説明

複写システム、画像読取り装置、及び情報端末装置

【課題】情報端末装置の表示画面に表示されているコンテンツを画像読取り装置で読取って記録用紙に印刷し、コンテンツの複写を簡単かつ短時間に行うことを可能にする。
【解決手段】情報端末装置1を画像読取り装置51の原稿載置板54の定位置に載置して、画像読取り装置51の第1走査ユニット55を原稿載置板54を介して情報端末装置1の表示画面3aと対峙する位置まで移動させて位置決めし、第1走査ユニット55の光源61により情報端末装置1の表示画面3aを原稿載置板54を介して照明し、CCD58により表示画面3aのコンテンツを読取っている。また、情報端末装置1の表示画面3aの縦方向を副走査方向Yに一致させ、この状態で情報端末装置1の表示画面3aのコンテンツが副走査方向Yに移動表示されるような表示制御を行って、コンテンツの副走査方向の移動速度をCCD58による主走査方向の読取り繰返し速度と同期させている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末装置の表示画面に表示されているコンテンツを画像形成装置で記録用紙に記録する複写システム、画像読取り装置、及び情報端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、電子手帳、電子辞書等の情報端末装置においては、文字や図形等を入力して、テキスト等のコンテンツを作成したり、コンテンツをメモリから読み出して、これらのコンテンツを表示画面に表示することができる。
【0003】
また、特許文献1では、そのような情報端末装置の表示画面が小さいことから、コンテンツを一定速度でスクロール表示して、コンテンツ全体を表示するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−282414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、情報端末装置の表示画面にコンテンツを表示するだけではなく、コンテンツを記録用紙に印刷したいことがある。この場合は、情報端末装置を有線又は無線でコンピュータに接続して、コンテンツを情報端末装置からコンピュータへと送受し、コンテンツをコンピュータからプリンタもしくは複合機等の画像形成装置へと転送して、コンテンツを画像形成装置で印刷していた。
【0006】
しかしながら、そのような情報端末装置からコンピュータを介して画像形成装置へのコンテンツの転送には手間と時間を要した。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、情報端末装置の表示画面に表示されているコンテンツを画像読取り装置で読取って記録用紙に印刷し、コンテンツの複写を簡単かつ短時間に行うことが可能な複写システム、画像読取り装置、及び情報端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の複写システムは、原稿が載置された透明な原稿載置板を介して前記原稿を読取る画像読取り装置と、情報端末装置とを備えた複写システムであって、前記画像読取り装置は、前記原稿を前記原稿載置板を介して読取る読取り部を備え、前記情報端末装置が前記原稿載置板の定位置に載置されると、前記原稿載置板を介して前記情報端末装置の表示画面と対峙する位置に前記読取り部を移動して位置決めし、前記読取り部により前記情報端末装置の表示画面に表示されているコンテンツを読取り、前記情報端末装置は、該情報端末装置の表示画面にコンテンツの少なくとも一部を表示し、コンテンツの移動に伴って前記読取り部により読取られるコンテンツの部分が順次変更されるような表示制御を行う制御部を備え、前記画像読取り装置の読取り部による読取り速度と前記情報端末装置の制御部によるコンテンツの移動表示速度とを同期させている。
【0009】
このように画像読取り装置においては、原稿載置板を介して情報端末装置の表示画面と対峙する位置に読取り部を移動して位置決めするので、読取り部により情報端末装置の表示画面に表示されているコンテンツを読取ることができる。
【0010】
また、情報端末装置の表示画面上でコンテンツの少なくとも一部が表示され、コンテンツが移動表示されるような表示制御を行い、画像読取り装置の読取り部による読取り速度と情報端末装置の制御部によるコンテンツの移動表示速度とを同期させているので、読取り部により情報端末装置の表示画面に移動表示されているコンテンツを順次読取ることができる。更に、表示画面よりも大きなサイズのコンテンツを読取ることができる。この読取ったコンテンツは、プリンタや複合機等の画像形成装置で直ちに記録用紙に記録することができる。
【0011】
例えば、前記画像読取り装置の読取り部は、前記情報端末装置の表示画面と対峙する位置まで副走査方向に移動されて位置決めされ、前記情報端末装置の表示画面のコンテンツを主走査方向に繰返し読取り、前記情報端末装置の制御部は、該情報端末装置の表示画面にコンテンツの少なくとも一部を表示し、コンテンツの副走査方向の移動に伴って前記読取り部により読取られるコンテンツの部分が順次変更されるような表示制御を行い、前記画像読取り装置の読取り部による主走査方向の読取り繰返し速度と前記情報端末装置の制御部によるコンテンツの移動表示速度とを同期させている。
【0012】
あるいは、前記情報端末装置の制御部は、該情報端末装置の表示画面における矩形状窓領域にコンテンツの一部を表示し、コンテンツの副走査方向への移動に伴って前記矩形状窓領域に表示されるコンテンツ部分が順次変更されるような表示制御を行っている。
【0013】
あるいは、前記情報端末装置の制御部は、該情報端末装置の表示画面にコンテンツをスクロール表示している。
【0014】
また、本発明の複写システムにおいて、前記情報端末装置の制御部は、前記読取り部による主走査方向の読取り繰返し速度と同期するようにコンテンツの移動表示速度を調節設定している。
【0015】
このように情報端末装置側で読取り部による主走査方向の読取り繰返し速度と同期するようにコンテンツの移動表示速度を調節設定してもよい。
【0016】
更に、本発明の複写システムにおいて、前記画像読取り装置は、前記情報端末装置が載置される前記原稿載置板の定位置を示す指標を有している。
【0017】
これにより、情報端末装置が原稿載置板の定位置に確実に載置される。
【0018】
また、本発明の複写システムにおいて、前記画像読取り装置は、画像形成装置に搭載され、
前記画像形成装置は、前記画像読取り装置の読取部により読取られた前記情報端末装置の表示画面のコンテンツを記録用紙に記録している。
【0019】
この場合は、情報端末装置の表示画面のコンテンツを読取るだけではなく記録用紙に記録することができる。
【0020】
更に、本発明の複写システムにおいて、前記情報端末装置の制御部は、前記情報端末装置の表示画面のコンテンツの移動表示に係る制御情報を該情報端末装置の表示画面に表示し、前記画像形成装置は、前記画像読取り装置の読取り部により前記コンテンツ及び前記制御情報を読取り、前記制御情報に基づき前記コンテンツを処理している。
【0021】
この場合は、情報端末装置から画像読取り装置を介して画像形成装置へとコンテンツ及び制御情報が伝達され、画像形成装置側で制御情報に基づくコンテンツの多様な処理が可能になる。
【0022】
例えば、前記制御情報は、前記情報端末装置の表示画面のコンテンツの移動表示の開始タイミング及び終了タイミングを示し、前記画像形成装置は、前記画像読取り装置の読取り部により前記コンテンツ及び前記制御情報を読取り、前記制御情報に基づき前記コンテンツを取り込む。
【0023】
あるいは、前記情報端末装置の制御部は、コンテンツ全体を複数のコンテンツ片に分割し、前記各コンテンツ片毎に、表示画面にコンテンツ片の少なくとも一部を表示し、コンテンツ片の副走査方向の移動に伴って前記読取り部により読取られるコンテンツ片の部分が順次変更されるような表示制御を行い、前記各コンテンツ片の移動表示に係る制御情報を該情報端末装置の表示画面に表示し、前記画像形成装置は、前記画像読取り装置の読取り部により前記各コンテンツ片及び前記制御情報を読取り、前記制御情報に基づき前記各コンテンツ片を合成して、前記コンテンツ全体を形成する。
【0024】
一方、本発明の画像読取り装置は、原稿が載置された透明な原稿載置板を介して前記原稿を読取る画像読取り装置であって、前記原稿を前記原稿載置板を介して読取る読取り部を備え、情報端末装置が前記原稿載置板の定位置に載置されると、前記原稿載置板を介して前記情報端末装置の表示画面と対峙する位置に前記読取り部を移動して位置決めし、前記読取り部により前記情報端末装置の表示画面に表示されているコンテンツを読取る。
【0025】
このような本発明の画像読取り装置においては、原稿載置板を介して情報端末装置の表示画面と対峙する位置に読取り部を移動して位置決めするので、読取り部により情報端末装置の表示画面に表示されているコンテンツを読取ることができる。
【0026】
また、本発明の情報端末装置は、表示画面上でコンテンツが移動表示されるような表示制御を行う情報端末装置であって、前記表示画面のコンテンツの移動表示速度を、原稿が載置された透明な原稿載置板を介して前記原稿を読取る画像読取り装置の読取り速度と同期させる制御部を備え、前記コンテンツの移動表示に係る制御情報を前記表示画面に表示する。
【0027】
このような本発明の情報端末装置においては、表示画面上でコンテンツを移動表示し、画像読取り装置による読取り速度と情報端末装置の制御部による移動表示速度とを同期させているので、画像読取り装置により情報端末装置の表示画面に移動表示されているコンテンツを順次読取ることができる。また、情報端末装置から画像読取り装置へとコンテンツ及び制御情報が伝達され、制御情報に基づくコンテンツの多様な処理が可能になる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、画像読取り装置においては、原稿載置板を介して情報端末装置の表示画面と対峙する位置に読取り部を移動して位置決めするので、読取り部により情報端末装置の表示画面に表示されているコンテンツを読取ることができる。
【0029】
また、情報端末装置の表示画面上でコンテンツを移動表示し、画像読取り装置の読取り部による読取り速度と情報端末装置の制御部によるコンテンツの移動表示速度とを同期させているので、読取り部により情報端末装置の表示画面に移動表示されているコンテンツを順次読取ることができる。更に、表示画面よりも大きなサイズのコンテンツを読取ることができる。この読取ったコンテンツは、プリンタや複合機等の画像形成装置で直ちに記録用紙に記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の複写システムを概略的に示す斜視図である。
【図2】本実施形態の複写システムにおける情報端末装置を概略的に示す平面図である。
【図3】情報端末装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態の複写システムにおける画像形成装置(複合機)を示す断面図である。
【図5】画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図6】(a)、(b)は、情報端末装置を画像読取り装置の原稿載置板の定位置に載置した状態を示す平面図及び断面図である。
【図7】複数種の情報端末装置の型番と各情報端末装置の表示画面の位置とを対応付けて記録した表示画面位置データテーブルを示す図である。
【図8】画像読取り装置の原稿載置板の定位置を示す指標の変形例を示す平面図である。
【図9】情報端末装置の表示画面におけるコンテンツの移動表示形態を例示する図である。
【図10】複数種の画像読取り装置もしくは画像形成装置の型番と各原稿読取りの副走査方向速度とを対応付けて記録した移動表示速度データテーブルを示す図である。
【図11】(a)はコンテンツ全体を例示する図であり、(b)は3つに分割された各コンテンツ片を例示する図である。
【図12】(a)〜(c)は3つのコンテンツ片と制御情報の表示手順を示す図であり、(d)〜(f)は3つのコンテンツ片の合成手順を示す図である。
【図13】情報端末装置の表示画面上でコンテンツを移動表示するための情報端末装置側の手順を示すフローチャートである。
【図14】情報端末装置の表示画面に表示されているコンテンツを画像読取り装置で読取って画像形成装置で記録用紙に印刷するための画像形成装置側の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0032】
図1は、本発明の複写システムを概略的に示す斜視図である。本実施形態の複写システムでは、原稿を透明な原稿載置板54を介して読取る画像読取り装置51を搭載した画像形成装置Aと、情報端末装置1とを備えている。画像読取り装置51は、原稿だけではなく、原稿載置板54に載置された情報端末装置1の表示画面に表示されているコンテンツも読取る。画像形成装置Aは、画像読取り装置51により読取られた表示画面のコンテンツを記録用紙に印刷記録する。
【0033】
図2は、本実施形態の複写システムにおける情報端末装置1を概略的に示す平面図である。情報端末装置1は、電子手帳、電子辞書等の携帯型の情報端末装置であり、本体筐体2の表側に液晶表示装置3の表示画面3aが配置され、本体筐体2の表側等に複数の操作キー4が配置されている。液晶表示装置3の表示画面3aには透明なタッチパネル(図示せず)が重ねられており、表示画面3aに表示された操作ボタン等が指示されると、この指示された操作ボタン等がタッチパネルで検出される。
【0034】
図3は、情報端末装置1の構成を示すブロック図である。図3において、入力操作部11は、複数の操作キー4及び液晶表示装置3の表示画面3aに重ねられたタッチパネル等を備え、各操作キー4に対する入力指示を検出したり、液晶表示装置3の表示画面3a上の操作ボタンに対する入力指示をタッチパネルを介して検出し、その入力指示された操作キーや操作ボタンを示す操作信号を出力する。
【0035】
記憶部12は、RAM、ROM、HDD等からなり、各種のプログラムやデータ等を記憶する。制御部14は、CPU、各種のインターフェース等を備え、情報端末装置1を統括的に制御する。例えば、制御部14は、プログラムを記憶部12から読み出して実行し、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンに対する入力指示を示す操作信号を入力操作部11から入力して、この操作信号に応答してプログラムの処理を進めつつ、この処理の進行状況や結果等を表示画面3aに表示する。より具体的には、情報端末装置1が電子手帳である場合は、テキストを作成するためのプログラムを記憶部12から読出して実行し、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンの操作により入力された文字等を表示画面3aに表示して、表示画面3a上にテキスト等のコンテンツを作成し、このコンテンツを記憶部12に記憶したり、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンに対する入力指示に応答して記憶部12からテキスト等のコンテンツを読み出して表示画面3aに表示する。また、情報端末装置1が電子辞書である場合は、辞書を検索するためのプログラムを記憶部12から読出して実行し、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンの操作により入力された単語を表示画面3aに表示し、この単語に対応するコンテンツを記憶部12内の単語データベースで検索し、このコンテンツを表示画面3aに表示する。
【0036】
また、制御部14は、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンに対する入力指示に応答して表示画面3aのコンテンツをスクロール表示させる。情報端末装置1が携帯型のものであって、表示画面3aのサイズが小さく、コンテンツ全体を表示画面3aに一度で表示することができない。このため、表示画面3aのコンテンツをスクロール表示させる必要がある。
【0037】
図4は、本実施形態の複写システムにおける画像形成装置Aを示す断面図である。画像形成装置Aは、スキャナ機能、複写機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能等を有する所謂複合機であり、画像読取り装置51により読取られた原稿の画像を外部に送信したり、この読取られた原稿の画像又は外部から受信した画像をカラーもしくは単色で記録用紙に記録形成したりする。
【0038】
画像形成装置Aは、画像を記録用紙に印刷するべく、光走査装置21、現像装置22、感光体ドラム23、ドラムクリーニング装置24、帯電器25、中間転写ベルト装置26、定着装置27、用紙搬送経路S、給紙トレイ28、及び用紙排出トレイ29等を備えている。
【0039】
画像形成装置Aにおいて扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。このため、現像装置22、感光体ドラム23、ドラムクリーニング装置24、及び帯電器25は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
【0040】
各感光体ドラム23は、それらの表面に光感光層を有している。各帯電器25は、それぞれの感光体ドラム23の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャー型の帯電器が用いられる。
【0041】
光走査装置21は、レーザダイオード及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)であり、帯電された各感光体ドラム23表面を画像データに応じて露光して、それらの表面に画像データに対応する静電潜像を形成する。
【0042】
各現像装置22は、それぞれの感光体ドラム23表面に形成された静電潜像を各色のトナーにより現像し、これらの感光体ドラム23表面にトナー像を形成する。各ドラムクリーニング装置24は、現像及び画像転写後にそれぞれの感光体ドラム23表面に残留したトナーを除去及び回収する。
【0043】
中間転写ベルト装置26は、各感光体ドラム23の上方に配置されており、中間転写ベルト31、中間転写ベルト駆動ローラ32、従動ローラ33、4つの中間転写ローラ34、及びベルトクリーニング装置35を備えている。
【0044】
中間転写ベルト31は、フィルムを無端ベルト状に形成したものである。中間転写ベルト駆動ローラ32、従動ローラ33、各中間転写ローラ34等は、中間転写ベルト31を張架して支持し、中間転写ベルト31を矢印C方向に周回移動させる。
【0045】
各中間転写ローラ34は、中間転写ベルト31近傍に回転可能に支持され、中間転写ベルト31を介してそれぞれの感光体ドラム23に押圧されている。各感光体ドラム23表面のトナー像が中間転写ベルト31に順次重ねて転写されて、中間転写ベルト31上にカラーのトナー像が形成される。各感光体ドラム23から中間転写ベルト31へのトナー像の転写は、中間転写ベルト31裏面に圧接されている各中間転写ローラ34によって行われる。各中間転写ローラ34には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されており、その導電性の弾性材により高電圧が記録用紙に対して均一に印加される。
【0046】
こうして各感光体ドラム23表面のトナー像は、中間転写ベルト31で転写積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このカラーのトナー像は、中間転写ベルト31と共に搬送され、中間転写ベルト31と二次転写装置36の転写ローラ36a間のニップ域で記録用紙上に転写される。
【0047】
二次転写装置36の転写ローラ36aには、中間転写ベルト31上のカラーのトナー像を記録用紙に転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
【0048】
また、二次転写装置36によって中間転写ベルト31上のトナー像が記録用紙上に完全に転写されず、中間転写ベルト31表面にトナーが残留することがあり、この残留トナーが次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、ベルトクリーニング装置35によって中間転写ベルト31表面の残留トナーを除去及び回収する。
【0049】
記録用紙は、中間転写ベルト31と二次転写装置36の転写ローラ36a間のニップ域でカラーのトナー像を転写された後、定着装置27へと搬送される。定着装置27は、加熱ローラ41及び加圧ローラ42等を備えており、加熱ローラ41と加圧ローラ42間に記録用紙を挟み込んで搬送する。
【0050】
加熱ローラ41は、図示しない温度検出器の検出出力に基づき、所定の定着温度となるように制御されており、加圧ローラ42と共に記録用紙を熱圧着することにより、記録用紙に転写されたカラーのトナー像を溶融、混合、圧接し、記録用紙に対して熱定着させる。
【0051】
また、画像形成装置Aの下部には、記録用紙を供給する給紙トレイ28が設けられている。画像形成装置Aには、給紙トレイ28から供給された記録用紙を二次転写装置36や定着装置27を経由させて用紙排出トレイ29に送るための、用紙搬送経路Sが設けられている。
【0052】
給紙トレイ28の端部には用紙ピックアップローラ43が設けられており、この用紙ピックアップローラ43により給紙トレイ28から記録用紙が1枚ずつ引き出されて用紙搬送経路Sへと搬送される。ここでは、1つの給紙トレイ28を例示しているが、複数の給紙トレイ28を設けて、複数種のサイズの記録用紙を各給紙トレイ28に収容しておき、各給紙トレイ28のいずれかより必用なサイズの記録用紙を給紙する。
【0053】
用紙搬送経路Sに沿って、用紙レジストローラ44、定着装置27、搬送ローラ45、及び排紙ローラ46等が配置されている。搬送ローラ45は、記録用紙の搬送を促進補助するための小型のローラであり、複数組設けられている。
【0054】
用紙レジストローラ44は、搬送されて来た記録用紙を一旦停止させて、記録用紙の先端を揃え、中間転写ベルト31と二次転写装置36の転写ローラ36a間のニップ域で中間転写ベルト31上のカラーのトナー像が記録用紙に転写されるように、各感光体ドラム23及び中間転写ベルト31の回転にあわせて、記録用紙をタイミングよく搬送する。
【0055】
更に、記録用紙は、定着装置27でカラーのトナー像を定着され、定着装置27を通過した後、排紙ローラ46によって用紙排出トレイ29上にフェイスダウンで排出される。
【0056】
また、記録用紙の表面だけではなく、裏面の印字を行う場合は、記録用紙を排紙ローラ46により搬送する途中で、排紙ローラ46を停止させてから逆回転させ、記録用紙を反転経路Srに通して、記録用紙の表裏を反転させ、記録用紙を用紙レジストローラ44へと導き、記録用紙の表面と同様に、記録用紙の裏面に画像を記録して定着し、記録用紙を用紙排紙トレイ29に排出する。
【0057】
次に、画像形成装置Aの本体上部に搭載されている画像読取り装置51について説明する。画像読取り装置51は、読取り本体部51aと、原稿搬送部51bとを備えている。原稿搬送部51bは、その奥一辺をヒンジ(図示せず)により読取り本体部51aの奥一辺に枢支され、その手前部分を上下させることにより開閉される。原稿搬送部51bを開いて、読取り本体部51aの透明なガラス等からなる原稿載置板54を開放させ、原稿載置板54上に原稿を載置し、この後に原稿搬送部51bを閉じる。
【0058】
読取り本体部51aは、原稿載置板54、第1走査ユニット55、第2走査ユニット56、結像レンズ57、及びCCD(Charge Coupled Device)58等を備えている。第1走査ユニット55は、光源61及び第1反射ミラー62を備えており、副走査方向Yに原稿サイズに応じた距離だけ一定速度Vで移動しながら、原稿載置板54上の原稿を光源61によって露光し、その反射光を第1反射ミラー62により反射して第2走査ユニット56へと導き、これにより原稿表面の画像を副走査方向Yに走査する。第2走査ユニット56は、第2及び第3反射ミラー63、64を備えており、第1走査ユニット55に追従して速度V/2で移動しつつ、原稿からの反射光を第2及び第3反射ミラー63、64により反射して結像レンズ57へと導く。結像レンズ57は、原稿からの反射光をCCD58に集光して、原稿表面の画像をCCD58上に結像させる。CCD58は、原稿の画像を繰り返し主走査方向(副走査方向Yと直交する方向)に走査し、その度に、1主走査ラインのアナログ画像信号を出力する。
【0059】
また、画像読取り装置51では、シートスルー方式により原稿画像を読取ることができる。このシートスルー方式では、原稿搬送部51bにより原稿を副走査方向Yに搬送しつつ、読取り本体部51aにより原稿表面の画像を読取る。この場合は、原稿搬送部51bを閉じた状態で、第1走査ユニット55を原稿読取りガラス65下方の読取り定位置に移動させ、第1走査ユニット55の位置に応じて第2走査ユニット56を位置決めし、この状態で、原稿搬送部51bによる原稿の搬送を開始する。
【0060】
原稿搬送部51bでは、ピックアップローラ66を原稿トレイ67上の原稿に押し当て回転させて、原稿を引き出し、原稿を原稿搬送路68を通じて搬送し、原稿を原稿読取りガラス65と読取りガイド板69間に通過させ、更に原稿を排紙ローラ71から排紙トレイ72へと搬送する。原稿搬送路68に沿って、原稿をその先端を揃えてから搬送するレジストローラ73や、原稿を搬送する搬送ローラ74が配置されている。
【0061】
この原稿の搬送に際し、第1走査ユニット55の光源61により原稿表面を原稿読取りガラス65を介して照明し、原稿表面からの反射光を第1及び第2走査ユニット55、56の各反射ミラーにより結像レンズ57へと導き、原稿表面からの反射光を結像レンズ57によりCCD58に集光させ、原稿表面の画像をCCD58上に結像させ、これにより原稿表面の画像を読取る。
【0062】
また、原稿の裏面を読取る場合は、中間トレイ77をその軸周りで点線で示すように回転させておき、原稿を排紙ローラ71から排紙トレイ72へと排出する途中で、排紙ローラ71を停止させて、原稿を中間トレイ77上に受け、排紙ローラ71を逆回転させて、原稿を反転搬送路78を介してレジストローラ73へと導いて、原稿の表裏を反転させ、原稿表面の画像と同様に、原稿裏面の画像を読取り、中間トレイ77を実線で示す元の位置に戻して、原稿を排紙ローラ71から排紙トレイ72へと排出する。
【0063】
こうしてCCD58により読取られた原稿の画像は、CCD58からアナログ画像信号として出力され、このアナログ画像信号がデジタル画像信号(画像データ)にA/D変換される。そして、この画像データは、種々の画像処理を施されて画像形成装置Aの光走査装置21へと送受され、画像形成装置Aにおいて画像が記録用紙に記録され、この記録用紙が複写原稿として出力される。
【0064】
図5は、画像形成装置Aの構成を示すブロック図である。図5において、印刷部81は、図1における光走査装置21、現像装置22、感光体ドラム23、ドラムクリーニング装置24、帯電器25、中間転写ベルト装置26、定着装置27、用紙搬送経路S、給紙トレイ28、及び用紙排出トレイ29等に相当し、電子写真方式により印刷画像を記録用紙に印刷する。画像処理部82は、画像データに対して各種の画像処理を施す。
【0065】
また、入力操作部83は、複数の操作キー及び液晶表示装置84の表示画面に重ねられたタッチパネル等を備え、各操作キーに対する入力指示を検出したり、液晶表示装置84の表示画面上の操作ボタンに対する入力指示をタッチパネルを介して検出し、その入力指示された操作キーや操作ボタンを示す操作信号を出力する。センサ75は、光学式センサであり、原稿載置板54上に載置された情報端末装置1を検出する。記憶部86は、例えばハードディスク装置(HDD)であって、種々のデータやプログラムを記憶する。
【0066】
制御部87は、画像形成装置Aを統合的に制御するものであって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース等からなる。例えば、制御部87は、プログラムを記憶部86から読み出して実行し、操作キーや液晶表示装置84の表示画面上の操作ボタンに対する入力指示を示す操作信号を入力操作部83から入力して、この操作信号に応答してプログラムの処理を進めつつ、この処理の進行状況や結果等を液晶表示装置84の表示画面に表示する。また、制御部87は、画像読取り装置51を制御して、画像読取り装置51で原稿の画像を読取らせ、原稿の画像を示す画像データを記憶部86に記憶したり、画像処理部82で画像データを処理させ、印刷部81で記憶部86内の画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に記録させる。
【0067】
ところで、このような情報端末装置1を利用する上で、液晶表示装置3の表示画面3aに表示されたコンテンツを記録用紙に印刷して記録したいことがある。従来は、情報端末装置1を有線又は無線でコンピュータ(図示せず)に接続して、コンテンツを情報端末装置1からコンピュータへと送受し、コンテンツをコンピュータからプリンタもしくは複合機等の画像形成装置へと転送して、コンテンツを画像形成装置で印刷していたので、手間と時間を要した。
【0068】
そこで、本実施形態の印刷システムにおいては、情報端末装置1の表示画面3aに表示されているコンテンツを画像読取り装置51で読取って、画像形成装置Aの印刷部81でコンテンツを記録用紙に印刷している。これにより、コンテンツの複写を簡単かつ短時間に行うことが可能になる。
【0069】
詳しくは、情報端末装置1を画像読取り装置51の原稿載置板54の定位置に載置して、画像読取り装置51の第1走査ユニット55(読取り部)を原稿載置板54を介して情報端末装置1の表示画面3aと対峙する位置まで移動させて位置決めし、第1走査ユニット55の位置に応じて第2走査ユニット56を位置決めし、第1走査ユニット55の光源61により情報端末装置1の表示画面3aを原稿載置板54を介して照明し、情報端末装置1の表示画面3aからの反射光を第1及び第2走査ユニット55、56の各反射ミラーにより結像レンズ57へと導き、この反射光を結像レンズ57によりCCD58に集光させ、情報端末装置1の表示画面3aのコンテンツをCCD58上に結像させて、CCD58により表示画面3aのコンテンツを読取っている。
【0070】
また、原稿載置板54に載置された情報端末装置1の表示画面3aの縦方向を副走査方向Yに一致させ、この状態で情報端末装置1の表示画面3aのコンテンツが縦方向(副走査方向Y)に移動表示されるような表示制御を行って、コンテンツの副走査方向Yの移動速度を画像読取り装置51のCCD58による主走査方向の読取り繰返し速度と同期させている。例えば、画像読取り装置51のCCD58による主走査方向(主走査ライン)の読取りが1回行われる度に、情報端末装置1の表示画面3aのコンテンツが副走査方向Yに1画素分だけ移動するようにコンテンツの副走査方向Yの移動速度を調節設定している。これにより、画像読取り装置51で表示画面3aのコンテンツを副走査方向Yで伸縮させずに読取ることが可能になる。この読取ったコンテンツを示すアナログ信号がCCD58から出力され、このアナログ画像信号がデジタル画像信号(画像データ)にA/D変換され、この画像データに種々の画像処理が施されて、この画像データが画像形成装置Aの光走査装置21へと送受され、画像形成装置Aにおいてコンテンツが記録用紙に記録され、この記録用紙が複写原稿として出力される。
【0071】
図6(a)、(b)は、情報端末装置1を画像読取り装置51の原稿載置板54の定位置に載置した状態を示す平面図及び側面図である。図6(a)に示すように原稿載置板54における副走査開始側の一辺54aに情報端末装置1の本体筐体2の先端2aを重ね合わせると共に、原稿載置板54の中央位置を表す印54bに情報端末装置1の本体筐体2の中心を一致させて、原稿載置板54上に情報端末装置1の本体筐体2を位置決めする。従って、原稿載置板54の一辺54a及び印54bが情報端末装置1を位置決めするための指標として用いられる。
【0072】
この状態では、原稿載置板54の一辺54a及び印54bに対する情報端末装置1の表示画面3aの位置が特定される。
【0073】
ここで、利用者は、情報端末装置1を原稿載置板54の定位置に載置する前に、入力操作により情報端末装置1の型番を入力指示する。また、図6(b)に示すように原稿載置板54の下方にはセンサ75が設けられており、センサ75により原稿載置板54上の情報端末装置1が検出される。制御部87は、センサ75の検出出力に基づき情報端末装置1が載置されたと判定し、この判定をなすと、入力指示された情報端末装置1の型番に基づき本体筐体2における表示画面3aの位置を求め、原稿載置板54の一辺54a及び印54bに対する情報端末装置1の表示画面3aの位置を特定する。
【0074】
例えば、記憶部86には、図7に示すように複数種の情報端末装置の型番と各情報端末装置の本体筐体における表示画面の位置とを対応付けて記録した表示画面位置データテーブル91が記憶されており、制御部87は、表示画面位置データテーブル91から各情報端末装置の型番を読出して液晶表示装置84の表示画面に表示する。そして、制御部87は、利用者により情報端末装置1の型番が液晶表示装置84の表示画面上で入力指示されると、表示画面位置データテーブル91の各情報端末装置の型番を参照して、入力指示された型番に対応する情報端末装置の本体筐体における表示画面の位置を選択して求め、原稿載置板54の一辺54a及び印54bに対する情報端末装置の表示画面の位置を特定する。これにより、複数種の情報端末装置のいずれが原稿載置板54上に載置されても、原稿載置板54の一辺54a及び印54bに対する情報端末装置の表示画面の位置を特定することができる。
【0075】
こうして制御部87は、原稿載置板54の一辺54a及び印54bに対する情報端末装置1の表示画面3aの位置を特定すると、画像読取り装置51を制御して、第1走査ユニット55(読取り部)を原稿載置板54を介して表示画面3aと対峙する位置まで副走査方向Yに移動させ、第1走査ユニット55を表示画面3aと対峙する位置に位置決めし、第1走査ユニット55の位置に応じて第2走査ユニット56を位置決めする。詳しくは、第1走査ユニット55を後で述べる表示画面3aの細長い矩形状窓領域3bと対峙する位置に位置決めし、その位置に応じて第2走査ユニット56を位置決めする。
【0076】
例えば、第1走査ユニット55が既知のホームポジションに位置決めされているものとすると、ホームポジションから情報端末装置1の表示画面3aの細長い矩形状窓領域3bまでの移動距離(ホームポジションに対する表示画面3aの細長い矩形状窓領域3bの位置)を情報端末装置1の型番に対応付けて表示画面位置データテーブル91に記録しておき、情報端末装置1の型番に対応する移動距離を表示画面位置データテーブル91から読出し、第1走査ユニット55をホームポジションからその読出した移動距離だけ移動させて、第1走査ユニット55を表示画面3aの細長い矩形状窓領域3bと対峙する位置に位置決めする。
【0077】
尚、図8に示すような原稿載置板54の中央を表す矢印54cを印してもよい。これにより、情報端末装置1の位置をより明確に指示することができる。
【0078】
図9は、情報端末装置1の表示画面3aにおけるコンテンツの移動表示形態を例示する図である。情報端末装置1の制御部14は、図9に示すように液晶表示装置3の表示画面3a上に細長い矩形状窓領域3bを形成し、細長い矩形状窓領域3bにコンテンツの部分を表示し、コンテンツの表示画面縦方向(副走査方向Y)への移動に伴って細長い矩形状窓領域3bに表示されるコンテンツ部分が順次変更されるような表示制御を行って、コンテンツを移動表示する。
【0079】
情報端末装置1の細長い矩形状窓領域3bには少なくとも主走査方向1列の各画素の諧調を表示すればよく、画像読取り装置51のCCD58により該領域3bにおける主走査方向1列の各画素の諧調を読取ることが可能であればよい。例えば、コンテンツにおける主走査方向1列目の各画素の諧調を細長い矩形状窓領域3bに表示し、次に主走査方向2列目の各画素の諧調を細長い矩形状窓領域3bに表示し、以降、主走査方向3列目、4列目、……、n列目、……、最後列の各画素の諧調という順序で表示する。
【0080】
また、情報端末装置1の細長い矩形状窓領域3bにおいて、各画素の副走査方向Yの幅を広く設定するのが好ましい。例えば、主走査方向の各列毎に、1列の各画素の諧調を副走査方向2画素以上の幅で表示する。この場合は、主走査方向1列の各画素の表示範囲が副走査方向Yに広くなっていることから、この表示範囲にCCD58により読取られる主走査ラインが重なり易くなり、CCD58により主走査方向1列の各画素の諧調がより確実に読取られる。
【0081】
あるいは、コンテンツにおける主走査方向2列以上の各画素を細長い矩形状窓領域3bに表示し、各列を副走査方向に移動しつつ、各列を1列ずつ更新してもよい。すなわち、細長い矩形状窓領域3bにおいて主走査方向2列以上の各画素を副走査方向にスクロール表示する。
【0082】
また、情報端末装置1では、画像読取り装置51のCCD58による主走査方向(主走査ライン)の読取りが1回行われる度に、表示画面3aの細長い矩形状窓領域3bに表示されているコンテンツ部分が副走査方向Yに1画素分だけ切替わるようにコンテンツの副走査方向Yの移動表示速度を調節設定して、情報端末装置1によるコンテンツの移動表示速度を画像読取り装置51による読取り速度と同期させている。これにより、画像読取り装置51で表示画面3aのコンテンツを副走査方向Yで伸縮させずに読取ることが可能になる。
【0083】
画像読取り装置もしくは画像形成装置の種類により、主走査方向の読取り繰返し速度が異なることから、画像読取り装置もしくは画像形成装置の種類に応じて情報端末装置1によるコンテンツの移動表示速度を調節設定する必要がある。このため、情報端末装置1では、各種の画像読取り装置もしくは画像形成装置の型番とそれぞれの移動表示速度とを対応付けた移動表示速度データテーブルを記憶部12に予め記憶している。
【0084】
例えば、上記移動表示速度データテーブルは、図10に示すように構成されている。図10の移動表示速度データテーブル92では、各種の画像読取り装置もしくは画像形成装置の型番に対応付けてそれぞれの移動表示速度を記録している。
【0085】
制御部14は、移動表示速度データテーブル92を参照して、各種の画像読取り装置もしくは画像形成装置の型番を表示画面3aに表示し、利用者が表示画面3a上で型番を選択すると、この選択した型番に対応する移動表示速度を移動表示速度データテーブル92から選択して読取り、この選択した移動表示速度を情報端末装置1の表示画面3a上のコンテンツの移動表示速度として設定する。
【0086】
一方、本実施形態の印刷システムでは、コンテンツだけでなく、情報端末装置1により制御情報を表示画面3aに表示し、画像読取り装置51により表示画面3aの制御情報を読取って、この制御情報に応じて画像読取り装置51によるコンテンツの読取り動作の開始や終了、あるいは画像形成装置Aによるコンテンツの処理等を行っている。制御情報は、表示画面3aの細長い矩形状窓領域3bにコードとして表示することができ、コードを主走査方向1列の各画素の諧調で表すことができる。
【0087】
例えば、情報端末装置1の制御部14は、コンテンツの移動表示を開始する直前に、コンテンツの移動表示開始を示す制御情報を細長い矩形状窓領域3bに表示し、この直後にコンテンツの移動表示を開始する。画像形成装置Aでは、制御情報を画像読取り装置51で読取って制御部87に入力し、これに応答して制御部87は、画像読取り装置51によるコンテンツの読取りを開始する。これにより、情報端末装置1によるコンテンツの移動表示の開始タイミングと、画像読取り装置51によるコンテンツの読取り開始タイミングとを一致させることができる。
【0088】
また、情報端末装置1の制御部14は、コンテンツの移動表示を終了すると、コンテンツの移動表示終了を示す制御情報を細長い矩形状窓領域3bに表示する。画像形成装置Aでは、制御情報を画像読取り装置51で読取って制御部87に入力し、これに応答して制御部87は、画像読取り装置51によるコンテンツの読取りを終了する。これにより、情報端末装置1によるコンテンツの移動表示の終了に合わせて、画像読取り装置51によるコンテンツの読取りを終了することができる。
【0089】
更に、複数頁のコンテンツがある場合、情報端末装置1の制御部14は、頁毎に、頁の終了を示す制御情報を細長い矩形状窓領域3bに表示する。画像形成装置Aでは、制御情報を画像読取り装置51で読取って制御部87に入力し、これに応答して制御部87は、画像読取り装置51による1頁のコンテンツの読取りを終了させ、画像読取り装置51による次の頁のコンテンツの読取りを開始させる。これにより、各頁のコンテンツを順次読取ることができる。
【0090】
また、コンテンツの主走査方向の幅が表示画面3aの細長い矩形状窓領域3bの主走査方向の幅よりも広い場合、情報端末装置1の制御部14は、コンテンツ全体を複数のコンテンツ片に分割して、各コンテンツ片別に、コンテンツ片を表示画面3aの細長い矩形状窓領域3bに表示し、各コンテンツ片の合成手順(後で述べる改行)を示す制御情報を細長い矩形状窓領域3bに表示する。画像形成装置Aでは、画像読取り装置51により各コンテンツ片及び制御情報を読取り、制御情報に基づき各コンテンツ片を合成して、コンテンツ全体を形成し、コンテンツ全体を記録用紙に記録する。
【0091】
例えば、図11(a)に示すようなコンテンツ93を図11(b)に示すように3つのコンテンツ片93a、93b、93cに分割する。各コンテンツ片93a〜93cの主走査方向の幅rは、表示画面3aの細長い矩形状窓領域3bの主走査方向の幅uと略同一である。このため、各コンテンツ片93a〜93cのいずれも、表示画面3aの細長い矩形状窓領域3bに副走査方向Yに移動表示して、コンテンツ片全体を表示することができる。
【0092】
情報端末装置1の制御部14は、コンテンツ93を各コンテンツ片93a〜93cに分割し、まず図12(a)に示すようにコンテンツの移動表示開始を示す制御情報を細長い矩形状窓領域3bに表示してから、コンテンツ片93aを細長い矩形状窓領域3bに副走査方向Yに移動表示し、コンテンツ片93aの移動表示終了のタイミングで改行を示す制御情報を細長い矩形状窓領域3bに表示し、引き続いて図12(b)に示すようにコンテンツ片93bを副走査方向Yに移動表示し、コンテンツ片93bの移動表示終了のタイミングで改行を示す制御情報を表示し、更に図12(c)に示すようにコンテンツ片93cを副走査方向Yに移動表示し、コンテンツ片93cの移動表示終了のタイミングでコンテンツの移動表示終了を示す制御情報を表示する。
【0093】
画像読取り装置51では、コンテンツの移動表示開始を示す制御情報を読取ってから、コンテンツ片93aを読取って、コンテンツ片93aの移動表示終了のタイミングで改行を示す制御情報を読取り、引き続いてコンテンツ片93bを読取って、コンテンツ片93bの移動表示終了のタイミングで改行を示す制御情報を読取り、更にコンテンツ片93cを読取って、コンテンツ片93cの移動表示終了のタイミングでコンテンツの移動表示終了を示す制御情報を読取る。
【0094】
画像形成装置Aの制御部87は、コンテンツの移動表示開始を示す制御情報を入力すると、コンテンツの読取りの開始を判定して、最初のコンテンツ片93aを示す画像データを入力し、図12(d)に示すように記憶部86内のページメモリ94の第1行目から第n行目にコンテンツ片93aの画像データを順次記憶し、引き続いて改行を示す制御情報を入力すると、次のコンテンツ片の読取りの開始を判定して、次のコンテンツ片93bを示す画像データを入力し、図12(e)に示すように第(n+1)行目から第m行目に次のコンテンツ片93aの画像データを順次記憶し、更に改行を示す制御情報を入力すると、次のコンテンツ片の読取りの開始を判定して、次のコンテンツ片93cを示す画像データを入力し、図12(f)に示すように第(m+1)行目から第p行目に次のコンテンツ片93cの画像データを順次記憶し、コンテンツの移動表示終了を示す制御情報を入力すると、コンテンツの読取りの終了を判定して、各コンテンツ片93a〜93cからなるコンテンツ93の合成を終了する。これにより、ページメモリ94において各コンテンツ片93a〜93cがコンテンツ93に合成される。このコンテンツ93を示す画像データは、印刷部81で記録用紙に記録される。
【0095】
更に、制御情報として、コンテンツが記録される記録用紙のサイズを示すものを用いてもよい。
【0096】
次に、図6(a)、(b)に示すように情報端末装置1を画像形成装置Aの画像読取り装置51にセットして、画像読取り装置51により情報端末装置1の表示画面3aに表示されているコンテンツを読取り、画像形成装置Aによりそのコンテンツを記録用紙に印刷して記録する手順を整理して説明する。
【0097】
まず、図13のフローチャートを参照しつつ、情報端末装置1の表示画面3a上でコンテンツを移動表示するための情報端末装置1側の手順を説明する。
【0098】
利用者は、情報端末装置1の操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンを操作して、液晶表示装置3の表示画面3a上でコンテンツを作成して表示したり、記憶部12からコンテンツを読出して表示画面3aに表示する。
【0099】
コンテンツは、その全体が表示画面3aに一括的に表示可能であっても表示不可能であってもよい。コンテンツ全体が一括的に表示されていなくても、表示画面3a上でコンテンツが移動表示されるためである。
【0100】
この状態で、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンを操作して、コンテンツの複写モードを指示する(ステップS101)。これに応答して制御部14は、コンテンツの複写モードを設定し、表示画面3a上のコンテンツを一旦消去し、図10の移動表示速度データテーブル92を参照して、各種の画像読取り装置もしくは画像形成装置の型番を表示画面3aに表示する(ステップS102)。このとき、利用者が表示画面3a上で型番を選択すると、制御部14は、その選択した型番に対応する移動表示速度を移動表示速度データテーブル92から選択して読取り、この選択した移動表示速度を表示画面3a上のコンテンツの副走査方向Yの移動表示速度として設定する。これにより、コンテンツの副走査方向Yの移動表示速度が画像読取り装置51による読取り速度と同期するように調節される。
【0101】
また、制御部14は、表示画面3aの細長い矩形状窓領域3bの主走査方向の幅uとコンテンツの主走査方向の幅とを比較し、この比較に基づき制御情報を設定する。例えば、コンテンツの主走査方向の幅が細長い矩形状窓領域3bの主走査方向の幅uよりも狭ければ、コンテンツを分割する必要がないことから、コンテンツの移動表示開始を示す制御情報と移動表示終了を示す制御情報だけを設定する。また、コンテンツの主走査方向の幅が細長い矩形状窓領域3bの主走査方向の幅uよりも広ければ、コンテンツ全体を複数のコンテンツ片に分割して、コンテンツ片の主走査方向の幅が細長い矩形状窓領域3bの主走査方向の幅uよりも狭くなるように設定し、コンテンツの移動表示開始を示す制御情報、コンテンツ片と次のコンテンツ片間の改行を示す制御情報、及びコンテンツの移動表示終了を示す制御情報を設定する。更に、制御部14は、頁の終了を示す制御情報や記録用紙のサイズを示す制御情報を設定する。
【0102】
利用者は、先に述べたようにコンテンツの複写モードを指示すると、この後で画像読取り装置51の原稿搬送部51bを開き、情報端末装置1の表裏を反転させて、表示画面3aを下方に向け、表示画面3aを原稿載置板54に重ね合わせ、情報端末装置1を原稿載置板54の定位置に載置して、画像読取り装置51による読取りの副走査方向Yと情報端末装置1の表示画面3aの縦方向を一致させる。そして、利用者は、操作キー4の操作により複写の開始を指示する。これに応答して制御部14は、表示画面3aへのコンテンツ及び制御情報の表示を開始する(ステップS103)。尚、複写の開始を指示する操作キー4は、情報端末装置1を原稿載置板54に載置した状態で操作し得るものとする。例えば、情報端末装置1の本体筐体2の側部に配置された操作キーを用いる。
【0103】
次に、図14のフローチャートを参照しつつ、情報端末装置1の表示画面3aに表示されているコンテンツを画像読取り装置51で読取って画像形成装置Aで記録用紙に印刷するための画像形成装置A側の手順を説明する。
【0104】
利用者は、画像形成装置Aの入力操作部83を操作して、情報端末装置1の表示画面3aに表示されているコンテンツの複写モードを指示する(ステップS201)。これに応答して制御部87は、コンテンツの複写モードを設定し、図7のデータテーブル91を参照して、各情報端末装置の型番を液晶表示装置84の表示画面に表示する(ステップS202)。利用者は、液晶表示装置84の表示画面上で情報端末装置1の型番を入力指示する。また、利用者は、情報端末装置1を原稿載置板54の定位置に載置する(ステップS203)。
【0105】
このとき、センサ75により原稿載置板54上の情報端末装置1が検出される(ステップS204)。制御部87は、センサ75の検出出力に基づき情報端末装置1が載置されたと判定し、この判定をなすと、入力指示された情報端末装置1の型番に基づき本体筐体2における表示画面3aの位置を求め、原稿載置板54の一辺54a及び印54bに対する情報端末装置1の表示画面3aの位置を特定する(ステップS205)。
【0106】
そして、制御部87は、画像読取り装置51を制御して、第1走査ユニット55(読取り部)を原稿載置板54を介して表示画面3aの細長い矩形状窓領域3bと対峙する位置まで副走査方向Yに移動させ、第1走査ユニット55を表示画面3aの細長い矩形状窓領域3bと対峙する位置に位置決めし、第1走査ユニット55の位置に応じて第2走査ユニット56を位置決めする(ステップS206)。
【0107】
この状態で、利用者が情報端末装置1の操作キー4の操作により複写の開始を指示し、情報端末装置1の表示画面3aへのコンテンツ及び制御情報の表示が開始される。
【0108】
画像読取り装置51では、情報端末装置1の表示画面3aの細長い矩形状窓領域3bに表示されたコンテンツ及び制御情報を画像読取り装置51で読取って制御部87に入力し(ステップS207)、制御部87は、コンテンツ及び制御情報のいずれを読取ったのかを判定する(ステップS208)。例えば、制御部87は、制御情報を読取ったと判定すると(ステップS208で「Yes」)、制御情報を解析して(ステップS209)、制御情報によって示される処理を行う(ステップS210)。
【0109】
例えば、制御情報によってコンテンツの移動表示開始が示されている場合、制御部87は、制御情報がコンテンツの移動表示終了でないことから(ステップS211で「No」)、ステップS208に戻って、制御情報の読取り直後から、画像読取り装置51によるコンテンツもしくはコンテンツ片の読取りを開始し、コンテンツもしくはコンテンツ片を読取ると(ステップS208で「No」)、コンテンツもしくはコンテンツ片をページメモリ94に記憶する(ステップS212)。また、制御情報によって改行が示されている場合、制御部87は、ステップS211を介してステップS208に戻り、画像読取り装置51によるコンテンツ片の読取りを待機し、コンテンツ片を読取ると(ステップS208で「No」)、コンテンツ片をページメモリ94に記憶して、先に述べたように複数のコンテンツ片を合成する(ステップS212)。更に、制御情報によって頁の終了が示されている場合、制御部87は、ステップS211を介してステップS208に戻り、画像読取り装置51による次頁のコンテンツもしくはコンテンツ片の読取りを待機し、次頁のコンテンツもしくはコンテンツ片を読取ると(ステップS208で「No」)、次頁のコンテンツもしくはコンテンツ片を次のページメモリ94に記憶する(ステップS212)。また、制御情報によって記録用紙のサイズが示されている場合、制御部87は、印刷部81でコンテンツの記録に用いられる記録用紙を制御情報によって示されるサイズのものに設定する。こうしてコンテンツがページメモリ94に記憶されると、このコンテンツが印刷部81で記録用紙に印刷される。
【0110】
また、制御情報によってコンテンツの移動表示終了が示されている場合、制御部87は、制御情報がコンテンツの移動表示終了であることから(ステップS211で「Yes」)、ステップS201で設定した複写モードを解除して、情報端末装置1の表示画面3aのコンテンツを読取って記録用紙に記録するという複写処理を終了し、コンテンツの読取り終了の旨を液晶表示装置84の表示画面に表示する(ステップS213)。
【0111】
尚、上記実施形態では、情報端末装置1の表示画面3a上のコンテンツの移動表示速度を画像読取り装置51のCCD58による主走査方向の読取り繰返し速度と同期させるために、情報端末装置1側でコンテンツの移動表示速度を調節設定しているが、画像読取り装置51側でCCD58による主走査方向の読取り繰返し速度を調節設定しても構わない。この場合は、情報端末装置1の表示画面3aに副走査方向の移動表示速度を示す制御情報を表示し、画像読取り装置51により制御情報を読取り、制御情報によって示される移動表示速度に応じてCCD58による主走査方向の読取り繰返し速度を調節設定すればよい。
【0112】
また、原稿読取りガラス65は、原稿載置板54と同等の機能を果たすものであることから、原稿読取りガラス65に情報端末装置1の表示画面3aを重ね合わせて、情報端末装置1を載置し、画像読取り装置51の第1走査ユニット55(読取り部)を原稿読取りガラス65を介して表示画面3aと対峙させ、この状態でCCD58により表示画面3aのコンテンツを読取ることも可能である。
【0113】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範疇の設計変更等が施されたものであっても、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0114】
1 情報端末装置
2 本体筐体
3 液晶表示装置
3a 表示画面
4 操作キー
11 入力操作部
12 記憶部
14 制御部
21 光走査装置
22 現像装置
23 感光体ドラム
24 ドラムクリーニング装置
25 帯電器
26 中間転写ベルト装置
27 定着装置
28 給紙トレイ
29 用紙排出トレイ
51 画像読取り装置
51a 読取り本体部
51b 原稿搬送部
54 原稿載置板
55 第1走査ユニット(読取り部)
56 第2走査ユニット
58 CCD
75 センサ
81 印刷部
82 画像処理部
83 入力操作部
84 液晶表示装置
86 記憶部
87 制御部
A 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿が載置された透明な原稿載置板を介して前記原稿を読取る画像読取り装置と、情報端末装置とを備えた複写システムであって、
前記画像読取り装置は、前記原稿を前記原稿載置板を介して読取る読取り部を備え、前記情報端末装置が前記原稿載置板の定位置に載置されると、前記原稿載置板を介して前記情報端末装置の表示画面と対峙する位置に前記読取り部を移動して位置決めし、前記読取り部により前記情報端末装置の表示画面に表示されているコンテンツを読取り、
前記情報端末装置は、該情報端末装置の表示画面にコンテンツの少なくとも一部を表示し、コンテンツの移動に伴って前記読取り部により読取られるコンテンツの部分が順次変更されるような表示制御を行う制御部を備え、
前記画像読取り装置の読取り部による読取り速度と前記情報端末装置の制御部によるコンテンツの移動表示速度とを同期させたことを特徴とする複写システム。
【請求項2】
請求項1に記載の複写システムであって、
前記画像読取り装置の読取り部は、前記情報端末装置の表示画面と対峙する位置まで副走査方向に移動されて位置決めされ、前記情報端末装置の表示画面のコンテンツを主走査方向に繰返し読取り、
前記情報端末装置の制御部は、該情報端末装置の表示画面にコンテンツの少なくとも一部を表示し、コンテンツの副走査方向の移動に伴って前記読取り部により読取られるコンテンツの部分が順次変更されるような表示制御を行い、
前記画像読取り装置の読取り部による主走査方向の読取り繰返し速度と前記情報端末装置の制御部によるコンテンツの移動表示速度とを同期させたことを特徴とする複写システム。
【請求項3】
請求項2に記載の複写システムであって、
前記情報端末装置の制御部は、該情報端末装置の表示画面における矩形状窓領域にコンテンツの一部を表示し、コンテンツの副走査方向への移動に伴って前記矩形状窓領域に表示されるコンテンツ部分が順次変更されるような表示制御を行うことを特徴とする複写システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の複写システムであって、
前記情報端末装置の制御部は、該情報端末装置の表示画面にコンテンツをスクロール表示することを特徴とする複写システム。
【請求項5】
請求項2に記載の複写システムであって、
前記情報端末装置の制御部は、前記読取り部による主走査方向の読取り繰返し速度と同期するようにコンテンツの移動表示速度を調節設定することを特徴とする複写システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の複写システムであって、
前記画像読取り装置は、前記情報端末装置が載置される前記原稿載置板の定位置を示す指標を有することを特徴とする複写システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の複写システムであって、
前記画像読取り装置は、画像形成装置に搭載され、
前記画像形成装置は、前記画像読取り装置の読取部により読取られた前記情報端末装置の表示画面のコンテンツを記録用紙に記録することを特徴とする複写システム。
【請求項8】
請求項7に記載の複写システムであって、
前記情報端末装置の制御部は、前記情報端末装置の表示画面のコンテンツの移動表示に係る制御情報を該情報端末装置の表示画面に表示し、
前記画像形成装置は、前記画像読取り装置の読取り部により前記コンテンツ及び前記制御情報を読取り、前記制御情報に基づき前記コンテンツを処理することを特徴とする複写システム。
【請求項9】
請求項8に記載の複写システムであって、
前記制御情報は、前記情報端末装置の表示画面のコンテンツの移動表示の開始タイミング及び終了タイミングを示し、
前記画像形成装置は、前記画像読取り装置の読取り部により前記コンテンツ及び前記制御情報を読取り、前記制御情報に基づき前記コンテンツを取り込むことを特徴とする複写システム。
【請求項10】
請求項7に記載の複写システムであって、
前記情報端末装置の制御部は、コンテンツ全体を複数のコンテンツ片に分割し、前記各コンテンツ片毎に、表示画面にコンテンツ片の少なくとも一部を表示し、コンテンツ片の副走査方向の移動に伴って前記読取り部により読取られるコンテンツ片の部分が順次変更されるような表示制御を行い、前記各コンテンツ片の移動表示に係る制御情報を該情報端末装置の表示画面に表示し、
前記画像形成装置は、前記画像読取り装置の読取り部により前記各コンテンツ片及び前記制御情報を読取り、前記制御情報に基づき前記各コンテンツ片を合成して、前記コンテンツ全体を形成することを特徴とする複写システム。
【請求項11】
原稿が載置された透明な原稿載置板を介して前記原稿を読取る画像読取り装置であって、
前記原稿を前記原稿載置板を介して読取る読取り部を備え、
情報端末装置が前記原稿載置板の定位置に載置されると、前記原稿載置板を介して前記情報端末装置の表示画面と対峙する位置に前記読取り部を移動して位置決めし、前記読取り部により前記情報端末装置の表示画面に表示されているコンテンツを読取ることを特徴とする画像読取り装置。
【請求項12】
表示画面上でコンテンツが移動表示されるような表示制御を行う情報端末装置であって、
前記表示画面のコンテンツの移動表示速度を、原稿が載置された透明な原稿載置板を介して前記原稿を読取る画像読取り装置の読取り速度と同期させる制御部を備え、
前記コンテンツの移動表示に係る制御情報を前記表示画面に表示することを特徴とする情報端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−104873(P2012−104873A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248864(P2010−248864)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】