説明

見切りブロック及びこれを配置した防草シートの敷設構造

【課題】 雑草の生育を抑える為に地面に敷設される防草シートが捲れ上らないように縁に沿って配置する見切りブロックの提供。
【解決手段】 見切りブロック1は複数のブロック片2,2・・・を有すと共に各ブロック片2,2・・・の間には溝3,3・・・を形成し、そして内部には補強材を埋着し、さらに各ブロック片2,2・・・にはピンが挿通して地面に打ち込むことが出来るピン穴7,7・・・を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地面に敷設した防草シートが剥れないように、縁を押える為の見切りブロック及びこれを配置した防草シートの敷設構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、整地した平坦面や傾斜面に雑草が生えないようにするため、その地面に防草シートを敷設する場合が多い。防草シートにも色々な種類が存在しているが、例えば、一定幅を有する帯状を成し、この防草シートを一部重ね合わせた状態で順に横に並べると共に各防草シートにその上面から適宜間隔を離してアンカーピンを打込むことにより各防草シートを地面に固定している。
【0003】
ところで、該防草シートを地面に敷設することで雑草は生えないようになるが、全域に防草シートを敷設することは出来ない。そこで、防草シートを敷設しない場所には雑草が生えて大きく成長し、これらの雑草は刈り取らなくてはならない。一般には草刈り機を使用して刈り取られる場合は多いが、この際、草刈り機の円盤カッターが防草シートに触れて破れる場合がある。
【0004】
また、アンカーピンを打ち込んで防草シートの縁を固定する場合、各アンカーピンとの間から風が侵入して捲くれ上る場合が多い。そして、防草シートが捲くれ上がるならば縁が裂けてしまい、結果的に破れた防草シートを新たな防草シートに交換しなくてはならなくなる。一方、地面に打ち込んだアンカーピンは弛みを生じて該アンカーピンの箇所であっても防草シートは地面から浮き上がることがある。
【0005】
特開2004−33032に係る「防草シートとその施工方法」は、隣合う防草シートの隣接する側縁部が、捲れ上ることなくしっかりと封止されて所期の目的が十分に達成でき、しかも、コンクリート面等や凹凸の多い農地等の施工面にも支障なく敷設できるようにしている。
そこで、柔軟性を有する帯状のシート本体片面の短手方向の一側縁部に沿って接着層を設け、また、前記シート本体の所定位置に複数の固定用孔を設けて防草シートを成形し、施工面に防草シートを接着層が上面に位置するようにして敷設すると共に複数の固定用孔へ固定具を打込んで防草シートを固定し、次に、後の防草シートの一側縁部を先の防草シートの接着層上面に重合させて互いに張り合わせ、前記重合部分を含め後の防草シートに設けられた各固定用孔へ固定具を打ち込むようにしている。
【0006】
特開2004−166667号に係る「防草シートおよびその敷設方法」は、容易に敷設することができ、風圧による防草シートの破損を防止することができる防草シートの敷設方法である。そこで、防草機能を備えたシート本体を有し、該シート本体はその縁部の全体または一部が折り返されて形成された筒状部を有し、該筒状部には線状体が挿入されている防草シートを敷設する方法であって、防草シートを地面上に敷いた後に、前記防草シートの上面から、前記線状体に跨がって固定手段を地面に差し込み、前記防草シートを地面に固定して敷設する。
【特許文献1】特開2004−33032に係る「防草シートとその施工方法」
【特許文献2】特開2004−166667号に係る「防草シートおよびその敷設方法」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、防草シートの敷設方法としては一般にアンカーピンが使用されて捲れ上らないように固定している。しかし、該アンカーピンは防草シートを局部的に押えるものであり、強風時には破損する虞も多く、また、周囲が雑草にて覆われると境界が分かり難くなって、草刈り機にて周囲の雑草と共に切り裂かれる場合が多い。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、防草シートが強風にて飛ばされることなく、また防草シートの縁が雑草の草刈り時に草刈り機にて破損しないようにした見切りブロック及び見切りブロックを載せて固定した防草シートの敷設構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る見切りブロックは、防草シートの縁に沿って配置され、しかもピンを打ち込んで見切りブロックを地面に固定している。ここで、見切りブロックは複数のブロック片を有し、各ブロック片の間には溝が切込まれて形成されている。そして、見切りブロックは防草シートの縁に載って押えることが出来るように、コンクリートを材質として成型されている。ただし、コンクリートの具体的な成分は特に限定しないことにする。
【0009】
ただし、コンクリートだけではその強度が弱い為に(特に脆い為に)、内部に補強材を埋着している。該補強材は一般的に樹脂製のネット又は金属製のネットが使用される。ところで、コンクリート製の見切りブロックはある程度の重さがあることで、防草シートの縁に載せるだけで押え効果は得られるが、ブロック片にはピン穴が貫通している。そこで、ピン穴にピンを挿入して地面に打ち込むことが出来る。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る見切りブロックはコンクリート製であり、その為に重く、この見切りブロックを地面に敷設した防草シートの縁に載せることで、一種の重りとなって押えることが出来る。しかも、ピンを打ち込んで地面に固定することが出来、強風時であっても防草シートは捲れ上って飛ばされることはない。そして、従来のようなピンにて局部的に押えるのではなく、見切りブロックを介して防草シートの縁を連続して押える為に、押さえ面圧は小さくなり、防草シートに無理な張力が作用しない。
【0011】
一方、見切りブロックはその厚さが少なくとも20〜30mm程度ある為に、防草シートの縁に配置することで、1つの目印と成る。従って、周囲の雑草を草刈り機で刈る時に防草シートの縁に触れて切断することはない。すなわち、見切りブロックにカッターが当り、防草シートに直接触れない為に、該防草シートは破損しない。さらに、見切りブロックは内部に補強材を埋着している為に、上に載っても割れることはなく、また、間に溝を形成した複数のブロック片が繋がって構成されているが、防草シートの縁に配置するに際して該溝にて適当な長さに分割することも出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る見切りブロックを示す実施例。
【図2】見切りブロックの長手方向断面図。
【図3】防草シートの縁に沿って見切りブロックを配置した防草シートの敷設構造。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明に係る見切りブロック1を示す実施例である。該見切りブロック1はコンクリート製であって、その為にある程度の重さがあり、防草シートの縁に載せるならば風が吹いても吹き飛ばされないように機能することが出来る。ところで、該見切りブロック1は複数のブロック片2,2・・・を有し、各ブック片2,2・・・は正方形を成すと共に隣りのブロック片2との間には細い溝3が上方から切込まれている。
【0014】
ここで、ブロック片2の寸法は限定しないが、数個のブロック片2,2・・・を繋いだ見切りブロック1を持運ぶ際に支障のない重量と成るような寸法としている。例えば、個々のブロック片2は縦・横寸法を60mmとし、厚さ寸法(高さ寸法)は40mmとすることが出来る。また、各ブロック片2の側面4,4・・・は僅かに傾斜している。ただし、本発明の見切りブロック1のブロック片2の形状を図1のような正方形に限定するものではない。
【0015】
そして、各ブロック片2,2・・・の内部には一定間隔をおいて縦補強材5,5・・・と横補強材6,6・・・が網目を成して埋着されている。縦補強材5及び横補強材6の材質は特に限定せず、一般的には樹脂製の線材又は金属製の線材が用いられ、これら縦補強材5,5・・・と横補強材6,6・・・を内部に埋着することで引張り強度に対して弱いコンクリート製のブロック片2の強度は大きく向上する。特に、脆さが解消されて上に載っても割れることはない。
【0016】
そして、横補強材6,6・・・は各ブロック片2,2・・・毎ではなく、複数のブロック片2,2・・・に跨って延びている。従って、各ブロック片2,2・・・は溝3,3・・・にて割れることなく繋がっている。しかし、見切りブロック1の長さを調整する為に、すなわち縁に隙間なく見切りブロック1を配置する為に該溝3にて適当な長さに切断することは可能である。
【0017】
また、各ブロック片2,2・・・の中央にはピン穴7,7・・・が設けられている。同図に示すピン穴7は上部には座8が形成され、座8の下方に下方を細く傾斜した穴9が貫通して設けられている。座8にはピンの頭が上面10に突出しないように嵌り、傾斜した穴9をピンが貫通して地面に打ち込まれる。ピンは見切りブロック1を地面に固定するが、この見切りブロック1によって防草シートの縁が押えられる。
【0018】
アンカーピンを直接打ち込んで防草シートの縁を固定する場合、各アンカーピンとの間には押えられない空間が形成され、この空間から風が侵入して防草シートが捲れ上るが、本発明の見切りブロック1を載せて配置することで、防草シートの縁は全長にわたって隙間なく固定される。また、アンカーピンのように縁を局部的に押さえるのではなく、縁全体を押えることが出来ることで防草シートの縁に無理な応力は発生しない。
【0019】
図2は見切りブロック1の長手方向断面を示している。ピン穴7は全てのブロック片中央に設けられているが、防草シートの縁に沿って配列する場合、全てのピン穴7,7・・・にピンを打ち込む必要はない。また、この見切りブロック1は防草シートの縁に限らず、所々に配置することで防草シートはより安定して敷設される。
【0020】
図3は防草シート10の縁に本発明の見切りブロック1,1・・・を配置して固定した場合の平面図である。複数のブロック片2,2・・・を繋いで構成している見切りブリック1,1・・・を縁に沿って配列し、そして見切りブロック1,1・・・の適当なブロック片2,2・・・のピン穴7,7・・・にピンを打ち込むことで地面に固定している。そして、見切りブロック1の長さを調整する為に、すなわち敷設した防草シート10の縁に収まるようにブロック片2を切り落とすことが出来る。
【0021】
ブロック片2,2・・・は、間に切込まれた溝8,8・・・が設けられていることで、比較的簡単に切り落とすことが出来る。勿論、切り落とし切断に際しては、長手方向に延びる横補強材6,6・・・も切断される。ところで、この見切りブロック1は所定の型にコンクリートを流し込んで成型することで製作可能であり、成型と同時に内部には縦補強材5,5・・・と横補強材6,6・・・によってメッシュを形成した補強材が埋着される。
【0022】
ところで、前記図1に示した見切りブロック1は複数のブロック片2,2・・・が一列に配列した形態としているが、ブロック片2,2・・・を2列、又は3列に配列した見切りブロック1として構成する場合もある。
【符号の説明】
【0023】
1 見切りブロック
2 ブロック片
3 溝
4 側面
5 縦補強材
6 横補強材
7 ピン穴
8 座
9 穴
10 防草シート






















【特許請求の範囲】
【請求項1】
雑草の生育を抑える為に地面に敷設される防草シートが捲れ上らないように縁に沿って配置する見切りブロックにおいて、該見切りブロックは複数のブロック片を有すと共に各ブロック片の間には溝を形成し、そして内部には補強材を埋着し、さらに各ブロック片にはピンが挿通して地面に打ち込むことが出来るピン穴を設けたことを特徴とする防草シートの見切りブロック。
【請求項2】
上記補強材として樹脂製のワイヤー又は金属製のワイヤーから成る縦補強材と横補強材で網目を構成した請求項1記載の防草シートの見切りブロック。
【請求項3】
雑草の生育を防止する為に地面に防草シートを敷設し、該防草シートが捲れ上らないように縁を固定した防草シートの敷設構造において、防草シートの縁を固定する手段として見切りブロックを使用し、見切りブロックは複数のブロック片を有すと共に各ブロック片の間には溝を形成し、そして内部には補強材を埋着し、さらに各ブロック片に設けたピン穴にピンを挿通して地面に打ち込でふちを固定したことを特徴とする防草シートの敷設構造。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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