説明

複層型抄造品の製造方法及び装置

【目的】粉粒体層の抄造形成と、粉粒体と繊維との混合層の抄造形成も粉粒体のロスや製品からの離脱が少ない複層型抄造品の製品方法及び装置の提供。
【構成】型を繊維を主体とする原料の懸濁液中に浸漬してその中側を減圧し、型の表面に繊維による粉粒体の遮蔽層を形成させた後、該型を粉粒体の懸濁液か、粉粒体と繊維の混合体の懸濁液中に移して中側を減圧し、前記遮蔽層の外側に粉粒体層か、粉粒体と繊維の混合体層が重合した製品を得てこれを脱型する複層型抄造品の製造方法及び、工程順に配列した複数の原料槽1,2,3と、これら原料槽1,2,3の上へ型を順次に位置付けする移動手段15と、型の位置付けに伴い前記型を懸濁液中へ所定時間浸漬して引き上げる昇降手段17と、型が懸濁液中へ浸漬されるとき型内を減圧して型の表面へ原料層を吸着させる減圧手段10とを備えさせた。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複層型抄造品の製造方法及び装置。詳しくは型の表面に繊維による粉粒体の遮蔽層を形成させてから、その上に粉粒体層、又は粉粒体と繊維の混合体層を形成させることにより、粉粒体が保有する機能を製品の内容物や製品の周囲の環境などに有効に作用させ得る型抄造品を安定的に容易に製造し得る方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維懸濁液中に型を浸漬して内部を減圧することにより、型の表面に繊維層を付着させて型抄造品を得る技術は、パルプモールドとして周知であり、一部に於て容器や包装用パッキン等の製造に利用されている。しかし、この方法では吸湿、脱臭、磁気・電磁波の放射、薬効、肥効、その他、多くの機能を有する粉粒体の層を形成することは不可能であり、又、これら粉粒体を繊維と混合すれば層を形成させることはできても、この場合、粉粒体の多くが排水と共に流出するためロスが多く、又製品化した後も粉粒体の離脱が生じて安定した製品を得られない問題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点を解決するためになされたもので、型表面にあらかじめ繊維による粉粒体の遮蔽層を形成させて、その上に粉粒体層か、粉粒体と繊維との混合体層を重設することにより、従来不可能な粉粒体層の抄造形成を可能にすると共に、粉粒体と繊維との混合層の抄造形成も粉粒体のロスや製品からの離脱が少ない状態で安定して行える複層型抄造品の製品方法及び装置を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る方法及び装置は、前記課題を解決するため製品形状に合わせて形成した型を繊維を主体とする原料の懸濁液中に浸漬してその中側を減圧し、型の表面に繊維による粉粒体の遮蔽層を形成させた後、該型を粉粒体の懸濁液か、粉粒体と繊維の混合体の懸濁液中に移して中側を減圧し、前記遮蔽層の外側に粉粒体層か、粉粒体と繊維の混合体層を形成させる操作を任意回数行い前記各層が重合した製品を得てこれを脱型する方法と、工程順に配列した複数の原料懸濁液槽と、これら懸濁液槽の上へ型を順次に位置付けする移動手段と、型の位置付けに伴い前記型を懸濁液中へ所定時間浸漬して引き上げる昇降手段と、型が懸濁液中へ浸漬されるとき型内を減圧して型の表面に原料層を付着させる減圧手段とを備えさせた構成とを採用し、前記方法及び装置の実施に際しては、製品形状に合わせて形成した型を繊維を主体とする原料の懸濁液中に浸漬してその中側を減圧し、型の表面に繊維による粉粒体の遮蔽層を形成させた後、該型を粉粒体の懸濁液か、粉粒体と繊維の混合体の懸濁液中に移して中側を減圧し、前記遮蔽層の外側に粉粒体層か、粉粒体と繊維の混合体層を形成させる操作を任意回数行い、更に型を繊維を主体とする懸濁液中に移して内部を減圧することにより、粉粒体層か、粉粒体と繊維の混合体層の上に繊維層を重設した製品を得てこれを脱型する方法及び表面に粉粒体の遮蔽層と、粉粒体層か、粉粒体と繊維の混合体層が重設された型抄造品、又は型の表面に粉粒体の遮蔽層と、粉粒体層か、粉粒体と繊維の混合体層及び繊維層が重設された型抄造品を外型に受け取り、この外型と圧搾用の中型とで挟圧させて、型抄造品の水分の搾出と外面の成形とを行わせる方法と、型から形成された複層の型抄造品を受け取る外型と、受け取った型抄造品の中へ進入して前記外型とで抄造品を圧搾する圧搾用中型とを備えさせた装置とを採用することが望ましいものである。
【0005】
【作用】本発明に係る複層型抄造品の製造方法及び装置は、各原料槽にそれぞれ原料懸濁液を供給して装置を運転すると、型はまず最初の原料槽の繊維を主体とした懸濁液中へ浸漬されて内部を減圧されるため、その表面に繊維による粉粒体の遮蔽層を形成されるから、このとき型内の減圧を停止して原料槽から引き上げ、次の原料槽上へ移して粉粒体の懸濁液中か、粉粒体と繊維の混合懸濁液中に浸漬して型内を減圧すれば、前記遮蔽層が粉粒体の排出を阻止するために遮蔽層の上に粉粒体層か、粉粒体と繊維の混合体層がロスなく確実に形成されるので、型を原料槽から引きげて製品を脱型すれば二層の型抄造品が得られる。しかし、前記した粉粒体層か粉粒体と繊維の混合層の上に更に被覆層を形成する必要がある場合は、型をその次の原料槽上に移動させ、繊維を主体とした懸濁液中へ浸漬して型の内を減圧すれば、粉粒体層か粉粒体と繊維の混合体層の上に繊維の被覆層が形成されるから、型を原料槽から引き上げて製品を脱型すれば三層の型抄造品が得られるものであり、更に粉粒体が有する機能を複合的に利用したい場合は、粉粒体層か粉粒体と繊維との混合体層を二層以上設ける必要があるので、この場合は原料槽を4槽以上に増し、型を懸濁液に浸漬する操作を4回以上行えば、4層以上の型抄造品を得ることができるものである。
【0006】尚、この複層型抄造品の製造においては、各層の重合によって製品の厚さが厚くなり含水量も多くなるから、抄造を完了した製品は外型に受けて型より取り外し、抄造品の中へ内型を押し込んで前記外型とにより挟圧させれば、圧搾による抄造品の搾水が行われると共に、外型へ外面圧接によって外面の型成形も行われて、製品を形状が正確で乾燥も速いものにすることができるものである。
【0007】
【実施例】以下に本発明に係る複層型抄造品の製造方法及び装置の実施例を図面に基づいて説明する。
【0008】図1は本発明に係る複層型抄造品の製造装置の一実施例を示す概要構成図。図2は同上実施例の第1槽の懸濁液中で型の内側を減圧し、外側に繊維による粉粒体の遮蔽層を形成させた状態の断面図。図3は同上実施例の第2槽の懸濁液中で型の内側を減圧し、遮蔽層の上に粉粒体層か、粉粒体と繊維との混合層を形成させた状態の断面図。図4は同上実施例の第3槽の懸濁液中において型の内側を減圧し、粉粒体層か、粉粒体と繊維との混合体層の上に被覆層の形成させた状態の断面図。図5は同上実施例において遮蔽層、粉粒体層又は粉粒体と繊維の混合体層、被覆層が重設された型抄造品に外型を嵌め、この型内を減圧して型抄造品を外型へ移す状態の断面図。図6は同上実施例において型抄造品が外型へ移された状態の断面図。図7は同上実施例において外型に移された型抄造品を外型と内型とで挟圧し搾水と外面成形とを行って、型抄造品を内型へ移すため内型の内部を減圧する状態の断面図。図8は同上実施例において型抄造品を移された内型の内側を型抄造品を離脱するために増圧させる状態の断面図。図9は同上実施例において内型から離脱された複層の型抄造品を示す断面図である。
【0009】図1において符号1、2、3は複数の原料槽を示すもので、第1の原料槽1は図9に一例を示す複層型抄造品4の粉粒体遮蔽層aを形成させる繊維を主体とする懸濁液を給送管5により供給し、第2の原料槽2は中間層bを形成させる粉粒体層か、粉粒体と繊維の混合体層bを形成させる懸濁液を給送管6により供給し、第3の原料槽3は被覆層cを形成させる原料懸濁液を給送管7により供給するもので、第1原料槽1の懸濁原料は、後記する型の搾水孔を通過しない繊維を主体として遮蔽層aを少ない原料ロスで確実に形成させ、第2原料槽2と第3原料槽3の原料は、前記遮蔽層aが搾水孔を遮蔽して粉粒体の通過を阻止するため、粉粒体だけを用いることも、又、粉粒体と繊維の混合体を用いることもできる。そして繊維原料としては各種のパルプ、化学合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等を用い、粉粒体としては吸湿、脱臭、磁気・電磁波の放射、薬効、肥効、その他、多くの機能を有するセラミック、活性炭、ロックウール、ゼオライト、吸湿性ポリマー、各種澱粉、薬剤、肥料、各種のスラッジ、その他を任意に選択できる。
【0010】同図において符号8は型抄造品4を成形する型を示すもので、希望する製品の内側に合致する形状に形成して、その全面に図2〜図5に示すように微細な搾水孔9を開口させ、上部には吸引管10を接続した減圧室11を連設することにより、この型8を原料層1〜3内の懸濁液中に浸漬して、吸引管10により減圧室11内を減圧すると、懸濁液中の液分は搾水孔9と吸引管10を経て排出され、懸濁原料が型8の外面に付着するから、第1の原料槽1では型8の表面に粉粒体の遮蔽層aが、第2の原料槽2では遮蔽層aの上に粉粒体層か、粉粒体と繊維の混合体層bが、第3の原料槽3では粉粒体層か、粉粒体と繊維の混合体層bの上に被覆層cが形成される。
【0011】同図において符号12は前記型8を移動させる移動枠を示すもので、前記複数の原料槽1〜3の上方に配設した水平ガイド13に移動自在に係合させ、この移動枠12にモータ14により回転される移動手段の送りねじ15を螺合させることにより、該送りねじ15を一方へ回転させると、移動枠12が第1原料槽1の位置から第3原料槽3へ向かって進み、移動枠12へ昇降杆16により取り付けられる型8を第1、第2、第3の各原料槽1、2、3の上へ順次に位置付けするが、モータ14により送りねじ15を他方へ回転させると、移動枠12は第3の原料槽3の位置から第1の原料槽1へ向かって戻り、型8を第1の原料槽1の上へ位置付けする。
【0012】同図において符号17は前記型8を昇降させる手段のシリンダを示すもので、前記型8が移動枠12によって原料槽1、2、3のいずれかの上に位置付けされたとき、ロッド18を下降させて型8を原料槽1、2、3のいずれかの懸濁液中に浸漬し、この状態を一定時間保持させてからロッド18を上昇させて型8を懸濁液中から引き上げ、次の原料槽上へ移動させる。
【0013】同図において符号19は形成された型抄造品4を型8から受け取る外型を示すもので、この外型19は形成された型抄造品4の外形に合致する形状に形成して、その全面に図5〜図7に示すように微細な搾水孔20を開口させ、下部には吸引管21を接続した減圧室22を連設してあり、この外型19は前記昇降手段17により型8が第3槽3の上方へ引き上げられると第3の原料槽3上へ移動され、昇降手段17により型8が下降されて型抄造品4を外型19内に収まらせたとき、吸引管21により減圧室22を減圧して型抄造品4を型8から受け取る。
【0014】同図において符号23は前記外型19の移動手段としてのシリンダを示すもので、そのロッド24を減圧室22に連結して、前記した型8により型抄造品4の粉粒体の遮蔽層a、粉粒体層か粉粒体と繊維の混合体層b、被覆層cが形成される間は図1に実線で示す待機位置に外型19を待機させ、遮蔽層aと粉粒体層か、粉粒体と繊維との混合体層bと被覆層cとの形成を終わって型8が引き上げられるとき、ロッド24により型19を第3の原料槽3の上へ移動させ、型9の下降により型抄造品4が外型19へ移されると、ロッド24により型抄造品4を待機位置へ取り出す。
【0015】同図において符号25は前記外型19に取り出された型抄造品4を圧搾する内型で、型抄造品4の内形に合致する形状に形成して、その全面に図7、図8に示すように微細な搾水孔26を開口させ、上部には吸引管27を接続した減圧室28を連設して、この内型25を前記外型19が待機位置へ型抄造品4を取り出したとき、型抄造品4の中へ押し込むことにより内型25と外型19とで型抄造品4を圧搾させ、強制的な水分の搾出を行うと共に外型19で型抄造品4の外面成形を行わせ、この操作が終わると吸引管27により内型25内を減圧して、外型19に支持された型抄造品4をこの内型25に受け取らせ、内型25を後記する搬出コンベア上へ移動させて吸引管27に圧搾空気を送り、減圧室28を増圧すると型抄造品4は内型25から離れてコンベアへ落される。
【0016】同図において符号29は前記内型25を移動させる移動枠で、前記外型19の待機位置の上方から型抄造品4の搬出コンベア30の上方に跨って配設した水平ガイド31に移動自在に係合させ、この移動枠29にモータ32により回転される移動手段の送りねじ33を螺合させ、この送りねじ33を一方へ回転させると昇降杆34により移動枠29に取り付けられた内型25が外型19の待機位置上から搬出コンベア30上へ移動され、送りねじ33を他方へ回転させると、搬出コンベア30上から外型25の待機位置へ移動される。
【0017】同図において符号35は前記内型25を昇降させる手段のシリンダを示すもので、前記内型25が移動枠29によって外型19の待機位置上に移動されたとき、ロッド36により内型25を下降させてこれを型抄造品4の中に圧入し、内型25と外型19とで型抄造品4を圧搾して強制搾液と型抄造品4の外面成形とを行わせ、これが終わるとロッド36により内型25を引き上げて内型25に支持される型抄造品4を搬出コンベア30上へ移動させ、型抄造品4が搬出コンベア30へ落とされると外型19を前記した待機位置へ戻す作用を行う。
【0018】
【実験例1】LBKパルプ50%、新聞脱墨パルプ50、スラリー濃度0.6%の繊維懸濁液に型を浸漬して内部を減圧して型表面への原料吸着を3秒間行い、次にNBKパルプ30%、活性炭粉末70%、スラリー濃度1%の粉粒体と繊維の混合懸濁液中に型を移して、内部を減圧して型表面へ原料吸着を5分間行い、その次にNBKパルプ100%、スラリー濃度0.6%の繊維懸濁液中に浸漬して内部を減圧し、原料の吸着を8秒間行った。その結果、粉粒体の遮蔽層aが形成された上に活性炭と繊維の混合層bが重ねられ、更にこの層b上に被覆層cが形成されるため、吸湿、脱臭等の機能を有する活性炭がロスなく固定されて製品からの離脱も生じない安定した複層型抄造品を得ることができた。
【0019】
【発明の効果】前述した通り本発明に係る複層型抄造品の製造方法及び装置は、型の表面にあらかじめ繊維により粉粒体の遮蔽層を形成させて置き、その上に粉粒体層か、粉粒体と繊維の混合体層を形成させるから、吸湿、脱臭、磁気・電磁波の放射、薬効、肥効、その他、の機能を有する粉粒体の層が確実に内在する製品を原料ロスもなく確実に製造できて、しかも型抄造によるため製品は均一性に優れて価格も安い特徴があり、かつ、機能の異なる粉粒体層や粉粒体と繊維の混合層を重ねて、複合的な機能を有する製品を得ることが容易であるし、又、機能を有する層の外に被覆層を重ねてこれらの保護を計ることも簡便にできる等の幾多の優れた特徴を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複層型抄造品の製造装置の一実施例を示す概要構成図である。
【図2】同上実施例の第1槽の懸濁液中で型の内側を減圧し、外側に繊維による粉粒体の遮蔽層を形成させた状態の断面図である。
【図3】同上実施例の第2槽の懸濁液中で型の内側を減圧し、遮蔽層の上に粉粒体層か、粉粒体と繊維との混合層を形成させた状態の断面図である。
【図4】同上実施例の第3槽の懸濁液中において型の内側を減圧し、粉粒体層か、粉粒体と繊維との混合層の上に被覆層を形成させた状態の断面図である。
【図5】同上実施例において遮蔽層、粉粒体層又は粉粒体と繊維の混合層、被覆層を重設された型抄造品に外型を嵌め、この型内を減圧して型抄造品を外型へ移す状態の断面図である。
【図6】同上実施例において型抄造品が外型へ移された状態の断面図である。
【図7】同上実施例において外型に移された型抄造品を外型と内型とで圧搾し搾水と外面の成形とを行って、型抄造品を内型へ移すためその内側を減圧する状態の断面図である。
【図8】同上実施例において型抄造品を移された内型の内側を型抄造品を離脱するために増圧させる状態の断面図である。
【図9】同上実施例において内型から離脱された複層の型抄造品を示す断面図である。
【符号の説明】
1、2、3 原料槽
8 成形用の型
15 型の移動手段
17 型の昇降手段
10 型内の減圧手段
22 製品を受け取る外型
25 製品を圧搾する内型

【特許請求の範囲】
【請求項1】 製品形状に合わせて形成した型を繊維を主体とする原料の懸濁液中に浸漬してその中側を減圧し、型の表面に繊維による粉粒体の遮蔽層を形成させた後、該型を粉粒体の懸濁液か、粉粒体と繊維の混合体の懸濁液中に移して中側を減圧し、前記遮蔽層の外側に粉粒体層か、粉粒体と繊維の混合体層を形成させる操作を任意回数行い前記各層が重合した製品を得てこれを脱型することを特徴とする複層型抄造品の製造方法。
【請求項2】 製品形状に合わせて形成した型を繊維を主体とする原料の懸濁液中に浸漬してその中側を減圧し、型の表面に繊維による粉粒体の遮蔽層を形成させた後、該型を粉粒体の懸濁液か、粉粒体と繊維の混合体の懸濁液中に移して中側を減圧し、前記遮蔽層の外側に粉粒体層か、粉粒体と繊維の混合体層を形成させる操作を任意回数行い、更に型を繊維を主体とする懸濁液中に移して内部を減圧することにり、粉粒体層か、粉粒体と繊維の混合体層の上に被覆層を重設した製品を得てこれを脱型することを特徴とする請求項1記載の複層型抄造品の製造方法。
【請求項3】 型の表面に粉粒体の遮蔽層と、粉粒体層か、粉粒体と繊維の混合体層が重設された型抄造品、又は型の表面に粉粒体の遮蔽層と、粉粒体層か、粉粒体と繊維の混合体層及び繊維層が重設された型抄造品を外型に受け取り、この外型と圧搾用の中型とで挟圧させて、型抄造品の水分の搾出と外面の成形とを行わせることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の複層型抄造品の製造方法。
【請求項4】 工程順に配列した複数の原料槽と、これら原料槽の上へ型を順次に位置付けする移動手段と、型の位置付けに伴い前記型を懸濁液中へ所定時間浸漬して引き上げる昇降手段と、型が懸濁液中へ浸漬されるとき型内を減圧して型の表面へ原料層を吸着させる減圧手段とを備えさせたことを特徴とする複層型抄造品の製造装置。
【請求項5】 表面に複層の型抄造品を形成された型から製品を受け取る外型と、受け取った型抄造品の中へ進入して前記外型とで抄造品を挟圧する中型とを備えさせたことを特徴とする請求項4記載の複層型抄造品の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図9】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開平8−232200
【公開日】平成8年(1996)9月10日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−62172
【出願日】平成7年(1995)2月24日
【出願人】(591049549)株式会社斎藤鉄工所 (3)