説明

複合伸縮性材料およびその製造方法

【課題】収縮時の厚さが薄く、ひいては着用者の体に密着して感触がよいという特徴を有する複合伸縮性材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の複合伸縮性材料(3)は、第一の不織布シート部分及び第二の不織布シート部分(1U,1L)とこれらの間に配置された弾性部材(2)とから構成され、不織布シート部分の各々には、その不織布シート部分の厚さ方向に凹部(51)及び凸部(53)が形成され、第一の方向に交互に繰り返し形成された凹部及び凸部が凹凸列(41)を画定し、第一の方向に沿って凹凸列が凹部及び凸部を含むことなく延びる非凹凸領域(43)によって互いに隔てられており、非凹凸領域同士が弾性部材を介して接合され、第一の不織布シート部分の凸部が第二の不織布シート部分の凹部内部に入り込むと共に第二の不織布シート部分の凸部が第一の不織布シート部分の凹部内部に入り込んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合伸縮性材料およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2枚のシート材と、これら両シート材間に配された複数本の弾性部材とからなる伸縮部を有する複合伸縮性材料であって、前記2枚のシート材は、前記伸縮部の伸縮方向及びそれに直交する方向において間欠的に互いに接合されており、前記弾性部材は、両シート材同士の接合部を通らないように前記伸縮部に配されており且つその両端部において両シート材に固定されており、前記両シート材のそれぞれが、各々複数本の前記弾性部材に亘って連続して延びる複数本の襞を形成している複合伸縮性材料が公知である(特許文献1参照)。このような複合伸縮性材料は、感触が柔らかく、見た目も美しいギャザー(多数の襞を有する伸縮部)を有しており、吸収性物品等にそのようなギャザーを形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−80859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、賦形処理されていない不織布シートを使用する複合伸縮性材料では、不織布シート同士の間の弾性材料が収縮すると、不織布シートが接合されていない部分で厚さ方向に変形し、複合伸縮性材料として厚さが増加して、不均一な皺が形成されることになる。したがって、生地状の薄い複合伸縮部材を得ることが困難であり、その結果、着用者の体に密着せず、着用に際して違和感が生じるおそれがある。
【0005】
したがって、本発明の目的は、収縮時の厚さが薄く、ひいては着用者の体に密着して感触がよいという特徴を有する複合伸縮性材料及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明によれば、
互いに重なり合う第一の不織布シート部分及び第二の不織布シート部分と、前記第一の不織布シート部分と前記第二の不織布シート部分との間に配置された弾性部材とから構成される複合伸縮性材料であって、
前記不織布シート部分の各々には、その不織布シート部分の厚さ方向に凹部及び凸部が形成され、
第一の方向に交互に繰り返し形成された前記凹部及び前記凸部が、前記第一の方向に直交する第二の方向に沿って各々延びて、凹凸列を画定し、
前記凹凸列が、前記第一の方向に沿って前記凹部及び前記凸部を含むことなく延びる非凹凸領域によって互いに隔てられており、
前記凸部が、対応する前記不織布シート部分の前記非凹凸領域の厚さ方向位置から突出しており、
互いに隣接する2つの前記凸部同士の間に形成される前記凹部が、前記非凹凸領域の厚さ方向位置まで到っており、
前記第一の不織布シート部分と前記第二の不織布シート部分との前記非凹凸領域が互いに対向しつつ、前記第一の不織布シート部分の前記凸部が前記第二の不織布シート部分を向くと共に前記第二の不織布シート部分の前記凸部が前記第一の不織布シート部分を向くように重ね合わせられると共に、前記第一の方向に伸張した状態の前記弾性部材が、互いに整列する前記非凹凸領域同士の間に配置され、
互いに整列された前記非凹凸領域同士が弾性部材を介して接合され、
前記第一の不織布シート部分の前記凸部が前記第二の不織布シート部分の前記凹部内部に入り込むと共に、前記第二の不織布シート部分の前記凸部が前記第一の不織布シート部分の前記凹部内部に入り込んでいる、
複合伸縮性材料が提供される。
【0007】
さらに、全ての前記非凹凸領域に前記弾性部材が配置されていると好ましい。全ての非凹凸領域に弾性部材を配置することによって、複合伸縮性材料に印加される収縮力を全体にわたってより均一なものにすることによって、より均一に皺を形成することができるからである。
【0008】
さらに、互いに重なり合う前記第一の不織布シート部分及び前記第二の不織布シート部分が、前記非凹凸領域でのみ接合されており、前記凹凸列では接合されていないと好ましい。不織布シート同士の接合部分を非凹凸領域に限定することによって、凹凸列に賦形した形状通りの皺を成形させ、大きな皺ができてしまうことを避けることができるからである。
【0009】
さらに、互いに重なり合う前記第一の不織布シート部分及び前記第二の不織布シート部分が、単一の不織布シート内に形成されており、前記単一の不織布シートが、前記第一の方向に平行な折り曲げ線に沿って折り曲げられ、互いに重ね合わされていると好ましい。単一の不織布シートから複合伸縮性材料が容易に作成できるからである。
【0010】
さらに、上記課題を解決するために、本発明によれば、
互いに重なり合う第一の不織布シート部分及び第二の不織布シート部分と、前記第一の不織布シート部分と前記第二の不織布シート部分との間に配置された弾性部材とから構成される複合伸縮性材料を製造する方法であって、
前記不織布シート部分の各々に、その不織布シート部分の厚さ方向に凹部及び凸部を形成する賦形段階であって、
第一の方向に交互に繰り返し形成された前記凹部及び前記凸部が、前記第一の方向に直交する第二の方向に沿って各々延びて、凹凸列を画定し、
前記凹凸列が、前記第一の方向に沿って前記凹部及び前記凸部を含むことなく延びる非凹凸領域によって互いに隔てられており、
前記凸部が、対応する前記不織布シート部分の前記非凹凸領域の厚さ方向位置から突出しており、かつ、
互いに隣接する2つの前記凸部同士の間に形成される前記凹部が、前記非凹凸領域の厚さ方向位置まで到っている、
賦形段階と、
前記第一の方向に伸張した状態の前記弾性材料を前記第一の不織布シート部分又は前記第二の不織布シート部分のうちの一方の少なくとも1つの前記非凹凸領域の上に配置する弾性部材配置段階と、
前記第一の不織布シート部分と前記第二の不織布シート部分との前記非凹凸領域が互いに対向しつつ、前記第一の不織布シート部分の前記凸部が前記第二の不織布シート部分を向くと共に前記第二の不織布シート部分の前記凸部が前記第一の不織布シート部分を向くように、前記第一の不織布シート部分と前記第二の不織布シート部分とを重ね合わせて、前記第一の不織布シート部分の凸部が前記第二の不織布シート部分の凹部内部に入り込むと共に、前記第二の不織布シート部分の前記凸部が前記第一の不織布シート部分の前記凹部内部に入り込むようにする重ね合わせ段階と、
互いに整列された前記非凹凸領域同士を、前記弾性部材を介して互いに接合する接合段階と、
を含む、
複合伸縮性材料を製造する方法が提供される。
【0011】
さらに、上記課題を解決するために、本発明によれば、
互いに重なり合う第一の不織布シート部分及び第二の不織布シート部分と、前記第一の不織布シート部分と前記第二の不織布シート部分との間に配置された弾性部材とから構成される複合伸縮性材料を製造する方法であって、
互いに噛み合いながら互いに逆方向に回転する、連続ギヤロールと欠歯ギヤロールとの間を通過させることによって、前記不織布シート部分の各々に、その不織布シート部分の厚さ方向を向く凹部及び凸部を形成する賦形段階であって、
前記連続ギヤロールは周方向に離間された複数の連続歯を有し、各前記連続歯は幅方向に連続しており、
前記欠歯ギヤロールは周方向に離間された複数の不連続歯を有し、各前記不連続歯は少なくとも1つの欠歯部分によって幅方向に中断されており、これらの欠歯部分は周方向に整列されており、
第一の方向に交互に繰り返し形成された前記凹部及び前記凸部が、凹凸列を画定し、かつ、
前記凹凸列が、前記第一の方向に沿って前記凹部及び前記凸部を含むことなく延びる非凹凸領域によって互いに隔てられている、
賦形段階と、
前記第一の方向に伸張した状態の前記弾性材料を前記第一の不織布シート部分又は前記第二の不織布シート部分のうちの一方の少なくとも1つの前記非凹凸領域の上に配置する弾性部材配置段階と、
前記第一の不織布シート部分と前記第二の不織布シート部分との前記非凹凸領域が互いに対向するように、かつ前記賦形段階において前記連続ギヤロール側に位置する方の面同士が対面するように、前記第一の不織布シート部分と前記第二の不織布シート部分とを重ね合わせて、前記第一の不織布シート部分の凸部が、前記第二の不織布シート部分の凹部内部に入り込むと共に、前記第二の不織布シート部分の前記凸部が前記第一の不織布シート部分の前記凹部内部に入り込むようにする重ね合わせ段階と、
互いに整列された前記非凹凸領域同士を、前記弾性部材を介して互いに接合する接合段階と、
を含む、
複合伸縮性材料を製造する方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
上述の発明により、収縮時の厚さが薄く、ひいては着用者の体に密着して感触が良いという特徴を有する複合伸縮性材料及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る複合伸縮性材料を製造する装置の実施形態を示す略図。
【図2】実施形態に係る欠歯ギヤロール及び連続ギヤロールの斜視図。
【図3】実施形態に係る欠歯ギヤロール及び連続ギヤロールの正面図。
【図4】実施形態に係る欠歯ギヤロール及び連続ギヤロールの側面拡大図。
【図5】一方の不織布シート部分を折り重ね装置で折り重ねる前の複合伸縮性材料の正面図及び側面図。
【図6】一方の不織布シート部分を折り重ね装置で折り重ねた後の複合伸縮性材料の正面図及び側面図。
【図7】実施形態に係る、図6の線VIIで区切られた部分の複合伸縮性材料の部分拡大斜視イメージ図。
【図8】図7の複合伸縮性材料の展開図。
【図9】弾性部材の断面周辺を拡大した図7の正面図。
【図10】欠歯ギヤロール及び連続ギヤロールの周囲方向を直線状に展開した、欠歯ギヤロール及び連続ギヤロールとこれらの間に配置され変形されている不織布シートとの噛み合わせ部分周辺の拡大断面イメージ図。
【図11】実施例及び比較例の複合伸縮性材料の表面形状の測定結果を表すグラフの一例。
【図12】弾性貼り合わせ倍率を変化させて計測した実施例及び比較例の複合伸縮性材料の厚さを示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は上述の図面を参照しつつより詳細に記載される。なお、図面は、本発明の理解を容易にすると共に図面の記載を簡略化するために実際の構成要素の大きさ、数、縮尺、形状と同一に描かれていない場合があることに留意されたい。
【0015】
本発明の複合伸縮性材料は、吸収性物品、例えば使い捨ておむつの外装シート、立体ギャザー等に使用されるものである。本発明の複合伸縮性材料の使用例として、使い捨ておむつに本発明の複合伸縮性材料を用いて、装着時に着用者のウエスト部及びその周囲の部位に接触する胴回り伸縮部及びウエスト回り伸縮部を形成することができる。こうすることによって、着用者の肌に直接触れると共に伸縮性が優れることが求められる部位に、本発明の複合伸縮性材料を特に好適に使用することができる。
【0016】
図1は、本発明の複合伸縮性材料3を製造する装置10の一実施形態を示す。図1を参照すると、不織布シート1は、不織布シート繰り出し部11に巻き付けられて保持されており、そこから資材搬送方向(MD)すなわち第一の方向に巻き出すことによって予熱ロール13に移送される。予熱ロール13は、巻き出した不織布シート1Aを変形し易いように予熱するものであり、本実施形態では50〜130℃に設定されている。予熱温度は不織布の種類に応じて定められるものである。
【0017】
予熱された不織布シート1Bは次いで賦形装置15に移送される。賦形装置15は、連続ギヤロール15B及び欠歯ギヤロール15Aから構成され、本実施形態では、予熱ロール13と同様に賦形し易いように50〜130℃に温度設定されている。
【0018】
予熱された不織布シート1Bは、互いに噛み合い互いに逆方向に回転する欠歯ギヤロール15Aと連続ギヤロール15Bとの間を通過して、三点曲げ状に変形し延伸されて、第一の方向に直交する第二の方向に沿って各々延びる凹部51及び凸部53が形成され、第一の方向に交互に繰り返し形成された凹部51及び凸部53が凹凸列41を画定し、これらの凹凸列41が非凹凸領域43を隔てて不織布シート1Cに形成される。
【0019】
図2は、本実施形態に係る欠歯ギヤロール15A及び連続ギヤロール15Bの斜視図と賦形後の不織布シート1Cの略図とを示している。図2に示されているように、連続ギヤロール15Bは周方向に離間された複数の連続歯27を有し、これらの連続歯の各々は幅方向に連続している。また、欠歯ギヤロール15Aは、周方向に離間された複数の不連続歯29有し、これらの不連続歯29の各々は少なくとも1つの欠歯部分31によって幅方向に中断されており、これらの欠歯部分31は周方向に整列されている。予熱された不織布シート1Bが、これらの欠歯ギヤロール15A及び連続ギヤロール15Bの間を通過することにより、不織布シート1Cに凹凸列41及び非凹凸領域43が形成される。本実施形態の場合では、各不連続歯29の欠歯部分31は5つであるが、欠歯部分31の数はこれに限定されるものではなく、必要に応じて変更することができる。
【0020】
図3は、欠歯ギヤロール15A及び連続ギヤロール15Bの正面図を示している。本実施形態では、欠歯ギヤロール15Aの中央にある欠歯部分31cの幅Wvcは2mmであり、欠歯ギヤロール15Aの中央にある欠歯部分以外の欠歯部分31sの幅Wvsは1mmであり、不連続歯29の連続している部分の幅Wgは全て共通であり、4mmである。欠歯部分31の中央が他の部分よりも幅が広いのは、後述する不織布シート1を折り重ねる段階において、不織布シートを折る部分となるからである。
【0021】
図4は本実施形態に係る欠歯ギヤロール15A及び連続ギヤロール15Bの部分側面図を示している。本実施形態では、欠歯ギヤロール15A及び連続ギヤロール15Bの歯29,31の高さTHは約1mmであり、隣り合う歯29,31の頂部同士の間隔TPは1mmである。また、各歯29,31の頂部には平坦部があり、その平坦部の周方向の長さTLは約0.1mmである。
【0022】
図1に戻って、糸状の弾性部材2は、弾性部材繰り出し部17に巻き付けられて保管されており、そこから巻き出すことによって接着剤塗布部19に移送される。弾性部材2には、あらかじめ一定の張力が付与されており、その張力が維持されたまま後の工程が行われることになる。本実施形態では、弾性部材貼り合わせ倍率(=(不織布シート部分と貼り合わせるときの伸張状態にある弾性材料の長さ)÷(弾性材料の収縮状態長さ))が3となるように、張力が弾性部材2に付与されている。
【0023】
接着剤塗布部19は、接着剤を弾性部材繰り出し部17から移送されてきた弾性部材2Aに塗布する。
【0024】
なお、本実施形態では、接着剤塗布部19ではスリット連続塗工を行い、スリットノズル(図示しない)からホットメルトを吐出した部分に弾性部材2Aを沿わせることで、弾性部材2Aの周囲にホットメルトを塗布する。
【0025】
次いで、合流部21において、賦形された不織布シート1Cの非凹凸領域43上に接着剤が塗布された弾性部材2Bを配置する。本実施形態における、この段階の不織布シート1C及び弾性材料2Bの結合したもの、すなわち製造途中の複合伸縮性材料3Aが図5に示されている。
【0026】
次いで、図5の状態の複合伸縮性材料3Aは折り重ね装置23に移送される。本実施形態では、折り重ね装置23は巻き込みセーラであり、巻き込みセーラは、複合伸縮性材料3Aを、中心軸線CL(図5参照)を折り曲げ線として折り、不織布シート1Cの片側部分をその上に重ねる。したがって、本実施形態では、図5の状態の複合伸縮性材料が折り重ね装置23を通過すると、図5上で不織布シート1の右側半分である上側不織布シート部分1Uは、中心軸線CLのところで折られて、図5上で不織布シート1の左側半分である下側不織布シート部分1Lの上に、互いの非凹凸領域43が整列するように重ねられ、その結果、図6の状態の複合伸縮性材料3Bになるようにされている。
【0027】
本実施形態では、折り重ね装置23は、中心軸線CLに沿って折り重ねているが、凹凸列41に平行な折り曲げ線に沿ってさえいれば、必要に応じてどの位置を中心に折り重ねてもよい。
【0028】
さらに、本実施形態に係る複合伸縮性材料は、1つの不織布シートにおける2つの不織布シート部分同士を重ね合わせることによって製造されているが、2つの不織布シートを別個に上述のように賦形して、その後にこれらの不織布シート同士を重ね合わせてもよい。
【0029】
図1に戻って、最後に、折り重ね装置23を通過した複合伸縮性材料3Bは、貼り合わせプレス15に移送され、圧力が印加されて、不織布シート部分同士が非凹凸領域43において弾性部材2Bを介して接合されて、最終的な複合伸縮性材料3Cが完成する。
【0030】
実施例では、不織布シート1は資材目付け17g/mのスパンボンド不織布を使用している。しかしながら、本発明はこれに制限されるものではない。使用される不織布としては、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、ヒートロール不織布、スパンボンド不織布とメルトブローン不織布とを組み合わせたSMS不織布、エアースルー不織布、スパンレース不織布、エアーレイド不織布等を使用することができるが、賦形処理するために必要な不織布シートの強度の低下が起こりにくいという観点から、伸度が高く、方向による強度差が少ないスパンボンド不織布を使用することが好ましい。また、不織布シートの素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル等を使用することができる。
【0031】
また同様に実施例では、弾性材料2は、Lycra(登録商標)470DTEXを使用している。しかしながら、本発明はこれに制限されるものではない。使用される弾性材料としては、ウレタンスパンデックス等の弾性部材を使用することができる。繊度としては、30〜1500Dtex程度の弾性糸を複数本使用し、同一の繊度、または互いに異なる繊度の弾性糸を使用することが好ましい。30Dtex以下となると、単位幅あたりの弾性糸使用本数が増加して製造設備が大きくなり、1500Dtex以上となると、隣接する弾性糸同士の間隔が大きくなり、上下不織布シート部分1U,1L同士の噛合いが不均一になるおそれがあるからである。また、弾性部材の素材としては、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、SIS、SEBS、SEPS、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を使用することができる。
【0032】
これより、上記方法で製造された複合伸縮性材料の詳細について説明する。
【0033】
図7は、上記方法で製造された複合伸縮性材料3の部分拡大斜視イメージ図を示し、図8は、図7の展開図を示す。
【0034】
図7及び図8を参照すると、複合伸縮性材料3は、凹凸列41が形成された上側不織布シート部分1U及び下側不織布シート部分1Lとこれらの不織布シート部分の間に配置された弾性材料2から構成されている。上側不織布シート部分1U及び下側不織布シート部分1Lには、上述のように互いに略平行な直線状の複数の凹凸列41が非凹凸領域43を隔てて形成されている。凹凸列41は交互に繰り返し形成された凹部51と凸部53とを含み、下側不織布シート部分1Lの凸部53Lが上側不織布シート部分1Uの凹部51Uに入り込み、上側不織布シート部分1Uの凸部53Uが下側不織布シート部分1Lの凹部51Lに入り込んでいる。
【0035】
また、図9は弾性部材2の断面周辺を拡大した図7の正面図である。この図により、上記方法で製造された複合伸縮性材料3Cでは、非凹凸領域43U,43L同士は、弾性部材2を介して接合されていること、さらに厳密には、接着剤塗布部19によって塗布された接着剤によって形成される接着部45をもって接合されることが理解されるであろう。なお、図9では、接着部45は、弾性部材2の周囲全体を覆うように分布しているが、上述のように非凹凸領域43U,43L同士が接着すればよく、弾性部材2の周囲全体を覆っている必要はない。
【0036】
また、収縮状態にあるときの複合伸縮性材料3の凹凸列41での厚さが、弾性部材2の直径又は断面高さよりも厚いと好ましい。こうすることにより、弾性部材2の周囲に塗布された接着剤によって固くなっている非凹凸領域43が凹凸列41よりも突出して、凹凸列41よりも先に非凹凸領域43が着用者の体に触れて着用者に異物感を感じさせることを妨げ、ひいては複合伸縮性材料3を感触の良いものとすることができるからである。
【0037】
ここで、各不織布シート部分1U,1Lが、図7及び図8に示すような形状に変形される機構について説明する。図10は、欠歯ギヤロール15A及び連続ギヤロール15Bの周囲方向を直線状に展開した、欠歯ギヤロール15A及び連続ギヤロール15Bとこれらの間に配置され変形されている不織布シート1との、噛み合わせ部分周辺の拡大断面イメージ図を示し、図10(A)は、欠歯ギヤロール15Aの欠歯部分31における断面図を示し、図10(B)は、欠歯ギヤロール15Aの不連続歯29部分における断面図を示すものである。図10を参照すると、一方では、欠歯ギヤロール15Aの欠歯部分31に導入される不織布シート1は、図10(A)に示されているように、連続ギヤロール15Bに、連続ギヤロール15Bの半径方向外側に押されるものの変形せず、非凹凸領域43を形成することとなり、他方では、図10(B)に示されているように、欠歯ギヤロール15Aの不連続歯29と連続ギヤロール15Bの連続歯27との間に噛み込まれる不織布シート1は、歯先端部分33にロックされることになる。そうすることによって、三点曲げ状に隣り合う歯先端部分33Bと歯先端部分33Aと別の歯先端部分33Bとの間で延伸されて、その歯先端部分33Aを頂部とする凸部53を形成する一方で、さらに、三点曲げ状に隣り合う歯先端部分33Aと歯先端部分33Bと別の歯先端部分33Aとの間で延伸されて、その歯先端部分33Bを底部とする凹部53を形成する。このとき欠歯ギヤロール15Aの欠歯部分31において連続ギヤロール15Bに押される不織布シート1の非凹凸領域43と、欠歯ギヤロール15Aの不連続歯29部分において連続ギヤロール15Bの歯先端部分33Bでロックされることになる不織布シート1の凹部51の底部との、各ギヤロール15A,15Bにおける半径方向の位置がほぼ同じになり、すなわち不織布シート1における厚さ方向位置がほぼ同じになり、不織布シート1に凹凸列41及び非凹凸領域43が形成された後も、これらはほぼ同一の面上に存在することになる。ここで、前記面を各不織布シート部分1U,1Lについての基準面RPと定義する。なお、本実施形態では、基準面RPは平面状であり、非凹凸領域43はこの基準面RP上で拡がることとなる。
【0038】
したがって、凸部53と基準面RPとの間の関係でいうと、凸部53は、基準面RPから、つまり非凹凸領域43の厚さ方向位置から突出していることになる。
【0039】
さらにここで、上記製造工程において凸部53が凹部51に入り込む機構について説明する。
【0040】
図7を参照すると、本実施形態では、上側不織布シート1Uと下側不織布シート1Lとの基準面RP同士の間に、凸部53が基準面RPから突出している分だけ離れており、上側不織布シート1Uと下側不織布シート1Lとの対向する非凹凸領域43U,43L同士の間に一定の間隔が空くことになる。これは、賦形装置15の一方を欠歯ギヤロール15Aとし、他方を連続ギヤロール15Bとしたことによって、凸部53が、基準面RPから一方向のみに突出することと、凸部53を有する側の不織布シート1の面同士が互いに向くように重ね合わせられ、ひいては各不織布シート1のそれぞれの基準面RPが複合伸縮性材料3の互いに異なる外側の面に位置するように重ね合わされることとによって達成される。したがって、上側不織布シート1Uと下側不織布シート1Lとのそれぞれの非凹凸領域43U,43L同士の間に一定の間隔で画定される空間に、弾性部材2を配置することができ、不織布シート部分1U,1L同士の間に弾性部材2を配置することによって凹部51に凸部53が入り込む作用を妨げない。なお、このような空間が存在しない場合には、弾性部材2の直径の分だけ不織布シート部分同士が近接できずに、凹部が凸部に入り込む作用を妨げることが当然に理解されるであろう。
【0041】
さらに、上記製造工程において凸部53が凹部51に入り込むことを以下の機構により説明することができる。
【0042】
不織布は一般的に柔らかく変形し易いので、製造工程において不織布シートを搬送するために、通常は一定の張力を第一の方向、すなわち資材搬送方向(MD)に付与している。本実施形態では、上記工程において、複合伸縮性材料3Aの不織布シート1Cを折り重ねるときに、折り重ね装置23を使用するが、折り重ね装置23を通過するときに、不織布シート部分1Uには折り重ね装置23によりさらに張力が第一の方向にさらに付与される。具体的には、この張力は、折り重ね装置23の1つの具体的実施態様である巻き込みセーラのセーラエッジ(図示しない)により付与されたものである。これにより、上側不織布シート部分1Uが下側不織布シート部分1Lよりも第一の方向に伸びることとなり、ひいては上側不織布シート部分1Uの凹凸列41の凹凸ピッチ(凹部51及び凸部53の第一の方向の1周期当たりの長さ)が下側不織布シート部分1Lの凹凸列41の凹凸ピッチよりもわずかに拡がることになる。その後に、上側不織布シート部分1Uが、下側不織布シート部1L分に重ねられるときに、張力が解放されて、折り重ね装置23に導入される以前より付与されていた張力が付与されている状態に戻ることになり、凹凸ピッチが、複合伸縮性材料3Aが折り重ね装置23に導入される以前の状態に戻る。したがって、上側不織布シート部分1Uの凹部51U及び凸部53Uと下側不織布シート部分1Lの凸部53L及び凹部51Lとの相対的な位置が変化することになり、これらの部分の凹凸ピッチが、張力が解放されて互いに同じになるときに、上記の凹部51及び凸部53の形状も貢献して、凸部53が凹部51に入り込むこととなる。
【0043】
上記では、折り重ね装置を使用した場合の方法を述べたが、本発明は、1つの不織布シートを折り重ねなくとも、2つの不織布シートを別々に同形状に賦形処理して、上述のように重ね合わせても成立する。この場合は、不織布シート同士を重ね合わせるときに、一方の不織布シートに他方の不織布シートよりも高い張力を第一の方向に付与しておくことによって、1つの不織布シートを折り重ねる場合と同じ構成を取ることができる。
【0044】
上述した理由により、不織布シート部分1U,1Lの凸部53U,53Lが、不織布シート部分1L,1Uの凹部51L,51U内部に入り込むことになる。
【実施例】
【0045】
これより、上述した本発明の実施形態に係る複合伸縮性材料の効果について、以下の実施例及び比較例の試験結果を用いて説明する。
【0046】
実施例及び比較例の複合伸縮性材料は以下のように作成されている。
(実施例1)
実施例1の複合伸縮性材料3は、本発明の実施形態に係る製造方法によって製造した複合伸縮性材料3であり、賦形装置15によって賦形された不織布シート部分1U,1L同士の間に、弾性部材貼り合わせ倍率が3になるように伸長されていると共に接着剤が塗布されている弾性部材を5mm間隔で非凹凸領域43に配置して、凸部53U,53L同士が向き合う方向に折り重ねられた不織布シート部分1U,1L同士を非凹凸領域43で接合するように形成されている。
(比較例1)
比較例1の複合伸縮性材料は、上述のような賦形処理をされていない2つの不織布シート部分同士の間に、実施例1と同様に弾性部材貼り合わせ倍率が3になるように伸長されていると共に接着剤が塗布されている弾性部材を5mm間隔で配置して、重ねあわされた不織布シート部分同士を接合して形成されている。
(比較例2)
比較例2の複合伸縮性材料は、賦形装置15によって賦形された不織布シート部分1U,1L同士の間に、弾性部材貼り合わせ倍率が3になるように伸長されていると共に接着剤が塗布されている弾性部材を5mm間隔で非凹凸領域43に配置して、凸部53U,53Lが互いに逆方向を向く方向に、つまり完成形の複合伸縮性材料の外側を向くように折り重ねられた不織布シート部分1U,1L同士を非凹凸領域43で接合するように形成されている。比較例2の複合伸縮性材料では、凸部53U,53Lが互いに逆方向を向く方向に不織布シート部分1L,1U同士を重ね合わせるので、不織布シート部分1U,1Lの基準面RP同士がほぼ同じ位置に配置されることになり、その結果、不織布シート部分1U,1Lの凸部53U,53Lが、不織布シート部分1L,1Uの凹部51L,51U内部に入り込まないという点で、実施例1と異なる。
【0047】
また、各測定項目の定義および測定方法は以下のとおりである。なお、これらは複合伸縮性材料が収縮状態にあるときの状態で計測されている。このような複合伸縮性材料が使用される場面では、複合伸縮性材料は、収縮状態であるか、収縮状態に近い状態であるからである。
(皺の高さ)
レーザ形状測定システム(KEYENCE製 KS−1100)を用いて試験体の表面形状を凹凸列41と平行な方向に測定して、各皺の高さを測定する。ここで、皺とは表面形状の平均高さを超えて一方の面側に突出している部分のことをいい、皺の高さとは1つの皺に含まれる測定点の中で最も高い箇所の高さのことをいう。表面形状の測定条件は、測定範囲が30mmであり、測定ピッチが5μmであり、測定後の解析段階で前後12点の移動平均を取っている。比較例1、比較例2及び実施例1のこの測定結果の一例を図11(A)、図11(B)及び図11(C)にそれぞれ示す。
(平均厚さ)
試験体を測定装置で挟み、3gf/cmの圧力を印加したときの複合伸縮性材料の厚さを5回測定して、平均したものである。
(皺ピッチ)
皺ピッチとは、測定範囲の長さ(30mm)を測定で検知された皺の個数で割った不織布シートの長さをいう。
(皺密度)
皺密度とは凹凸列と平行な方向の1cmあたりの皺の個数をいう。
【0048】
上記3つの複合伸縮性材料について、以下の試験を行った。表1はその結果である。
【0049】
【表1】

【0050】
表1を参照すると、収縮時の皺の高さ平均において、比較例1及び比較例2と比較すると実施例1は明らかに低く、複合伸縮性材料の平均厚さにおいても実施例1は明らかに薄い。したがって、実施例1の複合伸縮性材料は、比較例1及び比較例2のものよりも薄いものとなっており、ひいては着用者の体に密着して感触が良いということがいえる。また、皺の高さの標準偏差については、実施例1が比較例1,2と比較して十分に低く、実施例1の複合伸縮性材料が凹凸列に形成したしたとおりの均一の皺を形成していることが理解できる。以上により、実施例1の複合伸縮性材料は、感触が良く、さらに審美性にも優れるものとなっているということができる。これらのことは、図11のグラフを見ることによっても理解することができるであろう。なお、皺の高さの標準偏差は0.3以下であることが好ましい。この程度であれば、十分に感触が良く、審美性にも優れるものとなっているということができるからである。
【0051】
さらに表1を参照すると、実施例1の皺ピッチが比較例1のものよりも短く、実施例1の皺密度が比較例1のものよりも高いことからも、実施例1の複合伸縮性材料がより微細な皺を形成しており、ひいては複合伸縮性材料全体の厚さが薄くなっていることが理解できる。なお、皺密度は15個/cm〜25個/cmとなっていることが好ましい。
【0052】
さらにこれより、弾性部材貼り合わせ倍率を変化させた複合伸縮性材料を使用して、上述した本発明の実施形態に係る複合伸縮性材料の作用について、実施例1を用いて説明する。
【0053】
図12は、弾性材料弾性貼り合わせ倍率を変化させて計測した、実施例1A及び比較例2Aの複合伸縮性材料の厚さを示すグラフである。なお、実施例1A及び比較例2Aの複合伸縮性材料は、上述の実施例1及び比較例2の複合伸縮性材料を弾性部材貼り合わせ倍率のみを変更させて作成したものである。
【0054】
図12を参照すると、弾性部材貼り合わせ倍率が約2であるときには、収縮状態での厚さが、実施例1Aと比較例2Aとの間でほとんど変わらないが、弾性部材貼り合わせ倍率が増加すると、実施例1Aの方が比較例2Aよりも厚さが薄くなるという結果になっているのが理解でき、弾性部材貼り合わせ倍率が約3にもなるとその違いは顕著である。このように、本発明の複合伸縮性材料は、弾性部材貼り合わせ倍率を増加させて、伸縮性を増加させても、収縮状態において厚くなりにくいことが理解できる。これは、実施例1Aでは、凹部51と凸部53とが互いに入り込んでいることにより、凹凸列に賦形されたとおりの皺を形成することによって、大きな皺ができていないからであり、伸縮性を増加させてもその作用を発揮することができることがこの結果からも理解することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 不織布シート
1U 上側不織布シート部分
1L 下側不織布シート部分
2 弾性部材
3 複合伸縮性材料
15 賦形装置
15A 欠歯ギヤロール
15B 連続ギヤロール
23 折り重ね装置
27 連続歯
29 不連続歯
31 欠歯部分
41 凹凸列
43 非凹凸領域
51 凹部
53 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに重なり合う第一の不織布シート部分及び第二の不織布シート部分と、前記第一の不織布シート部分と前記第二の不織布シート部分との間に配置された弾性部材とから構成される複合伸縮性材料であって、
前記不織布シート部分の各々には、その不織布シート部分の厚さ方向に凹部及び凸部が形成され、
第一の方向に交互に繰り返し形成された前記凹部及び前記凸部が、前記第一の方向に直交する第二の方向に沿って各々延びて、凹凸列を画定し、
前記凹凸列が、前記第一の方向に沿って前記凹部及び前記凸部を含むことなく延びる非凹凸領域によって互いに隔てられており、
前記凸部が、対応する前記不織布シート部分の前記非凹凸領域の厚さ方向位置から突出しており、
互いに隣接する2つの前記凸部同士の間に形成される前記凹部が、前記非凹凸領域の厚さ方向位置まで到っており、
前記第一の不織布シート部分と前記第二の不織布シート部分との前記非凹凸領域が互いに対向しつつ、前記第一の不織布シート部分の前記凸部が前記第二の不織布シート部分を向くと共に前記第二の不織布シート部分の前記凸部が前記第一の不織布シート部分を向くように重ね合わせられると共に、前記第一の方向に伸張した状態の前記弾性部材が、互いに整列する前記非凹凸領域同士の間に配置され、
互いに整列された前記非凹凸領域同士が弾性部材を介して接合され、
前記第一の不織布シート部分の前記凸部が前記第二の不織布シート部分の前記凹部内部に入り込むと共に、前記第二の不織布シート部分の前記凸部が前記第一の不織布シート部分の前記凹部内部に入り込んでいる、
複合伸縮性材料。
【請求項2】
全ての前記非凹凸領域に前記弾性部材が配置されている、
請求項1に記載の複合伸縮性材料。
【請求項3】
互いに重なり合う前記第一の不織布シート部分及び前記第二の不織布シート部分が、前記非凹凸領域でのみ接合されており、前記凹凸列では接合されていない、
請求項1又は2に記載の複合伸縮性材料。
【請求項4】
互いに重なり合う前記第一の不織布シート部分及び前記第二の不織布シート部分が、単一の不織布シート内に形成されており、
前記単一の不織布シートが、前記第一の方向に平行な折り曲げ線に沿って折り曲げられ、互いに重ね合わされている、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合伸縮性材料。
【請求項5】
互いに重なり合う第一の不織布シート部分及び第二の不織布シート部分と、前記第一の不織布シート部分と前記第二の不織布シート部分との間に配置された弾性部材とから構成される複合伸縮性材料を製造する方法であって、
前記不織布シート部分の各々に、その不織布シート部分の厚さ方向に凹部及び凸部を形成する賦形段階であって、
第一の方向に交互に繰り返し形成された前記凹部及び前記凸部が、前記第一の方向に直交する第二の方向に沿って各々延びて、凹凸列を画定し、
前記凹凸列が、前記第一の方向に沿って前記凹部及び前記凸部を含むことなく延びる非凹凸領域によって互いに隔てられており、
前記凸部が、対応する前記不織布シート部分の前記非凹凸領域の厚さ方向位置から突出しており、かつ、
互いに隣接する2つの前記凸部同士の間に形成される前記凹部が、前記非凹凸領域の厚さ方向位置まで到っている、
賦形段階と、
前記第一の方向に伸張した状態の前記弾性材料を前記第一の不織布シート部分又は前記第二の不織布シート部分のうちの一方の少なくとも1つの前記非凹凸領域の上に配置する弾性部材配置段階と、
前記第一の不織布シート部分と前記第二の不織布シート部分との前記非凹凸領域が互いに対向しつつ、前記第一の不織布シート部分の前記凸部が前記第二の不織布シート部分を向くと共に前記第二の不織布シート部分の前記凸部が前記第一の不織布シート部分を向くように、前記第一の不織布シート部分と前記第二の不織布シート部分とを重ね合わせて、前記第一の不織布シート部分の凸部が前記第二の不織布シート部分の凹部内部に入り込むと共に、前記第二の不織布シート部分の前記凸部が前記第一の不織布シート部分の前記凹部内部に入り込むようにする重ね合わせ段階と、
互いに整列された前記非凹凸領域同士を、前記弾性部材を介して互いに接合する接合段階と、
を含む、
前記複合伸縮性材料を製造する方法。
【請求項6】
互いに重なり合う第一の不織布シート部分及び第二の不織布シート部分と、前記第一の不織布シート部分と前記第二の不織布シート部分との間に配置された弾性部材とから構成される複合伸縮性材料を製造する方法であって、
互いに噛み合いながら互いに逆方向に回転する、連続ギヤロールと欠歯ギヤロールとの間を通過させることによって、前記不織布シート部分の各々に、その不織布シート部分の厚さ方向を向く凹部及び凸部を形成する賦形段階であって、
前記連続ギヤロールは周方向に離間された複数の連続歯を有し、各前記連続歯は幅方向に連続しており、
前記欠歯ギヤロールは周方向に離間された複数の不連続歯を有し、各前記不連続歯は少なくとも1つの欠歯部分によって幅方向に中断されており、これらの欠歯部分は周方向に整列されており、
第一の方向に交互に繰り返し形成された前記凹部及び前記凸部が、凹凸列を画定し、かつ、
前記凹凸列が、前記第一の方向に沿って前記凹部及び前記凸部を含むことなく延びる非凹凸領域によって互いに隔てられている、
賦形段階と、
前記第一の方向に伸張した状態の前記弾性材料を前記第一の不織布シート部分又は前記第二の不織布シート部分のうちの一方の少なくとも1つの前記非凹凸領域の上に配置する弾性部材配置段階と、
前記第一の不織布シート部分と前記第二の不織布シート部分との前記非凹凸領域が互いに対向するように、かつ前記賦形段階において前記連続ギヤロール側に位置する方の面同士が対面するように、前記第一の不織布シート部分と前記第二の不織布シート部分とを重ね合わせて、前記第一の不織布シート部分の凸部が、前記第二の不織布シート部分の凹部内部に入り込むと共に、前記第二の不織布シート部分の前記凸部が前記第一の不織布シート部分の前記凹部内部に入り込むようにする重ね合わせ段階と、
互いに整列された前記非凹凸領域同士を、前記弾性部材を介して互いに接合する接合段階と、
を含む、
前記複合伸縮性材料を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−81715(P2013−81715A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225253(P2011−225253)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】