説明

複数物品収納ブリスターパック

【課題】 収納する個数に合わせて凸型収納部を凹凸面状に設定し、各凹凸部に円筒形電池を嵌合的に配置・収納する方式で、並列的に収納・配置する複数個の円筒形電池の個々を、その外周面に沿わせた壁面で係合的に支持・固定化して、遊動等を防止するものであり、種類の違う複数の商品を安定的に確実にパッケージできないという問題があった。
【解決手段】 上面周囲につば部3を形成し、下部を階段状に2段絞りの凹状からなる浅い絞り部4と深い絞り部5を形成し、浅い絞り部4に裏蓋体2と係合するための嵌合部を形成し、嵌合部には裏蓋体2の嵌合突起部10と係合する係合部6を形成した本体と、下面周囲につば部9を形成し、つば部9の内側に本体の浅い絞り部4の深さに略相当する高さの堤状部7を形成し、堤状部7の外側周囲の隅部に複数ヶ所の嵌合突起部10を形成し、この突起部10を本体係合部6に嵌合させて組み立てる複数物品収納ブリスターパック。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数物品収納ブリスターパックに係り、さらに詳しくは、商品と取り扱い説明書、化粧品とパフ、同一商品において、大きさの違う2物品を同一のブリスターパックに収納する商品パッケージ用の複数物品収納ブリスターパックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術としては、少なくとも一端面に一方の電極端子が突設された円筒形電池を複数個並列に収納する寸法・形状の凸型収納部を備えた透明性のブリスターパック本体と、前記ブリスターパック本体の裏面側に重ね合わされ、凸型収納部開口を封塞する支持体板とを有するブリスターパックであって、前記凸型収納部の円筒形電池端面が対接する側壁に、隣接する円筒形電池の外周面に対接する突起部、及び突設した電極端子が嵌合する凹型部を設けてあるブリスターパック(例えば、特許文献1参照)が存在している。
【特許文献1】特開2003−142056号公報(特許請求の範囲の欄、発明の詳細な説明の欄の{発明の実施の態様}における段落{0022}〜{0025}、及び図1を参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来技術は、円筒形電池を複数個収納するブリスターパックで、収納する個数に合わせて凸型収納部を凹凸面状に設定し、各凹凸部に円筒形電池を嵌合的に配置・収納する方式で、並列的に収納・配置する複数個の円筒形電池の個々を、その外周面に沿わせた壁面で係合的に支持・固定化して、遊動等を防止するものであり、大きさ、種類の違う複数の商品を安定的に確実にパッケージすることはできないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための本発明の第1発明は、請求項1に記載された通りの複数物品収納ブリスターパックであり、次のようなものである。
2種の物品を収納できるようにしたブリスターパックであって、合成樹脂製板材から成形し、上面周囲につば部を形成し、その下部を階段状に2段絞りの凹状からなる浅い絞り部と深い絞り部を形成し、浅い絞り部に裏蓋体と係合するための嵌合部を形成し、該嵌合部には裏蓋体の嵌合突起部と係合する係合部を形成した本体と、合成樹脂製板材から成形し、下面周囲につば部を形成し、該つば部の内側に本体の浅い絞り部の深さに略相当する高さの堤状部を形成し、該堤状部の外側周囲の隅部に複数ヶ所の嵌合突起部を形成し、この突起部を本体係合部に嵌合させて組み立てる構成である。
【0005】
上記課題を解決するための本発明の第2発明は、請求項2に記載された通りの複数物品収納ブリスターパックであり、次のようなものである。
請求項1記載の発明の加えて、本体と裏蓋体の間に仕切板を介在させる構成である。
【0006】
上記課題を解決するための本発明の第3発明は、請求項3に記載された通りの複数物品収納ブリスターパックであり、次のようなものである。
請求項1、または請求項2に記載の発明に加えて、本体あるいは裏蓋体のつば部の一部に開封用つまみ部を形成する構成である。
【0007】
上記課題を解決するための本発明の第4発明は、請求項4に記載された通りの複数物品収納ブリスターパックであり、次のようなものである。
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明に加えて、裏蓋体の堤状部の外側周囲が挿入できる孔を形成した、上部に吊り下げ用孔を有する台紙と、該台紙に商品を収納した裏蓋体を係合し、裏蓋体のつば部で台紙に係止し、商品を収納した本体を裏蓋体の堤状部で嵌合係合する構成である。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る複数物品収納ブリスターパックは、上記説明のような構成であるので、以下に記載する効果を奏する。
(1)複数種の物品を収納でき、配置・収納が容易で、遊動・位置ズレの発生が防止・抑制でき、低コスト化、コンパクト化、生産性の向上が図れ、複数種の商品を安定した状態で、パッケージ化が可能であり、実用上、使い勝手の良いものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
2種の物品を収納できるようにしたブリスターパックであって、合成樹脂製板材から成形し、上面周囲につば部を形成し、その下部を階段状に2段絞りの凹状からなる浅い絞り部と深い絞り部を形成し、浅い絞り部に裏蓋体と係合するための嵌合部を形成し、該嵌合部には裏蓋体の嵌合突起部と係合する係合部を形成した本体と、合成樹脂製板材から成形し、下面周囲につば部を形成し、該つば部の内側に本体の浅い絞り部の深さに略相当する高さの堤状部を形成し、該堤状部の外側周囲の隅部に複数ヶ所の嵌合突起部を形成し、この突起部を本体係合部に嵌合させて組み立てる複数物品収納ブリスターパックである。
【実施例】
【0010】
図1は、本発明の第一実施例である複数物品収納ブリスターパックの本体を示すもので、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は一部詳細正面図、図2は、裏蓋体を示すもので、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は一部詳細正面図、図3は、本発明の第二実施例である本体と裏蓋体を一体的に形成し、本体と裏蓋体をミシン目等で切り離せるようにした実施例を示すもので、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は左側面図、(E)は本体側の一部詳細正面図、(F)は裏蓋体側の一部詳細正面図、図4は、吊り下げ孔を有する台紙に取り付けた第一実施例の組み立て状態を示す斜視図である。
【0011】
本発明について図1、図2、図4に基づいて具体的に第一実施例を説明する。
複数物品収納ブリスターパックの本体1及び裏蓋体2は、合成樹脂板等を採用して真空成型等で成形して得るものである。
その具体的な構造は、以下の通りである。
先ず、本体1について図1で説明すると、図1(A)〜(D)からも理解できるように、2種の商品を収納できるようにしたもので、合成樹脂板、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂を素材として真空成型等で成形するもので、上面周囲につば部3を形成し、その下部を階段状に2段絞りの浅い絞り部4と深い絞り部5を凹状形に形成する。そして、同時に裏蓋体2と係止できるように凹みの係合部6を浅い絞り部4の隅部等に形成する、成形し易いように絞り部の角部はRを形成したり、つば部3の角部は面取りをする等、取り扱い時に怪我等をしないように配慮することはいうまでもない。
【0012】
次に、裏蓋体2について図2で説明すると、図2(A)〜(D)からも理解できるように、略凹形状を有し、具体的には本体1の浅い絞り部4に係合できる浅い絞り部4の深さに相当するような高さの堤状部7を形成することで、堤状部7で囲まれるように収納部8を形成し、堤状部7の底部につば部9を形成したものである。
また、堤状部7の外周角部に本体1に形成した係合部6と係合係止できるように突起部10を形成したものである。
【0013】
次に、本発明の第二実施例について説明する。
図3(A)〜(E)からも理解できるように、第一実施例においては、本体1と裏蓋体2を各個別に成形する実施例について説明したが、この第二実施例では、本体1と裏蓋体2を一体成形し、本体1と裏蓋体2間に必要時に切り離せるようにミシン目等を形成して連結状態で成形するものであり、具体的な各形状等は同一なので詳細な説明は書略する。
【0014】
次に、本発明の使用状態について図4に基づいて説明する。
吊り下げ用孔11を形成した台紙12に裏蓋体2のつば部9で接着、ホッチキス止め等して固定し、裏蓋体2の収納部8に第一物品、例えば取り扱い説明書を入れ、本体1の深い絞り部5に第二物品、例えばオーディオ機器を入れ、その収納する物品によって第一物品と第二物品の間に仕切りシートを介在させる等して、本体1の浅い絞り部4と裏蓋体2の堤状部7を嵌め合わせて係合し、必要に応じて台紙11に接着、ホッチキス止め等で固着するものである。
【0015】
なお、台紙12に対する固定の手段は、前記説明の固定手段に替えて、台紙11に裏蓋体2の堤状部7が挿入できる堤状部7と略同一形状の孔を形成し、この孔に裏蓋体2を裏面側から嵌合挿入し、孔から突出した堤状部7と、本体1の浅い絞り部4を嵌合させて、前記実施例と同様に2つの物品を収納できるようにしたものである。
また、図面で示した浅い絞り部4、深い絞り部5、収納部7の形状は矩形であるが、収納物の形状に合わせて、円形、三角形、楕円形等、種々の形状を採用することができる。
また、本体1の係合部6と裏蓋体2の突起部10で本体1と裏蓋体2は嵌合係止できるから、特に両者を接着やホッチキス止めする必要はないが、盗難やいたずらを防止するために、台紙12に固着することは適宜選択することになる。
さらに、設計変更の範囲としては、2種類の物品だけではなく、3種類以上の物品を収納できるように、絞り部を複数段にして、それに対応することは必然的に考えられるものである。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本願発明を利用して、2種以上の商品をそれぞれの商品の形状に合わせた収納部を形成することにより、色々な商品を収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例である複数物品収納ブリスターパックの本体を示すもので(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は一部詳細正面図である。
【図2】本発明の一実施例である複数物品収納ブリスターパックの裏蓋体を示すもので(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は一部詳細正面図である。
【図3】本発明の第二実施例である複数物品収納ブリスターパック示すもので(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は左側面図、(E)は本体側の一部詳細正面図、(F)は裏蓋体側の一部詳細正面図である。
【図4】本発明の具体的な第一実施例である吊り下げ孔を有する台紙に取り付けた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0018】
1・・・・本体 2・・・・裏蓋体
3・・・・つば部 4・・・・浅い絞り部
5・・・・深い絞り部 6・・・・係合部
7・・・・堤状部 8・・・・収納部
9・・・・つば部 10・・・・突起部
11・・・・吊り下げ用孔 12・・・・台紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2種の物品を収納できるようにしたブリスターパックであって、合成樹脂製板材から成形し、上面周囲につば部を形成し、その下部を階段状に2段絞りの凹状からなる浅い絞り部と深い絞り部を形成し、浅い絞り部に裏蓋体と係合するための嵌合部を形成し、該嵌合部には裏蓋体の嵌合突起部と係合する係合部を形成した本体と、合成樹脂製板材から成形し、下面周囲につば部を形成し、該つば部の内側に本体の浅い絞り部の深さに略相当する高さの堤状部を形成し、該堤状部の外側周囲の隅部に複数ヶ所の嵌合突起部を形成し、この突起部を本体係合部に嵌合させて組み立てることを特徴とする複数物品収納ブリスターパック。
【請求項2】
本体と裏蓋体の間に仕切板を介在させることを特徴とする請求項1記載の複数物品収納ブリスターパック。
【請求項3】
本体あるいは裏蓋体のつば部の一部に開封用つまみ部を形成したことを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の複数物品収納ブリスターパック。
【請求項4】
裏蓋体の堤状部の外側周囲が挿入できる孔を形成した、上部に吊り下げ用孔を有する台紙と、該台紙に商品を収納した裏蓋体を係合し、裏蓋体のつば部で台紙に係止し、商品を収納した本体を裏蓋体の堤状部で嵌合係合したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複数物品収納ブリスターパック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−276855(P2007−276855A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−108100(P2006−108100)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(597010606)成光産業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】