説明

視神経活動測定支援装置

【課題】 被験者にも医師等にも負担が少なく、取り扱いが容易で低コストの視神経活動測定支援装置を提供する。
【解決手段】 被験者の身体に固定した状態で前記被験者の眼に光刺激を与え、前記被験者の視神経の活動を測定するのに用いられる視神経活動測定支援装置において、幅方向に連結された複数本の光ファイバ11を有する薄肉帯状の本体10と、光ファイバ11の外周面に形成された複数の漏光部11cの集合からなり、前記被験者の眼の位置に合わせて前記本体に配置された少なくとも一つの発光領域13a,13bと、光ファイバ11の少なくとも一端に設けられ、複数本の光ファイバ11の各々に光を供給する発光手段12に接続するための接続部12aとを有する構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者の眼に光刺激を与えて、視神経の活動を測定するのに用いられる視神経活動測定支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、麻酔下で脳神経外科手術を行う際に、患者(被験者)の眼に光を照射し、それに伴う脳波をモニターすることで、患部除去の可否や器具の使用の適否などを判断する装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
また、この種の装置において被験者の両眼に光刺激を付与する支援装置としては、特許文献3,4に記載のものが知られている。
【特許文献1】特開2003−135414号公報
【特許文献1】特開2006−280421号公報
【特許文献3】特開2003−199722号公報
【特許文献4】特開2007−185326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記文献3,4に記載の支援装置は、シリコンゴムやプラスチック等で形成されたゴーグル状の本体を主体としているため硬く、長時間眼球圧迫することになって結膜潰瘍の原因となるおそれがある。また、上記文献3,4に記載の支援装置は、ゴーグル状のため厚みと重量があることから、強力な粘着テープで被験者の身体に固定する必要があり、眼球圧迫の程度がさらに増大する。また、装置やケーブルが重く、長時間の手術の間に装置の位置がずれやすいうえ、手術中に被験者の体位が変化したり、医師や看護師の身体がケーブルに触れたりすると、支援装置にケーブルの重みが作用し、位置がずれやすいという問題がある。さらに、上記の支援装置は頭部に装着し、測定器や発光器は離れた場所に設置するが、剛性のあるケーブルを使っているため手術時に外れやすいという問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、上記の問題を一挙に解決することができ、被験者及び医師の負担のきわめて小さく、かつ、取り扱いが容易で低コストの視神経活動測定支援装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、請求項1に記載の発明は、被験者の身体に固定した状態で前記被験者の眼に光刺激を与え、前記被験者の視神経の活動を測定するのに用いられる視神経活動測定支援装置において、幅方向に連結された複数本の光ファイバを有する薄肉帯状の本体と、前記光ファイバの外周面に形成された複数の漏光部からなり、前記被験者の眼の位置に合わせて前記本体に配置された少なくとも一つの発光領域と、前記光ファイバの少なくとも一端に設けられ、前記複数本の光ファイバの各々に光を供給する発光手段に接続するための接続部とを有する構成としてある。
【0005】
この構成によれば、本体が薄肉帯状に形成されているため、視神経活動測定支援装置を軽量にすることができる。
本発明に用いる光ファイバは、小径のものほどよいが、請求項2に記載するように、直径0.5mm以下で柔軟性に優れるものを用いるとよい。前記光ファイバを含む前記本体の肉厚は1mm以下、重量が50g/m以下、好ましくは30g/m以下がよい。
前記本体の素材は、薄肉,軽量で柔軟性と容易に断裂しない丈夫さを有し、かつ、複数本の光ファイバを連結することができるのであれば、樹脂フィルムや紙(和紙)など種々のものを用いることができるが、請求項3に記載するように、布帛から前記本体を形成し、前記布帛を構成する長手方向の経糸の一部又は全部を前記光ファイバで置換したものが好適である。なお、この場合、緯糸による光ファイバの湾曲が可能な限り抑制されるように布帛を編成するとともに、緯糸の密度を粗にするとよい。これにより、光の伝搬効率を高めることができる。
【0006】
前記光ファイバに形成する漏光部は、光ファイバ内を伝搬される光のうちの一部を被験者の眼の方向に差し向け、かつ、光刺激によってモニターに脳波変化が出現するだけの照度を得ることができるものでなければならない。本発明では、請求項4に記載するように、前記光ファイバの外周面に鋭角状に切り込み形成した漏光部とし、かつ、前記漏光部の各々の向き及び間隔を変化させることで、
十分な照度と全域に亘って均一発光の発光領域を得ることができた。また、請求項5に記載するように、前記光ファイバの一端を束ねて溶融切断することで、発光手段の光を効率よく伝搬することができるようになった。この場合、溶融切断後に、切断面を研磨してもよい。
【0007】
一つの本体に複数の発光領域を設ける場合は、請求項6に記載するように、一つの前記本体に平行配置した複数本の光ファイバにおける前記漏光部の形成位置を、一本又は複数本おきに、左右の前記発光領域の位置に合わせて交互に形成するとよい。
また、本発明では、請求項7に記載するように、前記本体を複数有する構成とするとよい。このようにすることで、単一の本体だけでは照度が不足しても、複数枚を積層することで、十分な照度を得ることができる。この場合、手術等の医療の現場で医師等の邪魔にならないように、本体が被験者の身体の片側だけに配置されるように、前記光ファイバの光の伝搬方向を合わせて複数の本体を積層するようにするとよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の視神経活動測定支援装置は、薄肉で軽量かつ柔軟な本体で光ファイバを連結しているため、前記本体を被験者の身体に容易に密着させることができ、長時間の眼球圧迫を生じることもない。また、前記本体を被験者の身体に貼り付けるだけで固定できるので、眼球圧迫を増大させることもない。さらに、本体はきわめて軽量であるため、長時間の手術の間に位置がずれるということもなく、手術時にも外れにくい。また、光ファイバを織り込んだ布帛を用いることで、大量生産が可能で安価に製造が可能な視神経活動測定支援装置を得ることができる。
このように、本発明は、患者等の被験者にも医師等にも負担が少なく、取り扱いが容易な視神経活動測定支援装置を安価に提供できる。また、一回使い切りタイプで安全性の高い視神経活動測定支援装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の視神経活動測定支援装置の第一の実施形態にかかり、その全体構成を説明する概略斜視図である。
視神経活動測定支援装置1は、薄肉で柔軟性を有する長尺の帯状に形成された本体10を主要な構成要素とする。この本体10は、長手方向に沿って平行に配置した複数本の光ファイバ11を、幅方向に連結して形成される。本体10の末端は、本体10から露出させた光ファイバ11を束ねてコネクタ12aに挿入され、このコネクタ12aを介して発光器12に着脱自在に接続される。そのため、一回の手術等で使用した本体10は、コネクタ12aの部分で発光器12から取り外して処分し、次の手術時には新しいものと交換することが可能である。
【0010】
[本体及び光ファイバ]
本体10は、軽量で、柔軟性と容易に断裂しない丈夫さを有し、かつ、複数本の光ファイバ11を平行に配置して連結することができるのであればよい。この実施形態では、本体10は、経糸と緯糸とからなる布帛で、長手方向に伸びる経糸の一部又は全部を光ファイバ11に置換したものである。
経糸としての光ファイバ11は、本体10の柔軟性を妨げず、かつ、視神経活動測定支援に必要な照度を得ることができるのであれば、径,配置本数は特に限定されない。材質は、耐屈曲性に優れ、取り扱いが容易なプラスチック性のものが好ましい。光ファイバ11の直径は、0.5mm以下が好ましい。一例として、直径0.25mm程度のポリメチルアクリレート系,ポリエチルアクリレート系又はポリスチレン系の光ファイバを用い、20本/cm〜40本/cmの密度で配置したものを挙げることができる。もちろん、0.25mmより細径の光ファイバ11を用いてもよい。
【0011】
このような光ファイバ織物は、例えば、特開昭62−192701号公報や、本願出願人の一人である津谷織物株式会社による特開2007−169807号公報等で公知である。
光ファイバ11による光の伝送効率を可能な限り高くするには、緯糸10aによる光ファイバ11の湾曲は可能な限り小さいものが好ましい。このような編成及び編成の方法としては、例えば本願出願人による特開2008−40046号公報のように、密に配置した光ファイバ11を極細の緯糸で連結するものが挙げられる。なお、光ファイバ11のコネクタ12aを設けるため、又は、手術中にコネクタ12aが本体10から容易に外れないようにするために、本体10は、シャットルやニードル織機で編成するのがよく、また、両側に強固な耳を設けるのが好ましい。
【0012】
緯糸10aは、本体10の柔軟性を保ちつつ、複数本の光ファイバ11を横方向(幅方向)に連結することができるのであれば、材質や径、密度等は限定されない。また、緯糸10aは、測定器へのノイズ発生防止のために非導電性のものが好ましい。
上記の条件を満たす緯糸10aとしては、ポリエチレンテレフタレートやPTT(ポリトリメチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等のポリエステル系繊維、ナイロン(ポリアミド繊維)、アラミド(芳香族ポリアミド繊維)、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフイン系繊維、アクリル等の合成繊維、レーヨン、アセテート等の化学繊維、綿、麻、ウール、絹等の天然繊維を挙げることができる。
【0013】
緯糸10aの具体例として、22〜56dtx程度、2f〜24fのマルチフィラメントで撚糸回数が100t/m以下のポリエステル系繊維を挙げることができる。
また、ポリウレタン弾性糸(33dtx/3f)を芯糸とし、ナイロン仮撚加工糸(33dtx/10f)を鞘糸とするシングルカバーリング加工糸(Pu33/Ny33)を挙げることができる。
上記した経糸(光ファイバ11)と緯糸10aとを用いた布帛の編成は、光ファイバ11の横方向の移動を可能な限り小さくするために、平織りが好ましく、この平織り編成で光ファイバ11をしっかりと連結する。緯糸10aの密度は、緯糸10aによる光ファイバ11の湾曲を可能な限り小さくするために粗い方が好ましく、7本〜9本/cm程度とするのがよい。
布帛からなる本体10の具体的寸法としては、例えば、幅30mm〜45mm程度、長さ1.5m〜3m程度、厚さ1.0mm以下(好ましくは0.3mm〜0.8mm程度、細径の光ファイバ11を用いることで0.3mm以下も可)を挙げることができる。また、布帛の重量は、50g/m以下、好ましくは30g/m以下、さらに好ましくは7.3g/m〜20g/m程度とするとよい。
【0014】
本体10には、被験者の左右の眼の位置に合わせて、二つの発光領域13a,13bを形成する。発光領域13a,13bの位置は、被験者の眼の位置に合わせて予め設定される。人間の両眼の位置は、成人と子供とで多少の違いはあるものの、それほど大きな個人差はない。そのため、平均的な両眼の位置に、ある程度の拡がり持たせて発光領域13a,13bを設定した本体10を、成人用及び子供用のそれぞれについて準備しておけば、ほぼ全ての被験者に対応が可能である。
【0015】
[発光領域及び漏光部]
発光領域13a,13bの各々は、光ファイバ11に形成された複数の漏光部11cの集合から構成される。左右の発光領域13a,13bから照射される照度は、発光領域13a,13bの全体に亘って可能な限り均一であるのが好ましい。
図2は、漏光部11cの一例にかかり、(a)は、漏光部11cを形成した光ファイバ11の部分拡大断面図、(b)は、漏光部11cを形成した光ファイバ11の部分拡大平面図である。
一般に、光ファイバ11は、コア11aとクラッド11bとから構成されている。漏光部11cは、コア11aに達するまでクラッド11bの一部に切り込みを入れたもので、光ファイバ11内を伝搬される光のうち、一部の光の進行方向を変化させて、被験者の眼の方向に差し向けるものである。この目的を達成できるのであれば、漏光部11cの形態は特に限定されない。漏光部11cの形成は、ヤスリやナイフ、サンドブラスト、サンドペーパー等研磨材による物理的加工、ヒートカット、ホットスタンプ等の熱的加工、紫外線等のレーザ加工や薬品処理による加工等の公知の手段を用いて行うことができる。
【0016】
この実施形態では、カッター等の刃を、光ファイバ11の軸線と交叉する方向に差し向けて光ファイバ11の表面に押し当て、クラッド11bからコア11aに達するまで前記刃を切り込ませる。これにより形成される漏光部11cの断面形状は、図2(a)に示すような鋭角状になる。漏光部11cの間隔、向き及び深さは、図2(a)及び(b)に示すように、各々異ならせるとよい。漏光部11cの各々からあらゆる方向に漏出した光の集合が、被験者の眼に均一発光の照射光として照射される。
漏光部11cを形成するに当たっては、光ファイバ11に光を伝搬させた状態で、漏光部11cから漏出する光の照度を確認しつつ、漏光部を形成すると良い。また、本体10に光ファイバ11を織り込んだ後に漏光部11cを形成すると良く、漏光部11cの形成位置をわかりやすくするために、本体10を編成する際に、染色した糸(先染糸)や原着糸等の容易に識別可能な糸からなる経糸(緯糸)を用いるとよい。
【0017】
一本の光ファイバ11には、軸線方向に漏光部11cを複数形成する。複数の漏光部11cの配置位置は、左右の発光領域13a,13bで均等な照度となるように、光ファイバ11の各々について決定する。
図3は、発光領域13a,13bを構成する複数の漏光部11cの配置形態の一例を示す平面図である。図3では、漏光部11cの形成位置を楕円で示している。図3に示す一つ楕円には、光ファイバ11の軸線方向に形成された複数の漏光部11cが含まれる。
図示の例では、光ファイバ11における複数の漏光部11cを、光ファイバ11の一本おきに、左右の発光領域13a,13bの位置に合わせて、交互に配置している。このようにすることで、左右の発光領域13a,13bでほぼ均等な照度を得ることができる。
なお、図示の便宜上、図3では光ファイバ11を一本おきに互い違いに配置しているが、複数本おき、例えば10本〜20本おきに互い違いに配置するのがよい。
【0018】
[発光器]
発光器12は、複数本の光ファイバ11に同時に照射光を供給できるのであれば、公知のものを用いることができる。
発光器12の光源から光が入射される光ファイバ11の末端は、光の伝送効率を高めるために、可能な限り平坦状に仕上げるのが好ましい。この実施形態では、複数本の光ファイバ11の前記末端を束ねて、溶融切断することで、上記の平坦面を得ている。この場合、溶融切断後に、切断面を研磨してもよい。
【0019】
[本体10の固定]
本体10は、医療の現場において、発光領域13a,13bを被験者の両眼E,Eの位置に合わせた後、医療用絆創膏や皮膚刺激の少ない粘着剤を用いて被験者の身体に固定される。
医療用絆創膏を用いる場合は、本体10の位置合わせを行った後、本体10の上から医療用絆創膏を貼り付けて被験者の身体に固定する。
粘着剤は、漏光部11cからの光の照射を妨げないように、無色透明のものを用いるのが好ましい。図3に示すように、発光領域13a,13bの外側に張り出す固定部14,14を本体10に設け、この固定部14,14の発光領域13a,13bから張り出した部分に予め粘着剤を塗布しておいてもよい。
【0020】
[第二の実施形態]
図4は、本発明の第二の実施形態にかかり、二つの本体を有する視神経活動測定支援装置の斜視図である。
この実施形態の視神経活動測定支援装置は、左右一対の本体20a,20bを有している。本体20a,20bの構成は、一方の本体20aに被験者の片方の眼に光を照射するための発光領域23aが設けられ、他方の本体23bに他方の眼に光を照射するための発光領域23bが設けられている点以外は、先の実施形態の本体10と同じである。
【0021】
本体20a,20bは、図4に示すように、光の伝送方向が同じになるように積層する。この場合、一方の本体20aの発光領域23aが被験者の眼の一方に位置し、他方の本体20bの発光領域23bが他方の眼に位置するように、両本体20a,20bを光ファイバ11の軸線方向にずらして積層する。
このようにすることで、複数の本体20a,20bを被験者の身体の一方に集約させることができる。
【0022】
漏光部11cの配置は、先の実施形態のように、一本又は複数本の光ファイバ11ごとに互い違いに配置してもよいが、この実施形態では左右の発光領域23a,23bで同一の配置形態としてもよい。また、例えば、図5に示すように、複数の漏光部11cを千鳥状に配置してもよい。この図5においても、図示の便宜上、漏光部11cを光ファイバ11一本おきに互い違いに配置しているが、複数本、例えば10本〜20本おきに千鳥状に配置してもよい。
【0023】
[他の実施形態]
特に図示はしないが、本発明のさらに他の実施形態では、第一の実施形態の本体10又は第二の実施形態の本体20a,20bを二つ又は三つ以上積層している。
この実施形態の視神経活動測定支援装置では、発光領域13a,13b,23a,23bのそれぞれが、二層又は三層以上になるので、一層だけでは照度が足りない場合等に有利である。
この場合も、第二の実施形態と同様に、光の伝送方向が同じになるように本体10,20a,20bを積層させて、複数の本体10,10・・及び本体20a,20b・・・が被験者の身体の一方に集約させるようにするとよい。
【0024】
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記の説明で本体は布帛で、光ファイバが前記布帛の一部を構成するものとして説明したが、本体と光ファイバとは上記のように必ずしも一体でなくてもよい。薄肉,軽量で柔軟性と容易に断裂しない丈夫さを有し、かつ、複数本の光ファイバを連結することができるのであれば、光ファイバと本体とは別体であってもよく、樹脂フィルムや紙(和紙)等で形成された本体に光ファイバを固定するようにしてもよい。
また、上記の説明で発光領域13a,13b,23a,23bは矩形状で示しているが、被験者の眼の形に合わせて円形状又は楕円状に形成してもよい。このようにすることで、余計な漏光を抑制して高い照度の照射光を効率良く得ることができる。
さらに、上記の説明では、光ファイバ11の一端にコネクタ12aを設け、光ファイバ11の一端のみから光を供給するようにしているが、光ファイバ11の両端にコネクタ12aを設け、光ファイバ11の両端から光を供給するようにすることで、照度の向上を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の視神経活動測定支援装置は、麻酔下における脳神経外科手術に限らず、被験者の眼に光刺激を与えることで視神経の活動をモニターする必要のあるあらゆる医療行為に適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の視神経活動測定支援装置の第一の実施形態にかかり、その全体構成を説明する概略斜視図である。
【図2】漏光部の一例にかかり、漏光部を形成した光ファイバの要部の断面拡大図である。
【図3】発光領域を構成する漏光部の配置形態の一例を示す平面図である。
【図4】本発明の視神経活動測定支援装置の第二の実施形態にかかり、本体の斜視図である。
【図5】第二の実施形態において発光領域を構成する漏光部の配置形態の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0027】
1:視神経活動測定支援装置
10:本体
10a:緯糸
11:光ファイバ(経糸)
12:発光器
13a,13b:発光領域
2:視神経活動測定支援装置
20a,20b:本体
23a,23b:発光領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の身体に固定した状態で前記被験者の眼に光刺激を与え、前記被験者の視神経の活動を測定するのに用いられる視神経活動測定支援装置において、
幅方向に連結された複数本の光ファイバを有する薄肉帯状の本体と、
前記光ファイバの外周面に形成された複数の漏光部の集合からなり、前記被験者の眼の位置に合わせて前記本体に配置された少なくとも一つの発光領域と、
前記光ファイバの少なくとも一端に設けられ、前記複数本の光ファイバの各々に光を供給する発光手段に接続するための接続部と、
を有することを特徴とする視神経活動測定支援装置。
【請求項2】
前記光ファイバが直径0.5mm以下、前記光ファイバを含む前記本体の肉厚が1mm以下、前記本体の重量が50g/m以下であることを特徴とする請求項1に記載の視神経活動測定支援装置。
【請求項3】
布帛から前記本体を形成し、前記布帛を構成する長手方向の経糸の一部又は全部を前記光ファイバで置換したことを特徴とする請求項1又は2に記載の視神経活動測定支援装置。
【請求項4】
前記漏光部が、前記光ファイバの外周面に鋭角状に形成された切り込みから構成され、かつ、前記漏光部の各々の向き及び間隔を変化させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の視神経活動測定支援装置。
【請求項5】
前記光ファイバの一端を、束ねて溶融切断したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の視神経活動測定支援装置。
【請求項6】
一つの前記本体に平行配置した複数本の光ファイバにおける前記漏光部の形成位置を、一本又は複数本おきに、左右の前記発光領域の位置に合わせて交互に形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の視神経活動測定支援装置。
【請求項7】
前記本体を複数有し、前記光ファイバの光の伝搬方向を合わせて、複数の前記本体を積層したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の視神経活動測定支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−297296(P2009−297296A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−155732(P2008−155732)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(504145320)国立大学法人福井大学 (287)
【出願人】(592029256)福井県 (122)
【出願人】(304036031)津谷織物株式会社 (5)
【Fターム(参考)】