説明

複合処理装置、及び複合処理装置の制御方法

【課題】ホストコンピュータと通信可能に接続された装置が、オンライン状態にあるかオフライン状態にあるかにかかわらず、ホストコンピュータからの指示に応じて優先的に音を発生することができるようにする。
【解決手段】小切手が搬送される搬送路と、搬送路上に設置された画像読取装置及び磁気インク文字読み取り装置と、を備え、ホストコンピュータ30の指示に応じて小切手を搬送し読み取り処理を実行する複合処理装置20であって、受信バッファ23に受信したコマンドを解析し処理するコマンド解析部24と、特定の文字列を含む特殊コマンドだけを受信バッファ23に受信する前に解析し処理する特殊コマンド解析部22と、特殊コマンド解析部23が特殊コマンドを解析し音発生コマンドであると判断すると、音を発生させる音発生部25と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合処理装置、複合処理システム及び複合処理システムの制御方法に関する

【背景技術】
【0002】
ホストコンピュータから受信したデータを解釈して所定の印刷処理を実行する周辺装置
において、周辺装置の状況に応じて音を発生する機能を有するものが提案されている。例
えば特許文献1には、プリンタの状態やその変化を音で知らせることにより、プリンタの
印刷状態を判断認識することができる発明が提案されている。
【0003】
特許文献1に記載のプリンタによれば、ある判定条件を満たす状態がプリンタに発生し
た場合、その状態を音として通知するか否かの判定を行う。判定条件は手動操作パネルや
ホストコンピュータからのコマンドで選択指定されたものであり、判定条件に応じてブザ
ー通知の有効性を予め設定しておく。例えば、ホストコンピュータからのコマンドによっ
て、プリンタがオフライン状態になるとブザーを発生するよう設定されているとする。こ
の場合、プリンタがオフライン状態になると、オフライン音の発生機能が有効か否かを判
断し、有効であれば所定の音のブザーが鳴るよう構成されている。つまり、プリンタは、
自身の状態を認識し、各状態に応じて予め設定された条件にしたがいブザー音を発生する
ことができる。
【0004】
ところで近年、小切手処理の効率化を図るために、小切手を電磁的に読み込む試みが始
められている。この一環として小切手の電磁的読み込み作業を銀行の窓口で行おうとする
試みも始められてきており、窓口に設置可能な小型の小切手処理装置が提案されている。
【0005】
この処理装置には、小切手搬送路上に磁気インク読み込み装置、スキャナが備えられて
いる。顧客から小切手を受け取った銀行員が、小切手を処理装置に通すと、処理装置は、
小切手上に記録された磁気インク文字や小切手上の画像を読み込み、また小切手に裏書を
行うように構成されている。読み込まれた磁気文字情報や画像情報は、ホストコンピュー
タへ送信される。ホストコンピュータは、受信した磁気文字情報及び画像情報が正しく読
み込まれているかを照合し、照合結果に基づき、次の処理を指示するコマンドを小切手処
理装置に送信する(特許文献2参照)。
【0006】
このように、小切手処理装置では、ホストコンピュータから送信された読み取りコマン
ドに応じてデータ読み取り処理を行い、読み取り情報をホストコンピュータへ送信するだ
けである。基本的に、小切手処理装置はホストコンピュータのコマンドに応じた処理を行
うだけで、高度な処理能力を伴う認証処理等についてはホストコンピュータへ任せるよう
構成されている。これにより、小切手処理装置による、読み取り処理の高速化を図ってい
る。
【0007】
ここで、特許文献2に記載の技術に特許文献1に記載の技術を採用して、小切手読み取
り結果に応じてブザー音を発生させようとすることも考えられる。例えば、読み取り処理
に失敗した場合に、ブザー音を発生させれば読み取り処理が失敗したことを音によってオ
ペレータに認識させることができる。
【0008】
ところが、特許文献2に記載の小切手処理装置は、読み取り情報の認証処理を行わない
ため認証結果に基づいてブザー音を鳴らすことを単体で行うことができない。つまり、ホ
ストコンピュータが認証処理を行って、認証結果に応じた処理を実行するよう指示するコ
マンド(ブザーを発生させるコマンド)を受け付けない限り、小切手処理装置は自らブザ
ー音を発生させることができない。
【0009】
このように別途、ブザー音を発生させるコマンドを用意すれば、小切手処理装置はあら
ゆる状態においてブザー音を発生させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平07−172032号公報
【特許文献2】特開2005−149013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら通常、ホストコンピュータから送信されるコマンドは、オンライン状態で
受け付けられ、受信した装置側でコマンド解析した結果、解析結果に応じた処理が実行さ
れる。逆にいうと、オフライン状態ではコマンドを解析しないため、コマンドに応じた処
理を実行することは不可能である。また、オンライン状態のときでも受信バッファに大量
のデータが蓄積していると、優先して実行したいコマンドでも順次処理されるため、リア
ルタイムにブザーを鳴動させることができない場合もある。
【0012】
ここでいう「オフライン状態」とは、ホストコンピュータからデータが送信されると、
そのデータは受信バッファに受信されるが、受信したコマンドの解析を行うことなく何の
処理動作も行わない状態をいう。具体的には、紙ジャムエラーや紙経路カバーオープン等
が発生した場合にオフライン状態に陥る。
【0013】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ホストコンピュータと通信
可能に接続された装置が、オンライン状態にあるかオフライン状態にあるかにかかわらず
、ホストコンピュータからの指示があると優先的に音を発生することができるようにする
ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決することのできる本発明は、処理媒体が搬送される搬送路と、前記搬送
路上に設置され前記処理媒体が有する情報を読み取る情報読み取り部と、を備え、ホスト
コンピュータの指示に応じて前記処理媒体を搬送し読み取り処理を実行する複合処理装置
であって、
受信バッファに受信したコマンドを解析し処理するコマンド解析部と、
特定の文字列を含む特殊コマンドだけを前記受信バッファに受信する前に解析し処理す
る特殊コマンド解析部と、
前記特殊コマンド解析部が前記特殊コマンドを解析し音発生コマンドであると判断する
と、音を発生させる音発生部と、を有することを特徴とする。
【0015】
また、上記課題を解決することのできる本発明は、処理媒体が搬送される搬送路と、前
記搬送路上に設置され前記処理媒体が有する情報を読み取る情報読み取り部と、を備え、
ホストコンピュータの指示に応じて前記処理媒体を搬送し読み取り処理を実行する複合処
理装置と、前記ホストコンピュータと、を有する複合処理システムであって、
前記複合処理装置は、
受信バッファに受信したコマンドを解析し処理するコマンド解析部と、
特定の文字列を含む特殊コマンドだけを前記受信バッファに受信する前に解析し処理す
る特殊コマンド解析部と、
前記特殊コマンド解析部が前記特殊コマンドを解析し音発生コマンドであると判断する
と、音を発生させる音発生部と、を有することを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、特定の文字列を含む特殊コマンドは、受信バッファに格納される前
に特殊コマンド解析部によって解析され処理される。一方、通常のコマンドやデータは、
一度受信バッファに格納されてからコマンド解析部によって解析し処理される。通常、コ
マンド解析部は受信バッファにコマンド及びデータを受信した順に解析し処理するため、
特定のコマンドだけを優先して実行することはない。この点、本発明においては、特殊コ
マンドは受信バッファに格納される前に実行されるので、その特殊コマンドは通常のコマ
ンドよりも優先して実行される。つまり、特殊コマンド解析部は、オフライン状態であっ
てもオンライン状態であっても特殊コマンドであれば、優先して実行する。したがって、
その特殊コマンドが音発生コマンドであれば、通常処理よりも優先して音を発生させるこ
とができる。
【0017】
また本発明の複合処理装置は、前記ホストコンピュータへ送信するステータス情報を生
成するステータス情報生成部を有し、
前記特殊コマンド解析部は、前記ステータス情報生成部が生成したステータス情報に応
じてホストコンピュータから送信される前記特殊コマンドを解析することを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、特殊コマンドはステータス情報生成部によって生成されたステータ
ス情報に応じてホストコンピュータで生成され送信される。一度、音発生コマンドに応じ
て音を発生しても、その後、複合処理装置のステータスに変化が生じてステータス情報が
生成され、それがホストコンピュータへ送信されれば、ホストコンピュータは再び音発生
コマンドを生成して複合処理装置へ送信する。このため、オフライン状態であってもオン
ライン状態であっても、繰り返し音を発生させることが可能である。
【0019】
また、上記課題を解決することのできる本発明は、処理媒体が搬送される搬送路と、前
記搬送路上に設置され前記処理媒体が有する情報を読み取る情報読み取り部と、を備え、
ホストコンピュータの指示に応じて前記処理媒体を搬送し読み取り処理を実行する複合処
理装置と、前記ホストコンピュータと、を有する複合処理システムの制御方法であって、
ステータス情報を生成して前記ホストコンピュータへ送信するステップと、
前記ステータス情報に応じて特定の文字列を含む特殊コマンドを生成し、前記複合処理
装置へ送信するステップと、
前記特殊コマンドを解析して音発生コマンドであると判断すると、音を発生させる音発
生ステップと、を有することを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、一度オフライン状態になって音発生コマンドに応じて音を発生して
も、その後、複合処理装置のステータスに変化が生じればステータス情報を生成し、それ
をホストコンピュータへ送信すれば、ホストコンピュータは再び音発生コマンドを生成し
て複合処理装置へ送信する。このため、複合処理装置はオフライン状態であってもオンラ
イン状態であっても繰り返し音を発生させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のプログラム書き換え装置の一実施形態であるプリンタの内部構成を 示した図である。
【図2】複合処理システムの内部処理を示す機能ブロック図である。
【図3】ブザー音発生処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形
態では、本発明に係る情報読取装置の一例として、ホストコンピュータと、ホストコンピ
ュータからの指示に応じて読み取り処理を実行する複合処理装置と、から構成される複合
処理システムを挙げて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る複合処理システムを
構成する複合処理装置の用紙搬送路を示す模式図である。
(複合処理装置の機械的構成について)
図1に示すように本実施形態に係る複合処理装置1は、給紙部であるASF(Auto She
et Feeder:オートシートフィーダ)3に装填される小切手等の単票用紙(搬送媒体)を筐
体に形成された用紙搬送路2に沿って搬送しながら、単票用紙上の両面画像の読み取り、
単票用紙上の磁気インク文字の読み取りを実行可能に構成されている。
【0023】
小切手Sの用紙搬送路2は略U字型形状を有しており、U字の底の部分に相当する部位
が中間搬送路Mとなっている。この中間搬送路Mには、各種読取装置が設けられている。
用紙搬送路2は、外側ガイド2aと内側ガイド2bとの間に画成された搬送部2cによっ
て構成されており、この搬送部2cに沿って小切手Sは搬送される。
【0024】
用紙搬送路2の上流側に、複数の小切手Sを装填可能なASF3が設けられている。複
数の小切手Sは、矢印Aの方向からASF3を介して用紙搬送路2に挿入される。ASF
3に装填された複数の小切手Sは、一枚ずつ分離されて用紙搬送路2内に送り出される。
【0025】
用紙搬送路2には、小切手Sの搬送を行う搬送手段として、中間搬送路Mの上流側に用
紙搬送ローラ6と、中間搬送路M中に中間搬送ローラ16と、中間搬送路Mの下流側に第
2搬送ローラ7と、排出口4の手前に排出ローラ8が設けられている。用紙搬送ローラ6
は、駆動ローラ6aと、用紙搬送路2を介して駆動ローラ6aに対向配置された押し付け
ローラ6bとを有している。また、第2搬送ローラ7は、駆動ローラ7aと、用紙搬送路
2を介して駆動ローラ7aに対向配置された押し付けローラ7bとを有している。中間搬
送ローラ16は、用紙搬送路2の下方に配置された下部押えローラ16aと、下部押えロ
ーラ16aの上方に配置された上部押えローラ16bと、中間搬送路Mを介して上部押え
ローラ16a及び下部押えローラ16bと対向配置された駆動ローラ17とを有している

【0026】
ASF3から用紙搬送路2内に送り出された小切手Sは、用紙搬送ローラ6、中間搬送
ローラ16、ならびに第2搬送ローラ7によって中間搬送路M内を搬送され、排出ローラ
8により矢印Bの方向へ排出口4から排出される。
【0027】
中間搬送路Mには、画像読み取りを行う用紙の画像読取装置11および第2の画像読取
装置12がそれぞれ中間搬送路Mの両側に搬送方向にずれた状態で設置されている。用紙
の画像読取装置11および第2の画像読取装置12は、それぞれCIS(Contact Image S
ensor)タイプのスキャナである。用紙の画像読取装置11および第2の画像読取装置12
は、中間搬送路Mを搬送される小切手Sの一面に光を照射し、反射した光を複数の受光素
子(光電変換素子)を介して受光し、受光した光を電気信号に変換して1ライン分の画像
を取得する。本実施形態では、画像読取装置11は小切手Sの裏面画像を、第2の画像読
取装置12は小切手Sの表面画像を1ラインずつ順次読み取ることにより、小切手Sの二
次元画像を取得する。
【0028】
駆動ローラ17の下方には、磁気インク文字を読み取る磁気インク文字読取装置(MI
CR(Magnetic Ink Character Reader))13が設置されている。磁気インク文字読取
装置13は、小切手Sの表面に印刷された磁気インク文字を読み取るためのセンサである
。この磁気インク文字読取装置13は、中間搬送路Mを介して磁気インク文字読取装置1
3に対向配置された押付レバーによって小切手Sが磁気インク文字読取装置13の表面に
押し付けられた状態で読み取りを実行する。この場合、小切手Sについては、口座番号な
どの情報が磁気インク文字で印刷された磁気インク文字記録領域を読み取る。
【0029】
<複合処理システムの内部処理について>
次に複合処理システムの内部処理について図2を参照して説明する。図2は、複合処理
システムの内部処理を示す機能ブロック図である。複合処理システム100は、ホストコ
ンピュータ30と複合処理装置20とを備えている。
【0030】
(ホストコンピュータの内部処理について)
ホストコンピュータ30は、主として、コマンド生成部32と、読み取り情報判断部3
3と、送受信部34と、を備えている。
【0031】
コマンド生成部32は、複合処理装置20に各種動作を実行させるためのコマンドを生
成する。具体的には、小切手Sを搬送経路に沿って搬送させるために搬送ローラを駆動さ
せる搬送コマンド、画像読取装置11,12による画像読み取り処理を指示する読み取り
コマンド、磁気インク文字読取装置13による磁気インク文字読み取り処理を指示する読
み取りコマンド等がある。また、コマンド生成部32は、複合処理装置20が備える不図
示のブザーを鳴動させるための音発生コマンドを生成する。
【0032】
読み取り情報判断部33は、複合処理装置20で読み取られた読み取り情報の認識処理
を行う。具体的には、画像読取装置11,12によって読み取られたイメージデータの良
否判定(CAR/LAR、IQAなど)、OCR認識処理、MICR認識処理を行う。
【0033】
送受信部34は、複合処理装置20との間でデータを送受信するためのインターフェー
スである。コマンド生成部32が生成した各種コマンドを送信したり、複合処理装置20
から読み取り情報を受信する。
【0034】
本実施形態では、コマンド生成部32は、複合処理装置20から送信されるステータス
情報に応じて、あるいは読み取り情報判断部33の判断結果に応じて音発声コマンドを生
成することができる。例えば、読み取り情報判断部33がイメージデータを正常に読み取
れなかったと判断すると、読み取り処理が失敗したことをオペレータへ通知するためにブ
ザーを鳴動させる音発生コマンドを生成する。
【0035】
また、複合処理装置20から搬送部カバーオープンを知らせるステータス情報が送信さ
れ、ステータス情報に基づき、カバーがオープン状態であることをオペレータへ通知する
ためにブザーを鳴動させる音発生コマンドを生成する。なお、搬送部カバーがオープン状
態になると、複合処理装置20のオンライン状態からオフライン状態へ変化する。
【0036】
ここで、「ステータス情報」とは、複合処理装置20がおかれている状態をホストコン
ピュータへ知らせるための情報である。例えば、紙ジャムが発生した場合は、紙ジャム発
生を知らせるステータス、搬送部2cを覆う搬送路カバー(不図示)がオープンしたこと
を検出した場合は、カバーオープンを知らせるステータス、小切手SがASF3に装填さ
れ、装填されたことを検出した場合には、装填を知らせるステータスなどがある。
【0037】
(複合処理装置の内部処理について)
複合処理装置20は、主として、受信部21、特殊コマンド解析部22、受信バッファ
23、コマンド解析部24、音発生部25、状態管理部26、搬送制御部27、読み取り
制御部28、ステータス情報生成部29及び送信部40を備えている。
【0038】
受信部21は、ホストコンピュータ30から送信されるデータを受信するためのインタ
ーフェースである。受信部21が受信したデータが特殊コマンドであれば、特殊コマンド
解析部22によって解析、処理される。一方、受信したデータが特殊コマンドでない場合
、つまり通常のコマンドである場合は、そのまま受信バッファ23へ一時的に格納される
。コマンド解析部24は、受信バッファ23に格納されたデータを順次読み出して解析し
、解析結果に応じて状態管理部26が各制御部に指示を行う。
【0039】
なお、特殊コマンドは特殊コマンド解析部22によって解析され実行されると、通常の
コマンドと同様に受信バッファ23に一時的に格納される。ところが、コマンド解析部2
4が、受信バッファ23から特殊コマンドを読み出しても、実行することなくごみデータ
として読み捨てるよう設定されている。
【0040】
コマンド解析部24がデータを解析した結果、受信したデータが搬送コマンドであれば
、状態管理部26は搬送制御部27に対して小切手Sの搬送処理を実行するよう指示する
。また、受信したデータが読み取りコマンドであれば、読み取り制御部27に対して小切
手Sに記載されている表面画像、裏面画像及び磁気インク文字の読み取り処理を実行する
よう指示する。搬送制御部27は、駆動ローラを駆動させるモータ等を含む搬送機構を制
御し、読み取り制御部28は、画像読取装置11,12、磁気インク文字読取装置13の
読み取り動作を制御する。
【0041】
また、読み取り制御部28は、画像読取装置11,12、磁気インク文字読取装置13
によって読み取った読み取り情報を送信部40を介してホストコンピュータ30へ送信す
る。
【0042】
状態管理部26は、複合処理装置20の全体の動作を統括制御する。各構成部を監視し
ており、変化があるとステータス情報生成部29がステータス情報を生成する。生成され
たステータス情報は、送信部40を介してホストコンピュータ30へ送信される。
【0043】
特殊コマンド解析部22は、受信したデータに特定の文字列が含まれていれば、特殊コ
マンドと認識しその特殊コマンドの解析を行う。特殊コマンド解析の結果、音発生コマン
ドであると解析されると、音発生部25がブザーを鳴動させる。受信したデータに特定の
文字列が含まれない場合は、通常のコマンドであるため特殊コマンド解析部22はコマン
ド解析を行わずそのまま受信バッファ23へ格納する。
【0044】
一方、特殊コマンドに対して通常のコマンドを解析し処理するコマンド解析部24は、
受信バッファ23に受信したデータのみを順次解析する。このため、受信バッファ23に
大量のデータが蓄積されている場合は、リアルタイムで実行したい処理を通常のコマンド
で指示することは難しい。この点、本実施形態の特殊コマンド解析部22は、特定の文字
列を含む特殊コマンドだけは受信バッファ23へ受信する前に解析し処理するので、優先
的に処理することができる。また、特殊コマンド解析部22は、複合処理装置20がオン
ライン状態であるかオフライン状態であるかにかかわらず、ホストコンピュータ30から
送信される特殊コマンドを解析し処理することができる。したがって、複合処理装置20
がオンライン状態であるかオフライン状態であるかにかかわらず、音発生コマンドを優先
的に実行することができる。
【0045】
<ブザー音発生処理について>
次に、本実施形態の複合処理システム100を構成する複合処理装置20が行うブザー
音発生処理について説明する。図3は、ブザー音発生処理を説明するためのフローチャー
トである。
【0046】
ここでは、複合処理装置20のブザーを鳴動させる必要性がある要因として、搬送部2
cのカバーがオープン状態になったケースをあげて説明する。なお、搬送部2cのカバー
がオープン状態のときは、複合処理装置20はオフライン状態となり、コマンド解析部2
4は受信バッファ23に蓄積された通常のコマンドの解析を行わない。一方、特殊コマン
ドはオンライン状態であるかオフライン状態であるかにかかわらず、受信バッファ23に
格納される前に特殊コマンド解析部22によって解析し処理される。したがって、オンラ
イン状態であるかオフライン状態であるかにかかわらず、どのようなケースのときにブザ
ーを鳴動させる必要があるかを予め設定しておくことで、様々なケースに対応してブザー
を鳴動させることができる。
【0047】
複合処理装置20のブザーを鳴動させる必要性がある要因として、搬送部2cのカバー
がオープンになると(ステップS11:Yes)、状態管理部26はカバーオープンを検
知する。状態管理部26からの指示に応じて、ステータス情報生成部29がカバーオープ
ンを知らせるカバーオープンステータスを生成し、送信部40を介して、ホストコンピュ
ータへ送信する(ステップS12)。
【0048】
カバーオープンステータスに基づき、コマンド生成部32が特定の文字列を含む特殊コ
マンドを生成し、複合処理装置20へ送信する(ステップS21)。ここで、特定の文字
列としては、通常のコマンドとは異なるコマンドであることが明確に区別できる文字列で
あればよい。例えば、[DLE DC4 fn a n r t1 t2]のように、コマ
ンドの最初の文字列(DLE)のように通常のコマンドの文字列とは異なる文字列にする
ことが考えられる。
【0049】
複合処理装置20の受信部21は特殊コマンドを受信すると、特殊コマンド解析部22
が、特殊コマンドの解析を行う。特殊コマンド解析部22は、最初の文字列(DLE)を
読み込むことで特殊コマンドであると判断する。そして、特殊コマンドが有する各パラメ
ータから音発生コマンドであるか否かを判断する(ステップS13)。
【0050】
特殊コマンドを構成する各パラメータは、以下の値を設定する。
a:ブザー音の種類、n:ブザー音の音量、r:ブザー音鳴動の回数、t1:ブザー音
を鳴らす時間[t1×100ms]、t2:ブザー音を止める時間[t2×100ms]
上記パラメータによれば、ブザー音の鳴動パターンを様々な形態に設定することができ
る。したがって、ステータス情報の種類に応じて、鳴動パターンを変えることが可能であ
る。
【0051】
特殊コマンドが音発生コマンドであると解析されると(ステップS13:Yes)、音
発生部25が、複合処理装置20のブザーを鳴動させる(ステップS14)。音発生コマ
ンドによって指定されたブザー音を鳴動させた後、状態管理部26がステータスに変化が
あることを検出すると(ステップS15:Yes)、ステップS11に戻って再びブザー
を発生させる要因が発生したか否かを判断する。
【0052】
ここで、ステップS15でステータスに変化があった場合とは、ブザー音を聞いたオペ
レータがカバーオープンに気付いてクローズした場合や、ブザー音に気付かなかったオペ
レータがカバーオープンのままASF3に小切手Sを挿入してしまった場合等が挙げられ
る。
【0053】
ブザー音を聞いたオペレータがカバーオープンに気づいてクローズした場合には、ステ
ップS11:Noでオンライン状態へ移行し通常処理を行うことができる。
一方、ブザー音に気付かなかったオペレータがカバーオープンのままASF3に小切手
Sを挿入してしまった場合には、複合処理装置20は相変わらずオフライン状態にあり、
通常コマンドの解析を行うことができないため(ステップS11:Yes)、ステータス
情報を再びホストコンピュータへ送信する(ステップS12)。
【0054】
以下、搬送部カバーがクローズされるまで、上記ステップを繰り返すことによって何度
でもブザーを鳴動させることができる。
【0055】
上述したように、本実施形態によれば、複合処理装置がブザーを鳴動させる必要がある
状態に陥ると、コマンド生成部32は、複合処理装置20からのステータス情報に応じて
、特定の文字列(DEL)を含む特殊コマンド(音発生コマンド)を生成する。複合処理
装置20側では、特殊コマンド解析部22がホストコンピュータから送信された特定の文
字列(DEL)を含む特殊コマンドを音発生コマンドと認識すると、音発生部25が優先
的にブザーを鳴動させる。
【0056】
したがって、複合処理装置20がオンライン状態にあるかオフライン状態にあるかにか
かわらず、ホストコンピュータ30からの音発生コマンドに応じて優先的にブザーを鳴動
させることができる。
【0057】
なお、ブザー音の鳴動パターンはさまざまに変更可能であり、ステータス情報の種類に
応じて設定すれば、あらゆる状況においてもブザーを鳴動させて、オペレータへ複合処理
装置20の状態を通知することが可能となる。
【符号の説明】
【0058】
20:複合処理装置、21:受信部、22:特殊コマンド解析部、23:受信バッファ、
24:コマンド解析部、25:音発生部、26:状態管理部、27:搬送制御部、28:
読み取り制御部、29:ステータス情報生成部、40:送信部、30:ホストコンピュー
タ、32:コマンド生成部、33:読み取り情報判断部、34:送受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理媒体が搬送される搬送路と、前記搬送路上に設置され前記処理媒体が有する情報を
読み取る情報読み取り部と、を備え、ホストコンピュータの指示に応じて前記処理媒体を
搬送し読み取り処理を実行する複合処理装置であって、
受信バッファに受信したコマンドを解析し処理するコマンド解析部と、
特定の文字列を含む特殊コマンドだけを前記受信バッファに受信する前に解析し処理す
る特殊コマンド解析部と、
前記特殊コマンド解析部が前記特殊コマンドを解析し音発生コマンドであると判断する
と、音を発生させる音発生部と、を有することを特徴とする複合処理装置。
【請求項2】
前記ホストコンピュータへ送信するステータス情報を生成するステータス情報生成部を
有し、
前記特殊コマンド解析部は、前記ステータス情報生成部が生成したステータス情報に応
じてホストコンピュータから送信される前記特殊コマンドを解析することを特徴とする請
求項1に記載の複合処理装置。
【請求項3】
処理媒体が搬送される搬送路と、前記搬送路上に設置され前記処理媒体が有する情報を
読み取る情報読み取り部と、を備え、ホストコンピュータの指示に応じて前記処理媒体を
搬送し読み取り処理を実行する複合処理装置と、前記ホストコンピュータと、を有する複
合処理システムであって、
前記複合処理装置は、
受信バッファに受信したコマンドを解析し処理するコマンド解析部と、
特定の文字列を含む特殊コマンドだけを前記受信バッファに受信する前に解析し処理す
る特殊コマンド解析部と、
前記特殊コマンド解析部が前記特殊コマンドを解析し音発生コマンドであると判断する
と、音を発生させる音発生部と、を有することを特徴とする複合処理システム。
【請求項4】
処理媒体が搬送される搬送路と、前記搬送路上に設置され前記処理媒体が有する情報を
読み取る情報読み取り部と、を備え、ホストコンピュータの指示に応じて前記処理媒体を
搬送し読み取り処理を実行する複合処理装置と、前記ホストコンピュータと、を有する複
合処理システムの制御方法であって、
ステータス情報を生成して前記ホストコンピュータへ送信するステップと、
前記ステータス情報に応じて特定の文字列を含む特殊コマンドを生成し、前記複合処理
装置へ送信するステップと、
前記特殊コマンドを解析して音発生コマンドであると判断すると、音を発生させる音発
生ステップと、を有することを特徴とする複合処理システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−65350(P2013−65350A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−271594(P2012−271594)
【出願日】平成24年12月12日(2012.12.12)
【分割の表示】特願2010−154552(P2010−154552)の分割
【原出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】