２Ｂ）を、前記コア（２１）の側面（２１Ｄ，２１Ｆ）に形成した凹部（２１Ｃ，２１Ｇ）に部分的に係合させ、
一方、前記フランジの各対（２２Ａ，２３Ａ，２２Ｂ，２３Ｂ）のうち前記第一のフランジと対向する第二のフランジ（２３Ａ，２３Ｂ）を、前記第一のフランジから所定間隔（Ｅ）隔てて支持し、
前記第一のフランジ（２２Ａ，２２Ｂ）が係合する凹部（２１Ｃ，２１Ｇ）を、それぞれ反対側に位置する前記コア（２１）の側面（２１Ｄ，２１Ｆ）に形成したことを特徴とするレバー。
【請求項２】
前記第二のフランジ（２３Ａ，２３Ｂ）及び前記コア（２１）の所定間隔を置いた配置のために、スペーサ（２４Ａ，２４Ｂ）を設けたことを特徴とする請求項１記載のレバー。
【請求項３】
前記第二のフランジ（２３Ａ，２３Ｂ）が、前記コア（２１）を押圧するヒール（２３Ａ１，２３Ｂ１）を備え、
該ヒールにより前記第二のフランジ本体（２３Ａ，２３Ｂ）を前記第一のフランジ本体（２２Ａ，２２Ｂ）から所定距離（Ｅ）隔てて支持可能ならしめたことを特徴とする請求項１記載のレバー。
【請求項４】
前記コア（２１）が、前記第二のフランジ（２３Ａ，２３Ｂ）を押圧する少なくとも１つのヒール（２１Ｊ，２１Ｋ）を備え、
該ヒールにより前記第一のフランジ本体（２３Ａ，２３Ｂ）を前記第二のフランジから所定距離（Ｅ）隔てて支持可能ならしめたことを特徴とする請求項１記載のレバー。
【請求項５】
前記２つのローラ（２０Ａ，２０Ｂ）それぞれの中心平面（Ｐ２０Ａ，Ｐ２０Ｂ）を、互いに平行且つ前記コア（２１）の中心平面（Ｐ２１）からそれぞれほぼ等間隔隔てて配置したことを特徴とする請求項１〜４の何れか１項に記載のレバー。
【請求項６】
前記各ローラ（２０Ａ，２０Ｂ）をベアリングによりその固定軸（２７Ａ，２７Ｂ）周りに取り付け、
前記ベアリングの回転部材（２８Ａ，２８Ｂ）を、前記固定軸の両側に位置する２枚のプレート（２９Ａ２，２９Ｂ１，２９Ｂ２）で適所に支持し、
前記固定軸と各対の一方のフランジ（２２Ａ，２３Ａ，２２Ｂ，２３Ｂ）の間で前記プレートを前記固定軸から少なくとも前記回転部材まで半径方向に延設し、
前記固定軸の一部（２７Ａ１，２７Ａ２）及び前記プレートにより前記フランジ間で固定されたスタック（２７Ａ２，２７Ｂ２）を形成したことを特徴とする請求項１〜５の何れか１項に記載のレバー。
【請求項７】
カム式織機のカムフォロアを備えたレバーの製造方法であって、コアで支持された２つのローラに前記レバーが取り付けられ、前記２つのローラが、二組のそれぞれ前記コアに取り付けられた一対のフランジ間に取り付けられて成るカム式織機のカムフォロアを備えた前記レバーの製造方法において、
ａ）一対の全体的に平坦なフランジ二組（２２Ａ，２３Ａ，２２Ｂ，２３Ｂ）を前記コア（２１）に取り付けるとともに、前記一対のフランジのうち片方（２２Ａ，２２Ｂ）を、前記コアの側面（２１Ｄ，２１Ｆ）に形成した凹部（２１Ｃ，２１Ｇ）に部分的に係合させるステップと、
ｂ）前記フランジを特にリベット（２６）で前記コアに固定するステップと、
ｃ）前記フランジ各対に前記カムフォロア（２０Ａ，２０Ｂ）の固定軸（２７Ａ，２７Ｂ）が挿設されるよう貫通孔を穿設するステップと、
ｄ）前記ローラと、必要に応じて更にその固定軸の一部（２７Ａ１，２７Ｂ１）を、前記各対の各フランジ間に係合させるステップと、
ｅ）前記ローラをレバーに固定するために前記固定軸の全部或いは一部（２７Ａ２，２７Ｂ２）を前記フランジに取り付けるか、或いは固定するステップと
から成ることを特徴とするレバー製造方法。
【請求項８】
前記一対のフランジのうち片方と対向するもう一方のフランジ（２３Ａ，２３Ｂ）と前記コア（２１）の間にスペーサ（２４Ａ，２４Ｂ）を挿入するステップを設けたことを特徴とする請求項７記載のレバーの製造方法。
【請求項９】
前記ステップｄ）において、前記ローラ（２０Ａ，２０Ｂ）と、その固定軸（２７Ａ，２７Ｂ）の間でベアリングとして形成された回転部材（２８Ａ，２８Ｂ）を側方で保持するプレート（２９Ａ２，２９Ｂ１，２９Ｂ２）を、前記フランジ間に取り付けたことを特徴とする請求項７又は８記載のレバー製造方法。
【請求項１０】
請求項１〜６の何れかに記載のレバー或いは請求項７〜９の何れかに記載の製造方法により製造されたレバー（１１）を少なくとも１つ具備せしめたことを特徴とするカム式製織機構。
【請求項１】
カム式織機のカムフォロアを備えたレバーであって、コアで支持された２つのローラに前記レバーが取り付けられ、前記２つのローラが、二組のそれぞれ前記コアに取り付けられた一対のフランジ間に取り付けられて成る、カム式織機のカムフォロアを備えた前記レバーにおいて、
前記フランジ（２２Ａ，２２Ｂ，２３Ａ，２３Ｂ）を全体的に平坦に形成し、
前記フランジの各対（２２Ａ，２３Ａ，２２Ｂ，２３Ｂ）のうち第一のフランジ（２２Ａ，２２Ｂ）を、前記コア（２１）の側面（２１Ｄ，２１Ｆ）に形成した凹部（２１Ｃ，２１Ｇ）に部分的に係合させ、
一方、前記フランジの各対（２２Ａ，２３Ａ，２２Ｂ，２３Ｂ）のうち前記第一のフランジと対向する第二のフランジ（２３Ａ，２３Ｂ）を、前記第一のフランジから所定間隔（Ｅ）隔てて支持し、
前記第一のフランジ（２２Ａ，２２Ｂ）が係合する凹部（２１Ｃ，２１Ｇ）を、それぞれ反対側に位置する前記コア（２１）の側面（２１Ｄ，２１Ｆ）に形成したことを特徴とするレバー。
【請求項２】
前記第二のフランジ（２３Ａ，２３Ｂ）及び前記コア（２１）の所定間隔を置いた配置のために、スペーサ（２４Ａ，２４Ｂ）を設けたことを特徴とする請求項１記載のレバー。
【請求項３】
前記第二のフランジ（２３Ａ，２３Ｂ）が、前記コア（２１）を押圧するヒール（２３Ａ１，２３Ｂ１）を備え、
該ヒールにより前記第二のフランジ本体（２３Ａ，２３Ｂ）を前記第一のフランジ本体（２２Ａ，２２Ｂ）から所定距離（Ｅ）隔てて支持可能ならしめたことを特徴とする請求項１記載のレバー。
【請求項４】
前記コア（２１）が、前記第二のフランジ（２３Ａ，２３Ｂ）を押圧する少なくとも１つのヒール（２１Ｊ，２１Ｋ）を備え、
該ヒールにより前記第一のフランジ本体（２３Ａ，２３Ｂ）を前記第二のフランジから所定距離（Ｅ）隔てて支持可能ならしめたことを特徴とする請求項１記載のレバー。
【請求項５】
前記２つのローラ（２０Ａ，２０Ｂ）それぞれの中心平面（Ｐ２０Ａ，Ｐ２０Ｂ）を、互いに平行且つ前記コア（２１）の中心平面（Ｐ２１）からそれぞれほぼ等間隔隔てて配置したことを特徴とする請求項１〜４の何れか１項に記載のレバー。
【請求項６】
前記各ローラ（２０Ａ，２０Ｂ）をベアリングによりその固定軸（２７Ａ，２７Ｂ）周りに取り付け、
前記ベアリングの回転部材（２８Ａ，２８Ｂ）を、前記固定軸の両側に位置する２枚のプレート（２９Ａ２，２９Ｂ１，２９Ｂ２）で適所に支持し、
前記固定軸と各対の一方のフランジ（２２Ａ，２３Ａ，２２Ｂ，２３Ｂ）の間で前記プレートを前記固定軸から少なくとも前記回転部材まで半径方向に延設し、
前記固定軸の一部（２７Ａ１，２７Ａ２）及び前記プレートにより前記フランジ間で固定されたスタック（２７Ａ２，２７Ｂ２）を形成したことを特徴とする請求項１〜５の何れか１項に記載のレバー。
【請求項７】
カム式織機のカムフォロアを備えたレバーの製造方法であって、コアで支持された２つのローラに前記レバーが取り付けられ、前記２つのローラが、二組のそれぞれ前記コアに取り付けられた一対のフランジ間に取り付けられて成るカム式織機のカムフォロアを備えた前記レバーの製造方法において、
ａ）一対の全体的に平坦なフランジ二組（２２Ａ，２３Ａ，２２Ｂ，２３Ｂ）を前記コア（２１）に取り付けるとともに、前記一対のフランジのうち片方（２２Ａ，２２Ｂ）を、前記コアの側面（２１Ｄ，２１Ｆ）に形成した凹部（２１Ｃ，２１Ｇ）に部分的に係合させるステップと、
ｂ）前記フランジを特にリベット（２６）で前記コアに固定するステップと、
ｃ）前記フランジ各対に前記カムフォロア（２０Ａ，２０Ｂ）の固定軸（２７Ａ，２７Ｂ）が挿設されるよう貫通孔を穿設するステップと、
ｄ）前記ローラと、必要に応じて更にその固定軸の一部（２７Ａ１，２７Ｂ１）を、前記各対の各フランジ間に係合させるステップと、
ｅ）前記ローラをレバーに固定するために前記固定軸の全部或いは一部（２７Ａ２，２７Ｂ２）を前記フランジに取り付けるか、或いは固定するステップと
から成ることを特徴とするレバー製造方法。
【請求項８】
前記一対のフランジのうち片方と対向するもう一方のフランジ（２３Ａ，２３Ｂ）と前記コア（２１）の間にスペーサ（２４Ａ，２４Ｂ）を挿入するステップを設けたことを特徴とする請求項７記載のレバーの製造方法。
【請求項９】
前記ステップｄ）において、前記ローラ（２０Ａ，２０Ｂ）と、その固定軸（２７Ａ，２７Ｂ）の間でベアリングとして形成された回転部材（２８Ａ，２８Ｂ）を側方で保持するプレート（２９Ａ２，２９Ｂ１，２９Ｂ２）を、前記フランジ間に取り付けたことを特徴とする請求項７又は８記載のレバー製造方法。
【請求項１０】
請求項１〜６の何れかに記載のレバー或いは請求項７〜９の何れかに記載の製造方法により製造されたレバー（１１）を少なくとも１つ具備せしめたことを特徴とするカム式製織機構。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公表番号】特表２００７−５３０８１４（Ｐ２００７−５３０８１４Ａ）
【公表日】平成１９年１１月１日（２００７．１１．１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−５０５５７９（Ｐ２００７−５０５５７９）
【出願日】平成１７年３月２５日（２００５．３．２５）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＦＲ２００５／０００７２４
【国際公開番号】ＷＯ２００５／０９８１０６
【国際公開日】平成１７年１０月２０日（２００５．１０．２０）
【出願人】（５９１０２３５７２）シュトイブリー・ファベルゲ (31)
【公表日】平成１９年１１月１日（２００７．１１．１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年３月２５日（２００５．３．２５）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＦＲ２００５／０００７２４
【国際公開番号】ＷＯ２００５／０９８１０６
【国際公開日】平成１７年１０月２０日（２００５．１０．２０）
【出願人】（５９１０２３５７２）シュトイブリー・ファベルゲ (31)
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