複合熱交換器の配置構造
【課題】冷却水用の熱交換器がコンパクトであり、かつ配管を要せずに空調冷媒用の他の熱交換器を互いに接続できる複合熱交換器の配置構造を提供する。
【解決手段】サブラジエータ2と空冷コンデンサ3は車両上下方向に沿って上下に配置され、水冷コンデンサ4はサブラジエータ2と空冷コンデンサ3の車両幅方向の一側に配置され、水冷コンデンサ4とサブラジエータ2との連通部は車両幅方向、車両上下方向、車両前後方向に沿って水冷コンデンサ4を移動可能とする第1の支持手段5で支持され、水冷コンデンサ4と空冷コンデンサ3との連通部のいずれか他方は第2の支持手段6で固定・支持された。
【解決手段】サブラジエータ2と空冷コンデンサ3は車両上下方向に沿って上下に配置され、水冷コンデンサ4はサブラジエータ2と空冷コンデンサ3の車両幅方向の一側に配置され、水冷コンデンサ4とサブラジエータ2との連通部は車両幅方向、車両上下方向、車両前後方向に沿って水冷コンデンサ4を移動可能とする第1の支持手段5で支持され、水冷コンデンサ4と空冷コンデンサ3との連通部のいずれか他方は第2の支持手段6で固定・支持された。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の冷却システムにおいて複数の冷媒(例えば、ラジエータの冷却水と空調用の冷媒)を扱う複合熱交換器の配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車用の冷却システムにおいて複数の冷媒を扱う複合熱交換器として、自動車の発熱体用の冷却水を外気との間で熱交換させるサブラジエータ内に、空調用の冷媒を冷却する水冷コンデンサを内蔵しているものがある。(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−121604号公報
【特許文献2】特開2010−127508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した従来技術にあっては、サブラジエータ内に水冷コンデンサを内蔵しており、サブラジエータの体積が大きくなるため、車両前方のスペースが比較的小さい車両などではレイアウト上、制約があり不利であった。また、サブラジエータ内に内蔵された水冷コンデンサは空冷コンデンサから離隔されているため、これらの水冷コンデンサおよび空冷コンデンサ間を連結する配管が必要であった。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮し、自動車の発熱体用の冷却水を外気との間で熱交換させる第1の熱交換器のコンパクト化を図ることができるとともに、空調用の冷媒を冷却する第2および第3の熱交換器を、配管を要せずに互いに接続できる複合熱交換器の配置構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
自動車の発熱体を冷却する冷却水を外気との間で熱交換させる第1の熱交換器と、車室内の空調用の冷媒を外気との間で熱交換させる第2の熱交換器と、前記第1の熱交換器と連通されて前記冷却水が流入するとともに前記第2の熱交換器と連通されて前記冷媒が流入し、これらの冷却水と冷媒との間で熱交換させる第3の熱交換器とを有する複合熱交換器の配置構造であって、前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換器は、車両上下方向に沿って上下に配置され、前記第3の熱交換器は、前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換器の車両幅方向の一側に配置され、前記第3の熱交換器と前記第1の熱交換器との連通部、または前記第3の熱交換器と前記第2の熱交換器との連通部のいずれか一方は、車両幅方向、車両上下方向、車両前後方向に沿って前記第3の熱交換器を移動可能とする第1の支持手段で支持され、前記第3の熱交換器と前記第1の熱交換器との連通部、または前記第3の熱交換器と前記第2の熱交換器との連通部のいずれか他方は、第2の支持手段で固定・支持されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載された複合熱交換器の配置構造であって、
前記第1の支持手段は、車両上下方向に沿ってスライド移動可能なスライド式コネクタであることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載された複合熱交換器の配置構造であって、前記スライド式コネクタは、前記第1の熱交換器の側壁に設けた連結側面部と、この連結側面部に当接係合されるとともに前記第3の熱交換器と連結された中間連結部材とで形成され、前記連結側面部には前記中間連結部材が車両上下方向に移動可能に係止される係止溝部と、前記第1の熱交換器から前記冷却水を流出する連通孔と、この連通孔の周囲に設けられて前記連結側面部と前記中間連結部材との間をシールするシール部とが形成され、前記中間連結部材には、前記連結側面部に当接する当接板部と、この当接板部に一体形成され連通孔を有する連結管部と、この連結管部の先端側に設けられナットが螺合するねじ部と、前記連結側面部の係止溝部に係止される係止部とからなることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1に記載された複合熱交換器の配置構造であって、前記第1の支持手段は、弾性を有する可撓性の管体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明において、第3の熱交換器を第2の熱交換器の車両幅方向の一側に配置して、これらの第3の熱交換器と第2の熱交換器の連通部を第2の支持手段で固定・支持した後、第1の熱交換器を第2の熱交換器の車両上下方向の上部で、かつ第3の熱交換器の車両幅方向の側部に配置して、第1の支持手段で車両幅方向、車両上下方向、車両前後方向に移動させることにより接続位置のばらつきを吸収しつつ第1の熱交換器に対して第3の熱交換器の位置合わせを行ない、第1の支持手段で第1の熱交換器と第3の熱交換器との連通部を支持する。これにより、空調用の冷媒を冷却する第3の熱交換器を第1の熱交換器に内蔵せず外部に設けたので、第1の熱交換器のコンパクト化を図り、車両前方のスペースが比較的小さい車両などにも当該複合熱交換器を配置でき、レイアウト上、優れているという効果がある。また、空調用の冷媒を冷却する第3の熱交換器と第2の熱交換器の連通部を第2の支持手段で固定・支持し、この第2の支持手段を介して第2および第3の熱交換器間で冷媒を流出入させることができるので、冷媒用の配管を要せずに第2および第3の熱交換器を互いに接続でき、部品手数を少なくすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、複合熱交換器の配置構造を示す正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示し、複合熱交換器の側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示し、第2の支持部材の断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示し、第1の支持部材の断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態を示し、第1の支持部材の中間連結部材の斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態を示し、第1の支持部材の中間連結部材の正面図である。
【図7】本発明の第1実施形態を示し、図6のVII‐VII線に沿う断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態を示し、図6のVIII‐VIII線に沿う断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態を示し、第1の支持部材の連結側面部の斜視図である。
【図10】本発明の第1実施形態を示し、第1の支持部材の連結側面部の正面図である。
【図11】本発明の第2実施形態を示し、複合熱交換器の配置構造を示す正面図である。
【図12】本発明の第2実施形態を示し、複合熱交換器の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1〜図10に示すように、本実施形態の配置構造に係る複合熱交換器1は、自動車の発熱体、例えばインバータ(図示せず)を冷却する冷却水を外気との間で熱交換させるサブラジエータ2(第1の熱交換器)と、車室内の空調用の冷媒を外気との間で熱交換させる空冷コンデンサ3(第2の熱交換器)と、サブラジエータ2と連通されて前記冷却水が流入するとともに、空冷コンデンサ3と連通されて前記冷媒が流入し、これらの冷却水と冷媒との間で熱交換させる水冷コンデンサ4(第3の熱交換器)とから主として構成されている。
【0014】
そして、上記複合熱交換器1の配置構造では、サブラジエータ2と空冷コンデンサ3が車両上下方向に沿って上下に配置され、水冷コンデンサ4がサブラジエータ2と空冷コンデンサ3の車両幅方向の一側に配置され、水冷コンデンサ4とサブラジエータ2との連通部は、車両幅方向、車両上下方向、車両前後方向に沿って水冷コンデンサ4を移動可能とする第1の支持手段5で支持され、水冷コンデンサ4と空冷コンデンサ3との連通部は、第2の支持手段6で固定・支持されている。
【0015】
水冷コンデンサ4は、サブラジエータ2に固定される上部ブラケット40、および空冷コンデンサ3に固定される下部ブラケット41を備えている。
【0016】
第1の支持手段5は、車両上下方向に沿ってスライド移動可能なスライド式コネクタであり、該スライド式コネクタは、サブラジエータ2の側壁20に設けた連結側面部7と、この連結側面部7に当接係合されるとともに水冷コンデンサ4と連結された中間連結部材8とで形成されている。
【0017】
連結側面部7には、中間連結部材8が車両上下方向に移動可能に係止される係止溝部70と、車両上下方向へ径が大きい楕円状に形成され、水冷コンデンサ4から冷却水を流出する連通孔71と、この連通孔71の周囲に設けられて連結側面部7と中間連結部材8との間をシールするシール部72とが形成されている。
【0018】
一対の係止溝部70が、連結側面部7の上端近傍の左右両側に設けられ、他の一対の係止溝部70が、連結側面部7の上端から下方へ所定距離をおいて左右両側に設けられている。各係止溝部70は、後述する係止部84の先端折曲部84aが挿入される挿入溝70aと、この挿入溝70aと連通し、車両上下方向の下方へ延びるガイド溝70bから構成されている。
【0019】
中間連結部材8には、連結側面部7に当接する当接板部80と、この当接板部80に一体形成され連通孔81を有する連結管部82と、この連結管部82の先端側に設けられ、ナット85が螺合するねじ部83と、連結側面部7の係止溝部70にそれぞれ係止される4つの係止部84とからなっている。
【0020】
これにより、係止部84の先端折曲部84aがそれぞれ係止溝部70の挿入溝70aより挿入された後、係止部84はガイド溝70bに沿って下方に移動可能であるので、中間連結部材8が車両上下方向に沿ってスライド移動可能である。また、中間連結部材8の左右一対の係止部84間の寸法を、側壁20の車両前後方向の寸法に比べて少し大きく設定することにより、中間連結部材8は比較的小さな距離、車両前後方向に沿ってスライド移動可能である。
【0021】
当接板部80上部側には、タッピングねじ(図示せず)が挿入されるタッピングねじ孔86が形成されている。
【0022】
第2の支持手段6は、空冷コンデンサ3の側壁30に設けた連結側面部60と、この連結側面部60に当接係合されるとともに水冷コンデンサ4と連結された中間連結部材61とにより主として構成され、この中間連結部材61には、連結側面部60に当接する当接板部62と、この当接板部62に一体形成され連通孔63を有する連結管部64と、この連結管部64の先端側に設けられて連結側面部60と中間連結部材61との間をシールするシール部65と、当接板部62を連結側面部60に締結するボルト66とが設けられている。連結側面部60には、連結管部64が嵌入される連通孔67と、ボルト66が螺合するねじ孔68が設けられている。
【0023】
上記構成において、水冷コンデンサ4を空冷コンデンサ3の車両幅方向の一側に配置して、水冷コンデンサ4に連結した中間連結部材61の連結管部64を連結側面部60の連通孔67に挿入し、当接板部62を空冷コンデンサ3の側壁30に設けた連結側面部60に当接するとともに、空冷コンデンサ3に対して水冷コンデンサ4の位置を合わせて、当接板部62を介してボルト66をねじ孔68に螺合させることにより、当接板部62を連結側面部60に締結し、連結側面部60と中間連結部材61との間をシール部65でシールする。これにより、水冷コンデンサ4と空冷コンデンサ3との連通部が第2の支持手段6で固定・支持される。
【0024】
次いで、水冷コンデンサ4にあらかじめ第1の支持手段5の中間連結部材8を連結し、サブラジエータ2を空冷コンデンサ3の車両上下方向の上部で、かつ水冷コンデンサ4の車両幅方向の側部に配置して、中間連結部材8の係止部84をそれぞれ連結側面部7の係止溝部70に係合させる。
【0025】
次いで、第1の支持手段5の当接板部80をサブラジエータ2の側壁20に設けた連結側面部7に当接するとともに、中間連結部材8を上下方向に移動させることにより空冷コンデンサ3に対して水冷コンデンサ4の上下方向の位置を合わせて、連結管部82の先端側に設けられたねじ部83に螺合するナット85を回転駆動することにより空冷コンデンサ3に対して水冷コンデンサ4の車両幅方向の位置を合わせて、当接板部80上部側のタッピングねじ孔86に挿入したタッピングねじで中間連結部材8を連結側面部7に締結し、連結側面部7と中間連結部材8との間をシール部72でシールする。これにより、第1の支持手段5で水冷コンデンサ4とサブラジエータ2との連通部が支持される。
【0026】
そして最後に、水冷コンデンサ4の上部ブラケット40および下部ブラケット41をそれぞれサブラジエータ2と空冷コンデンサ3に固定する。
【0027】
このようにして組み立てられた複合熱交換器1では、サブラジエータ2から冷却水が第1の支持手段5の連通孔81を介して水冷コンデンサ4の上部に流入して流下した後、水冷コンデンサ4の下部に設けられる排出管42を介して冷却水が排出される。一方、水冷コンデンサ4の上部に設けられる流入管43を介して冷媒が流入して流下しつつ冷却水との間で熱交換を行なった後、第2の支持手段6の連通孔63を介して冷媒が排出されて空冷コンデンサ3に流入する。
【0028】
以上のように、本実施形態の配置構造によれば、空調用の冷媒を冷却する水冷コンデンサ4をサブラジエータ2に内蔵せず外部に設けたので、サブラジエータ2のコンパクト化を図ることができ、車両前方のスペースが比較的小さい車両などにも複合熱交換器1を配置でき、レイアウト上、優れている。
【0029】
また、本実施形態の配置構造によれば、空調用の冷媒を冷却する水冷コンデンサ4および空冷コンデンサ3の連通部を第2の支持手段6で固定・支持し、この第2の支持手段6の連通孔67を介して空冷コンデンサ3および水冷コンデンサ4間で冷媒を流出入させることができるので、冷媒用配管を要せずに空冷コンデンサ3および水冷コンデンサ4を互いに接続でき、部品手数を少なくすることができる。
【0030】
また、本実施形態の配置構造によれば、第1の支持手段5は、車両幅方向、車両上下方向、車両前後方向に沿って水冷コンデンサ4を移動可能であり、水冷コンデンサ4を取り付ける際に接続位置のばらつきを吸収することができるので、水冷コンデンサ4をサブラジエータ2および空冷コンデンサ3に対して円滑に取り付けることができる。
【0031】
(第2の実施形態)
図11および図12に示すように、本実施形態の配置構造に係る複合熱交換器1Aでは、弾性を有する可撓性の管体9によりサブラジエータ2の側壁20上端と水冷コンデンサ4上部とが互いに接続されており、その他の構成は図1〜図10に示す第1実施形態と同様である。なお、図11、図12において前述した第1実施形態と同様のものには同一符号を付してある。
【0032】
上記可撓性の管体9により、車両幅方向、車両上下方向、車両前後方向に沿って水冷コンデンサ4を移動可能に支持する第1の支持手段が構成されている。
【0033】
上記構成において、水冷コンデンサ4を空冷コンデンサ3の車両幅方向の一側に配置して、第1実施形態と同様の手順で、第2の支持手段6で水冷コンデンサ4と空冷コンデンサ3との連通部を固定・支持する。次いで、サブラジエータ2の側壁20上端と水冷コンデンサ4上部とを可撓性の管体9により互いに接続する。これにより、可撓性の管体9で水冷コンデンサ4とサブラジエータ2との連通部が支持される。次いで、水冷コンデンサ4の上部ブラケット40および下部ブラケット41をそれぞれサブラジエータ2と空冷コンデンサ3に固定する。
【0034】
このようにして組み立てられた複合熱交換器1Aでは、サブラジエータ2から冷却水が可撓性の管体9を介して水冷コンデンサ4の上部に流入して流下した後、水冷コンデンサ4の下部に設けられる排出管42を介して冷却水が排出される。一方、水冷コンデンサ4の上部に設けられる流入管43を介して冷媒が流入して流下しつつ冷却水との間で熱交換を行なった後、第2の支持手段6を介して冷媒が排出されて空冷コンデンサ3に流入する。
【0035】
以上のように、本実施形態の配置構造によれば、第1実施形態と同様に、空調用の冷媒を冷却する水冷コンデンサ4をサブラジエータ2に内蔵せず外部に設けたので、サブラジエータ2のコンパクト化を図ることができ、車両前方のスペースが比較的小さい車両などにも複合熱交換器1Aを配置でき、レイアウト上、優れている。
【0036】
また、本実施形態の配置構造によれば、空調用の冷媒を冷却する水冷コンデンサ4および空冷コンデンサ3の連通部を第2の支持手段6で固定・支持し、この第2の支持手段6を介して空冷コンデンサ3および水冷コンデンサ4間で冷媒を流出入させることができるので、空冷コンデンサ3および水冷コンデンサ4を冷媒用の配管を要せずに互いに接続でき、部品手数を少なくすることができる。
【0037】
さらに、本実施形態の配置構造によれば、可撓性の管体9は、車両幅方向、車両上下方向、車両前後方向に沿って水冷コンデンサ4を移動可能に支持して、水冷コンデンサ4を取り付ける際に接続位置のばらつきを吸収することができるので、水冷コンデンサ4をサブラジエータ2および空冷コンデンサ3に対して円滑に取り付けることができる。
【0038】
なお、上記第1の実施形態および上記第2の実施形態にあっては、車両幅方向、車両上下方向、車両前後方向に沿って水冷コンデンサ4を移動可能とする第1の支持手段で、水冷コンデンサ4とサブラジエータ2との連通部を支持するとともに、第2の支持手段6で水冷コンデンサ4と空冷コンデンサ3との連通部を固定・支持する場合を例示したが、本発明にはこれに限定されず、第1の支持手段で水冷コンデンサと空冷コンデンサとの連通部を支持するとともに、第2の支持手段で水冷コンデンサとサブラジエータとの連通部を固定・支持することもできる。
【符号の説明】
【0039】
1,1A 複合熱交換器
2 サブラジエータ(第1の熱交換器)
3 空冷コンデンサ(第2の熱交換器)
4 水冷コンデンサ(第3の熱交換器)
5 第1の支持手段(スライド式コネクタ)
6 第2の支持手段
7 連結側面部
8 中間連結部材
9 可撓性の管体(第1の支持手段)
20 側壁
70 係止溝部
71 連通孔
72 シール部
80 当接板部
81 連通孔
82 連結管部
83 ねじ部
84 係止部
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の冷却システムにおいて複数の冷媒(例えば、ラジエータの冷却水と空調用の冷媒)を扱う複合熱交換器の配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車用の冷却システムにおいて複数の冷媒を扱う複合熱交換器として、自動車の発熱体用の冷却水を外気との間で熱交換させるサブラジエータ内に、空調用の冷媒を冷却する水冷コンデンサを内蔵しているものがある。(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−121604号公報
【特許文献2】特開2010−127508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した従来技術にあっては、サブラジエータ内に水冷コンデンサを内蔵しており、サブラジエータの体積が大きくなるため、車両前方のスペースが比較的小さい車両などではレイアウト上、制約があり不利であった。また、サブラジエータ内に内蔵された水冷コンデンサは空冷コンデンサから離隔されているため、これらの水冷コンデンサおよび空冷コンデンサ間を連結する配管が必要であった。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮し、自動車の発熱体用の冷却水を外気との間で熱交換させる第1の熱交換器のコンパクト化を図ることができるとともに、空調用の冷媒を冷却する第2および第3の熱交換器を、配管を要せずに互いに接続できる複合熱交換器の配置構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
自動車の発熱体を冷却する冷却水を外気との間で熱交換させる第1の熱交換器と、車室内の空調用の冷媒を外気との間で熱交換させる第2の熱交換器と、前記第1の熱交換器と連通されて前記冷却水が流入するとともに前記第2の熱交換器と連通されて前記冷媒が流入し、これらの冷却水と冷媒との間で熱交換させる第3の熱交換器とを有する複合熱交換器の配置構造であって、前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換器は、車両上下方向に沿って上下に配置され、前記第3の熱交換器は、前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換器の車両幅方向の一側に配置され、前記第3の熱交換器と前記第1の熱交換器との連通部、または前記第3の熱交換器と前記第2の熱交換器との連通部のいずれか一方は、車両幅方向、車両上下方向、車両前後方向に沿って前記第3の熱交換器を移動可能とする第1の支持手段で支持され、前記第3の熱交換器と前記第1の熱交換器との連通部、または前記第3の熱交換器と前記第2の熱交換器との連通部のいずれか他方は、第2の支持手段で固定・支持されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載された複合熱交換器の配置構造であって、
前記第1の支持手段は、車両上下方向に沿ってスライド移動可能なスライド式コネクタであることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載された複合熱交換器の配置構造であって、前記スライド式コネクタは、前記第1の熱交換器の側壁に設けた連結側面部と、この連結側面部に当接係合されるとともに前記第3の熱交換器と連結された中間連結部材とで形成され、前記連結側面部には前記中間連結部材が車両上下方向に移動可能に係止される係止溝部と、前記第1の熱交換器から前記冷却水を流出する連通孔と、この連通孔の周囲に設けられて前記連結側面部と前記中間連結部材との間をシールするシール部とが形成され、前記中間連結部材には、前記連結側面部に当接する当接板部と、この当接板部に一体形成され連通孔を有する連結管部と、この連結管部の先端側に設けられナットが螺合するねじ部と、前記連結側面部の係止溝部に係止される係止部とからなることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1に記載された複合熱交換器の配置構造であって、前記第1の支持手段は、弾性を有する可撓性の管体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明において、第3の熱交換器を第2の熱交換器の車両幅方向の一側に配置して、これらの第3の熱交換器と第2の熱交換器の連通部を第2の支持手段で固定・支持した後、第1の熱交換器を第2の熱交換器の車両上下方向の上部で、かつ第3の熱交換器の車両幅方向の側部に配置して、第1の支持手段で車両幅方向、車両上下方向、車両前後方向に移動させることにより接続位置のばらつきを吸収しつつ第1の熱交換器に対して第3の熱交換器の位置合わせを行ない、第1の支持手段で第1の熱交換器と第3の熱交換器との連通部を支持する。これにより、空調用の冷媒を冷却する第3の熱交換器を第1の熱交換器に内蔵せず外部に設けたので、第1の熱交換器のコンパクト化を図り、車両前方のスペースが比較的小さい車両などにも当該複合熱交換器を配置でき、レイアウト上、優れているという効果がある。また、空調用の冷媒を冷却する第3の熱交換器と第2の熱交換器の連通部を第2の支持手段で固定・支持し、この第2の支持手段を介して第2および第3の熱交換器間で冷媒を流出入させることができるので、冷媒用の配管を要せずに第2および第3の熱交換器を互いに接続でき、部品手数を少なくすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、複合熱交換器の配置構造を示す正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示し、複合熱交換器の側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示し、第2の支持部材の断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示し、第1の支持部材の断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態を示し、第1の支持部材の中間連結部材の斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態を示し、第1の支持部材の中間連結部材の正面図である。
【図7】本発明の第1実施形態を示し、図6のVII‐VII線に沿う断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態を示し、図6のVIII‐VIII線に沿う断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態を示し、第1の支持部材の連結側面部の斜視図である。
【図10】本発明の第1実施形態を示し、第1の支持部材の連結側面部の正面図である。
【図11】本発明の第2実施形態を示し、複合熱交換器の配置構造を示す正面図である。
【図12】本発明の第2実施形態を示し、複合熱交換器の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1〜図10に示すように、本実施形態の配置構造に係る複合熱交換器1は、自動車の発熱体、例えばインバータ(図示せず)を冷却する冷却水を外気との間で熱交換させるサブラジエータ2(第1の熱交換器)と、車室内の空調用の冷媒を外気との間で熱交換させる空冷コンデンサ3(第2の熱交換器)と、サブラジエータ2と連通されて前記冷却水が流入するとともに、空冷コンデンサ3と連通されて前記冷媒が流入し、これらの冷却水と冷媒との間で熱交換させる水冷コンデンサ4(第3の熱交換器)とから主として構成されている。
【0014】
そして、上記複合熱交換器1の配置構造では、サブラジエータ2と空冷コンデンサ3が車両上下方向に沿って上下に配置され、水冷コンデンサ4がサブラジエータ2と空冷コンデンサ3の車両幅方向の一側に配置され、水冷コンデンサ4とサブラジエータ2との連通部は、車両幅方向、車両上下方向、車両前後方向に沿って水冷コンデンサ4を移動可能とする第1の支持手段5で支持され、水冷コンデンサ4と空冷コンデンサ3との連通部は、第2の支持手段6で固定・支持されている。
【0015】
水冷コンデンサ4は、サブラジエータ2に固定される上部ブラケット40、および空冷コンデンサ3に固定される下部ブラケット41を備えている。
【0016】
第1の支持手段5は、車両上下方向に沿ってスライド移動可能なスライド式コネクタであり、該スライド式コネクタは、サブラジエータ2の側壁20に設けた連結側面部7と、この連結側面部7に当接係合されるとともに水冷コンデンサ4と連結された中間連結部材8とで形成されている。
【0017】
連結側面部7には、中間連結部材8が車両上下方向に移動可能に係止される係止溝部70と、車両上下方向へ径が大きい楕円状に形成され、水冷コンデンサ4から冷却水を流出する連通孔71と、この連通孔71の周囲に設けられて連結側面部7と中間連結部材8との間をシールするシール部72とが形成されている。
【0018】
一対の係止溝部70が、連結側面部7の上端近傍の左右両側に設けられ、他の一対の係止溝部70が、連結側面部7の上端から下方へ所定距離をおいて左右両側に設けられている。各係止溝部70は、後述する係止部84の先端折曲部84aが挿入される挿入溝70aと、この挿入溝70aと連通し、車両上下方向の下方へ延びるガイド溝70bから構成されている。
【0019】
中間連結部材8には、連結側面部7に当接する当接板部80と、この当接板部80に一体形成され連通孔81を有する連結管部82と、この連結管部82の先端側に設けられ、ナット85が螺合するねじ部83と、連結側面部7の係止溝部70にそれぞれ係止される4つの係止部84とからなっている。
【0020】
これにより、係止部84の先端折曲部84aがそれぞれ係止溝部70の挿入溝70aより挿入された後、係止部84はガイド溝70bに沿って下方に移動可能であるので、中間連結部材8が車両上下方向に沿ってスライド移動可能である。また、中間連結部材8の左右一対の係止部84間の寸法を、側壁20の車両前後方向の寸法に比べて少し大きく設定することにより、中間連結部材8は比較的小さな距離、車両前後方向に沿ってスライド移動可能である。
【0021】
当接板部80上部側には、タッピングねじ(図示せず)が挿入されるタッピングねじ孔86が形成されている。
【0022】
第2の支持手段6は、空冷コンデンサ3の側壁30に設けた連結側面部60と、この連結側面部60に当接係合されるとともに水冷コンデンサ4と連結された中間連結部材61とにより主として構成され、この中間連結部材61には、連結側面部60に当接する当接板部62と、この当接板部62に一体形成され連通孔63を有する連結管部64と、この連結管部64の先端側に設けられて連結側面部60と中間連結部材61との間をシールするシール部65と、当接板部62を連結側面部60に締結するボルト66とが設けられている。連結側面部60には、連結管部64が嵌入される連通孔67と、ボルト66が螺合するねじ孔68が設けられている。
【0023】
上記構成において、水冷コンデンサ4を空冷コンデンサ3の車両幅方向の一側に配置して、水冷コンデンサ4に連結した中間連結部材61の連結管部64を連結側面部60の連通孔67に挿入し、当接板部62を空冷コンデンサ3の側壁30に設けた連結側面部60に当接するとともに、空冷コンデンサ3に対して水冷コンデンサ4の位置を合わせて、当接板部62を介してボルト66をねじ孔68に螺合させることにより、当接板部62を連結側面部60に締結し、連結側面部60と中間連結部材61との間をシール部65でシールする。これにより、水冷コンデンサ4と空冷コンデンサ3との連通部が第2の支持手段6で固定・支持される。
【0024】
次いで、水冷コンデンサ4にあらかじめ第1の支持手段5の中間連結部材8を連結し、サブラジエータ2を空冷コンデンサ3の車両上下方向の上部で、かつ水冷コンデンサ4の車両幅方向の側部に配置して、中間連結部材8の係止部84をそれぞれ連結側面部7の係止溝部70に係合させる。
【0025】
次いで、第1の支持手段5の当接板部80をサブラジエータ2の側壁20に設けた連結側面部7に当接するとともに、中間連結部材8を上下方向に移動させることにより空冷コンデンサ3に対して水冷コンデンサ4の上下方向の位置を合わせて、連結管部82の先端側に設けられたねじ部83に螺合するナット85を回転駆動することにより空冷コンデンサ3に対して水冷コンデンサ4の車両幅方向の位置を合わせて、当接板部80上部側のタッピングねじ孔86に挿入したタッピングねじで中間連結部材8を連結側面部7に締結し、連結側面部7と中間連結部材8との間をシール部72でシールする。これにより、第1の支持手段5で水冷コンデンサ4とサブラジエータ2との連通部が支持される。
【0026】
そして最後に、水冷コンデンサ4の上部ブラケット40および下部ブラケット41をそれぞれサブラジエータ2と空冷コンデンサ3に固定する。
【0027】
このようにして組み立てられた複合熱交換器1では、サブラジエータ2から冷却水が第1の支持手段5の連通孔81を介して水冷コンデンサ4の上部に流入して流下した後、水冷コンデンサ4の下部に設けられる排出管42を介して冷却水が排出される。一方、水冷コンデンサ4の上部に設けられる流入管43を介して冷媒が流入して流下しつつ冷却水との間で熱交換を行なった後、第2の支持手段6の連通孔63を介して冷媒が排出されて空冷コンデンサ3に流入する。
【0028】
以上のように、本実施形態の配置構造によれば、空調用の冷媒を冷却する水冷コンデンサ4をサブラジエータ2に内蔵せず外部に設けたので、サブラジエータ2のコンパクト化を図ることができ、車両前方のスペースが比較的小さい車両などにも複合熱交換器1を配置でき、レイアウト上、優れている。
【0029】
また、本実施形態の配置構造によれば、空調用の冷媒を冷却する水冷コンデンサ4および空冷コンデンサ3の連通部を第2の支持手段6で固定・支持し、この第2の支持手段6の連通孔67を介して空冷コンデンサ3および水冷コンデンサ4間で冷媒を流出入させることができるので、冷媒用配管を要せずに空冷コンデンサ3および水冷コンデンサ4を互いに接続でき、部品手数を少なくすることができる。
【0030】
また、本実施形態の配置構造によれば、第1の支持手段5は、車両幅方向、車両上下方向、車両前後方向に沿って水冷コンデンサ4を移動可能であり、水冷コンデンサ4を取り付ける際に接続位置のばらつきを吸収することができるので、水冷コンデンサ4をサブラジエータ2および空冷コンデンサ3に対して円滑に取り付けることができる。
【0031】
(第2の実施形態)
図11および図12に示すように、本実施形態の配置構造に係る複合熱交換器1Aでは、弾性を有する可撓性の管体9によりサブラジエータ2の側壁20上端と水冷コンデンサ4上部とが互いに接続されており、その他の構成は図1〜図10に示す第1実施形態と同様である。なお、図11、図12において前述した第1実施形態と同様のものには同一符号を付してある。
【0032】
上記可撓性の管体9により、車両幅方向、車両上下方向、車両前後方向に沿って水冷コンデンサ4を移動可能に支持する第1の支持手段が構成されている。
【0033】
上記構成において、水冷コンデンサ4を空冷コンデンサ3の車両幅方向の一側に配置して、第1実施形態と同様の手順で、第2の支持手段6で水冷コンデンサ4と空冷コンデンサ3との連通部を固定・支持する。次いで、サブラジエータ2の側壁20上端と水冷コンデンサ4上部とを可撓性の管体9により互いに接続する。これにより、可撓性の管体9で水冷コンデンサ4とサブラジエータ2との連通部が支持される。次いで、水冷コンデンサ4の上部ブラケット40および下部ブラケット41をそれぞれサブラジエータ2と空冷コンデンサ3に固定する。
【0034】
このようにして組み立てられた複合熱交換器1Aでは、サブラジエータ2から冷却水が可撓性の管体9を介して水冷コンデンサ4の上部に流入して流下した後、水冷コンデンサ4の下部に設けられる排出管42を介して冷却水が排出される。一方、水冷コンデンサ4の上部に設けられる流入管43を介して冷媒が流入して流下しつつ冷却水との間で熱交換を行なった後、第2の支持手段6を介して冷媒が排出されて空冷コンデンサ3に流入する。
【0035】
以上のように、本実施形態の配置構造によれば、第1実施形態と同様に、空調用の冷媒を冷却する水冷コンデンサ4をサブラジエータ2に内蔵せず外部に設けたので、サブラジエータ2のコンパクト化を図ることができ、車両前方のスペースが比較的小さい車両などにも複合熱交換器1Aを配置でき、レイアウト上、優れている。
【0036】
また、本実施形態の配置構造によれば、空調用の冷媒を冷却する水冷コンデンサ4および空冷コンデンサ3の連通部を第2の支持手段6で固定・支持し、この第2の支持手段6を介して空冷コンデンサ3および水冷コンデンサ4間で冷媒を流出入させることができるので、空冷コンデンサ3および水冷コンデンサ4を冷媒用の配管を要せずに互いに接続でき、部品手数を少なくすることができる。
【0037】
さらに、本実施形態の配置構造によれば、可撓性の管体9は、車両幅方向、車両上下方向、車両前後方向に沿って水冷コンデンサ4を移動可能に支持して、水冷コンデンサ4を取り付ける際に接続位置のばらつきを吸収することができるので、水冷コンデンサ4をサブラジエータ2および空冷コンデンサ3に対して円滑に取り付けることができる。
【0038】
なお、上記第1の実施形態および上記第2の実施形態にあっては、車両幅方向、車両上下方向、車両前後方向に沿って水冷コンデンサ4を移動可能とする第1の支持手段で、水冷コンデンサ4とサブラジエータ2との連通部を支持するとともに、第2の支持手段6で水冷コンデンサ4と空冷コンデンサ3との連通部を固定・支持する場合を例示したが、本発明にはこれに限定されず、第1の支持手段で水冷コンデンサと空冷コンデンサとの連通部を支持するとともに、第2の支持手段で水冷コンデンサとサブラジエータとの連通部を固定・支持することもできる。
【符号の説明】
【0039】
1,1A 複合熱交換器
2 サブラジエータ(第1の熱交換器)
3 空冷コンデンサ(第2の熱交換器)
4 水冷コンデンサ(第3の熱交換器)
5 第1の支持手段(スライド式コネクタ)
6 第2の支持手段
7 連結側面部
8 中間連結部材
9 可撓性の管体(第1の支持手段)
20 側壁
70 係止溝部
71 連通孔
72 シール部
80 当接板部
81 連通孔
82 連結管部
83 ねじ部
84 係止部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の発熱体を冷却する冷却水を外気との間で熱交換させる第1の熱交換器(2)と、車室内の空調用の冷媒を外気との間で熱交換させる第2の熱交換器(3)と、前記第1の熱交換器(2)と連通されて前記冷却水が流入するとともに前記第2の熱交換器(3)と連通されて前記冷媒が流入し、これらの冷却水と冷媒との間で熱交換させる第3の熱交換器(4)とを有する複合熱交換器(1,1A)の配置構造であって、
前記第1の熱交換器(2)と前記第2の熱交換器(3)は、車両上下方向に沿って上下に配置され、
前記第3の熱交換器(4)は、前記第1の熱交換器(2)と前記第2の熱交換器(3)の車両幅方向の一側に配置され、
前記第3の熱交換器(4)と前記第1の熱交換器(2)との連通部、または前記第3の熱交換器(4)と前記第2の熱交換器(3)との連通部のいずれか一方は、車両幅方向、車両上下方向、車両前後方向に沿って前記第3の熱交換器(4)を移動可能とする第1の支持手段(5)で支持され、
前記第3の熱交換器(4)と前記第1の熱交換器(2)との連通部、または前記第3の熱交換器(4)と前記第2の熱交換器(3)との連通部のいずれか他方は、第2の支持手段(6)で固定・支持されていることを特徴とする複合熱交換器(1,1A)の配置構造。
【請求項2】
請求項1に記載された複合熱交換器(1)の配置構造であって、
前記第1の支持手段(5)は、車両上下方向に沿ってスライド移動可能なスライド式コネクタであることを特徴とする複合熱交換器(1)の配置構造。
【請求項3】
請求項2に記載された複合熱交換器(1)の配置構造であって、
前記スライド式コネクタ(5)は、前記第1の熱交換器(2)の側壁(20)に設けた連結側面部(7)と、この連結側面部(7)に当接係合されるとともに前記第3の熱交換器(4)と連結された中間連結部材(8)とで形成され、
前記連結側面部(7)には前記中間連結部材(8)が車両上下方向に移動可能に係止される係止溝部(70)と、前記第1の熱交換器(2)から前記冷却水を流出する連通孔(71)と、この連通孔(71)の周囲に設けられて前記連結側面部(7)と前記中間連結部材(8)との間をシールするシール部(72)とが形成され、
前記中間連結部材(8)には、前記連結側面部(7)に当接する当接板部(80)と、この当接板部(80)に一体形成され連通孔(81)を有する連結管部(82)と、
この連結管部(82)の先端側に設けられナット(85)が螺合するねじ部(83)と、
前記連結側面部(7)の係止溝部(70)に係止される係止部(84)とからなることを特徴とする複合熱交換器(1)の配置構造。
【請求項4】
請求項1に記載された複合熱交換器(1A)の配置構造であって、
前記第1の支持手段は、弾性を有する可撓性の管体(9)であることを特徴とする複合熱交換器(1A)の配置構造。
【請求項1】
自動車の発熱体を冷却する冷却水を外気との間で熱交換させる第1の熱交換器(2)と、車室内の空調用の冷媒を外気との間で熱交換させる第2の熱交換器(3)と、前記第1の熱交換器(2)と連通されて前記冷却水が流入するとともに前記第2の熱交換器(3)と連通されて前記冷媒が流入し、これらの冷却水と冷媒との間で熱交換させる第3の熱交換器(4)とを有する複合熱交換器(1,1A)の配置構造であって、
前記第1の熱交換器(2)と前記第2の熱交換器(3)は、車両上下方向に沿って上下に配置され、
前記第3の熱交換器(4)は、前記第1の熱交換器(2)と前記第2の熱交換器(3)の車両幅方向の一側に配置され、
前記第3の熱交換器(4)と前記第1の熱交換器(2)との連通部、または前記第3の熱交換器(4)と前記第2の熱交換器(3)との連通部のいずれか一方は、車両幅方向、車両上下方向、車両前後方向に沿って前記第3の熱交換器(4)を移動可能とする第1の支持手段(5)で支持され、
前記第3の熱交換器(4)と前記第1の熱交換器(2)との連通部、または前記第3の熱交換器(4)と前記第2の熱交換器(3)との連通部のいずれか他方は、第2の支持手段(6)で固定・支持されていることを特徴とする複合熱交換器(1,1A)の配置構造。
【請求項2】
請求項1に記載された複合熱交換器(1)の配置構造であって、
前記第1の支持手段(5)は、車両上下方向に沿ってスライド移動可能なスライド式コネクタであることを特徴とする複合熱交換器(1)の配置構造。
【請求項3】
請求項2に記載された複合熱交換器(1)の配置構造であって、
前記スライド式コネクタ(5)は、前記第1の熱交換器(2)の側壁(20)に設けた連結側面部(7)と、この連結側面部(7)に当接係合されるとともに前記第3の熱交換器(4)と連結された中間連結部材(8)とで形成され、
前記連結側面部(7)には前記中間連結部材(8)が車両上下方向に移動可能に係止される係止溝部(70)と、前記第1の熱交換器(2)から前記冷却水を流出する連通孔(71)と、この連通孔(71)の周囲に設けられて前記連結側面部(7)と前記中間連結部材(8)との間をシールするシール部(72)とが形成され、
前記中間連結部材(8)には、前記連結側面部(7)に当接する当接板部(80)と、この当接板部(80)に一体形成され連通孔(81)を有する連結管部(82)と、
この連結管部(82)の先端側に設けられナット(85)が螺合するねじ部(83)と、
前記連結側面部(7)の係止溝部(70)に係止される係止部(84)とからなることを特徴とする複合熱交換器(1)の配置構造。
【請求項4】
請求項1に記載された複合熱交換器(1A)の配置構造であって、
前記第1の支持手段は、弾性を有する可撓性の管体(9)であることを特徴とする複合熱交換器(1A)の配置構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−127611(P2012−127611A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281502(P2010−281502)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
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