説明

複数の試験細長片のための容器

下部ハウジング(2)および下部ハウジング(2)に確実な形で組み合わせることのできる上部ハウジング(3)を持つ複数の試験細長片とくに細長片形状指示スティックのための容器(1)で、上部ハウジング(3)は軸旋回するように取り付けられた密封フラップ(14)を持ち、下部ハウジング(2)は上部ハウジング(3)の対応するくぼみ(10)に組み合わせることのできる複数のスナップイン要素(7)を持ち、密封フラップ(14)はその周縁部が少なくとも一つの剥ぎ取り式の接続片により上部ハウジング(3)につながれていている。スナップイン要素(7)は上部ハウジング(3)のくぼみ(10)付近領域の壁厚より突出している。封止フラップ(14)は好ましくは二つの向き合う側のそれぞれに剥ぎ取り式の接続片を持つ。封止フラップ(14)は好ましくは上部ハウジング(3)のハウジングリッド(15)に軸旋回できるかたちで連結され、上部ハウジング(3)のかど(13)を形成する。ハウジングリッド(15)沿いの密封フラップ(14)の長さは、好ましくは上部ハウジング(3)狭い側壁(24)沿いの密封フラップ(14)の長さより短い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部ハウジングおよび上部ハウジングを持つ、複数の試験細長片とくに細長片形状指示スティックのための容器に関するものであり、上部ハウジングは下部ハウジングに確実な方法で組み合わされ、上部ハウジングは軸旋回するように取り付けられた密封フラップを持つ。
【背景技術】
【0002】
細長片形状指示スティックのための容器は少し前から実用されている。これらの容器は、一側面が開口した箱体下部ハウジングと、同様に一側面が開口した箱体上部ハウジングからなり、上部ハウジングを下部ハウジングに押しつけることにより、全ての側面が閉じられた容器を形成する。上部ハウジングは下部ハウジングに積極的でない方法で固定される。
上部ハウジングおよび下部ハウジングの寸法は、細長片形状指示スティックの寸法に合わせられる。上部ハウジングの蓋面および向かいあう側面、ならびに下部ハウジングの底面および向かいあう側面は、細長片形状指示スティックの幅に合わせられる。一般的に容器は収容される試験紙の長さの半分以上を覆う下部ハウジング、およびそれより顕著に小さい上部ハウジングを持つ。このタイプの容器は迅速に安価で製造することができる。これらは簡単な方法で自動充填・封止できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このタイプの容器は原初状態保護ができない。容器がすでに開封され再封止されているかを確かめることができない。もし容器の中身の原初状態保護の必要があるならば、例えば剥ぎ取り式包装用皮膜内に容器が完全に封入させられなければならないか、あるいはそれぞれの試験細長片が例えば初回使用時に取り除かれ再び取り付けることができない剥ぎ取り式包装をされて提供されなければならない。このタイプの原初状態保護は、素材が重要で追加の費用を伴う別々の包装の適用が必要になる。
またこのタイプの容器の取り扱いは、試験細長片を取り除くために上部ハウジングが完全に取り除かれなければならず、したがってすべての試験紙が下部ハウジングの開口した一側面から落下するおそれがあるので、しばしば非実用的なものと目されている。簡単な方法で一枚の試験細長片を取り分けることを容易にする様々な容器の設計が、(例えば US 2005/0281706 A1, EP 0 270 868 B1, EP 0 640 393 B1, WO 2006/009534 A1, US 2006/0118570 A1のように)公知である。しかしながら、この目的のために必要な設計の複雑性はとても高い。このタイプの取り分け器具は、少なくとも部分的に簡単に損傷し、機能不全を起こすことも少なくなく、試験細長片が二度と取り出せなくなるかもしくは損傷した状態で容器から取り出されることを意味する。試験細長片取出し容器として使われる既知の容器はさらに、しばしば原初状態保護ができない。
別体の剥ぎ取り式要素により容器につなげられた密封キャップを一般的に有している、他の容器、(例えば EP 1 167 221 A1, US 4, 934,556, US 4,463,896 DE 32 44 459 C2, EP 0 618 146 A2, DE 196 53 065 A1, EP 0 167 783 A1のような)が公知である。この密封キャップは剥ぎ取り式要素が取り除かれて初めて開封され再封止することができる。一般的にこの剥ぎ取り式要素は、科学/薬学研究所や、清潔さや廃棄の要求がより強い職場での利用において特に、密封キャップおよび容器から完全に剥がされ廃棄されなければならないが、それには無視することの出来ない労力を要する。このタイプの容器製造の複雑さも高い。これらの容器は試験細長片を収納するには不向きもしくは限定的に適しているだけである。簡単で信頼できる試験細長片の取り出しは可能性が低い。
【0004】
冒頭に記したような一般的なタイプの容器(US 4,724,977)の中には、上部ハウジングは積極的方法で下部ハウジングに連結され、平らで再密封できる蓋が上部ハウジング領域にあり、すぐその下に除去できる留め具が配置される。容器が最初に開封される時、軸旋回するように配置された再密封可能な蓋が最初に開けられなければならず、その下の除去できる留め具が分離され除去されなければならない。除去できる留め具は再び上部ハウジングに装着されることはできない。使用後容器は最密封できる蓋により再密封される。
上部ハウジングが下部ハウジングから外れることによる不用意な容器の開口を避けるために、上部ハウジングは下部ハウジングの受け座状拡厚部で係合して、上部ハウジングが下部ハウジングから抜けなくしたり、下部ハウジングが上部ハウジングから引き抜いて再度組み合わすことが、容器への損傷なしにできるように、寸法的に十分に安定した素材から作られる。このように複雑な形の上部ハウジングの製造、および下部ハウジングに上部ハウジングを取り付けるための労力はとても大きい。、この容器で試験細長片の取り出しを簡単に取り扱うことは、上部ハウジングの蓋周辺に沿った内側に突出した形状の故に、難しくされており、それは、試験細長片が留め具の除去後に上部ハウジングに残り、裏側にある個々の試験細長片がひっかかってしまうかもしれないからである。
本発明の目的は従って、複数の試験細長片ための容器であって、原初状態保護を行う手段で、しかも簡単な取り扱いもしくは取出しができるような単純な手段を有するものを設計することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明に従って、上部ハウジングが軸旋回するように取り付けられた密封フラップを持ち密封フラップの周縁部は上部ハウジングに連結され少なくとも一つの剥ぎ取り式の接続片によりつなげられていて、上部ハウジングを確実な形で下部ハウジングに組み合わせるために、下部ハウジングが上部ハウジングの対応するくぼみにはめ込むことのできる複数の突出したスナップイン要素を持つことに関連する発明を提供することによって達成される。
【0006】
下部ハウジングの突出したスナップイン要素は、上部ハウジングが下部ハウジングへ押しつけられた時に、上部ハウジングの対応するくぼみにはめ込まれ、もはや破壊することなく外すことはできないはめ込み連結を形成する。密封フラップは、最初に開けられる時に少なくとも一つの剥ぎとり式の接続片が剥がされ、それにより密封フラップがすでに開封されてしまったことが確かな表示として残されるような方法で、少なくとも一つの接続片を介して上部ハウジングとつなげられている。上部ハウジングが下部ハウジングに破壊することなしには外せないような方法で連結され、剥ぎとり式の接続片が、上部ハウジングに配置された密封フラップの最初の開封を表示するという事実は、確実な原初状態保護を簡単な構成で可能にする。
【0007】
突出したスナップイン要素および対応するくぼみ、ならびに少なくとも一つの剥ぎ取り式の接続片は、追加の素材もしくは製造時に必要な複雑さを増すことなしに、簡単で安価に製造することができる。突出したスナップイン要素が適切に設計された場合、特筆すべき大きな尽力なしに上部ハウジングは下部ハウジングに連結されるため、自動充填はさほど難しくない。上部ハウジング外側および下部ハウジング外側の寸法は、既知の細長片形状指示スティック用容器の寸法と著しく異なる必要はなく、原初状態保護を備えていない既知の容器から前記原初状態保護を備えた容器への変更に際して大きな費用は生じない。
【0008】
スナップイン要素は、上部ハウジングくぼみ付近領域の壁厚の半分以上の厚さ、好ましくは4分の3以上、さらに好ましくは該壁厚より大きく突出していることが好ましい。上部ハウジングに使用される素材によって異なるが、スナップイン要素は上部ハウジングを下部ハウジングから取り外すためには、上部ハウジングが破壊されるか、または強制的な取り外しが永続的にできる可視可能な形跡を少なくとも残すように、どんな場合でも十分に突出していなければならない。
ここでスナップイン要素が、上部ハウジング側面側に上部ハウジングへの押しつけを簡単にする摺動面および下部ハウジング側面側に表面に垂直に突出した停止面を持つことは有用である。
スナップイン要素は下部ハウジングの側端部領域に有利に配置されている。この方法では、たとえば平らな補助器具によりくぼみからスナップイン要素を外し下部ハウジングから上部ハウジングを壊すことなく分離するように、くぼみが配置された上部ハウジング側面が下部ハウジングにより押し上げられることを防ぐことができる。
【0009】
上部ハウジングを下部ハウジングから壊さずに外すことを更に阻止するために、下部ハウジング壁厚は上部ハウジングと重なる領域で、少なくとも上部ハウジングの壁厚の分だけ減厚される。下部ハウジングの減厚量が上部ハウジング壁厚と一致している場合、上部ハウジング外表面と下部ハウジング外表面は、上部ハウジングが下部ハウジングに押しこまれた際に、位置が揃い同じ高さに整えられ、下部ハウジングとの連結部が分からないかたちになる。上部ハウジングと下部ハウジングとを機械的な力で分離させ取り外すことを助けたり容易にしたりする、隙間や継ぎ目や飛び出た部分をこのようにして避けることができる。
同じように、上部ハウジング壁厚および下部ハウジング壁厚の両方が基本的に同等で、重なる領域においてお互いに整合するようにそれぞれ減厚されることも考えられる。そのようにすれば上部ハウジングおよび下部ハウジングの外表面および内表面の両方が、面一(ツライチ)となり連結部が分からないように、上部ハウジングが下部ハウジングに押し込まれる。容器の壁厚はそれで一定になる。不必要な段差および突出した縁は内表面および外表面の両方において避けられる。
【0010】
簡単で安価に製造でき同時に密封フラップによる原初状態保護を確実にするために、密封フラップの向かい合う二つの側面のそれぞれに少なくとも一つの剥ぎ取り式の接続片を有利に備える。密封フラップはまた上部ハウジングの開口を限定する基本的には長方形の周縁部もしくはへりを持つ。密封フラップは上部ハウジングに、たとえば密封フラップの一側面に沿った皮膜状の蝶番により、軸旋回できるかたちで固定されている。密封フラップを上部ハウジングに接続し、剥がされた時にだけ密封フラップが解放され開口されることを可能とする剥ぎ取り式の接続片は、皮膜状の蝶番付近の向かい合う二つのそれぞれの側面の端に形成される。
封止フラップが、閉じられた状態の位置で開閉可能に上部ハウジングに固定もしくは保持する止め具もしくは固定具は、封止フラップの皮膜状蝶番と反対側に提供される。これは、封止フラップが閉じられ、閉じられた位置を保持する時に、封止フラップに形成された舌状のスナップイン要素が、上部ハウジング開口部裏の弾力的に変形可能な縁の裏側に係合するという、スナップイン舌状部により簡素な態様で実現することができる。また、上部ハウジング開口部の縁の代わりに、密封フラップのスナップイン舌状部を弾力的に変形させるように設計する、またはそこに何かを追加する、またはスナップイン舌状部を上部ハウジングの開口部の縁に形成することも考えられる。
剥ぎ取り式の接続片の形状は上部ハウジングの製造工程において、使用される素材および原初状態保護に要求されるような仕様にほぼ沿ったかたちで規定できぞれぞれの要求に合わせることができる。剥ぎ取り式の接続片が、壁厚に対して薄く形成され、分離部においてテーパーを有する結合として形成されることが、さもなければ封止フラップのエッジに形成されるのであるから、特に有利であることが解った。いうまでもなく、均一な間隔で、または不均一な間隔で複数の剥ぎ取り式の接続片を設け、密封フラップを下部ハウジングに接続することも可能である。
【0011】
発明思想の特に有利な形態によれば、密封フラップにより密封される開口部は、ハウジングリッド領域および上部ハウジング側面領域の両方に取り囲まれるように提供される。開口部がハウジングリッド領域にだけ、よって容器上部だけに配置されることがなかったので、一片の試験細長片を取り出すことが大幅に簡単化されたということが解った。密封フラップを開くことによってまた、上部ハウジング側壁の一部の覆いを取ることになっているという事実は、試験細長片の取り出しのために容器を少し傾けると、試験細長片の終端領域は上部および側面から自由に接近可能で、試験細長片は簡単につかまれ取り出されるということを意味する。ハウジングの上部領域のみに配置された開口部の場合に必要であった、容器を完全に回転もしくは反転させることは、必要ない。したがって一つの試験細長片を取り出そうとする際に実際に起こることが知られていた、複数の試験細長片もしくはすべての試験細長片が容器から落ちてしまう危険性は、減少されるかもしくは完全になくすことができる。
試験細長片の取り出しを簡素化するために、密封フラップは上部ハウジングのハウジングリッドに軸旋回するように取り付けられ、上部ハウジングのかどを形成する。 発明思想の好ましい実施形態によれば、ハウジングの上面沿いの密封フラップの長さは、上部ハウジング側壁沿いの密封フラップの長さより短い。開口された密封フラップが直角に突き出ている場合でも、密封フラップの側壁領域が下部ハウジング側壁もしくは上部ハウジング側壁が位置する平面より突き出していて停止面を形成するため、試験細長片を容器内に保持し、試験細長片が容器から意に反して落下することは不可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
発明思想の形態の実例は下記の図と共にさらに詳しく説明される。
【図1】図1は複数の試験細長片のための容器の側面を表した図である。
【図2】図2は、図1に描かれた容器の別の側面を表した図である。
【図3】図3は、図2の線IIIからIIIに沿った図1および図2で描かれた容器の断面を表した図である。
【図4】図4は、図1の線IVからIVに沿った図1および図2に描かれた容器の断面を表した図である。
【図5】図5は、図4のVに示された区分の拡大を表した図である。
【図6】図6は、図3のVIに示された区分の拡大を表した図である。
【図7】図7は、図3のVIIに示された区分の拡大を表した図である。
【図8】図8は、図1のVIIIに示された区分の拡大を表した図である。
【図9】図9は、図8の線IXからIXに沿って描かれた区分の断面を表した図である。
【図10】図10は、図1に描かれた容器の上部ハウジング形態を表す図9に対応する図である。
【図11】図11は、図1の容器と開口された密封フラップの側面を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
複数の試験細長片、特に比較的大量の複数の細長片形状の指示スティックのための容器(1)は、一面が開口した基本的に箱体の下部ハウジング(2)および同様に一面が開口した基本的に箱体の上部ハウジング(3)を持つ。上部ハウジング(3)は下部ハウジング(2)の上に押しつけられスナップ圧着式で連結され、試験細長片(図には示さず)のために全ての面が閉じられた容器(1)を形成する。 下部ハウジング(2)の壁厚は上部ハウジングに面する端部領域(4)で減厚されているるので、整合された壁厚を持つ上部ハウジング(3)は、下部ハウジング(2)および上部ハウジング(3)の外表面が平らになるようにお互いに隣接させるように、下部ハウジング(2)に押しつけることができる。
下部ハウジング(2)は前側(5)および背側(6)それぞれの端部領域(4)に配置された外側に突き出したスナップイン要素(7)を持つ。スナップイン要素(7)は上部ハウジング(3)に面した側に摺動面(8)および下部ハウジング(2)に面した側の前側(5)もしくは背側(6)に垂直に突き出した停止面(9)を持つ。このスナップイン要素(7)の形状は、スナップイン要素(7)が上部ハウジング(3)の対応するくぼみ(10)にかみ合うまで、上部ハウジング(3)を比較的小さな力で下部ハウジング(2)に押し込められる効果がある。
上部ハウジング(3)が下部ハウジング(2)に完全に押し込まれると同時に、表面に垂直に配向したスナップイン要素(7)の停止面(9)は、くぼみ(10)領域のヘリと組み合わされしっかりとした連結を形成し、相当な力を加えられても、破壊しない限りは外れないようになる。
【0014】
スナップイン要素(7)もしくは対応するくぼみ(10)はそれぞれ下部ハウジング(2)もしくは上部ハウジング(3)の側端部(11)(12)領域に配置されるため、上部ハウジングの前側(5)もしくは背側(6)は、下部ハウジングの前側(5)もしくは背側(6)から変形され持ち上げられることはなく、したがってくぼみ(10)領域のヘリは、スナップイン要素(7)の停止面(9)から完全に離すことができたときに、上部ハウジング(3)は妨げられない方法で下部ハウジング(2)から引き抜くことができる。
図5に具体的に見られるように、停止面(9)領域のスナップイン要素(7)は、くぼみ(10)周辺領域において上部ハウジングの壁厚より突出する。この方法では、上部ハウジング(3)が下部ハウジング(2)から不必要に分離されることを確実に防ぐことができる。特に上部ハウジング(3)に使われる個々の素材によるが、スナップイン要素(7)の厚さは壁厚より少しだけ小さく突き出しているだけで十分である場合もある。
【0015】
上部ハウジング(3)は、上部ハウジング(3)のかど(13)を形成する密封フラップ(14)を持つ。密封フラップ(14)はハウジングリッド(15)領域の上部ハウジング(3)上側に軸旋回する形で備え付けられる。この目的のために密封フラップ(14)は、ハウジングリッド(15)と共に継ぎ目なしで作られ、図6に拡大された形で描かれるように、皮膜状の蝶番を形成する壁厚低減(16)によりつなげられる。壁厚低減(16)は、容器(1)の開閉のための密封フラップ(14)の簡単な軸旋回を促進する、ハウジングリッド(15)の狭い領域の剛性の低減もしくは弾性の増大を提供する。
壁厚低減(16)の反対側の側端部(17)では、密封フラップ(14)が突き出したスナップイントング(18)を持つ。スナップイントング(18)は密封フラップ(14)が閉じられた状態の時、密封フラップ(14)により覆われる上部ハウジング(3)開口部(20)のへり(19)の裏にはめ込まれる。スナップイントング(18)を用いることで、密封フラップ(14)は閉口姿勢を維持することができる。密封フラップ(14)は、密封フラップ(14)をつかんで開けることを容易にする外側に突出するつまみ部分(21)を持つ。
図1から分かるように、密封フラップ(14)は上部ハウジングのかど(13)を形成する。ハウジングリッド(15)沿いの密封フラップ(14)の第一部分(22)は、狭い側壁(24)に沿って伸びる密封フラップ(14)の第二部分(23)より短い。密封フラップ(14)は開けられると垂直に突出し、より長い第二部分(23)は狭い側壁(24)を超えてハウジングリッド(15)と共に平面を延長するため、したがって、たとえ容器(1)が回転されたり反転されたりしても、容器内の試験細長片は落ちない。
【0016】
明確化のために図8および図9において、容器(1)の密封フラップ(14)領域は側面図もしくは断面図として拡大される。密封フラップ(14)は剥ぎ取り式の二つの接続片(25)を介して上部ハウジング(3)の残りにつなげられる。最初に容器(1)を開けるためには、密封フラップが閉じられた位置から開けられた位置に軸旋回される前に、剥ぎ取り式の接続片(25)が剥ぎ取られるかもしくは切り離される必要がある。剥ぎ取られた接続片(25)は、容器(1)もしくは密封フラップ(14)がすでに一度開けられたこと、および、容器(1)内の試験細長片の原型が保護されていることが保証されないことを示す。
密封フラップ(14)の下縁部(26)は先に来るほど細くなる。密封フラップ(14)下縁部(26)と上部ハウジング(3)開口部(20)の縁部(19)の間には分離接合部(27)が形成される。接続片(25)は上部ハウジング(3)と共に一枚で型打ちされ、壁厚が減厚された薄い接続片として、密封フラップ(14)を上部ハウジング(3)の残りにつなぐ。
【0017】
下部ハウジング(2)の壁厚は上部ハウジング(3)と重なる端部領域(4)における上部ハウジング(3)の壁厚まで正確に減厚される。上部ハウジング(3)は、下部ハウジング(2)に押し込めることができ、下部ハウジング(2)の外表面と上部ハウジング(3)の外表面とは押し込めてしまった後は平らで接続部がないようになる。下部ハウジング(2)から上部ハウジング(3)を機械的にむりやり外したり分離したりすることを容易にするもしくは促進する、隙間、結合部または突出した形状をこの結果避けることができる。
図10は上部ハウジング(3)の代替設計を表す。上部ハウジング(3)壁厚は下部ハウジング(2)壁厚に対応する。重なる端部領域(4)では、上部ハウジング(3)壁厚および下部ハウジング(2)壁厚の両方それぞれが半分に減厚され、従って上部ハウジング(3)および下部ハウジング(2)それぞれの外表面は平らで接続部が分からない方法でお互いに隣接することができるばかりでなく、それぞれの内表面も面が揃いツライチとなり突出するエッジが無いものとなる。
【0018】
明確化のために、逆さの状態で密封フラップ(14)が開けられた容器(1)を、図11に示す。垂直に開けられた状態の密封フラップ(14)のハウジングリッド(15)に平行な位置にある密封フラップ(14)の第2部分(23)は、狭い方の側壁(24)を超えて突き出し、容器(1)が逆さまにされ密封フラップ(14)が開いた時でも容器(1)内の試験紙が落ちることを防ぐことができる。密封フラップ(14)領域の1または2以上の試験細長片が部分的に滑り落ちても、密封フラップ(14)の第2部分(23)によって保持されるので、開口部(20)領域のこれらの試験細長片は密封フラップ(14)上で自由に接近でき、簡単で早く確実な方法で個別に取り出すことができる。
上部ハウジング(3)および下部ハウジング(2)のそれぞれは、例えばポリスチレン(PS)もしくはポリプロピレン(PP)のようなものを鋳型に注入することにより、好ましくはプラスチックから継ぎ目なしで作られる。ここで上部ハウジング(3)は、ポリプロピレン(PP)もしくはポリエチレン(PE)を含むな、弾性のあるプラスチック素材から作るのが有利である。下部ハウジング(2)は、ポリスチレン(PS)を含む、十分な剛性もしくは強度があるプラスチックから成るものが有利である。使用者が容器(1)の中身を見られるように、下部ハウジング(2)および/もしくは上部ハウジング(3)は、透明度の高いプラスチックから作られることができる。スナップイン要素(7)領域では、注入工程で使用された鋳型は描写されたスナップイン要素(7)領域の形態に示された切り込みを形成するために、可動式のはめ込まれたスライドを持つ。
【0019】
本説明により当業者が発明を包括的に利用することを可能にする。たとえさらなる解説なしでも、当業者が広い範囲で前記詳細を利用することを可能にすると想定できる。説明に明確性を欠く場合は、引用された出版物および特許文献を参照すべきことはいうまでもない。同様にこれらの文書は本詳細の公開内容の一部としてみなされる。
より良い理解のためおよび発明の説明のために、本発明の保護の範囲で実例が示された。またこれらの実例はあり得る様々な態様の説明に寄与する。説明された発明原理の一般的な妥当性に依拠して実例が説明されたのであり、これらの実例は、本請求の保護の範囲をこれらのみ限定したものと考えるのは適当ではない。
実例となる実施形態に説明もしくは描かれた寸法もしくは関連する寸法比率は、発明に不可欠な特徴として明確に描かれない限り、それぞれの場合の発明原理のあり得る様々な態様として、その寸法もしくは寸法比率に限定されるものではなく説明することを意図しているだけであることは当業者にとって言うまでも無い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部ハウジングおよび下部ハウジングに確実に組み合わせることができる上部ハウジングを有しており、上部ハウジングは軸旋回するように取り付けられた密封フラップを持つ、特に細長片形状指示スティックを含む、複数の試験片のための容器であって、下部ハウジング(2)は上部ハウジングを確実な形で下部ハウジングに組み合わせるための上部ハウジング(3)の対応するくぼみ(10)に組み合わせることのできる複数のスナップイン要素(7)を持ち、密封フラップ(14)は、周縁部において少なくとも一つの剥ぎ取り式の接続片(25)により上部ハウジング(3)に連結されていることを特徴とする、前記容器。
【請求項2】
スナップイン要素(7)は上部ハウジング(3) のくぼみ(10)付近領域において、壁厚の半分以上突出し、好ましくは4分の3以上突出し、特に好ましくは壁厚よりも大きく突出していることを特徴とする、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
スナップイン要素(7)が下部ハウジング(2)の側面角(11,2)領域に配置されることを特徴とする、請求項1もしくは2に記載の容器。
【請求項4】
下部ハウジング(2)壁厚が、上部ハウジング(3)と重なり合う領域において少なくとも上部ハウジング(3)壁厚まで減厚されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の容器。
【請求項5】
上部ハウジング壁厚および下部ハウジング壁厚が、両方が重なり合う領域において、本質的に同等であり互いに一致するようにそれぞれが減厚されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の容器。
【請求項6】
密封フラップ(14)が二つの向かい合う側面それぞれに少なくとも1つの剥ぎ取り式の接続片(25)を持つことを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の容器。
【請求項7】
密封フラップ(14)により閉じられる開口部(20)がハウジングリッド(15)領域および上部ハウジング(3)側壁(24)領域の両方を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の容器。
【請求項8】
密封フラップ(14)が上部ハウジング(3)のハウジングリッド(15)に軸旋回する形で固定され上部ハウジング(3)のコーナー部(13)を形成することを特徴とする、請求項7に記載の容器。
【請求項9】
密封フラップ(14)のハウジングリッド(15)沿いの長さが、密封フラップ(14)の上部ハウジング(3)側壁(24)沿いの長さより短いことを特徴とする、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
試験細長片の収容と保管のための、請求項1から9のいずれかに記載の容器の使用。
【請求項11】
試験細長片が細長片形状指示スティックであることを特徴とする、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
原初状態保護を行う方法で試験細長片を容器(1)に収容することを特徴とする、請求項10または11に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−522869(P2010−522869A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500095(P2010−500095)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【国際出願番号】PCT/EP2008/001607
【国際公開番号】WO2008/119421
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】